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短編集『夢灯り』

1 名前:COMAGOMA 投稿日:2001年07月23日(月)13時39分54秒
ハロプロメンバー総出演の短編集である。
2 名前:COMAGOMA 投稿日:2001年07月23日(月)13時47分03秒
まず最初はメロン記念日の登場です。
タイトルは『夢灯り』であります。
3 名前:『夢灯り』 投稿日:2001年07月23日(月)14時09分28秒
ピピピピ・・・ピピピピ・・・
時計のアラームの音で柴田あゆみは目を覚ました。

「あれ・・・あたし、どうしたのかな・・・」

あゆみはこう言うと時計を見てみた。
すると午前7時を過ぎていた。
あゆみは前日、自身が初めて参加するシャッフルユニットの一員として音楽番組の収録に参加していた。
しかしあゆみは出来が良くなかったとして他のメンバーから指摘を受けていた。
そして自分の入るとともに床に座り込んで泣き崩れたのだ。

「昨日は、何所が良くなかったのかな・・・」

あゆみがこう呟きながら起き上がるとドアのチャイムが鳴った。

「誰?」

あゆみはこう言うとドアを開けた。
するとそこには大谷雅恵が立っていた。

「よっ」
「雅恵・・・」
「迎えに来ちゃった」

雅恵はそう言うと部屋に上がりこんだ。

「あゆみ、朝食はもう済んだの?」
「ん?まだやってないけど・・・」
「じゃあちょっと待っててね、今何か作るから」

雅恵はこう言うと台所へと向かっていった。
4 名前:『夢灯り』 投稿日:2001年07月23日(月)14時47分25秒
しばらくすると雅恵が台所から出てきた。

「朝食出来たよ」

雅恵はこう言ってあゆみを呼んだ。
するとあゆみは台所へと向かっていった。
そして雅恵はあゆみにこう言った。

「簡単なものでいいでしょ?」
「別にいいんですよ・・・」

あゆみはこう言うと椅子に座った。
テーブルの上にはトーストとジャム、そして牛乳が置かれていた。
雅恵はすでにそれを食べていた。

「うん、美味い・・・あれ?あゆみは食べないの?」

雅恵はあゆみに言った。
するとあゆみはこう言ったのだ。

「あの・・・」
「なあに?」
「ありがとうございます、あたしの為にこんな事をして・・・」
「ううん、いいってことよ」
「・・・そうですよね」

あゆみはこう言うと静かに朝食を食べ始めた。
5 名前:COMAGOMA 投稿日:2001年07月26日(木)11時24分57秒
しばらくすると部屋の電話が鳴った。

「はい。」

あゆみはこう言うと静かに受話器を取った。

「もしもし」
「柴田か・・・緊急出動である」
「どうしたんですか?」
「引退したハロプロメンバーの御霊を慰めよ」
「はい」
「場所はテレビ東京の地下30階にある芸人墓地だ」
「わかりました」

あゆみはこう言うと受話器を置いた。
そこで雅恵はあゆみにこう言った。

「誰からだった?」
「つんくさんから」
「それで?」
「今からテレビ東京に来て、と言ってた」
「そう?」

雅恵はこう言うと身支度を始めた。
そしてあゆみと一緒に部屋を出てテレビ東京へと向かった。
6 名前:COMAGOMA 投稿日:2001年07月26日(木)13時50分53秒
さて、ここはテレビ東京地下30階。
ここに芸人墓地がある。
雅恵とあゆみはここに来ていた。
二人はつんくと一緒に引退したメンバーの御霊を慰めていた。
二人は前年9月に引退した『三佳千夏』の墓前にいた。

「あたし達はもう頑張ってるので見守っててね」

あゆみはそう言うと線香を手向けた。
そこで雅恵はつんくにこう言った。

「何故ここに連れて来たんですか?」
「惜しくもユニットに参加されぬまま引退したメンバーを慰めるためである。」
「そうですか」

雅恵は言った。

「さあ、用事も済んだのでそろそろ収録に向かおう。」

つんくはこう言った。
7 名前:COMAGOMA 投稿日:2001年08月07日(火)14時19分02秒
ここは楽屋の中。
あゆみ達は収録を終えてこの中にいた。

「あゆみ、この前と比べて大分上手になったね」

斉藤瞳はあゆみに対してこう言った。

「そうですか?」
「やればできるでしょ?」
「はあ・・・」
「この調子でまた次もお願いね」

瞳は言った。
すると、村田めぐみはあゆみにこう言った。

「あゆみ・・・大分上手になったね」
「はい・・・」
「この調子でまた頑張ってね」
「わかりました」

あゆみは言った。
そして満足そうな顔をして自分の部屋へと帰っていった。

 −Fin−
8 名前:COMAGOMA 投稿日:2001年08月07日(火)14時30分27秒
続いては松浦亜弥とシェキドルの登場です。
タイトルは『BEST FRIEND』であります。
9 名前:『BEST FRIEND』 投稿日:2001年08月07日(火)14時44分42秒
ここは新潟市内某所。
松浦亜弥はイベント出演の為にシェキドルのメンバーとこの場所にいた。
シェキドルのメンバーである大木衣吹は亜弥にこう言った。

「亜弥、しっかりね」
「はい」

亜弥はこう返事した。
亜弥が演技している姿を衣吹は見つめていた。
しかしその表情はいつもと違って何故か寂しそうな表情だった。
こうしてイベントの方はすべて終了した。
亜弥達は宿舎に向かうためにバスに乗り込んだ。
10 名前:パク@紹介人 投稿日:2001年08月31日(金)03時25分37秒
こちらの小説を「小説紹介スレ@黄板」↓に紹介します。
http://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=yellow&thp=995445727&ls=25
11 名前:『BEST FRIEND』 投稿日:2001年09月06日(木)15時13分05秒
そしてここは宿舎の中である。
そこでは亜弥と衣吹が話をしていた。

「あたしはもうすぐでハロプロを辞める事になった・・・」
「なんでですか?」
「ソロで自分の力を試してみたいと思って・・・」
「でも・・・」
「大丈夫。あたしの代わりのメンバーがいるんだから」

衣吹はそう言うとある人物を呼んでみた。
その人物こそ、シェキドルの新メンバー荒井沙紀である。

「あとはこの人に代わるのでよろしくね」
「・・・わかりました」

亜弥は言った。
12 名前:『BEST FRIEND』 投稿日:2001年09月09日(日)13時58分33秒
数日後。
衣吹はソロを目指すためにシェキドルを脱退した。
しかし、残されたメンバーに涙はなかった。

「あたし達は衣吹の分まで頑張ろう」

こう心に誓ったからである。
こうして、亜弥達は東京へと戻った。

 −Fin−
13 名前:COMAGOMA 投稿日:2001年09月09日(日)14時08分36秒
次はカントリー娘。と平家みちよの登場です。
タイトルは『ちばりよー。』です。ミステリー物です。
なお、“ちばりよー”とは沖縄の言葉で「がんばれ」の意味です。
14 名前:『ちばりよー。』 投稿日:2001年09月09日(日)14時19分20秒
さて、ここは都内某所。
ここにみちよの住んでいるマンションがある。
みちよは一日の仕事を終えて帰宅するとドアの前に一人の女性が倒れていた。
カントリー娘。のあさみである。

「ちょっと・・・あさみ、どうしたのよ?」

みちよはこう言ってあさみを起こした。
するとあさみはこう言った。

「お願いです・・・しばらくここに隠れさせて下さい・・・」
「何かあったの?」
「はい・・・もうあの部屋には戻れません・・・」
「わかった・・・しばらくあたしの部屋にいてね」

みちよはこう言うとあさみを部屋の中に入れた。
15 名前:『ちばりよー。』 投稿日:2001年09月10日(月)10時54分46秒
ここは、みちよの部屋の中である。
ここにあさみはいた。
みちよはあさみに話し掛けた。

「一体何があったの?」

するとあさみは自分の身に起こったことを全部話した。

「相方に襲われたの?」
「うん・・・」
「どうして・・・」
「わからない・・・りんねは何かに憑依されてたらしくて・・・」
「まさか?りんねはあんな事するような人じゃないわ!」

みちよは驚いた声で言った。

「どうしよう・・・まさかここまで追いかけて来ないよね?」
「大丈夫だよ・・・来てもあたしが追い払ってやるから」

みちよは言った。しかし・・・

「・・・」

あさみはすでに寝ていた。
みちよはあさみを抱きかかえるとベッドへと連れて行った。
16 名前:『ちばりよー。』 投稿日:2001年09月10日(月)11時11分55秒
さて、話は数時間前にさかのぼる。
ここはテレビ東京の楽屋。
ここにはりんねとあさみがいた。
あさみはりんねにこう言ってみた。

「まさかあたし達がここまで来るとはね・・・」
「そうだね」
「全国ネットの番組に出演出来たからね」
「次は全国デビューだね」
「今までは地元でしかCDを出してないからね」
「頑張ろうね」

りんねは言った。
こうして二人は楽屋を後にした。


そしてここは、りんねの部屋。
りんねはここで寝ていると何者かに起こされた。

「・・・りんね。」
「誰?」
「あたし、尋美だけど・・・」

2年前、デビュー目前に交通事故で他界した柳原尋美の霊が出てきた。

「デビューは白紙になったはずでしょう、どうして・・・」
「どうしてと言われても、あたし一人で頑張ってきたのよ・・・」
「いいわけはいいの!」
「でも・・・」
「じゃあ、あたしについてきて・・・」

尋美はこう言うとりんねに取り付いた。
17 名前:『ちばりよー。』 投稿日:2001年09月10日(月)11時33分49秒
そしてここは、あさみの部屋である。
りんねはこの部屋のドアをノックした。
するとあさみが出てきた。

「どうしたの?」
「ちょっと話したい事があるんだ・・・」
「いいけど・・・じゃあ中に入って」

あさみはこう言うとりんねを中に入れた。

「ほら、言うなら今だよ・・・」
18 名前:『ちばりよー。』 投稿日:2001年09月10日(月)11時35分18秒
尋美の声がりんねの中に響いた。
するとりんねは口を開いた。
「なんでですか?」
「何が?」
「なんであたしを助けたんですか?」
「そんな事言われても・・・」
「あたしの事なんかほっとけばよかったのに・・・」
「だってこうでもしないと消えそうだったのよ・・・」

あさみは言った。すると・・・

「気休め言わないでよ!」

りんねはこう叫ぶとあさみの頬を平手打ちした。

「何するんですか?」
「あさみがこんな事しなければデビューは白紙になって普通に牧場の仕事して楽しく暮らせたのに・・・」
「でも・・・」
「あさみなんかいらない!カントリーには必要ないの!今すぐ出てってよぉ!」

りんねはこう言うとあさみの下半身を蹴り上げた。

「うぐっ」

あさみはこう言って倒れた。
りんねはなおもあさみを蹴っている。
と、その時である。

「もういやあぁぁぁっ!」

あさみはこう叫ぶとりんねを押し倒した。
そして部屋を飛び出して行った。
気が付けばマンションの前で倒れていた。
19 名前:『ちばりよー。』 投稿日:2001年09月10日(月)11時42分07秒
翌朝。
再びここはみちよの部屋である。

「あさみ、今日は祈祷師に頼んで何とかしてみるよ」

みちよは言った。

「お願いします」
「一番腕のいい祈祷師がいるから、頼んでみるよ」
「そうなんですか」

あさみは言った。
20 名前:『ちばりよー。』 投稿日:2001年09月13日(木)14時53分56秒
再びここは、あさみの部屋である。
そこにはあさみ達がいた。
しばらくすると祈祷師が部屋にやって来た。

「お願いします」
「この女性ですか?霊に取り付かれているのは・・・」
「はい」

みちよは言った。

「それでは始めましょうか」

祈祷師はこう言うとろうそくに火を付けた。
そして何やら呪文を唱え始めた。
21 名前:『ちばりよー。』 投稿日:2001年09月13日(木)15時02分50秒
数十分後。
祈祷師の除霊は見事成功した。

「あれ?あたし今まで何してたのかな・・・」

りんねはこう言うと起き上がった。

「あなたは霊に取り付かれてたのよ」
「本当?」
「そうよ、それで祈祷師に頼んで除霊したの」

あさみは言った。

「ごめんね、この前はあんな事言って」
「気にしないで、あなたが悪いわけじゃないし・・・」
「そうですよね・・・」

りんねは言った。

「さあ、もう帰ろうか」
「はい。」

あさみはこう言うと二人で部屋を後にした。
 −Fin−
22 名前:COMAGOMA 投稿日:2001年09月13日(木)15時08分59秒
次はプッチモニの出演であります。
タイトルは『娘。の復興と再生』です。
23 名前:『娘。の復興と再生』 投稿日:2001年09月13日(木)15時19分56秒
吉澤ひとみは気が付くと何処か分からぬ強制労働施設にいた。
ひとみは賭博で多額の借金を抱えており、ある男によって連行された。

「悪夢だっ・・・この地の底で15年だと?これが悪夢でなくて何だっ・・・」

ひとみはこう呟いた。
粉塵と悪臭、こんな不衛生な環境でひとみは働かされるのである。
ひとみのいる場所は何でも地下倉庫になるようだ。

ピーッ・・・

笛の音が高く鳴り響いた。
作業終了の合図である。
ひとみ達は作業の手を止めて行進を始めた。
24 名前:『娘。の復興と再生』 投稿日:2001年09月13日(木)15時36分43秒
作業が終わると従業員達は入浴する。
と言っても係の人がホースを持って水を掛け、もう一人の係が石鹸を渡すだけで自分でそれを付けるのである。
入浴が終わると着替えであるが当然、着古した部屋着を着けなくてはならない。
そして夕食である。
メニューは地元の栄養士と相談して出来あがったものである。
夕食終了後は部屋に戻る。
ひとみがいるE班は23人の従業員がいるのである。
そこにはプライバシーなんて物は一切ない。

「早くこんな所脱走するしかない・・・」

ひとみはまた呟いた。
するとそこに同じE班の従業員である保田圭がひとみに話しかけた。
25 名前:『娘。の復興と再生』 投稿日:2001年09月13日(木)15時48分10秒
「自分何でここに来たの?」
「賭博で」
「そうか?あたしも賭博、他のみんなはサラ金とかでここに来てるの」
「そうか・・・」
「自分名前は?」
「吉澤ひとみ・・・」
「ひとみ?じゃあよっすぃーでいいね」
「あなたは・・・」
「あたしは保田圭です。圭ちゃんでいいよ」

圭は言った。
しばらくするとE班の部屋にワゴンが入って来た。
そしてE班の班長であるつんくはこう言った。

「はいっ・・・今日も一日作業ご苦労様でした・・・」
「えっ・・・」
「労働手帳に今日の分の判を押しておきました、お渡しします・・・」

つんくの声にこの場はざわっとなった。

「それと今日はお待ちかねの給料日です・・・名前を呼ばれたら取りに来る様に」

するとつんくは従業員の名前を呼び上げ、給料袋を手渡した。
26 名前:『娘。の復興と再生』 投稿日:2001年09月13日(木)15時54分40秒
しばらくするとひとみの名前が呼ばれた。
ひとみは立ち上がって給料袋と手帳を取りに行った。
するとつんくは言った。

「吉澤君はこれが初給料です、苦しい労働の末の初給料・・・みんなも覚えがある通り大変喜ばしい事です」

つんくの声にこの場はまたざわっとなった。
ひとみは給料袋と手帳を受け取ると壁際に座り袋を開けた。
中には9100円入っていたのである。

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