インデックス / 過去ログ倉庫 / 掲示板
メンバー全員集合!!!モーニング女学院☆
- 1 名前:とみこ 投稿日:2001年07月05日(木)21時28分30秒
- 4月の風が 花びらを空に舞いあげる 満開の桜の木の下で―――
『どや?吉澤、1年ぶりにこの学校に帰ってきた気分は。』
『・・・すごく懐かしいです。』
『そうか〜。吉澤はずいぶん変わったなぁ。背も高くなって。』
『中澤先生は相変わらずですね。』
『なんやねん、それ。』
- 2 名前:とみこ 投稿日:2001年07月05日(木)21時31分00秒
- え〜と、メンバーが全員出てきます。
もちろん吉澤が主役。そして相手役のメインは飯田です。
ライバルとして石川、後藤がよくでてきます。
ではよろしくおねがいします。
- 3 名前:とみこ 投稿日:2001年07月05日(木)21時31分43秒
- ここは私立モーニング女学院。都内でも有名な女子校だ。
ひとみは親の都合で1年前に転校し、再びこの学校に戻ってきたのだ。
『中澤先生、後藤さんは何組ですか?』
『後藤?あいつもD組やで。』
『ホントですか?真希、元気かなぁ・・・。』
『あいつなぁ、吉澤が転校してから学校来てへんで。』
『え・・・なんでですか?』
『なんか友達もあまりおらへんみたいやし・・・。』
真希というのは、中3の時の大親友である。
『そろそろ時間や。吉澤、教室行くで。』
『はい。』
―ほんとに帰ってきたんだ。この街に…この学校に―
しばらくすると、D組の教室の前についた。
『ちょっと待っててや。』
中澤はドアを開けて、教室に入った。
『今日は転校生を紹介する。』
転校生と聞いて、少し騒がしくなった。
『吉澤、入って来い。』
ひとみは教室に入った。
すらっとした色白の長身美少女に、みんなが注目した。
中澤はひとみの背中をポンっとたたいた。
『えっと・・・吉澤ひとみです。よろしくお願いします。』
ひとみは軽くおじぎをした。
『えーと、吉澤の席は・・・後藤の隣や。』
中澤は、1番後ろの席に座っている茶髪の少女を指差した。
『真希・・・?』
ひとみは茶髪になった真希を見て、1年前の金髪が懐かしく感じた。
『まぁ1年前みたいに仲良くしてやってや。』
ひとみは大きくうなづくと、真希の隣の席に座った。
どうやら真希は寝ているようだ。
『おーい、真希〜。』
『・・・ん〜?』
真希は目をさましてひとみの方を見た。
『・・・・誰?』
『あたしだよ。吉澤ひとみ。』
『ひとみ??』
真希は目をこすってもう1度ひとみを見た。
『・・・・夢?』
ひとみはクスクス笑っていた。
『夢じゃないよ。帰ってきたんだよー?』
『・・・・ホントに?』
ひとみはニコっと笑って真希の手を握った。
『ただいま。』
- 4 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月08日(日)15時51分23秒
- 期待age
- 5 名前:とみこ 投稿日:2001年07月08日(日)19時08分34秒
放課後、ひとみと真希は校庭のベンチにすわって話していた。
『超ビックリしたよ〜。久しぶりに学校来てみたらひとみが隣に座ってるんだもん。』
『あたしも真希が茶髪になっててビビったよ。』
『いやぁ、キンパだと裕ちゃんがうるさいんだよねー!』
『でも茶髪も似合ってるよ?』
『やっぱり?』
真希は無邪気に笑った。
『あ、そろそろ行かなきゃ!』
『何か用事あるの?』
『うん、ちょっとね。バイバイ!』
真希は慌てて帰って行った。
『あれ?よっすぃ〜!?』
1人の少女がひとみのもとに走ってきた。
『矢口先輩!』
彼女は高等部3年、矢口真里。上下関係のこだわらない性格から、後輩にも大人気だ。
『うわー!なんか懐かしいね〜!よっすぃ〜また背伸びた?』
『かなり伸びましたよぉ!』
2人がはしゃいでいると、1人の小柄な少女が走ってきた。
『よっすぃ〜!!』
『梨華ちゃん!久しぶり〜。』
高等部2年、石川梨華。いかにも女のこらしい彼女は先輩に大人気だ
『あれ?ナッチ、あれよっすぃ〜じゃん?』
2人の少女がひとみのもとに走ってきた。
『飯田先輩!安部先輩!』
『吉澤、元気してたかぁ?』
ひとみより少し背の高い彼女は、高等部3年の飯田圭織。長くてツヤのある髪がとても美しい。
『もーよっすぃ〜さみしかったよー!』
もう1人のおっとり系の少女は、圭織と同じく、高等部3年の安部なつみ。校内でも大人気の美少女だ。
『吉澤せんぱ〜い!』
今度は背の小さい2人の少女が走ってきた。
『亜依ちゃん、希美ちゃん!』
中等部2年の加護亜依と辻希美だ。
『元気してた?』
ひとみは2人の頭をなでた。
―1年ぶりに仲間に会えた。懐かしい気持ちで胸がいっぱいになった―
- 6 名前:とみこ 投稿日:2001年07月09日(月)20時30分47秒
- すみません、たくさん書いてコピーしてどんどん更新しようと思ったんですけど、
今からいっきに思いついた事書いていきたいです。
一応リクが多かった『よしかお』メインで。
その他にもなんでもリクしてください。
- 7 名前:とみこ 投稿日:2001年07月09日(月)22時15分05秒
- ―3年前・・・―
『部活かぁ・・・。』
ひとみは廊下の掲示板をじっと見ていた。
バレー部、吹奏楽部、テニス部、陸上部・・・いろんな部活のポスターが貼ってある。
『あの・・・。』
ひとみのうしろに立っていた少女がひとみに話しかけた。
『はい?』
ひとみは振り向いて返事をした。
『あの、何年生ですか?高等部の先輩ですか?』
少女の意外な言葉にひとみはびっくりした。
『え、あの・・・中等部の1年ですけど・・・。』
『え?あ、すみません・・・。背高かったから先輩かと思って・・・。』
『よく言われるよ。あたしはB組の吉澤ひとみ。』
『あ、F組の石川梨華です。よろしくね。』
- 8 名前:とみこ 投稿日:2001年07月09日(月)22時35分45秒
- とりあえず過去編に入りました。
最初はよしりかの物語です。
- 9 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月09日(月)23時35分44秒
- お!!これだね。
楽しみにしてるよん。がんばってねん
- 10 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月10日(火)00時25分07秒
- よしりか!!
でもよしかお
- 11 名前:とみこ 投稿日:2001年07月10日(火)21時32分23秒
- ―ひとみ視点―
初めて友達ができた。
名前は石川梨華ちゃん。
男っぽい自分とは違って、しぐさも声も女の子らしい。
『石川さん、一緒にお昼しない?』
『うん!どこ行く?』
『えっとね・・・近くにベーグル専門店があるんだけど…。』
『いいね〜。行こう!』
そう言って梨華ちゃんはニコっとかわいらしく笑った。
『何がオススメ?』
お店に着いて、梨華ちゃんはメニューを見るなり私に聞いた。
『う〜ん、石川さんの好みかどうかはわからないけど、あたしはこれかな。』
『エッグトマト?』
『ゆでたまごとトマトが入ってるんだよ。おいしいよ!』
『ふ〜ん。じゃぁあたしもこれにする!』
『じゃぁ、エッグトマト2つ。』
- 12 名前:とみこ 投稿日:2001年07月10日(火)21時34分50秒
私と梨華ちゃんはベーグルを持って近くの公園に行った。
『石川さんはさ、彼氏いるの?告られた事とかあるでしょ?』
私はベーグルの包み紙を開きながら聞いた。
『いないよ〜。告白された事はあるけどね。吉澤さんは?』
『彼氏はいないけど、告白された事はある。でも女の子にね。』
『女の子に?あ〜でもそんな感じするー。』
『え〜??』
『だって吉澤さんカッコイイもん!』
『い、石川さんだってかわいいよ!』
ぎこちない会話がなぜかうれしくて、私はついニヤけてしまった。
『ひとみちゃんってよんでいい?』
『え?』
『なんかぎこちないからさ。』
『じゃぁ・・・梨華ちゃんってよんでいいのかな?』
『もちろん!』
2人は顔を合わせてニコっと笑った。
- 13 名前:とみこ 投稿日:2001年07月11日(水)17時41分29秒
- ―数日後・・・―。
『梨華ちゃん。』
『あ、ひとみちゃ〜ん。』
『テニス部終わった?一緒に帰ろ〜。』
『うん。あとはラケット片付けるだけ。』
『あ、あたし持つよ!重いでしょ。』
『ありがとー。』
ひとみと梨華はテニス部の部室に入った。
『あ〜疲れた〜。』
『大丈夫?無理しない方がいーよ。』
『・・・ひとみちゃんって優しいね。』
『そ、そうかな・・・。』
2人の間に少し沈黙が続いた。
『・・・・2人っきりだね。』
梨華は下を向いて言った。
『・・・・うん。』
『あのさ・・・ひとみちゃんはあたしの事どう思ってる?』
梨華の質問を予想していたのか、ひとみは戸惑うことなく、梨華にそっとキスをした。
『・・・・ひとみちゃん?』
『・・・・ごめん。』
ひとみは部室を出ようとした。
『・・・ひとみちゃん!』
梨華はひとみを後ろから抱きしめた。
『あたしひとみちゃんが好き。いつまでも友達のままは嫌だよ・・・。』
梨華に抱きしめられたまま、ひとみが答えた。
『・・・・ごめん。付き合うのはできない。』
『・・・なんで?』
梨華はひとみから手をはなした。
『お遊びのキスだから。』
それだけ言い残すと、ひとみは部室を出た。
- 14 名前:とみこ 投稿日:2001年07月11日(水)17時44分49秒
- 次の日、ひとみが下駄箱に行くと1人の少女が立っていた。
『あんたさ、梨華っていう人好きじゃないの?』
『・・・・あんた誰?』
『1年C組、後藤真希。』
『・・・後藤サンには関係ないっしょ。』
ひとみは真希の隣を素通りした。
『じゃぁなんでキスしたんだよ。』
ひとみは立ち止まって真希の方を見た。
『・・・・したかったから。』
『は?そんな軽い気持ちで・・・』
バン!
ひとみは真希を壁に押し付けた。
『あんたさ、梨華のなんなわけ?しつこいよ。』
『・・・・梨華の事が好きなの。』
真希は真剣な目でひとみを見た。
『・・・じゃぁこうしてあげる。』
ひとみは強引にキスをした。
『んっ・・・。』
ひとみは真希から手をはなした。
『間接キスだね。』
その場に立ちすくんだ真希を横目で見て、ひとみは去って行った。
- 15 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月11日(水)18時26分55秒
- よしこ黒いなぁ〜
- 16 名前:とみこ 投稿日:2001年07月11日(水)22時20分29秒
- >15
なんか黒よしこになっちゃって…。(笑)
でも結構好きなんですよね〜。
真希や梨華の事で悩んでいるひとみを、かおりが助けると!
っていう、みんなのリクで『よしかお』やりますよぉ〜〜〜!!!
末永く見てやってくださいな。
- 17 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月12日(木)00時08分13秒
- 黒よしいいっすねぇ。
- 18 名前:とみこ 投稿日:2001年07月13日(金)21時24分54秒
- ひとみは教室に入った。この時間ではまだ誰もいない。
どうして梨華にキスしたの・・・?どうしてお遊びのキスだなんて言ったの?
ひとみは自分に問いかけた。でも・・・答えは見つからない。
ただ1つわかるのは、自分がいる世界がつまらなくて。梨華に逃げ込もうとしている事。
梨華の気持ちをちゃんと受け止めなきゃいけないのに・・・。
ガラガラ・・・
突然、教室のドアがひらいて、1人の少女が入ってきた。
『・・・・誰?』
ひとみよりもだいぶ背の低い金髪の少女。
『えっと・・・吉澤さんだよね?』
『そうですけど…。』
『やっぱり!背高いね〜。カッケー!』
ひとみは少女のテンションに少し退いた。
『あ、あたしは3年A組の矢口真里。よろしくね。』
『あ、よろしくおねがいします…。』
少女はひとみに1枚のメモを渡した。
『なんですか?これ。』
『あ〜!まだ見ちゃダメだよ。あ、それと・・・』
少女はひとみにピンクの封筒を渡した。
『これは石川から。』
『え?梨華と知り合いなんですか?』
『うん。同じマンションなの。あ、今日は学校休むってさ。』
『そ、そうですか・・・。』
『心あたりあるんじゃないのぉ?』
『はい・・・。』
『まぁがんばれよ!』
真里は教室を去って行った。
ひとみは梨華からの手紙を読み始めた・・・。
- 19 名前:とみこ 投稿日:2001年07月14日(土)21時38分50秒
- DEAR ひとみちゃん
昨日のキスは本当にお遊びのキスなの?
ひとみちゃんは優しいからそんな事ないよね?
もし本当にお遊びのキスでもうれしかった。
だって私はひとみちゃんが好きだから。
だからひとみちゃんにも私を好きになってほしいの。
返事待ってます。
by梨華
PS部活で少し無理しすぎたので明日も学校を休みます。
ひとみは梨華の手紙をポケットにサッとしまって、走って学校を出て行った。
梨華のもとへ向かうために。
- 20 名前:とみこ 投稿日:2001年07月14日(土)21時41分16秒
- あー疲れた。(−_−)
- 21 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月14日(土)23時39分59秒
- お疲れさん( ̄∇ ̄)
でも、頑張ってねΨ( ̄∇ ̄)Ψ
- 22 名前:とみこ 投稿日:2001年07月16日(月)19時34分39秒
- ―ひとみ視点―
何分くらい走っただろうか・・・。頭には梨華の事しかなかった。
自分の頭の中が梨華の事でいっぱい…。梨華の事が・・・・好き?
ならどうしてあの時のキスをお遊びのキスだなんて言ったの??
でも今考える事はひとつ。
―梨華に会いたい―
40分くらい走った。きっと学校では遅刻扱いされるだろう・・・。
でもそんな事どうでもいい。梨華にしたことは自分で責任をとらなきゃいけない。
ちゃんと気持ちを受け取ってあげないといけない。けじめをつけなきゃ・・・。
豪邸が並ぶ住宅街の中で、一段と大きな門を構えた4階建ての家の前についた。
大理石の表札には『石川』と書いてあった。ひとみは息を飲んで、
インターフォンを・・・押した。
- 23 名前:とみこ 投稿日:2001年07月16日(月)19時38分14秒
- >18
バカやってしまいました。
マンションっていったのに豪邸とか書いちゃった。
やっべー!!!ちょっと甘くみてやってください。
- 24 名前:とみこ 投稿日:2001年07月18日(水)21時19分31秒
- 質問。
sageとかageってなんですか?
萌えってなんですか?
マターリって何???
ここの業界用語教えてください!
- 25 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月18日(水)21時59分45秒
- >>24 板の一番上にある
「★ご利用の前に」をよく読みましょう。
age,sageについては「小説板自治スレ(初心者案内)」に書いてあ
ります。
- 26 名前:名無し読者 投稿日:2001年07月29日(日)18時37分49秒
…う〜ん。黒よっすぃ〜かぁ…。
このまま、いしよしでいって欲しいですな♪
おもしろいです。頑張って下さい!
- 27 名前:とみこ 投稿日:2001年07月30日(月)09時56分40秒
- インターホンを押してからの数秒間、ひとみの頭の中で色んな考えがよぎっていた。
梨華に会ったら、なんて言えばいいのか…。ここに来た理由さえもまとまっていないのに。
『はい。』
インターホンから聞き覚えのある、あの声が返事をした。
『・・・ひとみちゃん?』
言葉の出ないひとみに対して、梨華は名前を呼んだ。
『うん。』
ひとみはその一言しか言えなかった。
『ガチャ』
突然玄関のドアが開いて、梨華が駆け寄ってきた。
『ひとみちゃん…会いたかったよ。』
梨華はひとみに抱きついた。
『梨華・・・・。』
梨華の長い吐息がひとみの胸に熱くしみる。
まるで、今までの思い出がすべて消えていくように、その熱はすぐに消えた。
『家、あがって。』
梨華はひとみの腕を引っ張って家の中へ連れて行った。
- 28 名前:ラヴ梨〜 投稿日:2001年07月30日(月)15時16分46秒
- 期待な展開だ♪
梨華ちゃんが健気でカワイイし
このままいしよしになってくれないかな〜
- 29 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月01日(水)00時13分13秒
- 作者がんがれ
- 30 名前:とみこ 投稿日:2001年08月01日(水)13時47分16秒
- 『・・・体調はどう?』
梨華の部屋に入るなり、ひとみは心配そうに聞いた。
『ちょっと疲れてただけだから、もう平気よ。』
『そっか・・・。』
『・・・わざわざ来てくれたの?』
『うん、心配だったから。』
『ありがと…。』
『て、手紙よんだよ。』
『え…あ、うん。』
『ごめんね、あんな事して。』
『…ううん、あたしこそ。』
『あたしも梨華の事好きだよ。』
『・・・ホント?』
『うん、恥ずかしくって…お遊びのキスだなんて言ってゴメンネ。』
『…うん。』
―これで彼女は救われたはず。私は…彼女を助けだす為だけに…―
- 31 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月01日(水)13時52分20秒
- 過去編=現在
戻りま〜す。
- 32 名前:とみこ 投稿日:2001年08月01日(水)14時00分21秒
- ―ひとみ視点―
『行ってきまーす。』
モーニング女学院に戻ってから、2週間がたった。
懐かしい仲間とも一緒にいるのが当たり前になってきた。
『あれ?ごっちんじゃん。』
『おっす!迎えにきちゃった。』
『あ…まさか!』
『自転車乗せてってくれ!』
『…はぁ。』
- 33 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月03日(金)14時47分53秒
- 一つだけ言わせてもらうと、過去シーンの時に→『』使って
現在のときには→「」使ったほうが見やすいよ!
内容はすごく(・∀・)イイ!
- 34 名前:とみこ 投稿日:2001年08月09日(木)12時35分56秒
- >33
アドバイスありがとうございます。
- 35 名前:とみこ 投稿日:2001年08月12日(日)20時21分03秒
- 快い風が、自転車の足を軽くする。
「ひとみぃ〜!もっととばせぇぇ!」
「うっさい!黙っててよぉ〜!」
2人が乗った自転車は左右に動きながら学校に向かった。
「梨華ちゃぁ〜ん!」
2人は自転車を梨華の目の前で止めた。
「うわぁ!ビックリした〜。」
梨華は目をパチクリさせていた。
「あはは〜。梨華カワイー。」
「もー!真希ちゃんバカにしないでよぉ!」
ひとみと真希は自転車から降りた。
3人は高等部の廊下を歩いていた。
「梨華ちゃんと真希って、幼なじみなんだよね?」
「「うん!」」
2人は声をそろえて返事をした。
- 36 名前:とみこ 投稿日:2001年08月12日(日)20時22分29秒
- 真希と梨華の過去編を書きたいと思います。
- 37 名前:とみこ 投稿日:2001年08月12日(日)20時33分25秒
- 『これ、後藤さんのプリント?』
梨華は真希にプリントを渡した。
『あー、名前書いてなかった?』
『うん。』
『よくわかったね。』
『うん。後藤さんの字ってカワイクてすぐわかるの。』
『ホント?石田ってすごいね〜!』
『・・・石川です。』
- 38 名前:とみこ 投稿日:2001年08月12日(日)20時40分23秒
- 入学式から5日が経った。
『これ、後藤さんのプリント?』
『あ、ごめんごめん。また名前書き忘れちゃった!』
『あのね、後藤さんと…その…。』
『ん?』
『お友達になりたいの。』
『え…?』
『あ、ごめんなさい!嫌だったいいんです!』
『いや、あたしも梨華ちゃんと友達になりたいな』
『初めて名前で呼んでくれたね。』
『へへっ。』
真希は顔を緩めた。
『ふふふ。』
梨華は口に手を当てて笑った。
『笑い方もお上品だね。』
『笑い方も?』
『うん。梨華ちゃんってなんでもお上品。』
『え〜、でも、真希ちゃんカッコイイよ!カッコイイから友達になりたかったの。』
『ホント?ありがとー梨華ちゃん』
- 39 名前:とみこ 投稿日:2001年08月12日(日)20時41分45秒
- >>37
石田=「さん」付け忘れ。
- 40 名前:とみこ 投稿日:2001年08月12日(日)20時45分55秒
- 『真希ちゃん!』
『梨華ちゃん、どうしたの?』
『あのね、B組の吉澤さんと友達になったのっ!』
『ヨシザワさん?誰それ?』
『なんか背高くて先輩みたいで、カッコイイのぉ!』
『あたしより?』
『真希ちゃんと同じくらいだよっ。』
『ふ〜ん。見てみたいなー。ヨシザワっていう人。』
『カッコイイよぉ〜。へへへっ。』
梨華は顔を赤らめた。
- 41 名前:とみこ 投稿日:2001年08月12日(日)20時46分32秒
- 過去編まだまだ続きます。
- 42 名前:とみこ 投稿日:2001年08月15日(水)10時58分08秒
- ―真希視点―
梨華ちゃん部活終わったかなぁ…。
部室行ってみようっと・・・・ん?あれは誰??
ひとみ『あ、あたし持つよ!重いでしょ。』
梨華『ありがとー。』
まさか!あれが例の(?)ヨシザワヒトミ???
あぁ!部室入っちゃった!2人っきりじゃん!
とりあえず覗くか…。(おい)
- 43 名前:とみこ 投稿日:2001年08月15日(水)11時04分24秒
- 『あのさ・・・ひとみちゃんはあたしの事どう思ってる?』
り、梨華ちゃん、アイツに何を聞いてるの!!??
あ〜!!!何キスしてんだアイツぅ!ヨシザワめぇ…。
『・・・・ひとみちゃん?』
『・・・・ごめん。』
うわっヨシザワが出てくる!かくれよっと・・・。
『・・・ひとみちゃん!』
『あたしひとみちゃんが好き。いつまでも友達のままは嫌だよ・・・。』
『・・・・ごめん。付き合うのはできない。』
『・・・なんで?』
おい!梨華をフるなんて最悪だなぁ!まぁあたしにとっては安心だけど…。
でもなんでキスしたの!?
『お遊びのキスだから。』
はぁ!!??うわっサイアク!ヨシザワめ…待ちぶせしてやる!
ダダダダダダダダダダダ…。
- 44 名前:とみこ 投稿日:2001年08月15日(水)11時08分59秒
- ・・・・あ!来た!ヨシザワだ!
・・・・って素通りすんなよ!!!
『あ、あんたさ、梨華っていう人好きじゃないの?』
『・・・・あんた誰?』
『1年C組の後藤真希。』
『・・・後藤サンには関係ないっしょ。』
む…負けないもん!
『じゃぁなんでキスしたんだよ。』
ひとみは立ち止まって真希の方を見た。
『・・・・したかったから。』
『は?そんな軽い気持ちで・・・』
バン!
うわっ!なんでコイツあたしの事壁に押し付けてんの!?
『あんたさ、梨華のなんなわけ?しつこいよ。』
何って…そりゃぁ・・・。
『・・・・梨華の事が好きなの。』
『・・・じゃぁこうしてあげる。』
え???
『んっ・・・?』
『間接キスだね。』
・・・キス!?キスされたの!?コイツに!?
- 45 名前:とみこ 投稿日:2001年08月15日(水)11時16分48秒
- うわっ…キスしちゃった…しかもヨシザワと…。
梨華をモテ遊ぶヤツなんかと…。
でも…近くで見るとカッコイイっていうかカワイイっていうか、美顔だなぁ…。
キレイな顔してた…。うっ…なにトキめいてるてるんだ後藤真希!
パンパン!!!(自分の頬をたたいた)
『うしっ!』
- 46 名前:とみこ 投稿日:2001年08月15日(水)11時18分36秒
- 過去=現在
- 47 名前:とみこ 投稿日:2001年08月15日(水)11時19分09秒
- ↑修正
過去→現在に戻ります
- 48 名前:とみこ 投稿日:2001年08月17日(金)09時21分47秒
- 49 名前:JAM 投稿日:2001年08月21日(火)07時01分49秒
- 過去から現在とか書いてくれているので
読みやすくてすご〜く好きです。
わたしはよしごまの方が好きなんですが
よしかおって見たことないので期待してます
- 50 名前:とみこ 投稿日:2001年08月23日(木)10時02分06秒
- A組の教室の前で梨華と別れ、真希とひとみはC組の教室に入って席に着いた。
「いいなぁ〜。」
ひとみはため息をついた。
「何が?」
「梨華ちゃんと真希は昔から仲良くてさ。」
「そんなに変わらないじゃん。」
「・・・梨華ちゃんの取り合いしたよね。」
「したね。」
- 51 名前:とみこ 投稿日:2001年08月23日(木)10時03分09秒
- 梨華×真希×ひとみの過去編入ります。
- 52 名前:とみこ 投稿日:2001年08月23日(木)10時04分27秒
- >>30の続きです。(過去)
- 53 名前:とみこ 投稿日:2001年08月23日(木)10時08分55秒
- 「ひとみちゃん、おまたせ〜。」
視界に入りきらないほどの豪邸、石川家。
大きな門が自動で開いて、制服姿の梨華が飛び出してきた。
「おはよ、梨華ちゃん。もう体調は平気?」
「うん、大丈夫!行こう!」
梨華は、自分の腕をひとみの腕に絡めた。
「う、うん。」
- 54 名前:とみこ 投稿日:2001年08月23日(木)10時09分30秒
- すみません、次から過去編は「」ではなく『』を使います。
- 55 名前:とみこ 投稿日:2001年08月23日(木)10時24分19秒
- 正門をくぐり、2人が下駄箱に向かうと、真希が立っていた。
『あ、真希ちゃん!おはよー。』
梨華はニコっと笑った。
『・・・・おはよ、梨華ちゃん。』
ひとみと真希は目を合わせなかった。
『あ、2人は初対面だよね?』
梨華は2人を交互に見た。
すると、ひとみは真希の前に立ってわざとらしく言った。
『あら、後藤真希ちゃん、おはようございますぅ。』
真希は拳をギュっと握って、一歩前へ出た。
『あら、吉澤ひとみちゃん、おはようございますぅ。』
2人は妙な笑顔をつくってそのまま動かなかった。
『ひとみちゃんと真希ちゃん…知り合いなの??』
梨華が声をかけても、二人には聞こえてなかった。
梨華には2人の間に火花が散っているように見えた。
- 56 名前:とみこ 投稿日:2001年08月25日(土)11時50分34秒
- 授業中、梨華の携帯がブルった。
(誰だろう?授業中に…。)
どうやらメールのようだった。
差出人はひとみだった。
<後藤サンのメアド教えてくんない?>
梨華は一瞬不思議に思ったが、真希のアドレスをひとみに送った。
- 57 名前:とみこ 投稿日:2001年08月25日(土)11時54分56秒
- その頃真希は、屋上で授業をサボっていた。
〜♪
携帯が鳴った。差出人は見たことのないアドレスからだった。
真希は不審に思ったが、とりあえず本文を見ると、
<昼休み、屋上で待ってろ。>
と書いてあった。差出人の名前もなく、真希には何がなんだかわからなかった。
- 58 名前:とみこ 投稿日:2001年08月25日(土)12時06分37秒
- 昼休み、真希は行こうかどうか迷ったが、どうせ屋上で昼食を食べる予定だったので屋上に向かった。
屋上のドアを開けると、ひとみが立っていた。
『なんでお前が居るんだよ。』
『梨華からアドレス聞いたんだよ。』
『あっそ。で?なんか用?』
『あのさぁ、梨華にはちゃんと事情はなした。』
『納得したのかよ。』
『お遊びのキスなんてウソだよって言ったら納得したよ。』
『・・・お前、最低だな。』
『なんで?』
『梨華の気持ちをモテあそんでんじゃねぇよ!』
真希は声を張り上げた。
『・・・あんたさ、自分が梨華に告れないから悔しいんだろ。』
『そ、そんな事…』
『梨華はあたしが好きなんだよ。だからって諦めて気持ち伝えないなんてバッカじゃないの?』
ひとみはバカにしたような目で真希を見た。
『・・・・・。』
『あんたに対して、梨華が少しでも気があるんだったら付き合ってくれるかもしれないじゃん。』
『もし…梨華があたしと付き合ったら、どうする。』
『別に。どうもしない。だって梨華がどう思おうとあっちの勝手じゃん。』
『・・・・じゃぁ、遠慮なくそうさせてもらうから。』
- 59 名前:とみこ 投稿日:2001年08月25日(土)12時20分19秒
- テニス部が終えて、梨華は部室を出るところだった。
『お疲れ様でしたー。』
梨華がカバンを持ち上げると、携帯がブルった。
真希からのメールだ。
<屋上来て。by真希>
梨華は荷物を全部持って、屋上に向かった。
ギィ…。
梨華ドアを開けた。
『真希ちゃん。』
梨華が名前を呼ぶと、真希が振り返った。
『ゴメンネ。いきなり呼んで。』
『ううん。ちょうど部活終わったから。』
『そっか・・・あのねっ話っつーのは・・・その・・・』
真希が口ごもっていても、梨華は何も言わずに真希の目を見ていた。
『好きなんだ・・・梨華ちゃんの事が。付き合ってほしいの。』
真希は言い切ると、唇を噛み締めて、梨華の返事を待った。
『・・・ありがとう。あたしも真希ちゃんの事好きだよ。でも・・・』
『わかってる。吉澤が好きなんでしょ。』
『・・・うん。』
『でもさ、あいつ、あたしにキスした。』
梨華の顔が一瞬ひきつった。
『・・・え?』
『あいつ・・・誰でもいいんだよ。キスなんて。』
『・・・ホントに?』
『・・・あたしは梨華以外好きにならないしキスもしない。優しくしない。だから・・・付き合ってほしい。』
『ひとみちゃんはそんな人じゃない。本当に真希ちゃんにキスしたとしても、それこそお遊びのキスだと思う。』
『でも、さっき吉澤に、あたしと梨華が付き合ったらどうする?って聞いたら、別にどうもないって・・・。』
その言葉に、梨華は泣き出してしまった。
真希は梨華を抱きしめた。
- 60 名前:とみこ 投稿日:2001年08月25日(土)12時23分06秒
- その頃ひとみは、下駄箱に入っている1通の手紙を手にした。
<吉澤へ。屋上へGO!byプリティー矢口>
『?』
ひとみは不審を抱きながらも屋上に行った。
あの二人が居ることを知らずに・・・。
- 61 名前:とみこ 投稿日:2001年08月25日(土)17時21分35秒
- その頃矢口は、屋上への階段を駆けのぼっていた。
(やっべー。ヨッスィー、もう来てるかもっ。)
矢口が最上階までのぼると、ひとみがドアの前に立っていた。
『あ、ヨッスィー!遅れてごめんねぇっ。』
矢口の言葉に、ひとみは反応しなかった。
『ヨッスィー?』
『・・・・・・。』
『屋上に・・・誰かいたの?』
ひとみは黙って頷いた。
矢口はドアを開けた。
- 62 名前:とみこ 投稿日:2001年08月25日(土)17時33分51秒
- ギィ・・・。
ドアを開けると、真希と梨華がその音に気がついた。
『ごっちん・・・梨華ちゃん?』
2人は抱き合っていた身体をパっと離したが、もう遅かった。
『矢口さん!』
『2人とも・・・どういう事!?』
梨華が口を開いた。
『ひとみちゃんには黙っててください!』
『もう遅いよ。梨華ちゃん。』
ギィ・・・。
ドアを開いて、ひとみが出てきた。
『ひとみちゃん・・・。』
梨華が
ひとみは真希の目の前に立った。
『梨華ちゃんは、あんたの方がいいんだよ。幸せにしてね。』
ひとみはそういうと屋上を後にした。
真希は何もいえなかった。梨華も・・・。
- 63 名前:とみこ 投稿日:2001年08月25日(土)21時07分12秒
- 『ヨッスィー!』
階段を駆け下りるひとみを、矢口が呼び止めた。
振り向いたひとみは涙を流していた。
『ううぅ・・・やぐちせんぱぁい…!!』
ひとみは矢口に抱きついた。
『あーもう泣かないの!とりあえず玄関行こっ!玄関。』
二人は西門の玄関のベンチに座った。
『矢口先輩、あたし…カッコつけてあんな事言っちゃった…。』
『うん…無理してたよ。ヨッスィー。幸せにしてねなんてさ。』
『・・・やっぱダメだぁ。あたし。』
『ヨッスィーはダメなんかじゃないよ。あたしがいるから。』
『矢口先輩・・・・。』
『っつーかさぁ!あの時のメモ見た?』
『へ?』
『ほらぁ、梨華ちゃんの手紙届けたときにわたしたヤツ。』
『あー!見るの忘れてた!』
ひとみはポケットから紙切れを出した。
- 64 名前:とみこ 投稿日:2001年08月25日(土)21時10分42秒
- 『あー!まだ見ないでぇ!!』
矢口が止めたのは手遅れだった。
『矢口先輩・・・これって・・・?』
紙に書いてあったのは、たった一言だった。
「好き」
- 65 名前:とみこ 投稿日:2001年08月26日(日)13時15分09秒
- 『まぁ・・・そゆことだから。』
『・・・マジっすか?』
『っていうか、もう見てるのかと思ったよ。』
『・・・すいません、ずっと忘れてて・・・。』
『まぁいいや。ヨッスィーはまだ梨華ちゃんの事好きなんでしょ?』
『・・・もういいっすよ・・・。先輩、付き合ってください!』
『えぇ!?マジでいいのかよ?梨華ちゃんの事も...。』
『いいんです。今は矢口先輩が好きです。』
『・・・そっか。じゃぁよろしくな。』
『はい。』
- 66 名前:とみこ 投稿日:2001年08月26日(日)16時10分39秒
- 翌朝、矢口が自宅の玄関を出ようとしたら携帯が鳴った。
差出人はひとみだった。
<おはよーございます矢口先輩!窓の外見て下さい!>
矢口は部屋に戻って窓を開けた。
『矢口せんぱーい!!』
下の道路でひとみが手を振っていた。
『ヨ、ヨッスィー!?』
『一緒にガッコ行きましょー。』
『お、おぅ!今行くぜ。』
矢口は急いでエレベーターに乗った。
マンションの1階にあるロビーに、ひとりの少女が立っていた。
『おっす、やぐっつぁん。めずらしく早いね。』
『おー、沙耶香!ちょっと待ち合わせしててさ。』
彼女は市井沙耶香。矢口と同じマンションに住んでいる。
高等部を中退し、シンガーソングライターになるために勉強をしている。
『誰と待ち合わせ?』
『愛するヨッスィーだよ』
『ヨッスィー???誰だそりゃ。もう前の恋人なんかは忘れたって感じっすか?』
『なに言ってんのさ。沙耶香はごっちんが好きっていうから別れたんじゃんか。』
『そうっすね。じゃ、行ってらっしゃい!』
『行ってきま〜す!!!』
矢口は勢いよく出て行った。
『・・・矢口、やっぱかわいいなぁ。』
- 67 名前:とみこ 投稿日:2001年08月26日(日)19時57分41秒
- 『ヨッスィー、おまたせ!』
『もー待ちくたびれましたよぉー。何してたんすか?』
ひとみは矢口のカバンを自転車のカゴに入れながら聞いた。
『いやぁ、ロビーで沙耶香に会ってさ。』
『矢口先輩って・・・市井先輩と前付き合ってたんですよね?』
ひとみはちょっと哀しい表情をした。
『・・・前の事だよ。それに沙耶香はごっちんが好きなんだし。』
『でもごっちんは・・・!』
『あー!もう時間ないよ!ヨッスィー行けぃ!』
『え?あ、ハイ!』
- 68 名前:とみこ 投稿日:2001年08月27日(月)08時38分48秒
- 2人が自転車置き場に行くと、梨華と真希が1台の自転車に乗って来た。
『あれぇ?ごっちん、梨華ちゃん、2人で登校かい?』
矢口が冷やかすように2人に言った。
『あたし、梨華と付き合う事にしたから。』
真希がひとみに視線を向けた。
『大丈夫!ヨッスィーは矢口にまかせて!』
矢口はひとみの腕を組んだ。
『梨華ちゃんも・・・真希が好きになったんだよね?』
ひとみは初めて口を開いた。
梨華は下を向いて、コクンと頷いた。
『それならOKじゃん♪ヨッスィー行こうぜ!』
矢口はひとみの腕を引っ張った。
真希と梨華の前を通り過ぎるときに、ひとみは真希の耳元でこう言った。
『梨華ちゃん泣かせたら許さないから。』
真希は振り返ってひとみを見ようとしたが、そこにはもうひとみはいなかった。
- 69 名前:とみこ 投稿日:2001年08月27日(月)21時28分11秒
- AM11:55
ひとみが授業を受けていると、携帯がブルった。
矢口からのメールだ。
<授業終わったら、学校でいっちばーん大きい木の下でお弁当食べよう!>
矢口からのメールを見て、ひとみは微笑した。
ひとみは授業の終わりのチャイムがなると、弁当を持って裏庭へ向かった。
緑の葉が大きな木を包む、学校で1番大きい木。
とても木漏れ日が綺麗だ。でも、そんな木漏れ日よりも綺麗な女の人が立っていた。
- 70 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月28日(火)02時11分21秒
- >そんな木漏れ日よりも綺麗な女の人が立っていた。
だれだれ??ドキドキしつつ続きまってます。
- 71 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月28日(火)04時02分28秒
- いよいよあの人の登場ですか?
- 72 名前:とみこ 投稿日:2001年08月28日(火)09時43分10秒
- 矢口を探すのを忘れて、ひとみはその女の人に見入ってしまった。
『ヨッスィー!』
ひとみはふと我にかえった。
『あ、矢口さん・・・。』
『お弁当食べよ!』
『・・・・・・。』
『ヨッスィー?』
『あの人…誰ですか?』
長くてしなやかな髪が、太陽の光を受けて輝く。
『圭織だよ。飯田圭織。』
『この学校の人ですか?』
『当たり前じゃん!矢口と同じクラスだしね。』
『・・・・飯田・・・先輩・・・。』
矢口はムッツリした顔でひとみを見た。
- 73 名前:とみこ 投稿日:2001年08月28日(火)10時04分06秒
- 飯田圭織・・・その名前とあの美しい姿が、頭の中を巡る。
『ひとみっ。』
自分の名前を呼ばれて、ハッと教室のドアを見ると、真希がいた。
『・・・何?』
『ちょっと来て。』
ひとみは席を立って真希の所に行った。
『ほら、亜依!』
ひとみは気づかなかった。真希の背中から、2人の女の子が顔を覗かせていた。
『あのっ、中等部2年の加護亜依と言います。』
『同じく、辻希美れす。』
ひとみは、なぜ自己紹介されてるのかサッパリわからなかった。
『あのね、ひとみと話してみたかったんだって。』
真希に言われて、ひとみはなんとなく理解できた。
『吉澤ひとみです。よろしくね。』
ひとみはニコっと笑って手を差し伸べた。
慣れていたんだ。以前から校内でも人気者だったひとみは、しょっちゅう後輩から告白されていた。
サインをくれという人もいれば、『お兄さんになってください』などと意味深な手紙をくれる人もいた。
だからひとみにとって、後輩への接し方は慣れたものであった。
亜依と希美はひとみの差し出した手をギュっと握ってエヘっと笑った。
でも今のひとみの頭の中には、圭織の事しかなかった。
- 74 名前:とみこ 投稿日:2001年08月28日(火)10時07分38秒
- あくまでもこれは過去編です。
よかったら最初から見てやってください。(^∇^)
よしやぐ・よしかおの過去編がおわったら現在に戻って、新メンバーを絡ませたいと思います。
- 75 名前:とみこ 投稿日:2001年08月28日(火)10時12分06秒
- >>73
加護&辻は中1です。
過去編なのでちょっと狂ってしまいます・・・。
ごめんなさい。
- 76 名前:とみこ 投稿日:2001年08月28日(火)10時28分22秒
- ひとみも中学3年生になり、1番大変な時期だった。(作者の勝手で急に・・・)
高等部に進級するテストを行わなければいけない。
以前から成績はよかったひとみが、図書館で勉強していた時だった。
『ここ、座ってもいい?』
1人の女の人が話し掛けてきた。飯田圭織だ。
『あ、はい。どうぞっ・・・。』
ひとみはあせった。あの憧れの圭織に話かけてもらえるなんて思ってもいなかった。
『あれ?もしかして吉澤さん?』
『え?はい、そうですけど。』
圭織が自分の事を知っていてくれた。ひとみは嬉しかった。
『矢口と付き合ってるんでしょ?どーよ最近。』
『(あ、そういう事か・・・。)まあ・・・普通ですけど・・・。』
『でも2年間も続いてるんでしょ?校内でも結構有名だよ。それだけ矢口の事好きなんだね。』
ひとみはどうしていいのかわからなかった。ずっと憧れだった人の前で矢口が好きとか言えるだろうか・・・。
『・・・今は、好きな人がいるんです。』
『え?』
『飯田さんが・・・好きなんです。』
ひとみは無意識に発してしまった言葉に超後悔した。
『何言ってんの・・・吉澤は矢口と付き合ってるんだから。そういう事言わないのっ。』
どうして圭織はここまで冷静なんだろう・・・。ひとみは不思議だった。
『でも、本当に・・・好きだから、付き合ってください・・・。』
ひとみはここまで来たらなんでも言ってやろうと思った。
『・・・ごめん。』
圭織の一言を頭の中で一生懸命考えた。ごめんって事は、断られたって事・・・?
ひとみは今まで断られたという事がなかった。だって告白したことがないから。
『付き合うのは・・・無理。あたしは、吉澤の事全然知らないし、年下は興味ないから。』
圭織はそう言って席を立った。
ひとみはその場で固まった。頭の中が真っ白になった。フラれるってこんなに簡単なんだ。
好きって気持ちは・・・こんなに簡単に崩されるんだ・・・。
ひとみはもう何もかもどうでもよくなった。
- 77 名前:とみこ 投稿日:2001年08月28日(火)10時51分19秒
- 『ただいまー。』
ひとみは家へ帰ると制服のままベットに寝転んだ。
(飯田先輩・・・矢口先輩・・・梨華ちゃん・・・真希・・・もう何がなんだかわかんないよ・・・。いっそ学校なんかやめちゃいたい。)
その時、台所から父親がひとみを呼んだ。
『ひとみー!ちょっと降りてきなさい。』
『はぁーい。』
ひとみは走って階段を降りようとして足を滑らせて階段から・・・落ちた。
『姉ちゃん何やってんだよー!?』
『どんくさいなー。姉ちゃんは。』
弟2人がからかってきても、ひとみケンカする気にはなれなかった。
1回の食卓に着いて、父親が話を切り出した。
『実は・・・仕事の都合で引っ越すことになるんだ。』
『え〜〜〜!?』
弟たちが騒ぎ出したのでひとみはゲンコツをくらわした。
『だから、今通ってる学校から転校という形になるんだが、あっちに一軒家を買ったんだ。まあ、今も一軒家だが、もっと広いぞ。だから・・・どうかな?』
ひとみはどっちでもよかった。広い家に引っ越すのもいいし、なによりも、矢口先輩や飯田先輩、梨華や真希の事を忘れられるから。
『あたしはいいと思うよ。あとはみんなで決めて。』
そう言い残して、ひとみは部屋に戻った。
- 78 名前:とみこ 投稿日:2001年08月28日(火)10時56分47秒
- 朝早く、ひとみは職員室で中澤と話していた。
『そうか・・・まあ高校はあっちの学校へ行くって事になるんやなぁ。』
『はい・・・多分もう戻ってくるって事はないと思います。』
『先生もさみしいでぇ〜。学校でいっちばーんモテる吉澤がいなくなるのは。』
『はぁ・・・。』
『吉澤は学校のアイドルやから、学校全体でお別れ会でもせーへん?』
『・・・いいっすね・・・。』
ひとみはもうどうでもよくなっていた。早く引っ越したいと思った。
- 79 名前:とみこ 投稿日:2001年08月28日(火)11時10分39秒
- 次の日、体育館でお別れ会が開かれた。
『これから3年B組の吉澤ひとみさんのお別れ会をはじめます。』
生徒会長の保田圭が司会をつとめることになった。
会場は全校生徒の泣く声が漏れていた。
『ほら吉澤、ひとこと言ってやれ。あんた、学校のアイドルなんだから。』
ひとみは舞台にあがってマイクのスイッチを入れた。
『えっと・・・突然親の都合で引っ越すことになって、この学校を転校することになってしまいました。この中学校生活の3年間は、色んな人と出会ってとても楽しかったです。仲良くしてくれた友達、後輩の人達や、先生方、先輩方。3年間どうもありがとうございました。』
ひとみはそれだけ言うと舞台を降りた。
『では、みなさん。今日のお別れ会は楽しくすごしましょう。』
保田の言葉と同時に、ひとみのまわりに後輩から先輩までたくさんの生徒が押し寄せた。
『先輩、第二ボタン下さい!』
『吉澤先輩、転校しないでくださーいっっ。』
『ひとみせんぱーいっっ!!!』
ひとみは1人1人にニコッと笑いかけて握手をした。
そしてその団体から抜けて、矢口のところに向かった。
『矢口先輩。』
矢口は振り返った。
『ヨッスィー・・・。』
矢口は泣き出してしまった。
隣にいたなつみがひとみの肩をたたいた。
『矢口ね、いきなりヨッスィーが転校することになっちゃって、すっごいショック受けてるの。』
ひとみは矢口を抱きしめた。
『矢口先輩、転校してもずっと仲良しでいてくださいね・・・。』
『うん、うん。ヨッスィー大好きだよ〜〜。』
- 80 名前:とみこ 投稿日:2001年08月28日(火)11時18分20秒
- 2人のもとに、梨華と真希が来た。
『ヨッスィー、転校しても忘れないでねっ。』
梨華が満開の笑顔でひとみに言った。
『ひとみ。あんたとは色々あったけど、ひとみの事、親友だと思ってるからね。』
真希の笑顔から涙が一粒流れた。
『梨華ちゃん、真希・・・。2人の事絶対忘れないから。真希、梨華ちゃんをよろしくね。』
真希は泣きながらも大きく頷いた。
『これ、みんなから。ヨッスィーの新しい門出を祝って!』
なつみが1枚の色紙を渡した。
その後に、後輩から千羽鶴と手紙とプレゼントなどなど大きな紙袋5つもの量になってしまった。
最後に、圭織が近づいてきた。
『い、飯田先輩・・・・。』
『あっちの学校でもうまくやりなさいよ。』
圭織は初めてひとみに笑ってくれた。
・・・ついにこの学校とも、みんなともお別れか。もう何も考えなくていいんだよね・・・。でも・・・本当にこれでいいのかな・・・?
- 81 名前:とみこ 投稿日:2001年08月28日(火)11時22分32秒
- 更新しまくりました。
>>70
>>71
かおりん登場ですが、ヨッスィー転校してしまいました。
これで過去編終了です。
これから現在編に行きたいと思います。
- 82 名前:とみこ 投稿日:2001年08月28日(火)15時49分17秒
- ―――現在編。
ガラガラッ
「梨華ちゃん、どうしたの?」
「はぁ、はぁ…ひとみちゃん、会長が呼んでる!」
「会長が!?」
「1分以内に呼んで来いだって。急がないとっ。」
「オッケー。」
ひとみはエレベーター前まで走っていった。
「あー!エレベーター行っちゃった…。」
「あれ?ヨッスィ。どこ行くの?」
なつみが話し掛けてきた。
「会長に…呼ばれて…ハァ、ハァ。」
「階段で行けば?」
なつみがそう言った時には、ひとみは階段を駆け上っていた。
- 83 名前:とみこ 投稿日:2001年08月28日(火)15時59分43秒
- ダダダダダダダ・・・・キキーッッッ!!!!!
ひとみは生徒会室の前で足を止めた。
そして、ドアの横にあるスピーカーのボタンを押して言った。
「会長!高等部1年D組 吉澤です。」
ひとみがそう言うとドアが自動に開いた。
ひとみは中へ入った。
「吉澤。」
「はいっ!」
「廊下は走るなよ。」
「はい、すみません・・・。」
「まあいい。座れ。」
ひとみは保田の向かい側の巨大なソファーに座った。
「会長、用ってなんスか?」
ひとみは息を切らしながら聞いた。
「実は、次の生徒会長の引継ぎの事だが・・・。」
「引継ぎ???」
「吉澤、お前に任せるつもりだ。」
「ホントですか?」
「普通、生徒会長は3年だが、今回だけは1年の吉澤に任せる。」
「あ、ありがとうございますっ!」
「それで、吉澤が生徒会長になるのは来年からだけど、あたしは明日からアメリカンスクールの講師をする事になるから、明日から会長をやってちょうだい。」
「え!?」
「じゃぁ、授業以外はここい居ること。」
「は、はぁ・・・。」
- 84 名前:とみこ 投稿日:2001年08月28日(火)16時06分44秒
- 次の日・・・。
「ヨッスィー、生徒会長になったんだって!?」
なつみと圭織が目を丸くして聞いてきた。
「はい、今年の生徒会長に決まったらしいっすね。」
3人が話していると、梨華と真希と矢口が走ってきた。
「生徒会長やるって本当!?」
「う、うん。」
「すっげぇ!ひとみってなんかすげぇ!」
「きっとひとみちゃんは成績がいいからだね!」
「そ、そうかなぁ・・・。」
「ヨッスィーは学年で成績トップだからな!スポーツ万能だし。学校の人気者だし!」
「そ、そっかなぁ・・・。」
「ほーらぁ!」
真希がバシっとひとみの背中を叩いた。
「いってぇ!!」
「もっと自信持ちなよぉ!ほら、気合入れて。会長!」
「オ、オッス!」
一同爆笑した。
- 85 名前:とみこ 投稿日:2001年08月28日(火)16時25分49秒
- ひとみは生徒会室に入ってソファーに腰掛けた。
(会長かぁ・・・。)
この学校に戻ってきて、まだ1ヶ月というのに、突然会長にされたひとみは、少し戸惑っていた。
転校してすぐに、真希から「梨華と別れた。」と聞いた。理由はわからないけどそれだけ伝えられた。ひとみもひとみで、転校して2ヶ月くらいは矢口とメールや電話で遠距離恋愛という形になっていたが、だんだん連絡が途絶えて、ひとみから別れようと言い出したのだ。それと、矢口からの情報で圭織となつみが付き合い出したことや、社会担当の平家先生という人が入ってきたこともひとみは知っていた。
(結局矢口先輩とも終わっちゃったし、梨華ちゃんと真希も終わった…。誰とも付き合わずに、誰も好きにならない。本当はこういう生活、待ってたのかな。)
「はぁ…。」
ひとみはため息をついた。
<<会長、副会長の柴田です。>>
手元の電話から声がした。ひとみは電話についているボタンを押した。
するとドアが開き、1人の少女が入ってきた。
「新会長の吉澤さんだよね?あたしは副会長の1年F組の柴田あゆみ。よろしく。」
「あ、よろしく。(あゆみちゃんか・・・カワイイなぁ。)」
「まずこの電話の使い方から教えるわ。生徒会室の入り方は知ってるよね。その声がこの電話から聞こえるの。受話器を取れば話すこともできるわ。それで、入室許可と思ったらこのボタンを押せばいいのよ。」
「うん、わかった。」
「それと、このバッチ。生徒会長なんだからつけなきゃね。」
あゆみは「生徒会長」と刻まれたバッチをひとみの襟元に付けた。
(うわぁ…なんかあゆみちゃんの髪、いい匂い…。)
「そうそう、あたしの事は「あゆみ」でいいからね。」
「あ、うん。あたしもひとみでいいよ。」
- 86 名前:とみこ 投稿日:2001年08月28日(火)19時16分04秒
- 次の日、文化祭の事で資料をまとめるために、ひとみは早く学校へ行った。
ガチャ
「あれ?あゆみちゃんも来てたんだ。」
生徒会室にはすでにあゆみがいた。
「うん、文化祭の資料まとめようと思って。」
「あ、あたしもそのために来たの。手伝うね。」
会長と副会長の机にそれぞれ座り、資料をまとめはじめた。
「今年の文化祭も楽しみだね。今年のクラス発表は劇がいいなぁ。」
ひとみは演劇部の資料を見ながら言った。
「あたしは転校してきたからよくわかんないけど、楽しみだなぁ。」
「あ、転校してきたんだ〜。だいたいの人は見たことあるのにって思ってたんだ〜。」
ひとみは自分なりに納得した。
「高等部に入るときに転入したの。」
「ふ〜ん。そうだよね、あゆみちゃんみたいなカワイイこは見逃すはずないもん。」
「・・・・・。」
ひとみは「しまった!」と思った。ちょっと調子に乗りすぎた。
「あ、あゆみちゃん?」
ひとみが話しかけても、あゆみは反応しなかった。
(あゆみちゃん…怒ってるのかなぁ?)
あゆみは茶道部の資料にホッチキスを止めていた。
生徒会室に気まずい空気が流れた。
- 87 名前:とみこ 投稿日:2001年08月28日(火)19時25分28秒
- しばらくして、あゆみは席を立って棚の上の方から資料を取り出そうとしていた。
あゆみの背丈より少し高い棚だったのか、なかなか資料に手が届かなかった。
「あ、あたしが取るよ。」
ひとみは席を立って、あゆみの横から背伸びもせずに資料を取った。
「はい、これでいいの?」
「ありがとう。」
ひとみは資料を手渡した。
「あ、あゆみちゃん・・・怒ってる?」
「・・・・・うん。」
「・・・・ごめんね。もうあんな事言わないから。(やっぱり調子に乗りすぎたぁ・・・)」
「違うよ・・・。」
「え?」
あゆみはひとみの制服の襟を手で引っ張った。その勢いで背伸びをして・・・キスをした。
「ん・・・・・」
襟から手をはなすと、あゆみはストンと背伸びをやめた。
「あゆみ・・・ちゃん?」
「あたし・・・あゆみって呼んでって言ったのに。」
あゆみは頬をプゥっと膨らませた。
(うわぁ、すっげぇカワイイし・・・。そんな事で怒るなんて・・・もっとカワイイ・・・。)
「ご、ごめんね・・・あゆみ。」
あゆみはニコッと笑った。
「ほら、仕事しよっ!ひとみ。」
ひとみは大きくうなづいた。
―あゆみちゃん・・・いや、あゆみ!カワイイなぁ・・・すっげぇカワイイ!―
- 88 名前:とみこ 投稿日:2001年08月28日(火)19時27分30秒
- かなり更新しました。
いったいこのスレに読者はいるのでしょうか・・・(^^;
- 89 名前:影裏@元・名有り 投稿日:2001年08月29日(水)02時24分40秒
- 今日、いっきにここまで読ませてもらいました
おもしろかったです
これからも頑張ってください
- 90 名前:とみこ 投稿日:2001年08月29日(水)09時04分39秒
- 放課後、生徒会室では、ひとみとあゆみが文化祭のアンケートの集計をしていた。
「ふぅ・・・あとちょっとだねぇ。5時からダンスだから遅れるって電話してくる。」
あゆみが受話器を取る前に、ひとみがコーヒーを持ってきた。
「はい。疲れてるでしょ?あとはあたしがやるから先に帰ってていいよ。」
「ほんと?ごめんね…ありがとっ。」
あゆみは荷物をまとめて帰っていった。
- 91 名前:とみこ 投稿日:2001年08月29日(水)09時13分37秒
- PM 7:00
「ふぅ…そろそろ帰るかな。」
資料を片付けて、ひとみは荷物をまとめて学校を後にした。
ひとみのアパートは、学校から電車で10分くらいの駅の近くにある。
駅を降りて、家に向かう途中に、あゆみが通っているダンス教室があった。
その時、ちょうどあゆみが出てきたので声をかけようと一歩前に出ると、
ダンス教室の前にいた男子高校生2人があゆみに話しかけていた。
ひとみはしばらく様子を見ていたが、あゆみが嫌がっている様子だったので
あゆみの元に走った。
- 92 名前:とみこ 投稿日:2001年08月29日(水)09時23分43秒
- 「おい、嫌がってんだからいいかげんにしろよ。」
ひとみは男子高校生の前に立った。
「ひとみ!?」
「あ?てめぇ女のくせにナマイキなんだよ!」
ひとみは1人の男子高校生の腹にケリを入れた。
「うっ!」
「テメェ…やんのかコラァ!」
もう1人がひとみにパンチを食らわしてきたが、ひとみはサッとよけ、ひじで相手のあごを殴った。
「ぐァッ!」
倒れていた方が立ち上がり、ひとみの両腕を後ろに持ってきて、身動きが取れないようにした。
「は・・・はなせ!」
「よくもやってくれたな・・・コノヤロー!」
ドスッ
もう1人がひとみの腹を殴った。
「うっ・・・。」
ひとみはそのままズルッと地面に落ちた。
「ひとみ!」
あゆみの声が響いたと同時に、誰かが向こうから走ってきた。
- 93 名前:とみこ 投稿日:2001年08月29日(水)09時30分13秒
- 「なにやってんだよ!」
バキッッ!ドスッ・・・・
そいつは男子高校生2人を一撃でやっつけた。
「・・・誰ですか?」
あゆみは尋ねた。
「・・・そんな事はいいから、吉澤、大丈夫?」
「・・・ん・・・大丈夫っス、市井先輩。」
ひとみは立ち上がった。
「ひとみ、大丈夫?」
「うん。市井先輩、ありがとうございます。イテテッ・・・」
「ほら、もういいから。ゆっくり休みなよ。じゃぁね。」
そう言うと市井は去っていった。
「あゆみ、大丈夫?」
「うん、あたしは平気だけど・・・ひとみ・・・ホントありがとう・・・。」
あゆみは泣き出した。
ひとみはあゆみをギュっと抱きしめた。
「好きだから守ったんだよ。あゆみの事が・・・好きだから。」
あゆみは何も言わずにひとみの胸で泣いた。
- 94 名前:とみこ 投稿日:2001年08月29日(水)09時41分16秒
- 次の日、ひとみが生徒会室で仕事をしていると電話から声が聞こえた。
<<1年D組の後藤真希でぇ〜っす!>>
ひとみは呆れたが、しかたなく後藤を中に入れた。
「なんか用・・・?」
「まあまあ、落ち着いて聞いてよ。昨日ね、市井ちゃんに告られたのぉ!」
「(十分落ち着いてるし・・・。)よかったね。付き合うの?」
「うんっ。市井ちゃんは強くてカッコイイんだよぉ!」
「知ってる。」
「へ?」
「昨日、あゆみが高校生に絡まれてる時、あたし助けきれなくて、市井先輩が助けてくれたの。」
「ヨッスィーよわっちぃね〜。」
「・・・お前帰れよ。」
「ひとみは弱くなんかないよ。」
あゆみが入ってきた。
「おぅ、柴っちゃん。」
「ひとみはあたしを助けるために戦ってくれたの。」
「へぇ〜・・・ひとみ、あんたやるじゃん!」
「っつーか真希は帰ってくれ・・・。」
「へいへい。お邪魔しましたぁ〜。」
真希は去っていった。
「昨日は・・・ごめんね。ずっと泣いてて。」
「ううん、平気。あたしこそ・・・頼りにならなかったね。」
「そんな事ないよっ。助けてくれただけでも嬉しいよ。」
ひとみは立ち上がってあゆみに近づいた。
そして、とても短いキスをした。
- 95 名前:とみこ 投稿日:2001年08月29日(水)09時43分22秒
- >>89
毎日更新するんで、よかったら見てくださいね。
今日もメッチャ更新しました。
- 96 名前:とみこ 投稿日:2001年08月29日(水)20時00分57秒
- その日、あゆみとひとみが廊下を歩いていると、5・6人の後輩に囲まれた。
「吉澤先輩、ちょっとお話が・・・。」
1人の生徒がひとみに話しかけた。ひとみはいつもの事で、告られるかなんかだと思っていた。
「うん。じゃぁ、あゆ・・・じゃなくて、柴田さん、先行っててくれる?」
「わかりました、会長。」
ひとみとあゆみは、校内にウワサが広まっては困るので、生徒の前では下の名前で呼ばないようにしているのだ。
- 97 名前:とみこ 投稿日:2001年08月29日(水)20時14分43秒
- 「吉澤先輩、帰ってきてすぐ生徒会長になっちゃうなんてスゴイですね!」
3人の生徒に連れられて、3階の第7音楽室で雑談していた。
「なんか話あるんじゃなかったの?」
「いえ、ちょっと先輩とお話したかったんです。久しぶりに帰ってきたんですし。」
「そっか。」
ひとみは少し嫌な予感がしていた。しかし、それがなんの予感なのかはまだわからなかった。
「うんうん、やっぱりユニクロはいいよね〜。」
「吉澤先輩もそう思いますか?私たちもですよー。よくユニクロいくんですぅ。」
「ユニクロと言えば・・・」
そんな雑談をしている時、窓際に座っていたひとみがふと下を見ると、体育館の裏に4人の生徒がいた。
ひとみは目を凝らしてよく見ると、あゆみがさっきの後輩の中の3人に囲まれていた。
「あいつらっ!」
ひとみは教室を飛び出て体育館裏に向かった。
突然飛び出たひとみに対して、一緒に雑談をしていた後輩はチッと舌打ちした。
どうやらさっきの後輩の一部でひとみに話があると言って気を引き、その間にあゆみを待ち伏せして体育館裏に連れ出したようだ。
- 98 名前:とみこ 投稿日:2001年08月29日(水)20時22分47秒
- パンッ
ひとみが体育館裏に着いたと同時に鈍い音が響いた。
後輩の1人の長く伸びた手が、あゆみの頬を打った。
「なにやってんだよ!!」
ひとみは4人の所に走った。
「よ、吉澤先輩!?」
ひとみはあゆみを抱き寄せ、後輩達を睨んだ。
「あなた達、どうしてこういう事をするの!」
後輩達は下を向いていた。そのなかの1人が顔を上げた。
「・・・柴田先輩はズルイんだよ。生徒会室で2人っきりだから・・・。」
「そんなのただの僻みだろ!卑怯なマネするヤツは許さない!!」
パンッ!パンッ!パンッ!
ひとみは後輩1人1人を平手で殴った。
「あゆみは何も悪くないんだよ!それなのにこんな事して・・・」
後輩は歯を食いしばって下を向いていたが、ひとみの言葉に顔を上げた。
「ざけんなよ!!!」
- 99 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月30日(木)00時01分55秒
- いやん♪よっすぃ〜超かっけ〜〜。
- 100 名前:とみこ 投稿日:2001年08月30日(木)15時42分33秒
- 「ざけんなよ!!!」
ひとみのその声が、体育館裏の狭いスペースを何度もこだまする。
後輩達は何も言えずにその沈黙を味わう事になってしまった。
「あゆみに言いたい事があるんだったら、あたしに言いな。」
ひとみはそう言って「大丈夫?」と小さな声であゆみに話し掛けた。
「ごめんなさい・・・。」
後輩達がバラバラに言った。
ひとみはハァ・・・っとため息をついて後輩達を見た。
「殴ったのはゴメン。痛かったよね。」
ひとみは頭を下げた。後輩達はどうしていいのかわからなかった。
「でもね、あゆみも同じ痛みを感じた事、忘れないで。」
ひとみはあゆみの手をとってその場を去った。
- 101 名前:とみこ 投稿日:2001年08月30日(木)15時52分26秒
- 次の日、あゆみとひとみの関係は学園中に広まった。
―――生徒会室では・・・。
「ひとみ・・・昨日はありがとう。」
「・・・ごめんね。あたしのせいだよ。あたしの不注意で後輩達があんな事して・・・。」
「しょうがないよ、ひとみは人気者だから。覚悟はしてたよ、ひとみと付き合うんだからさ。」
あゆみはニコッと笑って見せた。
「・・・またなんかあったら言ってね。あたしが…あゆみを守るから。」
「そういう事いうからもっと好きになっちゃうじゃんか…。」
2人はそっと唇を重ねた。
「あ、そうそう!あたしもみんなみたいにヨッスィーって呼んでいい?」
「へ?」
「ひとみって呼ぶのもいいんだけどぉ、ヨッスィーの方がカッコよくない?」
「そ〜かなぁ・・・まあ好きに呼んで。」
- 102 名前:とみこ 投稿日:2001年08月30日(木)16時05分26秒
- ―ひとみ視点―
文化祭も近くなってきた。最近、あゆみがミョーに嬉しそう。
「ヨッスィー!」「ん?」「なんでもないっ。」
「ヨッスィー!」「はい!?」「へへっ。」
「なんだよぉ〜!さっきから。」
「なんか嬉しいなぁ〜。」
「なにがぁ?」
「会長と副会長っていう立場だとさ、四六時中一緒にいられて嬉しいね!」
「・・・そりゃぁそうだね。」
「これからもずっと仲良しでいようね。」
「どーしたの?改めちゃって。」
「いいのっ。ヨッスィー大好き!」
「あたしもだよー。でも仕事はしようね〜。」
ひとみは山積みになった文化祭の資料をポンっとたたいた。
- 103 名前:とみこ 投稿日:2001年08月30日(木)16時13分53秒
- 文化祭3日前・・・今日はあゆみが部活へ行っているため、ひとみが1人で仕事をしていた。
「ふぅ、ひと休みするか。」
ひとみがソファーに腰掛けた途端に、電話から超元気な声が聞こえた。
<<高等部1年D組後藤真希で〜す。>>
ひとみはハァ〜〜〜〜〜っとため息をつきながら「開」ボタンを押した。
「ヨッスィー、会いたかったよ〜!!」
入ってくるなり真希はひとみに抱きついた。
「うわっ何すんだよ!はなせって!」
ひとみは体をよじって真希から離れた。
「ねぇ、文化祭さ、あたしとひとみと市井ちゃんと柴っちゃんでまわろうよ!」
「うん、いいよ。」
「よぉーっし、じゃぁ決定ね!仕事ガンバってねん♪」
真希は嵐のように、言うだけ言うと帰っていた。
- 104 名前:とみこ 投稿日:2001年08月30日(木)16時20分01秒
- 文化祭前日―生徒会室―
「終わったぁ〜!!!」
「やったぁ〜〜〜。」
やっと文化祭の資料まとめが終わって、あゆみとひとみは各部活の部長に挨拶する事にした。
- 105 名前:とみこ 投稿日:2001年08月30日(木)16時34分00秒
- PM5:00 演劇部
「お疲れ様で〜す。」
2人がビデオカメラを持って第1体育館に入っていくと、ちょうど部長のなつみが飾り付けを終えていた。
「お疲れ〜。ってカメラっすか!?」
「意気込みをど〜ぞ〜。」
ひとみがカメラ越しになつみを見ながら言った。
「うちら演劇部は最高です!今年の劇は「LOVEセンチュリー〜夢は見なけりゃ始まらない〜」で〜す。」
「ありがとうございました〜。」
ひとみはビデオを切った。
- 106 名前:とみこ 投稿日:2001年08月30日(木)16時52分33秒
- PM 5:10 バレー部・バスケ部・テニス部
2人は第2体育館でバスケ部部長の圭織に話し掛けた。
今度はあゆみがカメラ役になった。
「いきごみをお願いしま〜す。」
「えーと今年はぁ、バスケ部・バレー部・テニス部の美少女達の握手会で〜す。」
「握手会!?」
ひとみは驚いた。握手会なんて聞いてなかったからだ。
「もちろんその美少女と言えば?」
あゆみがインタビューした。
圭織はひとみの手を引っ張って隣に立たせた。
「圭織と石川と吉澤で〜す!どう?この3人は豪華だと思わな〜い?」
圭織のセリフに、部員たちは爆笑した。
「マジっすか!?聞いてないっすよー。」
「吉澤、あんたがメインなんだから!バレー部代表として!」
「マジっすかぁ〜???」
体育館に笑いの声が響いた。
- 107 名前:とみこ 投稿日:2001年08月30日(木)16時54分06秒
- 100こえましたぁ〜。なんか嬉しいっすね。
どんどんリク下さい〜。なんでも受け付けまーす。
- 108 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月30日(木)17時15分17秒
- いしよし
- 109 名前:名無しくんつ 投稿日:2001年08月30日(木)18時14分28秒
- なんかほのぼのしてていい感じですねー。これからも頑張って
- 110 名前:とみこ 投稿日:2001年08月30日(木)20時08分36秒
- PM 6:00
全ての部活を廻り終えた2人は、職員室にビデオを返しにいった。
「おー、今学園内で1番の話題の2人やないか〜。どうしたん?」
「中澤先生、そういう言い方はやめてください。」
ひとみは中澤に少しきつく言った。
「ちゃんと撮りましたよ。」
あゆみは中澤にビデオを渡した。
「これやこれやぁ。学校内のカワイイ子ちゃんを家でじっくり見るかな。」
あゆみとひとみは呆れて職員室を出て行った。
- 111 名前:とみこ 投稿日:2001年08月30日(木)20時16分07秒
- 帰りの電車に乗った2人は、車内が混んでいたのでイスに座れず、立っていた。
「なんか・・・あゆみって誰かに似てるんだよなぁ・・・。」
突然、ひとみがあゆみに語りかけた。
「誰かって?」
「なんか・・・守りたくなるような存在の子。」
そんな会話をしながら、ふとひとみが隣に立っていたサラリーマンを見ると、
そのサラリーマンの手が、1人の少女のスカートへと伸びた。
ひとみはすぐにわかった。これは「痴漢」だ。
ここで犯人を捕まえたら車内が大騒ぎになるので、終点に着くのをじっと待った。
あゆみは小さい声で「どうしたの?」と聞いた。しかし、ひとみは黙って終点に着くのを待っていた。
- 112 名前:とみこ 投稿日:2001年08月30日(木)20時35分06秒
- プシュー・・・・―――
次の駅は終点だった。人が一気に降りる中で、ひとみはさっきのサラリーマンを追いかけた。
「ヨッスィー!?」
あゆみは急いでひとみの後を追った。
ひとみはサラリーマンの腕を掴んだ。
相手は振り返ってひとみを見た。
「な、なにするんだ。離しなさい!」
あゆみがやっと追いついた時には、ひとみの強く握った右手が、相手の頬を殴っていた。
サラリーマンは倒れ、ひとみは相手の頭を地面に押さえつけた。
周りの野次馬が見ている中で、ひとみは声を張り上げた。
「この人痴漢です!!!」
駅にいる人は、みんなひとみの方を見た。
間もなく駅員が訪れ、その近くにさっき痴漢にあった少女が立っていた。
ひとみはその子の顔なんか全然見てなかったのだが、
ふと顔を見るとその子は・・・梨華だった。
「あれ??梨華ちゃん!?」
「よっすぃ〜だったんだ・・・助けてくれたの…。」
「う、うん。同じ電車に乗ってて・・・。」
「ありがとう…あたし…怖かったよぉ〜・・・。」
梨華はひとみの胸で泣き出した。
それを見ていたあゆみは少し複雑だった。
ひとみは梨華の頭をなでると、手を繋いで駅員室に入っていった。
あゆみはその場にいたくなかった。
- 113 名前:とみこ 投稿日:2001年08月31日(金)09時00分40秒
- あゆみは駅を出て、近くの本屋に立ち寄る事にした。
(ヨッスィー・・・いくらなんでも梨華ちゃんに優しすぎるよ・・・。梨華ちゃんは今フリーだし…まさか…。)
本屋に入ろうとした時、1人の少女が出てきた。
「あれ?柴っちゃん。」
「矢口先輩・・・。」
あゆみは緊張の糸が切れて、涙が溢れてきた。
「し、柴っちゃん!?どーしたのさ??」
「ヨッスィーが・・・梨華ちゃんと・・・」
「あー・・・とりあえず家来なよ!ね?」
あゆみはコクリとうなづいた。
- 114 名前:とみこ 投稿日:2001年08月31日(金)09時07分39秒
- 2人がマンションに入っていくと、沙耶香の部屋から、沙耶香と真希が出てきた。
「あれ?やぐっつぁん。女連れ??あ、もしかしてそれがヨッスィー?」
沙耶香はからかうように聞いた。
「ち、ちがうよっ。このこは柴っちゃん。柴田あゆみ!」
矢口は起こり気味で言った。
「でもなんで2人でいんの?柴っちゃん、ひとみは???」
真希が聞いても、あゆみは黙っていた。
「まぁまぁ、ちょっとグチを聞いてやるだけさ。」
矢口はそう言ってあゆみを連れて部屋に入った。
- 115 名前:とみこ 投稿日:2001年08月31日(金)09時14分56秒
- 矢口の部屋に入って、2人はリビングのソファーにすわった。
「どう?落ち着いた?」
「・・・はい。」
「ヨッスィーと・・・何があったの?」
あゆみは少し間を置くと、口を開いた。
「今日、ヨッスィーと電車乗って帰るときに痴漢がいたの。それで、ヨッスィーがその痴漢を捕まえたの。」
「うんうん。」
「で、痴漢された人・・・梨華ちゃんだったの…。」
「まじ?」
「それで、梨華ちゃんの事抱きしめて、手繋いで駅員室に・・・。」
「はぁ!?」
「だから・・・逃げてきちゃったの。」
「それはヨッスィーが悪いよ!柴っちゃんがいる前でよくそういう事できるよねっ。」
「でもヨッスィーは誰にでも優しいから・・・・」
「うん、それはわかる。矢口が付き合ってたときも、超優しかったもんっ。」
「でも今は・・・梨華ちゃんの事好きなのかなぁ?」
「それはないと思うけど・・・明日矢口が確かめてやるよ!」
「・・・矢口先輩。」
矢口はちょっと腰を上げて、あゆみにキスをした。
「・・・ん?」
「ヨッスィーだって浮気してんだっ。うちらもちょっとぐらいいいじゃん??」
「・・・・そうですね。」
その日、あゆみは矢口の家に泊まった。
- 116 名前:とみこ 投稿日:2001年08月31日(金)09時19分23秒
- いしよし・しばやぐになりそうです。
- 117 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月31日(金)12時12分01秒
- 期待してます
- 118 名前:とみこ 投稿日:2001年08月31日(金)14時18分34秒
- その頃、梨華とひとみは駅員室に居た。
「ボ、ボクは痴漢なんかしてませんよっっ。」
駅員に問い詰められ、サラリーマンは冷や汗をかきまくっていた。
「でもね、この子が見たって言ってるんだよ。」
駅員はこれでもかと問い詰めたが、サラリーマンはなかなか認めなかった。
ひとみはぶち切れた。立ち上がって机を思いっきり両手で叩いた。
バンッ!!
「ちゃんと見たんだよ!!お前が痴漢したところを!謝れ!!」
サラリーマンはひとみの迫力に圧倒されて、痴漢を認めた。
「・・・ご、ごめんなさい。」
こうして、サラリーマンから謝罪を受け、ひとみと梨華は駅員室を出た。
- 119 名前:とみこ 投稿日:2001年08月31日(金)14時23分11秒
- 「ヨッスィー・・・すっごいカッコよかったよ。」
帰り道に梨華が照れくさそうに言った。
「梨華ちゃんカワイイから、1人で帰っちゃダメだよぉ。」
「じゃぁ・・・これからは一緒に帰ってくれる?」
「え?」
ひとみは立ち止まった。
「あんな終わり方しちゃったけど、あたし・・・まだヨッスィーの事好きなの。」
梨華は上目遣いでひとみを見た。
「でも・・・あゆみが・・・。ん・・・!?あれ!?あゆみは???」
「さっき駅員室に入るときに帰っちゃったよ。」
「へ!?マジで?ちょっとゴメン、また今度話そう!気をつけてねっ。」
ひとみはダッシュで駅を降りていった。
- 120 名前:とみこ 投稿日:2001年08月31日(金)14時29分04秒
- PM 11:00
矢口の家では・・・。
「柴っちゃん、そろそろ寝るか!」
「・・・矢口先輩、あたし・・・。」
「ヨッスィーか?」
矢口は即答した。あゆみもすぐにコクリとうなづいた。
「あたし・・・ちょっとヨッスィーの家行ってきます。」
あゆみが立ち上がった時、矢口はあゆみの腕を掴んだ。
「柴っちゃん・・・行かないで!矢口を1人にしないでよぉ・・・」
「矢口先輩・・・・・・・・・ゴメンナサイ!」
あゆみは矢口の手を振り払って、家を飛び出た。
- 121 名前:とみこ 投稿日:2001年08月31日(金)14時47分54秒
- PM 11:15
ひとみは、あゆみを探し回っていた。
「あゆみ・・・携帯つながらないし、家にはいないし・・・。」
近くの公園のベンチに座ってグッタリしていた。
「ヨッスィー!!!」
ひとみはハッと起き上がって声の主を見た。
「あゆみ・・・?」
「ごめんね、ごめんねっ。いきなり帰っちゃって・・・。」
「ううん、でもなんで・・・。」
「・・・ひとみが・・・ひとみが・・・梨華ちゃんに優しくしてるのを見てるのが辛かったの・・・。」
あゆみは泣き出してしまった。
ひとみはゆっくりとあゆみを抱きしめた。
「ごめんね、あゆみ。不安にさせて・・・ごめん。」
「ヨッスィー・・・。」
「あゆみがいなくなっちゃった時、改めてわかったよ。前よりもずっとずっとあゆみが好き。そばにいるだけでドキドキするよ。」
「・・・嬉しい。」
- 122 名前:とみこ 投稿日:2001年08月31日(金)14時51分48秒
- 次から、ひとみの視点で飛ばしていきたいと思います。
- 123 名前:とみこ 投稿日:2001年08月31日(金)15時08分50秒
- 【ひとみ 心の日記】
やっぱりあゆみが好き。今日すっごく気づいたの。でも今日の梨華ちゃんがほっとけなかった。
梨華ちゃんもかわいくてしょうがない!そんな優柔不断な自分が大嫌い。
誰も自分を好きになんかならないでほしい。
今はあゆみか梨華か迷うところだけど、あゆみとケンカでもしないかぎり今のところはあゆみが好き。
でも前までの梨華ちゃんとの思いでも忘れることはできない!
だから優柔不断な自分がやっぱり嫌い!
- 124 名前:とみこ 投稿日:2001年08月31日(金)15時21分08秒
- なぁ〜〜〜〜にがなんだかわからんけど今日は文化祭!!!
真希とあゆみと市井先輩と一緒に行く予定だ。
生徒会長として、この1週間くらい超ガンバったおかげで今年の文化祭は豪華になりそう。
「吉澤。」
「あ、市井先輩!」
最初に来たのは市井先輩だった。さすが市井先輩!大事な彼女を待たせるなんて事はしないんですね〜。
真希も幸せもんだ。ま、真希も真希ですっげぇカワイイけど、市井先輩にはかなわないから狙わない。
「お待たせ〜。」
あゆみだ。あゆみも待ち合わせには遅れるタイプじゃないと思う。でも、確実に遅れるというヤツがいる。
まあそれは名前を出さなくてもわかると思う。
「真希おそいね。もう10分もたってるよ〜。」
市井先輩は時計を見ながらイライラしてる。でもそんな真希も大好きなんだろうなぁ。
「市井ちゃぁ〜ん!!」
「遅い!ごっちん遅すぎ!!」
あゆみも少しキレ気味のようだ。
「ちがうって!いきなりオレンジ色の発光体が・・・!」
「はいはい、もっとましな嘘つけば?」
市井先輩はいつも冷静だ。
「まぁまぁ、とりあえず屋台からまわろうよ。」
あたしは場を収めるように言った。市井先輩と真希は野犬と飼い主のようだ。
- 125 名前:とみこ 投稿日:2001年08月31日(金)15時22分52秒
- 今日はかなりはりきって更新したいと思います。
自分、中学生なんで色々間違いがあっても見逃してやってください。。。
m(_)m
- 126 名前:和希 投稿日:2001年08月31日(金)16時08分58秒
- おぉ…。あゆみちゃんと梨華ちゃんの間で心が揺れてるよっすぃ〜(笑)
優柔不断なよっすぃ〜は結構好きです(爆)
どんな事がきっかけでよっすぃ〜の心は梨華ちゃんよりになってしまうのか!?
(↑すでに「いしよし」と決め付けてるし(苦笑))
今後の展開に期待しつつ。
密かに、圭ちゃんやみっちゃんとかの出番を期待してたりもします。
はいっ!勝手な事を言ってますが流してくださってOKです。
偶にしか、ネット出来ないんですがまた感想などかければと思ってます。
- 127 名前:とみこ 投稿日:2001年08月31日(金)17時02分29秒
- >>和希様
感想ありがとうございます。
圭ちゃんは1度出ましたよ。よかったらご覧になってください。
それと、みっちゃんも出てます。多分よーーーーーーくみないとわからないと思いますが。(苦笑
最近は「しばよし」ハマりまくってたんですけど、1度うまくいくとまた「いしよし」書きたくなるんですよ。
そんなもんなんですかね。私も明日からは学校なので更新はあまりできませんが、これからも末永く作品を見てやってください。
- 128 名前:とみこ 投稿日:2001年08月31日(金)17時07分35秒
- 「いちーちゃん、ヤキソバ食べたい!」
4人で行動してたのに、いつのまにか真希が離れて行って、それに市井先輩が付いていくので、あたしはあゆみと2人で行動することになった。
「演劇部みたいんだけどなぁ〜。握手会と時間が重なっちゃって見れないね。」
「しょうがないよ。ヨッスィー人気者だし!あたしはヨッスィーと一緒にいられるだけで幸せ」
「そんな事言ったらメッチャ照れるじゃん・・・。」
あたしはそんな事言いながらも、いつのまにかあゆみの手を握っていた。
- 129 名前:とみこ 投稿日:2001年08月31日(金)17時19分31秒
- 今日は文化祭という事で、みんな私服登校となっている。
あゆみはピチッとしたTシャツに7分のデニムパンツをはいていた。
あたしはというと、ハイビのアロハシャツにジーパンというタラシっぽい格好だった。
「吉澤先輩、一緒に写真撮ってください!」
あゆみと付き合ってる事もおかまいなしで、後輩達は全然変わらない様子だ。
「あゆみ、ちょっとゴメンネ。」
「うん、平気。」
ひとみが後輩たちと写真を撮っていると、圭織がやって来た。
「そろそろ握手会の時間だから、第2体育館来てね。って邪魔してゴメンネ。」
「あ、いえ・・・ってあれ?」
いつのまにかひとみのそばにいた後輩達が、圭織の周りに移動していた。
「飯田先輩、一緒に写真撮ってください!」
「キャー、本物ぉ!!背高〜い!スタイルいいよぉ〜。」
圭織はちょっと驚いた様子だったが、後輩達と一緒に写真を撮っていた。
「あゆみ、行こっか。」
「うん。」
- 130 名前:とみこ 投稿日:2001年08月31日(金)17時20分50秒
- なんかひとみ視点じゃなくなっちゃいました、すみません。
次からはちゃんとハッキリします。
- 131 名前:とみこ 投稿日:2001年08月31日(金)17時38分11秒
- ―第2体育館―
「あーヨッスィー、裏口から入って!中すごいからさ。」
体育館の入り口で、真希があたしとあゆみの手を引っ張って裏口から入らせた。
舞台袖に行くと、もう舞台には握手会の準備がされていた。
「あれ?イスが4個ありますけど・・・なんでですか?」
あたしと飯田先輩と梨華ちゃんの3人のはずなのに・・・?
「あ、それね。いちーちゃんが突撃参加になったの。」
真希が嬉しそうな顔をして言った。
「あたしはあんまりそういうの好きじゃないのに真希が!コノヤロー!」
市井先輩はブツブツいいながらも、嬉しそうに真希とじゃれあっていた。
「ごめん、遅れたぁ!」
飯田先輩が裏口から入ってきた。さっきの後輩達と写真撮ってて時間を食ったんだろう。
「遅れましたぁ〜。」
梨華ちゃん・・・なんでだろ、今日はすっごいカワイいんだけど。いつもだけどさ。
「はーい、じゃぁみんな舞台に出てくださ〜い。」
真希に言われて舞台に出た。
- 132 名前:とみこ 投稿日:2001年08月31日(金)17時39分01秒
- 『キャー!!ヨッスィーこっちむいて〜!!』
『梨華先輩チョーかわい〜〜〜!!!』
『キャ〜〜!!市井せんぱ〜〜〜〜〜い!!!』
『飯田先輩カッコイイ〜〜〜〜!!!』
ファンからの黄色い声援で体育館の壁が張り裂けそうだし・・・熱気で爆発しそう・・・。
飯田先輩・市井先輩・梨華ちゃん・あたし という順番で握手する事になった。
舞台の階段に生徒が押しよせて壊れそうだ。流れていく生徒の大群に、あたしは爽やかな笑顔で握手してみた。
隣でかわいく笑っている梨華ちゃん・・・マジでかわいいんだけど。
いかんいかん、今はあゆみが・・・。そんな事を考えながら、2時間も続いた握手会も終わった。
- 133 名前:とみこ 投稿日:2001年08月31日(金)17時45分14秒
- 「うげぇ〜・・・疲れたよぉ〜。」
あたしが舞台袖のパイプイスに座ってぐったりとしていたら、あゆみが飲み物を買ってきてくれた。
「お疲れ。すっごい人気だね〜。さすがヨッスィー!」
「あゆみ・・・妬いたりしない?あたしが色んな子と握手したり写真撮ったりするの。」
ずっと疑問に思ってたことをふと聞いてみた。
「ううん、全然平気。だってヨッスィーがキスしてくれるのはあたしだけだもん。」
「・・・そ、そっか。」
あまりにも純粋すぎるあゆみの言葉に、あたしは体がカーッと熱くなっていくのがわかった。
やっぱあゆみの事好きだ・・・。だってあたしの事マジで愛してくれてる。
- 134 名前:とみこ 投稿日:2001年08月31日(金)17時49分20秒
- あゆみにこの気持ちを伝えたくて、あゆみを体育館裏に呼んだ。
「ヨッスィー?どーしたの?」
「あゆみ、あたし・・・あゆみの事大好きだからね。愛してるから。」
当然、こんな事を突然言われれば、誰だってそうなると思うけど、やっぱりあゆみは真っ赤になっていた。
「ど・・・どうしたの改めちゃって・・・。」
「マジで好きだよ。本気と書いてマジだよ!」
あゆみはブッと吹き出した。
その後2人でずっと笑いつづけてた。
- 135 名前:とみこ 投稿日:2001年08月31日(金)18時57分42秒
- いしよしに切り替えるのはむずかしいっス。
しばよし大好きんぐなんで・・・。
- 136 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月01日(土)03時11分15秒
- 沙耶香→紗耶香
で、よろしく。
- 137 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月01日(土)15時26分57秒
- がんばれ。期待してるぞ。
- 138 名前:とみこ 投稿日:2001年09月01日(土)18時29分52秒
- >>136了解。
>>137ありがとうございます。
- 139 名前:とみこ 投稿日:2001年09月03日(月)17時13分47秒
- 文化祭の次の日、学園では朝から全校生徒で片付けをしていた。
「会長、これドコのパネルですかぁ?」
「それは・・・第三会議室!」
「生徒会長!ビニールテープどこですかぁ!?」
「あ〜〜今茶道部んとこ!!」
ひとみは学園内を走り回っていた。
さすがに生徒代表者となると、忙しいとかいう問題じゃなくなってくる。
忙しいのは会長だけではなかった。副会長のあゆみも、ひとみと同じく学園内を走り回っていた。
- 140 名前:とみこ 投稿日:2001年09月03日(月)17時23分50秒
- 〜パニック〜(ひとみ視点)
あゆみがどこにいるのかわからない――。
「すみません!柴田副会長見ませんでしたか!?」
「柴田先輩?見てないです〜。」
ダダダダダダダダダ・・・・
「すいません!柴田副会長は・・・」
「おしい!さっきまで居たんだけどなぁ!!」
マジで・・・どこだよ・・・あゆみ。全然会えないよ〜〜(泣)
はっ!そろそろ生徒会室に向かわないと!
ダダダダダダダダ・・・・「あれ?ヨッスィー!」
「安部先輩!」
「今、柴っちゃんが探しに来たよ。」
「え!?」
文化祭が終わったと思えば、超多忙を極めていた。
超豪華な文化祭になったのはいいけど、片付けがハンパな大変さじゃない・・・。
かれこれあゆみとは2日も顔を合わせてない・・・。ハァ・・・。
- 141 名前:とみこ 投稿日:2001年09月03日(月)17時31分16秒
- 『先輩!このグラフ間違ってます!!?』
『すいません!伊藤さん見てませんか!!??』
『誰か手ェかしてぇ!!!』
『ガムテ5個とカラーテープ2個ずつ!げ!?売り切れ?!』
『コピー機トナー切れ!?コンビニは?』
『計算機が壊れてます!!!』
『職員室から盗んで来い!!!』
『ギャァァ!ゴキブリ〜!!!』
『大丈夫!ひからびてる!死んでるわ!』
「あゆみぃ!どこぉ!?」
あたしは一日中学園内を走り回りながらあゆみを探した。
「あゆみぃ〜!!!」
あゆみも今ごろあたしを探してくれてるのかな・・・。
「ひとみぃ〜!!!」
「ん!?」
- 142 名前:とみこ 投稿日:2001年09月03日(月)17時40分20秒
- 「「いっいたー!!」」
2人はお互いの顔が久しぶりに見れて、嬉しい反面どうしていいかわからなくって固まってしまった。
「・・・よ、ヨッスィー・・・。」
「あゆみ・・・!」
2人はガシッと抱きついた・・・が!
『あ、いたいたー。生徒会長、ちょっと用あるんだけどー!』
『会長ー!!ガムテープまだですかぁ!!??』
どんどん増えていく後輩の群れに、ひとみはブッち切れた・・・。
「なんでもあたしに聞いてんじゃねェーよ!!クソォー!!!」
あんなに騒々しかった学園が、一瞬で静まった。
ひとみはクルッと向き直った。
「悪い、ちょっと抜けたいんだけど。」
ニコッと笑って見せた。
『は、はい・・・。どうぞ休んでください・・・。あんまり無理しないでくださいネ・・・。』
後輩達はそそくさと退散していった。
- 143 名前:とみこ 投稿日:2001年09月03日(月)17時49分51秒
- ―屋上―
「片付けはもう少しだし、このバタバタも今日で終わりだね。」
ひとみはあゆみの手をギュッと握った。
「う、うん・・・。」
「あ・・・げ、元気だった?」
「うん、ヨッスィーは?(さっきキレてたけど。)」
「あ、うん。あたしも・・・元気。」
「そ、そっか・・・。」
「うん・・・そう・・・。」
「・・・・・。」
「・・・・・。」
「ほんとはっ!・・・」
「!?」
ひとみはゆっくりとあゆみを見た。
「あゆみといられなくって・・・すごくつまらなかったよ。」
「・・・うん。あたしも・・・すごくつまらなかった。」
「・・・文化祭なんて、もうまっぴらだね。」
「うん・・・なんか付き合ってるっぽい事ひとつもしてないし・・・」
「・・・・あ、いい天気。」
「え?」
あゆみは空を見上げた。
チュッ・・・
「へ?」
「あ、もう行かなきゃっ。バイバイっ。」
「・・・うれしぃ」
- 144 名前:とみこ 投稿日:2001年09月03日(月)17時54分18秒
- そろそろ終盤です。
この小説が終わったら、青板の方の「ピアス」という学園モノ(この小説の番外編のようなもの)を更新しまくりたいと思います。ぜひ見てください。
- 145 名前:某さくしゃ 投稿日:2001年09月03日(月)18時28分31秒
- やっぱしばよしは良いですよねぇ〜・・・・。
作者さんはがんばってくださいねぇ〜。
- 146 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月03日(月)23時33分43秒
- 某少女漫画まんまですね(w
文化祭の片付けがこんなに忙しい学校も珍しいですねぇ。
とにかく最後まで頑張って書いてください。
- 147 名前:とみこ 投稿日:2001年09月04日(火)18時33分04秒
- >>146
そうなんす。「彼○彼女の○情」ですね。(w
すみませんっ。このシーンがダイスキングなもんで。
そろそろ終わります。
- 148 名前:とみこ 投稿日:2001年09月04日(火)19時23分28秒
- 次の日―
あゆみとひとみは一緒に登校していた。
正門の前で、制服の真希と私服の紗耶香が何か話しているようだった。
2人が声をかけようとした時、2人はそっとキスをした。
「いちーちゃん、大好きだよぉ。」
「あたしも後藤の事大好きなんだから。じゃぁね、もう行くから。」
といって2人はもういちど、今度はとても長いキスを交わした。
「うひゃぁ〜・・・なんかラブラブだね〜。」
ひとみは頬を少し赤らめながら2人を見ていた。
あゆみはひとみの手をギュッと握った。
「あたし達もしよっか?」
「・・・へ?」
「いいじゃん、しよ〜よ。」
あゆみはひとみの制服の襟をキュッと持って・・・
「あれ?ひとみと柴っちゃんじゃん。」
2人はパッと離れた。
「ま、真希っ!なんだよぉ!!」
ひとみは真っ赤になった。
(せっかくヨッスィーとキスできそうだったのに・・・)
あゆみは残念そうな顔をしていた。
「あ!キスしよーとしてたっしょ?ゴメンネ!ジャマしちゃった。」
「真希こそ市井先輩としてたくせにっ!」
「見てたの?恥かしぃ〜」
真希はひとみの腕をバシッと思いっきり叩いた。
「いってぇ!!何すんだよ〜!!」
「もー!2人ともやめよーよぉ!」
- 149 名前:とみこ 投稿日:2001年09月04日(火)19時27分21秒
- 2人がギャーギャー騒いでいると、(あゆみは止めようとしているのだが・・・)梨華が登校してきた。
「あ、梨華ちゃん・・・。」
ひとみは動きを止めた。
「ひとみちゃん、ちょっと話があるから放課後、屋上に来てくれる?」
「あ、うん。」
梨華はそれだけ言うと早足で(きんちゃん走り?)去っていった。
「ヨッスィー・・・梨華ちゃんの話って・・・」
あゆみが心配そうにひとみに聞いた。
「うん・・・ちゃんとキッパリ言うよ。あたしはあゆみが好きだって。」
「うんっ、ありがと!」
- 150 名前:とみこ 投稿日:2001年09月04日(火)19時39分50秒
- 屋上―
ギィ・・・
ひとみが屋上に行くと、すでに梨華は来ていた。
「梨華ちゃん。」
「・・・ひとみちゃん・・・。」
「は、話って・・・?」
「・・・わかってると思うけどさ、あたしやっぱりひとみちゃんが好き。」
「・・・でもあたしは・・・あゆみが好きだから。梨華ちゃんの気持ちには答えられない。ごめん。」
「・・・ひとみちゃんはズルいよ。もう好きじゃないはずなのに・・・なんで困ってるときにいつも1番に来てくれるの?どうして悩んでる時にそばにいてくれるの・・・?」
梨華は泣きながらそう言った。
「・・・あたし、優柔不断だから色々悩むことあるけど・・・あゆみがいないとダメなんだ。」
梨華は何も言わずに泣きつづけていた。
「・・・じゃぁね。」
ひとみは色んな思いを残して、屋上を去った。
どうしてだろう・・・歩く度に涙が出てくるんだ・・・。
- 151 名前:とみこ 投稿日:2001年09月04日(火)19時40分58秒
- 【梨華の涙はとてもキレイだった。たくさんの思い出と・・・切なさの優しい涙。】
- 152 名前:とみこ 投稿日:2001年09月04日(火)19時45分35秒
- 「写真・・・撮ろっか。」
「え?」
帰り道、ひとみはカバンからカメラを取り出した。
「2人で撮った事ないじゃん?だから、ね?」
「うんっ。」
まるで2人のこれからの道のように、花に囲まれた細い道を見つけた。
「こんな道あったっけ?」
2人はその道を抜けると、たくさんの花が咲いている公園についた。
「すっご〜い!キレイだね〜。」
「ここで撮ろう!」
2人は1番大きなヒマワリの前で写真をとった。
世界一のとびっきりスマイルで――――
- 153 名前:とみこ 投稿日:2001年09月04日(火)19時47分11秒
- 無事終わりました。色々ミスる事などもありましたが、応援してくださった方々、どうもありがとうございました。
さげます。
- 154 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月06日(木)04時04分54秒
- とみこさん、おつかれさま。
次回作にも期待してますよ〜。
- 155 名前:とみこ 投稿日:2001年09月06日(木)21時06分33秒
- >>154
青板に新スレ立てました。よかったら見てください。
- 156 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月11日(火)12時50分36秒
- 青板の見ました。「ピアス」という小説ですよね?
あーいうの好きです。更新期待してます。
- 157 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月13日(木)09時19分28秒
- 上がってたら期待してまう・・・(w
- 158 名前:とみこ 投稿日:2001年09月15日(土)21時01分32秒
- >>156
ありがとうございます。毎日更新するので見てください。
>>157
この小説の番外編書こうと思います。よかったら見てください。
- 159 名前:とみこ 投稿日:2001年09月17日(月)19時17分17秒
- この小説の番外編を書こうと思うので、リクエストお待ちしています。
新メンバーだとか。
- 160 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月22日(土)23時18分59秒
- >>159
新メン、うーん・・・。
- 161 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月22日(土)23時20分14秒
- 上げてしもた。
- 162 名前:とみこ 投稿日:2001年10月01日(月)09時58分51秒
- 番外編を書きます。
- 163 名前:とみこ 投稿日:2001年10月01日(月)10時09分03秒
- 番外編 【好きやねん。】
秋風が少し肌寒い。
職員室のベランダでコーヒーを片手に校庭を見ていた。
テニス部が練習をしている中、コートを横切って帰っている制服の少女。
思いっきり校則に反してる金髪。でも小さい背丈の彼女には、なんか合っている。
「矢口!」
その少女は振り返って職員室を見た。
「おー!裕ちゃん!」
2階にある職員室を見上げて両手を振っている彼女の姿が愛らしい。
「ちゃんと正門から帰りぃや。」
「やだよー!西門の方が近いんだもん。」
「西門のカギはがっちり閉めたで。」
「裕ちゃんのイジワルー!!いいもんっ、よじ登るから!バイバイッ!」
そのまま矢口は西門の方に走っていってしまった。
【なんでやろ。どんな仕草でも愛らしく思えるのは。】
- 164 名前:とみこ 投稿日:2001年10月03日(水)17時58分36秒
- 「寒いなぁ・・・おでんでも買うて行こうかな。」
近くのコンビニでおでんを買って、マンションへ向かった。
ガチャッ
鍵はいっつも開いている。
「おかえりー、裕ちゃん。」
迎えてくれたのは、さっきの金髪問題児、矢口真里。
「ほれ、おでんやで。」
「わーい!矢口の好きな卵は?」
「アホ、矢口は大根だけや。」
「えーー!!?」
「あはは、冗談やって。はよ食べんと冷めてしまうで。」
「いっただっきま〜す♪」
私も荷物を置いてテーブルについた。
自分がおでんを食べるのを忘れて、矢口を見つめていた。
おいしそうにおでんをほおばる矢口が可愛かったから。
別におでんが好きなわけじゃない。
矢口がおでんが好きなこと知ってたから。
矢口の喜ぶ姿が見たかったからなんだよ。
- 165 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月13日(土)16時21分48秒
- いい話だ(爆
- 166 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2001年10月14日(日)21時05分24秒
- 番外編かなり楽しみに待っているのに・・・
まだ更新ないのかな?
- 167 名前:とみこ 投稿日:2001年10月16日(火)19時25分54秒
- 「矢口・・・・。」
「ん?」
彼女はまだ口の中に入りきっていなかったはんぺんを、無理矢理詰め込んで返事をした。
「ひとり暮らし・・・辛くあらへん?」
いつもの質問といっても間違いない。矢口が来る度に聞く。
「辛いよ・・・でも裕ちゃんがいるから大丈夫。」
「いつでもここにくればええからな。」
「・・・・・・・ありがとう。」
そういって彼女は再び食べ始めた。涙混じりのおでんの味。
辛いなら・・・辛いなら私が助けてあげたい。
あんたが辛い姿なんて・・・・見たくないよ。
Converted by dat2html.pl 1.0