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リレー小説 今日も更新中
- 1 名前:L.O.D 投稿日:2001年07月18日(水)22時55分23秒
- このスレは、リレー小説です。
参加希望者、感想はこちらではなく
http://www.ah.wakwak.com/cgi/hilight.cgi?dir=imp&thp=995192376
↑こちらにお願いいたします。
多くの人の参加をお待ちしております。
- 2 名前:ドッキドキ!!LOVEテーマパーク 投稿日:2001年07月18日(水)23時04分01秒
- 「ほー、なるほどなぁ」
それは昨年の事になる。
日本での公演を控えたサルティンバンコの
完成したばかりのテントの中を歩いて行くつんく。
日本における宣伝キャラクターにモーニング娘。が抜てきされ
応援ソングを作るということになり、早速様子を見に来たのだが
今、曲とはまったく別の事がプロデューサーつんくの
脳の中をかけめぐっていた・・・・・・
これは、後々、伝説となる娘。主演の幻の番組の記録である・・・・・・
- 3 名前:ドッキドキ!!LOVEテーマパーク 投稿日:2001年07月18日(水)23時05分49秒
- 今年の夏も間近の、とある日。
晴れ晴れとした青空。
ロケにはちょうどいい。
気持ちいい風が吹いている。
高々と上げられたADの指。
3、2、1とカウントしていく。
カメラの前にはにこやかな表情の石川梨華。
お気に入りのピンクのワンピースを着て
マイクを握っている。
「はいっ、チャーミー石川ですっ!!」
石川の後ろでは他の娘。のメンバーが談笑したり、ふざけあっている。
「今日はですねー、なんと私達のプロデューサーつんくさんが
プロデュースしたテーマパーク『つんくワールド』を
娘。みんなで隅から隅までお届けしますっ!!
みんな、楽しみで・・・・・あれ?」
- 4 名前:ドッキドキ!!LOVEテーマパーク 投稿日:2001年07月18日(水)23時06分24秒
- 石川が振り返った時にはすでに遅し。
台本ではここで「みんな、楽しみですかー」の後
『おーーーーー』と返ってくるはずなのだが
1人として、そこにいない。
石川は困って、あわてふためきながらキョロキョロと辺りを見回す。
いた。
すでに200メートルは向こうにてんでバラバラに歩いていってる。
「え・・・・えっと・・・あの、そういうわけで
『つんくパーク』のアトラクションから、
秘密の楽しみ方までいっぱい教えちゃいますよ!
チャンネルはそのままでーーー
チャーミー石川でしたぁー、チャオォーー
って、みなさん、置いてかないでくださいよぉおお!」
これ以上ないお嬢様走りでみんなを追い掛けていく石川の姿は
固定されたカメラの画面の中で小さくなっていく。
しかし、その叫び声は印象的に残響していた。
かすかだが、石川がメンバーと合流したのが見えたところで
画面いっぱいにタイトルCG!!
『モー娘。も驚愕☆つんくワールド』
(視聴率 9%)
- 5 名前:石川記念日 投稿日:2001年07月19日(木)19時09分30秒
- 「チャ−ミーがセリフを行って戻ってきたら、かくれんぼの開始。」
石川以外の台本には、そう書かれていた。
巨大なテーマパークを舞台にしたかくれんぼとでも言うのだろうか?
どうせアトラクションの説明をするなら、出来る限り自然にと監督が考案した苦肉の策であった。
先程のシーンは合流したのでは無く、
『石川がその鬼であるから1分待て』という事をメンバーから説明しただけであった。
「は〜は〜は
これだけ走れば少しは大丈夫なはずだべ。みんなどこいったんだろう?」
安倍はナップサックの中からCCDカメラを取り出すと、周りを映し始めた。
「え〜とですね。ここは…どこだべ?」
自分が早々に迷ってしまった事に安倍が気づくのは5分後の事だった。
- 6 名前:削除済み 投稿日:削除済み
- 削除済み
- 7 名前:石川記念日 投稿日:2001年07月19日(木)19時57分57秒
- 「地図貰ったんっだったべ。」
地図を探すが見つからない。どうやらロケバスに置き忘れてしまったらしい。
安倍はうな垂れると、トボトボと歩き始めた。
「とりあえずどこかに隠れるべ。」
安倍は『サマーナイトタウン』と書かれた看板の前に来ると、突然背後から目隠しされた。
「誰だべ?」
「後藤です〜。」
「矢口も居るよ〜。キャハハハ、ナッチないてる〜」
突如現れた後藤と矢口の目的は、そして他のメンバーは?
様々な謎を残してCMへ
(視聴率9、8%)
- 8 名前:L.O.D 投稿日:2001年07月26日(木)22時00分43秒
- そう、矢口はこのかくれんぼの企画が決まった時から一つの野望を心に抱いていた。
かくれんぼのどさくさにまぎれて、隣にいるこの娘。後藤真希に
なんと告白して、キスまでして、収録が終わったらハァハァしちゃおうという
18才の乙女らしからぬ妄想がいまも矢口の頭の中では
渦巻きグルグルなのであった。
しっかぁし、そうは問屋が下ろさず
後藤も後藤で、この騒動に乗じ、安倍と(中略)というわけなのである。
というわけで、かくれんぼが開始した瞬間
安倍は路頭に迷い
後藤は安倍を追い
矢口は後藤を追ったのだ。
「って、ごっつぁんも矢口も違う所でレポ・・・・ふぐぅ!」
「あぁ、いいよいいよ。レポートするまでに捕まったらなんか胸クソ悪いじゃん
鬼が梨華ちゃんだしさぁー、ね、やぐっつぁん?」
「お、おぅ!とりあえず、なっちの持ち場に潜入だぁ」
後藤に口を塞がれたまま、引きづられ『サマーナイトタウン』に入っていく安倍。
その後ろを矢口が付いていく。
- 9 名前:L.O.D 投稿日:2001年07月26日(木)22時01分15秒
- 建物の中はシングルのプロモーションビデオを録った
沖縄のちょっと妖し気な夜の街風。
そこに並ぶお土産&食事処。
「えっと・・・・そういうわけでですね・・・
あー。ねぇねぇ、ここってどの辺だべ?」
「入ってすぐだよー」
本番撮影用に渡されたデジタルハンディカムで自分を映しながら
後ろでなにやら試食してる後藤に聞く。
「なっち、これおいしーって、ほら、、あーん」
後藤がスプーンで安倍に食べさせる。
(はっ!!あーんしてほしい!!)
矢口は後藤に飛びつくように寄ってきて
大きな口を開ける。
「やぐっつぁんも欲しいの?」
「コクコク」
「あーん?」
「あーん。」
口の中にツルッと入ってくるゼリー。
「これは、、なんだべ?」
棚に陳列されてたそのゼリーの箱を取ってひっくり返した。
ピンクの箱に金色の文字が踊る
『石川梨華謹製 魅惑のチャーミーゼリー (12個入り 1500円)』
(!!)
「あ」
「やぐっつぁん!?」
「げっ・・げほっ!!」
- 矢口真里、大リバース中のため、放送出来ません -
- 10 名前:L.O.D 投稿日:2001年07月26日(木)22時03分49秒
- 「ゼリーはいやぁ・・・石川の作ったゼリーはぁあ・・・・」
青ざめた顔でブツブツと呪文を唱えるように言う矢口・・・・・・
そんなにトラウマなのか・・・・・・
「大丈夫?」
後藤がやさしく背中を撫でてくれる。
(きゅーん。ごっちん、いっつもは本番中でも無口でマイペースな貴女
だけど、こういう小さなやさしさに私は惚れたの・・・・・・
矢口マリオ(38)、今、恋にお・・・・・・)
「はい、やぐっつぁん、ジュースだよ。咳き込んだのは直ったかい?」
ちょうどよいところで安倍が飲み物を買って帰ってきた。
もう一方の手には、山のような食べ物。
「誰が食べんだよ!」
思わず矢口がつっこむ。
後藤はニコニコして見てるだけ。
「えーだって、一応、おいしいものもお伝えしとかないといけないっしょや」
「そうそう。なっつぁんならおいしそうに食べるから」
「むー・・・・・・」
「というわけで、サマーナイトタウンおすすめのフード!」
『要チェケラッチYO!!』
サマーナイトタウンおすすめフード ベスト5。
1、保田亭 特製。。。ラーメン (塩、味噌、とんこつ、醤油 690円)
2、中澤も食べたいもんじゃ焼き (決め手は上海の風 900円)
3、後藤直伝 季節のケーキ (3つのケーキを本人が提案 1つ600円)
4、ののちゃんが泣き出すタコ焼き (それだけうまいのだ 8個入り480円)
5、石川梨華謹製 哀愁のチャーミー焼そば (何も言う事はない 700円)
「焼そばかよ!」
- 11 名前:L.O.D 投稿日:2001年07月26日(木)22時10分44秒
- その頃、つんくタウン入り口では。
石川の後ろからダースベーダーのBGMに乗って、誰かが近付いてくる。
(電波少年のTプロデューサー!?
これからなにかに挑戦しなきゃいけないのかしら!!?
挑戦・・・・・・それは・・ってチャーミーしてる場合じゃないわ!)
「梨華ちゃん」
「は、はい!」
「これから、みんなを探してもらうから」
「へ?」
「みんな園内でかくれんぼしながら
アトラクションを紹介してくれる事になってるから。」
「はぁ・・・・・・」
番組の主旨が伝えられると、デジタルハンディカムとCCDカメラを与えられ
その場に取り残される石川。
(かくれんぼだなんて、わかんないよー。よっすぃー、探そ!
待っててね!!よっすぃーーーーーー!!)
「ハクション!」
大きなくしゃみをする吉澤。
「うるさいわね、吉澤」
「ご、ごめんなさい、、、」
「大体、なんでかくれんぼなんかしなきゃいけないのよ!
私、こういうの苦手なんだからっ!」
「あー、保田さん、ここに隠れましょう!」
吉澤は手っ取り早く隠れるべく、保田の手を引っ張った。
アトラクション『Horror!恐怖でKnock out』に・・・・・・・・・・・・
(視聴率 10、6%)
- 12 名前:石川記念日 投稿日:2001年07月28日(土)20時25分12秒
- 「保田さん自身がホラーですよね。」
何てうっかり洩らそうものなら、その瞬間
「カメラ消してくれる?」
と言われ絞められるのが目に見えているので、先頭の吉澤は終始無言で歩いていた。
時々花畑のような所に出たりしたが、二人はただただゴールを目指すだけだった。
(こんな怖いところ1秒でも早く抜けるのよ。)
意外にも怖がりな二人には、レポート所ではなかった。
「こっちですかね?」
「さっきも行かなかった?」
二人が地図に懐中電灯を当てていると、何かの足音が聞こえてきた。
- 13 名前:石川記念日 投稿日:2001年07月28日(土)20時32分58秒
- …とその頃
安倍と矢口と後藤はというと…
「これどうやるの?」
「後藤知ってるでしょ?」
後藤のレポート場所『プチモビクサー』の前にやってきていた。
「DDRの要領でしょ?」
三人があれこれ相談していると、何やら声が聞こえてきた。
『ウッハ・ウッハ』
「これって後藤のソロじゃない?」
「うん」
声は徐々に大きくなった。
「ようこそ!プチモビクサーへ!
アトラクションの説明を聞くときは、後藤に話し掛けてね。」
ロボットはそう言うと、三人の前で立ち止まった。
果たしてプチモビクサーとは?保田と吉澤を襲う恐怖とは?
(視聴率9.5%)
- 14 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月02日(木)23時55分44秒
- 「ヴァァアアアアアアアアアアッッッッ!!」
「ギャァアアアアアアアアアアアアアア!!」
「イヤァア!!!!!」
突然、背後から叫び声が聞こえ
保田はしゃがみこみ
吉澤は走った!
『Horror!恐怖でKnock out』に轟く3人の声。
ガランガランッ!!
吉澤が握っていたはずの懐中電灯が転がる。
「ちょっと吉澤ぁ!!なにしてんのよ!!!!」
「やぁ・・・いやです!!」
「ちょー・・・・・・私やってばー・・・・・・」
モーニング娘。二人の後ろから現れた
古めかしい武者甲冑を来たその人物は
重そうにそれを脱ぎ捨てた。
「へ?」
「平家さん?」
「そやでー。みんなのアイドル平家ねーさんやぁーー」
平家は吉澤の落とした懐中電灯で顔を下から当てて、遊んでる。
- 15 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月02日(木)23時56分44秒
- 「ん・・・なにしてんねん?はよ立ちーや」
「いや・・・あの・・・・・・」
保田がなにかありげな声を出してる。
「どうしたんですか?」
「腰が・・・・・・」
かろうじて手の中にあったハンディカムで撮影を続ける吉澤が
暗闇の中にボンヤリと浮かび上がる保田を捕らえる。
「ギャァアアア!!」
「ちょ!なによ!!なんで叫ぶのよ!!」
平家も懐中電灯で保田を照らす。
「ヒャァアアアアアアアア!!」
「え!?なんで平家さんまで!!!」
二人が見た世にも恐ろしいものとは・・・・・・
涙でマスカラが落ちた不気味な狛犬の顔だった・・・・・・
「えっと・・・・保田さん・・・・ごめんなさい」
「なに!?なんで謝るの!!?」
「すまんな・・・・しばらく近寄らないで・・・・・・」
「えぇ!!?なに、私、悪い事したの!!!!?
ちょっとなんなのよ!!言いなさいよ、吉澤!!」
ますます近付いてくる狛犬の顔に蘇る恐怖
というか、圭ちゃんに失礼だろ!!
- 16 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月02日(木)23時57分33秒
- 「はぁはぁ・・・・・・」
壁によりかかって、肩で息をする吉澤。
「ところで、なんで平家さん、武者なんすか?」
「これはな・・・・私、へい・・・・・・」
「あぁーーーー、いいです。なんとなく分かりましたから・・・・・・」
保田が平家の言葉を遮る。
「なんでーなぁーーしゃべらせてやぁーーーー」
(平家さんが落ち武者なんて、2ちゃんねるじゃあるまいし・・・・
それにそんな事口に出したら、私が出入りしてるってバレるじゃない!)
「ちょっと吉澤、カメラ向けて!」
「は、はい!」
あわてて、化粧を直す保田まで映す。
「なんでこんな所まで映すのよ!!」
「すんません!」
(やべぇ、かみつかれるかと思ったよ)
「さ、行くわよ」
「行くって、もう先に行っちゃうんか?ねーさん、寂しいちゅーねん!もっと遊ぼうやぁーー」
「というわけで、『Horror!恐怖でKnock out』お送りしましたー」
にこやかな顔で撮影を打ち切る保田。
「いいんすか?」
「いいのよ!誰か他の人にやらせるわよ!!」
- 17 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月02日(木)23時58分04秒
- 「でもさー、ごっちんがレポートするんじゃねー」
「プチモビクスやってるんだもんねー」
安倍と矢口が顔を見合わせながら、そう言うと
後藤は悩んだ様子もなく笑う。
「じゃー、みんなでやろう」
「おー」
「やったー」
「とりあえず最初は後藤がやるよ」
後藤は10台くらい並んでるマシンに登る。
円形のステージになっており、頭上にはライトやセンサーがついた大きな輪がある。
さっきのロボット後藤が目の前の画面に出てきて、説明を始める。
「あんねー、ステージの中は全部センサーになっててー
視線とかも全部判定できんのねー。ま、やれば分かるよ」
「うわ、適当だよ!」
思わず叫ぶ矢口。
矢口でなくても叫びたくなるわ・・・・・・
- 18 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月03日(金)00時00分14秒
- 『Level1 顔の体操』
まことしとやかにプチモビクスのテーマソングが流れる。
「ボヨヨン Hi!
大慌てだね Good Morning
目玉焼きは半熟で
プチモビクスで
今日もボヨヨン
Hi !
大忙しで Good Morning
満員電車は新宿で
プチモビクスで
今日もホノボヨヨン
キメッ! 」
鼻歌を唄いながら、こなしてく。
ま、そんな感じでプチモビクスをトレースしていくゲームだと思ったら・・・・・・
- 19 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月03日(金)00時00分54秒
- 『Level1 顔の体操』
まことしとやかにプチモビクスのテーマソングが流れる。
「ボヨヨン Hi!
大慌てだね Good Morning
目玉焼きは半熟で
プチモビクスで
今日もボヨヨン
Hi !
大忙しで Good Morning
満員電車は新宿で
プチモビクスで
今日もホノボヨヨン
キメッ! 」
鼻歌を唄いながら、こなしてく。
ま、そんな感じでプチモビクスをトレースしていくゲームだと思ったら・・・・・・
- 20 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月03日(金)00時01分42秒
- 「ちょっと簡単だよねー」
へへーんなんて鼻をこすりながら降りてくる安倍。
「なっち、なんか画面に出てるよ」
「えくすとらすてーじ?」
「ごっちん・・・よく読めました!」
「えへへー」
安倍にホメられて、嬉しそうにする後藤は置いておいて
矢口がステージに登る。
「やぁーーーー、なんか怖いけど、ちょー楽しそうじゃない?」
「なになに、なんかやれんの?」
スピーカーから聞こえてきたのは、プチモビクスではない・・・・・・
「これって、恋ダン!?」
画面に出てるのは、恋のダンスサイトのプロモーションビデオと
正しいダンスをナビゲーションしてくれる3Dのキャラクターだ。
しかも、よく見ると、保田である。
「うぁおう、圭ちゃんだよー」
「似てるじゃん」
「やだよね、『ちょっと半テンポ遅れてるじゃない!』とか言われたら」
「ごっつぁん・・・いやな想像しないでよ・・・・・・」
- 21 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月03日(金)00時03分10秒
- 前奏の途中からダンスはもう始まる。
矢口は必死になって動きを合わせてく。
「ほら、がんばってーやぐちーーー」
「娘。なんだからさーー」
「ねぇーーーこれきついよーーーー」
「どうやったら出るんだろーね?」
「全部クリアしたらとかだべか?」
「それは、みんなでやって確かめてくださーい」
自分でカメラを覗き込んで言う。
「ひゃぁーーー、大変だぁあああ」
「唄って、やぐっつあーん」
「そーーーーねーーー」
「じんせーーのほーむぺーーじぃ」
「こぉっしんするっわーー」
「せくすぃびぃむでぇーーーー」
『セクシーーーーービーームゥ』
ステージが七色に光に包まれる。
「おわぁあ!」
「あはははははは!!」
爆笑する後藤。
「ビーム!!ビームだよ!!!」
「すごいよ、ライブより、ビーム出てたっしょ!!」
「なんか恥ずかしいなぁ・・・・・・」
(プチモビクサーコンプリート率 6%)
*ウワサによると、今までコンサートでやった曲は全部出る可能性があるらしい。
しかも、リミックス曲も入ってるらしい・・・・・・
- 22 名前:石川記念日 投稿日:2001年08月05日(日)13時37分07秒
- 「ナッチ、次は矢口の所行こうよ〜」
そう言いながら、矢口は後藤と腕を組もうとした。
「ナッチ〜」
しかし後藤は逃げるように安倍の隣、つまり逆側に行ってしまった。
「どうしたんだべ?」
矢口が肩を落とすと、二人は何やら相談を始めた。
- 23 名前:石川記念日 投稿日:2001年08月05日(日)13時42分06秒
- 「座れる所が良いよ。」
「乗り物ってなんだべ?」
「『ピンチラーン』ってのは、走るマシンみたいだからやめようよ。」
「じゃあ、黄色5か青色7だべな?」
二人が振り返ると、小さくなった矢口がいじけていた。
「矢口も混ぜてくれよ。おいらを一人にしないでくれよ。」
- 24 名前:石川記念日 投稿日:2001年08月05日(日)13時47分11秒
- 「やぐちゃん疲れてるんなら、休んでなよ。ごっちんとなっちで見てくるから〜」
後藤の顔がにこりと微笑む。
「ん〜ん、大丈夫。行こう」
地図によると、オツカレース(青色7)はマッサージ器で、
プンプン茶釜(黄色5)はよく分からなかったので
黄色に行ってみる事にした。
- 25 名前:石川記念日 投稿日:2001年08月05日(日)13時55分13秒
- たどり着くとそこには、黄色いボートが5台あるだけだった。
「ここだべ?」
安倍がキョロキョロしていると、後藤が看板を発見した。
看板には
『非常に危険なため152cm以下の方はご乗車出来ません。
詳しくは係員の指示に従ってください。』と書かれていた。
「でも係員がいないし…」
矢口が乗り込もうとすると、二人が静止した。
「駄目だよ〜。書いてあるじゃん。」
「これで取ってるべさ。」
安倍と後藤にカメラを渡された矢口は、渋々撮影に甘んじる事にした。
このアトラクションで二人の仲に変化が…
あせる矢口が起こしたとんでもない事とは…
CM
(視聴率8%)
- 26 名前:石川記念日 投稿日:2001年08月07日(火)16時06分55秒
- 「揺れるね〜」
黄色い小船?の様な物に乗った二人は、ピッタリとくっ付いていた。
安倍はキョロキョロと辺りを見回している。
「どうしたの?」
「誰か居ないかなと思ったべ。」
「それにしてもこの救命道具重いね〜。」
「命には代えられないべさ。」
- 27 名前:石川記念日 投稿日:2001年08月07日(火)16時21分07秒
- (やっと二人っきりになれたよ。)
いつもは滅多に怒る事の無い後藤も今日の矢口には無性に頭に来ていた。
(やぐっさん居たら、なっちが照れちゃうじゃん)
実はこのアトラクション矢口が、紹介するはずだった物ではない。
後藤が地図を見て気付いた事…これを選んだ理由それは…
『出口が何個かありそれが離れていて、偶然を装って逸れれる。』からである。
「全部レポートした方が良くない?」
本来なら、もっともらしく三人別々の船に乗り安倍の後ろを走るという事にしていたのだ。
身長制限は後藤にとってまさに渡り舟だったのである。
(日頃の行いが良いからだよね〜)
そんな後藤の作戦に気づきもしない安倍と矢口は、まんまと連れてこられたわけである。
「ごっちん?何かに掴まった方が良くない?」
後藤が前を見ると、そこに道は続いていなかった。
「嘘〜」
CM
(視聴率8.8%)
(
- 28 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月11日(土)15時12分08秒
- 薄暗い洞穴の中で時折、姿を見せる
琥珀のような美しい黄色の世界。
安倍は後ろでそれに見とれてる。
事態はとんでもない事になっていた。
「ちょ、ちょっとなっつぁん!!」
「ん?」
「道がないよ!!」
「え!?」
「このままじゃ、落ちるよ!!」
「そんなわけないっしょや?」
安倍が前を覗き込む。
道は・・・・・・あと1メートルでなくなろうとしていた。
「えぇーーーーーーーーーーーー!!!?」
「もうダメぇえええええええええええ!!」
- 29 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月11日(土)15時13分07秒
- 「撮影たって、乗らなきゃ、二人撮せないじゃんかよー」
(っていうか、ごっちんと一緒にいれないよ・・・・・・)
矢口は不満ダラダラの顔をする。
(くそー、乗っちゃおうかなー)
「やぐちさぁーん」
ビクゥ!!
もしや、石川に見つかったかと思って
慌てて振り返る。
飯田が走ってきていた。
「なんだよぉ、圭織かぁ。石川かと思ったじゃん。」
「矢口、ビクッてしてたねぇ」
「っていうか、後藤と離れちゃったよぉ」
「今回はキメるってはりきってたもんね」
黙って、うなづく矢口。
飯田は肩をポンッと叩くと、拳を握る。
「圭織にまかせて!!」
「えっ!?」
「このアトラクションね、圭織が担当なのね。
だから、撮影がてら、どんな様子なのか
中継してあげるよ!!」
「う・・・・・・うーん」
どんな事になるのか、予想がつかなかったが
ここは、圭織にまかせるしかない。
大きく手を振って、ボートに乗り込む飯田。
矢口が放った最終兵器飯田圭織は、
後藤と安倍を捕らえるのか!?
- 30 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月11日(土)15時13分49秒
- 「きやぁあ!!」
「ひゃぁあ!!!」
バシャァアアアンッ!!
45°の角度を滑り落ちたボートはゆっくりと旋回する。
「はぁああ」
「怖かったねぇ!」
ギュッと抱き合ってた二人。
「ごっちん、、、痛いよ・・・・・・」
「あぁっ!!ごめん!!」
向かい合って、赤くなったまま
(なっち、やわらかかったぁ)
ピクッ
その声は、飯田の耳にも届いていた。
「なに!なんかあるの!?」
ハンディカムで回りを映しながら
CCDカメラは自分の顔を映してる。
狼狽する顔もばっちりだ。
先にあんだけの悲鳴をあげさせる何かがあるとあると
回りの風景も不気味に見える。
飯田の不安とは裏腹に
コンピューター制御されたボートは進んでいく。
- 31 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月11日(土)15時14分22秒
- 外で待たされた矢口は飯田からの一報を待ってたが
携帯も没収されてるこの状態で
どうやって一報をよこすつもりなのだか。
後藤の傍にいれないという事実が矢口をあせらせて
そんな事も分からないほど、判断力を鈍らせていた。
(まだかなぁー)
「あ、矢口さん!!」
振り返ると、今度こそ石川!
(ここで捕まるわけにはいかない!)
「こっち来るなぁ!!」
「え・・・・・・」
立ち止まる石川。
走って逃げる矢口。
すぐに見えなくなる。
- 32 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月11日(土)15時15分32秒
- 同じ頃、ぶんぶん茶釜の別な出口。
ここからは、矢口も石川も見えない。
「おもしろかったねぇ」
「あれ、矢口がいないべさ?」
「どっか行っちゃったのかな?」
後藤は心配そうな顔をしてみせる。
「待とうか?」
「うーん・・・・・・」
「あーーー、安倍さん!ごっちん!!」
石川が両手を振って、寄ってくる。
険しくなる後藤の顔。
「邪魔!」
「えぇ・・・・・・・・・・・」
近くのベンチに座って、うつむく。
「やっぱり、私、嫌われてるのかなぁ・・・・・・」
ネガティブ石川全開。
「きゃぁあ!!」
後藤と安倍の事を忘れて、叫ぶ飯田のアップ。
(視聴率8.5%)
- 33 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月21日(火)23時04分22秒
- ピクッ
辻の身体が震えた。
「のの?」
次の瞬間、加護の目の前から辻の姿が消えた。
「ど、どこ行くねん!!」
「おいしそうな匂いがするのれす!」
直線上300メートルの所にワゴンが止まっていて
売り子が何やら売っていた。
「バスケットサイズ一つくらさい」
「はい。」
加護が辻を発見した時には
辻はベンチに座り、嬉々として
片手で抱えきれないくらい大きい
バスケットサイズのカップに入った
ポップコーンを1人で味わっていた。
「はぁ〜」
「あーん」
「・・・・・・あーん」
「ハチミツがかかってて、おいしいよ」
「うんうん!うまいなぁ!!」
シゲルも好物?ハニーディップポップコーン (S)200円(L)500円
- 34 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月21日(火)23時05分35秒
- 加護は地図を取り出して、相談する。
「次、どこ行こうか?」
「うーん」
「ののはパーク内の食べ物担当やしな」
「おいしいものいっぱい食べるのれす」
「自分の担当以外の所も乗ってええんやし
手頃なのから行こうか」
「辻は亜依ちゃんと一緒ならどこでもいいれすよ」
そう言って、笑う辻の笑顔に
胸がキュンとする加護。
「なら、ここ行こう!」
地図を指差す。
そこには、『ザ☆ピース』の文字。
- 35 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月21日(火)23時09分53秒
- 港を模したストリートが続く。
そこの一角に大きな船が止まっている。
「ようこそ!ザ☆ピースへ」
「あ!」
「市井さーん」
アトラクションの入り口にはセーラーを着た市井がいた。
「元気かー?」
「はいっ!」
「じゃ、これをかぶって」
二人はセーラー帽を手渡され、かぶると
お互いの帽子がズレてないか確認したりしてる。
市井はそんな様子を微笑ましく見ながら
船へ案内する。
「市井しゃん、これはどんなアトラクションなんれすか?」
デジカメで舵を手にしてる市井を映す。
「これは、お宝を探しに長い長い旅をするザ☆ピース号の航海の一部なんだ。
さぁ、出発進行ーーーー!!」
市井が声を上げると、マストが広がりモーニング娘。のロゴが
デカデカと風になびく。
「見えてきたよ!ハミルトンアイランド!!」
辻加護の前にそびえたつ巨大な島。
この先には何が待ってるのか
(視聴率9、2%)
- 36 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月01日(土)20時22分11秒
- その頃 入り口では…
「は〜い、アイマスク外してヘッドホーン外して〜」
Tプロデューサーと秘書のナンシーは、咳払いをすると新メンバー4人の前に立った。
「これからどうなるんですか?帰れるんですか?」
高橋が不安そうに尋ねると、泣き始めた。
企画自体を何も知らされていない4人にとって、
Tプロデューサーは『テレビで見たことある怖い人』というイメージしかなかった。
- 37 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月01日(土)20時29分36秒
- (ココで何やらされるんだろう?)
紺野は下を向いていた。
(まさか『3000歩で自宅まで帰って下さい』とか…『ゴミを拾って来てください』とか
『ピンチランナー2を今から撮影しますとか』言われるのかな?走るのなら自信あるんだけどな)
「あさ美ちゃん…あさ美ちゃん…大丈夫?」
「何が?」
「ふ〜ん、じゃあ一緒に行かない?」
「行くってどこへ?」
紺野が首をかしげて、高橋の方を見ると高橋は丁寧に説明を始めた。
- 38 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月01日(土)20時48分34秒
- 「って事は〜先輩達を探しながらリポートするって事?」
説明を聞き終えた紺野が再び尋ねると、高橋はコクリと頷いた。
(あ・そう言えば…)
紺野が辺りを見回すと、新垣と小川の姿は既に無かった。
どうやらあの二人はそれぞれ自分の好きそうなアトラクションへ向かったようである。
「同い年だしこれからも仲良くしようね?」
紺野はそう言うと、高橋と手を繋ぎテクテクと歩き始めた。
「まずどこから行く?」
「何かね〜。先輩達の担当場所決まってるらしいけど、石川さんには見つかったら駄目なんだって〜」
「見つかったらどうなるの?」
「何かね〜一番最初に見つかった人は後で罰ゲームらしいよ〜」
「え〜じゃあ頑張らないと!」
二人はとりあえず最初の行き先は、吉澤の居るはずの『ピンチラーン』に決めた。
「何で吉澤さんかって?
決まってるでしょ…
辻ちゃん&加護ちゃんは絶対一緒だし…。後藤さんは無愛想、石川さんは論外
年が一番近くて私達を可愛がってくれそうなのは?」
「吉澤さん?」
紺野が半疑問系で答えると、高橋はニコッと笑って答えた。
「ハイ決定」
- 39 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月01日(土)20時58分32秒
- (でも〜吉澤さんも怖そうだな〜)
高橋の提案に乗ったが、今ひとつ乗り気でない紺野の足取りは重かった。
「早く行こうよ〜」
紺野の腕を引くと、高橋はダット走り始めた。
(強引だな〜)
少し不安を抱きつつ紺野もつられて小走りした。
暫らく走ると、そこは曲がり角になっていた。
(ん…あれは?)
角を曲がったそこには吉澤と保田が立っていた。
- 40 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月01日(土)21時11分34秒
- 「ったく何で運動苦手な私が走んなきゃいけないのよ?
吉澤代わってよ。得意でしょ?」
「い〜やです。お圭さんがんばって〜」
影から見ている二人(高橋・紺野)には、この光景が吉澤のとても勇敢な行為に見えて仕方が無かった。
「紺ちゃん…保田さんってテレビで見るより怖そうだね?」
「吉澤さんって凄いね〜」
二人が感心していると、保田達は建物の中へと入っていった。
それに続いて紺野達も後をつける…
「出た〜」
叫び声と共に足音が聞こえる。
(ん?何?)
紺野が奥を見ると、そこには石川の姿がかすかに見える。
「×ゲームはヤダ!見つかるんじゃ…逃げよう・・」
紺野は振り向いたが、前の高橋は気づいていない。
「高橋さ〜ん、石川さんがい…」
足音が段々近づいてくる。
紺野の目に映ったのは、恐ろしい形相で走っている保田だった。
「ごめん」
恐怖に耐え切れなくなった紺野はそう言うと、高橋を置き去りにして走った。
「待ってよ〜」
高橋も漸く気がつき紺野を追いかけたが、元陸上部に追いつけるはずが無かった。
- 41 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月01日(土)21時24分53秒
- 5分後
(もう大丈夫だよね?高橋さんごめんなさい)
紺野は息を整えると、後ろを振り返った。
「…え…」
「あ〜アンタ居たの?今日レッスンは?」
「レッスン終わったら、スタッフの人に連れてこられて…」
「ふ〜ん。でどう?娘に入ってみて初めてのテレビは?」
紺野は保田が予想外に優しく話し掛けてきたので、少々戸惑っていた。
「努力した私を見てもらいたいです。私赤点なんで…」
紺野が顔を俯けると、保田はスッと頭を撫でた。
「可愛いじゃん?私なんてこの顔でしょ?
ダンスや歌で見返すしかないじゃない?なかなか正当な評価もらえなくてさ…」
「私も保田さんみたいにダンスとか歌とか上手になれますか?」
「努力よ、努力。歌とダンスなんて努力した者がちよ。
石川何て見てごらん。
合宿のとき何て酷かったのに私が少し教えただけで、今やセンターよ。
最近調子に乗ってるけど、まあそれも無理ないでしょ?
あんなに頑張ったんだから…」
石川の話をする保田は、どこか悲しそうだった。
- 42 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月01日(土)21時43分27秒
- 「保田さんの教えたお陰なんですか?凄いんですね〜」
(やっぱあの歌も私が教育したせいになるのかしら…)
保田は頭を抱えると、何やらブツブツと呟き始めた。
「あの〜保田さん?どうかしましたか?」
紺野が心配そうに声を掛けると、保田はハッとしたように顔をあげた。
「だからえっとアンタ…」
「紺野あさ美です。」
「紺野も頑張ればみんな応援してくれるし、きっと認めてくれる。
だから頑張ろう?赤点とか気にするのはよそう?
私でよければ指導してあげるよ?」
紺野は少しだけ保田という凡そアイドルとは思えないような風貌の人物が、
安倍・後藤・石川など殆どのメンバーから信頼されているか分かった気がした。
「まあ、それは帰ってからで良いとしてここ入らない?」
保田の指した指の先には、『memory青春の記憶』と看板があった。
「何ですかね?これ?」
「記憶物みたいね?何か頭使いそうね。大丈夫?」
「成績は普通でした。」
「じゃあ大丈夫ね。吉澤じゃあキッと無理ね。」
(視聴率10.5%)
- 43 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月01日(土)23時47分55秒
- 椅子が何個か並んでいて、その前には4個のボタン。
ものすごく安直というか、このアトラクションで何をやるのかよく分かる。
「これって・・・・・・」
「クイズよね、きっと。まぁ、ここは娘。の遊園地なんだし
娘。に関する問題が出るとは、思うんだけど」
保田が早々と、かつ、適当に椅子に座ったため
紺野もつられるようにその隣に座る。
「って、あんた、そこ座ったら、私撮れないじゃない!」
「へ?あう・・・・すみません!!」
どうやら、保田は適当に座ったわけではなく
目の前にある大きなスクリーンを直視できて
一番、光が集まりそうな中央辺りに紺野を座らせ
自分は撮影をしようとしていたらしい。
「って、保田さんはやらないんですか?」
「撮影がしっかりしてないと、使われないわよ」
「あー、それもそうですよね・・・・・・」
部屋全体が暗くなっていく。
そして、スクリーンに現れたのは、みのもんた!
- 44 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月01日(土)23時49分19秒
- 『クイズ モムスメニア!』
「それは無理があるんじゃないの?」
思わずつっこむ保田。
紺野は真剣な顔して、スクリーンを見てる。
その様子も余す事なく映す。
(いい顔するじゃん、こいつ)
さっき、赤点なんて言ってた時とは全然違い
やる気がみなぎってる。
『第1問 オリジナルメンバー安倍、飯田、福田、石黒、中澤が受けたオーディションの名前はなに?
1、シャ乱Qロックボーカリストオーディション
2、ナインティナインの妹オーディション
3、吉本興行明日のお笑いオーディション
4、つんく♂のアイドル発掘オーディション』
「1・・・・・・ですか?」
「そうよ」
(そっか・・・・・・もう4年近く経つもんね)
『正解』
みのもんたの嫌な溜めの後、妙にこらえた言い方の正解コールを聞いて
紺野の顔がちょっとほころぶ。
- 45 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月01日(土)23時50分43秒
- 「紺野、何歳だっけ?」
「14です」
「・・・・って事は、10才か・・・・・・・」
「?」
(明日香とか彩っぺ、紗耶香の事とか、知らないメンバーが増えてくんだなぁ)
そんな事をファインダーを通して、改めて感じた保田であった。
クイズの方はというと
「・・・・・・ごめんなさぃ」
紺野が申し訳なさそうに、頭をうなだれている。
「仕方ないって。最後の方、ほんとマニアックだったし」
ってな感じで、2ちゃんねらー保田を以ってしても
なかなかに難しい、かつ、軽く妄想まじりの問題なんてのも
出たりして、そぅとぅきつかったらしい。
しゅんとした紺野の頭を撫でながらアトラクションを出ると、
目の前の大きな時計が12時を示していた。
それは、からくり時計で、何かしかけがあると聞かされてはいたが
見るのは初めてだった。
- 46 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月01日(土)23時52分01秒
- 「わぁ」
二人は見上げながら、同時に声を上げた。
時計の回りから出てきたのは、LOVEマシーンの衣装の全メンバー。
17人がコミカルにデフォルメされて
それぞれポーズを取ってる。
それを感慨深気に見てる紺野に声をかける。
「もうラブマのフリはやった?」
「まだです・・・・・・」
「娘。はまだまだ前に行くけど、昔の曲も大切だから。
ちゃんと覚えろよ。」
「はい」
「今度、一緒に練習しようね」
「はいっ!」
笑った紺野の顔を見て、保田も笑顔になる。
「それじゃ、どっかご飯食べに行こうか?」
「たぶん、今の時間は石川さんも・・・・・・」
「それもそうね・・・じゃぁ、どっかブラつくか」
そう言って、保田は紺野の手を引っ張った。
自分がメンバーである事を認めてもらえたみたいで
紺野は少し嬉しかった・・・・・
- 47 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月02日(日)01時17分04秒
- (ここなら大丈夫!行くぜ、後藤真希!!)
などと、気合いを入れる少女が1人。
ハミルトンアイランドは、ザ☆ピースの船で来なければいけない孤島。
木なども多く、他のメンバーに見られる可能性も低い。
なっちはベンチで一休みしながら、ソフトクリームを食べてる。
「なーっつぁん」
「なにさぁ?」
「はははは、訛ってる」
「なんで、直らないんだべ・・・・・・」
「いいよいいよ、なっつぁんはそこが可愛いんだよ
ね、一口ちょうだい・・・・・・」
(キャーーーキャーーーー間接キス!!)
安倍がアイスを差し出して、後藤はそこに唇を近付ける。
うっとりと目を閉じて、優しくソフトクリームを味わうというよりは
むしろ、そこに付いた安倍の唇の感触を味わうような・・・・・・
「おいしいねぇ」
「花畑牧場から直送してるからね」
安倍は後藤の唇がついたところをパクリと感慨もなく
一口で食べてしまった。
遠くへ、ザ☆ピースの汽笛が遠ざかっていく。
- 48 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月02日(日)01時18分55秒
- 「あのね、なっち!」
ソフトクリームのコーンをくわえてる安倍は大きな声に驚いて
マジマジと後藤の顔を見た。
そっと重ねられる後藤の手は少し震えてて
なにがこの先待ってるのかまったく読めない。
後藤の手がCCDもデジタルカメラも止める。
「ごっちん・・・・・・?」
「ずっと好きだったんだ、なっちの事。」
「好き・・・・・・?」
「うん・・・ずっと・・・・・・」
「だって・・・・女の子だよ?」
「関係ないの、なっちがいいの!!」
ある意味、無理矢理、力づくで抱き寄せた。
無言が怖かった。
今だけでもよかった。
ふざけて抱き合うとは違う。
もっと深い部分を抱き締めた。
- 49 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月02日(日)01時26分16秒
- 「し、師匠・・・・・・」
そんな現場に居合わせてしまったのは、加護と辻。
「亜依ちゃん・・・・・・」
「ん?」
辻がひどく不安そうな顔をしてる。
「どないしてん?」
加護も不安になって、辻を見る。
「ソフトクリームが食べれないれす」
「・・・・・・ちょっと待ってよな」
「あい」
また草葉の影から、二人の様子を見る。
(キ・・・・・・キ・・・・・・・・・・・・)
「ののぉー」
「亜依ちゃん・・・・・・」
「キ、、キス・・・・・・」
「ちゅーーー」
なぜか盛り上がって、キスしてる辻加護は置いておいて
当の後藤と安倍は・・・・・・・・・・・・
(視聴率9、8%)
- 50 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月02日(日)11時25分17秒
- (苦しい〜)
安倍は後藤を振り払おうと、必死にバタバタと体を揺らしたが落ちそうに無かった。
「なっち〜」
「嫌だべさ」
安倍はキスをしようとする後藤を拒むと、プーっと頬を膨らませた。
「だって〜新メン入っちゃうとさ、なっち優しいから構ってくれないし〜」
諦めた後藤は体を起こすと、安倍の隣に座った。
「大丈夫だべさ〜。なっちもごっちんの事好きだべさ〜」
すすり泣いている後藤の背中をポンポンと叩いた安倍はニッコリ笑った。
「わかった。」
後藤はウンウンと頷くと、涙を拭き取った。
「こんなとこメンバー(特に辻&加護)に見られたら堪んないな〜」
そのときパキッと言う何かが割れるような音がした。
- 51 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月02日(日)11時29分56秒
- 二人がパッとそちらを向くと、そこには辻と加護が…
「あ…やば…」
慌てて木の陰に隠れたが、一瞬遅かった。
「何盗撮してるのよ?」
「これは・その〜」
加護が顔を赤らめて後藤の顔を見た。
「どこから見てたの?」
後藤の顔が一瞬にして青ざめた。
その頃
- 52 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月02日(日)11時45分53秒
- その頃 保田&紺野ペアーは…
園内にある『娘ナルド』なる怪しげな店に入っていた。
「何ですかね?これ…」
「見たところ普通のマックよね〜。懐かしいは…」
(あれから4年か〜。)
保田が感慨深く店内を見回していると、ピーッというタイマーの音がした。
(3分経ったのね?全部捨てないと…)
保田が目を瞑ると、そこには昔の光景が…
「保田さ〜ん、メニュー見えないんですけど…」
紺野が服の裾を引っ張ると、保田はハッとした。
(あら私ったら…仕事中に…)
保田は机の上に置かれているメニューを取ると、紺野にも見せてやった。
メニューには『なっちの特製欲張りバーガー』『吉澤のペーグルバーガ』
『飯田の飯田家特製うどん』などの娘のメンバーにちなんだ物が書かれていた。
(そう言えば楽屋で試食したな〜)
- 53 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月02日(日)12時24分02秒
- 「これ何ですか?」
紺野はメニューの下の方にあるある項目を指差して尋ねた。
『保田スペシャル0円!』
(はて?こんなの頼んだっけな?そういえば私のだけ試食無かったっけ)
興味を持った保田は、スタッフの「任せてください」という言葉を信じてボタンを押してみた。
「いらっしゃいませ〜ご注文を言ってください」
「ください」
エレベーターガールの格好をした辻と加護が、お辞儀し床から現れた。
「保田スペシャル下さい。紺野は?」
「計算違いバーガーセット(500円)お願いします。」
「どう計算違い何ですかね?」
紺野が財布の中から金を出そうとするのを見た保田はそれを止めた。
「奢ってあげる。」
「でも〜」
どうやら紺野は保田にワザワザ財布を出させるというのに抵抗を感じているらしい。
- 54 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月02日(日)12時31分16秒
- (この人を敬う気持ちこいつ等にも少しは持って欲しいわ)
辻と加護のアンドロイドを見た保田は、クスリと笑いながら紺野の頭の上に手を置いた。
「じゃあ、私も計算違いバーガーセットと保田スペシャルで…これで良いでしょう?」
「はい。」
紺野は嬉しそうに顔をあげた。
「計算違いバーガーセット二つと保田スペシャルで宜しいですね?」
「ですね?」
「お会計1050円になります。」
「なります。」
保田が金を出すと、今度は保田のホログラムが姿をあらわした。
「お待たせいたしました。保田スペシャルです。」
(視聴率6.5%)
- 55 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月05日(水)23時30分34秒
『健康を害するため、放映出来ません(w』などというテロップ。
「・・・・・・」
保田はこの怒りをどこにぶつけていいか分からず、震えていた。
「や、保田さん?」
「これじゃ、ヲタが喜ぶだけじゃないのよ!!!」
「ヒィッ!!」
逃げる紺野
復活する大明神
一時休話なり。
- 56 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月05日(水)23時31分18秒
- 鬼役石川はパーク内をしょぼしょぼと歩いていた。
「なんでみんないないのー?」
もしや、また放置かと思い、寂しくなる。
台本を取り出して、どこを誰が担当してたのかチェック。
時計を見れば、もう1時。
そろそろ誰か捕まえたい。
「よっすぃーとごっちんは足速いよね。
ののちゃんと亜依ちゃんかなぁ・・・・
でも、保田さんも・・・・・・」
なんて考えてる目の前を小川が通っていく。
「あ」
「あ」
「・・・・・・」
「つーかまえー」
「さようならっ!」
ダッ
見事に逃げられる。
「・・・・・・どこ行こう」
なかば、番組より本気でアトラクションを楽しみたくなってきた
石川なのであった・・・・・・・・・・・・
- 57 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月05日(水)23時32分36秒
- その頃、矢口もまた迷っていた
後藤を見失い、自分が担当していた『真夏の公園』と呼ばれる
パーク中央の広場でミニモちゃんと写真まで撮ってきた。
「誰か一緒じゃないとつまんねー」
(ごっちんと一緒がいいよ)
ベンチに座って、空を見る。
同じ場所にいるのに、届かない。
神様って奴はなんて残酷なのだろう。
(お願いフラーッシュ、、なんちゃって)
「やぐちさぁ〜ん」
「ん、おぉ、よっすぃー!」
遠くから手を振る吉澤を見つけ
元気を取り戻した。
その隣に新垣もいた。
「新メン参加してんの!?」
「はい!」
「なんかレッスンの後に連れ去られたとか」
「電○少年かよ!」
矢口のいっぱいいっぱいのつっこみに笑ってくれる新垣。
「・・・・・・それより、ごっちん知らない?」
「見てないっす」
「どこ行ったんだろ?」
「よし!矢口さんのためによしこが人肌脱ぎましょう!!」
まかせてくださいという表情の吉澤が頼もしく見える。
矢口は上機嫌でその肩を叩き、見送りだしてから気付いた。
残された新垣がニコニコ笑ってた。
「よろしくお願いします、矢口さん!」
(お守かよっ!)
- 58 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月10日(月)22時29分39秒
- 「もしもし〜。ごっちん?今どこ?」
吉澤は首からぶら下げていた携帯を使うと、後藤に電話をかけた。
(お〜。流石天才矢口の弟子!)
「あれ?何で携帯もってるの?」
「あ〜これですか?さっき買ったんです。」
娘カメラ。(園内限定販売)2000円
それを聞いた矢口は、心のそこから拍手を送った。
「ごっちんは?」
「寝てて没収する時間無かったんです。」
説明を終えた吉澤は電話に耳を当てると、首を傾げ始めた。
- 59 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月10日(月)22時40分09秒
- 「切られました…」
どうやら後藤の機嫌は、最悪に悪いらしい。
矢口がシュンとすると、目頭が熱くなった。
(何でこんなにつらいんだよ〜?)
(視聴率5.5%)
- 60 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月11日(火)10時23分12秒
- 所変わって、次の場所に移動しようと小走りになってた高橋愛。
辻と加護を見つけた。
「辻さん、か・・・・・・加護さん?」
ベンチに座ってる加護から異様なオーラが出てる。
なんか黒いの(笑)
「はぁ・・・・・・」
「辻さん、一体なにかあったんですか?」
「後藤さんに怒られたのれす」
「怒られた?」
「これ以上は言えないけど・・・・・・」
なんとなく他の場所には行きづらくて
愛は加護の隣に座る。
「元気だしてくださいよー」
「・・・・そやなぁ、本番やし」
- 61 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月11日(火)10時24分07秒
- 顔をあげる。
涙の後が幾筋も見える。
ズズゥッと大きな音を立てて
鼻をすすりあげ
裾で涙の後を拭けば、終わり
元気一番加護亜依復活。
「愛ちゃんは一人れすか?」
「はい」
「んーじゃ、一緒に行こかーー」
「あれ!乗りませんか?」
愛が指差したのは、パークの最後方に位置する巨大観覧車
「観覧車れす!」
「いいなぁ、行こう行こう!!」
「はいっ!」
「あーでも、やっぱ観覧車は夜・・・・・・」
「ええねん、ずっと乗ってれば!」
「あははは」
石川との鬼ゴッコなんて頭から吹っ飛び
マジで夜まで観覧車に乗り続ける勢いの3人が
走っていってしまった所に石川梨華(モーニング娘。)
- 62 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月11日(火)10時29分12秒
- 「あれー?加護ちゃん達の声がしたんだけどなぁ・・・・・・」
キョロキョロと見回す。
どこにもいやしない。
「ここで待ってたら誰か通るかなぁ」
ここはちょうどパーク内的にはほぼ真中に位置する。
「追い込み漁ね!チャーミーかしこーい」
自画自賛してればキリがないが
とりあえず石川梨華、ここで待機のようです。
- 63 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月11日(火)10時40分34秒
- そこからちょっと離れた所『ザ☆ピース』の乗り場に保田と紺野がいた。
「紗耶香!?」
「圭ちゃん!」
感動の再会と行きたい所だが
保田はすぐに市井の顔色が優れない事に気付く。
「ちょっと体調悪いんじゃないの?」
「いや、違うんだ」
「?」
紺野も心配そうに見ている。
「後藤がね」
「後藤が?」
「こっから出ていく時に元気なかったもんだから」
「もしかしてなっちと一緒だった?」
「うん・・・・・・って、もしや、後藤、なっちに?」
「きっとそうだと思う」
「そっか・・・・・・それでか」
- 64 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月11日(火)11時09分53秒
- 「誰か他に来てた?」
「加護と辻もいたんだけど、そっちもしょぼくれてた」
「この島、なんかあるの・・・・・・?」
「つんくさんの計らいで恋人同士がいちゃつけるように
木とかいっぱい生えてるんだけどさぁ」
「ま、後藤となっちの現場を、辻加護が見てて
それがバレて、怒られたって感じね」
さすが圭ちゃん、よく分かってらっしゃる。
紗耶香は大きく溜息をついて
保田の肩をポンッと叩いた。
「頼んだよ、圭ちゃん」
「まかせておいて。あ、そうそう。
この子、新メンね」
「初めまして!」
「えーっと、紺野ちゃんだ」
「は、はい」
「じゃ、私達は行くわ」
「おぅ」
「ありがとうございました」
保田は一歩外に出て、左右を見る。
後藤はなっちとどっちに向かったのだろう。
紺野が保田の袖を握った。
「なに?」
「後藤さんって怖いですか?」
「ううん。実はとっても繊細でやさしい奴だよ。
は虫類好きだけど。」
「・・・・・・」
- 65 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月11日(火)17時18分55秒
- 「はい、ごっつぁん」
「なっつぁん、まだ食べる気?」
パーク内を移動するワゴンのピザ屋がちょうど目の前に来て
安倍は嬉しそうな顔で買ってきた。
「だって、お昼ご飯食べてないよ」
「・・・・・・まぁ、いいけど」
「あーんして」
「え?」
「あーん」
「・・・・・・」
複雑な心境だ。
付き合えないのに、こんなイチャイチャされると・・・・・・
- 66 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月11日(火)17時22分49秒
- 「なっつぁん」
「ん?」
「なっつぁんは優しすぎるよ」
「・・・・・・」
二人の間に沈黙が過ぎる。
安倍の手が後藤の手を握る。
「あのね、ごっつぁんの好きとなっちの好きはきっと違うと思う。
好きなんだけどね。でもね、これじゃ付き合っても
いつか別れちゃうよ。そんなのいやだから・・・・・・ね」
「なっち・・・・・・」
「ごっちんはきっとこれじゃダメなんだよね・・・・・・」
「・・・・・・」
番組という事をすっかり忘れてる二人の影が
夕方を告げる陽に伸びていく・・・・・・
(視聴率13.4%)
- 67 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月14日(金)23時17分26秒
- (全く何やってるのよ?)
(逝くにいけませんよね〜)
後を追いかけていた保田と紺野は、建物の影から二人のやり取りをそっと見ていた。
「あ・どこか逝きますよ〜。」
紺野は保田の手を引っ張ると、ツカツカと歩き始めた。
「…これは?」
安倍と後藤が入っていった場所は…
「Memory 青春の光」
『看板には青春の一ページをつくりませんか?』
のキャッチフレーズと石川の絵が…。
(こんな所で何をするのやら?)
「これなんですかね?」
紺野がボタンをポチっと押すと、石川のホログラムが現れた。
「青春の1ページって、地球の歴史からすると…」
(ここってThe☆ピースじゃないですよね?)
(そのはずよ)
- 68 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月14日(金)23時26分40秒
- 二人が首を傾げていると、何と中澤が現れた。
「お〜、今度は圭ちゃんやん。それに新メンも」
中澤が早速紺野を毒牙の餌食にすると読んだ保田は、ひょいっと紺野を持ち上げた。
「何すんの?」
「挨拶やがな。」
中澤はチッと舌打ちすると、施設の説明を始めた。
「この施設は、つんくさんの作った別れの曲を合体させた感じやねん。
だから出口は二つに分かれてるんや…」
「どうしたの?」
「何かごっちん嫌そうやったから…」
安倍の事だから、気まずさをなくそうと誘ったのだろうがこれでは逆効果である。
「これが安倍さんの答えなんでしょうか?」
中澤と保田のしかめっ面を見ていた紺野がポツリと呟いた。
(視聴率14.7%)
- 69 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月15日(土)10時43分08秒
- パーク終了まで、あと3時間。
陽は落ちた。
濃紫の空に包まれたつんくワールドは電飾の海に飲み込まれる。
きらびやかな世界。
そこをトボトボと歩く少女が一人。
小川真琴。
ひとしきり乗り物には乗り尽くし
あとは、ブラブラしながら
石川にさえ捕まらなければよい。
遠目のベンチに何やらピンクの人が見えた。
「?」
よーく目をこらす。
「石川さん・・・・・・だよね?」
小川は足早にそこから逃げ出す。
ドンッ
「きゃぁ!」
誰かにぶつかって、2人とも転ぶ。
「だ、大丈夫ですか?」
「あぁ、うん。小川も大丈夫?」
飯田が先に立ち上がり、手を差し伸べる。
「すいません」
「いいよいいよー」
と、言いながら、石川にいる方向に行こうとした飯田の腕を引っ張る
「?」
「そっち、石川さんがいます!」
「へ、あ、そう。うーん、圭織、もう全部乗っちゃったからヒマなんだよなぁ。
小川はもう乗った?」
「はい」
「そっか。どっかでご飯でも食べる?」
「おごりですか?」
「あははっはは、よっし、リーダーが特別におごってあげよう!」
機嫌よさそうに歩いていく飯田。
その後ろをシメシメとついてく小川。
・・・・・・うーん
- 70 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月15日(土)10時54分42秒
- 「ちょっと、もう少しそっちに」
「ご、ごめんなさい!」
『Memory青春の光』の出口寸前。
前に進めない二人がいた。
この中で撮ったプリクラを握りしめる保田に
その保田が覗いてる先を見たくてウロチョロする紺野の二人。
で、このカーテンの向こうは少し暗くて
安倍が1人で立ち尽くしてた。
声をかけるにかけれない。
ほんの10秒前、後藤が安倍の唇を盗むようにキスをして
走り去っていた。
「圭ちゃん・・・・・・」
「え!?は?えーっと・・・・・・なっち・・・・・・」
いた事に気付かれたのに驚き、保田はしどろもどろになる。
安倍は泣きじゃくりながら、胸に顔をうずめた。
館内に響く安倍の泣き声。
「・・・・・・」
「私、ごっちんを傷付けちゃったよね!?悪い子だよね?」
紺野はその様子を見てるしかない。
「とりあえず外出ようか」
保田の意見にコクンとうなづいて
3人は歩き出した。
- 71 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月15日(土)11時13分07秒
- 矢口の目がゆっくりとスクロールする。
後藤が走っていた。
「矢口さん!!」
吉澤の声で我を取り戻す。
走っていた。
泣いていた。
何があった。
追い付きたかった。
だけど、追いつけない。
後藤は速い。
頑張っても頑張っても追いつけない。
自分の横を抜けていく風。
吉澤が後藤の肩を掴んだ。
「ごっちん!」
「よっすぃー・・・・・・」
「どう・・・・・・したの?」
「よっすぃーー・・・・・」
赤く腫れた目
「なんだよぉ、後藤。本番中だぞ!泣くんじゃないよー」
矢口が苦々しい笑いを浮かべながらハンカチを出した。
後藤は素直にそれを受け取れない。
矢口の気持ちを知っていた。
しかも、さっきあんな手を使って
別れてしまったのだ。
受け取りずらかった。
「あぁあ、マスカラ取れちゃって!
エンディングまでに直さなきゃ・・・・・・」
矢口が手を伸ばして、後藤の涙を拭こうとする。
届かないのだが。
でも、矢口の気持ちは届いた。
後藤はしゃがみ、矢口のハンカチを借りる。
「ぐすっ・・あんがと、やぐっつぁん」
「ったく、ごっちんを泣かしたのはどこのどいつだぁ
おいらが殴ってやる!!」
と言う矢口の目には涙が溢れていた。
- 72 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月15日(土)11時14分26秒
- 「いいよ・・・・・・いらないよ」
「え、そっか。いらないか」
「やぐっつぁん、膝枕して・・・・疲れちゃった」
「おぅ、膝枕だろうがなんだろうが、まかせてくれぇい」
近くのベンチ。
後藤は座った矢口の膝に頭を乗せる。
「じゃ、うちらは行きますか」
吉澤が新垣の手を引き、去ろうとすると
後藤はその腕を掴んだ。
「よっすぃーも新垣ちゃんもいてよ」
「・・・・・・ごっちんの頼みだ、仕方ない」
目で合図。
仕方ないって表情の矢口。
「うーん、新垣ちゃん、ポップコーンでも食べる?」
「食べますー」
「よし、買ってこよう。ごっちんも矢口さんもいりますか?」
「食べる!」
吉澤が機転を利かせていなくなった。
人のいない夜の遊園地。
二人っきり。
大好きな人が膝枕で目をつぶってる。
「ねぇ、ごっちん」
「んー?」
「私じゃダメ?」
「えー」
「初めて会った時から好きだったんだよ」
ギュ
矢口は後藤の頭を抱き締めた。
- 73 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月15日(土)13時16分45秒
- 「ぬぉおおおーーーーーーー」
「すごい!すごいのれす!!」
「綺麗!!!」
で、こちらは観覧車の3人組。
現在、11巡目。
回り過ぎです。
それはともかくとして
ライトアップされた園内が
ここからは全部見える。
「あれ、飯田さんれす!」
辻がみんなどこにいるのか探そうと言い出し
指を指しながら、はしゃいでる。
「なぁ、あれ矢口さんやないか?」
「なんか誰かと一緒っぽいね」
「んー・・・・・・ごっちん?」
「し、師匠!?」
窓にかぶりつく加護!
箱が大きく揺れる
- 74 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月15日(土)13時17分30秒
- 「おわぁあ」
「暴れちゃダメれす!!」
「きゃぁーーー!」
「ごめんなー・・・・・・っと、あれ、お圭さんやん。」
「紺野ちゃんも一緒だー」
「安倍さんもれすね」
「よっすぃー、はっけーん」
「にいにいーーー」
「ん?」
「あれ?」
「えっと・・・・・・」
3人は大変な事に気付く。
石川がいない!!
どこかの中に入っているのか
いや、それにしても、こんな長い時間出てこないわけがない。
・・・・・・灯台元暮らし
石川は観覧車の中にいた!!
「チャーミー冴えてるぅ!高い所に昇れば、みんな見えちゃうわよねっ!!」
恐怖が迫りつつ、あった・・・・・・
(視聴率 18.3%)
- 75 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月15日(土)22時25分46秒
- 「ナッチ〜。」
保田は安倍の頭を撫でながら、どこか座る所が無いか探していた。
後ろにくっ付いていた紺野もソワソワしている。
(ん〜ん、このままだと今後の活動に支障がありそうね)
サブリーダーとして、今自分に出来る事は何なのかを考えていた。
「良し!なっち ごっちんと会いに行こう!」
あんな状態の後藤を矢口が見逃すはずが無い。
同期という事も在って、矢口からは何度も相談された。
矢口ならきっと…
腹は決まった。
- 76 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月15日(土)22時39分34秒
- 「あ・あれ」
辻の指した先には、石川の姿が会った。
慌てて体を伏せたが、間に合わなかったらしい。
「あいぼ〜ん」
実際には聞こえないが、口ではそう言っているのが分かった。
もう逃げ道はないようである。
三人は思い思いにくつろぎ始めた。
(師匠どうしたんやろ?)
加護は先程からそれを考えていた。
後藤が安倍の事が好きなのは、以前から知っていた。
というよりも聞かされていた。
(一体何が?)
大人の世界はマダマダわからない。
こんな時は少し頼りないが、石川に聞いてみるに限る。
(視聴率13.3%)
- 77 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月21日(金)01時43分38秒
- 「つーかまーえたーっ」
番組内で捕まえる事が出来た石川は心の底からハジケてた!
(神様、これが石川の普段の行いがよかったからプレゼントですね!!)
「やられてもうたわー」
「観覧車に夢中になって13周もしてたのれす」
「石川さんを見た時はビックリしましたよー」
「ふふふー。さ、次のメンバーを探しに行くわよー!」
石川が意気揚々と一歩を踏み出そうとしたその時、
誰かが袖を掴んだ
「?」
加護が目を潤ませてた。
「か、加護ちゃん?」
「あんなぁ、、、ヒクッ、相談があんねん・・・・・・グスッ」
「相談?石川でよかったらなんぼでもしてよ!メンバーじゃない!!」
「うん、あんがとなぁ・・・・・・」
といいながら、石川を観覧車に連れ込む。
「で、相談って?」
「あれなのれす」
- 78 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月21日(金)01時44分16秒
- 辻が指差した底には後藤を抱き締める矢口の姿。
「や、や、や、や、や、矢口さん?」
「タンポポ一緒にやってるのに気付かなかったれすか?」
「タンポポの時はごっちん一緒じゃないじゃなーい、
知らなかったわよ、うわぁ。本番中なのにぃ」
「誰ももう番組なんて忘れてますよ」
「え・・・・・・」
「たぶん梨華ちゃんだけやで」
「そ、そうなの?」
「うん」
「そっか・・・・・・」
「ま、一応、編集しやすいようにリアクションはしておいたけどな」
「楽しかったれす」
- 79 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月21日(金)01時44分56秒
- 「楽しい事はいい事よ、ポジティブに考えなきゃね!」
「そうです、ポジティブです!」
「で、ポジテブはどうでもよくて、後藤さんやねん」
「ごっちん・・・・・・」
「安倍さんに振られちゃったのれす」
「え、ごっちん、安倍さんの事!?」
「梨華ちゃん、ニブすぎやで」
「・・・・・・ごめんなさい」
加護は視線を窓の外に落とした。
まるで冬のイルミネーションのように
光輝くパークの中。
ひさしぶりに丸1日休みのような日。
色んな事があったけど、最後にみんなで笑っていたい。
そんな気持ちが涙になって流れた。
「加護ちゃん・・・・・・」
「なぁ、幸せってなんやろ?」
- 80 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月21日(金)01時46分27秒
- 「幸せ・・・・・・」
「後藤さんは安倍さんが好きで
矢口さんは後藤さんが好きで
後藤さんは安倍さんに振られて
矢口さんは後藤さんを抱き締めてる」
「悲しいですね・・・・・・」
「仕方ないよ」
石川の目はいたって強そうな意思を見せる。
「恋はそういうものなの」
「加護はみんな大好きや。みんなで笑ってたい。
けど、そうもいかないんやなぁ」
「ののは亜依ちゃんといれば幸せれすよ」
「私も楽しいです!元気だしてください!」
「そうね、ここはやっぱり私が年上としてまとめないとね!」
「なんか、嫌な予感がするのれす・・・・・・」
(視聴率 15.7%)
- 81 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月24日(月)21時21分07秒
- ゾクリっと矢口の背中が震えた。
(何か嫌な予感がするな〜)
キョロキョロと辺りを見回してみたが、案の定人影は無かった。
「気のせいか…」
「どうしたの?」
先程まで泣いていた後藤は、手で涙を拭き取った。
そして矢口の耳元に口を近づけた。
「良いよ。」
以下全カット(R指定編へ)
- 82 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月24日(月)21時32分39秒
- 「あ・あれ吉澤じゃない?」
「ほんとだ〜。」
保田と安倍と紺野は、ポップコーンを手に持ったまま
その場に突っ立て居る吉澤と新垣を発見した。
「保田さ〜ん」
吉澤もそれに気がついたのか、新垣と共に駆け寄ってきた。
「何だ無事だったんですね。」
「何だとは何よ?」
保田が吉澤の首を絞めはじめた。
「ねえ、後藤さん見なかった?」
「ん〜んとねえ…あっちの公園に来てたよ。でも…」
「ありがとう。」
「保田さ〜ん。」
紺野は先日習った腹式呼吸とやらで、大声で叫んでみた。
「何?」
「後藤さん公園に居るみたいです。」
「よし!行こう!」
「ちょと〜保田さん?」
三人は吉澤と新垣が止めるのも聞かずに公園へ向かった。
- 83 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月24日(月)21時53分16秒
- 「あ・みんな集まってますよ。」
高橋は、先程矢口達を見つけた所を指差して叫んだ。
「どうするの?」
「何が?」
石川が不安そうな顔をして叫んだので、加護が尋ねた。
「だって、みんな仕事を忘れてるって事は、置いて帰られるかも…」
「置いて帰られる…」
勿論石川のネガティブシンキングなのだが、まだ慣れてない高橋はうろたえ始めた。
「大丈夫、大丈夫、好きです」
「明日は明日の風が吹く」
絶妙なハーモニーを奏でるの辻と加護は、全く気にしていない。
(置いて帰られたら、明日お仕事休めるです。)
辻と加護にとっては、どっちに転んでも良いらしい。
恐るべしポジティブシンキング(?)…
- 84 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月24日(月)22時02分04秒
- 「速く速く」
観覧車のゴンドラが漸く乗車位置につくと、石川と高橋は素早く降りた。
「そんないそがんでも…」
「別にあいぼん達は後でゆっくり着ても良いよ。」
「へ?」
「ほんまに?」
辻と加護の足がピタリと止まる。
「保田さんと飯田さんに仕事サボって、観覧車にずっと居た事いっちゃう…」
「へ?」
高橋と石川はあっという間に
石川の言葉を最後まで聞かず、
全力で走り始めた辻と加護に抜かれてしまった。
(飯田さんに言われると、フクロウの話されるのです。)
(保田さんと最近やっとコミニケーション取れ始めたのに
こんな事で無くして堪るかい)
二人が何を考えているのか全くわからない高橋は、ただ呆然と立ち止まった。
「保田さんと飯田さんって、そんなに怖いんですか?」
「ん〜ん」
石川は眉間に皺を寄せると
「仕事中遊ぶと、こんな顔して怒るんだよ」
「え?」
石川の顔は、さほど高橋には恐怖を感じさせなかったようだ。
「普段は凄く優しいんだよ。
この前なんか一緒に温泉行ったし
中澤さんと三人で焼肉にも行ったし」
今度高橋さんも一緒にどう?
「良いんですか?」
少しホームシックになっていた高橋には、それがたまらなく嬉しかった。
(中澤さんが私にしてくれたように、私も後輩に接していかないと)
石川は何やら使命感に燃えているようだった。
- 85 名前:石川記念日 投稿日:2001年09月24日(月)22時13分36秒
- 暫らく走ると、飯田と小川が手を繋いで歩いているのが見えた。
「飯田さん♪」
「おお辻」
飯田の胸に辻が飛び込んだ。
それを見た加護は「愛はパワーだよ。」という深田恭子の真似を始めた。
「何かみんな公園の方に向かってるみたいですよ」
「公園?どこそれ?」
「えっと〜」
石川は観覧車の方から方角を確認しようとしたが、
周りが暗いため観覧車が見えなかった。
「どっちだっけ?」
「あっちです。」
石川がオロオロしていると、高橋が指を刺した。
「そうそう。あっちよね。」
「知らなかったくせに…」
「迷ったんですよ。」
「肝心なときにいつもこうや」
旧メン3人が、口々に小声で呟いた。
「チャ−ミーはですね、新メンバーに話を振った方が良いと思ってですね。」
旧メンが無視するように歩いていくので、小川もそれに続いた。
石川の言い訳に騙される人間など居ないのである。
(石川さんって、凄くいい人なんですね〜。私が全然喋ってないのを気にして)
いや、一人だけ居たようである…
(視聴率12.6%)
- 86 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月26日(水)15時54分52秒
「泣いたらやだよ、矢口も悲しいよ・・・・・・」
涙の痕にキスする唇。
後藤真希のそっと瞳を閉じた顔は
打ち上げられる花火に照らされ
今まで見た事がないぐらい妖艶で
美しかった。
言葉を失う。
言葉じゃ表現できない。
高鳴る胸は抑えれない。
「やぐっつぁん、もう一回だけ抱き締めて。」
「いいよ」
胸の押し当てられた後藤の頭。
きっとこの鼓動が伝わってる。
ドキドキしてる、この音が聞こえてる。
「落ち着いた?」
優しく聞く。
ゆっくりとうなづいて、身体を起こした。
茶色い髪が頬に張り付いていて
矢口は指でそれを撫でた。
「ありがと」
「ううん」
「やぐっつぁんはいっつも優しかったね、後藤に」
「あったりまえだぁい」
後藤の肩に頭を乗せる矢口。
- 87 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月26日(水)15時55分39秒
- 『東京で1人暮らしたら、、、母さんの優しさ心にしみた、、、』
後藤がつぶやくように、ふるさとを口づさむ。
少しずつ大きくなっていく声・・・・・・
そのメロディは安倍にも聞こえてた。
「なっち・・・・・・」
「安倍さん・・・・・」
「なんだよ、ごっちん。わざわざふるさとなんて唄わないでよ。
コンサートでもやんないのにさぁ・・・・・・」
「知ってる?」
保田はしょうがないなって表情で
安倍の頭をポンポンと叩いて
隣に座った。
「後藤の娘。で一番好きな曲」
「・・・・・・・・・・・・ふるさと?」
「そう。曲のあったかい感じとか、
家族を思う気持ちだとか
そういうのがすごいいいんだって。
なっちはさぁ、歌でみんなに何かを伝えたいんでしょ?
伝わったよ、後藤に。
だからさ、元気だして。」
安倍の手を握り、唄い出す。
それも、周りに聞こえるであろう大きな声で。
- 88 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月26日(水)15時56分21秒
- 「け、圭ちゃん!?」
植えられた緑をはさんで背中合わせにいた
後藤と矢口も3人の存在に気付く。
「なーにやってんのよ、2人で。
ふるさとはこの人が唄わなきゃ始まらないでしょ?」
「なっち・・・・・・」
後藤が少し悲し気な顔をしそうになると、
安倍の顔も翳る。
だけど、そっと唄い出した。
『失恋しちゃったわ 泣いてもいいかな
次の 休みに 少し帰るから』
保田は矢口を抱き上げ、後藤の膝に乗せると
その隣に座る。
「本番中だぞ、悲劇のヒロインみたいな顔してんじゃないよ」
「圭ちゃん・・・・・・」
『涙 止まらなくても
昔のように しかって My Mother』
次の瞬間には安倍の声に綺麗なハーモニーを入れる保田
矢口も保田の気持ちを悟り、合わせるようにハモリを入れる。
『涙 止まらないかも
わがままな娘でごめんね Mother』
保田はその様をちょっと遠くから見てた紺野を手招き
ギュッとその手を握る。
「2番はごっちんも一緒に唄って・・・・・・」
安倍がそう言うと、後藤は柔らかい笑みを浮かべた。
- 89 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月26日(水)15時56分54秒
- 『東京で一人暮らしても
私は昔の私のまんま
お化粧するの おぼえたわ
あんまり うまくないけど
楽しい日があった
あいつがいたから
恋はステキね 寂しくなかった』
「行こっか」
公園の入り口。
飯田が辻の手を引きながら、言った。
「あいっ」
「新垣ちゃんも行こっか」
「はーい」
吉澤と新垣もその後に続く。
「あいぼーん、手つな・・・・・・
「愛ちゃん、手つなごか」
「いいですか?」
「あ、あいぼん、手・・・・・・」
失意の石川(w
軽く落ち込んでる所に小川が苦笑いしながら手を差し伸べた。
「私とつないでください」
「いいの?こんな石川で?」
「はい」
照れ笑いを隠せない石川
少し先を行く飯田達を追い掛ける。
その途中で小川は石川にポツリと聞いた
「モーニング娘。って石川さんにとってなんですか?」
「うーん・・・・・・家族かな」
「家族・・・・・・」
「だけどね、負けたくないんだ。
大切な仲間だし、誰がいなくても寂しいよ。
けどね、みんなライバルで
誰にも負けたくない・・・・・・
でも、でも、みんな助け合ってるの
って言ってて、石川もよく分かってないんだけどね」
などと言ってる間にみんな、後藤を取り囲んで
いい雰囲気になってる。
- 90 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月26日(水)15時57分43秒
- 「きゃーーー、どうしよ、どこ行こっかな!?」
とか言いながら、石川は1人走っていき
みんなの前に立つ!
「邪魔ぁ」
「うざーい」
「よけろぉ、チャーミー」
罵声が飛んできて
あっという間に横に避けさせられる石川。
(へぇー、あれは負けたくないって根性なんだ)
1人、感心してる小川。
あんまり参考にしちゃダメですよ、あんなの。
石川はスミで1人でビデオカメラにコメントを言う。
「というわけで、楽しんでいただけたでしょうか?
チャーミーはとりあえず疲れました・・・・・・
家族でカップルで一緒に『つんくワールド』へ行きましょー
では、チャーミー石川でした、チャオー」
小さく手を振る。
その背後では、みんながゾロゾロと移動してる。
「あ、あれ?みなさん、どこに行くんですか?
なんで答えてくれないんですか???
チャーミーを置いてかないでぇーーーーー」
「最後のアトラクションだよ!ほら、早く!」
保田にせかされて、立ち上がるチャーミー。
カメラは一瞬、ブレたようになり
真っ暗になる。
- 91 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月26日(水)15時59分19秒
- スタッフロール・・・・・・
そのバックで少しずつ光を取り戻す画面。
そこには楽しそうに踊る娘。の姿。
1日のラストのアトラクション『パレード娘。』
まぁ、説明するまでもないが。
ディ○ニー顔負けの電飾の車とダンサーがつんくワールドの中を練り歩く。
お客さんはその中に入り放題。
お祭り騒ぎもいい所だ。
辻、加護がカメラを見つけて、走り寄ってきたと思ったら
レンズに向かって、キスしてみせる。
石川と吉澤もレンズの前でポーズを作り、
石川が吉澤の肩に抱きついてる。
飯田と保田がマジで踊ってる所を押え、
安倍と後藤と矢口がフランクフルトを食べながら、歩いてる。
こちらはこちらで楽しそうだ。
小川と新垣が電飾の車の華麗さに驚いてる後ろには
高橋と紺野。ダンサーが一緒に踊ろうとけしかけて
照れくさそうにステップを踏んでる。
カメラはそんな娘。の後ろ姿を見送った・・・・・・
番組が終わったかと思ったら
突然、画面が明るくなる
「はいっ!というわけで、約束の罰ゲームといきましょー!!」
とっても明るいチャーミー石川の後ろには
加護と辻と高橋の3人。
「なにすんのー?」
「早くしてくださーい」
「遅いのれす」
「今回の罰ゲームはあれ!!」
指を指したる場所は、一回も出てきてないジェットコースター!!
「えーーーーーー」
「怖ぁい」
「いやなのれすー」
明らかに怖がってない3人
「さ、行ってらっしゃーい」
見送ったチャーミーは意気揚々とその様を見てる。
- 92 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月26日(水)16時00分00秒
- 数分後
「はー」
「怖かったぁ」
「れす」
「そう、だから、罰ゲームなのよ」
「これは、ね」
「梨華ちゃんも体験してた方が」
「得れすよ」
「え!?ええ、、、え」
「どうせなら、誰もいないしぃ」
「そやそや、一番前行こ!」
「いいれすねー、ひとりじめれすよ!!」
「や・・・・・・ディレクターさぁーーーーん!!
石川は乗ら・・・・・・キャァア」
石川梨華の叫び声は止まる事がなかったという
『end』
- 93 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月26日(水)16時04分30秒
- age
- 94 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月26日(水)16時05分02秒
- 更新部分長いので、最新記事で見てください
- 95 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月26日(水)16時07分26秒
- 今回でこのリレー小説は終了。
このスレを活用したい方(別なリレー小説を続けてくれると嬉しい)他、
感想などはこちらまで。反省会もあります(w
http://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=imp&thp=995192376
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