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それは、いつかの出来事。

1 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月05日(日)21時54分23秒
せっかくの板なので使わせて頂きます。
ここでは何本かの異なる短編を書こうと思います。
やってほしいカップリングなどがございましたら
自由にお書きください。
2 名前:Plump 投稿日:2001年08月05日(日)21時56分03秒
たった一言から悲劇は始まった。

「太るってのもかっこいいかもしれないですね」

それは、ある番組で二人で200キロ超という企画モノユニットを向かえた時だ。
リスペクター石川はついつい本気でリスペクトしてしまい
隣に座る後藤の失笑を買いながら、こんな事を言ってしまったのだが
そんな事を忘れるほど、その後の石川は多忙に見舞われる。
3 名前:Plump 投稿日:2001年08月05日(日)22時02分21秒
『忙しいって事はいい事や』
中澤の言葉を信じて、がんばる日々。
ザ☆ピースが出た途端にカントリーのレコーディング。
それが終わったら、娘。本体のメンバー初顔合わせ。
仲良くできるかな、と思った瞬間に
見くびられて、ちょっとネガテブ。
だけど、新メンバー初参加の新曲では
安倍と後藤に負けず劣らず、パートを貰い
3人目のメインを見せびらかす。
そんなこんななてんてこまいで、数カ月が経とうとしたある日。
4 名前:Plump 投稿日:2001年08月05日(日)22時02分52秒
「あれ?」
吉澤がジッと石川を見た。
「なに、よっすぃー?」
新メンバーと一緒にポテトチップスに手を伸ばしてた石川は振り向く。
ズカズカと寄ってくるなり、お腹にふれる。

  ギュム!!

「太った?」
「え・・・・・・」
「いや、これは太った?ってもんじゃない、太ったよ」
「そんな、太った太ったっていわないでよぉ」
5 名前:Plump 投稿日:2001年08月05日(日)22時03分27秒
目の前に座ってた保田が雑誌から目をそらして、言った。
「石川、アゴのラインくずれてるわよ」
「えぇーーー本当ですか?」
鏡を見て、チェックする。
「うーん、そう言われると、丸くなった気が・・・・・・」
そこへ矢口が飛びついてくる。
「いいんだって、梨華ちゃんは細すぎるんだから。
 少しぐらい丸くないと・・・・・・
 うちらが太ってみえちゃうんだよ!!」
6 名前:Plump 投稿日:2001年08月05日(日)22時04分08秒
「太・・・・・・」
後ろから物凄い怨念の籠った声が聞こえ、皆目を釘付けにする。
安倍、辻、加護が世間に捨てられた人間のような目でこっちを見てる。
「なんや、文句あるんかいな、、、」
「好きで太ったわけ違うのれす、、」
「そうだべ、、、お菓子のせいじゃないっしょや」
今まで寝てたはずの後藤がムクッと起きて、一発。
「まーいいんじゃない?普通の女の子っぽいじゃん」
その場はそれで収まった・・・・・・
7 名前:Plump 投稿日:2001年08月06日(月)09時30分32秒
皆、石川の異変には薄々気付いてはいた。
少しずつ顎のラインが崩れ
頬がぽちゃっとしてきて
二の腕やお腹回りに肉が付き始める。
不規則を極める仕事。
ピンでのラジオの仕事が始まった。
8 名前:Plump 投稿日:2001年08月06日(月)09時31分17秒
「へぇっ!!?」
矢口が素頓狂な声を上げて、驚く。
「入院すか?」
「そうだ・・・・・・」
「過労・・・・ですよね?」
神妙な顔をしていたマネージャーの顔はさらに暗くなる。
「過食症だよ・・・・・・」
ラジオなどの仕事は続けてはいたものの
最近、石川はテレビにはほとんど映らなくなっていた。
事態の変化に気付いた事務所が
対策として、露出を避けたのである。
しかし、それは逆効果だったのかもしれない・・・・・・
9 名前:Plump 投稿日:2001年08月06日(月)09時32分16秒
「荷が重すぎたんだよ」
後藤が自分のカバンを漁りながらつぶやく。
その手を掴む吉澤。
「なに?」
「梨華ちゃんががんばってたの、ごっちんだって分かってるでしょ?
 なんで、そういう事いうのさ」
「・・・・・・だって、そうじゃん。仕事に穴空けて」

  ガタンッ!

音のなくなった部屋に響く、椅子が倒れる音。
「なっち!」
10 名前:Plump 投稿日:2001年08月06日(月)09時33分10秒
部屋から飛び出していく安倍の後ろ姿。
彼女は知っている。
その重さを。
時間を問わず襲いかかる。
逃げようのない恐怖。
みんなの視線が気になる。
この仕事についたのだから
見られるのは当たり前だし
娘。のメインを張れるという事は
とても名誉のある事だ。
だけど、娘。の流動性は自分を追い詰める。
いつメインじゃなくなるか。
それ以前に娘。のメインとして
何ができるか
セールスとなって現れる。
ふるさとでの失敗や後藤の加入が
安倍を追い詰めた。
11 名前:Plump 投稿日:2001年08月06日(月)09時40分12秒
後藤もまた、同じ事。
いつもはなに食わぬ顔でいるし
娘。本体に関しては特に意見もなさそうだが
後藤は加入一発目でメインを奪った。
ソロにもなった。
だけど、娘。の中でメインという場所は
後藤の中で常に自分の物だったのだ。
石川のメイン、写真集、ラジオという事実が
後藤を駆り立てた。
誰もしゃべらなくなる楽屋。
重く・・・・・・沈む・・・・・・
12 名前:Plump 投稿日:2001年08月07日(火)22時38分32秒
その晩、吉澤は何度目か分からない寝返りを打っていた。
石川が過食症で入院したという事実
加えて、面会拒否の状態が続いているという事も
吉澤の気持ちを闇に陥れる。
自分は友達だと思っていた。
同期だし、頼り無い姉貴分という複雑な位置付けだが
一緒にがんばってきた仲間である。
何もできなかった。
抱え込んだ悩みを聞いてあげる事も出来なかった。
後悔ばかりが胸を打つ・・・・・・
13 名前:Plump 投稿日:2001年08月07日(火)22時43分49秒
敢え無くマスコミに石川入院のニュースが流れ
一部の雑誌が執拗な取材攻勢をかけ
ストレスによる過食症などという記事を晒す。
テレビなどでも連日のようにやっている。
娘。本体の活動もCDが出せない状態になっていた。
メインを張らせていた石川なしでレコーディングをする事は難しく
また、病気を理由に脱退させるわけにもいかない。
音楽活動を停止せざるをえなかった。
ユニット単位での活動が目立つ中
安倍は時折ある娘。の番組以外は時間が出来始めていた。
14 名前:Plump 投稿日:2001年08月07日(火)22時47分27秒
今日もまたクッキーがおいしくやけた。
一つ口に入れる。
焦げ過ぎる事もなく、なかなかの出来。
しかし、その後は手をつける事もなく
クッキーの山を見つけたまま
ただ一つ、思っていた。
「梨華ちゃん、大丈夫かな」
スタッフから病院は聞いていた。
けど、今のスケジュールで行けたメンバーは何人いるだろう。
安倍は思いたったように帽子をかぶり、部屋を出た。
15 名前:Plump 投稿日:2001年08月07日(火)22時52分07秒
 キィ・・・・・・

病院の中でも奥の方の病室だった。
電気は消されてて、音はない。
「梨華ちゃん、なっちだよー・・・・」
1人部屋。
石川は布団をかぶってた。
「寝てるかな」
そばにあった椅子を引き寄せ、腰掛けた。
静かな時間。
活動中には考えれない。
オフの日でもなきゃありえないお昼寝。
最近はそのオフもほとんどない。
過密スケジュールが、当たり前のようになっていた。
16 名前:Plump 投稿日:2001年08月07日(火)23時00分53秒
安倍は、寝てるであろう石川に子守唄のように話し始めた。
「なっちねぇ、娘。をやめようと思ってたんだ。
 ヤケになって太っちゃって、頑張ってやせたけど
 近頃の娘。はどんどんなっちが大好きだった娘。とは離れてるんだ。
 娘。が嫌いになったわけじゃないけど
 なっちが大切にしてたものがどんどん薄れてるのね。
 なんか、商売の道具にされるのは、もう疲れちゃったよ」
窓の外を見た。
空は少し曇ってて、浮かない表情を浮かべる。
まるで、今の安倍の心模様のように。
17 名前:Plump 投稿日:2001年08月07日(火)23時04分12秒
「ごっちんがソロで出て、梨華ちゃんがメインになって
 昔みたいに傷つかなくなったけど
 頑張れなくなっちゃった。
 私は一度、逃げたから・・・・・・
 逃げクセがついちゃったんだね。」
傍にあった果物ナイフと林檎を手にし
ゆっくりと剥き始める。
「音楽ってさ、もっと気軽なものでいいのにね
 なっちね、こんな時は椎名林檎さん聴くんだ。」
はっきりとした声で口づさむ。
18 名前:Plump 投稿日:2001年08月07日(火)23時09分50秒
その声は娘。で唄ってる時の声より
凛としていて、それでいて曲に合った少し哀愁漂う雰囲気を作り出す
今のモーニング娘。には必要とされない
確かなうまさ、感情があった。
「もっと唄いたいのに、唄いたくない時があるって変だね。
 もっと唄いたいのに、唄いたくない曲を唄うのって・・・・」
「私・・・・・・」
安倍の声を止めたのは、確かに石川の声だった。
「ずっと怖かったんです」
「怖かった?」
布団から漏れる少しくぐもった声。
だけど、それは確かに石川の声。
「メインでお仕事出来るの嬉しかったけど・・・・だけど」
19 名前:Plump 投稿日:2001年08月07日(火)23時13分37秒
涙に変わったらしく、布団が揺れていた。
安倍の手はやさしく背を撫でる。
「なっちはね、分かるよ。
 自分ではどうしようもないほどの恐怖が押し寄せるんだ。」
「安倍さぁーーん・・・・・・」
「なにさ?」
「恥ずかしくて姿見せれないけど、抱き締めてください・・・・」
「いいよ・・・・・・」
布団の上から、そっと背中から前へ腕を回して、抱き締めた。
「なっちは・・・・ここにいるからね」
20 名前:Plump 投稿日:2001年08月07日(火)23時19分30秒
「まったく、この子は病人の布団でなにしてんだか」
中澤が立ってる事に気付いて、安倍は跳ね起きる。
病室。
あのまま眠ってたしまったらしい。
時計を見る。
2時間ほど過ぎていた。
「ゆーちゃん、、、」
「ほら、どきぃ。石川の布団やないの、そこは」
「うん、、」
「中澤さん?」
「そやで・・どや、調子は?って調子悪いから入院してるちゅーねんな。
 少しは楽しい事考えれたかい?」
安倍を避けさせると、中澤はベッドの縁に堂々と座る。
「全然考えれないです・・・・・・」
「そうかぁ、まぁ、せっかくの休暇や。ゆっくり休むんやで」
石川の頭らしき所を撫でる手。
21 名前:Plump 投稿日:2001年08月09日(木)23時58分21秒
少し身を強張らせた。
「なんやねーん、もっとスキンシップしようやないか」
「や・・・・・・」
「ゆーちゃん」
「悪い・・・ちょっとお遊びが過ぎたかな。」
ちょっと悪そうな顔をして、安倍を見る。
複雑な表情の安倍は無言で返す。
「いつでも戻ってきていいんやで。
 娘。は待ってるからね。」
二人が部屋から出ていく音が聞こえた。
布団からモゾモゾと出てくる石川。
22 名前:Plump 投稿日:2001年08月10日(金)00時01分35秒
「ご、、めん、、、な、、、さい、、」
1人流れる涙。
ふっくらとした頬を濡らす。
そして、シーツにしみていく。
漏れる嗚咽。
大きくなる声。
石川の痛みは止まらない。
プロとして恥ずかしい。
自分のせいで、娘。が止まってる。
そんな重圧が襲ってくる。
もうこんな世界にいたくない・・・・・・
23 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月14日(火)22時49分16秒
スタジオに集められたメンバー。
スタッフが忙しく動き回り
その中でつんくはトラックの確認作業に追われていた。
飯田が立ち上がり、声を上げる。
「あのっ!」
「ん、なんや?」
「なんで呼ばれたんですか?」
「新曲録るに決まってるやろ」
「石川がいないのにですか・・・・・・」
「大丈夫や、心配せんでもリリースまでには間に合うようにしてある。」
「ほんと・・・・ですか?」
24 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月14日(火)22時49分48秒
つんくは力強くうなづいた。
しかし、メンバー全員に言われぬ思いがつのる。
身体を壊してるのに、ろくに休憩もさせないつもりなのだ。
それだけ娘。が働けば働くほどお金を生む。
働ける時に働かなかったら、いつ消えていくのか分からないのが
芸能界だという事も分かってはいるけど
でも、あまりに酷すぎる。
25 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月14日(火)22時50分19秒
レコーディング終了
ダンスレッスン・・・・・・
石川は現れない。
いつにも増して、激しいダンス。
高速打ち込みサウンドに乗せる勢いのあるラップ。
メンバーの誰もがバテて、フロアーに寝転がった。
「み、、、、みず、、、、、、、」
「足が、、、、、いた、、、、、」
こんな状態なのに、まだ半分も終わっていない。
「ちょっとこんな程度でバテてるの!?
 まだまだあるんだからね!!」
夏先生が怒鳴る。
その声も遠い。
このまま眠ってしまいそうなぐらい
疲労が襲いかかる。
石川がいなくなって、輪をかけるように忙しくなった。
ボイトレをする時間も、ダンスレッスンする時間もなくなった。
26 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月14日(火)22時51分01秒
  ガチャ

扉が開く。
「?」
大きな影。
それがパパイヤ鈴木である事に気付くのに、数秒かかった。
その後ろからガウンを着た人。
「誰?」
夏先生と二事、三事話すと、突然音楽がかかる。
新曲だ。
謎の人物は前奏が始まった途端にガウンを取り去った!!
「!?」
肉付きの良い女性的なフォルム。
新曲の衣装に身を纏い
そのリズムに完全に乗って踊り出す。
27 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月14日(火)22時51分45秒
「え・・・・・・」
言葉を失ったのはメンバーの方だ。
そう、謎の人物の顔はプロレスのようなマスクに包まれていた。
しかし、誰だか分かってる。
なびく茶色い髪の毛。
「梨華ちゃん!!」
最初に叫んだのは、吉澤だった。
しかし、彼女は目もくれず、1番を踊り切る。
鍛えて、しぼった身体とは違う。
やわらかそうな太もも。
だけど、その動きは鋭敏で、力強い。
たった2週間ほどの休みで、彼女の動き全てが変わった。
28 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月14日(火)22時52分48秒
真実はこうだ。
あまりに忙しすぎて、石川梨華の体重は少しずつ落ちていた。
ちょうど夏で、食欲とかも失い
栄養失調になったのである。
それで倒れて、病院に運ばれた。
すぐに、仕事に復帰させようと思ってた事務所だったが
つんくからの要請で、病気扱いとし
休憩と共に、石川のスキルアップを計ったのである。
パパイヤ鈴木の所に送り込み、ダンスレッスン。
当時に落とし過ぎた体重を健康的に増やしたのである。
メンバーにも完全秘密。
極秘の上で行われたのだ。
29 名前:作者 投稿日:2001年08月16日(木)22時19分23秒
「ハッ!!」
汗が額を伝う。
「どうしたの、ごっちーん?」
隣に座ってた吉澤が驚いたように顔を覗き込んだ。
「いや、、、なんでもないよ、、、」
そっと自分の腕を掴んだ
(痩せようかな、私)
後藤が見た一時の夢。
3人目のメインは今日も後ろの席で先輩にいじめられていた・・・・・・

30 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月16日(木)22時20分14秒
無理矢理終わらせましたです。はい。
ちょっと明るいの書きたい!!
せっかく鯖も移転して軽くなったしね!!
31 名前:Lead Of Dally 投稿日:2001年08月17日(金)21時19分12秒
あんなぁ・・・・前からなぁ・・・・・・
ののに言いたい事があってん・・・・・・
私な、ずうっと前から・・・・・・

「亜依ちゃーーーん」
お菓子の袋を抱えて、希美が走ってくる。
「これ、おいしーよ!」
「ん・・・ほんとだぁ!」
満足そうにニコッと笑うと
希美は今度は飯田の所に
走っていってしまった。
希美からもらったクッキーの残りを見つめる。
「どしたんだぁ、加護ぉ」
「矢口さん・・・・・・」
「早く衣装着なよ」
「・・・・一緒にトイレいきませんかー?」
「え、あ、、、うん、別にいいけど」
切な気な表情で袖を引っ張る加護が気になって
矢口は立ち上がる。
加護はチラッと希美を見た。
彼女はまだ仲のよい飯田とじゃれあっていた。
32 名前:Lead Of Dally 投稿日:2001年08月17日(金)21時20分01秒
「私、おかしーんかなぁ?」
「は?」
洗面台の前で並んで、手を洗ってた二人。
突然、加護がそんな事を言い出すから
水を出しっ放しで加護の顔を見つめてしまった。
「こんなん絶対おかしーんですよ」
「な、、なにが?」
「ののを見ると、うち・・・・・・」
「えーっと、加護ちゃん、今の内にこっちから聞いておきますけど
 あなた、今、恋しちゃってますか?」
「これ、恋なんやろか?」
困り果てた顔で矢口を見る加護。
「うーん・・・・・・」
加護はビショビショの手のまま
ポツリポツリと話し始める。
「最近、ののが一緒におらんと
 心がギュってなって
 すごい怖いんです。」
「いつも、一緒にいたい?」
「うん!どんな時でも一緒にいたい!!」
「寝る時も、移動中も?」
「うん!」
矢口は少し考えた後、加護にこう言った。
「今日、仕事が終わってから、どっかご飯でも食べに行こう。」
33 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月17日(金)21時22分59秒
新作です。黄板のleadでやった『lead』の続編です。
黄板lead
http://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=yellow&thp=990598045
34 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月26日(日)17時05分53秒
スタジオの近くにファミレスがなく
一番近いであろう石川の家に集まった。
「そうだなぁ」
矢口がビールを片手に話を切り出す。
「辻ちゃんが恋愛に興味あるかどうかですよね」
矢口の隣に静々と座った石川は
ビールをつぎながら言う。
確かにそうだ。
脳味噌の中90%食べ物しかないと言われてる辻の事だ。
中2になろうが、恋愛なぞいざ知らずかもしれない。
「うぅ・・・・・・」
「あぁ、なんだよぉ、加護、泣くんじゃないぞ」
「だいじょぶ、辻ちゃんだって女の子よ」
「石川、それフォローかぁ?」
「え、、、違いますか、、?」
仲のよさそうな矢口と石川のトークを聞いて
ちょっと笑顔を取り戻した加護は
石川の作ったピザに手を伸ばした。
35 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月26日(日)17時08分40秒
「・・・・・・」
「おいしい?」
「・・・・・・」
「お、、、、おいしくない?」
「うーん・・・・・・」
「・・・・・・うぅ」
「だぁ、なんで今度は石川が泣きそうなんだよ!!」
叫んで、石川の顔を自分に向けさせる矢口。

  ガッ

強く掴まれる肩。
そして、、、キス。
「へ・・・・・・?」
突然の事で加護も呆気に取られた。
もっと状況が飲み込めてないのは、石川だが。
「好きっていうのは、こういう事だぞ。」
「へい」
「加護は辻とこういう事したいのか?」
「うーん・・・・・・」
「や、矢口さん、別にこれが全てじゃ・・・・・・」
「いっつも、辻としてるキスとは意味が違うんだぞ
 付き合ったら、他の子と一緒にいると胸が痛んだり苦しいんだぞっ!
 加護はそれでもいいのか?」
矢口はいつもより真剣な目で
加護を見てた。
数秒の沈黙の後、加護はコクッとうなづいた。
36 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月26日(日)17時10分08秒
ハロモニの収録中
よっすぃーとふざけあってるののが見えた。
いいな。
ああやってしたいけど
なんか出来ないよ
ののの手を握った瞬間
いや、ののに触れただけで
私はしどろもどろしてまうねん
素直になりたい・・・・・・
不安そうな顔、出ちゃったのか分からへんけど
中澤さんに後で呼び出された。
37 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月26日(日)17時11分31秒
「んー、ほんまは圭織と圭ちゃんにまかせるべきなんやけどな」
加護はうつむいたまま、顔を上げれない。
「でも、ちょっと毛色がちゃうみたいやし」
「?」
「あんた、恋してるやろ」
「え?」
「分かるでー、姐さんには。しかも、相手は吉澤やな!」
「え、、、、え、、、、」
「そうかそうか。吉澤はかっこええもんなぁ。」
中澤が勝手に話を進めてる。
加護はドキドキし過ぎてて
つっこみを入れる事も出来ない。
「まぁ、ええわ。あんま番組中にジーッと見てたら
 ファンの子にバレてまうで。私はこれ以上言わへんけど
 困った事があったら、相談しぃ。ほななぁー」
と、マジ勝手な調子で手を振りながら、行ってしまった中澤。
「・・・・・・」
その後ろ姿を見てた加護の元に石川がやってくる。
38 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月26日(日)17時13分05秒
「な、なんか怒られたの?」
「いや、、ちゃうけど、、、」
「え、じゃぁ、誉められた?」
「それも違う、、、、」
「じゃ、話って?もしかして、付き合おうって!?」
「あ・・・・・・」
石川は自分の顔を見てる加護に気付く。
「なに?」
「りょうり、、、やっぱやめ!」
「???」
加護は楽屋へと向かって、走っていってしまい
1人残される石川。
あの言葉の後が分からず
しばらく考えてたが思い付かず
取り残された寂しさからか
ネガティブになりかけた。
「矢口さぁーーーーーーーーーーん(泣)」
39 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月26日(日)17時13分45秒
加護が来たのは、料理といえばこの人、後藤真希。
「師匠!!」
「ほえ?」
「料理教えてつかぁさーい!」
「料理ー?」
「オッス!」
「いいよー」
「ありがとうございます!!」
後藤をよく見ると、すでに寝てた。
「・・・・・・」
こんな人の指導をこれまで受けてきたなと
改めて思う加護であった。
40 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月26日(日)17時22分11秒
楽屋の反対側のテーブルには矢口がいた。
「でねでね、そこのミルクレープがね、おいしかったのー!」
さっきから安倍が1人でしゃべってる。
「真里っぺ?」
「ん?あ??」
「聞いてた?」
「あー、ごめん・・・・・・」
申し訳無さそうに頭を掻くと
ギュッと抱き締められる。
「いいよいいよ、真里っぺだもーん。」

  ガタァン!!

ドアを蹴破らんばかりの音。
全身を震わせた石川。
「安倍さん!!」
「わぁ!!」
「矢口さんは私のです!!」
安倍から引きずり取るように石川の細い腕が矢口を抱き締める。
小さな身体が細身のそれでいて柔らかい身体の中に
スッポリと収まる。
「ごめんね、梨華ちゃん・・・・・・」
「え、、あ、、、、いや、すみません!
 私こそ先輩にそんな口!!」
間に挟まれた矢口は困ってしまう。
互いに謝ってるのだから
話が先に進まない。
41 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月26日(日)17時23分12秒
その様子を加護も見ていた。
石川の必死の顔。
矢口を抱き締めた瞬間
自分の心まで締め付けられた。
ののを抱き締めたい。
そんな衝動に駆られた。
42 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月26日(日)18時45分21秒
lead好きだったんで、続編が読めて、すごいうれしいです。
がんばってくださいね。
43 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月27日(月)01時06分51秒
時は来た。
師匠に色々なお菓子を習った。
忙しいのに、ほんまありがとう、師匠!
矢口さんと、梨華ちゃんには恋愛の極意を教えてもらった。
実は梨華ちゃんリードやったんやな、あのカップル。
あとはうちがどれだけののに近付けるだけなんや・・・・・・
それは今日にかかっとる。
そう、この扉の向こうにもうののはおんねん。
チャイムが鳴った。
魚眼レンズなんて覗かない。
「ののっ!」
「亜依ちゃーん」
いきなり抱き着いてくるのの。
靴を脱がせて、自分の部屋に通す。
ののがいるだけで、なんや自分の部屋が自分の部屋やないみたいや。
心臓がドキドキしてる。
「あんな」
「?」
「ケーキ焼いたんや」
「ほんと!?」
「うん、のの喜ぶかなと思って」
居間からおずおずと出してきたのは1ホールの生クリームケーキ。
ののが大好きなイチゴののったやつ。
43 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月27日(月)01時09分01秒
「わぁ」
嬉しそうな顔。
満面の笑み。
うちも嬉しい。
それにこれは自信作やからな。
「あー、包丁持ってくるわぁ」
「いいよー」
「ええの?」
「一緒に全部食べちゃおー!」
そうやってフォークを持ってはしゃぐののを見てると
こっちもウキウキしてくる。
うちもフォーク握って、大きなケーキに刺した。
ののがおっきな口を開けて、ケーキを放り込む。
「ど、どや?」
「おいふぃでふー」
「そか!」
ガブッと一気に食らい付いた。
ののはその顔を見て、ゲラゲラと笑ってる。
「亜依ちゃん、顔にクリームついてるのれす」

  スッ

ののの指が伸びてきた。
うちの身体は固まって動けなくなる。
ののが身体を近付けてきて
目の前でクリームのついた指をペロッて舐めた。
44 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月27日(月)01時13分26秒
「のの・・・・・・」
「?」
「うちな・・・・・・」
「なんれすか?」
「ののの事・・・・・・」

  パクッ

苺を口の中に入れるのの。
キョトンしてるうち。
「亜依ちゃん、あーん」
「あ、あーん」
苺をうちの口に入れるのの。
笑ってしまううち。
ののもつられて笑う。
「あんな、のの、うちな、ののの事大好きやで!」
「ののも亜依ちゃんの事大好きれすよ」
抱き締めた
キスをした。
甘いクリームと、少し酸っぱい苺の味がした。
これがうちのファーストキスや。(本当の意味でのなっ)

あとで聞いた話だが
ののも本気でうちの事を好きだったらしく
飯田とよく話してたのは
その事だったらしい
晴れてうちらは付き合う事になった。
45 名前:L.O.D 投稿日:2001年08月27日(月)01時14分16秒
「んー、、、、、」
矢口は困ってた。
「のの、ちゅーーー」
「亜依ちゃん、ちゅーーー」
楽屋にいる時、この二人は恐ろしいほどいちゃついてる。
今までではじゃれあってるで済んだのだが
それでは済まないのが恋愛だ。
「矢口さーん、どうするんですか?」
「どうしよっか、、、、」
キス魔中澤裕子がいなくなった娘。に
キスの伝統を残すのは、辻加護かも知れない。
新メン入ってくるのに、これでいいのかと悩む矢口であった。
「裕ちゃんがキスしまくるからだぁああああああ!!」
石川がその隣でつぶやく。
「もう、矢口さんの唇は梨華だけのものですっ」

(fin)
46 名前:作者 投稿日:2001年08月27日(月)01時20分26秒
終了!
明るい、甘い!
っかぁーーー。。
恋愛モノは書いてて楽しいっ!

>>42
ありがとうございます。
黄板の方は短編にしたいけど
もうちょい伸ばしたくて
色々と思案中。
かっこいい作品にしたいですねぇ
47 名前:エロ 投稿日:2001年08月27日(月)02時05分26秒
読んでて甘くて恥ずかしくなりました(誉め言葉
甘いのも(・∀・)イイ!
48 名前:ポルノ 投稿日:2001年08月27日(月)14時18分20秒
良かったッス!
個人的にはいしやぐが(w
次回作も期待してます!
49 名前:後藤×紺野(実験作) 投稿日:2001年08月28日(火)00時10分31秒
「ね、キスしていい?」
いつも、私は聞いてしまう。
彼女の前では普段の私じゃ入れなくなる。
普段みたいにマイペースで自分の思ったようにやればいいのに
そうすると、彼女は泣いてしまいそうで
壊れてしまいそうで
私は怖かった。
柄じゃないや。
でも、私は彼女が大好きだ。
彼女はいつものようにうなづく。
その仕種が怯えた子犬みたいで
私はそっと頭を撫でた後、キスをした。
「ん、、、」
「はぁ、、、、」
私の長い髪が彼女の頬を隠す。
潤んで、垂れた目が可愛い。
「後藤さん・・・・・・」
しぼりだすようなかぼそい声で私の名前を呼ぶ。
そんな時は私も名前を呼ぶ。
「なに、あさ美ちゃん?」
「・・・・・・」
恥ずかしそうに目を伏せた。
強く抱き締める。
「なんで私なんですか?」
「・・・・・・インスピレーションかな?」
軽くキスして、そのままベッドに二人で倒れ込んだ。
「あさ美ちゃん、おとなしいから
 他の人にもされてるんじゃないの?」
「や、、、そんな、、、」
「ほんと?」
必死でうなづいてる。
可愛くて可愛くて、離したくない。
おでこにキス。
頬にキス。
首筋。
耳。
耐えるようにギュッと目をつぶって
ベッドの上で身を強張らせたあさ美ちゃん。
手で手首を捕らえて、動きを奪う。
あ、なんかちょっとHくさい。
頬を紅潮させて、こっちを見てるあさ美ちゃんを見ると
どんどん責めたくなる。
後藤を狂わせたのは、あなた。
もっと気持ちいい事・・・・・・・・・・・シテアゲル。
50 名前:作者(壊) 投稿日:2001年08月28日(火)00時12分52秒
ヤッちゃいました。たぶん実際に文章であさ美たんを汚したのは
自分が初であろうという自負と共に、エロって事で。
51 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月28日(火)00時14分11秒
顔もよー知らん。
52 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月28日(火)04時03分42秒
早いな(w
53 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月28日(火)09時38分23秒
おお〜! (・∀・)イイ!
54 名前:like or love? 投稿日:2001年09月16日(日)02時23分09秒
モーニング娘。
日本を代表するトップアイドル。
毎日、見ない日はない。
にこやかな笑顔。
元気いっぱい。
1人1人輝いてて
キラキラしてる。

そう思ってた・・・・・・

現状はそうも甘くない。
仕事はきついし
学校との両立なんて無理だ。
55 名前:like 投稿日:2001年09月16日(日)02時27分58秒
それに・・・・・・
「えー、のの、それはあかんて」
「いいれすよ、OKれす」
辻さんと加護さんはいたずらすると食べる事しか考えてないし
「ちょーっと、後藤!寝るんじゃないの!!」
「んあ?」
保田さんは狛犬で
後藤さんは寝てばっかしいる
「梨華ちゃぁ〜ん」
「よっすぃ〜」
吉澤さんと石川さんはレズ?なのかな
ベタベタしてる。
「でね、こんなでっかい鮭がね!!」
「キャハハハハハ」
「なっち、カオにもちょうだいよ」
「鮭、おいしいですよねぇ」
安倍さんがおもしろおかしくしゃべってるのに
矢口さんは笑いっぱなしで
飯田さんと紺野ちゃんは妙な相打ちを入れてる。
56 名前:like 投稿日:2001年09月16日(日)02時29分09秒
「・・・・・・」
真琴ちゃんは1人で本を読み
愛ちゃんは安倍さんの話を聞きながらお菓子を食べてる。
私は、真琴ちゃんの近くに座った。
耳には入ってた安倍さんの声が止まる。
なにげなくそっちを見ていた。
「新垣ちゃんもおいで」
優しい声。
笑った顔。
安倍さんは膝をポンポンと叩いてた。
座れって事なんだろうか
私の腰を寄せて、まるで包み込むように抱き締める。
安倍さんの大切な物になったみたいだった。
でも、私の身体はカチカチだったようで
安倍さんは私の耳もとでこう言った。
「あーら、どうしたんだべ?なに緊張してんのさー?」
北海道弁丸出し。
それもかわいい先輩 安倍なつみ。
57 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月16日(日)02時32分19秒
ひさしぶりの新作。
しかも、なちにい。
続きます。
58 名前:鎮魂歌 投稿日:2001年09月18日(火)00時57分34秒
新垣か・・・微妙っす
59 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月18日(火)01時09分39秒
小川は、真琴じゃないよ、麻琴だよ。
60 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月18日(火)01時47分04秒
>>60
半分、勢いでエロたんのために捧げてます。
俺的には紺野やねん。新メンは。
元々石川ヲタだったわけで、ヘタレ万歳(謎

>>59
正直、すまんかった(w
61 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月18日(火)07時04分51秒
いしよし希望
62 名前:愛してます 投稿日:2001年09月18日(火)23時56分45秒
「よっすぃー、よっすぃー」
「んぅ?」
ベーグルを食べてたよっすぃーは口にくわえたまま、振り向いた。
「秘密のプリクラ見せてあげるね」
「?」
私はそっと保田さんと温泉に行った時に撮ったプリクラを貼ってある
手帳をよっすぃーの目の前で開く。
温泉に入ってリラックスしたからなのか
私しかいなかったからなのか
保田さんはものすごくヘン顔で映ってた。
「ブハハハハハハハハハハ!!」
「ね!ね!秘密でしょ!!」

その後、私とよっすぃーはめちゃめちゃ怒られた。
63 名前:愛してます 投稿日:2001年09月18日(火)23時59分00秒
新メンもいたのに、あんなに怒らなくてもいいじゃん・・・・・・
ちょっとネガテブになって、トイレの個室に入ってた。
カタンって音がして、誰かが扉に触れた。
「入ってます」
「知ってるよ」
私はいそいで鍵を開けた。
確か、最初にキスしたのもここのこのトイレだったよね
私が保田さんに怒られて、泣いてたの
心配して、来てくれて
扉を開けると、照れくさそうな目のあなたは
『一緒にいるから』
ってつぶやいて、キスをした。
涙が流れる頬に
そして、唇に。
涙が止まって、落ち着いた私を
もう一度抱き締めてくれたあなた・・・・・・
64 名前:愛してます 投稿日:2001年09月19日(水)00時01分09秒
「よっすぃー・・・・・・」
「私、ちょっと灼いてるんだよ。」
「え?」
「私も梨華ちゃんと温泉行きたいな」
「だって、ごっちんとサウナ・・・・・・」
「ごっちん、ボーっとし始めて、寝ちゃうんだもん。
 私は梨華ちゃんと2人で温泉入りたいな。
 露天風呂とかさぁ、いいよねぇ・・・・」
遠い目で虚空を見るよっすぃー
私は自分から抱きついた
「ごめんね、よっすぃー」
「ううん」
「キス・・・・・・」
65 名前:愛してます 投稿日:2001年09月19日(水)00時02分35秒
よっすぃーの唇はやわらかい。
私はちょっと背伸びする。
腰の辺りを抱かれ、抱き竦められる感じ。
「このままエッチしちゃう?」
よっすぃーはニヤニヤしながら、個室に入ろうとする。
よっすぃーと一緒にいるのも
よっすぃーとキスするのも
よっすぃーと抱き合うのも
よっすぃーの温もりを感じるのも
よっすぃーの愛を感じるのも
大好きだけど・・・・・・・・・・・・ね
「しないよ」
66 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月19日(水)00時05分22秒
爆笑中
67 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月19日(水)00時07分44秒
いや、なんぼ何でもやり過ぎたか
68 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月19日(水)00時09分56秒
いしよし、書きましたぜ。。。
甘いですよ、甘いですよ。。。
69 名前:61っす 投稿日:2001年09月19日(水)00時16分43秒
ありがとうございます。
いしよし最高っす
70 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月19日(水)02時26分55秒
うぉ〜!!トイレで「しないよ」最高に笑た
オチ最高 思わず書きこんじゃったよ
71 名前:HM2 投稿日:2001年09月20日(木)21時06分59秒
「いけない・・・・・・いけないわ、このままじゃ・・・・・・」
保田はつぶやいてた。
氓R人の少女が詰め込まれた楽屋の中。
1人、異様な空気を醸し出してた。
「どうしたんすかー?」
ベーグル片手の吉澤が肩を叩く。
「ダメなのよ!」
「ヒィイッ!!」
「ダメなのよ、これじゃぁ!!」
勢いで立ち上がる保田さん。
一体、何がダメだというのだ?
こ・・・・・・この小説か?
「圭ちゃんが変身するべさ!」
「え!?」
驚愕の表情なのは、新メン。
まぁ、最初はかならず怖いと思われる保田なので
なおの事、安倍の変身発言をマジに受け取る。
「逃げろ逃げろーーーー」
辻&加護がふざけて逃げる真似。
72 名前:HM2 投稿日:2001年09月20日(木)21時08分46秒
「こーらー、つーじーも加護も走らないの」
あんまり怒ってなさそうな飯田が言う。
「だからね、このままじゃ娘。はやばいわよ」
「忙しいんだしさー、レッスン出来ないのは仕方ないじゃーん」
後藤がダラーッと机の上に身体を預けてた。
「いやっ、娘。はアーティストなのよ!!
 テレビとかも大切だけど、やっぱり
 唄とダンスなのよ!!そう!!
 娘。には唄!!!」
誰もその勢いに着いていけない・・・・・・
ただ1人を除いて。
「んー、圭ちゃんの言う事、矢口は分かるよ」
「だと思わない、矢口!?」
「確かに私達が入ってきた時より人数だって多いけど
 多いから出来る事ってあると思うし
 ちょっと『唄』を聴かせたいってのはあるね」
73 名前:HM2 投稿日:2001年09月20日(木)21時10分04秒
「えー、矢口さぁん、タンポポじゃダメなんですか?」
石川が眉を八の字にし、問う。
「うーん・・・・・・」
「ミニモニはダメなんですか?」
「ですか?」
矢口、窮地に立たされる(笑)
「なっちはどう思う?」
「なっちはねー、つんくさんが作ってくれる唄も好きだよ。
 すっごい深いよね。だけどねぇ、んー、そうだっ!!」
1人納得したような表情の安倍は満面の笑みを見せる
「なに?」
「こんな時こそユニットだ!」
「ユニットぉ?」
74 名前:HM2 投稿日:2001年09月20日(木)21時12分30秒
「非公認ユニットから、デビューまでこじつけた矢口さんの意見を聞いてみましょー」
安倍が台本を丸めて、矢口に渡す。
最初は考え込んでた矢口だがまとまったらしく、口を開いた。
「キャラクターじゃなくて、唄だもんね・・・・・・
 じゃぁさ、一切顔を見せないってどう?」
「お面でもつけるんですか?」
とぼけた答えの吉澤にもいたって真面目な顔で返す。
「インディーズでCDを出すんだよ」
「インディーズ・・・・・・」
それまで、じっとみんなの会話を聞いてた飯田が顔を上げる。
そう、オリジナルメンバーのインディーズ手売り5万枚から娘。の歴史は始まった。
75 名前:HM2 投稿日:2001年09月20日(木)21時13分15秒
「ラジオとかで流してさ」
「いい曲だなってみんなが思って」
「買ってもらう!」
「誰もモーニングだって分からないような唄!」
「おもしろそうじゃん」
「あのー・・・・・・」
高橋が手を上げてる。
「はい、愛ちゃん!」
「ゴスペルみたいなのってどうですか?」
「ゴ、ゴスペルだべかっ!?」
「おぉーーー、いいねぇ、冴えてるねぇ」

さてさて、お圭さんの思いつきで何やら壮大なプロジェクトが動き出しました。
本格的な唄を見せる謎の新たなユニット、誕生。

コードネームは『HM2』・・・・・・
76 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月20日(木)21時17分12秒
新作です、お楽しみに。

今までの作品は、こちら↓
http://tomohiroweb.tripod.co.jp
77 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月20日(木)23時42分05秒
こぎつける、だね(それともネタか?)
78 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月21日(金)00時27分52秒
ネタです(w
79 名前:よみぃ 投稿日:2001年09月24日(月)12時39分43秒
市井と後藤が出てて“いちごま”では終わらせない?
相変わらず、意表を突いた攻撃ですな。(w
なっちのその後も気になる〜!ってことで、続きをお待ちしてまーす
あ、森板も空板のも楽しませて貰ってます。(ROM専ですけど(^^;)
80 名前:よみぃ 投稿日:2001年09月25日(火)18時55分15秒
黄板に貼るレスを、間違えてこっちにあげてしまいました。
スレ汚し、本当にすみませんでした。 当分、おとなしくしときます(--;)
81 名前:L.O.D 投稿日:2001年09月27日(木)07時25分50秒
>よみぃさん
一瞬、俺、ここでなに書いてたっけ?という
ハァ?な状態に陥っちゃったよ(w

感想、ありがたう。
大学の授業が安定したら、復帰します。
82 名前:L.O.D 投稿日:2001年10月10日(水)15時44分12秒
その子はいつも、私をおばちゃんと呼ぶ。
「おばちゃーん」
「なに?」
「飴ちょうだーい」
最近、なんとか仲良くなった。
「ありがと、おばちゃーん」
「はいはい」
愛くるしい笑顔を見せて、去っていく後ろ姿。
「圭ちゃん、すっかりおばさんだねー」
後藤が机の上に上半身を預けたまま、言う。
「誰がすっかりおばさんなのよ」
「なんか、皺が増えてきましたよーー?」
後藤の向こう側からニマニマしながら吉澤。
83 名前:L.O.D 投稿日:2001年10月10日(水)15時45分31秒
「だ、大丈夫ですよ、保田さん!!
 そんなに落ち込まないでください!!」
石川が反対方向から慌ててフォローする。
「誰も落ち込んでないわよ」
「え?あ・・・・・・」
私は開いてた雑誌に目を落とした。
そこは、皺取りの特集ページ。
「なーんだ、圭ちゃん気にしてたんだねー?」
「ち、ちがっ!!」
「おばちゃーん、うるさぁい」
遠くの方から声。
あげた飴はどこにいったのか
新しいお菓子の袋を開けてるあの子。
加護亜依が笑ってた。
84 名前:L.O.D 投稿日:2001年10月10日(水)15時46分29秒
私の胸がチクリとする。
いつからか分からない。
いつの間にか。
最初は怖がって、近寄ってこなかった。
私の猫のような目は彼女にとって恐怖でしかなかったらしい。
だけど、月日は経って
家族よりも長い時間、一緒にいて
だんだん家族のようになって
少しずつ近付いて
互いを知って
今では。
「おばちゃぁああんん」

 ドゴッ

「ごふぅ」
「あー」
「け、圭ちゃん!!?」
真正面からの飛び膝蹴り。
しかも、それがモロに腹に入った。
私はうずくまり、痛がってる。
他のメンバーが心配して、集まって来た。
加護は怒られるんじゃないかと思って
オドオドしてる。
85 名前:L.O.D 投稿日:2001年10月10日(水)15時47分50秒
私はそれを見て、スクッと立ち
加護に近付いた・・・・・・
「あ、、、、あの、、、、、ご、、、ごめんなさい!!」
「痛かったなぁ、、、」
加護の顔を撫でる手。
「キスしちゃお」
「!?」
全員が凍り付いたように固まる。
「なによ?」
「いや・・・・・・」
「なんでもないべさ・・・・・・」
「キスしちゃダメなの?」
「そうじゃないけど・・・・・・」
「キャラが・・・・・・」
86 名前:L.O.D 投稿日:2001年10月10日(水)15時49分12秒
「なによぉお、いいじゃないの」
そう言って、私は不機嫌そうに椅子に座った。
加護がトテテテっと歩いてきて、私の隣に座った。
体を伸ばし、私の顔に真っ白な頬を近付けてくる。
私は内緒話でもあるのかと思って黙ってた。
そっと押し当てられた唇。
「ん!?」
「これで許してくれますか?」
私の猫のような目は驚いて、見開いていただろう。
今日の加護はそんな私を見て、笑ってくれた。
明日の加護は私を見て、どんな顔をしてくれるだろう。

そして、いつか、私の想いに気付いてくれるのだろうか・・・・・・
87 名前:L.O.D 投稿日:2001年10月10日(水)15時50分13秒
新作です、圭加護です。
娘。のカードを気まぐれに買ってみたら
なんか圭、加護入ってたんで
なんとなく書きました。。
88 名前:「即行小説 安倍親方と天才矢口の物語」 投稿日:2001年10月18日(木)23時17分46秒
「リカちゃん家という事で」
(これで、矢口がひっかけられて、石川ん家だったらどうしよ)

89 名前:「即行小説 安倍親方と天才矢口の物語」 投稿日:2001年10月18日(木)23時18分16秒
-石川宅-
「矢口さんが突然来たら、どうしよっ!?
 と、とりあえず、なにかご飯をお出しして
 あ、灰皿も用意しなきゃっ!
 えっと、、、、あと、、、ビールでいいかな?
 縄とかいらないよね?」
縄・・・・・・なにに使うんですか?
「え?」
赤くならないでください。

90 名前:「即行小説 安倍親方と天才矢口の物語」 投稿日:2001年10月18日(木)23時18分58秒
「えー、なんか、玄関前にめずらしい生物がいるんですけどー」
「ぶひ」


91 名前:あとがき 投稿日:2001年10月18日(木)23時19分33秒
っていうか、ネタじゃん>俺
92 名前:L.O.D 投稿日:2001年10月18日(木)23時24分36秒
えーと、お知らせです。。
黄板のlead書き終わったんですけど、更新できないです(w
早く復活してください。

http://choco.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1003192997/l50
あと、2ちゃんで新作始めちゃいました。
93 名前:倒錯 投稿日:2001年10月24日(水)01時23分42秒
「っていうか、なんなのアレ?」
「す、すみません・・・・・・」
スタッフの間を我関せず、堂々と突き進む松浦亜弥。
その後ろをしきりに頭を下げながら付き添う中澤裕子。
視聴者にはとてもじゃないが見せれないその姿。
中澤が先に回って、楽屋のドアを開ける。
「ノド乾いた」
「はいっ」
遠のいてく足音。
松浦は楽し気にメイクを落とし始める。
次にドアが開く時には
また不機嫌な顔へと変わる。
「遅くなーい?」
「ごめんなさい」
泣き出しそうな中澤を見て
体温が上がってきた。
「泣くの?」
「泣かないです・・・・・・」
「私みたいなガキに泣かされるんだ?」
「・・・・・・」
94 名前:倒錯 投稿日:2001年10月24日(水)01時24分12秒
「おばさんじゃ誰も相手にされないもんねー」
「やめてください・・・・・・」
「やめて?誰に口きいてるの?
 貴女の御主人様はだーれだ?」
「・・・・まつ・・・・・・うら・・・・・・」
中澤の顔が真っ赤になる。
松浦は目を細めた。
気分が高揚する。
最初は中澤のアプローチ。
娘。をやめたのはそれが理由。
見抜いていた。
娘。のリーダーとして
時に厳しく言う中澤の本性は
いじめられるのが大好きな猫だって。
「もっと大きな声で」
「松浦亜弥様です・・・・・・」
膝を崩し、泣き出す中澤。
「好きだよ」
小さな声でつぶやいた。
少女の目は少しだけ温かくなった・・・・・・

95 名前:エロ 投稿日:2001年10月24日(水)01時29分48秒
萌えッ!萌えッッ!!!!
M姐サイコーッ!

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