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不良娘。
- 1 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)19時43分27秒
- ガラの悪い小説です。
いろんな人パターンを書こうと思う。
- 2 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)19時43分58秒
- カサカサ、シュボッ。フゥ〜…。
「ふぅ〜、うめぇ〜。」
トイレに来てタバコをふかす。
吉澤ひとみ、16歳。
自慢じゃないが、この歳にして1日2箱も吸う
ヘビースモーカー。マルメン大好き。
始めは、伸びる身長を止めるために吸い始めたのだが、
今は、すでにニコチン中毒になっている。
「さて、そろそろ石川でも呼んで来るかな。」
吸い終わったタバコを便器に流すと、ドアを蹴って開けて、
ショートヘアーを掻きあげて、廊下のベンチへ行った。
- 3 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)19時44分36秒
- 楽しそうに友達としゃべっている石川。
じゃれあったりしている石川。
鬼ごっこをしている石川。
吉澤には、ガキっぽくて、たまらないほどむかついた。
「おい、石川。ちょっと来い。」
「は、はい……。」
吉澤の姿を見るなり俯いた石川。
そのまま、トボトボとあとをついていく。
行き先は…タバコの匂いがまだ抜けていないトイレ。
水呑場まで匂いは届いてきている。
どうでもいいことだが。
- 4 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)19時45分06秒
- 「てめぇー、あんときチクらんっつったよなー?あぁ?」
「………」
石川は、何も答えずに俯いたまま。
そんな石川の態度にキレた吉澤は、ふらふらと近寄っていって、
頬に、軽いフックをいれた。
「キャッッ!!」
それでも華奢な石川には十分すぎるほどの衝撃で、
ましてや、吉澤のパンチなのだから、壁に強くぶつかり、もたれかかる形になった。
「何とか言えや!」
「……ごめんなさい、ホントに……うっ…ひいっ……」
「…ったく、何でも泣けばいいのかよ?」
石川のあごに手を添え、自分を向かせる。
涙で潤んでいることを差し置いても、石川の瞳は綺麗だった。
それは吉澤も思ったことだった。
「とりあえず、金返せ。3万だったなぁ。」
「……はい。」
- 5 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)19時45分58秒
- 吉澤は金を集めていた。
自分のバイクを買うための資金。
しかし、バイトなんて面倒なことはしたくない。
そこで、街に出てカツアゲしたり、学校の人に金を持ってこさせたりと
着々と準備を進めていた。
そのうちの1人に石川もいた。
そして、3万円持って来させたのだが、教師にチクったようで、
昨日、金を返させられたばっかりであった。
「今度こそチクんなよ?わかってんだろ?」
「…はい。」
「じゃあ、もういい。行け。」
石川は目を真っ赤に腫らして出て行こうとした。
「おい、石川。」
「な、なんですか…?」
「……目、冷やしとけ。」
「あ、ありがとう。」
タバコを一本出すと火をつけた。
「なんでこんなんなったんだろ?」
吉澤がここまでワルになってしまったのは理由があった。
時は1年前、中3の時のことである。
- 6 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)19時47分03秒
――――吉澤ひとみのパターン――――
- 7 名前:名無しさん 投稿日:2001年06月20日(水)20時16分17秒
- ( `.∀´)<期待してるわよ!
- 8 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)21時05分58秒
- じゃあ、調子に乗って更新しちゃお
- 9 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)21時06分59秒
- 当時、吉澤には大好きな人がいた。
「ゆうちゃん♪」
「おお、よっすぃ〜か?」
「うん♪会いにきたよ♪」
「そっか〜、ありがとな。ゆうちゃんうれしいわ。」
中澤は吉澤の頭をワシワシとなでてやる。
すると、吉澤の顔はこれ以上の幸せはないってほど笑顔になる。
そして、後ろから抱きつく。
「へへ〜♪ゆうちゃんいい匂いする〜♪」
「そか?よっすぃ〜もいい匂いするで。」
「だって、ゆうちゃんを誘惑するフェロモンがでてるんだもん♪」
「そうやな〜、でもまだまだ足りんわ。」
「そんなことないも〜ん。」
吉澤が頬を膨らませて怒る。怒ったフリをする。
「ははは、ウソやて。十分かわいいで。」
「ありがと♪」
とまあ、自分の数学の教師だった中澤に惚れていた。
中澤は、結婚していて、1歳半になる子供もいた。
それでも、吉澤にとってはどうでもいいことだった。
そんな吉澤が、変わってしまったのは、2学期であった。
- 10 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)21時07分31秒
- 進路を真剣に考える2学期。
吉澤は常に学年トップを取るほど頭がよかった。
なので、レベルの高い高校に進む予定だった。
なのに、大きな変更をして、最低レベルの私立高校に行くことになった。
いつものとおり、中澤に会いに行っていた。
いつものとおり、雑談していた。
そんなところに生徒指導の教師が吉澤を茶化した。
「そんなところで油売ってないで勉強すれよ、受験生。」
でも、吉澤はシカトして中澤としゃべりつづけていた。
しかし、あまりにしつこいので吉澤もついにキレた。
「っるせーんだよっ!てめぇー!仕事してろや!」
「誰に向かって口聞いてんだ!」
「てめぇーに決まってんだろ!うぜぇーから消えろ!」
「んだとぉ!」
バシッ!
教師の手が先に出た。
- 11 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)21時08分36秒
- 職員室には静寂だけが走っている。
先に口を開いたのは……吉澤だった。
「…そうしててめぇーは暴力しかできねーもんな。」
「…うるせぇ。」
「暴力でしか自分の存在をアピールできないなんて哀れな奴だな。」
吉澤の日頃の鬱憤が爆発した。
そして、教師は無言で吉澤を睨んでいる。
中澤は、吉澤に何か言っている。
「もうええよ、やめとき。」
「いや、こいつには自分の愚かさを1度気づかせてやらんと。ははっ。」
中澤を見て、苦笑すると、視線を教師に戻す。
「てめぇーは、人によって態度かわるよなぁ?」
「人はみんなそうだろ?」
「はぁ〜……」
吉澤は深くため息をついて首を横にふった。
「てめぇー、おれより頭わりーんじゃねー?
んなこと言ってんじゃねーよ。
教師なんだろ?てめぇー。教師がそんなんでいいのかよ?あぁ?」
教師は、しばらく吉澤を睨んでいたが、ガクッと肩を落として話し始めた。
「……なりたくてなったわけじゃない…。
おれには病気の妹がいる。たった一人の妹だ。
その妹が病気で困っている。入院代は高い……。」
その場にいた誰もが聞き入っていた。
だが、例外は吉澤。
- 12 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)21時09分49秒
- 「だれがんなこと聞いたんだよ?質問の答えになってねーだろ?」
「吉澤!」
怒鳴ったのは、生活指導の教師ではなく、意外にも中澤だった。
「いいかげんにし!教師にそんなこというなや!」
「ゆうちゃん……」
「そんなこと言うよっすぃ〜は好きじゃあらへん。あやまり。」
中澤はあごで教師に促した。
大好きな中澤に嫌われたくはなかった。
「……ご…めん、……さ…」
「んー?聞こえないぞ?」
教師はワザとらしく耳に手を当てた。
「ごめんなさい…。」
「う〜ん、じゃあ、土下座でもしてもらおうか。」
教師はこれで吉澤を許すつもりだった。
だが、悪ノリしすぎたようだった。
- 13 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)21時10分47秒
- ペッ!ピチャッ!
吉澤の吐いた唾は、教師の鼻の頭にかかった。
「誰がするかよ、てめぇーなんかに。」
恐ろしいほど落ち着いていた。
「よっ、吉澤ぁ〜!!」
教師は吉澤の胸倉を乱暴につかんだ。
「また、暴力か。情けねーなぁ。」
ペッ!ピチャッ!
2度目。ついに教師は吉澤を殴った。
吉澤は倒れていく。
「よっすぃ〜!!」
中澤が教師の腕をつかむ。
「もうええやろ?やめ。」
「っるせぇぇ!!」
「キャァッッ!!」
教師が中澤の腕を振り払うと、
中澤は吹っ飛んで、机にぶつかった。
- 14 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)21時11分23秒
- そうしている間に吉澤は教師の目の前に立っていた。
「ゆうちゃん。」
「……な、なんや?」
「……ごめんけど、約束破るわ。」
一瞬意味がわからなかった。
中澤の頭の中を『約束』という言葉が駆け巡る。
やっと思い出した刹那、教師は宙に浮いていた。
吉澤が教師の喉ぼとけの当たりに蹴りをいれたのだ。
「てめぇー!!ゆうちゃんに手ぇだしてタダで済むと思うなよ!!」
「やめてぇぇぇぇーー!!!!」
中澤の叫びも虚しく、吉澤は完璧にキレてしまった。
吉澤が中澤としていた約束というのは、だれにも暴力を振るわない、
というものだった。
吉澤がボコった相手は、100%病院送りになるからだ。
なんとか自分で加減できるようになったが、
それでも強いのには変わりない。
そんな吉澤が完璧にキレてしまっているのだから
この教師は病院送りでは済まないだろう。
- 15 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)21時12分29秒
- 教師は喉ぼとけを抑えて、もがき苦しんでいる。
蹴られた場所が喉ぼとけなだけに、声が出ないようだ。
少量の血も吐いていた。
「おらぁ!立てやぁ!」
胸倉をつかんで立たせると、顔にヘッドバッド3発食らわせて、
肘鉄を5発うった。
鈍い音がしたので、鼻が折れたのだろう。
それでも、つかんでいる手を離さずに、
今度はあごを2発殴った。もちグーで。
また鈍い音がした。あごの骨が折れたのだろう。
もう1発殴ると、歯も折れた。
「ははっ、なっさけねー姿だな、おい。」
最後に折れてしまった鼻に膝蹴りを2発入れた。
2発目のときは手を離していたので、
教師はぶっ飛んだ。
吉澤が近寄ると、白目をむいて失神していた。
実は、あごを殴られた時にすでに失神していたのだ。
そのあと、吉澤は警察のお世話になった。
が、中学生で、先に手を出したのが教師側だったこともあり、
事件としては取り扱われなかった。
- 16 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)21時13分48秒
- そのあと、中澤とはしゃべれなくなってしまい、
その年の12月、中澤は退職することになった。
- 17 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)21時14分47秒
――――吉澤ひとみのパターン――――
- 18 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月20日(水)21時27分33秒
- 引いてる人には申し訳ないがおもしろい。
つぎを読みたく思う…
- 19 名前:7 投稿日:2001年06月20日(水)21時31分57秒
- めっちゃええわぁ。
>>18
激しく同意
- 20 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)21時54分30秒
- ありがとう!
確かに引かれるかもしんないけど、
バトロワがあるくらいだからだいじょうぶっしょ?
今日中にあと1回できたらします。
- 21 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)22時55分37秒
- 「ゆうちゃん……」
さて、今はトイレでタバコを吸っている。
こんなところゆうちゃんに見られたらなんて言われるんだろ?
なんてことを思いながら吸殻を便器に流して教室に戻った。
そこらへんにいた男子に次の授業を聞いてみる。
「おい、次の授業何?」
「ひっ、ちょっと待ってください。」
こんな風に怖がられるのも慣れてしまった。
「国語です。」
「サンキュー。……だりぃな。保健室いるっつっといて。」
「わ、わかりました。」
とは言ったものの、保健室いっても寝るだけなので、
帰ることにした。
- 22 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)22時56分13秒
- 「そういえば、今日は姉貴が帰って来るっつってたな。」
そう、地方へ遠征に行ってた吉澤の姉貴が帰ってくるのだ。
「どんな話聞かせてくれんのかな〜?そうだ!ごっちんもよぼ。」
姉貴…市井紗耶香という。別姓なのは、義理の兄弟だからだ。
ごっちん…吉澤の悪友の後藤のことである。
携帯を取り出してメールを打つ。
『今日、姉貴帰ってくるからうちに来ない?』
送信してすぐに新着メールが届いた。
はやいな、と思って見てみると、
後藤からではなく、吉澤の姉貴からだった。
『帰ってきたからビール買ってくるように。』
「ったく、相変わらず人使いがあれーな。」
口ではそういいつつも、やっぱり姉貴が帰ってくるのはうれしい。
近くの酒屋で、ビール瓶10本買った。
- 23 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)22時57分28秒
- 後藤からメールが来ないなぁと思いつつ、家に向かうと
家の前にちゃんと立っていた。
「よっすぃ〜、おそいよ。」
「もう来てたんかい。入ってればよかったのに。」
「だってぇ〜…」
顔を紅くしながら後藤は言う。
「いちーちゃんと2人じゃ緊張しちゃうもん。」
「そんなもんかぁ……ま、はいろ。」
ドアの鍵を開けずに入るのは何ヶ月ぶりだろう。
「ただいまぁー。」
「おう、ひとみ、元気して…うわぁ!!」
「いちーちゃん!会いたかったよー。」
後藤が市井に抱きつく。
こんなことできる人間はこの世界に数えるほどしかいないだろう。
「はは、後藤も元気そうだな。」
「で、どうなったの?」
吉澤が話を切り出す。遠征の話だ。
「まぁ、ビールでも飲んで語るよ。」
買ってきたビールの瓶をそれぞれ一本ずつ持つ。
栓を歯で開けるのは、当たり前になっていた。
「それじゃあ、姉貴の無事帰還を祝って…」
「「「かんぱーーい!!」」」
- 24 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)22時58分00秒
- 3人とも酒には強かった。
そりゃあ、ビール瓶10本買ってくるような吉澤がいるのだから。
3人とも一気で、一本を飲み干した。
「くはぁ〜!うまいねー!!」
「夏はやっぱりビールっしょ!」
「よっすぃ〜は、冬でもガブガブ飲んでるけどね。」
「ま、気にしない気にしない♪そんで姉貴さあ、どうだったの?」
「うちのチームに勝てるチームなんてあると思う?」
「いや、いないね。」
「でしょ?」
吉澤もそんな事はわかりきっていた。
知りたいのは、数ヶ月の旅の話しの内容だった。
「ひとみの聞きたいことはわかってるよ。今から話すね。」
- 25 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)22時58分51秒
――――吉澤ひとみのパターン――――
- 26 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)23時00分36秒
- 数ヶ月前、市井たちはいつもの集会場所でたむろっていた。
そこは、ありふれているが公園だった。
公衆便所にチームの名前がペイントされてあり、
その正面で集会をするのだ。
集会といっても、市井のチームはメンバーが少ない。
リーダーの市井と、飯田と、保田と、矢口の4人だけ。
それだけしかいないのだが、チームの名は全国に轟くほど有名だ。
その4人で集会(みたいなもの)を開いていると、
市井が異変に気付いた。
(あのペイント……)
「なぁ、ペイント変わってねーか?」
便所にペイントされている名前を見ると、……変わっている。
「ん?なんか書いてある。」
隅にちっちゃく書いてあった文字を見る。
『喧嘩上等!!』
そして、最後に不気味な蛇の絵がついていた。
- 27 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)23時01分39秒
- 「紗耶香!こりゃ、やるっきゃないっしょ?」
矢口が半分冗談半分本気で言う。
「紗耶香、わたしもそう思う。」
保田も同じだ。
「おれもそうだ。」
そして、市井も同じだった。
「………」
飯田は無言。
「あれ?かおりは?」
「……あのペイント、アタシがデザインした奴だったのに…許せない。」
飯田がキレると、市井でも止められなくなってしまうのだ。
「みんな!行くよ!」
すでにバイクをふかして、準備万端だ。
「えっ?今から?」
当然3人にはそんな準備できてもいなかったが。
「ったりまえじゃん!犯人の髪の毛全部引っこ抜いて、全部食わしてやる!」
「「「ははは……」」」
飯田が言う事はただのウソではないことを3人は知っていた。
いや、ウソではなく実現するから怖いのだ。
「さ!行くよ!」
こうなってしまっては、もう大人しくついて行くしかない。
4人の長旅はこうして始まったのだった。
- 28 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)23時02分11秒
――――市井紗耶香のパターン――――
- 29 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月20日(水)23時04分20秒
- 今日三回目の更新だった。
レスついてるとうれしくなるから一気に上げちゃった。
ストックなくなった…。
○○のパターンっていうのはあんまり気にしないで下さい。
自分でもよくわからない…。
今回の更新失敗だったなぁ。
ま、次からケンカシーンが多くなるのでどうぞよろしく。
- 30 名前:ま〜 投稿日:2001年06月20日(水)23時54分58秒
- おお!?ちょっと変わった小説!
期待してるよ!!
(中澤がどうなったか気になるな・・)
- 31 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月21日(木)00時42分14秒
- 困ったなあ。(w
やっぱりおもしろいんですけど…
オリジナリティて大事なんだな〜再確認した。
- 32 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月21日(木)03時28分58秒
- おもろい小説ですね〜。
続きが気になります。
- 33 名前:妄忍愚 投稿日:2001年06月22日(金)09時33分37秒
- 面白いです。吉澤カッケーです。
- 34 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月22日(金)23時52分57秒
- 次の日、早速出発する。
そして、何も手がかりがないことに気付いたのは、出発して3時間後だった。
場所は千葉。
「どうすんのさー!」
「そんな事言われてもねぇ……」
「カオリにわかるわけないじゃん。」
「「………」」」
矢口と保田が飯田に聞いてもこのありさま。
自分が行くといったのに、この無責任さ。
……。
しかし、市井の顔には余裕があった。
「みんなちょっと聞いてよ。」
3人はなんだなんだと市井を見る。
「かるーくスケッチしてきたんだ。」
1枚の紙を差し出す。
それには、昨日見たペイントが上手に描かれていた。
「最後の蛇の絵…これ、ヒントになりそうじゃない?」
「「「おぉ〜!!」」」
3人が感嘆の声をあげる。
「じゃあ、ここらへんの奴に聞いてみるか。」
その一言で、バイクを人っ気のない道路に止め、座ることにした。
- 35 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月22日(金)23時53分50秒
- だが、当然の如く座ってるだけじゃ意味がない。
ましてや、この4人なのだから近づく人もいないのだろう。
どうしようか、と考えていた市井にひらめきが訪れた。
「じゃあ、あのバイクでも壊すか。」
指差したのは、近くにあった1250ccのよく改造してあるバイクだった。
これだけのバイクを持っているのは族しかいないだろうと睨んだ。
……。
それから3分後、バイクはかわりに、鉄くずと化していた。
「そんじゃー、待つか。」
それから、コンビニ行って弁当買ったり、
バイクでウイリーして遊んだりしていると、持ち主らしき人物が現れた。
予想通り。パンチパーマに、サングラス、細い眉毛とは、
あまりにも定番すぎる男が現れた。
「てめーらか、これやったの。」
相手はリーダーを市井と見て、問いかけた。
「知らねーよ。」
市井はケンカ腰で答えた。
男は電話をだすと、仲間らしい人物と連絡をとっていた。
「おい、おめーら全員来い。ケンカだ。」
市井は、作戦の成功にニヤリと微笑んだ。
- 36 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月22日(金)23時54分30秒
- 数十分後、ざっと20人くらいだろうか。
市井たちは、あっという間に囲まれた。
「さて、どうしようか。」
市井がつぶやいた。
「カオリはあっちの5人殺すわ。」
飯田は指ではなく、長い木刀で指した。
「じゃあ、アタシは向こうの7人ね。」
保田は指の骨をボキボキならしている。
「矢口は、あの8人か。」
矢口はその場でシャドーボクシングを始める。
そして……
「おれは大将殺してくる。それじゃあ、始めるか。」
4人はそれぞれ四方に散った。
- 37 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月22日(金)23時55分20秒
- 飯田が走った先には、鉄パイプやらなんやら
武器をたくさん所持している集団がいた。
まず、1人を一発で軽く気絶させると、
4人が一斉に襲いかかってきた。
しかし、飯田にはこんなのは全く通じず、
10秒後に4人は、アスファルトにキスすることになる。
まず、左から2番目の奴を木刀で目潰しして、
その両脇の奴がふりおろした鉄パイプを同時に受ける。
そして、長い足で片っ方を蹴り、頭蓋骨陥没。
あとの2人はすでに戦意喪失しており、木刀2振りで気を失った。
「カオリの方は楽勝だったよ。さて、圭ちゃんとこいくかな。」
- 38 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月22日(金)23時56分09秒
- 保田が走った先には6人が固まっていた。
全く動こうとしないので、保田もいったん止まる。
しかし、ある異変に気付く。
さっき、ここには7人いたはずだ。
……。
突然バイクの音が響いた。
同時に6人は真中で別れて、そこからバイクが突っ込んできた。
保田は驚いたが、すぐに近くの金網のごみ箱を掴むと、
力いっぱいぶん投げた。
それは、ライダーに直撃し、千葉の空を舞った。
ライダーのいないバイクをかわすのは、ある意味難しかったが、
それでもなんとかかわした。
そして、6人に近寄っていくと、1人1人拳で殴った。
途中何発もパンチをもらったが、保田の強靭な肉体には響きもせず、
確実に6人を仕留めた。
「ふぅ…終わったね。」
一息ついたところに、飯田が走ってきた。
「圭ちゃんは大丈夫みたいだね。矢口はどうだろう?」
「矢口は……心配ないっしょ。」
- 39 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月22日(金)23時57分15秒
- 矢口はその小柄な体格で8人を相手にするのだが、
矢口にとって、体格など全く関係なかった。
バァン!バァンバァン!!バァンバァバァバァバァバァーーーーーー!!!
グチャッ!ボゴッ!ドカーン!!ズルズルズルズル!!!!
音が鳴り止むと、バイクからおりた矢口には満足感があった。
「久しぶりだったから調子に乗って暴れすぎちゃった♪」
矢口はとにかくバイクでひく。
小回りが効くので、狭い場所でも十分。
3人を前輪でひくと、10Mは吹っ飛んでいった。
そして2人を、鉄パイプで殴り、
残りの3人は、1人1人、襟を掴んで引きずりまわした。
かなりの握力が要されるのだが、矢口の握力は90K。
全部バイクに乗りながらなので、バランス感覚がよほどないと危ないのだが、
矢口のバランス感覚は天性のものなので、全く心配がなかった。
矢口が暴れたあとには、無残にもボロボロになった8人があった。
- 40 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月22日(金)23時58分09秒
- 「さて、仲間はやられたようだが?」
「…………。」
大将は、唖然としていた。
まさか4人に、しかも女に負けるとは思っていなかったのだろう。
「覚悟はできてるな。」
「ま、まて!お前らはなんなんだ!な、なんか恨みでもあるのか!」
「恨み?ねーに決まってんだろ?」
「じ、じゃあ、なんでこんなことすんだ!」
「聞きたい事あったから。」
「なっ、なら最初っから聞けばいいじゃねーかぁ!」
「後でじっくり聞いてやる。」
「くっ!ふざけんなよぉ!!」
ついに逆ギレした大将が襲ってきた。
市井は、微笑むと頭を戦闘に切り替えた。
相手のパンチをサラリとかわすと、
カウンターで一発腹に入れる。
その時点で勝負はついた。
相手は腹をおさえて、その場でうずくまった。
呼吸困難に陥っていた。
「んだよ、つまんねーなぁ。まだ終わってねーぞ。」
髪をもって顔をあげると、膝蹴りを入れる。
ズボンには生々しい血がべっとりついた。
「きったねー血。」
掴んでいた髪から手を離すと、大将はそのまま地面に倒れた。
最後に両手両足の骨計4本折って終了した。
- 41 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月22日(金)23時58分41秒
- 「さて、それじゃあ聞こうか。」
半分意識がない大将に、スケッチした紙を見せる。
「この絵に見覚えはないか?」
「…その絵…うっ!…。」
「なんか知ってんのか?」
「ごほっ!グフ…ッフ!ガハッ!……」
大将が落ち着くまでに結構時間がかかった。
「…千葉のどこかに、その絵と同じ蝶のタトゥーしてる奴がいたはずだ…。」
「どこかが知りてーんだよ!」
飯田は大将の頭を蹴りつけた。頭蓋骨陥没。意識不明の重体。
「…ったく、カオリは手加減っていうものおぼえな。」
「だってぇ〜、ついカッとなっちゃって。」
「まぁ、千葉を探せば手がかりがつかめそうだな。」
「じゃあ、とりあえず今日は駅行って寝るか。」
「そうだね。」
千葉のとある町に、バイクのエンジン音が気持ちよく響いた夜だった。
- 42 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月22日(金)23時59分42秒
――――市井紗耶香のパターン――――
- 43 名前:仏恥義理! 投稿日:2001年06月23日(土)00時00分50秒
- 規制は…入らないでしょ。(w
中澤は、後々登場する予定かな。
あんまり先のこというとあれだしね。
これ、いつまでつづくんだろ。
まだめどが立ってない。
いくらでも長くできるしね。(w
- 44 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月23日(土)02時54分23秒
- すげ〜刺激的な作品だな〜。
面白い!!
こいつら4人はもはや人間ではないと思われる。(w
- 45 名前:かんかん 投稿日:2001年06月23日(土)17時40分32秒
- 何気に好きこういうやつ。
- 46 名前:パク@紹介人 投稿日:2001年07月07日(土)10時05分02秒
- こちらの小説を「小説紹介スレ@金板」↓に紹介します。
http://www.ah.wakwak.com/cgi/hilight.cgi?dir=gold&thp=994402589&ls=25
- 47 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月10日(金)21時05分28秒
- 再開期待
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