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Peach(やぐかお)
- 1 名前:おと 投稿日:2001年07月18日(水)08時52分40秒
- はじめまして。
かおりんモノの小説を書こうと思ったら、ヤグキチ視点になりましたが
ちょっとした話を書いたので、是非見てください。
キーワードは「桃」
ピーチ味だったり、缶詰だったり、皮付きのフレッシュな果実だったり・・・
いろんな桃の味と恋する気持ちを掛けてみました。
つーか、ヤグキチ1人で悶々としてるだけなんだけどな。そんな感じです。
- 2 名前:おと 投稿日:2001年07月18日(水)08時55分07秒
口の中で弄んでいた飴はピーチ味だった。甘さと酸っぱさが交互に舌を刺激する。
恋愛に似ている気がする。甘い気持ちと酸っぱい気持ちが交互に押し寄せる、その感覚と。
「矢口、圭織ん家泊まってかない?」
そもそも、仕事以外のプライベートで"お泊まり"をする事があんまりない。
都内にほど近い横浜の実家は、終電を逃してもタクシーで帰れる距離にある。
だからか、どんなに遅くなっても実家に帰るし、実家を出る理由もない。
珍しく順調に終った音楽番組の収録。いつもより2時間も早く終る。
新曲の振り付けに自信が無く、それなりに伸びる事を覚悟してたのが拍子抜けでもあった。
拍子抜け以上に、嬉しさが勝ってるのだが。
多分、あの場ではみんなが開放的な気分になってた。矢口も例外じゃない。
突然の誘いは、そんな開放的なムードの中で普通に発されたのだった。
「あー!いいなぁ!加護も泊まるぅ〜」
「加護はダメだよぉ。おばあちゃんが心配するでしょ」
身を乗り出す加護を、優しく制する圭織。
加護を断る理由はあったのだろうか。その瞬間では気づけなかった。
膨れっ面の加護を横目に、上から優しい目で矢口を見下ろす。どう?
「・・・でも、急に言われても、何にも用意してないし」
「パジャマとか貸すし、新しいパンツはあげるからさ」
パンツと言う言葉に、思わず噴出してしまって、その場のノリもあったし迷わずOKした。
パンツって言葉が無ければ、多分断ってただろう。
本体もユニットも同じ組織にいる圭織とは、メンバーの中で1番時間を共有しあっている仲。
だからこそ、お互いを1番良く分かってるつもりだし、言葉を多く語らなくても心が読める。
パンツは圭織にとって、真剣で真面目な言葉だっただろう。
それが分かる故のおかしさがこみ上げ、矢口はお腹を抱えて笑い転げた。
- 3 名前:おと 投稿日:2001年07月18日(水)08時56分21秒
「・・・つー事で今夜は帰らないからね。明日は帰るけどさ。うん・・・分かった。おやすみ」
6月中旬。"梅雨の合間の晴れ"と、天気予報が言っていた。
その言葉通りの天気と言うか、湿気てる日本の割には空気が乾いていた。
歩きながら家に電話を入れる矢口と、その様子をチラチラみている圭織。
2人で並ぶ夜道は久しぶりだった気がする。しばらく散歩でもしよっか、って言い出したのは圭織だった。
潮と土の匂いが混じる、アスファルトの遊歩道。
いつも毎日会うのだが、2人きりで居る事は滅多にない。意外と話題に困るものだ。
「まりっぺってさ、うち来るの初めてじゃん?」
「そう言えばそうだったね。何でだろーね、なっちの家とかは行くのにね」
「・・・なんで、圭織ん家は来なかったの?」
沈んだ口調はすぐに読み取れた。どうしてそんな事を気にするのだろう。
そんなの、長い歴史のホンの偶然に過ぎないと言うのに。避ける理由もなければ、誘われた記憶もない。
そりゃ、あれだけ四六時中顔を合わせる人間と、夜まで一緒に過ごしたいとは思わない。
「や、だからね。うちらって娘。もタンポポもあるじゃん?四六時中顔合わせてさ、
更に夜も顔をあわせようって思う?やっぱ夜ぐらいはさ・・・」
「圭織と顔合わせるの、いや?」
「ヤなんて言ってないし!大体圭織に誘われた事なんかなかったじゃん!」
何でこんな事で争うのだろう。あほらしい。
「そっか・・・そうだよね」
「それにさ、うちは横浜だからどんな遅くなっても帰れるし、泊まる理由がないもん」
「そう、だよね」
正論をぶつけると妙にしおらしくなる圭織が、なんだか可愛いって思った。
言い過ぎたね・・・と、つぶやいてふっと微笑んでみた。
圭織は自分の左手を、矢口の右手に絡ませたがってたのもしっかり見えた。
寄せては引いてを繰り返す、もどかしい圭織の左手を敢えて見えてないフリをした。
雲に隠れた月。静まり返った埠頭沿いの遊歩道。
途切れた言葉の先を考えれば考えるほど、迷宮に深入りしてしまう感じだ。
こんな夜に矢口を誘った理由は、一体何だろう。
- 4 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月18日(水)15時10分42秒
- 圭織が可愛すぎる
更新期待してま〜す!
- 5 名前:おと 投稿日:2001年07月19日(木)02時25分22秒
- ども、ありがとうです(照)
- 6 名前:おと 投稿日:2001年07月19日(木)05時01分56秒
- 「あのさぁ・・・」
「ねぇ・・」
何か言いたげな、お互いの目線がピッタリと重なった。こんな偶然は滅多にない。
「か、圭織からどうぞっ」
「や・・いいよ。まりっぺから言って」
「良いってば、圭織から言えよっ!」
矢口の言いたい事は、どうせどうでもいい事だし、圭織の表情は"どうしても"今を伝えたそうだった。
なんとなく分かるのも、やっぱり「長年の付き合い」が為せる技なのかもしれない。
「・・・じゃ、圭織から言わせてもらいます」
吐き出される息の根元を目で辿ると、グロスで濡れた唇が電灯で艶かしく光った。
みずみずしいフルーツのような感じがして、食べたらどんな味がするのか想像してみた。
溢れ出る果汁、甘酸っぱい果肉・・・桃だ。缶詰じゃない、皮付きの桃。もぎたての桃の味を舌で思い出す。
軽く突き出す形は、まるでこの身を食べて下さいと捧げられているようにも見えた。
いつも見慣れてる圭織の唇に、どうしてここまでそそられるのかが分からない。
「今だから言えるんだけどさぁ・・・矢口、最初の方圭織を避けてたでしょ?」
「はい?」
「だからさ・・・なんかね、矢口はぁ」
「避けてたって、いつよ?」
「矢口が入ってきた頃」
どうして、もう3年以上も前の、しかも入ってきた頃の話題を切り出すのだろう。
分かり合えてるつもりなのに、たまに圭織が分からなくなる。
- 7 名前:おと 投稿日:2001年07月19日(木)05時03分24秒
初めて圭織と会った日の事、ハッキリと覚えている。
多分、他の人間の事よりも鮮明に覚えている。
圭織は、矢口にない全てを兼ね揃えていた。
パッチリとした大きな目、さらさらの長い髪、白い肌、長い手足、すらっと伸びた背。
これだけの人間を目の当たりにすると、圭織と同じ世界に入った事を激しく後悔した。
横に並ぶと、自分のコンプレックスな部分が全て映し出されるようで怖かった。
避けてるつもりはなかったけど、あの頃は多分意図的に避けていた。
ある日、圭織が「どうして矢口は圭織を避けるの?」と、涙目で迫って来た。
それも、ちょうどこんな風に乾いた風の夜だった。
先輩で、しかも1番苦手な人からそんな風に迫られて、そりゃぁもう想像以上にビビって
「別に・・・・そんなんじゃ、ありません」って声にするのがやっとだった。
矢口だって、本気で怖くてビビってて、泣きたかった。生きていく自信を失うぐらいに。
ここは真剣に返すべきか、もしくはいつものように勢いで言い飛ばしてしまうべきか。
一瞬の迷いが頭を過ったが、敢えてそのどっちにも取れるトーンを選んだ。
「うん、避けてたね」
「・・・ハッキリ言うねぇ」
乾いた笑い声の向こうで、圭織は一体何を考えているのだろう。
あんな昔の事で、傷ついているのかも知れない。やっぱり、あやふやに笑っておけば良かったのだろうか。
そんな事もあったね。今となっては、それぐらいの思い出で留まっている。
しばしの沈黙。
と、言うよりかは圭織的に言うと"思考回路の停止"---。
- 8 名前:おと 投稿日:2001年07月19日(木)10時36分11秒
思考回路が停止したまま歩み出すのは危険だった。
サンダルの足元が覚束ないでいる。
ハラハラしながら横を歩くが、どうもさっきから圭織の顔をまともに見る事が出来ない。
口中の飴は小さく小さくなっていて、奥歯で優しく噛み砕くと、最後に酸っぱい風味が広がった。
それと同時に、圭織の唇が動いた。
「・・・イになったよね」
「はい?」
エンジンの音で遮断された言葉に、小首をかしげた。
ふぅ・・・と唇から息を漏らし、もう1度発した。
「あの・・・矢口、キレイになったなって」
矢口は目を見開いた。同時に恥ずかしくて顔から火が出た。
しばらくの沈黙の後で発する圭織の言葉は、時々ものすごく大胆だ。
「いやいやいやいや・・・そんな事ぁないてばぁ。まだまだだよ」
そりゃぁ、確かにあの頃よりはキレイになったとは思ってる。
そうやって面と向かって言われると、どう返していいかよく分からない。
もごもごと口を篭らせる矢口がいた。
「あのさ、圭織だって・・・キレイになったと思うけどっ」
恥ずかしくて、露骨に逸らす顔。耳の奥が甘くうずく。
埠頭の向こうは、宝石箱のような町並みが映し出されている。
強めの風は、頬の火照りを癒してくれるのにちょうど良い心地だ。
ふと、温かくなる掌。
寄せては返していた圭織の手が、やっと矢口の手を掴んだ。
なんで矢口を誘ったの?
言いたい事は胸の中にそっとしまった。
この行為が全てを物語っている気がして、ああやっぱり圭織とは心が通じてるって思った。
この夜は、2人にとって忘れられない夜になりそうだ。
圭織の手の温もりは、そんな予感を孕んでいる気がする。
- 9 名前:おと 投稿日:2001年07月19日(木)10時37分24秒
- 相当な距離を2人で歩いて、いい加減足が痛くなった頃タクシーを拾った。
後部座席に座ったお互いの額に、うっすらと汗が滲んでいた。
車内のクーラーと、ひっきりナシに交信する無線連絡が騒がしい。
それがまるで、自分の今の心境とシンクロしているようで、なんだかもどかしくなる。
オレンジ色のライトに照らされた唇は、今度は缶詰の桃。
今日食べた、杏仁豆腐に入っている桃。桃自体の味は思い出せなかったが、
杏仁豆腐の柔らかさを思いだし、この唇とどっちが柔らかいのかを想像してしまった。
口イッパイに広がる杏仁豆腐の甘味。それに伴う唾液が静かに喉を通る。
胸がうずく。罪悪感ってヤツか。
横の人間が、そんな不埒な想像を膨らましているとは、知る由がないと言う顔で佇む圭織が居た。
ミラー越しに目が合っただけで、何故だか胸がキュンと切なくなるのは・・・どうしてだろう。
こんな感情、変な感情。
きっと分かってる。ダテに18年も女をやっていない。
お互いの為に、うやむやにしてた気持ち。それをさらけ出すのは、正直怖い。
ずっと思ってた。
「1歩踏み出した関係になりたい」友達・親友・仲間以上の関係に・・・。
だけど、今のままがお互いにとって1番だって分かってた。
何処を見ているか、たまに分からなくなる圭織のその視線。
その瞳の先に、矢口は映っているの?
不安は募るばっかりだけど、そんな事を聞き出せるわけがない。
この距離がじれったい。1歩でも良いから近づきたい。
「・・・お客さん、お客さん」
「はっ、はい?」
「着きましたけど」
いつのまにか、タクシーは私達を目的地に運んだようだ。
不機嫌なおじさんの向こうには、コンビニの照明達ががまばゆい光を発していた。
ああ、圭織はこの町に住んでいるんだ。
都内の割には緑が多くて、静かな住宅街。昼はもっと素敵な場所だと思う。
- 10 名前:おと 投稿日:2001年07月19日(木)10時39分37秒
コンビニに入ると、2人は一目散に突き当たりのドリンクコーナーへ向かった。
色とりどりの缶。喉がひどく乾いている。
なのに、どうしてかピーチネクターの缶を取った。ドロッと濃厚な桃のジュース。
さっきから、桃の味が頭から離れない。桃、ネクター・・・きっと、またいやらしい想像をしてしまいそうだ。
今度は何を連想されるのだろう。濃厚な桃のエキスで。
ふと、圭織のほうに視線をやると、1つだけ隔離されたドリンクコーナーに居た。
露骨な「20歳未満飲酒禁止」と言うステッカーの前に、19歳の圭織が立っているのだ。
中に伸びそうな手に、矢口は慌てて呼び止めた。
「ちょっと、圭織さん?」
「んー?」
「んーじゃないでしょ、んーじゃ。圭織さん、そこはお酒のコーナーなんですけど」
「分かってる」
あっけらかんな圭織の態度。手はビールの缶に伸びている。
分かってないから注意しているのに。20歳まであと1ヶ月少し。
未成年飲酒でスクープされ、事務所を追放された少年アイドルの記事を思い出した。
「一応8月まで未成年だし、変な所で写真とか取られて事務所に迷惑掛かっちゃうよ」
そうだ、たたでさえ圭織の家の前のコンビニ。
今、こうしている時も、この近所の何処かでカメラを構えてシャッターチャンスを狙う輩が、
2人の知らない所で待ち伏せしている。
あの少年アイドルと違って、圭織は一応「国民的アイドル」だ。
「いいじゃーん」
半分ヤケ入った圭織の無邪気な顔に、胸の奥がキュンとうずきつつも
「よかぁ・・・」
「だめ?」
止めようと思ったけど、なんだか上手い事言い含められてしまった。
仕事の時は絶対負けないんだけどな。
仕事の時は、あんなに強気なのに。どうしてだろう。
もじもじしている矢口を尻目に、ビールの缶を戻し、赤ワインを1本手にとって圭織は颯爽とレジに向かった。
- 11 名前:4 投稿日:2001年07月19日(木)11時24分37秒
- ちくしょ〜!
続きが気になりすぎる!(w
この2人には、エロじゃなくて親友を期待したいけどどっちだ?
- 12 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月20日(金)17時36分15秒
- むっちゃ珍しい組み合わせだから全然展開読めないー。
- 13 名前:おと 投稿日:2001年07月23日(月)01時41分17秒
- コンビニから圭織の家は目と鼻の先、夜だからやたら声が通る。
静まり返った空間に圭織の声がエコーして、心地よく耳に届く。
高鳴る心臓を、夜風はなだめてくれるようだったが、矢口の頭の中では桃で侵食されていた。
こんなにも、自分の思考回路を1つのもので独占された事はない。
「こないださ、いつだっけな・・・ライブの打ち上げの後でさ、圭ちゃんの飲みかけてたワインを飲んだらさぁ」
袋から取り出したワインにさえ注意出来ない。
心臓の音が大き過ぎて、圭織の声はエコーが掛かっているような、心地よさで満ちていた。
「なんか、めっちゃ美味しいワインだったんだ。矢口も飲んでみる?」
ブドウのイラストを目の前に差し出され、中途半端に視線を上げた。
まともに顔を見られなくなっていた。
「・・・うーん。明日に差し支えないかなぁ」
「そんな2人で1本も飲まないでしょ。裕ちゃんじゃあるまいし」
くすくすと笑いながら話をしているうちに、圭織の家の玄関まで到着していた。
胸がきゅぅっと締めつけられる。苦しくて切なくて、変な気持ちだった。
ついたため息には、飴の甘い香り。
ここに入れば、きっと今よりも1歩踏み込んだ関係に陥るだろう。
心の奥底で、2人が求めていた関係に。
だけど、それがお互いの未来を幸せなものにするのかは・・・分からない。
- 14 名前:おと 投稿日:2001年07月23日(月)01時43分05秒
- 「部屋ちょっと散らかってんだよねぇ」
「おーい!片付けろよっ」
どうして、散らかった自分の部屋に誘うのか。憎まれ口の裏で期待していた。
だよねぇ・・・と笑う圭織自身ですら、どうしてわざわざ誘いに出したのか分からないらしい。
「でもさ、大丈夫だよ。矢口がお風呂入ってる間にでも片付けるしさ」
家のカギを差し込む。細く長く白い腕。矢口が憧れているその腕。
抱き締められたい。と、素直に思う自分には、もう弁解も何もない。
土壇場でじたばたするなんて、矢口らしくない。
あがって。玄関が開かれた。
散らかってるけどさ・・・いいよね?ここまで来て断る理由なんかあるはずがない。
「おじゃまします」
誰かに背中を押されたかのように、未知の世界へと足を踏み入れた。
戻る事の出来ない2人。これからの2人。2人の行く末は、誰にも分からない。
- 15 名前:読んでる人 投稿日:2001年07月23日(月)16時34分18秒
- かおやぐ作品って初めて読みました。
オレはこの凸凹コンビが好きなので、めっちゃ期待してます♪
- 16 名前:名無しさん 投稿日:2001年07月26日(木)00時11分18秒
- いいですね〜!!甘酸っぱくてたまんないです!
- 17 名前:おと 投稿日:2001年07月28日(土)00時53分09秒
- 玄関前。とうとう、圭織の部屋に入る。
ドキドキが最高潮に達しているのが、自分自身でも手にとるように分かる。
悟られないように、さっきから何度も深呼吸をした。
「あがんなよー」
「あ、うん。おじゃま、します・・・」
圭織の言葉に、言葉の語尾が微妙に上ずっていた。
割と広めの玄関には、無造作に置かれた靴達混じってまだ冬のブーツが転がっていた。
梅雨明け宣言が来週頃と言うニュースを見た。もう夏と言うのに。
緊張がほんの少し軽くなる。こう言うアバウトな所が圭織らしくもある。
「おーい、このブーツ冬物だろ。直せよなっ!」
「それねぇ。うん。・・・・いいじゃん、そのまま冬まで出しとくもん」
「だめだよぉ。ちゃんと直さないと痛むよ?」
「いいのいいの」
たしか、このブーツは矢口が「ここのお店にしなよ」とアドバイスしたヤツだ。
だからこそ嬉しくて、だからこそ今年の冬も履いて欲しい。
苦笑いしながら、丸いかかとの部分の埃をはたいた。
胸は大きく波打つものの、いつもの圭織がそこに居る安心感が緊張の糸をほぐした。
1歩踏み入れた圭織の部屋。
所々に脱ぎっぱなしのTシャツが放置されてある以外は、それ程ひどい状態でも無かった。
むしろ、これぐらいの方が「ここで圭織が暮らしている」と言う事を実感させる。
ホッとした途端、足元に脱ぎっぱなしの靴下があって、さすがにそれには苦笑した。
「ごめんよ散らかってて」
「全然。矢口の部屋もこれぐらい散らかってるしぃ」
ベッドに腰を掛け、部屋全体を見渡した。
矢口の部屋の方が汚い。ベッドのまわりのプーさんグッズに、プリクラやらポラロイドやら
貼りまくった鏡、造花のハイビスカスや化粧品の山。
それに比べて、圭織の部屋は随分と落ち着いている。大人の雰囲気と言うのだろうか。
窓際のサボテン、変な形のオブジェ、誰かの写真。
- 18 名前:おと 投稿日:2001年07月28日(土)01時05分45秒
- 「ねぇー、この写真誰?」
黄色いフレームの写真立て。
圭織の妹だろうか。に、しては雰囲気が全然違う。
普通、妹だけの写真は飾らないだろう。妹と自分なら分かるが。
「あっ、それ!」
慌てた様子の圭織の呼び止めよりも、矢口の手は早く自然と伸びた。
フレームを掴んで引き寄せた。
「・・・うげーっ!」
どうやら、見てはいけないものを見てしまったらしい。
校則スレスレって感じの茶パツ、おかっぱみたいな変な髪形。
怯えた目つきに、無理矢理笑ってるぎこちない笑顔。挙句の果てには贅肉だらけの太った身体。
自分が最も触れられたく無かった時代。二度と戻りたくないあの時代。
何も楽しく無かった。何もかもが怖かった。
歌う事が嫌だった。踊りも好きじゃなかった。
カメラを向けられる事が怖かった。
「モーニング娘。の矢口真里」を名乗る事も嫌だった。
自信がなくて、ネガティブで、どうしょうもなかった時代。
どうして、圭織の部屋に?よりによってこんな頃の自分の写真が?
頭が混乱しているのが手にとって分かる。
ガンガンと痛み出したのと同時に、吐き気のような気持ち悪さがこみ上げて来た。
「なんでまたこんな古い写真が?」
「矢口、お風呂入んなよ」
間違いなく、2人の空気が気まずいものに変わった。
突き放すような圭織の声に、返す言葉も見つからずに、ふらふらと頼りない足取りでバスルームに向かった。
- 19 名前:おと 投稿日:2001年07月28日(土)01時24分50秒
- 浴槽の淵に凭れ掛かった。捻った蛇口から放出されるシャワー。
ちょっぴり熱いソレは、身体をチクチクと突き刺すように降り注がれる。
あの日の事は、今だって昨日のように思い出せるほど強烈に記憶している。
「はじめまして。飯田圭織です」
トーク番組で見た、あの芯の抜けたような声ではなかった。
低くてしっかりした声で、圭織は静かに挨拶をした。
「あ、あの・・・えっと・・・」
テレビで見た、天然ボケのおおらかなイメージとは全然違う。
大きくて鋭いひとみで、矢口を見下ろす姿。怖い。
「えっと、はじめまして・・・矢口、真里です」
「やぐち、ま?・・・なんて?」
「矢口・・・真里です」
多分、この時の矢口は泣きそうな顔をしてたと思う。
迫られて、いや、圭織は迫っているつもりは無かっただろうけど、
「ふーん、矢口真里か」
精一杯答えた自分の名前を、ぶっきらぼうに呼び捨てた。まるで興味なさそうに。
チラッと目があった。今は大好きな、大きな丸い目が、こちらをギロッと睨んでいるように見えた。
圭織が背中を向けた瞬間、ポロッと涙が零れ落ちた。
あの、涙の筋の通り道と同じ道を、熱いシャワーがなぞっていく。
- 20 名前:おと 投稿日:2001年07月28日(土)01時55分56秒
- それから、それから・・・。
記憶の糸を手繰り寄せると、色んな事が一気に蘇った。
多分、お互いに絶対仲良くなれないと思ったし、仲良くしてもらうつもりも無かったし、
矢口が今の圭織にこんなキモチを抱く事も、奇跡に近いと思う。
「はーい、真里ちゃん、もうちょっと圭織ちゃんとひっついてね。そう、圭織ちゃんは真里ちゃんの肩に手をやって」
1番背の低い矢口と、1番背の高い圭織が並ぶグラビア撮影は最悪だった。
今でこそネタになってるものの、当時の矢口には屈辱以外何ものでも無かった。
長い手足、さらさらの髪、プロポーション抜群のスリムな身体、
真っ白な肌に、丸い大きな目。チャーミングな唇。
羨望と嫉妬が入り混じっていた。
神様は不公平だと。
矢口のコンプレックスを、欲しいものを全て持ち合わせた人物と、同じグループに入れるなんて。
圭織の存在を意識した時、矢口自身の存在の意味を失う。
「ねぇー、真里ちゃんもっと笑えない?もっと楽しそうに!」
笑おうとすればする程顔は強張り、圭織のイライラしている様子も手にとるように分かる。
あの後、結局矢口は裕ちゃんとのペアショットに変わった。
しばらくは、圭織は矢口と視線すら合わせようとしなかったはずだ。
ますます、グループに居ずらくなった。
あの頃、圭織には嫌われていると思っていた。
矢口自身も圭織が苦手だった。
打ち解けたのは、随分経った頃だったのに。だからこそ、あの写真の意味が分からない。
「わかんないや」
熱い溜息と共に漏れた言葉。
身体はすっかり温まり、のぼせそうなぐらい熱かった。
そっと蛇口を閉め、しずくの音に耳を済ませていた。
ぐるんぐるんと、頭を過るのはピーチ。
とびっきり酸っぱいもも。舌先ではじけた所を思い出し、唾液を飲み込んだ。
あの頃のキモチは、酸っぱかった。
まだ熟れていないものかもしれない。甘い味は微塵も感じなかった。
- 21 名前:おと 投稿日:2001年07月28日(土)02時01分41秒
- 月曜日から1週間ほど家出をするので(笑)
日曜日までに集中的に交信していきます(誤)
- 22 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月03日(金)05時37分46秒
- >>21
・・・嘘つき(涙)
- 23 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月03日(金)12時01分56秒
- ここ半年以上避難所には来てなかったんだけど、
これが読みたいが為に通うように。
頑張ってねー。
- 24 名前:父 投稿日:2001年08月07日(火)23時50分41秒
- そろそろ家に帰って来い。
- 25 名前:おと 投稿日:2001年08月08日(水)07時56分48秒
- ただいまぁ。
家出から戻りました。ぼっちぼち交信していきまっさ。
- 26 名前:おと 投稿日:2001年08月09日(木)03時44分28秒
- どれぐらい、このままでいるのだろう。
身体が冷え始めて来ても、尚も記憶の糸を辿り続けている。
こんなに考えても、好きになった理由など分かるはずもないのに。
初めて打ち解けたのは、タンポポの結成が決まってからで・・・その先は、
えーっと、そこまで手が伸び掛けている。ちょうどその時だった。
「いやーっ!」
ドアが開かれた。絶叫のエコーが響き渡る。
ハッとなって振り向くと、圭織が真っ青な顔をして立っていた。
「な、何?」
身体が冷えているのが、今になって分かった。
それよりも、圭織の表情が気になる。その場にへたばったままで圭織を見上げた。
- 27 名前:おと 投稿日:2001年08月09日(木)03時45分45秒
圭織は素裸の矢口を目の前に、目のやり場に困ったようだった。
狼狽する視線と合わせようと、矢口の目はあちらこちらと視線を変えるが、ピントが合わない。
「・・・なんか、やけに静かだなって思って見たら・・・倒れてたから・・・」
「何でもない。凭れてるだけだよ」
素裸をさらけ出している事に気づき、恥ずかしさでぶっきらぼうな返事をよこした。
「もうちょっとで上がるから、そこ閉めてくんない?」
圭織が戸を閉めたのを確認すると、急いでシャワーの栓を捻った。
温い湯が身体に振りかかる。
妙に高鳴る心臓を持て余しながら、それ以上の記憶を詮索し始めた。
どうして、好きになったのかを。
どうして、さっきからピーチが舌先にまとわり付くのか。
シャンプーだと思った入れ物がリンスだったり、分からない事が多過ぎてどうしていいのか迷ってしまう。
- 28 名前:おと 投稿日:2001年08月09日(木)03時47分03秒
- 「色々考え事がね・・・」
冷え切った身体をシャワーで温め直し、圭織の用意してくれたパジャマを着込んだ。
不安げな表情で見上げる圭織を、軽く微笑んで交わした。
ベッドに無造作に置かれたフォトフレームには、人生で1番嫌いだった頃の顔が写っている。
「・・・この写真の事、気にしてる?」
「うん、めっちゃ気になる」
今のほうがずっといいのに。今の自分のほうが、ずっと魅力的なのに。
この時代の矢口よりも、今のほうが自信がある。そんな矢口を好きになって欲しい。
「まさか、この頃から圭織は矢口が好きでしたぁーとか?アハハッ」
- 29 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月10日(金)02時30分20秒
- やぐかお!いいですね。
昔、圭織が今一番欲しいものに『矢口の体』と書いたぐらいだし(笑
現実でも、かなり意識してるんじゃないですか?
多分、一番一緒にいた時間長かった二人のクセに、やぐかお、少ないですよね。
ミニモニで矢口が離れて行く様で寂しい…とも言ってましたし
- 30 名前:おと 投稿日:2001年08月10日(金)03時11分54秒
乾いた笑いは静かな部屋にこだました。
最後の笑いが笑いにならない。声が不必要に裏返っている。
動揺しているのは、自分自身以上に圭織にも伝わっているだろう。
湯上りとは違う汗が額を伝わる。冷や汗だろうか。
「・・・まさかね」
自分自身でボケて突っ込んで、ふっとはにかんでみせた。
それにしても、喉が乾く。
妙な気を使ったせいかもしれないし、バスルームにいた時間の長さのせいかもしれない。
生唾を飲んでみるが、うまく飲み込めない。
乾いた喉に絡まったままの粘液が苦しくて、軽く咳き込んだ。
その気まずさは、あの頃に似ている。
さっきから黙り込んでる圭織、1人で空回りする矢口自身。
まだ、充分に熟れていない桃の果実は、不快な渋みが口中に広がる。
ちょうど、そんな果実を口に含んだ時のような、そんな気まずさのようだった。
- 31 名前:無名 投稿日:2001年08月11日(土)04時14分25秒
- すっげぇ、おもしろいよ
作者さんがんばれ
つか、やぐかお良いかもしんない。マジデ
- 32 名前:ななし 投稿日:2001年08月12日(日)02時32分50秒
- 2人とも好き(ってか旧タンポポ推し)なのですごく楽しみにしてます
- 33 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月14日(火)13時41分07秒
- 更新楽しみにしてるよー
- 34 名前:おと 投稿日:2001年08月16日(木)22時45分33秒
- ごめん、夏バテして死んでた・・・。
読んでくれてるみなさん、ありがとね。交信再開っ!
- 35 名前:おと 投稿日:2001年08月16日(木)22時46分42秒
何で黙ってるんだよ・・・。
さっきから、圭織は押し黙ったままだった。
問い詰めると余計黙り込むだけだろうし、この時間がもどかしい。
同時に、矢口の脳裏には後悔の2文字がちらついてきた。
どうして、来ちゃったのだろう。
あんなに期待してたのに、バカみたい。
見渡した部屋の中で、やっぱり気になる写真。
何処のグラビア写真だろう。無理矢理笑ったみたいなぎこちない笑顔の矢口。
フォトフレームに収まった自分の顔。
「やぐぅ・・・」
そんな時、圭織が小さく呟いた。
「圭織?」
とっさに視線を戻した。
「やぐぅ」
「圭織、まさか・・・」
呂律の回りきっていない舌。
圭織自身、たまに呂律が回らないのだが、いつも以上の呂律の悪さ。
ふと、あの情景を思い出した。
コンビニのドリンクコーナー。イヤな予感がする。辺りを見まわした。
「あーっ!こんなに飲んじゃったの?」
- 36 名前:おと 投稿日:2001年08月16日(木)22時51分13秒
- 足元には転がった赤ワイン。半分ぐらい無くなっている。
案の定って感じがして、身体の力が一気に抜けた。
へなへなとそこへ座り込む。人騒がせな所は、好きでもあって嫌いでもある。
「やぐひぃ」
「ばっかだなぁ、圭織。明日仕事だろ?」
とろんと半開きな目。
紅潮した頬、首筋、鎖骨。
不謹慎だけど、それをキレイだと思っている矢口がいる。
その紅潮した皮膚に触れたら、一体どんなフレーバーを醸し出してくれるのだろう。
ごくり。
生唾を悟られないようにして飲み込んだ。
「ねぇやぐひ」
矢口をも発音できてない、舌先。
こんな圭織をどうしろと言うのだろう。どうすればいいのだろう。
抱き締めたい。
それが、矢口の抱いた素直な気持ち。
- 37 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月22日(水)00時31分20秒
- あかん、萌え死ぬ。
- 38 名前:おと 投稿日:2001年08月22日(水)01時51分08秒
- すまん(笑)
- 39 名前:おと 投稿日:2001年08月22日(水)02時54分53秒
- 「好きだ」
初めて向かい合った、自分自身との気持ちを。
何故か涙が溢れそうになった。
嬉しいのか、恥ずかしいのか、どうしたらいいのか?
その涙が意図するものが分からないが、大きく息を吸ってぎゅっと強く目を閉じた。
やっと、向き合えたんだよね。
矢口の胸に、小さな自信が芽生え始めた。
ずっと抱いてた思いに向き合った。
メンバーに対する愛情、家族愛・・・そんなんじゃない。
これは恋なんだと言う事を。
もう、何も怖くない。
引き返せない道ならば、それはそれでいいと思った。
悶々とした気持ちを抱えて接するのなら、ここですっきりさせてしまえばいい。
気まずくなったって、嫌われたって。
もう1度大きく深呼吸した。そして、1歩1歩・・・踏み出す。
- 40 名前:おと 投稿日:2001年08月22日(水)02時55分25秒
- 「あのさ、圭織」
圭織と向かい合わせになるように、静かに腰を下ろした。
むにゃむにゃとつぶやく圭織からは、整髪量の残り香と汗・アルコールが混じり合って
甘酸っぱい匂いがした。愛しさが溢れ返って、思わず圭織の頭を両手で包み込んだ。
「やぐち」
「何?」
胸に掛かる心地の良い重さ。心臓のリズムはごまかせないだろう。
「なんか、ドキドキしてるね」
「なんだよ、酔っ払ってんじゃないのかよっ」
スローペースだが、ハッキリと発音された言葉に照れ笑いを浮かべる。
どうしても、素直にありがとうを言えない。
聞いてよ。
これが矢口の気持ちなんだよ。
言えない代わりに、圭織の耳に心臓のあたりを強く押し付けた。
表情は見えないものの、圭織が微笑んでいるように思った。
- 41 名前:ななし 投稿日:2001年08月22日(水)12時44分01秒
- 読者もドキドキするよぉー
- 42 名前:おと 投稿日:2001年08月23日(木)08時08分51秒
- 触れ合う肌から感じる、圭織の体温は何故か懐かしさを思い出させる。
「矢口さぁ、ASAYAN見てた頃から・・・この子は違うなって思ってたんだ」
思い返せば、中学3年生の夏。
受験勉強に追われる夏休み、唯一の娯楽があの番組だった。
同世代の女の子達が、1つの頂点を目指して競い合うあのオーディションを、
まるで自分と重ね合わせて、行動の1つ1つに一喜一憂していたあの夏。
受験と言う現実から、少しだけ夢の世界を体験する事が出来る。
飯田圭織。
あの日もこんな風に、目を潤ませていた。
管嬢を上手く隠せずに、子供みたいに怒ったり泣いたり。
それが、塾の仲間内では評判悪かったけど、矢口はその素直さが好きだった。
「グランプリは、絶対この子になって欲しいって思ってた。初めてだったよね、この事言ったの」
「・・・はじめて聞いた」
「実際こんな風になるなんて想像してなかったけどさぁ」
鼻の辺りがツンと痛み、意味も無く深呼吸を繰り返した。
- 43 名前:おと 投稿日:2001年08月23日(木)08時12分16秒
- それが、今や同じグループの仲間同士。
しかも今、腕の中に閉じ込めている。小さな身体の矢口が、大きな圭織を包んでいる。
あの夏の矢口に教えてあげたい。
涙を堪える圭織に、ハンカチを差し出してあげたくなった日の事。
テレビの向こうで、自分自身と重ね合わせていた日々。
今、同じ時間を共有している。
気持ちは変っていない。
違うのは、ブラウン管ごしではなく、直接触れ合っている。
たまに現実と夢の区別がつかなくなる。
顔を覗けば、あの夏の、目を潤ませながら歌う少女に戻ってたら。
それでも、この愛しさは変らないだろう。
- 44 名前:おと 投稿日:2001年08月23日(木)08時12分54秒
- 「・・・あの頃から、矢口は飯田圭織のファンなんだよね」
多分、矢口自身は何も変っていない。
形は常に変るけど・・・もう、何年も思い続けている。
「ホント?」
「ホントだぜー?オレぜってぇ日本1の圭織ファンだってば」
腕を緩めて、顔を覗き込んだ。
何もつけていない素顔は、無邪気な子供のようにはにかんでいた。
何だか嬉しくなって、笑顔を返した。
「じゃぁさ、矢口」
「なんだい?」
- 45 名前:おと 投稿日:2001年08月23日(木)08時13分24秒
だらんと垂れ下がってた圭織の腕に、まるでロボットの電源が入ったかのように
ゆっくりと動き、やがて矢口の背中に回った。
引き寄せられる。
肌同士が触れ合う面積が増えて、お互いの小さな吐息さえ隠しきれない程に。
「圭織自身は?」
「・・・って?」
「だから、矢口が言うそれって、モーニング娘。の飯田圭織の事でしょ」
違うよ。
言葉が喉で引っかかる。
絡み付くピーチの味と共に、口の中で弄ぶ。
「ばかだなぁ・・・圭織」
砂漠のように水分を失った口の中で、それでも素直に応えられなくて。
これが、矢口なりの素直なのかもしれない。
「モーニングの圭織も好きだよ。でもね・・・」
黙り込む圭織。
肝心な言葉を待ってくれているのだろう。
まさに、これが心の通じ合いだと思った。
- 46 名前:おと 投稿日:2001年08月23日(木)08時14分08秒
- いよいよクライマックス?(w
・・・・だと、おもいます。
- 47 名前:ななし 投稿日:2001年08月28日(火)12時51分23秒
- まっちょるよ!!
- 48 名前:無名 投稿日:2001年09月04日(火)03時33分18秒
- 更新を・・・は"、は"や"く"し"て"く"れ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"。た"の"む"(懇願)
続き読みたすぎ
- 49 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)23時27分12秒
- 続き希望〜!
- 50 名前:読んでる人 投稿日:2001年09月21日(金)17時17分34秒
- もしかして・・・放棄?
- 51 名前:パク@紹介人 投稿日:2001年09月26日(水)14時10分21秒
- こちらの小説を「小説紹介スレ@青板」に紹介します。
http://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=blue&thp=1001477095&ls=25
- 52 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月30日(日)05時59分38秒
- クライマックスと言ってるし、まさかここで放棄はない・・・よね?
- 53 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月09日(火)01時08分06秒
- >>52
ありそうな気がしてきた。
- 54 名前:名無し娘。 投稿日:2001年10月11日(木)14時10分54秒
- 放置か
- 55 名前:王大人 投稿日:2001年10月18日(木)02時29分00秒
- 死亡確認!!
- 56 名前:読んでる人 投稿日:2001年10月31日(水)21時01分28秒
- シクシクシク・・・放棄は悲しい・・・
- 57 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月01日(木)01時52分44秒
- 放棄なら放棄でせめて何か一言欲しい・・。
- 58 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月07日(水)03時05分10秒
- お仕置きされる前になんとか・・・
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