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P−13 (全メンバーが同じオーデション合宿にいたら?)
- 1 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)00時19分51秒
- はじめまして!初作品なのでいろいろ多めに見て下さい。
なんとなく長くなってしまう予感もします・・・。
(最後まで書けるか不安)
適当に書いてるんで、適当に読んで下さい・・・。
- 2 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)00時20分33秒
- 199X年。
私は東京のとある寺で合宿をしている。
理由・・・それは歌手になるため!
あるテレビ番組のオーディションの最終候補者に残ったのだ。
寺で合宿をしながら、集団生活をしながらの最終オーディション。
厳しいものになりそうだ。
私をいれて最終候補者は13人。
何人合格するのかも判らない。
とにかくやるしかない!
私のキャラクターを最大限に出すにはまずライバルを知ること。
ライバルを知ることによって、おのずと私の立ち位置が見えてくるはず。
- 3 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)00時21分12秒
- 「中澤さんって24歳なんですかぁ?全然見えませんよぉー。」
バスの隣に厳しい表情で座っている明らかに最年長と思われる
中澤裕子に声をかけた。
「・・・。」
中澤は(なんなんこいつ)という表情を見せただけで持っていた
携帯をまた弄り始めた。
(感じ悪っ・・・。)
中澤裕子。関西出身の元OLだったかな?
関西人って怖い、化粧も派手だし、服はケバイし・・・。
年も年だしまぁ敵じゃないかな。
でもリーダー的なポジションになりそうだし・・・。
コバンザメで!行くしかない。
- 4 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)00時21分42秒
- あとリーダーっぽい感じっていうとぉ・・・。
バスの真ん中辺りで大きな目をキョロキョロさせている鼻ピーの子。
石黒彩。だったかな?
年も上だし、第3次オーデションの楽屋でも目立ってた。
北海道出身の中のひとりだっけ?
「石黒さんですよね?」
「何するんでしょうね?合宿なんて・・。」
「何人が合格するんですかね?」
私はリアクションが冷たいので一方的に話した。
うんうん。と頷くような仕草を見せてくれたが結局一言も喋れなかった。
やっぱりみんなライバルなんだ。
バスを見回しても笑顔の子は一人もいない。
- 5 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)00時22分35秒
- ・・・いた。
中学1年3人の中の二人、辻希美と加護亜依だ。
二人で笑いながらこそこそ話している。
聞き耳を立てていると、
「私のパジャマはピンクだよぉ。」
「私のもだよぉ。ピンクのキティちゃんの」。
「お菓子も持ってきたよぉ。」
「ちょうだい、ちょうだい。」
「はいこれアロエヨーグルトキャンディーれす。」
・・・。
遠足かよ?
・・・・・・・。
敵じゃないな、でも小さいっていう意味ではキャラが被ってるし
チェックもしとかないと足許すくわれるかも。
- 6 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)00時23分53秒
- 車窓からの景色が随分変わりいよいよ寺が近づいてきたようだ。
「はぁーい、そろそろ着くので降りる支度をしてください。」
スタッフの大きな声が響く。
みんなごそごそと用意を始めている。
キョロキョロと窓から外を見ている子もいる。
えっ?我が目を疑った。
寝てる・・・。子がいる。
あの金髪は後藤真希!
オーデションでも一番目立っていた子だ。
13歳で金髪、大物感たっぷりのオーラが出てたし。
ルックスも抜群!何となくセクシーだし。
この子は合格するかもしれない・・・。
(ダメダメ)ライバルを認めるなんて。
こんな時に寝てられる神経に、そして大物っぷりに
嫉妬の炎が激しく燃えあがった。
(あっ!カメラが撮ってる。)
緊張感ピリピリの中で一人寝ているオイシイショット。
咄嗟に寝ている後藤に声をかけた。
- 7 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)00時24分26秒
- 「ハハハハハー、着いてるよぉー。」
よしっ!とっておきの明るい声た。目立てたかな?
「・・・。」
「・・・ううん?」
「もうお寺だよ。」
優しいところもアピール!
「・・・はぁ。」
寝ていたせいか、腫れぼったい目を擦り
髪を直す仕草をしながら、後藤もバスを降りていった。
私もニコニコと小走りで後に続いた。
- 8 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)01時57分36秒
- 寺に入り荷物を置く間もなく、全員が集合。
スタッフから合宿の説明等もろもろの話を聞いた。
必死にメモをとってる子がいる。
細い体で全体的に女の子らしいイメージ。
石川梨華。アニメの声優みたいな声をしてた子だ。
何だかやけにおどおどしてるし・・・。
今にも泣き出しそうな顔・・・。
何だか弱そうだし、この子も敵じゃないな。
- 9 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)01時58分15秒
- 「今からこれからことについて大切な話をします。」
今回のオーデションのプロデューサーのマネージャー
和田という腰の低く、目の泳いだ男性がマイクを握った。
和田の話は3つ。
1つ目は個人で自由曲、一曲を最終日に発表。
2つ目は全員でダンス。これも最終日に発表。
3つ目に最終面談。歌とダンスの発表後行う。
ということだった。
そしてまたスタッフの説明に戻り、これからの
スケジュールの説明を受けた。
そして説明終了後。
海の家と見まごうような広い畳の間に全員が集められ、
「ここが全員の部屋、寝室にもなります。」とスタッフから告げられた。
- 10 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)01時58分56秒
- うわぁ・・・。ここで全員。厳しいぃ。
どうやって・・・、くるくると辺りを見回すと同じようにくるくると
辺りを見回している子がいる。
長身でモデルのようにスタイルがいい。
黒いロングヘアーが印象的。
でも目は何故かどこかにいってしまっている・・・交信中?
そうだ飯田圭織。あの子も北海道の子だ。
北海道の子っていえば、そういえばあの子。
田舎っぽかったけど、めちゃめちゃ可愛かった子。
安倍なつみ。だっけ。
あっ、いた。また笑顔だ・・・。
どこかにいってしまっている飯田に何か話かけている。
オーデションの時もずっとニコニコしてたっけ・・・。
笑顔の裏も知りたいけど・・・。
あの子の側にはカメラも随分きてるし・・・やっぱり有力候補。
- 11 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月29日(金)03時02分30秒
- 設定が面白そうですね〜!!
期待してますんで頑張って下さい。
- 12 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)04時00分36秒
- 11さんどうもありがとう。
初めてのレスです。明日は休みなので今日は徹夜で頑張ります!
- 13 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)04時02分32秒
- カメラマンの動きを注意してみていると自ずと注意すべき人間が分かる。
あの子もそうかもしれない。
オーデションの時に「天才的に可愛い」と評価されていたあの子。
吉澤ひとみ。名前のとうり瞳が綺麗で印象的だ。
(あたしの目の何倍の大きさなんだろう・・・マスカラ塗らなきゃ。)
荷物の整理をしているとスタッフから連絡が入り
着替えて、歌のレッスンが始まるという。
いきなりレッスン。周りもざわざわし始めた。
隣にいる子はもう何か口ずさんでいる。
演歌・・・?
不思議そうな態度に気がついたのか
「お母さんの好きな歌なんだけどね・・・。」と
あまりアイドルにはいないような顔をして笑った。
よく言えば個性的な顔だ・・・。
誰だっけこの子?保田さんだったけ?
よっぽど歌が上手いんだろう。じゃなきゃ・・・・。
でも・・・。ルックスだけにとらわれてると意外な落とし穴もあるだろうし
一応チェック。
- 14 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)04時03分14秒
- 甲高い声が聞こえた。眼鏡をかけて痩せた男の人。
笠木という歌の先生らしい。
どこからかピアノが用意されレッスンは始まった。
最初に歌ったのは中学1年生の中の一人だ。
オーデションの時からいつも一人でいたあの子。
独自の雰囲気を持っていて、なかなか話しかけられない感じ。
福田明日香。
「相川七瀬のBreakOutで。」
福田の堂々とした歌いっぷりにみんな驚いていた。
すごい歌唱力!自分の楽譜をもう一度見直し、力強く頷いた。
(私だって・・・、大丈夫。自信を持とう。)
でも次に歌う人が可愛そう。誰だろう?と思っていると
太陽というより、月のような魅力を持った感じの子。
でも地味。いつも自信なさそうに下向いてるし。
市井さん?年が近かったけ?
「次っ!」笠木の甲高い声がまた聞こえる。
「ハイっ!」おどおどした様子で市井がピアノの前に立った。
ドリカムかぁ・・・。あんまり上手く無い・・・私の方が上だな。
「声が全然出てない!聞こえもしない!」笠木のサディスティックな声がする。
可哀想ぅ・・・。でもなんでこの子残ったんだろう?
将来性とかなのかなぁ?そういうのってプロには分かるんだろうし・・・。
以外とこういう子が化けるのかも。
- 15 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)04時04分15秒
- 次は私だ!緊張してきた。
「ハイ!矢口真里です。」
一番小さな体で勢いよくピアノの前に立った。
何時間かでこの日の歌の練習は終わった。
笠木のサディスティックな性格のせいか、何人も涙を流した。
一番年上の中澤まで涙を流していた。
それだけ厳しい練習だった。
厳しい練習が終わり、みんなボーっとしているところに
スタッフからミーティングを行うので畳の部屋に集合という連絡が入った。
次から次ぎへの慌ただしい展開に闘志に溢れていた私も疲れを感じていた。
「ダラダラせんと、早くこいや!」さっきは涙まで見せた中澤がもう声をあげている。
そうだ!ここが踏ん張り時。
「はぁーい。」大きな声を上げ、ダラダラと歩いている後藤を走って追い越した。
もう集まっている中澤や石黒が
「最近の若い子は・・・」と文句をつけている。
二人の会話に上手く乗りながら、この二人を敵にしてはいけないと誓った。
安倍と飯田。辻と加護。この二組はまた行動を共にしている。
辻と加護に至っては手まで繋いでいる。
福田、後藤は似たような感じで一人でいても気にならないらしくマイペースだ。
石川、市井、吉澤、保田はなんとなく雰囲気をつかめず、まだビクビクした感じだ。
- 16 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)04時04分52秒
- ミーティングが始まった。
話のテーマはまずはリーダー決め。
当然のように中澤が選ばれた。
何故かサブリーダーに飯田が立候補した・・・。のには少し驚いたが。
「まぁ・・・最年長なので一応私がやりたいと思います。」
中澤が挨拶した。誰よりも早く拍手すると中澤の表情がこっちを向いて
少し和らいだ気がした。(よっしゃー。)
テーマが変わりグループを決めて行動しようという話になった。
その時。市井が横に座っている後藤の方をチラチラと心配そうに見ていた。
寝てる!!!
こんな大切な時に、。驚きと同時にある意味感心してしまった。
(やっぱり大物。ただ者じゃない・・・。)
(それともただのグータラ?)
そんな気配を感じたのか後藤はボーっとした表情で周りを少し気にした。
- 17 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)05時28分09秒
- グループ決めは難航し、結局くじ引きという結果になった。
一つ目のグループは石黒、飯田、石川、加護、そして私。
グループ名もということだったのでお互いに意見を出し合った。
「月と海でルナシーなんてどう?」
「ポジティブに!っていう意味でポジティブはどうでしょう?」
(・・・寒い。そのまんまじゃん)
「キティちゃん・・・。」
などいろいろな意見がでたが
飯田のどこから出来てきたかは謎だが・・・
何処かとの交信の結果
「たんぽぽ」となった・・・。
- 18 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)05時28分43秒
- 二つ目のグループは保田、市井、後藤、吉澤。
ここでも
「MACってどうよ!」
「・・・バカやろう」
(それってグループ名かぁ?)
「ベーグル、ゆで卵、ソビエト、どっすーんなんかはどうでしょう?」
とセンスのない意見ばかりだったが、
市井のTシャツのロゴにあった文字(ないだろう・・・)
「プッチ」になった・・・。
三つ目のグループは中澤、安倍、福田、辻。
ここでも
「マロン」「メロン」などいろいろあったのだが
中澤の存在だろうか中澤一人の意見で
「ソロ」となった。
そろそろ適齢期だという意味でも・・・ない。
- 19 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)05時29分30秒
- 適当(?)なグループ、グループ名決めの後は
各グループごとに仕事を分担した。
グループ「たんぽぽ」は本堂の掃除を担当した。
雑巾掛けをする石黒を見つけて駆け寄ってた。
「石黒さん、誰が行くと思います?」
雑巾掛けもそこそこに興味のある質問をぶつけてみた。
「うーん。誰だろう?」
これには石黒も興味があったのか乗ってきた。
「ルックスとかなら安倍とか・・・、吉澤?」
「あと福田って子、歌凄いよね!あと保田も。」
「後藤ってどう思います?あの金髪の?」
石黒の目の色が変わった。
「私もそう思った・・・。」
石黒は言ってしまって「あっ!」というような表情をした。
やっぱり認めたくはないんだろう。
私だってそうだ。
話題を変えるように違う話をふった。
「あの小さい二人は?」
「うーん。結構やるよね。」とだけ言ったが
私もそう思っていた・・・。
小さな二人とあまりチェックをしていなかったが
今日の歌練習の時も驚かされたのだ。
特に加護は全体をよく観察していて、なかなか頭が良さそうだ。
今も雑巾を掛けながらこちらの様子を伺っている。
- 20 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)05時30分09秒
- 石川は必死に雑巾掛けをしている。
細い体で何度も何度も廊下を往復している。
テレビカメラのこともお構いなしのようだ。
余りにも必死にやっていたせいか、過呼吸に陥り
スタッフをハラハラさせている。
真面目なんだけどなぁ・・・なんだかなぁ・・・。
ぶりっこじゃないけどぶりっこに見える。
「矢口さん・・・ハァハァ・・・ここもやっておきました。」
「うん。わかった・・・。」
何だか苦手・・・。
飯田も雑巾を掛けている。
でも何メートルかに一度は目が何処かに行っている。
この人は本当に解らない・・・。
(天才なのかも?)
でも飯田は背の低い私は本当には羨ましいルックスをしてる。
顔も可愛いのに・・・。何故か変。
まぁいいかぁ・・・。
スタッフが見てる。早く雑巾掛けしなきゃ!
急いで廊下の端から端まで勢いよく掛けた。
- 21 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)05時31分47秒
- 疲れました・・・。
また寝たら書きたいと思うのでよろしくです。
感想とかもよかったら聞かせて欲しいです!
- 22 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月29日(金)07時03分43秒
- 面白い設定ですね。
この先どうなってゆくのか楽しみです。
- 23 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)08時30分29秒
- 22さん。どうまありがとうです。
今日は休みで昨日から徹夜状態です・・・。
頑張りますんで今後ともよろしく。
- 24 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)08時32分16秒
- 食事を担当したのはグループ「ソロ」だった。
中澤を中心にしていたが、安倍の方が料理上手だった。
母親が看護婦をしていた為に、実家では姉妹で
よく料理を作っていたらしい。
安倍が作っている傍から、辻が味見と証して
パクパクとよく食べている。
「太るで!ほどほどにしときやぁ。」
中澤も辻には強く言えず、あきれ顔である。
本堂の掃除を終えて、自由時間だったのだが
気になって仕方がない。
自主練習をすればいいのだがそうはいかないのだ。
福田は皿を洗ったりと地味な仕事を黙々とこなしている。
年下のながら、カッコいい。
辻と同じ学年とは思えない。
(まだ食べてるよ・・・・将来太るかも?)
「美味しいれす・・・。」
でもなんだか可愛いぞ・・・いいのか?
- 25 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)08時33分24秒
- 畳の部屋では今日は当番のなかったグループ「プッチ」が
自由時間を利用して、自主練習をしている。
本堂の掃除を終えた「たんぽぽ」のメンバーも数名いる。
保田は廊下の方に向き、1人ウォークマンをしながら
リズムをとっている。
噂では歌手になる為に高校を中退したらしい・・・。
気合の入り方が半端じゃないようだ。
みんな歌が好きなんだよなぁ・・・・。
なんだか熱い思いが胸をつきあげた。
あの子もあの子も・・・みんな・・・。
見回すとみんな練習している。
誰だってこのチャンスが欲しいんだ。
あっ!後藤もヘッドホンをして練習してる。
あの子だって同じだもんね。
「後藤さんちょっといい?」
同じ年の吉澤が声をかけた。
「んんぁ・・・。何ぃ?」
「もうご飯かなぁ?後藤お腹すいたよぉ・・・。」
曲を聴きながらまたウトウトしてしまったらしい。
(また寝ていた・・・。こんな子には負けたくない。)
心の中で吉澤はライバルは後藤!と強く思った。
そして、そんなことは全然知らなかった・・・。
- 26 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)08時34分17秒
- 熱い思いのまま、練習を続けていると
同じく練習をしている市井と目が合った。
何となく話をしたそうにモジモジしている市井のもとに
自ら歩み寄って見た。
「市井さんだよね?ドリカム歌った。」
「うん。大好きなんだ吉田美和」
「あの人に憧れてるし、励まされたんだ。」
「励まされる?」
意外だった、こんなに喋る子とは思わなかったし、
話にも興味が沸いた。
「うん。親が離婚したり、虐められたり色々あったんだ。」
「でもドリカムの曲聴くと、勇気出たんだ!」
「頑張ろうって・・・」
「うん。」
「うん。」としか言えなかった。
地味に見えた彼女のキラキラした瞳を見ると
なんとなく眩しく見えた。
「だから私も歌手になって、誰かに伝えられたらって・・・。」
初めて会った私に話をしてくれた事がなんだか
嬉しくてたまらなかった。
私もそうだった。誰かに何かを伝えたい。
私はみんなに笑顔になって欲しかった。
私を見るとみんな笑顔になるように、楽しくなるように
私もいつも笑っていたいと思ってた。
歌でもドラマでも何でもいいから芸能人になりたかった。
このオーデションに受かることばかり考えて
こんなに簡単な事を忘れてしまってた。
- 27 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)08時35分05秒
- 「食事やでぇ!」
中澤の声が聞こえる。
「本当にぃー。」
一番に走って中澤の隣に座った。
「超すごぉい!中澤さんって料理上手ですね!」
お世辞も板に付いてきた。
みんなも集まりだした。
ふと見ると後藤の姿がもうある。
(この子も分ってきたんじゃない)
随分行動の早くなった後藤に感動していた。
そんな後藤を吉澤は隣で忌々しい目で見ていた。
メニューは大勢集まる食事といえばコレ!というように
カレーライスとサラダ。
みんな美味しい、美味しいと食べた。
辻と後藤はおかわりもした・・・・。
食の細い石川は
「もぅお腹一杯なんですぅ・・・、ごめんなさい。」と
本当に苦しそうに残していた。
気になったのは石黒だ。
本当に少ししか食べていなかった。
「美味しくなかったぁ?」としきりに安倍が心配している。
「うんん。ちょっと食欲なくて・・・ごめんね。」
石黒はああ言っているが、殆どの人間が
(太りたくないんだ)と心の中で思っていた。
そういえばオーデションの時も以前よりかなり体重を
落としたって言ってたような気がする。
- 28 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)08時35分40秒
- 「皆さんも食べてくらさい。」
そんな雰囲気の中、辻と加護がお菓子を出してきた。
(まだ食べるのかよぉ・・・。)
「そんなに食べたら、いつかどっかんどっかん太るって。」
中澤がまた注意していた。
言葉はきついが意外にその言葉に愛を感じた。
面倒見のいい人なのかな?段々と中澤に対するイメージも
変化してきた。
「あっ、ありがと・・・」
福田が後藤に昆布をもらっている。
(まじっすかぁ)市井もそんな目で見ている。
お菓子を持ってきたのは辻・加護だけではなかった。
渋いチョイスではあるが後藤もおしゃぶり昆布とピスタチオを
持ってきていた。
後藤は吉澤や周りにも渡そうとしているが福田以外
受け取ろうとしない。
二人で黙々と昆布を食べる姿をただ眺めることしか
出来なかった。
後藤と福田の恐ろしさを感じながら・・・。
- 29 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)08時36分34秒
- 食事も終わり、後片付けも済んだ。
皆でお風呂にも入った。
辻・加護が走り回ったり(辻は転倒する)
安倍も意外なところで潜水を披露した。
(室蘭スイミングスクールに通っていたらしい)
石川は最後まで
「恥ずかしぃんですぅ・・・。」
と言っていたが、体に似合わない巨乳っぷりだった。
自分の胸もシゲシゲ見てみたが悲しくなったので止めた。
保田は何故か意味なく凄い技。
手で水鉄砲。を上手に飛ばしていた。
それを見た吉澤は物凄く感動したらしく。
「保田さんかっけーぇ!」
を連発していた。
後藤は浴槽の淵で人魚のポーズを披露した・・・。
消灯時間。
真っ暗になった布団の中で長かった一日を振り返った。
本当に色々なことがあった。
そしてそれを思い返すうちにライバルのはずの
他のメンバー達が余り嫌いではないような気がしてきた。
それどころか何だか不思議な連帯感さえ生まれているような
気がしてくるのだ。
(ダメダメ)
オーデションなんだ!オーデションなんだ!
呪文のように心で唱えているうちに深い眠りについた。
《一日目終了》
- 30 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)08時40分17秒
- やっと1日目終了です・・・。
なんだかめちゃくちゃな所もありますが
初めて書いたわりには長く書けてます。
色々と間違ってる(誤字・脱字等)あると思いますが
初めてということで許してください。
- 31 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月29日(金)13時37分25秒
- 全メンバーでオーディション合宿かぁ・・・何か面白い設定ですね。
どんな展開になっていくのか楽しみ・・・やっぱりカップルはできるのかな?
初めての作品みたいだけど良い感じですよ!!最後までがんばって!!!
ageてもいいのかな?とりあえずsageで
- 32 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)21時45分46秒
- 昨日の夜は疲れていたのか皆、すぐに眠りについた。
何かあったかとすれば、飯田が夜中に突然
「ディアーー。」
と叫び、皆を怖がらせたぐらいだ。
本堂でのおつとめ(相変わらず後藤は居眠りをする)や
朝食(辻・後藤はおかわりをする)をすませると
スタッフが今日のスケジュールを説明した。
午前中はダンスレッスン。
昼食。そのあと自由時間(自己練習)
午後からは歌のレッスン。
掃除、食事の用意などもある。
・・・・今日もキツイ。
周りを見回すと明らかに昨日よりもテンションの
低い子もいる。
なんとなく悪い胸騒ぎがし、何か起こるような気がした。
- 33 名前:アオ 投稿日:2001年06月29日(金)21時46分27秒
- ダンスレッスンが始まった。
元trf?にいそうでいなさそうな、女の人だった。
「ダンス担当する夏です。よろしく」
と挨拶をすると、後ろでテープの準備をして
いきなり踊りだした。
・・・・。
恥ずかしぃい・・・、何これぇ?
辻と加護は顔を見合わせて笑ってる。
それもそのはずだ。イメージしていたダンスとは大違い。
曲には「ぴょん」だの「うぉうお」だの「フワァフワァ」だのが
頻繁に出てくるし。
みんなの寒−い雰囲気を感じ、夏は
「出来そ?感想聞いてみようかな?」
「じゃ、福田。」
一番端に座っていた福田と目が合ったのだ。
(うわぁー言えなそぉ・・・)
「かっこいいと思います。」
(えっ・・・)
「キッチリ出来ればかっこいいです。」
瞬きひとつしないで、ハッキリ言い切った。
(やっぱりこの子かっこいい。)
皆の空気が変わるのを感じた。
「ハイ、じゃあ最初からやるよ。」
夏も意外な答えに驚いたようだったが(ふうん)とした
感じを見せる程度でダンスの練習を始めた。
- 34 名前:11 投稿日:2001年06月30日(土)03時40分58秒
- すごいペースで更新してますね〜(w
読んでる側としてはうれしいことですが・・・。
この先も無理せず頑張って下さいね。
市井ちゃんはこの合宿中に化けるのかな〜・・・?
- 35 名前:名無し読者 投稿日:2001年06月30日(土)05時25分17秒
- 明日香かっけー
作者さん頑張ってくださいね
- 36 名前:アオ 投稿日:2001年06月30日(土)22時23分48秒
- 34さんどうもありがとうです。
初作品なせいかどんどん書けて・・・。
(質は疑問ですが・・・)
まあ頑張ります!
- 37 名前:アオ 投稿日:2001年06月30日(土)22時25分02秒
- 本格的にダンスのレッスンを受けたことの
ある人間がいなかった為か、それ程のレベルの差はなかった。
しかし少しづつ、遅れる者も出てきた。
突然バタンと後ろの方で大きな音がした。
石黒が倒れていた。
「石黒さん!」
「大丈夫!」
周りから沢山の声が飛んだ。
「大丈夫?石黒?」
夏も心配そうに駆け寄る。
スタッフもなにやら話をしている。
(そういえば全然食事摂ってなかったけ・・・)
「石黒さんダイエットしてたんです、だから・・・食事も取れなくて」
今にも涙を流さんばかりの安倍が声をあげた。
(えっ・・・。言っていいの)
みんなもそれは薄々気がついていたのかもしれない。
でも自分達の置かれている状態ではそこまで立ち入ることが出来ない。
スタイルは良く見せたいし、その為の努力と思えば何も言えない。
普通の友達だったら、心配して気軽に注意出来ただろう。
連帯感のようなものも確かに感じていたが、
それと同時にライバルであるという事実も消えてはいない。
- 38 名前:アオ 投稿日:2001年06月30日(土)22時26分13秒
- パタパタという音が聞こえてくる。
後藤が部屋の横に寝かされている石黒の横でうちわを使っている。
加護も心配そうにグラスに入った水を差し出している。
「ののお菓子持ってるれす。」
辻もお菓子の入った自分のバックをゴソゴソさせている。
優しい空気が流れていた。
「仲間だけどライバルってだめなんですか?」
「困ってたりしたら助けたりとか、心配するのは普通のことだと思うし。」
「でもライバル!自分の夢を実現させるのって・・・ダメかなぁ。」
市井がゆっくりと皆に問い掛けた。
皆黙っていた。
黙っていたけど、皆考えていた。
それぞれの答えを探していた。
横になっている石黒の横にみんな自然に集まっていた。
優しい表情でうちわを使う後藤を吉澤は見ていた。
その吉澤もまた優しい表情をして後藤を見ていた。
吉澤はなにか答えが見つけられそうな気がしていた。
- 39 名前:アオ 投稿日:2001年06月30日(土)22時29分41秒
「安倍さんの言ってることが正しいんじゃないの!」
「体壊してまでするのはダイエットじゃないよ・・・。」
保田が安倍をかばった。
「でもこの場で言うことと違うんちゃうん。」
「カメラだって回ってるし・・・。」
「ライバル・・・なんだよ。」
「この中から選ばれるんだよ。」
厳しい表情でカメラの方を睨みながら中澤が言った。
皆黙ってしまった。
仲間として付き合うのか?
ライバルとして付き合っていくのか?
この二つの中に答えはないような気がしていた。
- 40 名前:アオ 投稿日:2001年06月30日(土)22時31分25秒
- 38と39逆なにってしまいました。
すいません。
訂正のしかたがわからないんですいません。
- 41 名前:アオ 投稿日:2001年06月30日(土)22時32分36秒
- 石黒は休んでいたが、その後もダンスレッスンは何事も
なかったかのように続いた。
いろんな思いが頭の中をグルグルと巡っていたが、
そんな思いを吹き飛ばすようにダンスレッスンに打ち込んだ。
練習を続けるうちにあることを思った。
(私はダンスじゃ目立てなそう・・・。)
周りを見ても、背の高い子は踊っている姿がダイナミックで
さまになっているのだ。
それに比べると、どうしても背の低い私は不利なような気がする。
「ハイ、じゃあ今日はここまでにします。」
「集合して。」
夏がみんなに声をかけた。
「今日はここまでにします、明日までに今の
ところまでは完璧にしておくこと。
あと・・・ラストの部分。
あそこは各自アレンジを考えてきて。」
(ラストのアレンジかぁ・・・)
難しい注文だったが、なんだかワクワクした。
「アレンジだって?矢口さん」
市井が声を掛けてきた。
声を掛けてきた市井に驚いていると、
「大丈夫?石黒」
一番先に石黒の元に駆け寄る中澤の姿があった。
大人としての厳しさも持っているが、
面倒見の良い、姉のような優しさを感じた。
- 42 名前:アオ 投稿日:2001年06月30日(土)22時33分20秒
- 昼食準備をしているグループ「プッチ」を除き
みんな自由時間をそれぞれに過ごしていた。
みんな歌の練習やダンスの振りを確認したりしている中
石川だけひとりボーっとした表情をしていた。
「どうかした?」
何となく声を掛けていた。
「あっ!いいえ」
「何でもないんですぅ。」
無理に笑顔を作っているのが痛々しかった。
少しの沈黙の後
「私だけ歌も下手だし・・・、ダンスだって・・・自信ないし。」
「みんなは凄く上手く見えて、私だけ・・・って」
「何だかネガティブになってきちゃって。」
可愛い声で言い、うつむいた。
(・・・・。)
「私だってコンプレックスばっかだよ。」
「背は低いし・・・。厚底脱げなかった。」
「昔はずっとそう思ってたけど、今はこれが私だって。」
「小さい私をチャームポイントに出来た。」
「ポジティブシンキング!」
自分で確認するように言った。
「ポジティブ・・・。」
ですか。
「うん。そうだよ」
「だって石川さん可愛いよ。声だって可愛いし」
「魅力的な声だと思うけどなぁ。」
「お昼できたよぉーー。」
保田の声がした。
「お昼だって、早くいこっ!お腹すいたよね?」
石川の背中を押した。
「ありがと・・・。」
小さな声だったけど、とびっきり可愛い声がした。
聞こえないふりをして食堂に向かった。
- 43 名前:アオ 投稿日:2001年06月30日(土)22時34分10秒
- メニューはスパゲッティーと春巻きという
滅茶苦茶なものだった。
「なにこれー。スパゲッティー全部固まってる!」
フォークにささった麺を安倍が持ち上げて言った。
「オイルとかバターとかにからませるといいんだけど?」
料理上手な安倍が言った。
「フライパンで茹でたんだよね?」
全く気にしていない表情で後藤が吉澤に声を掛けた。
「この春巻きもぉ。」
「具が春雨だけじゃない?」
飯田が不思議そうに中を見ている。
「後藤さんがイメージ崩れるから春雨だけって・・・ね?」
後藤の方を見て言った。
なんだか仲良くなってるあの二人。
(それにしてもこの二人は・・・独特の料理センスで・・・。)
「でも美味しいレス。」
辻はパクパク食べている。
「美味しいレス。」
加護は辻のまねをしてみんなの笑いをとった。
「石黒さんに食事。」
福田が声をだした。
そうだそうだという雰囲気になった。
「でもこのメニューはどうしたもんだろ・・・。」
中澤が笑いながら言った。
「私なにか。あっお粥でも作って持っていくよ。」
安倍がさっと食堂に向かった。
私達は確実に連帯感を増していた。
- 44 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月02日(月)03時00分28秒
- 食事中の風景が和やかな雰囲気でいい感じです♪
- 45 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月14日(土)06時44分31秒
- どういうラストに持っていくのか・・・
期待してます!
- 46 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月26日(木)01時55分27秒
- もう書かないのかな?
- 47 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月30日(月)00時54分13秒
- 結構面白いよ
続きキボンヌ
- 48 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月03日(金)00時13分34秒
- さあ、続きを!
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