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モーニングクエスト2
- 1 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月15日(金)20時29分13秒
- 前作とは全く関係なしの小説です。
ROMはやめてどんな些細な事でも良いので、感想ください(w
なんかリアクションあったほうがやる気が出るんですよね。
- 2 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月15日(金)20時33分28秒
- ハロー学院武道家コースの教室にて
殆どの生徒達が中澤の書く黒板を必死に書き写していたが、中には寝ている者も居る。
「ん〜ん」
何人かの生徒が伸びをして眠気を覚ましていると、どこからか寝言が聞こえてきた。
- 3 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月15日(金)20時42分49秒
- それが聞こえたのか、中澤はビタリと手を止め回れ右をして生徒達の方を向いた。
「誰やねん?アイツか?」
生徒達の視線はというと、一番後ろの寝ている少女へと向けられていた。
(全く世話が焼けるんやから…)
中澤はツカツカと歩くと寝ている生徒の机の前に立ち塞がった。
1.机を蹴る
2.踵落とし
3.肩を叩く
4.チョークスリーパー
- 4 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月15日(金)20時53分53秒
- (まあ1回目やしな…)
いつもの中澤なら2.4に決まっているのだが、
今日は中澤の機嫌が頗る良かったので肩を叩いて起こしてやる事にした。
「オイ起きんかい!」
「ん〜ん?」
生徒はまだ寝ぼけているのか、或いはまだ夢の中なのか
「こんな所にお肉があるべさ(♪)頂くとするべ」
そう言うと中澤の二の腕に噛み付いた。
ガツッという音が皆に聞こえるほど、教室は静寂に包まれた。
- 5 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月15日(金)21時08分48秒
- 「固い肉だべ。ん?」
「痛いっちゅうねん」
溜まらず中澤が左手で頭を叩くと、生徒は漸く目を覚ましたのだった。
(何だユメダベ?じゃあ今のは何の感触だったんだべ?)
生徒が眠い目を擦ると、そこには眉を曇らせながら右手を擦った中澤が居た。
(まさかナッチがやったべ?)
安倍は自分の寝相の悪さ(?)を呪いながら誤魔化す方法を考え始めた。
選択肢 結果予想
1「起きてたべさ」と誤魔化す→必死
2「先生トイレいって良いですか?」→必死
3「あ!UFO!」と言って逃げ出す→逃げ切れずに必死
(一体どうしたら良いんだべ?誰か助けて欲しいべ〜)
- 6 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月15日(金)21時12分47秒
- 今日はココまでです〜。
誰か安倍にこの状況の脱出方法を授けてあげてください。(w
ちなみにこれは第一章で安倍なつみ&もう一人編です。
中澤じゃあないですよ。
2章は誰が良いですかね?
- 7 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月16日(土)02時22分30秒
- 自分は、市井ちゃんを出してくれるならレスしますよ。(w
- 8 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月16日(土)13時29分25秒
- >>7
条件付ですか。
難しいかもしれません
- 9 名前:パク@紹介人 投稿日:2001年06月17日(日)03時10分03秒
- おばんです。
こちらの小説を↓の「小説紹介スレ@紫板 」に紹介します。
http://www.ah.wakwak.com/cgi/hilight.cgi?dir=purple&thp=992180667&ls=25
遅れましたが、連載開始おめでとうございます。
- 10 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月17日(日)07時45分28秒
- >>9
ファンタジーですよ。
今は第1章とかいてもらえれば、もっと良かったです。
お疲れ様でした
- 11 名前:晴姫 投稿日:2001年06月17日(日)17時54分09秒
- メールで逝ってたやつですね。
なっちは、裕ちゃんをおだてる方式で逃がしてやった方がいいと。
「先生が余りにも綺麗だったから・・・。」とか逝って。
- 12 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月17日(日)20時15分41秒
- 「先生の二の腕が綺麗だったべさ。」
安倍が苦笑いをして誤魔化すと、拳骨が飛んできた。
「あた」
安倍は頭を擦りながら中澤の方を見た。
すると
「寝てたやろうが?」
中澤はそう言い残すと、教卓に戻っていった。
- 13 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月17日(日)20時21分30秒
- 「キーンコーンカーンコーン」
授業の終わりを告げるチャイムが鳴ると、生徒達はドヤドヤと教室を後にしていった。
(さてと…)
安倍は荷物を纏めると外を見た。
(こんな良い天気なのに遊ばないなんてもったいないっしょ?
でもな〜。今日は先生に職員室に来いって言われてるしな〜どうするべ?)
- 14 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月17日(日)20時22分59秒
- 1.言われたとおり職員室に向かう。
2.友達と遊びに良く
3.自習室に行く
4.ご飯を食べる
- 15 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月17日(日)20時28分17秒
- (ん〜ん、困ったべな〜)
こんなときは友達に相談するに限ると考えた安倍は、とりあえず教室を後にした。
向かった先は、友人の市井沙耶香の居る生物教室
市井は研究熱心が有名で、放課後は殆ど毎日ここで生物の研究をしている。
「ナッチだべさ〜」
安倍は生物教室のドアを開けると、キョロキョロと市井を探し始めた。
- 16 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月17日(日)20時36分30秒
- 「あれ?ナッチじゃん。どうしたの?」
「沙耶香を探してたんだべ〜」
白衣を身に付け眼鏡をかけた市井を発見した安倍は、嬉しそうに経緯を話し始めた。
市井は時折液体を混ぜる手を止めながら、その話を聞き入っていた。
「それって行かなきゃ拙くないの?」
「沙耶香もそう思うべ?ナッチもそう思うよ。」
「じゃあ何で行かないの?」
「だから裕ちゃん何か怒ってるみたいだったべ。」
(そりゃあまあ寝てるのを注意して、腕にかみつかれれば怒るよな)
市井はウンウンと頷きながらその光景を思い浮かべた。
- 17 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月17日(日)20時42分03秒
- 「さあさあ行った行った。」
市井は安倍を立たせると、出口の方へと向かせた。
(まあ自業自得だよな。)
「うん。分かった。ナッチ行ってくる。また後でクルベさ。」
(また部費から色々出させる気なんだな?)
安倍は生物室に来ては、科学部の市井に色々な物を作らせていた。
しかもそれを全て平らげてしまう物だから、成功か失敗かも安倍にしか分からないのだった。
- 18 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月17日(日)20時48分17秒
- (沙耶香もああ言ってるし…)
安倍がドアを開けると、そこにはノートとプリントの山を上手に
運んでいる黒髪の少女のが合った。
(変なの〜)
安倍は隅に寄ろうと横に足を踏み出した。
「ドン」
しかし運悪く横腹がノートの一部を掠め山は音を立てて崩れた。
(ナッチ最近太ったべさ?)
思い出される心当たりと、暴飲暴食
しかし今はそれ所ではなかった。
- 19 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月17日(日)20時57分09秒
- 「御免御免」
安倍はノートを拾い上げると、少女にそう囁いた。
「いえ・・・此方こそ」
暫らくノートを拾っていると、音が聞こえたのだろうか市井が生物室から出てきた。
「ナッチ?さっきの音って?」
市井は安倍のドジ加減を知っていたので、「どうせこけたんだろう」
程度にしか思っていなかったので実験を続けていたが気になったので出てきたのだった。
「ごめんね〜この娘ドジだから〜」
市井もノートを拾うのを手伝いながら話し掛けてみたが、
相変わらず少女は無表情のままだった。
- 20 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月17日(日)20時59分06秒
- 今日はココまでです。
誰でしょうね少女は?
ヒントは結構あると思うんで当ててみてください。
感想またはクイズの答えなど何でも良いので、リアクションください。
- 21 名前:7 投稿日:2001年06月18日(月)03時22分58秒
- 本当に市井を出してくれるとは思わんかった。
ただ1つ市井は、沙耶香→紗耶香ですんで、間違えないでくれ〜!!
ちなみにクイズはわからん。
- 22 名前:名無しベイベー 投稿日:2001年06月18日(月)22時40分55秒
- なんだか忙しそうだね。
さやかは自分も気になった。
どっかのページで保田は1発で出るのに…ってあったぞ。
クイズは明日香かなあ。でも出して欲しいわけじゃない。
- 23 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月19日(火)08時09分05秒
- >>21
すみません。気を付けます。
>>22
どっかのページってどこですか?
気になるな
- 24 名前:名無しベイベー 投稿日:2001年06月19日(火)12時32分41秒
- GMの保田リンク集で探してみな。
なんか、法則集になってるぞ。
- 25 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月20日(水)22時55分47秒
- (そんな事より職員室にいくべサ)
安倍はプリントを拾うのを終えると、スタスタと職員室へ向かっていった。
「失礼しま〜す」
安倍が元気良く職員室に入ると、中澤が手招きをした。
「こっちやこっち」
「は〜い」
中澤は安倍を椅子に座らせると、語り始めた。
- 26 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月20日(水)23時01分05秒
- 「アンタな〜もう3年生やろ?もうちょっとしっかりせんと…」
安倍はどうせいつもの小言だろうと、軽く聞き流し時計に目をやった。
(もう4時だべな。お腹減ったべな。)
「アンタな〜きいてんのか?」
安倍はドキッとして中澤の顔を見た。
(ばれたべか?)
「アンタには才能あるから言ってるんやで?」
(ほっ・・)
中澤が再び話し始めたので、安堵していると急に揺れを感じた。
(地震?何だべ?)
- 27 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月20日(水)23時09分29秒
- グラグラと言う音と共に
教員の机の上に並べてあったプリントやノートの山が、次々と床に落ちていった。
そして5分後
「もう大丈夫やな?」
中澤は地震が収まったのを確認すると、机の下で震えている安倍を立たせた。
「もう大丈夫やて…他の生徒も気になるし、外見に行こうか?」
他の教員達が自分を見捨てて部屋から出て行ったとき素早く机の下に引っ張り込んでくれたときも
そうだったが、中澤の生徒思いなのには頭が下がる思いだった。
- 28 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月20日(水)23時14分25秒
- 「生物室に紗耶香がいたべさ」
安倍はふと思い出したように呟いた。
「ほな、行って見ようか?」
中澤はそう言うと、階段の方に向かって歩き始めた。
階段は地震の影響で少し壊れてはいたが、歩けない事は無かった。
「怖いべさ〜」
安倍がポロポロと崩れる階段を見つめながら漏らすと、中澤はぎゅっと安倍を抱きしめた。
- 29 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月20日(水)23時19分10秒
- 「大丈夫や…自分は命に代えても守ってやんねん。だから安心しいや?」
「うん」
中澤は耳元でそう囁くと、安倍の髪を撫でた。
(どうしたんだべ?)
安倍は何かいつもと違う、中澤の様子に胸騒ぎを感じたのだった。
- 30 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月20日(水)23時22分21秒
- 「紗耶香〜生きてるか〜?」
生物室のドアをこじ開けると、中澤は勢い良く中に入った。
しかし声だけが、空しく木霊するだけだった。
「逃げたんだべ?ん?」
そのとき、安倍は先程無かったノートの山とその中に何か埋もれているのに気がついた。
- 31 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月20日(水)23時25分42秒
- >>22
明日香は2章に出演予定です。
ちなみに準レギュラーの予定です〜。
>>21
ま最初だったのでリクエストに応えてみたんですが…
些細な感想やリクエスト何でも待ってます〜
- 32 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月21日(木)20時58分37秒
- (何だべさ?)
安倍がノートを片付けると、その下には市井と先程の少女が埋もれていた。
「大丈夫か?」
「ん〜ん」
中澤は乱暴に市井の頬を叩くと、意識があるかを確認した。
- 33 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月21日(木)21時06分47秒
- 「ほな、でようか?」
二人が生きているのを確認すると、中澤の提案で外に出ることにした。
「辻って言うんだべ?」
安倍は、先に進む中澤と市井を追いかけながら、少女と自己紹介を始めた。
少女の名前は、『辻希美』というらしかった。
何故巻き込まれたかというと孤児院の魔法学院では、あまり友達が居ないため職員室で遊んでいた所を
教員に用事を頼まれて生物室に来ていたのだった。
- 34 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月21日(木)21時16分06秒
- 「ここもあかんねん。」
地震でドアが壊れ出ることが出来ず
頭に血が上った中澤はドアを蹴ると、窓を割ろうとしている。
「グラグラ」
そのとき再び地震がおこった。
「わ〜」
「辻〜こっち」
ガシャーんという音共にドアが倒れてきた。
安倍が素早く引き寄せていなければ辻は下敷きになっていたであろう。
- 35 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月21日(木)21時21分26秒
- 「何やこれ?」
4人が外に出て目にした物…それは死体の山…
生徒や教員たちの死体が、至る所に転がっていたのだった。
「誰がこんな事を…」
安倍が恐怖のあまり泣き出す辻を必死にあやしていると、向こうの方から人がやってきた。
- 36 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月21日(木)21時34分10秒
- 「あれは誰や?学院の関係者やなさそうやな…」
「私が聞いてくる。」
市井はそう言うと、人影の方に歩いていった。
パン パン
それは本の一瞬の出来事で、数発の銃声が響くと、市井はその場に倒れた。
(いきなり撃つかよ?普通・・)
薄れ行く意識の中で、市井は叫ばずに入られなかった。
- 37 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月21日(木)21時40分24秒
- 「紗耶香しっかりするんや…」
不用意に接近するのを止めるために追いかけてきた
中澤に引っ張られた市井は、壊れた屋根の裏に隠れた。
「大丈夫?」
安倍と辻も心配そうに市井を覗き込んだ。
「大丈夫…ヶフ」
誰の目にも、もう先の長くない事は明らかだった。
- 38 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月21日(木)21時46分28秒
- 「畜生…こんなに速いとは…」
そんな市井を見た中澤は意味深な言葉を吐くと舌打ちした。
「先生?」
三人が中澤の顔を見ると、ハッとした様に口を塞いだが後の祭りだった。
- 39 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月21日(木)22時21分02秒
- 「実はな…」
中澤は現在国が『つんく将軍率いる政府軍』と『はたけ皇帝率いる軍部』とで
戦争つまり内戦が行われている事を説明した。
それと孤児院がその両軍の境界線となっていることも…
「でも何で戦争になってるんだべ?」
安倍が訳がわからないという顔をして尋ねた。
「実はな。つんく将軍は、はたけ将軍が…はたけ皇帝はつんく将軍が…
先に仕掛けたって言ってるんや。」
「は?」
三人は首をひねった。
「意味わからんやろ?」
「うん」
「実はな。最近魔物が出始めたやろ?どっちかがあれの親玉と摩り替わってる。」
中澤は急に真面目な顔をした。
「魔物?どっちかが偽者なの?」
「せや、ウチの親友がはたけ皇帝軍の部隊長でな。今日は学院にスカウトに来る筈やったんやが…」
中澤がそこまで言うと、再び地震が起こった。
- 40 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月21日(木)22時21分50秒
- 書いてる自分でも世界観が…
でも筋は通ってるはず…
誰か感想を聞かせてくれ〜
- 41 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月22日(金)21時45分45秒
- 「一体何やねん?地震なんてここ数年無かったのに…痛い…」
隠れていた屋根が、何かで切れたのだ。
「裕ちゃん血が出てるよ?」
安倍の指摘どおり中澤の頬は、切れたように出血していた。
「大丈夫や…それにしても今のは?」
中澤が頬をなぞると、大きな人影が屋根に映った。
- 42 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月22日(金)21時52分39秒
- (うわ〜)
人影の指から発射された青い閃光?のような物を交わした二人は離れ離れになった。
幸いな事に辻と市井には、気づいていないようだった。
(そのまま紗耶香を引っ張って校舎の中に逃げるんだべ)
それに気づいた安倍は、小柄な割りに力の強そうな辻に合図を送ると地面に伏せた。
(裕ちゃんに時間稼ぎは、任せるべさ。ナッチは死んだふりだべ。)
- 43 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月22日(金)22時05分47秒
- (あの馬鹿…何寝てるんや?それで死んだ振りのつもりかいな?それにしても…)
中澤はまずあの人影らしき物が、放った青い閃光のような物に付いて考え始めた。
(ウチが思うにあれは…)
再び頬をなぞると、血は既にとまっていた。
(もう止まってる…。鋭い刃物見たいや!ん?あれは何や?)
先程の人影の傍に小さな影が一つ有るのが見えた。
(アイツの仲間か?人質に取れば…)
中澤は一瞬の隙を作るため呪文を唱えた。
- 44 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月22日(金)22時14分45秒
- 「イオ!」
中澤はすぐさま小さな影の方に走ったが、ショックで立ち止まった。
(何やねんあれ?)
急に人影の前の地面が盛り上がり、二人を守ったのだった。
「福田さん、油断しすぎですよ。」
ジープの陰から聞こえてくる声の主は、辻と同じくらい小さな少女だった。
「別に避ける必要ないし…」
もう一人の少女は、そう言うと顔色一つ変えずに銃を構えた。
- 45 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月22日(金)22時21分45秒
- 「一体何が目的や?この孤児院だけは今まで孤児院は攻撃せんかったはずやろ?」
「事情が変わったのさ、敵の味方する可能性があるなら叩くに決まってるだろ。」
福田はそう言うと、銃の引き金を引いた。
パンっという銃声がしたので、中澤は自分の死を確信し目を閉じた。
(何でばれたんや?
みっちゃんとごく少数の幹部しかこの事は知らんはずやのに…)
「バタ」
「え?」
音の方向を見ると、市井を引っ張っていた辻が倒れていた。
- 46 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月22日(金)22時31分46秒
- 「中に入られると、面倒だからさ。それにあんまり狙うの得意じゃないしね。」
中澤は唇を強くかんだ。
(狙いやすいようにって何や?
あんな小さい子が頑張ってるのを見て何とも思わんのんかい?)
しかし次の瞬間中澤の思考は、完全に停止した。
- 47 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月22日(金)22時42分13秒
- (裕ちゃんも撃たれちゃったべさ。ナッチも死ぬんだべ?)
中澤が撃たれたのを耳で感じた安倍は、自分の死を覚悟した。
福田は安倍のすぐ傍で止まると、やはり無表情に銃を構えた。
(思えば良い事なんてなかったべな。)
「パキュン」
銃声が耳に入ってきた。
安倍は、どこに行っても邪魔者扱いされ両親が死んでからは
孤児院に強制的に入院させられた自分の過去を振り返り始めた。
(でも孤児院に来てからは、紗耶香もいたし結構楽しかったべな。)
孤児院での楽しかった日々…初めて友達が出来た時の喜びを思い出し涙を流した。
- 48 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月22日(金)22時56分01秒
- (みんな死んじゃったし、ナッチもどうせ…)
安倍は銃で撃たれた自分の死が遅い事にようやく気がついた。
(何で死なないんだべ?あれは?)
「こっち来たらあかん!」
「え?」
「駄目だよ。ナッチ!」
「何だべ?」
目の前には川が流れ先には、中澤と市井が居るのだがどうも様子がおかしい。
「何でナッチは行っちゃあいけないんだべ?」
「だってナッチまだしんじゃいけない人だもん」
- 49 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月22日(金)22時59分25秒
- (何で二人ともこんなに冷たいべ?)
安倍は少し悲しくなった。
「生きてれば良い事有るよ。」
「せやせや」
「そうかな?」
安倍は自分の服が、二人の様に血塗れに成っていない事に気が付いた。
- 50 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月22日(金)23時03分06秒
- (神様が生きろって言ってるのかな?)
「辻どこにいるんだべ?」
「まだ来てないよ。」
「したらナッチも明日を信じて辻と二人で頑張ってみるべさ。」
安倍が二人に手を振り、振り向くと周りの世界がフッと消えた。
- 51 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月22日(金)23時10分19秒
- 「辛い道になるかも知れないけど、本当にその選択でいいの?」
声は安倍の心に直接語り掛けて来るようだった。
「どういう意味だべ?」
「別に…」
再び周りが明るくなると、そこには人が立っていた。
「ナッチは…二人に言われて分かったべ。まだ自分が生きたがってるって…
それでどうか成っても、ナッチのせいだべ。もう人任せにはしないさ」
- 52 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月22日(金)23時18分40秒
- それを聞いた女は、安倍の額に手を当てると念じ始めた。
「我が名は『ドグマ』重力を司りし者。我は汝と共に生き、汝と共に滅びる。」
「べさ?」
安倍が訳がわからないと言う顔をしていたが、ドグマは構わず安倍の体に入った。
「長い付き合いになるように、精進してよね?あと偶には話し掛けてね。」
「あのだべな、ドグマさんアンタだれだべ?」
「ドグマで良いよ、私もなつみって呼ぶし!」
「だから〜」
- 53 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月22日(金)23時29分02秒
- 安倍が少しイライラしていると、漸くドグマが説明を始めた。
「私はね、精霊なの〜。
あの銃で撃たれると才能がある人は能力に目覚めるの。
そんで私達精霊が気に入ったらその人間に取り付くの。」
「あの銃って?」
「Talent Made Revoluation。略してT.M.Rよ。
銃に名前が刻んであるよ。作り主もこんな事になるとは、思ってなかったみたいだけどね。」
「ナッチはどうなるんだべ?」
「何が?私は戦いのときなつみの手足となって戦うんだよ。詳しくはそのときにね。
じゃあそろそろ行こうか?」
安倍が頷くと、再び周りの景色が消えた。
- 54 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月22日(金)23時37分40秒
- (ん〜ん、ゆめだべ?)
「起きて起きて」
頭の中で声がするのを聞いて、先程までの景色が夢ではなかった事を確信した
安倍は静かに立ち上がった。
(ドグマ?どこ?)
安倍がキョロキョロしていると、背後にねずみ色の服を着たドグマが現れた。
「福田さん!あれ!」
「え?」
ジープに乗り込もうとした福田は、目を疑った。
(確かに撃ったはずなのに…この銃…もう少し調べてみよう)
「帰るよ。」
「(ほっておいて)良いんですか?」
「どういう能力があるかわからないんだから、戦うわけには行かないでしょ?」
福田はそう言うと、アクセルを強く踏んだ。
- 55 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月22日(金)23時48分14秒
- 「ドグマ!逃げてくべ〜。」
「落ち着きなよ。なつみ!まず強く念じて!」
(止めたい。あいつ等を止めたい)
ドグマは、その願いに応える様に腕を振るった。
「ドカン!」何かが潰れるような音がした。
「これが私の能力『重力』今は一段階だから
一定範囲の重力を操作する事しか出来ないの。」
「どうしたらいいべ?」
「修行して早く私を使いこなしてね。
私達精霊の力は術者次第だし、使い方も自由だから」
安倍にはまだその意味が良く分からなかった。
ーーーーーーーーー1章完ーーーーーーーーーーーーー
- 56 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月22日(金)23時50分16秒
- 明日から第二章の予定です。
まあ解説するとしたら精霊かな?
他にも色々居ますが3段階まで進化します。
あと銃については後々(笑)
読んでる人いるのか?感想を聞かせてくださいね
- 57 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月24日(日)16時42分55秒
- 精霊に性別があるなんて知らなかった
- 58 名前:名無し 投稿日:2001年06月24日(日)20時06分09秒
- TMR隙なんだな。ある漫画を思い出す。
- 59 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月24日(日)21時47分59秒
- >>57
実際はどうかは、しりません。
>>58
かなり好きなんですね〜
後々出てきたりこなかったり(w
何でも良いので、感想ください。
「つまんない」と思った箇所や理由を教えていただけると、助かります。
- 60 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月24日(日)21時50分56秒
- 今日の更新は休みです。
2チャンで発見した二つのゲームクリアして疲れました。
あれは本当に面白かった〜。
明日はちゃんと更新する予定です
- 61 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月28日(木)21時28分32秒
- 「ねえ、平家さん?何で私も行くんですか〜?」
平家のジープの後部座席に座っている後藤は、おやつを頬張っていた。
「良いやろ?どうせ暇何やし?」
「まあ、そうなんですけどね。」
後藤が軍隊に入団してはや5年色々あったが、
変ったと言えば、不思議な能力を身につけた事と背が伸びた事ぐらいだろうか
- 62 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月28日(木)21時37分28秒
- (平家さんの友達って、どんな人だろう?)
1週間前 任務の帰り際平家から「今度の休み暇か?」と尋ねられた時は、
また何かシクジッタ?と胸に手を当てた
隊長の平家から任務中に話し掛けられるときは、大抵特訓だったから…
しかし、その日は何か違い
後藤の顔を見たのは、任務中の冷たく凍えるような目ではなく
戦争に巻き込まれたときに助けてくれたときの目だった。
- 63 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月28日(木)21時48分51秒
- 「あんな〜、今度の休日付き合わん?」
「はあ?ご飯くれるなら良いですよ。」
そのときは疲れていて面倒だったので、曖昧に返事をしていて忘れていた。
そして1週間後
後藤がいつもの様に目を覚ますと、そこにはいつもと違う景色が合った。
「おはよ、真希。速いな自分?」
「へ…ここは?」
「この前話したやろ?付き合ってて」
(ん〜ん)
1 その場でジープを降りる
2 ふてね
3 ご飯を食べる
4 引き返させる
(2.3でオーディエンス…)
- 64 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月28日(木)21時54分10秒
- 「ねえ、バニッシュ〜ここどこ?」
「アタイは知らないよ。ただこんな事で私を呼ぶのやめてよね。」
「だって〜。聞いてみてよ。」
「私の声は真希にしか聞こえないんだから、隊長に聞こえるはずないでしょ?」
「あ・そうか〜何したら良いとおもう?」
「とりあえずご飯でも食べたら?そこの鞄に食料沢山入ってたよ。」
- 65 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月28日(木)21時58分39秒
- (これかな〜)
後藤は鞄をゴソゴソ漁り食料を見つけると、すぐさま口に運んだ。
「…でどこに行くんでしたっけ?」
「魔法学院!」
それを聞いた後藤は、ハア〜と溜め息をついた。
(あんな遠くまで…こんな事なら圭織と遊べばよかった)
- 66 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年06月28日(木)22時01分23秒
- 今日はココまでです。
すみません2.3日更新が遅れました。
精霊の声は、基本的に本人しか聞こえませんが中には他人と話せるものも居ます。
精霊の紹介は、明日にでもやります。
ではいつも通りお願いします
- 67 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月01日(日)20時48分18秒
- 暫らくジープを走らせていると、向こうの方から煙が上がっているのが見えた。
「平家さん!あれは?」
後藤が煙の方を指差しながら平家に尋ねた。
「魔法学院の方やな…何やろ?」
「火事みたいですね。」
「まさか〜ここはまだ戦闘地域じゃないはずやで…」
平家がそう言ったとき、ビュッと言う風が走った。
- 68 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月01日(日)20時53分42秒
- 「何や?」
平家が横を向くと、謎のバギーが全速力で通り過ぎていった。
「今の何ですか?」
後藤が首をかしげながら尋ねたが、平家には答える事が出来なかった。
「さあ〜、それより急ぐで!しっかり捕まってな〜」
後藤が座席にしがみ付いたのを確認した平家は、アクセルをグッと踏み込んだ。
- 69 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月01日(日)21時07分24秒
- (さっきのは、まさか敵?ウチラには気が付かなかった?)
そうこう走ると、突然ガクッとジープが止まった。
ギュルと後輪が回転する音が空しく響きわたり、前輪は地面にめり込んでいった。
こんな非現実的な事が起こるとしたら、自分達と同じ能力者がいるのでは?と感じた
平家は後部座席の後藤を見ていった。
「敵?後藤出番や!」
「え〜…」
「このままじゃあ埒があかんやろ?」
「でも、どうやって?」
二人の乗ったジープの前タイヤは、徐々にではあるが地面に吸い込まれていた。
(あかん…忘れてた)
平家が素早くブレーキを踏むと、
後部座席が地面につきその衝撃で、後藤は外に飛ばされた。
- 70 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月01日(日)21時21分08秒
- (痛いな〜。誰の仕業だよ、全く〜)
後藤がズボンをパンパンと叩くと、学院の方から人影が見えた。
(気のせいかな?)
先程の振動で起こった砂埃により、はっきりとは確認できなかったが何かが
此方に向かって来ているという事はわかった。
ジープの運転席は、もう地面に吸い込まれつつある。
- 71 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月01日(日)21時45分58秒
- 今日はココまでです。
明日こそ出します。
- 72 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月02日(月)21時14分06秒
- (そんなに時間もなさそうだし…)
後藤が足を踏み出すと、頭の中で声がした。
「ストップ!」
「え?」
しかし時既に遅く後藤は、地面に引っ張られた。
「何?この重力?体が重い〜」
「遅かったかな?」
「遅いよ〜」
後藤は文句をいおうとしたが、パニックになり上手くしたが動かなかった。
- 73 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月02日(月)21時14分49秒
- した→舌でした。
- 74 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月02日(月)21時25分13秒
- (拙いな〜。バニッシュ使ってもこの距離じゃあ弱いしな〜)
後藤の精霊バニッシュは、近距離パワー型のため本体からの距離、
つまり後藤との距離が、離れれば離れるほど力が落ちてします。
(姿が見えれば…苦しい〜)
後藤の体は、膝まで砂に埋もれてしまった。
「早く私を出さないと手遅れになるよ?」
「敵の能力って何?」
「重力だと思うんだけどな〜。ひょっとしたら大地かも〜良く知らない〜」
後藤は持霊の無知さに溜め息をつくと召還した。
- 75 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月02日(月)21時36分19秒
- 「バニッシュ〜」
後藤の叫び声と共に、後藤の中から空間の精霊(バニッシュ)が現れた。
(敵にも攻撃範囲があるはずだから、私から遠ざけて!)
「了解」
バニッシュが頷き腕を振り、空間を削り取ると、後藤の視界から消えた。
- 76 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月02日(月)21時43分55秒
- (あんまりはっきり見えなかったんだけど、多分あの辺りだと思うんだよね。)
「ん?」
先程まで感じていた圧力を感じなくなった後藤は、腕に力を入れると地面から脱出した。
(上手くいったみたい。)
「後藤〜」
「あ!」
後藤がジープの方を見ると、ジープは前半分だけが地面に埋もれていた。
- 77 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月02日(月)21時52分43秒
- 「平家さん、大丈夫?」
後藤が後部座席から様子を見ると、
シートベルトに挟まれて動けないで居る平家が見えた。
(これじゃあ、どうしようもない?)
精霊を召還するためには、二人分のスペースが必要なため今は使えない。
かといってバニッシュを呼び戻すと、再び地面に沈んでしまう(敵が来るため)
1.平家にはもう少し頑張ってもらって、その間に倒す。
2.危険を承知でバニッシュを呼び戻す。
選択は二つしか無いように思えた。
- 78 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月02日(月)22時03分00秒
- 「後藤…」
そのとき平家が何とかシートベルトのスイッチを押すと、後藤にある指示を告げた。
「そんな事したら…」
平家は後藤に車の上に乗るよう指示した。
「乗ったか〜?それじゃあそこでジャンプして」
後藤は言われるままにジャンプすると、すぐに着地した。
車には何の変化も無い。
「もっと高く!それじゃあシーソーにならんやろ?」
今度は渾身のジャンプから着地
車は一瞬跳ね上がったが、真ん中から折れてしまった。
- 79 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月02日(月)22時19分42秒
- 後藤が慌てて駆け寄ると、車のドアが壊れ平家が脱出してきた。
「一瞬隙間が出来れば、それで良かったんよ。」
平家はそう言うと、自分の持霊ディザスターと顔を見合わせて笑った。
「なら最初に言ってよね〜」
「すまんすまん、でこれからどうすんねん?」
二人は敵をどうするか考え始めた。
- 80 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月02日(月)22時27分21秒
- 精霊紹介
ディザスター…本体 平家みちよ(女)
精霊性別 女 性格 お調子者 声 聞こえない
タイプ 近距離タイプ
能力 泥を自由に操り敵を混乱させたりする。
バニッシュ…本体 後藤真希(女)
精霊性別 (女)性格めんどくさがりやだが、一度面倒を見ると、トコトンみる。
声 聞こえない
能力 空間を削ったり足したりして、瞬間移動のような事が出来る。
弱点としては本体の見えるところしか削れない事
- 81 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月02日(月)22時28分02秒
- 今日はココまでです。
安倍の精霊明日こそ出すぞ〜
- 82 名前:正外派@よみぃ 投稿日:2001年07月06日(金)02時56分53秒
- 某HPで前作を読ませて頂きましたが、終ってない様なのですが続きは・・・
なぞがなぞのままでいて、気になって気になって。
すいません、基本的にROM ONLYの人です。(ワガママ?)
- 83 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月06日(金)21時01分21秒
- >>82
前作はあれで完結しました。
2章じゃあ満足頂けませんか?
- 84 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月06日(金)21時17分20秒
- 「どないする?」
「バニッシュもう一度出すには、ちょっと時間が掛かるよ。」
精霊は召還するのに、莫大な精神力を要するため連続召還や長時間召還したり
する事は、難しいのである。
- 85 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月06日(金)21時27分24秒
- 「ほな〜ちょっと敵さんには遊んでて貰うか?」
「そう上手くいくかな?」
平家はディザスターを使い泥人形を四方八方に作ると、後藤を岩の陰に隠した。
(これで少しは…)
「甘いね…」
(は?)
平家は何事かとディザスターに尋ねた。
- 86 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月06日(金)21時39分29秒
- 「さっき凄い共振を感じたでしょ?」
(ああ、それがどうかしたんかい?)
「結構強かったでしょ?多分重力の精霊なんだよね〜」
(それがどうかしたんかい?)
「わかんないの?」
(何やねん。)
焦らすディザスターに切れ掛かった平家が、岩の陰から様子を見ると精霊が現れた。
- 87 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月06日(金)21時49分56秒
- ドグマの視点
(何よ、この大勢の人は…折角出てきたってのに〜)
ドグマはキョロキョロと辺りを見回すと、囲まれている事に気が付いた。
(ん〜ん、どうしようかな〜)
周りを囲んだ人間達は自分を囲むだけで、危害を加える様子は無い。
(なつみからはだいぶん距離あるし良いかな?)
ドグマは天に向け手を翳し、素早く振り下ろした。
- 88 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月06日(金)21時55分30秒
- ドカンっという音共に砂埃が舞う
(何があったんや?)
「押しつぶされたのよ。」
ディザスターの説明によると、敵は重力の精霊『ドグマ』で、
能力は一定距離内の重力をコントロールする事らしい。
(んなやつどうやって倒すん?)
「さあ〜何とかなるでしょ」
- 89 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月06日(金)21時56分46秒
- 今日はココまでです〜
明日と明後日は更新無理かも〜
読んでくれてる人居るのかな?
自己満足なのかなやはり
- 90 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月11日(水)20時38分04秒
- 明日でテストが終わるので、それから更新する事にします。
ん〜ん…感想0か〜
名作集は厳しいな〜
- 91 名前:名無し7。 投稿日:2001年07月12日(木)14時47分53秒
- 設定が細かい。
コメントはsageで書いたほうがいいと思われ。
がんばって下さい。
- 92 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月13日(金)20時15分39秒
- >>91
そうですね。
迂闊でした。またなんかあったらお願いします。
- 93 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月13日(金)20時25分39秒
- 「…あっちか…、いやこっちかも…」
ドグマは何を思ったか辺りをキョロキョロ見回し始めた。
(今のであれは私達の存在に気づいた。こっちから仕掛けた方がよくない?)
「しかしな〜近距離戦やろ?苦手やないか」
(何とかなるよ)
平家はドグマが逆方向を向くと、一気にダッシュしディザスターに攻撃させた。
- 94 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月13日(金)20時36分16秒
- (勝った、全く気づいてない。)
二人が奇襲の成功を確信したそのとき、ドグマがニタリト笑い振り向いた。
「ま・まさか効いてないん?」
次の瞬間、ディザスターの目の大きな拳が写った。
「だべさ〜」
「うわ〜何てパワーなん〜」
ディザスターは平家の肩に捕まったが、平家ごと吹き飛ばされてしまった。
- 95 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月13日(金)20時40分22秒
- <ドグマの視点>
(ふん、攻撃ってのはこうやるのよ。)
ドグマは自分の体に力が漲るのを実感していた。
(やっぱ術者から離れると気持ち良いわ。
さあ〜てまだ精霊が消えてない所を見ると、あの術者相当鍛えてるね。)
ドグマは近づきながら、そんなことを考えていた。
- 96 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月13日(金)20時47分07秒
- (さあ〜て、どうやって倒そうかな〜)
ドグマはディザスターの前に歩いていった。
「ん?」
ディザスターは素早く起き上がると、構えを取り泥人形を二体作り出した。
(ナメテルノカナ?)
ドグマが右手を振るって人形を壊すと、その間にディザスターが後ろにさがった。
- 97 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月13日(金)20時59分42秒
- これを繰り返していたが暫らくすると、もう後ろにさがれなくなってきた。
「もう終わりね?」
「ふん」
ドグマは面倒そうに目の前の人形を壊すと、ディザスターに殴りかかった。
「確かに…パワーは凄いけど、マダマダやね。」
1発目を何とか止めたディザスターの後ろから、平家が呟くと二発三発と連打してきた。
(ふ〜う、パワー型の相手は心臓に悪いわ〜。ガードしてもダメージ喰らうなんて…)
- 98 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月13日(金)21時07分40秒
- (ん…なんだろう?この共振は?)
先程から戦っているディザスターとは、
異質の共振を一瞬感じたドグマは不審に思い振り向いた。
すると、そこには先程倒したバニッシュが立っていた。
「またノコノコやられに来たわけ?」
「やってみれば分かるよ。
今度は真希が傍に居てくれるからそう簡単には負けないけどね。」
「ふん、さっきのダメージが回復していないお前に何ができる?長時間は居られまい?」
「長時間もいらないのよ。アンタの弱点見つけたから…)
- 99 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月13日(金)21時08分26秒
- 用語解説
共振…精霊同士や術者同士が接近すると起こる一種の共鳴
- 100 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月13日(金)21時20分30秒
- 「何だと〜」
逆上したドグマが猛然と迫ってきたが、バニッシュは冷静だった。
(さっきも思ったんだけど、ディザスターとの戦いを見て確信したよ。)
バニッシュはドグマの繰り出した左手に乗る事にした。
「今のアンタの攻撃は遅すぎる。近距離戦闘タイプ何でしょ?
真希が傍にいる私にはスローに見えるよ。」
「何を〜」
「ま、いいや。術者が強くなったら出直しておいでよ。」
「人間なんかに使われてるアンタに何がわかる?」
「五月蝿いな〜。とりあえず人間と精霊の共存した姿を見せてあげるから眠って考えな。」
「し…」
ドグマが右手を出すよりも早くバニッシュの連打が決まった。
「オラオラオラオラオラオラ…」
- 101 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月13日(金)21時32分54秒
- ダメージを受けすぎたドグマが消えると、すぐ傍の岩影から後藤が出てきた。
「お疲れ様〜♪」
「危な〜時間稼ぎ失敗かと思ったで…」
平家はディザスターの労をねぎらいながら後藤を見た。
「ごめんごめん、バニッシュ休んで良いよ。ってかもう消えてるジャン。」
「まず本体探さんとな。また出てきたら大変やし」
二人はドグマがやってきた方つまり魔法学院に向け歩き始めた。
- 102 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月13日(金)21時40分37秒
- 今日はココまでです。
精霊同士は無条件で話せます。(w
掛け声って何がいいのかな?
みなさんはどう思います。
予定
石川…ほい(繰り返し)
保田…アンタいい加減にしなさいよ!
安倍…べさ(繰り返し)
飯田…だべさ
辻…のののの(繰り返し)
平家…何でやねん?
矢口…キャハハ(ハ繰り返し)
後藤…未定
加護…未定
福田…五月蝿い!
石黒…未定
つんく…未定
こんなのが良いぞ。とか
もっと良いのがあるぞってのが合ったら教えていただけると嬉しいです
- 103 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月14日(土)19時56分15秒
- 石黒…あかるぅいっ!
後藤…アハ
ッてことにします。
- 104 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月17日(火)20時16分42秒
- 二人が歩き出すと、向こうの方から横に広い影が、二つ向かってくるのが見えた。
「敵かな?」
「でも、武器は無さそうやで…」
二人が身構えると、二つの影が止まった。
「誰だべさ?」
声の主が何かに怯えているようだったので、二人は敵意が無い事を説明した。
- 105 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月17日(火)20時18分51秒
- 謎が謎を呼ぶ2章完結
そしてそのまま3章(二年前)へ
- 106 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月17日(火)20時24分37秒
- 「ひとみ、1.2.3で侵入するよ?」
矢口は小声で呟くと、吉澤と顔を見合わせた。
(1.2.3)
吉澤が腰につけていた大金槌で窓を叩き割ると、ガシャンという音と共に欠片が飛び散った。
矢口はそれと同時に部屋に入ると、煙幕を張った。
- 107 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月17日(火)20時29分51秒
- 1週間前
「最近良い獲物無いですね〜?」
「この前のなんか化粧代にもなんないよ。」
吉澤が賞金首のリストをパラパラめくりながら洩らすと、矢口も愚痴りだした。
「何か大きな仕事無いかな〜」
「 ですかね〜」
二人が殆ど同時に溜め息をつくと、ドアがノックされた。
- 108 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月17日(火)20時35分05秒
- 矢口が素早く武器に手をやると、吉澤はドアの覗き穴のところから相手を見た。
「どんな様子?人数は?」
「一人…いや、3人です。でも今度は殺し屋とかじゃあなさそうですよ。」
二人は金さえ貰えば何でも請け負うので、有名な通称『大小』である。
そのため盗みなどを行う事もあり、命を狙われる事もよくある。
- 109 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月17日(火)20時46分03秒
- 先日も暗殺を請け負ったが、その遺族が仕返しに雇われた殺し屋に
不意打ちを食らったばかりだったので、二人が必要以上に反応するのも無理は無かった。
「武器は?知った顔いる?」
「居ません。」
本来なら二人のしている事は当然罰せられるのだが、今は内戦中のため止める者は無かった。
「様子見て開けて。」
緊張のため出てきた額の汗を拭った矢口は、再び武器に手を当てた。
- 110 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月17日(火)20時51分42秒
- ギーっと歯切れの悪いドアの開く音が、シーンとなった室内に響いた。
入ってきたのは、黒ずくめの大男だった。
「大小か?仕事の依頼だ。」
男はツカツカと戦闘態勢の二人を通り過ぎると、勝手に席に座った。
- 111 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月17日(火)21時00分21秒
- 「ウチラに何の用?」
「実はな…」
矢口と吉澤も向かい合う様に座ると、用件を言い始めた。
「ある物を盗み出して欲しい。」
強盗の依頼と聞いた矢口は少し安心した。
いくら金の為とはいえ、こうも短期間に人を殺すと仕事以前に自分の精神がどうかなるような気がしていたから
「で相手は?」
吉澤がターゲットを尋ねると、依頼人は急に口ごもった。
- 112 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月17日(火)21時01分39秒
- 今日はココまでです。
レス付かないな〜。
感想聞きたいな〜
一言でも良いから欲しいな〜(涙
寂しいな
- 113 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月18日(水)20時09分13秒
- 「軍隊だ。」
男は茶を飲み一息入れると、依頼を始めたのだった。
盗んで欲しい品というのは、ある銃らしかった。
これは元々つんく将軍お抱えの発明家が作ったのだったが、
どういう訳か敵のはたけ皇帝側の手に渡っている事が
最近わかったので取り返して欲しいという依頼だった。
- 114 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月18日(水)20時20分03秒
- 「…でお金は?」
矢口が頬杖を付きながら尋ねると、男は鞄の中から札束を取り出した。
「ここに300万ゴールドある。前金で半額でどうだ?」
男は札束の半分を机に置くと、二人に尋ねた。
「もう一声…軍隊を相手にするんだから欲しいね。」
矢口は札束を数え終えると男の方を見た。
「仕方ない…これ以上は出せない。50万で良いか?無理なら他に当たる。」
(もう十分ですよ。矢口さん…引き受けましょうよ〜)
吉澤が再び勘定を始めた矢口を見ると、矢口はコクリと頷いた。
- 115 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月18日(水)20時30分10秒
- 「引き受けた。その物に付いて詳しく教えて」
「それはココに書いてある。」
男は再び鞄に手を入れると、今度は紙を取り出しながら説明を始めた
「優秀な調査団のお陰で物が、この金庫に保管されている事が分かった。
その金庫があるのがここ…現在の首都『サマーナイトタウン』だ。」
男はそう言うと、地図に×印をつけた。
- 116 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月18日(水)20時38分00秒
- 「期日は一ヶ月以内…2週間以内に片付けたときは、ボーナスを出そう。」
男はそう言い残すと、部屋を出て行った。
「毎度あり〜」
二人は男を見送ると、再び席に付いた。
「どうします?」
「どうもこうも無いよ。やるべし!」
- 117 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月18日(水)20時42分07秒
- 「それにしても、ポンポンお金出しましたね?」
「軍だから余ってるんじゃないの?」
「なら良いんですけど…」
このとき吉澤はある種の胸騒ぎを感じた気がしたが、
矢口にいうと『木偶の坊ひとみ』とかいわれるので言わなかった。
- 118 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月18日(水)20時49分59秒
- (それにしても、依頼人さんこんな物盗んでどうするのかしら?何に使うんだろう?)
矢口はフト疑問に思ったが、すぐに考えるのを止めた。
自分達は依頼人に言われた事だけをすれば良い、依頼人が何をしようと関係無い。
ましてや今回は軍隊絡みだ。
下手をすればあれほどの大金の持ち主だ、二人を処分する事など分けない事かもしれない。
裏があるのかもしれないだが気にしてはいけない。
『依頼人や品物の調査などは必要以上にはしない。もしくは絶対しない』というのが、
この世界のいや矢口のポリシーだから…
- 119 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月18日(水)20時52分59秒
- すみません。
間違えました
- 120 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月18日(水)20時55分15秒
- 訂正
ましてや今回は軍隊絡みだ。詮索すると碌な事は無い。
詮索して酷い目にあった友人知人は何人も居る、
しかも今回はこれほどの金額が動いたのだ。
余計な事をした二人を処分する事など分けない事かもしれない。
だから裏があるのかもしれないだが気にしてはいけない。
『依頼人や品物の調査などは必要以上にはしない。もしくは絶対しない』というのが、
この世界の暗黙の了解いや矢口のポリシーだから…
- 121 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月18日(水)20時57分24秒
- 今日はココまでです。
明日はひょっとすると、更新できないかも…
すると日曜日まで更新できなくなります。(東京のオープンキャンパスに行くので)
あ〜あ、感想付かないな〜、誰も読んでないのかな〜
- 122 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月20日(金)00時56分10秒
- 梨華たんと圭たん早く出して
- 123 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月20日(金)06時29分35秒
- 出かける前に覗いてみればレスが着いてる。
感動!
丁寧に答えさせていただきましょう(w
>>122
4章が保田編で5章が石川編です。
ふたりの関係は…秘密です(w
では、ひとつよろしくて
癖になりそう
- 124 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月21日(土)23時38分21秒
- 初めてきたけどおもしろいっす。
今後が楽しみ!
これからもちょくちょくのぞきますね
- 125 名前:ザ☆名無し 投稿日:2001年07月26日(木)01時23分30秒
- 実は最初からずっと読んでました。
最近みんなレスしているので、自分も感想書かしてもらいます。
オリジナルでここまで書けるのはすごいですね。
一日一回はチェックしているのでがんばってください。
- 126 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月26日(木)09時09分41秒
- >>124
ありがとうございます。
>>125
新曲買いましたか?
読んでくれている皆様
ただいま5日連続塾という理不尽な状況にあり
更新が遅れていることを陳謝します。(w
暇を見つけては更新するので待っててください
- 127 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月26日(木)13時28分41秒
- 「でもどうやって盗み出します?」
吉澤は机に置かれた紙を見ながら尋ねた。
「とりあえず〜サマーナイトタウンに行ってみようか?」
「そうですね。」
二人は軽武装すると、バギーに乗り込み街へと向かった。
- 128 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月26日(木)13時39分22秒
- 「この辺に車を隠してっと…」
二人は車を降りると、折れた木や葉っぱなので車を隠した。
「これで良し…」
「じゃあ行きますか」
二人は街に入ると、すぐさま宿屋に向かい作戦会議を開いたのだった。
「まず〜場所を見て」
「退路の確保も〜」
一通り相談を終えると、二人は再び外に出た。
- 129 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月26日(木)13時51分33秒
- それから1週間
二人は逃走ルートや強奪ルートを試行錯誤しながら考案し、何とか成功のめどを立てた。
その夜
「矢口さん・〜さん」
二人は屋根の上に上り星を眺めていた。
(綺麗だな〜)
矢口が見とれていると、横から吉澤が小突いてきた。
「痛いな〜何すんのよ?」
「何度も呼んだじゃないですか〜」
吉澤は何やら不満そうに頬を膨らませてしまった。
(何怒ってるんだ?)
- 130 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月26日(木)13時55分30秒
- 矢口は不思議そうに人差し指で、その頬の膨らみを突いた。
プ二プ二と手触りの良い感触が、矢口に伝わってくる。
しかし吉澤の機嫌はますます悪くなってしまった。
(いつもならこれで機嫌治すのにな〜)
今度は引っ張ってみた。
「痛いです。」
そう言うと吉澤は笑い始めた。
「大丈夫??」
首をかしげながら矢口が尋ねると、吉澤は笑い過ぎて出た涙を手で拭いた。
- 131 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月26日(木)13時59分17秒
- 「どうしたの?」
「星は羨ましいと思って…」
吉澤は夜空を見上げると大きく手を広げた。
(は?ちょっと待てよ。)
矢口は背伸びすると、吉澤の額に手を当てた。
「ん…熱は無いか〜」
- 132 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月26日(木)14時02分17秒
- 「当たり前じゃないですか…」
吉澤は矢口の手を振りほどくと、再び夜空を見上げた。
「星になれば、いつまでも好きな人を見ていられるのに…」
- 133 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月26日(木)14時06分44秒
- 矢口の記憶があるのは、そこまでだった。
(大分酔ってたからな〜)
あの後吉澤とどんな会話をしたのか、何度思い返しても思い出せないのである。
しかし、今はそんな事を考えているときではない。
仕事の時間は刻々と迫ってきていた。
- 134 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月26日(木)14時08分27秒
- もしかしたら、今夜も更新できるかもしれません。
まあ気長に待っていてください。
やっぱ感想突くと嬉しいので、遠慮なくつけていってください。
読みにくいですか>?
- 135 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月27日(金)14時55分42秒
- 窓を叩き割って侵入した矢口は、一目散に台座へと向かった。
事前の調査によると目標物は、台座の上に堂々と置かれているとの事であった。
(これか?)
矢口は台座の上から筒状の物を取り、素早く懐にしまうと踵を返して、もと来た道を帰り始めた。
この手際の良さは流石は小柄な矢口といったところだろうか…
- 136 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月27日(金)15時01分32秒
- 「矢口さん!こっちです!」
矢口が窓を出ると、そこには車に乗った吉澤が…
「どこから取ってきたの?」
「あっちです。」
作戦会議の最中あれだけ課題だった逃走方法が、こうも簡単にクリアされたとなると
あとは町外れに隠した車に戻るだけである。
- 137 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月27日(金)15時16分27秒
- 「しっかり捕まっててください!」
矢口が車に乗り込むと、吉澤は力強くアクセルを踏み込み車を急発進させた。
「待て〜追え〜!」
ようやく事態に気がついた軍人達?が、部屋の中で叫んでいるのが聞こえる。
(もう間に合わないもんね〜。)
このとき二人は、あまりに上手く行き過ぎて有頂天になっていた。
- 138 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月27日(金)15時56分04秒
- 「依頼人に連絡した?」
「ええ、砂漠で待ってるそうです。」
矢口は何か引っ掛かったが、見られたくないからという事で無理矢理納得させた。
「お金何に使うんです?」
「まだ決めてないよ。ひとみは?」
矢口が聞き返すと、吉澤は黙ってしまった。
(何か悪い事聞いたかな?)
矢口は首を傾げながら車が合流地点に着くのを待った。
- 139 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月27日(金)15時58分57秒
- 今夜も更新予定ですが、遠慮なく感想を聞かせてください。
そろそろ3章も終わりそうです。
次の章も期待しててください(w
中澤さん…まさか紅白の司会なんて事は無いですよね?(w
- 140 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)11時03分30秒
- 30分後
「ここですよね?」
吉澤は約束の場所に車を止めると、辺りを見回した。
「誰も居ないね?」
矢口は車から降り建物の影に刺客がいないだろうか、入念に確認を始めた。
- 141 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)11時13分36秒
- 暫らくすると、数人の黒尽くめの男が、談笑している二人の方にやってきた。
「噂どおり仕事は、速いようだな。品物を渡してもらうおうか?」
「その前にお金よ。」
「ふん」
男が指を鳴らすと、傍にいた男は車に戻り大きな鞄を運んできた。
「約束の金だ。」
「確かに…」
矢口は鞄を開けると、札束を確認した。
- 142 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)11時21分50秒
- 「では品物を渡してもらおうか?」
男が再び指を鳴らすと、今度は手ぶらの屈強そうな男が矢口に近づいてきた。
(別にトンズラしたりしないよ。)
「これです。」
隣に居た吉澤が懐から品を取り出すと、男に渡した。
「…」
男は無言でそれを受け取ると、主人の下に持っていった。
(ふ〜う。終わった〜)
二人の緊張が一気に解けたそのときだった。
- 143 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)11時30分30秒
- 「何のつもりよ?」
依頼主が先程の品物をこちらに向けている。
「我々が保有している事を知られるのは、何かと都合が悪いのだよ。」
「私達誰にも話しませんよ?」
「まあ、金良くの強い盗人には、ちょうどいい仕事だったろう?
噂によればこの銃は色々出来るらしいからな…
本物か試してみようか?な〜にアフターサービスだよ。」
依頼主はニヤリと笑うと、銃の引き金を引いてしまった。
- 144 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)11時36分32秒
- パンパンという音が、辺りに響き渡った瞬間
吉澤は矢口を突き飛ばすと、前に飛び出した。
「??」
訳がわからずその場に倒れこんだ矢口は、すぐに起き上がると目の前の惨状に目を瞑った。
「ひとみ??大丈夫?すぐ病院へ…」
「間に合いません。ここでお別れです。」
「え?」
「夢で見てたんです。こうなる事が…」
- 145 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)11時44分21秒
- 矢口が黙っていると、吉澤が再び口を開いた。
「矢口さんに会えて本当に良かった。楽しかったし優しかったし…」
「何お別れみたいなこと言ってるのよ?」
「運命は変わらないんです。幼い頃巫女だった母が言ってました。
でも強い意志をもって行動すれば神様は味方してくれるとも言ってました。ゴホ」
吉澤の口から血が毀れ、背中を擦っていた矢口の右手が真っ赤に染まった。
「矢口さんは生きて…ゴホゴホ」
吉澤の出血はどうしようもない程だった。
- 146 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)11時54分47秒
- 「あの夜の事覚えてますか?」
「あんまり覚えてないよ。どうして?」
矢口が涙目になりながら尋ねると、吉澤はニコッと笑った。
「笑ってください。私矢口さんの笑った顔が好きなんです。」
「無理だよ。笑えるはず無いじゃん。」
「星になって矢口さんの笑顔を見てますね、さ・・・よ・・・う・・・な・・・
い・・・き・・・・て・・・」
吉澤が息を引き取ると、矢口は吉澤の胸で泣き始めた。
(何で一人にするんだよ!ずっと一緒だって言ったじゃんか!)
- 147 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)12時06分05秒
- 二人のやり取りを見ていた男達は、突如として笑い始めた。
「仲間とのお別れは済んだか?星になってみていてくれるんだってな?」
吉澤を撃った男は、笑いながら再び銃を構えた。
「アンタ名前は?」
矢口が睨みながらたずねた。
「そんな事聞いてどうなるんだ?まあいい冥土の土産に教えてやろう。
俺の名前は『和田 薫』…つんく将軍の片腕と言われる男や。もう良いやろ?
仲間が待ってるで?」
矢口は、和田をじっと睨んでいた。
- 148 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)12時13分00秒
- (例え生まれ変わっても、コイツだけは許せない)
和田が銃の引き金を引いた瞬間、矢口は目を瞑っていた。
(今からひとみの所に行くから…)
『い・・・き・・・・て・・・』
ふと吉澤の最後の言葉が頭を横切った。
(このままじゃ死ねない…アイツだけは…私の手で…)
矢口は薄れ行く意識の中で、そう強く叫んだ。
- 149 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)12時21分38秒
- 『力が欲しいか?』
「誰?」
『我が名は、「アレク」風を司りし精霊なり!』
矢口の頭の中で、力強い男の声が響いていた。
「はあ?アンタ誰?」
『何?聞き逃したのか?では特別にもう一度いくぞ?オホン』
頭の声は急に咳き込むと、暫らく間をおいた。
- 150 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)12時27分39秒
- 『我が名は、「アレク」風を司りし精霊なり!分かってもらえたかね?』
「はあ…でその精霊さんが何のよう?」
矢口が当然そうに尋ねると、アレクは待ってましたとばかりに語り始めた。
『実はだね。君は選ばれたのだよ。』
「何に?」
『まあ良いじゃですか?詳しくはいずれ…』
「で・・・私にどうして欲しいのよ?」
矢口が不審そうに尋ねた。
- 151 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)12時36分36秒
- 『簡単簡単!私の名前を叫ぶだけで、あら不思議、何と精霊使いになります』
「何か良い事あるの?」
『勿論です。掃除・洗濯…etc、どうです?素晴らしいでしょう?』
アレクは急にセールスマン口調になった。
「いや…別に…、アンタ精霊なんだよね?人とか生き返らせれないの?」
『先程自己紹介致しましたの、聞いていただきましたよね?』
「聞いたよ。」
『私なんと名乗りましたでしょうか?』
「風の精霊だっけ?」
『左様でございます。私目風の精霊でありますので、生死については…』
アレクはすまなさそうに謝ったが、矢口は納得しなかった。
(使えない奴・・・)
- 152 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)12時49分39秒
- 『何ですと?使えないですと?』
「え?」
『もう心は繋がっていますので、考えている事などお見通しですよ。』
アレクは少し悲しそうに呟いた。
「心はって事は、名前を呼ぶとどうなるの?」
『肉体とはいっても体に私が宿ります。勿論日常生活には何の支障もございません』
「そう…良いかもね。紳士的だし宿してみようかな?名前呼べばいいんだよね?」
『左様でございます。』
「アレク…?アレク?アレク?アレク!」
矢口が何度か叫ぶと、漸くアレクが現れた。
『我主人を矢口真里殿とす。共に生きよう』
矢口がアレクに見とれていると、アレクが矢口の方に向かってきた。
『では行きますよ?御主人良いですね?』
アレクが矢口にぶつかると、矢口は再び意識を失った。
- 153 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)12時51分33秒
- ちょっと昼食ってきます(w
その後更新が出来ればしますし、無ければ夜します。
3章長くなったな〜
- 154 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)21時08分53秒
- 「ん?」
矢口が目を覚ますと、そこは良く分からない小屋だった。
(ここどこだろう?)
矢口が起き上がろうとすると、腹部にズキッと痛みが走った。
「痛い?まだ無理やて…第一どこに行くつもりやねん?」
声の主は矢口と同じくらいか或いは、もっと小さな男だった。
「オジサン誰?」
「オジサン?これでもまだ若いんやで…って、そんな事どうでも良いやろ。」
男はそう言うと、机の上に食事を置き一つの器を床に置いた。
ベットの下から猫が現れると、食事を取り始めた。
- 155 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)21時14分12秒
- 「こいつはジャンケンと言うんじゃ…」
「ねえオジサン?何でそんなに若いのにお爺さんみたいな話し方するの?
時々口調が変わるのは何で?」
矢口は思い付くだけの質問をぶつけてみたが、男は全く答えようとはしなかった。
「あ〜あ」
「どうしたの?」
突如男は溜め息をつくと、愚痴をこぼし始めた。
- 156 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)21時23分39秒
- 「共振感じた言うから行ってみれば、こんな子供…俺はロリや無いって…
あ〜あグラマラス姉ちゃんか思って頑張ったのに…」
「煩いな〜矢口はこれでも18なんだぞ!自分だって小さいじゃないか!」
矢口が怒りを顕わにしていると、男は矢口の顎を掴んだ。
「い…た」
「自分助けたために、俺は軍を敵に回しちまったんだよ。何ならこれから突き出してやろうか?」
- 157 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)21時31分24秒
- 男の話によれば、矢口は銃に撃たれた後意識を失っていたらしかった。
「共振を辿って自分の体に触れたところで、偶然通りかかった軍に見つかってな。
何も言わず攻撃してきたから、蹴散らしたって訳や。どないしよう」
矢口はその話を聞いて、偶然なんて嘘だと思った。
「どうせ和田が呼んだんだよ。アイツうち等を利用したんだ。
ウチラの死体とあれだけの大金が見つかれば、銃なんて売ったと思わせれるから」
そのとき矢口はある重要な事を思い出したのだった。
- 158 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)21時42分00秒
- 「あのさあ、私の近くに怪我をした女の子いなかった?」
「あ〜あ、グラマラスな姉ちゃんな。あっちなら嬉しかったで確かに…
せやけどもう死んでたで」
男の説明を聞いた矢口は、断腸の思いで尋ねてみた。
「死体は・・・?」
「偉い大変だったで、この細身やろ?二人はシンドカッタで…」
男はそう言うと、隣のベットを指差した。
そこには白装束を身に纏った吉澤が、安置されていた。
「自分これからどうすんねん?」
「和田を殺す。」
「何でそんなにこだわるんや?話してみい。」
- 159 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)21時49分09秒
- 「〜という訳よ。」
矢口が今までの経緯を男に説明した。
すると男は首をかしげた。
「そういう事か〜おかしいねん。」
「何が?」
「自分に今さっき初めて精霊の名前呼んだんやろ?ならおかしい。」
「??」
「さっきちょうど俺が部屋に入ったのは、
共振を感じて意識が戻ったのが分かったから何や。」
「共振って?」
矢口がずっと首を傾げているのを見た男は、本棚から何冊か本を取り出すとベットの横に置いた。
「これ読んで少し勉強や!」
「何これ?」
矢口が本の埃を払うと、タイトルは『精霊学』と書かれているのが見えた。
- 160 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)22時01分53秒
- 「怪我が治ったら、リハビリ代わりに仲間の墓でも作ってやるんやな。」
「う・うん」
矢口は頷くと、本に手を当てた。
(難しいそう〜まあ矢口は天才だから大丈夫!)
しかし1ページの1行目を読んだ矢口は、『明日から頑張るね。』と言って本を閉じた。
「そんなんで、あの和田に勝てるわけないやろ?怪我が治ったら鍛えなおしたる。」
男は溜め息混じりに笑うと、部屋を出て行った。
(結局名前…師匠でいっか…)
男を呼び寄せた共振が、偶然かあるいは必然か…
それは今となっては良く分からない。
だが矢口は『吉澤の巫女の血が起こした奇跡』だと信じる事にした。
もう二度と会う事の無い相棒のお陰と…
そして怪我から復帰した矢口は、男から精霊学やウィンド(武術の名前らしい)を教わる事になり
いつか来るであろう和田への復讐に備え腕を磨き始めた。
3章完
- 161 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)22時05分56秒
- 明日の朝から4章突入です。
4章は以前説明したとおり敵側のお話
『保田・加護編です。』主に保田の予定
お楽しみに
- 162 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月28日(土)22時20分13秒
- あ、そうそう謎の男ですが…
もう皆さんお分かりですよね?
クイズです。正解者にはリクエスト権(死んだ人復活とかは、駄目ですよ)を…
まあカップリングなら答えれるかも(w
出来なかったらごめんなさい。
ヒントが欲しいって?
実際生活でもモー娘。と少し絡んでて背が低くて結婚してるのに女好きで(w
大ファンなので出してみました(w
感想プリーズ
保田「こんな物かいてる暇あるなら次書きなさいよ。」
加護「せやせや」
作者「PJ見るの」
- 163 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月29日(日)12時42分53秒
- 4章
(暑い…)
ここはつんく将軍率いる政府軍の第一宿舎
(重い…)
保田は不思議な寝苦しさに襲われていた。
- 164 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月29日(日)12時51分53秒
- 保田はペットの猫が自分の上で寝ているのだと思い振り落とすため、寝返りを打った。
ドシーン何かが落ちる音がしたので、保田は安心して再び眠りに付いた。
(ん〜ん?)
しかし暫らくすると、再び謎の重圧が保田を襲った。
しかも、今度は振り落とされないように、体にしがみ付いているのを感じるのだった。
(根性あるじゃないか〜)
保田はその重さが愛猫にしては、重すぎるのに気がついた。
- 165 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月29日(日)19時19分42秒
- ちょっと今日はここまでです。
すみません
- 166 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月29日(日)20時03分52秒
- ぜんぜんいいですよー。
マイペースでがんばってください。
- 167 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月30日(月)21時31分46秒
- >>166
頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。
感想とかありませんか?
- 168 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月30日(月)21時37分40秒
- (やけに重いな〜最近食べさせすぎたかな?)
保田は眠い目を擦ると、首を少し上げた。
(猫に服なんて着せたっけ?)
保田は大きな瞳を再び擦ると、上を向き暫らく間を開けてから見てみる事にした。
「何だ〜、亜依じゃん!脅かすなよ〜」
- 169 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月30日(月)21時44分07秒
- 「ん〜ん。保田さ〜ん」
加護はムニュムニュと寝言を言いながら、保田の足を離す気配が無い。
(面倒ね〜)
保田は加護を起こすため体を起こすと、保田の顔を覗き込んだ。
「まあ、寝かしておくか〜」
加護の可愛らしい寝顔を見た保田は、起こすのが忍びなくなり仕方なく再び体を寝かした。
「亜依と知り合ってもう5年か〜」
- 170 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月30日(月)21時54分13秒
- 5年前
「圭ちゃん、早く行こうよ。彩っぺ待たせると、またどやされるよ?」
一緒に走っている福田が、バテテ歩き始めた保田を尻目にドンドン進んでいく。
(そんな事言ったって辛い物は辛いのよ。それにあの子も気になるしね。)
保田は先程からこちらを見ている一人の少女が、とても気になっていた。
- 171 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月30日(月)22時00分47秒
- (ん〜ん)
その少女は保田の知る限りでは、昼間良くここ(訓練所)にやって来ていた。
(友達と遊ぶとかすれば良いのに…何か事情でもあるのかな?)
と考えた所で分かるはずもないので、保田は手を振ってみた。
「プイ」
しかし少女はそれに答えるどころか、クルリと向きを変えどこかに行ってしまった。
(可愛くないな〜)
保田が拗ねていると、強烈な共振が…。
- 172 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月30日(月)22時08分28秒
- (やば…忘れてた。)
保田は慌てて駆け出すと、ゴールに向かった。
今日は特殊部隊(とは言ってもまだ3人だか)恒例のマラソン大会
大会といっても、隊長の石黒はゴールで待っているため参加者は二人なのである。
(拙いな〜怒ってるのかな?)
保田が全力疾走でゴールを通過すると、
そこには眉を顰めている石黒と、整備体操をしている福田が居た。
- 173 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月30日(月)22時25分22秒
- 「圭!私はスタート前に何ていった?」
「遅くても良いから歩くなと…すみません。」
恐怖のあまり硬直した保田は、口をパクパクさせて答えた。
「…で今度は何見てたの?」
「子供です。良く来てるみたいなんですけど、何か有るのかなって思って…」
「入隊したいんじゃない?」
「まさか〜」
この部隊が特殊部隊たる由縁は、この街の誰もが知っている。
明日香の言葉に保田と石黒の二人は、否定的な声をあげた〜。
- 174 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月30日(月)22時42分25秒
- 「まあ良いわ。今日はここまでね。」
石黒はそう言うと、訓練の終わりを告げた。
「今日って何か速くない?」
「軍法会議なんだって。」
保田が福田に尋ねると、福田は即答した。
「明日香はこれからどうすんの?」
「自主トレよ。自主トレ!圭ちゃんもした方が良いんじゃないの?」
「今日は遠慮しとくよ。」
保田はそう言い終えるや否や走りはじめた。
(まあ、あんまり迷惑かけないようにしないとね。)
- 175 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月30日(月)22時49分19秒
- 本部からの呼び出しとあって、訓練を速めに切り上げて向かった会議室
いざドアを開けようとすると、気が重い
実は今日の会議内容は、大方予想が付いている。
先日の任務にて
『部隊の不安因子 保田圭』がまた精霊を暴走させ敵味方関係なく
多大な被害を出したのである。
(あれだろうな〜)
- 176 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月30日(月)22時54分51秒
- 「石黒です。」
石黒がドアをノックすると、中からつんく将軍の声が聞こえた。
「失礼します。」
一礼して部屋に入った石黒は、すぐに将軍に呼ばれた。
「御用は何でしょうか?」
「まあ待てや」
つんくがそう言うと、ドアが開く音がした。
「??」
「おおきたか」
入ってきたのは参謀の和田だった。
- 177 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月30日(月)22時56分13秒
- 読みにくくてすみません
進行遅くてすみません。
何かレス下さい。
一言で良いんで…お願いします
- 178 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月31日(火)12時31分22秒
- やすかごかー・・・>(>123)関係が気になったんだけどな(w
面白いですよ〜 頑張って下さいね!
- 179 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月31日(火)19時32分20秒
- >>178
レスだ〜(涙)
やすかごっす。
でも上手くないと思います。(カップリング初挑戦なんで)
みなさんも気軽にレス下さい
- 180 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月31日(火)19時38分24秒
- 「呼ばれた理由はわかってるんやろう?」
和田が椅子に座ると、つんくはサングラスをずらして石黒を見た。
「圭の事ですね?」
石黒はキッと睨み返した。
「そう睨むな。別に処分しようという訳ではない。」
和田は机の上の資料を見ると、なにやら呟き始めた。
- 181 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月31日(火)19時42分49秒
- 「じゃあ何ですか?」
石黒は拍子抜けした。
「例の銃の事だよ。」
つんくは立ち上がると、窓の外を見た。
「研究部の調査でも全く解明できないんや、敵もえらいもの作ったな。」
和田は机の上の資料を石黒に渡した。
- 182 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月31日(火)19時47分26秒
- 「これは?」
「調査結果や。」
石黒がパラパラとめくっていると、和田が説明を始めた。
どうやら調査部が調べ尽くしても、この銃のメカニズムつまり
『何故撃たれた者に精霊が宿るのか』、
そして『何故生きるものと死ぬ者が居るのか』は、分からなかったのである。
- 183 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月31日(火)19時53分33秒
- 当然ながら、敵の誰が何のために作ったのかも不明である。
「…で私に何を?」
「銃が敵に狙われとるらしいから、その護衛や。」
「お前等なら安心やろ?」
つんくが銃を出すと、和田が口を開いた。
- 184 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月31日(火)19時58分30秒
- 「了解しました。」
石黒が下がろうと向きを変えると、つんくの声が聞こえた。
「あとな」
「はい?」
「銃は見所ありそうなん居たら使って良いで」
- 185 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月31日(火)20時03分29秒
- 石黒が次の任務を受けている頃
(あ…いた!)
保田は先程の少女を探して、町を徘徊していた。
「お〜い・・・ん」
声を掛けようと近づいた保田は、少女が囲まれている事に気が付いた。
- 186 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月31日(火)20時08分36秒
- 「お前の父ちゃんスパイだったんだってな!スパイの子死ね!」
「違う。父ちゃんは勇敢に戦って死んだんや。」
「何だと〜ウチの母さんが嘘ついてるっていうんか?」
少女を囲んでいる子供達は、口々に少女を侮辱し暴力をふるうと去っていった。
(むかつく〜男も居たじゃない!)
保田は腕を震わせながら、少女の元へ向かった。
- 187 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月31日(火)20時15分20秒
- 「大丈夫?」
保田が少女の顔に触れると、少女は顔を俯むかせた。
「どした?」
「何でも無いねん。第一ウチには加護亜依って名前があんねん。」
加護は保田の手を振り払うと、すぐに走り始めた。
- 188 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月31日(火)20時16分12秒
- 何か今日は段落が上手く切れない…
何でだろう?
読みにくいな〜
- 189 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月31日(火)20時21分28秒
- (ちょと…)
保田は加護の体の温もりが残った手を強く握ると、すぐに追いかけた。
(何にも話してないのよ?)
保田は少し加護に興味が湧いたのだった。
「待ちなさいよ〜」
少し走ると加護の影が、段々と見えてきた。
- 190 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月31日(火)20時51分37秒
- (家…?)
加護は家らしき物に入ってしまった。
(開いてるかな?)
保田は恐縮そうにドアをあけると、そこには加護が立っていた。
「泥棒!出て行け!ここはうちの家や!」
「ちょっと待って!」
保田は懐から身分証明書を加護に見せた。
- 191 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月31日(火)21時07分18秒
- 「何や?軍人さんかいな。それならそうと言えばいいやん。」
(言う前に逃げたくせに…)
加護に招かれ部屋に入った保田の見た部屋は、年頃の少女の部屋とは思えない程荒んでいた。
「亜依?アンタ一人暮らし?」
「まあそんなもんです。」
「さっき虐められてたじゃん?あれどういう事?」
「見ての通りですよ。父ちゃんが居ないってだけでアレですわ。」
保田は加護の肩がビクッと反応したのを見逃さなかった。
- 192 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月31日(火)21時14分34秒
- 「父さんはそれでいいとして、母さんは?」
「出かけてます。もう3年くらい…」
加護はそう言うと、泣き始めた。
保田は最初に感じたシンパシーが漸く分かった。
何となくだが似ているのだ。
記憶が無い事で苦悩していた石黒に拾われるまでの自分に…。
- 193 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年07月31日(火)21時15分07秒
- 今日はココまでです。
感想レスお願いします
- 194 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月31日(火)22時58分19秒
- 今日始めて読み始めました。
文才がないので巧く感想書けないのがつらいですが、
続き楽しみにしてます。
- 195 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月01日(水)20時35分20秒
- >>194
いえいえ、これからも感想お願いします。
気軽にレスしてください。
やる気に大きく影響されるんで
- 196 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月01日(水)20時42分55秒
- 「亜依うちに来る?」
「良いんですか?ウチ何の役にも立てませんよ?」
保田が尋ねると、加護がすぐに聞き返してきた。
(放っておく訳にも行かないしね〜)
保田が頷くと、加護は荷物をまとめ始めた。
(さて〜とコミニケーション取ってみるか〜)
保田は少しでも加護の事を知っておくため、気さくに話し掛けてみた。
「昼間訓練見てたよね?」
「うん」
「何で?」
「保田さん達には、天使が付いてるんやろ?」
- 197 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月01日(水)20時48分17秒
- (どこで聞いたんだ?そんな事…)
保田は首を傾げると、加護に尋ねた。
「街のみんな言ってますよ…見せてください。」
(街ではそんな評判なんだ〜)
頼み込む加護を宥めながら、静かにポツリと呟いた。
- 198 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月01日(水)20時53分12秒
- 「私のは天使なんて、そんな可愛い者じゃないよ。基地に着いたら頼んであげる。」
出来れば使いたくない物である、自分の中に居る炎の精霊『フレイマ−』だけわ。
「ウチにもついてくれるんですかね?」
「さあね〜」
加護の頭を撫でていると、基地に着いた。
- 199 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月01日(水)20時59分24秒
- 「ただいま〜」
保田が厩舎に入ると、福田が走ってきた。
「圭ちゃ〜ん。お帰り!任務だって!その子は?」
「加護亜依です。今日から保田さんに世話してもらう事になりました。」
加護は挨拶を済ませると、ぺこりと頭を下げた。
「じゃあ、明日香。悪いけどこれを私の部屋へ」
「了解〜」
- 200 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月01日(水)21時01分51秒
- 福田達と別れた保田は、すぐに隊長室に向かった。
「保田圭ただいま戻りました。」
保田はそう言うと、ドアをノックした。
「お帰り、任務なんだ。」
石黒は紙を渡しながら保田に言った。
- 201 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月01日(水)21時05分31秒
- (ん?)
紙には銃が書かれていた。
「これって…」
「そうよ。あれよ」
この銃の事は、聞かなくてもわかっている。
この銃のお陰で特殊部隊は出来たのだ。
「任務は3日間だから、最後の日で良いね?」
「はい。」
「それだけ」
- 202 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月01日(水)21時09分50秒
- (何でアレが…)
あの銃のせいで、幸か不幸か福田と石黒には精霊が宿った。
福田と石黒の話によると、あれに撃たれると死んだ気持ちになるらしいが
撃たれた事の無い保田には良く理解できないで居た。
(まあ良いか・・)
何故自分に生まれつき?精霊が宿っていたのかは、
定かではなかったが興味は無かった。
(大切なのは今…)
- 203 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月01日(水)21時15分15秒
- 今日はココまでです。
余談ですが
これを書くときは『情熱』と『僕の背中に羽がある』と『LEVEL4』と『淑女』を聞いております。
何かお勧めの曲
あったら教えてください!日本人が歌ってるのが良いです。
演歌は苦手です。
この小説に曲をつけるとしたら?貴方はどうします?(w
それでは!沢山ついてるといいな〜
お一人様何曲でもいいんでお願いします。
- 204 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月02日(木)10時55分14秒
- いつも読んでます。
頑張ってください!曲は…『君を想うとき』なんてどうでしょう?
- 205 名前:名無し人。 投稿日:2001年08月02日(木)19時21分42秒
- TOMATO CUBEの「私がいるよ」とかですかね。
ちょっとイメージ違うかな?
すみませんマイナーな感じの曲しか最近は聴いてないんです。
- 206 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月02日(木)19時57分10秒
- >>204
それは誰の唄です?
>>205
ワンピースの奴でしたっけ?
探してみます〜。
他にもあったら宜しくお願いします。
- 207 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月02日(木)20時27分15秒
- 「お〜お、凄いな〜」
保田が部屋に帰ると、福田と加護がジャレあっていた。
「あ、お帰り〜。加護ちゃんソロソロ良い?」
「もうちょっと〜」
加護は福田の持霊『水の精霊レナス』を珍しいそうに見ている。
- 208 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月02日(木)20時31分05秒
- 「福田さんって、凄いんやね〜」
福田が部屋に帰った後で、加護はポツリと呟いた。
「ウチも欲しいな〜。そしたら一人ぼっちじゃなくなるのに〜」
「無理無理…寝るよ。」
保田は加護を隣に寝かせると、暫らく本を読んでやったあと電気を消した。
- 209 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月02日(木)20時38分26秒
- 二日後
保田は任務のため、銃のある部屋に泊まりこんでいた。
(私の日に限ってこないでよ)
石黒の話によると、三日目の油断を突くのが正攻法らしい。
(今日来るって分かってるんなら、もっと配備を増やせっての…)
コーヒーを飲みながら独り言を呟いていた保田は、ある不可思議な事に気が付いた。
- 210 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月02日(木)20時43分46秒
- (何でこの三日以内に来るって分かったんだろう?
それに…何で毎日同じ場所においてるんだろう?)
まるで、盗みに来いと言わんばかりのこの配備
(まさか隊長何か隠してるんじゃあ…まさか隊長に限って…)
保田は一瞬でも石黒に不信感を持った事を恥じると、コーヒーを一気飲みした。
- 211 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月02日(木)20時51分14秒
- 外の綺麗な夜空と満月を見ていると、保田は何故か眠くなってきた。
(あれ〜?)
「し…ま…」
催眠ガスがどこからか投げ込まれたのである。
「まず…」
薄れ行く意識の中
福田と石黒が起きている事を信じた保田は、微弱な共振を送った。
自分の意識が薄れていくのが分かる。
『漸く我が出番のようだな。』
頭の中で精霊の声がする。
- 212 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月02日(木)21時01分16秒
- 保田の『炎の精霊『フレイマ−』」は、他の精霊と違う点があった。
まず通常精霊は本体の意識が、途切れると消えるのだがこいつは何故かパワーを増す。
そしてもう一つは…
一度召還すると自分の気が済むまで焼き尽くし暴れ回るのである。
「アンタなんかお呼びじゃない。」
『ふん。我に任せればあんなコソドロ達の好きにはさせん。』
「呼ばない。」
『まあいい、いざとなれば自己防衛機能…
これに限り本体の意思と関係なく動ける』
- 213 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月02日(木)21時02分53秒
- 今日はココまでです。
明日もMS見ながら更新します。(w
「君を想うとき』と『私が居る』良かったです。
- 214 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月02日(木)21時04分31秒
- あ、間違えた。(汗
引き続き感想と曲当ての方を募集してますので、よろしくお願いします。
マイナーなのとかでも良いので、気軽にお願いします。
それでは
- 215 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月03日(金)13時43分06秒
- 黄色5…
ちょっと感じ違うかな?
みなは?
- 216 名前:124 投稿日:2001年08月04日(土)00時00分13秒
- 忙しいながらも毎日の更新楽しみにしてます。
曲は色々と考えてみたんですけど、
ZABADAKの『ガラスの森』なんか合ってるような気がする。
マイナーどころはMIOの『BAD DREAMER』(マイナーすぎる)
がいいような……。
なんか選んでみると自分が好きな曲ばっかりで申し訳ない。
作品の方は今後も期待してマス。
- 217 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月04日(土)18時13分11秒
- >>215
探してみます〜
>>216
そういうのを待ってたっす。
MIOって洋楽ですか?
どこさがそ〜
- 218 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月04日(土)18時18分15秒
- あと感想のときsage無くても良いですから〜
っていうかageて下さい!(w
新種のサウンドノベルのつもりです〜。
- 219 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月04日(土)19時44分51秒
- JUNGLE SMILEの
「おなじ星」とか、「抱きしめたい」かな。
- 220 名前:夏色のナナシー 投稿日:2001年08月04日(土)22時00分35秒
- 「おなじ星」って名曲だよねー。
確か「あなたが女に生まれてきても私たちは出会ってた」みたいな内容もあったよねー。
いいかもー。
- 221 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月05日(日)10時54分30秒
- >>219
探してみます〜。
minmxって日曜出来ない?
- 222 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月05日(日)11時09分23秒
- (…)
倒れた保田の隣を盗賊達が駆け抜けていく。
『待て!』
「え?」
『貴様等何のつもりか知らんが、生きて帰れると思っているのか?』
フレイマ−が腕を振ると、部屋を炎が包み込んだ。
- 223 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月05日(日)11時15分23秒
- 驚いた盗賊の手から銃がこぼれ落ちた。
「!!!」
『くくく、楽しませてくれそうだ。』
盗賊はフレイマ−と対峙すると、覚悟を決め武器を手に取った。
「精霊なら銀の武器か魔力を帯びた武器に弱いはず…」
盗賊の一人は懐の矢を取り出すと、それに魔法をかけた。
- 224 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月05日(日)11時20分54秒
- 『ふん、我にこんな物が効くと思っているのか?』
盗賊の放った矢は、フレイマ−の体に届く前に燃え尽きてしまった。
「そ…ん…」
盗賊は戦意を喪失していた。
そのとき ドアが開かれた。
共振を感じた福田と石黒と心配になった加護が、見に来たのである。
- 225 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月05日(日)11時31分03秒
- 「あの馬鹿もう気を失ってるよ。明日香行くよ?」
「はいはい」
二人はそれぞれの精霊を召還した。
「加護はその足元の銃を拾って部屋に戻ってて」
「うん」
加護は頷くと、銃を拾い走った。
『もう来たか…だが貴様等の思い通りには行かんぞ』
- 226 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月05日(日)11時40分30秒
- (あれが保田さんの精霊やろうな?何か福田さんのとは違う感じやったな。)
初めて保田の精霊を見た加護は、言い知れぬ恐怖を感じたのだった。
「ん?気のせいかな?」
加護はくるっと部屋を見た。
(保田さんの声がしたような…)
- 227 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月05日(日)12時32分51秒
- 加護が暫らく銃をマジマジと見つめていると、ドアがノックされた。
(誰やろ?)
加護が覗き穴を覗くと、ドアの向こうには見知らぬ人物が立っていた。
(開けた方がいいんかな?)
加護が迷っていると、ドアが乱暴に叩かれた。
(どないしよう…)
- 228 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月05日(日)12時43分33秒
- 加護は銃を取ると、奥に走ると押し入れの中に隠れ息を殺した。
入り口の方からは、何かが壊れる音がした。
(ドア壊れてもうた)
暫らくすると、押し入れの方に来る足音が聞こえてきた。
(…)
ドアの隙間からこっそり覗くと、それは先程一瞬だけ部屋で見た盗賊達だった。
- 229 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月05日(日)12時55分50秒
- (こんなけったいな銃に何があるんやろ?)
加護は先程福田から聞いた、この銃の話を思い出していた。
このままでは銃を奪われ、さらに自分もおそらく殺されるだろう。
そう感じたとき加護は自分で自分を撃った。
銃声に気が付いた盗賊が押し入れの戸をあけた。
「何だ…自殺してるじゃん…」
「急げ、時間だ。」
盗賊達は加護の手から銃をもぎ取ると、窓から出ていった。
- 230 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月05日(日)13時00分31秒
- (ん〜ん)
加護が目を覚ますと、そこは救護室のベットの上だった。
「気が付いた?」
福田は安心したように雑誌から目をそらした。
「…ここは?今何時?」
「加護ちゃんは、二日寝続けたんだよ。」
加護は福田がずっと一緒に居てくれた事が嬉しかった。
- 231 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月05日(日)13時03分52秒
- 「ところで、保田さん達は?」
「あ〜あ、あの二人…」
福田が口を開くと同時にドアが開いた。
「アンタのせいでまた呼び出しよ!全く…」
「私は減給ですよ〜」
「自業自得よ!」
口論しながら保田と石黒が入ってきた。
- 232 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月05日(日)13時09分55秒
- 「亜依起きたの?」
「たったいまね。」
「良かったね〜」
「はい。」
加護はココには自分の居場所がある事を感じた。
「巻き込んで御免な〜」
保田は加護の頭を撫でながら、ボソッと呟いた。
「大丈夫ですよ〜」
加護はそう言うと、保田の顔を見た。
(これからも一緒に居たいんやけどな〜)
加護は愛というものを知った。
- 233 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月05日(日)13時15分26秒
- 『我は待っていた。我が主人加護亜依が愛に目覚めるのを…
我が力を使うのに相応しい資格を持つ事を…』
「どうしたの?」
保田の声が頭の中の声と重なる。
「何か頭の中で声が…」
「アンタ誰やねん?」
『我が名は『フォルセナ』大地の精霊である』
「…で?」
『我の力をそなたに授けよう』
「どうもまいど…」
「加護大丈夫?もしかしてあの銃で自分を撃ったの?」
「どうせ殺されるんならと思って…」
加護がそう言うと、保田は無言で加護を抱きしめた。
- 234 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月05日(日)13時21分48秒
- (夢か〜…ん)
足元には加護が転がっている。
「亜依…アンタなんで居るの?」
「石黒さんが読んで来いって…」
「起こしなさいよ。」
「でも〜保田さん見てると見とれちゃって…」
保田は加護の首根っこを掴むと、服を着替え隊長室に走った。
隊長室につくと、機嫌の悪そうな石黒が踏ん反り返っていた。
「任務よ。基地の護衛…失敗は許されないから」
「は〜い。」
「明日香が準備もうしてるから、早くいきな」
- 235 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月05日(日)13時25分47秒
- 車庫にて
「明日香おはよ〜」
保田と加護は、車の後部座席に乗り込んだ。
「今回の任務は何なんです?」
保田は任務書をパラパラとめくっていた。
「何かね〜王女のいる基地の護衛だって」
「遅れてるから飛ばすね?」
福田はそう言うと、エンジンをかけた。
4章 完
- 236 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月05日(日)13時28分16秒
- 今夜か明日の昼間から5章に入ります。
ソロソロ合流し始める頃です(w
もう一度読み直しておくのも悪くないかも(w
良い曲を勧めてくださって下さって、本当に有難うございます。
でもまだまだ頑張りますので、隠れた名曲や感想を教えてください。
それでは
- 237 名前:ぐれいす 投稿日:2001年08月05日(日)20時32分22秒
- 今日見ました。
なんか今のとこ話が飛んでてわかりにくいっす……でも今後の展開に期待!
- 238 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月05日(日)21時08分23秒
- >>237
セリフのところで少しだけ…
内緒ですよ。(爆)
これからはもっとわかりやすくなるように頑張ります
- 239 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月08日(水)15時52分07秒
- 「りんねさん〜私はもう無理です。先に行って下さい。」
「何を言っているのですか、あさみ!もう少し頑張って!」
チャーミー王朝史上『最も勇敢な女帝』と後々語り継がれる事となる
石川梨華を助け出すため彼女の武術指南役りんね・学術指南役あさみは、ある場所に向かっていた。
(とは言っても、もう限界)
りんねの足も段々重くなってきた。
「〜」
そのときりんねの目には、小屋が映った。
「とりあえずあそこに泊めて貰いましょう。」
- 240 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月08日(水)16時01分38秒
- 「あの〜…何方か居ませんか?」
りんねが戸を叩くと、中から矢口が出てきた。
「誰です?師匠の友達?」
矢口はクルリと振り返ったが、そこには誰も居なかった。
「あれ?どこ行ったんだろう?まあ上がって」
矢口は二人を案内すると、茶を出した。
「…で何のよう?そこの貴方…剣ダコだらけじゃない?何者?」
「ただの通りすがりです。」
りんねは少し驚きながら茶に手を伸ばした。
- 241 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月08日(水)16時07分07秒
- 「貴方はどうしてこんな所にお一人で?」
あさみは不思議そうに小屋を見渡した。
「一人じゃないですよ。師匠と二人で…」
「師匠とは?何か武道を?」
「まあほんの少しだけね。それにしても師匠どこ行ったんだろう?」
「ここだよ。」
矢口が首をかしげると、背後から返事が返ってきた。
- 242 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月08日(水)16時12分20秒
- 「こんなに簡単に背後を取られるようでは、まだまだやな。」
「来客中にそんな事しなくでもいいでしょ。それにその格好…」
男は自分の顔を包帯で隠し、りんねとあさみに素顔が見えないようにしていた。
(今背後に現れたのみえた?)
(全然…それにしても何で顔を?)
りんねとあさみは互いに目で会話をすると話を始めた。
- 243 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月08日(水)16時20分40秒
- その頃
「ねえ、ナッチ〜」
「何だべ?ごっちん?」
後藤と安倍は『王女石川梨華を救出・保護せよ』という命令を皇帝から受け
その任務を実行するため敵基地へと向かっていた。
「何で王家の人ってウチラに頼まなかったのかな〜?」
「何でも指南役の人誘拐された事に責任を感じて、二人も失踪したらしいべな。」
- 244 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月08日(水)16時31分16秒
- 「王家って大変だよね〜。」
二人が相槌を打つと、無線がなった。
「だべ?」
「こちら辻で〜す。二人とも元気にしてますか〜?」
無線を離しても聞こえるこの元気な声の持ち主は、元気だけが取り得の辻希美
「何か用?」
何だか機嫌の悪そうな後藤にビビッタのか辻は、すぐさま飯田に無線を変わった。
「ん〜んとねえ。圭織だけど〜敵の基地にも精霊使いいるみたいだから気をつけてね。」
「分かった〜。またいつもみたいにウチラのデータを取ってるの?」
「そうだよ〜。どうかした?」
「何でも無い…それじゃあ」
- 245 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月08日(水)16時37分36秒
- 無線を切った後藤は、後藤は安倍の方をじっと見つめた。
「どうしたべ?」
「圭織って、何で敵の戦力にあんなに詳しいんだろう?」
「交信でしょ?」
「なら良いんだけどね〜」
後藤は口笛を吹くと、シートを倒した。
(ある種の疑問が消えないんだよね〜)
「何か言ったべ?」
「何にも…ねなっちご飯食べようよ。」
「良いね〜、ちょっと早いご飯にするべ。」
(ナッチのためにも今は黙ってこう。本気にしたら大変だし折角二人になれたんだし)
- 246 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月08日(水)16時39分45秒
- 今日はココまでです。
明日可能なら姫を出しても良いかなって思ってます。
感想などありましたらお願いします。
曲もお願いします
- 247 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月09日(木)12時53分23秒
- ごまなち、どんな展開になるのか楽しみです。
期待して待ってます。
- 248 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月09日(木)13時14分45秒
- >>247
サイトをグルッと回ってきてみれば、レスが!
こんな真昼間でもみてる人居るんですね〜。
って俺もか(w
今日の更新ではひょっとしたらごまなちまでいけないかも(汗)
まあ見ていてください
- 249 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月09日(木)13時36分26秒
- 「裕子先生、何で辞めちゃうの?私が悪い子だから?」
「チャウチャウ、先生が悪かったんや」
「何で?先生のお蔭でお外ではじめて遊べて嬉しかったよ。」
「でも怪我しそうになられたでしょう?」
「あれは私がドジだから…」
「それでも先生のミスなんや、姫も大人になればわかります。」
「ごめんなさい。」
「謝らなくても良いんですよ。後悔はしてませんから」
「何で?」
「このまま外の情勢も知らんと王位を継いだら、碌な事にならん。
そう思ったから外に出させてもらったんです。
良いですか?」
「はい?」
「人が何と言おうと、自分が正しいと思った事は命に代えてもやり遂げるのです。」
「???」
「逆に正しくないと思った事は、どんなに困難でも拒否しなさい。これが国政という物です。」
- 250 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月09日(木)13時47分25秒
- (またあの夢か〜、そういえば先生は今頃何してるんだろう?)
牢屋の中から外の景色を眺めたまま幼少期の思い出に浸っていた石川は、椅子に座ると溜め息を付いた。
(あ〜あ、ここに幽閉されてどの位経ったのかな?)
実際は1ヶ月程度なのだが、あまりに退屈なので時間の感覚もなくなってくる。
この1ヶ月間、石川の牢には三食の食事と書類を持った兵隊しかやってきていない。
その書類とは『つんく将軍に全政権をお任せします。』というものである。
「こんなやり方をする人には、国は任せられません。」
石川がそう言って拒否すると、大の男二人に牢屋に入れられてしまった。
- 251 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月09日(木)13時53分33秒
- コツコツコツ
牢屋へと向かう足音が廊下に響いた。
「はい、昼の食事!」
「保田さんでしたっけ?」
「そうよ。何?書類にサインしてくれる気になった?」
保田は懐から紙とペンを取り出すと、石川に差し出した。
「ちがいます。」
石川が首を横に振ると、保田は残念そうにうな垂れた。
「アンタも強情ね〜。」
- 252 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月09日(木)14時02分07秒
- 「そうですか?生まれつきな物で…」
「ところでこれね。頼まれてた物よ。」
保田は周りをキョロキョロ見ると、素早く鞄から本を出し石川に渡した。
「ありがとうございます。これ前借りてたのです。」
石川はベットの下から本を取り出すと、保田へと渡した。
「バレテないでしょうね?もう減給は懲り懲りよ。」
「大丈夫ですよ。」
「それにしても、こんなとこまで来てなんで学術書なのさ?」
保田はそれを鞄に入れながら尋ねた。
- 253 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月09日(木)14時13分10秒
- 「癖でして…」
石川は再びベットの下に本を置くと戻ってきた。
「何でサインしないのさ?ちょっと名前書くだけで元の生活に戻れるんだよ?」
「私はこんなやり方正しくないと思うんです。それに戦争までして…民を苦しませて」
「呆れた…。その戦争を引き伸ばしてる張本人が…」
保田はグッと背筋を伸ばすと、石川の胸倉を掴んだ。
- 254 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月09日(木)14時34分03秒
- 「アンタがサインしないから、戦争が終わらないんでしょうが!」
「だって…」
「やり方が気に入らない?そんなのはわがままなだけよ。」
保田が吐き捨てる様に言い手を離すと、石川は後ろに倒れた。
「他に平和にする方法があるなら言ってごらん」
「誰かが助けに来てくれるまで、待ってます。」
「アンタ人任せね?
今だって私の首を絞めて鍵を出させることだって出来たはずなのに」
「保田さん…貴方に何がわかるんですか?」
「何にも…別に私は王家なんてどうでも良いのよ。平和な世の中になればそれで…
正しい事に拘るのも良いけど、それは後でも良いんじゃないの?」
保田はそう言い残すと、立ち上がり石川の方を見ると歩き始めた。
「待ってください!」
「何?」
保田の足がぴたっと止まった。
「明後日の正午まで誰も牢屋に近づけないでもらえますか?
一人で考えたいので…」
「伝えておくよ。」
保田は返事をすると、再び歩き始めた。
- 255 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月09日(木)14時42分15秒
- (私は間違ってるのかな?)
石川の頭の中で、保田に言われた事がエンドレスに流れていた。
(誰か教えてよ〜。)
こんなとき、教育指南の二人が居てくれれば…
一瞬そのセリフを吐こうとしたが、首をブンブン振って消した。
(こんなんだから、人任せって言われるんだ。)
約束の時間まで後四十八時間
- 256 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月09日(木)14時43分39秒
- 今日はココまでです。
感想とか曲を教えてくれると、非常にやる気が出ます。
マジで!何でも良いから書いてください。
やすいしって甘えるのしか言わんのかな?
- 257 名前:ななしむすめ 投稿日:2001年08月10日(金)21時28分00秒
- 感想書いてみます(^▽^)
はじめて てうにちさんの作品読みました。ちょっとわかんないとこもあったけど、
おもしろかったです(0^〜^0)
私もTMスキです。一番はアクアラバーズかな〜。今度それ聞いて書いて見てくださいね〜。
じゃ〜またレスします〜。
- 258 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月11日(土)08時50分00秒
- 今日の昼間からまた更新します。
どこが分かりにくかったのかな?
それでは〜
- 259 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月18日(土)01時15分40秒
- 更新まだかな〜
- 260 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月18日(土)20時03分02秒
- 石川が眉間に皺を寄せて『今どうするべきか』必死に考えている頃
「…という訳でどうしても敵の砦に向かわねば成らないのです。」
「ふ〜ん。それでたった二人で砂漠を歩いてたんだ?」
矢口は感心しながら、クルリと首をひねった。
「でも〜こうなったら助けてもらった方が良くない?」
矢口が尋ねると、りんねは机を激しく叩いて答えた。
- 261 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月18日(土)20時11分45秒
- 「そんな事したら、どうなるかまだ分かって貰えませんか?」
「全然…師匠分かる?」
矢口が後ろを振り向くと、男は頷いた。
「恩を売っとかれると、確かに厄介やな。」
「そう・・・。摂関政治が目的の彼等の思う壺になってしまうのです。」
摂関政治…王が若輩のときに重臣達が代わって政治を行う制度
政治を行う重臣の力が強まり王家の威信が落ちる。
「それが…梨華様が望んでなら私達も従う。しかしこれでは…」
あさみは悔しそうに唇をかんでいた。
- 262 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月18日(土)20時35分52秒
- (何だよ。この二人いくら王女だからって大事にしてるじゃないの?)
先程から二人の様子を見ていた矢口は、二人がこれ程大切に思っている王女がどんな人物なのか
聞いてみたくて仕方が無くなったが、二人にはそんな話をする暇が無い事も理解していた。
「りんねさん…そろそろ進まないと…」
あさみがハッと時計を見て促すと、りんねは頷き立ち上がった。
「それでは…先を急ぐので…」
「もう行くの?」
「梨華様が待ってますから…生きて帰ってこれたらまた会いましょう。」
二人は名残惜しそうに席を立ち、ドアをあけた。
『付いていきたいのですな?』
「うん。」
『では思い切って言ってみては?』
「でもオイラだと足手まといに…」
『ご主人らしくないですね?
それにあの二人が向かっていると知っていて敵が無防備で居るでしょうか?』
アレクのこの一言が矢口を決心させた。
「わたしもついていっちゃあ駄目かな?」
- 263 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月18日(土)20時37分35秒
- あの〜
誰か新メンバーが正式に決まるのいつか教えていただけませんでしょうか?
もしかしたら出さざるを得ないかも…
>>259
お待たせしてすみません
- 264 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月19日(日)00時21分55秒
- わ〜い、更新だ。
新メンバーは8月26日に決まるそうですよ。
さてさて、とっても雰囲気のあった曲があったんです。
最近発売されたCOLORの「翼がなくても」です。
人気が出てきたみたいで、結構テレビにも出てるから、
一度は聞いてみて下さい。
- 265 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月19日(日)00時22分36秒
- わ〜い、更新だ。
新メンバーは8月26日に決まるそうですよ。
さてさて、とっても雰囲気のあった曲があったんです。
最近発売されたCOLORの「翼がなくても」です。
人気が出てきたみたいで、結構テレビにも出てるから、
一度は聞いてみて下さい。
- 266 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月19日(日)16時49分30秒
- 8月26日って事は…
1週間か〜終わるはず無い!
出演決定〜(汗)
したがって、発表されたら新メンバーに付いての情報・印象・人気・性格など
みなさんで僕に教えてくれませんか?(w
- 267 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月19日(日)16時54分58秒
- >>264 265
レス感謝します。
これからもよろしくお願いします。
winmaxで今から探してみます。
- 268 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月19日(日)17時42分24秒
- 矢口はまだ師匠が常々言っていた『精霊使いは精霊使いを呼び寄せる』
『精霊使いは引き合う磁石のような物』という全く意味不明の言葉の意味を理解する事になる事を知る由も無い。
旅に加わった矢口は、りんねとあさみを引きつれ砂漠を越えた所にある街に到着した。
「漸く着きましたね。私は宿屋を取ってきますが、あさみと矢口さんは?」
「基地の事を知っている人が居ないか探りを入れてみるよ。」
「私も〜」
「じゃあ後で合流ね。」
りんねと別れた二人は、酒場に着くと空いている椅子を探した。
- 269 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月19日(日)18時20分25秒
- 「あ、あそこ開いてるよ。」
矢口は空席を見つけると、あさみの手を引いた。
「あ…」
矢口が席に荷物を置こうとしたとき、手がぶつかった。
「あ…ごめんだべ。」
「こちらこそ〜」
- 270 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月19日(日)21時11分27秒
- 太い手の主は手を引っ込めると、矢口の方をジッと見つめた。
(何よ〜。)
矢口もそれに答えるように相手を見つめた。
傍からあさみが恐る恐る矢口を見守る。
「なっち〜何やってるの?」
矢口と安倍が口を開こうとした瞬間
安倍の後ろからトレー一杯に料理を取ってきた後藤がやってきた。
「あ〜ごっちん…席取られちゃったべ。」
安倍が済まなさそうに頭を掻くと、後藤は周りをキョロキョロ見始めた。
「あそこ開いてる。いこ」
「待ってよ〜」
- 271 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月19日(日)21時12分38秒
- 横浜アリーナ来年は行くぞ!
良かったな〜
その前に大学決めないと…
オールナイトって千葉聞けるのかな?
- 272 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月23日(木)16時15分53秒
- 更新前に古巣(2ちゃん)を回ってみれば惨事が…
お悔やみ申し上げます。
救えたのもあったのかな?
今度から保全戦隊スパーレンジャーって名前で保全するかな
- 273 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月25日(土)20時40分08秒
- (ねえ、ごっちん…さっきの小さな娘見たべ?)
(ん〜ん、どうかしたの?)
安倍は先程対面した少女が、どうしても気に掛かっているようだった。
「ん〜ん、何かねえ…。またどこかで会うような気がするべ。」
「根拠は?」
後藤が興味無さそうに尋ねると、安倍はニコリと笑った
「女の勘…」
(また始まったよ。)
安倍の女の勘は、チームを組み始めてから当たった試しがないのである。
- 274 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月25日(土)21時00分04秒
- 「なっち〜、」
食事を終えた安倍と後藤は勘定を済ませると、宿屋へと向かっていた。
「どこかで遊ぼうよ〜」
先程から何度も後藤は、安倍の耳元で囁いている。
「だめだべ。」
「ケチ〜」
後藤はプーっと頬を膨らませ俯いてしまった。
「なっちは後藤の事嫌いなんだね?折角二人で旅行にきてるのに…」
「それは…」
後藤にちょっと好意を寄せている安倍にとってこの言葉は深く突き刺さった。
(困ったべな〜。折角の二人っきりって言えば…でも任務中だし…)
- 275 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月25日(土)21時27分44秒
- (困ったときは、精霊頼みだべな)
安倍はコミニケーションを重ねる事により、
幾分か信頼関係を築けつつある精霊と相談する事にした。
『駄目だよ。』
出てくるなりドグマは自分の意見を述べ始めた。
「やっぱりそう思うべ?」
『当たり前だよ!任務中だよ。』
「でも〜折角二人っきりになったんだべ…」
『じゃあ好きにすれば〜それじゃあね〜』
言いたい事を言い終えると、ドグマは再び眠りに付いてしまった。
「ドグマの真面目な性格は、どこからくるのだろう?」
入隊してからすぐのとき後藤に尋ねた事が有った。
「何か術者の性格が基因するらしいよ。」
後藤の答えはそれだけだった。
- 276 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月25日(土)22時21分32秒
- (…でどうするべか)
後藤を横目で一瞥すると、手を繋いだのが功を奏したのか先程よりは多少機嫌が直ったようだ。
「一緒にお風呂入るべ?」
安倍は妥協案として?大浴場に後藤を誘う事にした。
「うん。」
(良かった機嫌直ったべさ〜)
後藤は腕を絡ませると、ニコリト笑った。
- 277 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月25日(土)22時25分28秒
- 今日はこの辺で〜
この小説も移転した方がいいのかな?
でもそれだと題名がな〜
それに過去ログってどうなるんだろうか?
あと新メンバー情報とかは出来ればメールでお願いしますね。
多分チョいやくで出演すると思います〜
第一印象とかでも良いです〜
何でも良いのでよろしくお願いします。(感想はレスが嬉しい)
新メン広島は来週加入なんだ〜(w
- 278 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月27日(月)15時59分10秒
- 「ふ〜良いお湯」
後藤は恐る恐る風呂の湯に足をつけると、安心したのか一気に肩まで温もった。
安倍も隣に温もると、頭に巻いていたタオルを顔に当てた。
「疲れたべな〜。」
「うん」
二人が労を労っていると、ガラガラという音共に誰かが大浴場にやってきた。
(邪魔者〜)
二人は心の中で恨みの言葉をいいながら、その人物を見つめた。
「あ〜」
- 279 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月27日(月)16時00分24秒
- 新メン情報募集
後紺野のサイト教えてください。
それと性格と隠せとか口癖とか!
よろしく頼みます
- 280 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月28日(火)17時39分59秒
- 何か小説読みふけてました。
紺野どう出すかな
- 281 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月31日(金)15時41分09秒
- 二人の視線に入ってきたのは、先程の少女つまり矢口真里であった。
「さっきはどうも…」
矢口は会釈すると、浴槽に入ってきた。
(尾行されたべ?)
『なわけないじゃん
町に宿屋があるのは普通一個でしょ
だから同じとこに泊まるようになるのは、仕方かないけど…』
(けど何だべ?)
ドグマが言うのは、
『こうも短期間に接触するのをただの偶然と片付けるのは安易過ぎる』という事だった。
- 282 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月31日(金)15時59分50秒
- 後藤はというと、ボーっと湯に使って鼻歌なんぞを歌っている。
(ナッチが何とかするしかないべさ)
「どこに行くんだべ?」
「え…?」
「いや〜この町に特別用事無さそうだったから…」
安倍が質問すると、矢口は一瞬口ごもった。
「え・え〜とねえ。そうもっと北の町へ…そちらは?」
「へ…秘密だべ。」
今まで黙って事態を静観していた後藤はそれを聞いてがくット肩を落とした。
(それじゃあ、言えない様なところに行くってばればれジャン)
- 283 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年09月01日(土)22時19分24秒
- 「秘密ってどういう事?」
矢口はキッと安倍をにらみつけると、厳しい口調で尋ねた。
「あ・あの…」
安倍はシドロモドロになると、後藤の方を見た。
(し〜らない。)
後藤は慌てて目を逸らすと、ハアッと大きな溜め息をついた。
「あのだべな…絶対内緒だべよ?」
「だ〜か〜ら何を?」
「実はだべな…ナッチ達お店やってるんだべ!」
「何の?」
「花・花屋だべ」
矢口は不審そうに安倍を見ている。
「そろそろ上がろうか?」
「そうだべな」
この隙に後藤が安倍を誘い出すと、風呂には矢口一人が残された。
- 284 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年09月01日(土)22時26分03秒
- 都合により今日はココまでです。
感想を聞かせてください。
ある所を見て、ちょっと悩んでます。
そんなにツマラナイかな?
- 285 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月02日(日)05時04分53秒
- いろんなところでなんか言われてるみたいだけど、
別にコテハンじゃなくて名無しでいいじゃん。
何でそんなにこだわるの?自己主張の強い奴としか思われないよ。
- 286 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年09月10日(月)21時57分36秒
- 「今の人何か怪しかったべ?」
体を拭きながら後藤の方を向いた安倍は、クルリと首を傾げた。
(は〜あ。この純粋さ。可愛いな〜)
「…にしても、あの人なんで答えるのにつまったんだろう?ってあれ?」
後藤がウ〜ンと唸っている間に安倍は、スタスタと外に出て行った。
「ちょっと待ってよ〜。」
「ん?どうしたべ?」
安倍は出てすぐの所にある売店で、夜食を購入していた。
「さっき食べたばっかじゃん?」
「良いんだべ〜。」
(太るな〜。でも一緒に食べないと嫌われるしな〜。)
- 287 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年09月10日(月)22時17分20秒
- その頃
「松浦隊長、全軍配備完了しました。」
「わかりました。」
松浦は日記を閉じると、テントの外に出た。
外には沢山の部下達が待機していた。
「全員整列!」
松浦の出現に気が付いた先頭の部下が、号令をかけると一気に緊張感が高まった。
(あ〜あ、暗いな〜。この雰囲気が苦手なんだよな〜)
しかし部下達は松浦の一挙一動を見逃すまいと、食い入るように見つめている。
「先程説明した通り、今回の作戦に失敗は許されない!(っていうかいつもだけど)
まず稲葉隊は砦の前方を…。そして小川隊はその右側。新垣隊はその左側を守ってもらう。」
「承知しました。この命に代えても」
それぞれの部隊の隊長達は、立ち上がるとそれぞれの意気込みを語った。
「では配置に付く前に我が家に伝わる必勝の舞を披露しよう。」
松浦はそう言うと、淫らな踊りを始めた。
この踊りこそが松浦部隊の士気の高さの秘密である。
- 288 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年09月10日(月)22時19分22秒
- 今日はここまでです。
新メンの出し方も大分固まったし、HPの法の目処もたったので再開します。
久しぶりにやると、改行がな〜
- 289 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月10日(月)23時29分50秒
- やった。更新されてる♪
ずっと読んでましたよ。
新メンも追加で面白くなりそうですね。
紺野はいつ出るかな〜
- 290 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年09月11日(火)21時02分40秒
- >>289
どうもありがとうございます。
紺野ですか…。
まだ秘密です。(w
も・勿論もう決まってますよ。
- 291 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年09月11日(火)21時09分36秒
- 数時間後
「久しぶりねえ。松浦…」
陣形を整えた松浦は、基地にいる保田を訪ねていた。
「おかげさまで、ここまで出世できました。」
「…でバレてないでしょうね?」
「勿論…アトムの事は誰にも…」
保田はニヤリと笑うと窓から外を見た。
「あれが今回の?」
「はい。」
窓の外には昨日までは無かったはずの小川が流れていた。
「全く怖いね〜。」
「ふふふふ」
二人は見詰め合うと、大声で笑い出した。
- 292 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年09月11日(火)21時17分32秒
- 「そうそう。」
松浦は懐から紙を取り出した。
「ん?これは?」
保田はそれを机の上に広げると、ジーット眺めた。
「また我等が同士が発見されたようですよ。」
松浦は紙切れを保田に渡した。
「今度は二人か…」
「幸いにも士官学校生だったので、敵の手に落ちずに済んだようです。」
松浦は続けて写真を取り出した。
「…でその二人はどこであれに撃たれた?これで最後のはず。」
保田と松浦が暫らく密談していると、ドアのノックが部屋に響いた。
- 293 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年09月11日(火)21時30分09秒
- 「松浦様…」
「誰ですか?」
松浦はキッとドアを睨みつけながら尋ねた。
「稲葉・新垣・小川部隊長がお見えになったようなのですが…」
部屋に誰にも入れないように間者に頼んでいたのだ。
「すぐ行きます。」
「保田さん…申し訳ありませんが部下の元に逝かなければなりません。」
松浦はすまなさそうに頭を下げると、部屋を出ようとした。
「松浦さあ〜、無能力者と一緒に居て楽しい?つらくない?」
「一応私も同じって事になってますから…それでは」
松浦はもう一度ぺこりと頭を下げると、バタットドアをあけた。
ドアが閉まるとき、知らせに来た間者が何やら耳打ちをしているのが見えた。
(忙しいね〜。幹部候補は…)
保田はポツリと呟くと、誰も居なくなった部屋をグルっと見回した。
- 294 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年09月11日(火)21時37分19秒
- 「それにしても…」
保田は再び窓の外の小川を眺めた。
「見事な物ね。まさに芸術ね。」
実はこの小川にはある秘密が隠されているのである。
そしてこの小川こそが、松浦が前代未聞の速さで出世していく秘密でもある。
「ん…あれは?」
保田の目に映ったのは、怪しい二人組みであった。
- 295 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年09月11日(火)21時39分05秒
- 今日はココまでです。
松浦の能力とは…
名前を辞書で調べてみるといい事在るかもしれません。
もう少しで戦争です。
- 296 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年10月07日(日)13時36分49秒
- 「なっち〜速く速く」
安倍と後藤は、目標の砦のすぐ傍まで来ていた。
(あんな川前からあったけ?)
後藤が目で合図を送ると、安倍はブンブンと首を振った。
「困ったね〜。怪しすぎるよね〜。」
「それに川を渡ってすぐ部隊が居るから、
後藤の能力で移動するわけにも行かないべ…」
後藤の空間移動能力は、移動直後一瞬反動で体が硬直するため
こういう場合に使うと、
渡った先の部隊に蜂の巣にされてしまう可能性があるのである。
- 297 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年10月07日(日)14時18分33秒
- 「ん〜ん」
二人が頭を悩ませている頃、
矢口とりんねは、砦の後ろの断崖絶壁の崖をロッククライミングしていた。
「裏から回るなんて、流石に思い付かないよね?」
「だと良いんですが…」
二人の顔からは、既に余裕がなくなっていた。
(あ・あと少し…)
先に登り終えた矢口が、辺りを確認するとそこには誰も居なかった。
「大丈夫だよ。」
矢口がりんねに向かって合図すると、りんねも何とか上りきった。
「そこまでよ!」
二人が裏口を探していると、背後から誰かに呼び止められる声がした。
「え?」
(さっきまで誰も居なかったのに…)
背後には、松浦が銃を構えていた。
- 298 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年10月07日(日)14時19分50秒
- やっぱ今日中は無理そうなんで、マータリと行きます。
つまらないでしょうが、お付き合いいただければ幸いです
- 299 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年10月17日(水)12時10分36秒
- すみませんが、暫らく更新できそうに無いかも…
ちゃんと完結はさせます。
狩って何か良いな〜(オイ
- 300 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年11月04日(日)20時13分26秒
- 「ここは私に任せて、りんねちゃんは早く中へ」
「わかった。」
りんねが駆け出すと、矢口は振り向いた。
「ここから先は一歩も進ませないよ。アレク!」
アレクを見た松浦は少し驚いた様子だったが、すぐに元の顔に戻った。
「ふん、精霊使いか?面白い…」
松浦は銃を下ろすと、自分も精霊(アトム)を召喚した。
「我最強の精霊アトムの攻撃を受けてみるが良い!」
アトムと呼ばれた精霊は、一気に間合いを詰めるとアレクに襲い掛かった。
(わあ〜)
『喰らえ!』
アトムの振り下ろした右肘は、アレクの肩に直撃した。
- 301 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年11月04日(日)20時39分16秒
- (アレク…大丈夫?)
『大丈夫ですが…御主人が余所見していては、勝てるものも勝てません。
御主人には指一本触れさせませんので、気を強く持って見ていてください。』
(わかってるんだけどさ…)
アトムは無理矢理アレクを立たせると、好き放題に殴り始めた。
思わず目を背ける矢口を冷ややかな目で見つめる松浦
(術者があの様じゃあ、楽勝だね。殺っておしまい)
『御主人…』
(アレク大丈夫?ごめんね。オイラが不甲斐無いばっかりに…)
『心配ご無用です。この程度、
それに御主人も初めての実戦で緊張しているんですよ。』
(そうかな??とりあえず次の一撃を受け止めて!)
『何をよそ見している?』
『余所見?これは余裕という物だよ。』
アレクはアトムの拳を受け止めると、そのまま腕を引っ張り足を掻け放り投げた。
- 302 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年11月04日(日)21時05分57秒
- ちょっとだけ更新しました。
遅くてすみません。
何とか年内には、完結させたいと思ってます。
宜しくお願いします
- 303 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年11月04日(日)21時07分12秒
- すみません。sage効いてませんでした。
- 304 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年11月12日(月)21時31分31秒
- 「私はもう一人を追うから、こいつ等をお願い。」
松浦はチッと舌打ちすると、りんねを追いかけた。
『任務了解』
アトムは松浦を守るように立ち上がると、アレクの方を見た。
『我が能力を見せようぞ…』
アトムが指を鳴らすと、突然アレクの体が爆発した。
『グワ…』
矢口には何が起こったのか、さっぱり理解できなかった。
- 305 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年11月12日(月)21時37分46秒
- (始まったか…)
りんねを追いかけている松浦の耳にも、その音は微かに届いていた。
アトムの能力…
それは触れた物の原子配列を変化させて、爆弾に造りかえれるのである。
姿はそのままでも、変える事も出来る。
さらに言うと、それらの起爆は全てアトムの意志によっても行えれるのである。
- 306 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年11月12日(月)21時50分06秒
- (何があったの?)
『……』
アレクの反応は無い。
何か考えているのだろうか?
矢口は落ち着いて、今までのやり取りを思い出してみた。
(何されたっけ?)
しかし アトムがその暇を与えるはずが無かった。
『……むむむ』
アレクは風を巻き起こし、アトムの進行を遮ると矢口の前に立った。
『考えたのですが、触られた事くらいしか思い当たりません。』
(矢口もそう思うんだよね。)
二人の意見はまとまった。
『喰らえ〜』
アトムが再び向かってきたが、もう何の問題も無くなっていた。
『貴様の力既に見切った。その程度では我を倒せはしない。』
- 307 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年11月12日(月)22時09分18秒
- ポタポタと雨が降り始めた。
雨に打たれ、爆弾化されていたアレクの数箇所が爆発した。
『痛みや傷は、気の持ちようで何とでも成る。
そして何より我は遠距離からでも攻撃する術があるが、
貴様にはそれがない!!
諦めろ勝ち目はもう無い。』
矢口も勝利を確信し、ホンの少し油断した。
その瞬間
アトムは一気に間合いを詰めると、アレクとガップリ組み合った。
まるで相撲のように…。
『切り札とは最後まで取っておく物だよ。』
矢口は相打ちでも、敵の『勝ち』だなんて考えてもいなかった。
敵も目的のために必死なのだ。
- 308 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年11月12日(月)22時13分21秒
- 今日はここまでなんですが…
更新遅く少なくて、本当にすみません。
週に一度は更新するように心がけます。(汗
こんだけ小説あると、見つけにくいんで(新規に来た人が)
感想とかも、遠慮なく『age』て貰って構いません。
感想ほしいな〜
- 309 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年11月20日(火)20時46分09秒
- 今週は金曜日に更新します。
ちょっと忙しくて(汗
誰も見てないんだな…。
前作のラストを少し考えてしまった物で…
新メンはエルフで紺野をとか…(w
というわけで金曜日まで待っててください
- 310 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月05日(水)21時09分12秒
- (アレク??)
閃光と共に大きな爆発音がした。
これが奥の手なのだろうか??
精霊は大ダメージを受けると、回復のため暫く召喚不可になる。
回復のスピードは個人差があり、一度受けた傷ほど回復も早い。
つまり
アレクとアトムとでは、普段から爆発による損傷が多いアトムの方が回復が早い…
もしかしたら、瞬時に回復し松浦に追いついたときに召喚されるかもしれない。
そう考えたとき、矢口の目の前が真っ暗になった。
- 311 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月05日(水)21時16分41秒
- 『牢屋は大抵地下にあるもの』
直感を信じたりんねは、何とか牢屋の前にたどり着いていた。
(く…)
幸いまだ誰にも気づかれていないようである。
しかし、矢口を信じないわけではないが、松浦が追いかけてくるかもしれない。
門番は二人、さてどうしたものか…
- 312 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月05日(水)21時32分53秒
- (…ん??)
牢屋の中の石川は、外の慌しさで目を覚ました。
「曲者…何奴?」
門番と誰かが話しているようだ。
「ウギャー〜」
叫び声と共に何かが倒れる音…
暫くすると、りんねが牢屋の前に現れた。
「姫…ご無事ですか??」
- 313 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月07日(金)20時40分05秒
- 石川は我が目を疑った。
(りんねさんだ〜)
あさみと共に教育指南役であるりんねが、
助けに来てくれる等とは夢にも思っていなかったから…
りんねは牢屋の前に来ると、鍵穴に鍵を差し込んだ。
ガシャリという音と共に牢屋の鍵が開かれた。
- 314 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月07日(金)20時54分07秒
- 「怖かったんです〜。」
石川は飛び込むようにりんねに抱きついた。
「良し良し、良くぞご無事で…」
石川がりんねの体に手を回したとき、奇妙な手触りを感じた。
(何これ???)
もう一度背中に触れてみる。
(何だろう??)
ヌルヌルとした物が、りんねの背中に張り付いているような感じであった。
「ハァ〜ハァ〜どうか致しましたか…?」
暗くて良くは見えないが、りんねの様子がおかしい。
「りんねさん??」
「参りましょう、追っ手が着ているかも知れません」
りんねは石川を離すと、スッと立ち上がったがガクリと片膝をついた。
「大丈夫ですか??」
りんねはコクリと頷くと、おぼつか無い足取りで歩き始めた。
- 315 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月07日(金)21時04分39秒
- 「こっちです。」
石川に肩を借りたりんねが、矢口・あさみとの合流地点を目指している頃
「ねえ、なっち?」
「なあにごっちん?」
「何で砦の方に部隊向いてるんだろ??」
二人が疑問に思っているのも無理は無い。
様子を見るため近くの木陰に隠れていると、にわか雨が降り始めた。
そして大きな爆発音がしたかと思うと、
部隊長らしき人物の号令と共に
急に回れ右を始め、何故か城を包囲しはじめたのだ。
「わかんないべさ。」
安倍が首を傾げると、砲撃音が次々に鳴り響いた。
- 316 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月07日(金)21時09分15秒
- 古城が砦なんです。(汗
それで砦の少し離れた所に部隊のテントがあって…
- 317 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月07日(金)21時28分10秒
- 「何や?何や?」
昼食に鍋でもと思い食料庫を探していた加護は、
突然の砲撃の振動で、棚から落ちてきた野菜に埋もれてしまっていた。
(プハー)
埋もれた中から顔を出した所で、再び砲撃音が…。
棚がグラグラとゆれる。
(もうその手は食わんで…)
加護は頭の上に手を置いた。
「ピーピー加護??」
無線機から保田の声が聞こえる。
「こちら加護ちゃんです。」
加護は上を気にしながら、無線に手を取った。
「何やってるの?」
「食料庫で…。」
加護の返答を待たずに保田はスーと息を吸い込んだ。
それに気が付いた加護はすぐに耳をふさいだが…
「遊んでないで戻ってらっしゃい!!」
間に合わずにモロに衝撃を受けてしまった。
(今度オバちゃんっていってやろ。)
加護は野菜の山から出ようと、掻き分け始めた。
上に落ちそうになっている野菜の事は、もうすっかり忘れていた。
「ゴチン」
- 318 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月07日(金)21時58分25秒
- 「被害は??」
保田がパソコンを見ながら尋ねた。
「特に無し」
福田は無機質に打ち込むと、入り口の方を見た。
「何なんです?この騒ぎは?」
入ってきたのは、頭から血を流した加護…
「ちょっと、加護…大丈夫??」
保田は駆け寄ると、タオルで加護の頭を撫でた。
「〜〜って、これ本当に血??」
「えっと〜トマトが…」
「馬鹿馬鹿しい。」
保田はタオルをまとめると、箱の中に投げ込んだ。
「何かあったんですか??」
「わかんない。」
福田はスクリーンに配置を映しながら答えた。
「突然配置を変更したかと思うと、このありさま…」
保田も宙に手を広げた。
- 319 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月07日(金)22時23分20秒
- 『全員おるみたいな?』
突然フルスクリーンにつんくの顔が映し出された。
「将軍!これはどういう事ですか??」
保田が怒りを露に抗議を始めた。
『五月蝿い、少し黙ってろ』
「すみません。」
保田がつんくに一喝され、司令室を静寂が包み込んだ。
しばらくして、つんくは再び口を開いた。
『実はな〜、はたけ皇帝を倒す手段が見つかったんや』
「え?」
保田には意味が理解できなかったというよりも、信じたくなかった。
(まさか…)
『お前らもう用済み何や、死んでくれ』
「ま、待ってください。」
加護が画面に張り付いた。
『何や?』
「何で用済みなんですか?」
『もっと使い勝手の良い駒が手にはいったんでな。』
加護は俯いて、泣き始めた。
「松浦はどうするつもりですか??」
『あれは必要ない。野心をもつ道具はいらん』
つんくは冷たく言い放った。
(道具?道具って何?)
保田は呆然と立ち尽くした。
『今までありがとうな、あの世で幸せになってくれや』
捨て台詞を吐き終えると、つんくはスクリーンから姿を消した。
- 320 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月07日(金)22時34分24秒
- 今日はここまでです。
明日も更新できると思います。
HPの目処も大分立ってきたので、頻繁に更新する予定だったんだがな〜
- 321 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月08日(土)10時16分24秒
- 「どうする??」
暫くして福田がポツリと呟いた。
他の二人には、まだ何がどうなったのか理解出来ていない様だ。
「逃げるしかないでしょ!」
不意に司令室の自動ドアが開く。
入ってきたのは、自分達と同じ様に捨てられた松浦
「偶然立ち聞きしてしまいました。」
松浦は悲しそうに椅子に座った。
- 322 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月08日(土)10時26分54秒
- (逃げるってどうやって…)
誰もが思ったのか、一瞬司令室を静寂が包み込む。
「手が無い訳では、無いんだけどね。」
福田のパソコンを打ち込む音が、静寂の中静かに鳴り響く
「どうすれば良いんですか??」
加護が静寂を切り裂くように叫び福田に詰め寄る。
「簡単だよ。」
福田は肩を揺すっている加護の手を振り解くと、淡々と説明を始めた。
- 323 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月08日(土)10時41分52秒
- 「あのですね〜。」
説明を聞き終えた松浦が急に挙手する。
三人の視線も自然と松浦に向けられた。
「仮にそれで巧くいって、どこに逃げるつもりなんですか?」
(その通りよ。)
仮に福田の囮作戦が巧くいっても、
当ても無く逃亡したのでは、すぐに捕まるのが関の山である。
自分達には信用できる仲間すら居ない。
(このまま死んでしまうのだろうか??)
誰もが思ったそのとき…
司令室の扉が開き始めた。
「ち!」
一同慌てて身構える。
(え?)
- 324 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月08日(土)10時54分53秒
- 司令室を訪れたのは、血塗れのりんねと石川であった。
「何で逃げなかったのさ?まさか倒しに来たって訳じゃあないでしょうね?」
松浦がグッと睨み付ける。
「貴方に用は無い。用が有るのは、そこの3人です。」
りんねは保田・加護・福田を次々に見つめた。
「何の用かしら?牢代なら別に気にしなくて良いけど?」
福田はコンピューターから目を逸らすと、視線を感じたのかりんねの方を向いた。
「力を貸して欲しい」
「は?」
- 325 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月08日(土)11時24分02秒
- 「囲まれたこの状態では、仲間との合流地点に迎えない。頼む。」
「お願いします。」
りんねが頭を下げたので、後ろの石川も頭を下げる。
「合流地点で待ち伏せされてるなんて事は?」
松浦が面白そうに尋ねた。
味方の居ない4人にとって、これはある意味賭けである。
「無い。私達の仲間だけだ。」
頭を上げたりんねが即答する。
「どうする?」
4人が視線で会話を始める。
「良いんじゃないですか?」
『どうせこのまま死ぬのなら…』と言うのが松浦と加護で、
『他に手は?』と言うのが保田で意見が分かれた。
必然的に福田の方に視線が向けられる。
「何よ?」
(皆にそんなに見つめられると、照れるじゃない??)
「明日香はどうなの?」
最初の作戦では、福田が煙幕をはり囮になるという手はずだった。
3人は勿論反対したが、「他に手は?」と言う問いに答える事は出来なかった。
「私はそれで良いよ。どうせ囮になるなら皆生きて欲しいし…」
これだけの人数が居ても、福田の頭に他の方法は浮かばないのである。
「人数が居れば良いってもんでもないし」
いくら煙幕を張るとはいえ、人数が多ければそれだけ発見されやすくなってしまう。
やはり囮は不可欠だった。
- 326 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月08日(土)11時47分18秒
- 「それで良いわよ。協力してあげる。」
保田がりんねの顔を見て笑う。
「良かったですね?姫?」
「う・うん…」
二人は顔を見合わせて喜んだが、りんえの目は笑っていない。
「姫?
今から言う事を良く聞いてください。」
「何ですか?」
りんね突然涙を流し始める。
「ここでお別れです…。お元気で…」
「え?え?」
混乱する石川を無視する様に、りんねは静かに話を続ける。
- 327 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月08日(土)11時48分19秒
- 「私の体はもう手遅れです。姫の足手纏いになります。」
「そんな事無いよ。」
石川はブンブンと首を横に振っている。
「私は先程人を殺めました、そのような者が姫に使えていてはいけません。」
「仕方なかったじゃない?だって私を…」
「姫のお役に立てて、りんねは嬉しゅうございます。」
石川が嫌だ・嫌だとりんえの体を揺さぶる。
「姫は大きくなられた。もうりんねに教える事は何もありません。」
「そ・そんな事・ないよ。もっと〜。」
涙のせいか、石川の言葉の語尾がハッキリとしない。
「お元気で…そしてさようなら…」
石川はただただ涙を流している。
「願わくば王位を継承された暁には、平和な世を作ってください。
あさみに後は任せるとお伝えください。
お元気で…天国から見守っています。
それでは、ご免」
「グハ」
りんねは石川を気絶させると、ギュッと抱きしめた。
母親が子供を抱擁するように…。
- 328 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月08日(土)11時50分20秒
- 今夜も更新する予定です。
補足しておくと、矢口は作戦通り移動アイテムで帰りました
- 329 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月08日(土)20時16分24秒
- 「姫を宜しくお願いします。」
りんねは石川を抱えると、保田の前まで来た。
「何で信じられるの??」
保田が首をかしげると、りんねが答える。
「もし…もし姫に万が一の事があったら、
私が地獄の底から舞い戻ってでも、必ず貴方を殺します。」
りんねは保田の目をジッと見つめている。
「分かった。出来るだけの事はしてみる。
ただし、この囲まれようだ無傷ってのは無理かもよ。」
それを聞いたりんねは、ニコリと笑いながら保田の耳元で囁いた。
「信じてますよ?」
(おい・おい)
二人のやり取りを見ていた松浦が叫び声をあげる。
「危ない!!」
砲撃が再び始まったのである。
今の砲撃で隣の部屋が破壊され、ここもいつ狙われるか分かった物ではない。
「皆無事?」
「うん。」
一同は司令室を後にした。
- 330 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月08日(土)20時49分02秒
- 「それじゃあ、ウチ等はこっちだから…」
「必ず生きるんだよ?」
「うん。頑張るよ」
途中で松浦・福田・りんねと保田・石川・加護の二組に別れた。
前者が囮として引き付けている間に、後者があさみの元へ向かうのである。
先程りんねの仲間の一人(矢口)と交戦した松浦は、
顔を合わせるのが嫌なのでここに残るらしい。
(長い間お世話になったわね?レナス)
『気にする事は無い。それが我が役目』
福田が今まで世話をかけた精霊の労をねぎらう。
(相変わらずだね?でも今回で最後かも…)
『何だ?迷っているのか?』
(ううん…、ただ私何の為に生まれたのかなと思ってね。)
恩人だと思っていたつんくにまで捨てられた悲しみからか…
あるいは死への恐怖からか福田の目から涙が毀れる。
「どうしたの?」
松浦に尋ねられ福田は慌てて涙を拭う。
「レナス!ありったけの水蒸気を出して霧を作って!」
「アトム!、これが最後の仕事だ。」
- 331 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月08日(土)20時49分32秒
- 二人が精霊を召喚している横で、りんねは銃を構えている。
(これが精霊というものか…
姫にはどんな精霊が宿っていたのだろうか?
それを見れなかったのが、唯一の心残りだ。)
先程の雨の湿気が残っていたのか、思ったより早く濃い霧がでる。
「行くよ!」
アトムが爆弾にした石を投げ、りんねが銃を撃つと
それに呼応する様に集中砲火が開始された。
- 332 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月08日(土)21時01分30秒
- 明日もこんな感じで更新できたら良いな〜。
もうすぐ最終章です。(w
少しは進歩してるかな??
- 333 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月09日(日)10時25分03秒
- (いくわよ。)
深い霧の中、一台の車が裏から走り始める。
敵に気づかれない様に最大限の注意を払いながら…
「この分だと巧くいきそうですね??」
「だと良いけど…」
保田はある不安を抱いている。
(相手に精霊使いが居なければ良いのだけど)
もし相手に精霊使いが居ると、共振などで気づかれるかもしれない。
松浦に聞いた限りでは、敵部隊にそういう人物は居ない。
しかし松浦の例もあるので、
念のため二人は極力気配を消しながら、ゆっくりと車を走らせていた。
- 334 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月09日(日)10時43分48秒
- 「あれじゃないですか?」
助手席に座っていた加護が、身を乗り出して前方の灯りを指差す。
(罠じゃないでしょうね?)
りんねの仲間が既に見つかっているのではないか?と保田が危惧する。
(念のため…)
ライトで合図を送ろうとしたその時…
1発の銃声と共に窓が割れる。
「しくじった!」
アクセルを踏み込み一気に前方の灯りへと車を走らせる。
加護は後部座席に移ると、しきりに辺りを見回す。
「…霧で…」
深い霧がアダとなってしまったのだ。
- 335 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月09日(日)10時56分05秒
- 「速く!」
灯りの主は、やはりあさみだった。
あさみは保田達を見ても何も言わず、
ただ頷き後部座席の石川を自分の車の後部座席に寝かせる。
「乗ってください、逃げますよ?」
あさみの言葉に二人は愕然とし、そして尋ねる。
「今は時間が有りません。乗ってください。」
あさみの答えは単純だった。
りんねの時も思ったが、何故こんなにも簡単に人を信じられるのか?
二人にはそれが理解できなかったのである。
(私があそこで躊躇わなければ逃げれたのに…)
保田が自分の慎重さに砂を蹴り上げる。
「保田さん乗りましょう」
事態は一刻を争うのだ。
加護は保田の手を取り車へと乗り込んだ。
- 336 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月09日(日)19時26分36秒
- (変ねえ…)
先程の銃弾が狙われたものだとしたら、追撃が来ないのは不思議である。
保田が後ろを振り向いた。
(流れ弾だったの?)
追跡されている気配は無いが、非常に拙い事に気がついた。
「止まって!」
「??」
急ブレーキに座席から加護が転げ落ちた。
「どうしたんですか?」
あさみが不満そうに後ろを向く。
保田は今来た道を見るよう促す。
「何です?」
あさみは車を降りると、今通ってきた道を見た。
「これじゃあ逃げても…」
道にはタイヤの後がくっきりと刻まれている。
- 337 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月09日(日)19時55分54秒
- 「ここからアジトまでの距離は?」
このまま霧が晴れれば、逃げた場所までわかってしまう。
車を横にして道を塞いでおけば暫くは時間を稼げる。
「そんなにありませんよ。」
幸いな事に回りは森であった。
追っても早々突破出来そうに無いほど入り組んでも居る。
「走るんですか〜?」
加護はウンザリといった表情を浮かべ指を指した。
「あれから逃げながら…」
あさみと保田が、つられてそちらを向く。
(最悪だ…)
何と2人兵隊を先頭に大部隊が、こちらに向かってきていた。
「あれは…」
保田は知っている。
その先頭の人物の事を…松浦の部下だった小川と新垣だ。
「諦めて姫を渡して貰えませんか?」
今なら悪いようにはしませんから…」
1・2・3と新垣が数え始めた。
10になるまでに渡せと言う暗黙の要求である。
- 338 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月09日(日)20時24分13秒
- 「私は戦いますよ。」
あさみは赤い鉢巻をし、武器に手を当てている。
それを見た保田がポンッとあさみの肩を叩き車を指差す。
「アンタは逃げなよ。姫さんを連れて」
「ここは私達が引き受けますから…」
珍しく意見があったのが照れ臭いのか思わず顔を見合わせ
そして、保田と加護が夫々の精霊を召喚した。
「良いんですか?戦う気ですね??」
6・7・8と相変わらずゆっくりと、新垣がカウントを取っている。
あさみと石川を乗せた車が、静かに動き出そうとした。
「ちょっとでも動くと、動かしますからね?」
いつの間にか、小川が精霊を召喚している。
やはり『精霊使いは精霊使いと引き合っていた』ようである。
車が走り出そうとしたそのとき…
部隊の後ろが急に騒ぎ始める。
「危ない!避けろ!」
部隊を真っ二つに引き裂いた車は、
堂々と4人の前を素通りしてあさみ達の乗る車へとぶつかった。
「お姫様を頂きに来たべ。」
「なっち違うよ。身柄を保護しに来ましたでしょ?」
「そうだったべ。」
不審車両はあさみの車の進行を遮る様に停車しようとしたため
あさみと石川の乗る車は大きな音と共に横転した。
- 339 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月09日(日)20時40分25秒
- 「あれもアンタ等の仲間?」
保田が不審車両を指差すと、小川が笑って答える。
「まさか…
別に問題ないですよ。
姫が抵抗するようなら、殺せと命令されているんでね。」
ニヤリと笑ったまま小川が精霊を動かす。
「行かせるか〜。」
(あれ?)
保田と加護の体だけが動かない。
「残念でしたね。」
小川と精霊が二人を軽々と飛び越えていく。
(どういう事?)
『超能力だ…。何者かが金縛りを…』
「アンタやな?」
加護が新垣を睨み付けたが、新垣はただ笑って見ているだけであった。
(アンタこういう時何とかならないの?
そう言えばやけに大人しいじゃない?)
保田が持霊に問い掛ける。
『我にまだその力は無い。
我が力は確かにこの程度ではないが今は力を出せん。』
それっきり、フレイマーは何も言わなくなった。
- 340 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月09日(日)20時55分43秒
- 「姫…梨華様…」
石川は自分を呼ぶ謎の声で目を覚ました。
(あの声は??)
辺りは真っ暗である。
「あさみさんどこです?」
隣を見てみると、あさみが倒れている。
「大丈夫ですか??」
「何とか…、お逃げください・・」
大丈夫でないのは、素人目で見ても明らかである。
「お医者さんは…」
「必要ありません。私の話を聞いてください。」
「はい。」
石川は黙って頷いた。
「姫には特別な力があります…」
別れ際にりんねも言った事である。
「その力を使って平和な世を作ってください。」
「りんねさんにも言われたけど、力って何なの?ねえ」
石川があさみの体をグラグラと揺らす。
揺らされたあさみの口から吐血した。
「力とは…。大切な物を守る力…」
「大切なもの??」
「私とりんねは姫にそれを教える為に雇われました。
もう気づいている筈です…
王家の宿命に…
どうか生きて・・・」
「あさみさん…あさみさん?」
石川があさみを何度呼んでもあさみが目を開ける事は無かった。
- 341 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月09日(日)21時00分17秒
- 宿命→義務でした。
訂正入れてすみません。
- 342 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月09日(日)21時12分02秒
- (もう嫌だ。誰も死ぬのは見たくないよ!)
『力が欲しいか?』
(欲しいよ。大切なものを守る力が…)
『大切なものとは何であるか?』
石川は思いもよらぬ謎の問いに頭を抱えた。
(大切なもの…大切なもの…)
「平和な世を作ってください」
「平和な世の中を作ってください」
りんねとあさみの言葉が、急に頭の中に浮かんできた。
(二人とも良い人だったのに…。
何でこんな事になっちゃったんだろ?)
『答えは出たか?』
(戦争になったから?何で父さんが死んで王位が空位になったから?)
何故だか少しだけ、答えが見えて来たような気がした。
- 343 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月09日(日)21時32分04秒
- 『石川梨華よ!もう一度問おう、力が欲しいか?』
(欲しいよ…)
『汝はどんな力を望む?』
(誰の大切なものも奪われない平和な世の中を作る力が欲しいです。)
『辛く厳しい道であるぞ?』
(解かっています。でももう大切な人が死ぬのは嫌なんです。)
『途中で後悔しないであろうな?』
(絶対しません。
民が安心して生活できる国を作るのが、唯一の王家である私の義務ですから)
『王女石川梨華よ、我は待っていた。汝が王女としての責務に気づくのを…
汝が大切なものを自分で守りたいと強く思う日を…
汝の覚悟は、しかと見せて貰った。
汝には王となる資格がある。 汝に我が力を授けよう。
存分に使い平和を取り戻すが良い。
我が名はフロスタ、氷を司りし者なり』
石川の目の前に声の主らしき精霊が現れた。
『汝は今何を望む?』
- 344 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月09日(日)21時39分55秒
- (何や?この凄い共振は?)
『初めての共振だ…』
(初めて?せやろうか?)
加護は以前にも、似た共振を感じた事があるように感じていた。
ガサガサと何かが持ち上がる音が、背後でして居る。
新垣が何かに驚き気を乱した。
「今や」
加護は金縛りが緩んだ隙を突くと、新垣に飛び掛り殴る。
新垣も負けじと殴り返す。
- 345 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月09日(日)22時03分15秒
- 「あさみさんをこんな目に合わせたのは、一体どなたですか?」
車の周りを取り囲んでいる三人に石川が尋ねる。
「えっと・その・私です。」
後藤が恐る恐る名乗り出た。
「で・でも事故なんだべ。こんな事になるなんて…」
今の強烈な共振の主が、石川である事に漸く気がついた安倍も弁解する。
「こんな風に停車したら、
並んで走っていた車が、止まれない事すら考えなかったんですか?」
石川が呆れた様に尋ねた。
「別に良いでしょ?人一人くらい…」
小川が馬鹿にした様に言ったその一言で、石川の顔色が変わった。
- 346 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月09日(日)22時04分21秒
- 「フロスタ!」
石川が精霊を召喚した瞬間、安倍の精霊が忠告した。
『なつみ〜今すぐこの場から退避するべきよ。』
(何でだべ?)
『退避しなくてもいいから、三人で共闘しよう。
今なら勝てるよ。』
ドグマは何かに怯える様に忠告する。
チラリと後藤の方を見ると、後藤も同様の忠告を受けたようである。
「どうする?」
「さあ〜。」
フロスタはゆっくりと小川に近づく。
「何だよ?」
「貴方は神にでもなったつもりですか?」
「ふん、聖者気取りかい?」
石川はそれを聞いてため息をついた。
「どうしようもない人ですね…」
小川の精霊がその場に倒れる。
(何をやったのよ?)
その場にいた誰にもフロスタが、何をやったのか見えなかったのだ。
- 347 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月09日(日)22時32分14秒
- (こいつヤバイよ!今のうちに…)
バニッシュとドグマが、フロスタに飛び掛るが…。
『弱き精霊達よ。汝らでは我が肉体に触れる事すらかなわんだろう?』
フロスタの言うとおり、バニッシュとドグマの攻撃は通用しなかった。
『汝らの始末は後でつける。まずはこの思い上がった愚か者から…』
フロスタの拳が小川目掛けて襲い掛かる。
「おのれ・・」
終わっただれもそう思っていた…
『貴様何のつもりだ?何故我が拳が止められる?』
フレイマーが危機一髪とめたのだ。
「今のうちに逃げな。」
保田が小川と新垣を見ると、二人ともあっさり逃げていった。
安倍と後藤も車に乗り込みスタコラサッサ…
フロスタはまだ拳をしまおうとしない。
「姫様、はやくしまってよ。」
「…何で邪魔するんですか??」
石川は不機嫌そうに尋ねた。
- 348 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月09日(日)22時32分47秒
- 「気持ちは分かるけど、人間って誰にでも失敗あるよね?」
「あの人はあさみさんを馬鹿にした。あさみさんは良い人でした。
だから許せない。」
石川はポタリポタリと涙を流す。
「仏の顔も三度までって言うでしょ?」
「…はい。」
石川は納得したのか、フロスタを戻した。
「この先にアジトがあるって言ってたよね?
そこなら手当てできるんじゃない?」
「急ぎましょう。」
石川があさみを丁寧に背負う。
「加護、起きないと置いてくよ?」
「もう動けません…」
「ったく…」
保田は加護を背負うと、石川と並んで歩き始めた。
その頃
「圭織?圭織?」
「どうしたんだべ?」
何度呼んでも無線が繋がらない…
二人の胸が騒ぎ出す。
二人が基地に戻って見た物は、信じられない状態だった。
「基地が無い…?」
移動式ではない筈だが…
後藤が辺りを調べると、岩場の影に辻が倒れていた。
「何があったの?」
「飯田さんが…裏切って…」
「え?」
「飯田さんスパイだったんです・・・」
辻はそう言い残すと、震えながら目をつぶった。
- 349 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月09日(日)22時40分40秒
- 長かったこの小説もいよいよ最終章
ちょうど半年位でしょうか?
最終章のサブタイトルは「答ーanswer is my life」です。
見所としては、王家の秘密とは?
3ヶ月間ひっぱり続けた『保田と石川の関係』
そしてT.M.Rに本当の意味は…
期待しててください
- 350 名前:F田 投稿日:2001年12月10日(月)17時12分03秒
- 第四章読んだよ。
おもしろかったんだけど、石黒の顔が思い出せない(笑
- 351 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
- ( `.∀´)ダメよ
- 352 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月10日(月)20時17分04秒
- 「姫!」
あさみが突然目を覚ます。
「z〜z〜z」
隣のベットでは、矢口と加護が仲良く寝ている。
(んん?)
石川を探すために起き上がろうとするも、体が思うように動かない。
(浮いてる??)
あさみの目に映ったのは、遠ざかっていく床
(危ない・・)
天井に衝突しそうになり目を瞑ったが、そのまま難無く通過してしまった。
(死んだの?)
あさみは自分の死を漸く理解した。
天井を擦り抜け、屋根を通り抜けると、上はもう空…
空にはまだ星が光っている。
(姫は?)
あさみが名残惜しそうに地上を見下ろと、家の前に二人の人影が…。
- 353 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月10日(月)20時32分03秒
- 「姫様…そろそろよ?」
「はい!フロスタ〜」
石川が何を叫んでいるのが見える。
「見えてるんですかね?」
「きっと見えてるよ…。人が死んだら夜天に昇るって言うでしょ?」
「初めて聞きますよ…」
石川の余計な一言で、保田の眉間に皺が寄っている。
(お目覚めになられたのですね?姫…お美しい)
あさみは感涙で一杯だった。
(天国から見守っています。圭殿姫をお願いします。
一目見てすぐに分かりました。
何しろ貴方は姫の・・・)
保田と石川は夜空を眺めている。
「どうしたの?」
石川が首をかしげている。
「あさみさんの声が…」
「何て言ってたの?」
「さようならって…」
石川のすすり泣く音がやんだ頃、再び太陽が顔を出した。
- 354 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月10日(月)21時14分59秒
- あさみの葬儀も恙無く行われ一同は、最後の決戦に備えて英気を養う事にした。
(ねえアンタ、私に何か隠してない?)
『何の事だ・・』
最後の決戦に迎えるにあたって、保田には気になる事があった。
(私は何者なの??)
『熱でもあるのか?』
保田には幼少のときの記憶が無い。
物心付いた時には、既に石黒に拾われている。
石黒の話では偶然戦場で拾ったという話だったが、
それでは、どうしても腑に落ちない点が最近になって出てきた。
(説明しなさいよ!)
その腑に落ちない点とは…
@自分は銃に撃たれた記憶が無い。
A他の精霊達が触れれない石川の精霊の攻撃を止める事が出来た。
B記憶とは関係ないかもしれないが、りんねとあさみの不思議な信頼ぶり
C夢に偶に全く知らない風景が出てくる。
『何だ?そんな事か…』
フレイマーは訝しげに説明する。
『汝が単純だから忘れたんだ。
りんねとあさみは、そういう性格だったのだろう。』
(ムカツク〜)
文字通りやり場の無い怒りが、こみ上げてくる。
どう問い詰めても、上手く交わされてしまう。
(何か隠してるな…)
- 355 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月10日(月)21時25分57秒
- そこへ、矢口と石川がやってきた。
「姫もさあ〜、銃に撃たれた事無いんだよね?」
「何ですか?銃って?当たり前じゃないですか?死んじゃいますよ。」
(駄目だな。)
チラリと矢口の方を見る。
(そんなに睨まないでよ。ちゃんと分かってるから…)
「その銃じゃなくて…矢口は撃たれたよ。
それからアレクと師匠に出会ったんだ。」
それを聞いた石川が、ポツリと呟いた。
「え〜って事は、私達何で精霊呼べるんですか??」
思わず保田が石川の頭を軽く叩く。
「何ですか?」
抗議する石川を無視して、話をすすめる二人
「そう言えば不思議だよね?何で圭ちゃんと姫は使えるんだろ??」
謎は深まる一方である。
- 356 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月10日(月)21時26分29秒
- 『昔から王家には、特殊な力があると言いますよ。』
アレクが突然召喚された。
「呼んでないよ?」
『細かい事は良いではないですか?』
細かいか?と思ったが、話の腰を折るのも何なので、
そのままにしておく事にした。
『梨華姫が精霊を使える理由は、その辺に関係がある気がします。
ちなみに私が勝手に出てこれたのも謎なんです。』
「私は?」
『…これにてご免…』
結局何が言いたかったのどうか?
全くわからないままアレクは消えてしまった。
分かった事は王家には特殊な力があり、その力は脈々と受け継がれ
王位正統継承者の石川にも、その血が流れているという事だけである。
- 357 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月10日(月)21時29分04秒
- >>350
レスありがとうございます。
更新少ないですが、これからも宜しく…
やっぱレスつくとやる気でますね〜
- 358 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月16日(日)10時48分19秒
- 「ちょっと〜。」
保田が矢口の肩をグラグラと揺らす。
「私に言われても〜。」
保田の顔が近づいたのが怖かったのか、矢口が顔をそむける。
「やめましょうよ。」
石川が保田を羽交い絞にし、二人を引き離す。
(一体私は何なのよ?)
この問いの答えを知る者は、果たして存在するのだろうか??
「ん…、確か…
ちょっと待ってて…」
矢口が首を傾げながら、小屋へと戻っていく。
「どうしたんでしょう?」
二人は顔を見合わせて、その場で待つ事にした。
- 359 名前:F田 投稿日:2001年12月16日(日)10時57分29秒
- 最後まで読んだよ。
>入ってきたのは、自分達と同じ様に捨てられた松浦
>「偶然立ち聞きしてしまいました。」
こういうとことかが、ちょっと都合よく進みすぎかなぁ?って思いました。
- 360 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月16日(日)11時10分35秒
- (…たく…私は何をやってるのよ?)
考えてみれば、別に自分が何者であろうと関係ないのでは?
今までもそれで充分やってきたし、特に不自由した覚えも無い。
(亜依が起きたら、ここを去ろう。)
元々、保田と加護は偶々利害関係が一致したから、行動を共にしていただけである。
利害関係が崩れた以上、ここに留まる理由など何も無い。
(とは言っても、姫様を連れて逃げたんだから戻れもしないけどね。)
その事は恐らく小川と新垣が、漏らさず報告した事であろう。
- 361 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月16日(日)11時20分40秒
- (はたけ皇帝を倒す手段って何だろう?)
つんくの恍惚と自信に満ち溢れた表情だけが、鮮明に思い出される。
小川と新垣の能力を見た限り、それが二人の事をさしているとは思えない。
あのつんくがあれだけ自信を持っていたのだ。
恐らく、つんく直属の精鋭部隊にでも所属しているのであろう。
あるいは、
小川と新垣がそうであったように経歴などを一切捏造して…
誰にも気づかれずに普通の部隊にいるのだろうか??
(この二人で勝てるのかしら???)
それと対峙した時、矢口と石川で大丈夫だろうか?
意外と修行を積んだ風に見える(実際かなり強い)矢口は、ともかくとして
精霊の能力に目覚めたばかりの石川では…
つんくの言うそれが複数にせよ、単数にせよ。
戦いの結果は、火を見るより明らかであった。
- 362 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月16日(日)11時21分14秒
- (気にする事は無い。)
それよりも、保田達には先にやる事がある。
石黒に自分達の事を道具としてしか、見ていなかったのかを問い詰めなければ…
保田が物心ついた頃には、既に石黒の傍に居た。
石黒に育てられたと言っても過言ではないだろう。
それ以前の記憶は、何故か無いのだから…
加護だって同じである。
石黒によって、心の傷を癒されたのである。
(考えるのはまずそれからね…。)
「保田さん??」
「健闘を祈ってるよ。」
保田はそう言うと、加護を起こしに向かった。
- 363 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月23日(日)20時27分41秒
- 「保田さん!!」
「ん?」
保田が振り返る。
(何よこれ??)
視界に入ったその物体は、小屋に突っ込んでいく。
二人が精霊を召喚する暇も無い程、一瞬の出来事であった。
追撃を考えた保田がその場に伏せる。
(何にも無いようね…)
小屋の方にチラリと目をやる。
先程目前を通過した物体が、小屋を貫通している。
(何でこんな物が?)
良く見るとそれは大木であった。
誰かが投げたのだろうか?
(そんなはずは無い)
投げたのなら保田を避けて、小屋に突っ込むなど不可能だ。
あの時間違いなく、最低1本の大木が軌道を変えている。
「敵襲ですか?」
匍匐前進しながら、石川が近寄ってくる。
- 364 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月23日(日)20時51分31秒
- 「馬鹿…離れなさいよ。」
保田が石川を睨みつける。
「何でですか??」
石川が瞬間的に目を逸らす。
「固まってたら的になるでしょうが!」
「そうなんですか?離れますね。」
(もう遅いよ…にしても遅いわね)
最初の攻撃から時間が大分経っている。
(油断した所を狙うつもりね?私に通用するはず無いでしょ?)
保田は自分の我慢強さに自信を持っていた。
その頃 小屋の中では
「なっち〜こっちじゃない?」
バニッシュの能力で、小屋の中に侵入した二人が周りを見渡す。
大木で所々確認できないが、人の気配は無い。
「もう1個の家だったべ?」
「みたいだね〜。」
後藤がのんきに答える。
(どうしたんだろう?)
基地が消滅してどうしようか?と尋ねたとき
「さっきの人達の所に行くべ」
と安倍が言い出したのである。
後藤としては、すぐにでも飯田の裏切りに対して
死の制裁を加えに行きたかったのだが、
安倍の様子が何やら変なので、付き合う事にしたのである。
- 365 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月23日(日)21時07分41秒
- 「どうかしたべ?」
安倍がニコリと笑って尋ねる。
顔は笑っているが、目は笑っていない。
「なんでもないよ。あっち行くの?」
「そうだべな…」
「じゃあ掴まって!」
後藤が手を差し出すと、安倍が指を刺す。
(ん?何だろう?)
安倍の指す指の先には、細い通路があった。
「繋がってるのかな??」
「さあ?」
通路は人一人満足に通れるかどうかという狭さである。
(どっちが前行く??)
後藤が横を向くと、安倍の姿がない。
「なっち?」
安倍はスタスタと通路を進んでいく。
(待ってよ〜。)
後藤も慌ててそれを追う。
- 366 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月29日(土)22時00分02秒
- 「ねえ、なっち?」
「何だべ?」
安倍の機嫌は頗る悪そうである。
いつもならすぐに振り返ってくるのに、今は返事しかしない。
「後藤何か気に障るような事した?」
「してないよ〜。何で?」
安倍が急に立ち止まり振り向く。
「??」
そして後藤のおでこに手を当てる。
「熱は無いみたいだべ。」
(冷た…どうしたんだろう?)
いつも温かい安倍の手ではない。
(どうしちゃったんだろ?)
今度は後藤が安倍の頬に触れる。
(熱は無さそうなんだけどな〜。)
「どうしたの??」
訝しげに安倍が後藤の手を払う。
「なんでもない。行こうか?」
「だね。」
二人はお互いに疑いながら、再び歩き始める。
そして暫く歩くと、本館?の様な場所についた。
- 367 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月29日(土)22時50分21秒
- (何やってるんだ…)
空腹で目を覚ました加護が、冷蔵庫を物色している。
ここが人の家である事や、自分が何故ここに居るのかなどは、
既に忘却の彼方に消えてしまったのだろうか?
あるいは、そんな事関係ないとでも思っているのだろうか?
加護の冷蔵庫を漁るガサガサという音が、静かな部屋に鳴り響いている。
(何食べるんだ?)
目当ての物が見つかったのか、加護の手がピタリと止まった。
そしてお目当ての物を中から取り出し箱を逆さにする。
ポトっという落下音
出てきたのは、飴玉一個
それを口に頬張ると、加護は再び冷蔵庫を漁り始めた。
(まだかよ?)
視線を感じたのか、加護が急にフッと振り向く。
(危ない・危ない)
人間観察とは、なかなかどうして楽しいものである。
雑誌に目を向け、加護に気づかれない様にする。
暫くキョロキョロ見回して、加護は再び冷蔵庫を漁り始める。
(…にしても良く食うな)
見た所そんなに大きくない加護の食欲
冷蔵庫にあった食料は、殆ど食べ尽くされてしまったのではないだろうか
と思わずには、いられないほどである。
- 368 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月29日(土)22時52分02秒
- (終わった??)
途中から半ば呆れ顔で観察を続けていたが、ようやく加護の食事が終わったようだ。
デザートのみかんの皮をゴミ箱に入れ、むくっと立ち上がる。
そして机の上に手を伸ばし、爪楊枝で歯磨きを始めた。
その時
突然ドアが壊れ、壊れたドアの破片が辺り一面に飛び散る。
(??)
自然と視線がそちらに向けられたが、不思議な事に誰も入ってこない。
ただ冷たい風が雑誌のページを捲るだけだった。
- 369 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月29日(土)22時53分16秒
- 年内に終われるかどうかは微妙です。(汗
まあのんびりと(汗
- 370 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月31日(月)18時30分21秒
- 「う…ん」
矢口が振り向くと、加護の首筋に刃物を当てた安倍の姿が見える。
「ちょっと、何やってるのよ!」
止めようと駆け寄る矢口の前に後藤が立ちふさがった。
「悪いけど、邪魔しないで欲しい」
低い声で呟くと、矢口を見下ろす。
(っていうか、アンタ達何者??)
自分達と同じ精霊使いなのだろうか?
無機質に見下ろす後藤の瞳からは、何も答えは見つからない。
「チビちゃんさあ、私に事知ってるよね?」
首筋に刃物を当てた安倍が優しく尋ねる。
「??誰??」
加護が首をかしげる。
(誰やっけ?)
記憶には残っていない人物である。
「知らないんだ…、じゃあ良いや…死んで頂戴」
安倍はナイフを加護の首筋に刺そうとした。
『フォルセナ!』
加護が精霊を召喚し、安倍を突き飛ばす。
「何か知らんけど、まだ死にたくないんで返り討ちや。」
(やっと会えたべな…)
安倍の手がブルブルと震える。
恐怖からではない、仇を目の前にしての武者震いだ。
- 371 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月31日(月)18時44分28秒
- 『ドグマ』
安倍も精霊を召喚した。
「なあ、本当に誰やの??」
加護が惚けるのが、余計に安倍を怒らせる。
「惚けるな…。アンタのその精霊が何よりの証拠だ。」
(ん〜ん?)
加護が再び首を傾げる。
(誰やったっけ?)
「うわ」
突然の攻撃に慌てて距離を取った。
(少しは考えさせて欲しいねん。)
フォルセナが両手を併せて、そのまま地面につけようとした。
「ちょっと、家を壊すき?」
矢口に止められ、舌を出す。
加護の精霊の力は、室内では使えないのである。
(どないしよ…)
逆に安倍の精霊は、室内の方が力を発揮できるようだ。
先程からナイフやらフォークやらが、加護目掛けて飛んできている。
「いっつ」
ナイフの1本が加護の足に突き刺さり、その場に座り込む。
(やば…)
その瞬間何本ものナイフが、加護目掛けて飛んできた。
- 372 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月31日(月)19時19分00秒
- 「ドカン・ドカン・ドカン」
加護の目の前で、火の玉とナイフが衝突する。
「怪我は無い??」
(え?)
加護が声の方を見る。
「好き勝手やってくれたみたいね?」
「邪魔するのなら…」
安倍の視線を遮る様に、保田が加護の前に立った。
「なっちどうするの?」
後藤が心配そうに安倍を見る。
この人数では、どう考えてもこちらが不利である。
「やってみなきゃ、わかんないべ」
ドグマがフレイマーを殴りつける。
『やってくれたな、倍にして返してくれる。』
フレイマーが手を宙に翳す。
『力無き者よ。滅びるが良い。』
「五月蝿い」
『何?』
フレイマーが突然倒れた。
(何があったの??)
これだけの人数が居て、誰の目にも捕らえられなかったのである。
「テレビが聞こえんのだ。」
一体何者なのだ?この男?
保田達が当然現れたにも拘らず、何の警戒もなしに泊めてくれたり
風呂場を覗こうとして、
保田・石川・矢口・加護の精霊を半死の目に合わせたり、只者ではないのである。
- 373 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月31日(月)19時28分49秒
- 矢口から聞いた限りでは、
『昔色々やっていた』『現在は武道家』という程度の事と、
精霊使いという事しか分かっていない。
肝心の精霊もまだ見た事は無い。
戦ったはずの精霊達でさえ、見えなかったと言うのである。
(人間離れにも程がある…)
最近の保田の大きな目は、目の前で茶を啜る男に絶えず向けられている。
「や・保田さん…」
(ん?)
石川がテレビの画面を指す。
「福田さん」
「明日香」
画面に映し出されたのは、福田・りんね・松浦の張り付けにされた姿である。
- 374 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月31日(月)19時45分11秒
- それをバックにアナウンサーが話し始める。
「ただいま入りましたニュースによりますと、
つんく将軍が、
反乱軍はたけ皇帝の身柄を拘束し、部隊を鎮圧したとの事です。
只今ご覧頂いている映像は、
『はたけ皇帝の近臣の者』『姫を亡き者にしようとした者』
を磔にしたと発表され、今後の事も考え公開処刑するそうです」
アナウンサーが繰り返しているが、もはや誰にも届かない。
ある者は裏切られ、ある者は行き場を失ったホンの一瞬の出来事であった。
- 375 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月31日(月)20時10分14秒
- 「…」
誰も口を開けない。
重い空気が室内を漂っている。
「りんねさん…」
石川が泣き始める。
自分を助けてくれた恩人が、あろう事か暗殺者の濡れ衣を着せられ
そして公開処刑されようとしているのだ。
(りんねさん…)
「目を逸らしては駄目…」
「え??」
隣に座っている保田が、泣き止まない石川の頭を撫でる。
「石川のために生きて、そして死ぬんでしょ?目を逸らしちゃ駄目」
「けど…」
はっきり言って、あまり見たくは無いものである。
「これで最後だから…」
「え?」
保田の頭を撫でる手がとまる。
「もう間に合わない。私達に出来るのは見届けるだけ」
振り返った石川の目から零れる涙を震える手でふき取りながら、保田も涙を流していた。
声を出すのを辛うじて耐えているといった様子だ。
考えてみれば、保田も仲間を処刑されようとしているのだ。
それも自分を生かすために血路を開いてくれた仲間を…
悲しくないはず無いではないか、
- 376 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月31日(月)20時10分45秒
- 「保田さん…」
「ん?」
「これで最後にしましょう。こんな悲しい事はもう懲り懲りです。」
「そうね。」
福田の体に数多の槍が突き刺さる。
その度に集まった野次馬から、拍手や歓喜の声が挙がる。
彼等にとっては、戦争を長引かせた重罪人である。
それを見た国民達もそれが真実と刷り込まれ、全てが固められてしまう。
(真実を語らなければ…)
石川が強く手を握り締めた時、はたけの首が飛び再び拍手が起こる。
一つの時代が幕を閉じ、新しい時代が幕をあげた瞬間でもあった。
- 377 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月31日(月)20時24分05秒
- 「なっち〜、どうする?」
目の前で、はたけが死んだばかりだというのに後藤が尋ねる。
「わかんないよ、ごっちんは??」
「とりあえず圭織のとこに行こうかと思ってる。」
「圭織の居場所知ってるの??」
この短期間で皇帝が捕らえられ処刑されたのだ、
分からない方がどうかしているが、当然そうは言わない。
(なっちって、鈍感だな〜。)
「単純な問題だよ?何で皇帝が捕まったかわかる?」
後藤が得意げに説明をしているその横では、
保田と石川がリプレイで流れる処刑シーンを、何度も食い入るように見ている。
加護はというと、顔を伏せている。
精霊と今後を相談しているのだろう。
- 378 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月31日(月)21時21分16秒
- 今年中にはやっぱり無理でしたが…
皆さん良いお年を
そして今年も宜しくお願いします。
再三ここに書いたHPってのは、新メンの奴です。
もしよければ来て下さい
- 379 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年12月31日(月)21時22分14秒
- 何だ前の?
今年もありがとうございました。
来年も宜しくお願いします
- 380 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
- ( `.∀´)ダメよ
- 381 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
- ( `.∀´)ダメよ
- 382 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年01月04日(金)21時24分51秒
- 「保田さん…」
「泣いてんじゃないわよ。」
「保田さんこそ」
鬼の目にも涙…
次の日
「ウチも行って良いですか?」
首都『サマーナイトタウン』へ向かうための旅支度をしていると、
加護がひょっこりと現れた。
「良いけど急にどうしたの?」
「安倍さんですよ…」
加護は昨日からずっと安倍に付け回されているのである。
「よっぽど何かしたんじゃない?」
「ん〜ん」
首を捻ったまま、俯く加護
「記憶に無いんですよね。」
「いっそ、聞いてみれば?」
保田が提案する。
「教えてくれないんですよ。」
どうやら、安倍にも深い考えがあるようだ。
(こういう時は…)
『触らぬ神に祟りに無し』
今の所は放っておくしかないだろう。
「あんまり気にしない方が良いかもね。」
「…」
保田のアドバイスにも、加護の顔色は冴えず
俯いたまま階段を下りていった。
- 383 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年01月04日(金)21時43分46秒
- (どうしたものだろうか?)
加護らしくないのである。
(複雑な年頃だからかしら?)
空気の入れ換えに開けていた窓から、外の景色を眺めてみる。
「世界は広いね〜。」
戦いが終わったら、世界中を旅してみるのも良いかもしれない。
矢口、後藤、石川の様に、特殊な武術を使う人間がもっと居るであろう。
古今東西色々な食べ物もあるだろう。
夢は尽きない
(ところで…)
外では矢口や後藤が、石川と遊んでいる。
遊んでいると入っても、それは矢口と後藤だけ
石川は必死で手解きを受けている。
りんねやあさみの教え方が良かったのか、
或いは天性の物なのかは、よく分からないが石川は結構強いのである。
この向上心はどこから来るのだろうか?
(あ・転んだ。)
ドジなのも、可愛らしい。
「石川はどうするのかしら?」
現在の国情は、はっきり言って最悪である。
石川一人でどうにかなるものだろうか?
- 384 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年01月04日(金)21時47分49秒
- あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いします。
更新が遅くてすみません。
HPが面白くって(汗
- 385 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年01月14日(月)22時13分40秒
- http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Screen/3853/
すみません。
当分更新できないかもしれないので、これででも遊んでください。(汗
やばいな〜
- 386 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年01月22日(火)20時15分42秒
- 385は無しで(w
ttp://sayonari.cool.ne.jp/
から入っていただけると幸いです。
- 387 名前:ぽっぽ 投稿日:2002年01月23日(水)23時05分25秒
- てうにちさんの作品はほんとにおもしろいですね
続きが読みたいです
- 388 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月17日(日)12時38分09秒
- (ん〜ん)
そしてもう一つの不安…
自分が何者なのか…
それを知りたいという好奇心と、知ったら何かが変わりそうな恐怖感
(あ〜あ)
どうもスッキリしないまま、ベットに転がって天井を見る。
(どうなっちゃうんだろう?)
「保田さん…保田さん」
「ん?」
石川が自分を呼んでいる。
「ご飯ですよ?」
「あ・うん」
いつの間にか、寝てしまったようだ。
机の上の時計を見ると、時計は昼を指している。
(ん?)
机の上に見慣れない一冊の本が、こっそり置かれていた。
(誰が置いたんだろう?ってか何で私か気づかなかったんだ?)
本のタイトルは、『妖精大全』である。
- 389 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月17日(日)13時05分22秒
- 「保田さ〜ん、起きてますか?」
甲高い声と共にドアがノックされる。
(うっさいわね〜)
「今行くよ」
本の内容も気になるが、これでは読書も出来ない。
(後でじっくり読むとするかな)
謎の本をひき出しにしまうと、部屋を後にした。
食事中
「矢口さあ、さっき私の机に本置いた?」
「何の事?」
食事中それとなく、尋ねてみたが誰も心当たりはないらしい。
「どしたの?」
「何かさあ…」
先程の不思議な出来事を矢口に話してみる。
「へえ〜、気づかれずにね〜。でどんな本?」
「妖精大全だって、知ってる?」
矢口が首をかしげる。
「え?」
「知らないよ。何それ?」
一体誰が何のために置いたのだろう?
- 390 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月17日(日)13時06分11秒
- >>387
第4希望に合格し、浪人の心配はなくなりました。(w
今日から復活です
- 391 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月17日(日)13時08分05秒
- はじめて読みました!!
凄いおもしろいです(w
頑張ってください!
- 392 名前:はろぷろ 投稿日:2002年02月17日(日)14時16分28秒
- おめでとうございます!
がんばってくださいね
- 393 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月17日(日)17時00分43秒
- 部屋に戻った保田は、引き出しから謎の本を取り出す。
(さあ〜て…)
とりあえずペラペラと、ページをめくってみた。
(ふ〜ん)
さほど難解な本ではない様である。
あまり勉強が得意でない保田は、ホッと一安心したが、
念のため、辞書などを矢口に借りに行く事にした。
6時間後
「終わった〜。」
最初のうちは簡単だったが、終盤になるに連れて難解に成っていき
最後は一語一語を調べていたら、あっというまに日が暮れた。
- 394 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月17日(日)17時49分07秒
- 調べ終えて気が抜けたのか、保田はそのまま眠りについた。
「ん〜ん」
保田はカーテンを閉め忘れた窓から、光が入ったので目を覚ます。
「朝かしら…」
いよいよ最後の決戦のとき…
外ではもう車に荷物が載せられている。
正直半分も本は理解できなかったが、少しは理解できた。
あとはやるだけ…
- 395 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月17日(日)20時28分04秒
- 『時期は来た。』
車に乗り込むと、突然フレイマーの声が頭に響く。
(何よ?何の時期よ?)
『汝は精霊が人の思いによって、出来る事を本で読んだな?』
例の本には、確かにそう書かれていた。
精霊は精霊使いの強い思いが具現化し、作り出されるらしい。
(でも私『火』なんて思い浮かべたっけ?)
ちょうど、その箇所を読んだときの保田の感想であった。
本によると、火とは憎しみや怒りが起因となるらしい。
精霊となるほど強く、思った事など今まで無い。
『我が生まれた理由は…』
フレイマーはようやく重い口を開いた。
- 396 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月17日(日)21時17分08秒
- 保田の目に不思議な光景がうつる。
(何よ?)
『今から21年前、汝は王家の長女として生まれた。』
いきなりの衝撃的な告白…
(私が王女??)
目の前の赤子はベットに寝かされている。
「王家を継ぐ者は、頭脳明晰・容姿端麗・才色兼備でなければならん。」
冠をかぶった男が、隣の女に話している。
『あれが汝の父と母だ。』
にわかには信じがたい事だが、もしこれが真実なら…
自分が精霊を使える理由もはっきりする。
が、何故火なのか?そして、記憶は?
謎も深まっていく。
- 397 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月17日(日)21時46分10秒
- 『汝の存在は、一部の者だけの秘密にされた』
フレイマーの言う通り、
保田の誕生は側近「石黒・和田・中澤・りんね・あさみ」だけの秘密にされた。
理由は容姿端麗でないから、ただそれだけである。
『それから汝は暫く、側近によって育てられる事となる。』
(まてよ、ってことは、石川は?)
『まあ、そう焦るな』
保田の疑問にはあえて触れず、続きを見せる。
『数年後、第二王妃が子供を出産し、汝の運命は大きく変わる。』
「王家を継ぐのは一人で充分だ。二人もいては、後々火種となる。」
王の考えが一理ある事は、理解できるのだが…
側近達の意見も真っ二つに分かれた。
『必要派』『不要派』である。
- 398 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月17日(日)22時13分51秒
- 『そして…悲劇は始まる。』
「王様、王家の力を民に持たせる銃が出来上がりました。」
銃を謙譲した発明家の顔はターバンで隠されている。
(あれって、矢口の師匠じゃあ…)
『そう、そしてこの銃はTMRと名づけられる。』
王はその銃を保田へと向ける。
「なりませぬ、親が子を殺して何になりますか?」
石黒と横にいた王妃が王を止める。
その弾みで銃声が鳴った。
石黒と王妃がその場に倒れる。
王の顔色がミルミル青ざめた。
『このとき石黒は精霊の能力に目覚める。知っての通り『時を止める』精霊だ。』
このまま時が止まってしまえば…
良いのにという願いからだろうか?
- 399 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月17日(日)22時39分16秒
- 『王はこのときとんでもない事を思いつく』
「え?」
保田は耳を疑った。
「逆賊石黒め、王妃だけでなく、姫を殺すとは何事か!」
石黒はゆっくりと起き上がると、保田を抱える。
激しく泣き喚く保田
『この時、この時、汝は我に目覚めた。
そして契約を結び記憶を封印した。』
(何だ、私が怒ったからこいつ出てきたんだ?)
保田の目に映っていた景色も薄れていく。
あとは石黒が窓を破って、城を脱出し、
王が保田の存在を知る他の側近を、次々に首にするだけだ。
りんねとあさみは、石川が懐いていたので、首だけは免れた。
『今回の敵を倒すには、我の力をフルに発揮せねばならん。
そのためには、ちゃんと血の盟約を結ばねばならん』
「どうしたの?将軍ってそんなに強いの?」
『将軍は問題ではない…問題なのは・・・・』
「まあ良いや、もう拒まないから」
理由はどうあれ、自分が作り出してしまったものだ。
もう拒む理由など無い。
正直知ってショックだったが、知らないよりも数倍いい。
『我は汝と共に生き、そして滅びる』
- 400 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月17日(日)22時40分15秒
- 大量更新してみました。
明日で終わるかも(爆
感想聞かせてね〜(w
- 401 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月18日(月)19時56分20秒
- 「って事は…あの銃って…」
「うむワシが作った。」
諸悪の根源は反省した様子も無く、淡々と説明する。
「何でそんなものを?」
「無敵の部隊を作りたいと…」
どうやら、石川達も同じ話を聞かされていた様である。
(無敵の軍隊ね〜。)
確かに精霊使いが部隊にいれば、相当有利に事が運ぶかもしれない。
「だが、そうはいかなかった。
銃に撃たれて死ぬ人間も出てきたのだ。」
元は普通の?銃なのだから、当然といえば当然である。
「すぐに王はTMRの廃棄処分を決めたが、病に倒れ銃の行方は曖昧になった。」
あまりに都合が良すぎる話ではある。
「まさか…」
全員の頭に一人の人物が思い浮かんだ。
- 402 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月18日(月)22時09分58秒
- 「何者かがこちらに向かっています。如何いたしましょう?」
「全部隊を配置しておけ」
つんくが飲みかけのグラスを机に置くと、
闇の精霊カオスがつんくの前に現れる。
(愚かなる人間どもめ。またしても我が邪魔をするか?)
『ここで殺しておけば、後が楽になるであろう
元々は汝の国だったはずであろう?』
「そうだ。
元々このハロプロは俺の先祖が、小さな町からここまで大きくしたのに…」
(もっと怨め、憎しみこそ我が力の源なり)
カオスのオーラが禍々しく光りだす。
『人間どもよ。思い知るがいい!』
「全部隊配置完了しました。」
「うむ」
『我々は高みの見物とさせてもらうか』
つんくは椅子に腰をおろすと、スクリーンにスイッチを入れた。
- 403 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月19日(火)10時15分38秒
- 「どうする?」
「行く手を阻む者は、誰であろうと蹴散らすのみっしょ。」
「でも通してくれそうに無いよ?」
「そしたら、ウチが引き受けますねん。」
加護が颯爽と車から降りる。
「ちょっとまつべ。ごっちんまた後でね」
安倍が加護の後を追う。
「撃て〜」
小川と新垣の指示が響き渡る。
「アンタの相手はウチや」
フォルセナが地面に手を翳すと、地面が盛り上がると、
保田達の進路を確保し、砲撃からの防御壁となり
車は一気につんくタウンへと侵入した。
- 404 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月19日(火)10時50分17秒
- (加護の奴、大丈夫かな??)
保田の不安を煽るように共振が段々と弱まっていく。
しかし砲撃の音が鳴り止まない中、車は順調に道を走る。
「…この先誰がどうなっても、アンタは将軍の所に行きなさい」
保田が石川の目をみつめる。
「え?」
後藤と矢口も同意する。
「姫がさあ、将軍倒してしまえば全部終わるんだし〜。」
「でも私一人じゃあ…」
石川が自信なさ気に下を向く。
「大丈夫、皆がついてる」
「姫さぁ〜、もっと前向きに考えようよ〜。」
「う〜ん」
「お喋りはその辺のようよ?」
保田が目を細める。
「和田と石黒さんね。」
- 405 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月19日(火)10時56分10秒
- 何とも気まずい再会ではある。
出来る事なら、このまま会いたくなかった。
(私はあの人を攻撃できるのだろうか?)
車を急停車させ、ハンドルに額を当ててて考える。
(出来ない…私には出来ない)
「圭ちゃん・私と師匠がいくから」
(え?)
後部座席から矢口が肩を叩く。
「何かね〜、師匠も訳ありみたいなんだ〜。」
「あやつの精霊は特殊じゃからな。」
「まあ、ここはウチラに任せてよ。」
「うむ。」
二人を降ろし、保田が車を再び走らせる。
(すんなり通れるかな??)
石黒が精霊を出すのが、だんだんはっきりと見えてきた。
『ブラフマ』
時を止める精霊が現れる。
「あれを止めて」
石黒がこちらを指差す。
『我が力を思い知らせてやろう』
ブラフマが何かを叫ぶ。
(やば…)
しかし何も起こらなかった。
- 406 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月19日(火)11時12分52秒
- ブラフマは何度も叫ぶが、何も起こらない。
(…これは?)
その隙に車は一気に通過した。
「おのれ、どうしたというのだ?」
和田が舌打ちして尋ねるが、石黒にも理解できない。
「和田…今こそあの時の恨み…」
「貴様は…あの時の…生きていたのか…、という事は貴様の仕業か?」
「は?何言ってるの?」
「ブラフマ?」
「無駄じゃよ、
お前が様々な理由から時が止まるのを願ったように
ワシは研究の成果が早く見れるように『時を早送り』する事を願った。」
止まった時間を早送りして、チャラにしたという訳である。
「アンタの悪運もここまでね。」
「ここまでだと?私を誰だと思っている?」
和田がニヤリと笑う。
「見せてやろう、我が最強の精霊『ポイズラー』の力を…」
和田の体が緑色に光りだす。
「こいつも能力者だったの?」
「だから言ったじゃろ?」
(そういう意味だったのか)
確かに昔の矢口では勝てなかっただろう。
しかし今は違う。
「アレク!」
矢口にも精霊がいるし、頼れる師もいる。
「勝負!」
(天国から見ててね。)
- 407 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月20日(水)20時42分38秒
- 「車はここまでね。」
保田が車をとめる。
「!!」
突然辺りが暗くなり、車に雷が落ちる。
「残念…高橋・紺野行くよ?」
「はい。」
正面の建物の中から、紺野と高橋を引き連れ飯田が出てきた。
「圭織さあ、どうしたの?」
「…」
飯田の表情がこわばる。
「何かあったの?」
「う・うるさい、行くぞ」
「アンタ先にいきな」
「え?でも…」
「良いから…私を誰だと思ってるのよ?」
「はあ」
石川が心配そうに保田を見つめる。
「後からすぐ追いかけるから」
「嘘つかないでくださいよ?」
駆け出した石川の行方を紺野と高橋が遮る。
『フレイマー』
(あんな子供楽勝よね?)
『LIGHT MY FIRE』
「うわ〜。」
紺野と高橋を火が囲む。
「邪魔はさせないよ?」
- 408 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月20日(水)21時03分08秒
- 「私達を馬鹿にしてるんですか?一応精霊使えるんですよ?」
『ビーム』
紺野の精霊が突然口を開く。
(危な〜。)
口から放出された光線は、保田の背後にあった建物を崩壊させた。
「覚悟〜。」
かわした先に高橋の精霊が先回りしている。
(二人のコンビネーションアタックか〜)
コンビネーションといっても、
紺野の精霊がエネルギーを充電する間は、
高橋の精霊が接近戦で相手の動きを止めるという、とても単純なものである。
(うわ〜)
どうやら、紺野の方は好きなタイミングで発射できるらしい。
(さっきより威力無かったね。好きにして良いけど?)
『汝らの力恐れるに及ばず、本当の力というものを見せてやろう』
(やりすぎるな〜)
フレイマーが殴りつけてくる高橋の精霊を紺野の精霊に向けて投げる。
『充電中は動けないのであろう?』
- 409 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月20日(水)21時18分14秒
- (あと少し)
石川が階段を昇りあえる。
(みんな大丈夫かな?)
仲間の事を心配しながら、乱暴に扉を開けた。
「これはこれは…」
中にいるのは、つんくただ一人
「つんく将軍…ここまでです。」
つんくは椅子に座ったまま笑い出す。
『くくく…』
つんくの様子が何やらおかしい。
「???将軍?」
石川が椅子に近づく
『思い知れ、我が闇の力…』
突然闇が石川を包み込んだ。
(え?しま…)
「フロスタ!」
『無駄だ。闇は全てを包み込む。』
つんくは椅子から立ち上がり、闇に包まれた石川の額に触れる。
(体が動かない)
『そう怖い顔するな…ふむふむ。』
不気味な行動に石川は眉を顰める。
『我が力は精霊の中では最弱、しかし最強でもある。』
(どういう意味?)
『闇は誰でも持っている…お前の闇は…見つけた…』
- 410 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月23日(土)14時36分17秒
- (二人とも?)
闇の息苦しさに耐えられなくなってきた石川の目の前に
突然死んだはずのりんねとあさみが現れた。
「…」
二人とも何も言わない。
「助けて…」
石川が助けを求めても、依然二人は黙ったままである。
「どうして何も言ってくれないの??」
これが闇の精霊カオスの能力である。
触れたものの一番されたくない事を強制的にイメージさせ、
精神を直接攻撃し、中から破壊する。
どんな人間にも知られたくない秘密や、嫌だと思う事があり、
人間はそれをされた時、否応無しに壊れたり廃人になるのである。
- 411 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月23日(土)15時14分17秒
- (ふう…)
「ねえ、安倍さん?」
「何だべ?」
加護を庇って受けた傷に唾をつけながら、安倍が聞き返す。
「加護何かしましたか?」
「もういいべさ…」
このご時世だ。きっと深い理由があったのだろう。
一緒に戦ってみて、安倍にはそんな気がした。
「本当に良いんですか?」
「いいべさ、
ところで戦いが終わったら、加護ちゃんはどうするべ?」
「ん〜ん、どうしましょ?安倍さんは?」
「孤児院でもやるべさ。」
そう言うと、安倍は腰を上げる。
「みんなの所に行くよ?」
「あっちですね。」
二人は街に向けて歩き始めた。
- 412 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月23日(土)15時38分47秒
- 「開かないよ??」
後藤が力一杯扉を押す。
「こっちも駄目…」
(大丈夫かな??)
扉の向こうで石川は無事だろうか?
心配でならない。
「追いついた〜。」
矢口がポンポンと肩を叩く。
「お疲れ様、一人?」
「うん。時を飛ばすって、時間の軸がズラスから反動があるらしいんだ。」
「そう…」
「ところでどうしてこんな所に?」
「扉が開かないの。」
後藤が扉を押しながら説明する。
「精霊で押しても駄目?」
「うん。」
「困ったな〜。アレク」
(扉を吹き飛ばせる?)
『やってみましょう。』
「みんな何かにつかまって」
矢口の周りの風が、アレクの手に集まる。
『ハッ!』
- 413 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月23日(土)17時00分03秒
- ドカンっとドアに穴が開く。
「矢口なら入れるんでないの?」
「無理だよ。」
アレクのあけた穴は、文字通り針の穴…
これでは誰も通れない。
保田が穴を覗く。
部屋の中は、真っ暗である。
(誰もいない?)
「私に任せてよ。穴を見せて」
「どうぞ」
今度は、後藤が穴を覗く。
「バニッシュ…」
(この穴までの空間を削る事って出来る?)
『我に任せよ』
後藤は矢口と保田の腕を掴む。
「ちょっと痛いかも」
「??」
「あは」
- 414 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月23日(土)17時22分10秒
- (ん、何者だ?)
カオスの作り出した闇空間に光が差し込む。
『案ずるな、まだ奴等は気がついていない。』
「や・保田さん…」
『な・何故だ?』
石川が意識を取り戻す。
『フロスタ』
(この空間はどうなってるの?)
『結界が張られている。他の者には見えないようだ。』
(結界を破る方法は??)
カオスを倒すそれが唯一の脱出法であるが、
この空間で、それをする事は実質不可能…
- 415 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月23日(土)17時52分04秒
- 「梨華ちゃんどこいるんだろう?」
後藤が部屋を見渡す。
「圭ちゃんどっかに火をつけてみたら?」
この暗さでは何も見えない。
フレイマーの火が明かり代わりだ。
「その前に…」
保田が内側から扉を開けると、部屋に明かりが差し込んだ。
『グア』
カオスの結界が破れる。
(い・いかん)
『おのれ〜。』
「見っけ」
- 416 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月23日(土)20時37分17秒
- カオスの回りをフレイマー達が囲む。
後から追いついてきた安倍達の精霊たちも一緒だ。
「覚悟〜」
『くくくく』
「何よ?」
カオスが不気味に笑い出した。
『どうやらつくづく運が無いようだ。』
(どういう意味だ?)
その意味は誰も分からない。
『まあいい、この時代は諦めてやる。』
つんくの体から黒い煙が出ている。
『こやつはもう用済みだ。』
「逃げるよ!」
「とどめだ!」
『さらばだ…。ハハハ。何百年後かに移動すれば良い事だ』
カオスの笑い声が静かに消える。
- 417 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月23日(土)20時49分21秒
- 「そ・そんな…」
石川がガクッと膝を崩す。
あまりに唐突な幕切れ
つんくの体が事切れた人形の様に床に倒れる。
「何これ?」
「人形??」
自分達は一体何のために戦ったのだろうか?
これでよかったのだろうか?
『悲しんでいる時間は無いぞ?』
フレイマーが突然口を開く。
『あのゲートを潜れば、まだ奴を追っていける。』
カオスが移動した時の扉が、まだ残っているが…
もう小さくなってしまっている。
(速く入らないと…)
「アンタはちゃんと国を立て直すのよ?」
「え?」
石川の頭を撫でる。
「みんな、義妹を宜しくね?」
保田が時の扉に入る。
「うわ〜」
保田の叫び声と共に時の扉が、ピシャっと閉じた。
- 418 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月23日(土)21時02分01秒
- (ここは何?)
『時の扉…』
(それはわかってるよ。これから私はどうなるのよ?)
『知らん。』
(奴はどこにいるのよ?)
『知らん。』
どうやらフレイマーも、今まで経験した事が無い事らしい。
『ん・何だ?』
(うわ〜)
「保田さん…」
「しっかりしなよ。」
矢口が石川を立ち上がらせる。
「これからどうするべ?」
「矢口は学者になる。あの精霊について研究してみるね?あれも頂くよ」
つんくだった物を指差す。
「ごっちんは?」
「なっちこそどうするの?」
安倍は笑顔で答える。
「加護ちゃんと孤児院でもやるべさ。』
「じゃあ、後藤も手伝うよ〜。」
「では、私は保田さんの無事と
戦争の死者を祭るために修道院を立てましょう。」
「じゃあさあ、孤児院に子供集めてよ?孤児も沢山いるでしょ?」
モーニングクエスト2完
- 419 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月23日(土)21時05分27秒
- ほとんど半年(汗
何故この小説がモーニングクエスト2だったのか?
そして、何故1のラストを書かなかったのか?
だいぶん分かってもらえましたかね?(汗
明日からでも、某所で3に入ります。(w
3部作最終話です。
気が向いたら、よんでやってください。
最後に
管理人さん本当にお世話になりました。
- 420 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月23日(土)22時01分17秒
- あとレスをくれた皆さん
本当にありがとうございました。
正直いわれの無い中傷を受け
挫折しそうになったけど、何とか完結する事が出来ました。
レスって励まされるので…
ところで、この作品途中からちょっと変わったの感じて貰えたのかな?
そりゃあ過去形ばっかじゃあつまんないですよね〜(w
やっと意味がわかったです。
そんでもって3もお楽しみに
- 421 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月25日(月)01時24分10秒
- 作者さんお疲れ様でした。
3はどこでやるんですか?
よかったら教えてください。
- 422 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2002年02月25日(月)09時49分08秒
- あっ忘れてました。
モーニングクエスト3は
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1014536765/l50
の羊で連載します。
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