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gaze into haze

1 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月17日(金)02時57分26秒
初めましてラークマイルドソフトと言う者です。
偉大なる先人達、そして新板の設立に影響され(w
小説を書いてみようと思った次第です(爆

内容はというと、お腹イッパイの感があるいちごまです。
レスなんぞ頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
2 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月17日(金)03時23分16秒
一応、初レスをゲット!!
作者さんのお名前は某板の某スレでよくお見かけしてました。
いちごまを書かれるみたいですが、自分はいちごまならいくらでも腹に入りますんで、
楽しみにさせていただきます。
3 名前:某作者 投稿日:2001年08月17日(金)03時23分20秒
ラークマイルドソフトさん、知ってますよ。
海板でレスしているのを何度か見たことがあります。
小説書く気になったんですね、頑張ってください。
4 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月17日(金)03時28分55秒
プロローグ

「…いちーちゃんは後藤のことが怖いんでしょ?」


「…夢…か。」私は鼻で深呼吸をひとつして、頭を少し掻いた。
近所でやっている工事の音がする。
カーテンを開けて外を見ると、春先独特の空気の匂い。
「う…ぅん、ふぁ…あぁ」大きく背伸びをして、体を起こす。
ふと気がつくと、私は結構汗をかいていた。
Tシャツが肌にまとわりついてベト付く。

いつからだろう、あの夢をみるようになったのは。
5 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月17日(金)03時54分16秒
ひと息付いて当たりを見回してみる。
私の部屋。今となっては夢のかけらさえも残っていない私の部屋。
昔の名残りは実家に全部置いてきたし、
夢を叶えるための道具になるはずだったアコギも今となっては押し入れの中。
一週間ぐらい前にオアシスでも弾こうと思って出してみたら、埃がつもってた。
しかも弦が伸びちゃってて、締めなおしたらきれちゃって…そのまま再び押し入れへ。

何か(何なのかよくわからないんだけど)を変えるために始めた一人暮らし。
初めの頃は凄くやる気もあって、上を見ていられた気もする。
夢に向かって…
6 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月17日(金)04時33分18秒
1章 強く

「もう一年かぁ。」感慨深げに独り言をいってみる。大して辛くは無い。
ロンドンにいた頃はメンバー達との電話の後、
たまに独りで泣いたこともあった。そう、たまに。

娘。メンバーで今でも連絡を取り合っているのは圭ちゃんぐらいで、
芸能界という場から逃げた私(逃げた、か。ピッタリだね)、
モーニング娘。というグループの中で走り続けることを止めた私に対して、
普通の同年代のコの何十倍ものスピードで走り続けなければならない
メンバーが付き合っていられなくなるのは良く解るし。
私も過去を引きずってばかりもいられないし。
7 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月17日(金)04時56分24秒
###初の更新&休憩です###

( ´ Д `)<つかれたぁ〜

>>2 名無し読者さん
ショポーイ感じですがどうぞ宜しくお願いします。

>>3 某作者さん
出来る限りガムバリますのでどうぞ宜しくお願いします。

なんでこんなに疲れんだろ…先が思いやられる…
作者さん達ってすごいなぁ…
8 名前:アリガチ 投稿日:2001年08月17日(金)17時20分04秒
おー、初小説ですか!
しかもいちごまですか!
どんな風に話が進んで行くのかまだわかりませんけども頑張って下さいね。
9 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月18日(土)02時55分39秒

〔私は強くならなくちゃいけない〕
小さな頃からそう考え生きてきた気がする。家庭環境からきたものなのだろうが、
物心ついた位からずっと…勿論、娘。にいた頃にも思っていた。

三年前2期メンとして加入した時は、正直あの五人とは何回も衝突した。
私は絶対に引かなかった。
その衝突はしばしば喧嘩にも発展し、後で考えてみると私が悪かったと
思えるようなものも少なく無かった。
しかし私が自分で謝ったのは片手で数えられるくらいしかないだろう。
どんなに追い詰められても、いや、追い詰められれば追い詰められる程
私の頭にはこの言葉が浮かんできた。
10 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月18日(土)02時57分15秒

〔私は強くならなくちゃいけない〕
その呪文を三回唱えると不思議と自分に余裕が出来た。
そうすると絶対に負けない自信が出てきて、相手を見下してバカにしていた。
その頃には相手は泣くか呆れてしまうかのどっちかだった。
(私は強いんだ。独りでも誰にも負けないんだ…)
自惚れていた。

一回だけ怖くなった時があった。
その時私は圭ちゃんと喧嘩していて、
圭ちゃんのいつもの素晴らしい正論に私は追い詰められ、呪文を唱えようとした。
その時圭ちゃんは私に向かってこう言った。
11 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月18日(土)02時58分59秒

「またそうやって逃げ込むんだ。」
「紗耶香は強さって言うものを履き違えてる」

私は何故か急に恐怖感を覚え耳を塞ぎ、圭ちゃんの前からダッシュで走って逃げた。
そのまま家に帰りベットの中でずっと震えていた。
理由なんかは考えていられなかった。

ただ、自分が壊れてしまいそうな感じがした。
しかしそれと同時に、少しだけだけど何か救われたような気にもなった。
それ以来、私は圭ちゃんに対しては自分の内面も結構さらけ出せるようになり、
お互いが親友になった。そのおかげかメンバーとの関係も徐々に良くなってゆき、
仕事以外の事でも会って買い物に行ったり、食事をするようになっていった。

そんな感じで私自身が充実しだしてしばらくした頃、一人のコが娘。に加入した。
後藤真希という可愛いコだった。
12 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月18日(土)03時14分55秒
###更新&休憩です###
( ´ Д `)<あれ、圭ちゃんは〜?帰っちゃったの〜?

>>アリガチさん

レス本当にありがとうございます!もうやばいっす…
アリガチさんの更新量はんぱないっすね〜!しかも毎日…

今日はHISASHI(レイグエンジェル)ぶりに『ライブレボ21』を見たんですが、
最後の飯田×中澤、安倍×中澤の絡みでまたしても号泣。
やっぱオリメンもいいな…
13 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月20日(月)04時10分09秒

「…ごっちん、挨拶ぐらいしっかりしてや。何べんも言うとるやろ…」

「……………うん………」

「……………………紗耶香ちょっと。」

「……………うん………」
(…またアタシか)

後藤加入後二、三ヶ月目までは本当によくあった風景。
明らかにイライラしている裕ちゃんと、俯いていて表情の読み取れない後藤。
……そして……それを心配そうに見ているメンバー……
本当によくあった風景。
14 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月20日(月)04時13分01秒
気がつくと裕ちゃんはもう楽屋を出ていってしまったようだ。
早く行かなきゃ。怒りが増す前に。
未だ気まずい雰囲気の残る楽屋を出、私は早足でいつもの場所に向かう。
そう、自販機コーナーのベンチ。・・・・・・・・・ほら居た。
細長いタバコに火をつけ、軽く煙りを吐き出す。いつものお説教の合図。
しかし、その日はいつもと少し違っていた。

聞かされたのは、弱音。
後藤の事が本当に解らないだとか、でも本当に力になってやりたいだとか、
こんな何にも出来ないあたしがリーダーをやっていいのかだとか、
この歳で娘。でいいの?とか……………………ゴメンこれは嘘。

(そんなこと平家さんか圭ちゃんに言えばいいじゃん!なんであたしなの?)
急に腹が立ってきた。
15 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月20日(月)04時13分59秒
それに、それ以前の問題として上に立つ人は滅多に弱音を吐くもんじゃない。
ましてや下の人間に弱音を吐くなんて。
弱味を見せたら終わり、つまり負けだ。

私は絶対に弱味は見せない。絶対に負けない。

そんなことを考えてると、この場に居るのがなんだかバカらしくなってきて、
…………そして、それと同時にこんな裕ちゃんがすごく惨めに思えてきて、
だからといってなぐさめの言葉も解らずに、私はただそこに座っていた。

この微妙に緊迫した状態を打破したのは、いつのまにか私の脇にいた後藤の一言だった。
16 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月20日(月)04時37分53秒
( ´ Д `)<マターリいきたいな〜

>13の一番最初に 2章 新メンバー と入ります…マジ鬱

毎日更新がしたいのですが、酒の誘いにいつも負けてしまいます(爆
今の気持ちとしては地獄甲○園2・3巻のあらすじ部分に近いです(w
17 名前:アリガチ 投稿日:2001年08月20日(月)22時45分03秒
地獄甲○園というのは知らないんスけどシリアスでいい感じッスね。
長編になりそうな予感。

自分の更新が早いのはかなり溜めてからでないと
話が作れないからですよ(苦笑)
18 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月21日(火)02時52分55秒
「裕ちゃん、さっきはごめん。次から気をつけるよ…」

「はぁ?」
思わず口に出してしまったのを覚えている。でもだってそうでしょうよ!
何がごめんなの?次から気をつけるってアンタ何回言ってんの?
(このまま私が何も言わないでいたら間違いなく裕ちゃんはキレるな………
 ってことはここは教育係のこの市井さんが叱るしかないか…………
私は急いで怒った顔を作り、後藤を叱る準備をした。

後藤と目があう。
いつもは見せないわたしのちょこっと恐い顔に少なからず怯えているのが読み取れた。
私はそれを見て、何故かは解らないけど正直ホッとした。嬉しかった。
後は叱るだけだ。

「ごと---
「ごっちん、分かってくれたならええねん。あたしも言い過ぎたかもしれん。」

「はぁ?」
思わず口に出してしまったのを覚えている。でもだってそうでしょうよ!
19 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月21日(火)02時56分18秒
「お疲れ様でした−−!」
みんなの顔がとても明るい。
その日は確かラブマの収録だった。

そういえば私達はあの1曲で過去の娘。と別れを告げたんだった。
しかしあの頃の私達は思いもよらない世間の反応に浮かれていたし、
またそんなことを考える暇もなかったし。

娘。の進む方向が大きくずれたことに気付くのは、もう少し後になってからだった。
………まぁ、今の私が言えることじゃないけど。

確か矢口の提案であの日は仕事終わりにみんなで食事にいったはずだ。
だけど私はというと数時間前の出来事のせいでどっと疲れがきてて、
とてもじゃないけど行く気にはなれなかった。

私が誘いを断った時矢口が一瞬だけ見せた淋しそうな女としての顔。
私はどうしていいか解らなくなり、そんな時によく使う下らないジョークで話題を変えた。
20 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月21日(火)02時57分34秒
テレビ局を出て、みんなと別れた。私は一人駅に向かって歩いていた。
ここからは何故かハッキリ覚えている。
五分程歩いたところで、後ろの方から聞き慣れた声がした。

「市井…さん」

聞こえていない振りをした。空耳であってほしかった。

「市井さん……」

私はしかたなく観念して後ろを振り向いた。

余程急いで来たのだろう、肩で息をしている新メンバーがそこにいた。
21 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月21日(火)03時30分34秒
###更新&休憩です###
( ´ Д `)<走るのはもうごめんだゴルァ!

>>アリガチさん
地獄甲○園というのはですね、漫$画太郎大先生の漫画です(w
長篇にしたいのですが、アウトラインからどんどん離れて逝ってます。
ツギハギだらけになりそうです T「T

ところで、
青板の某二作品(あ、一つは白へ)、海板の某作品には感動させられっぱなしです。
どれも基本はいちごま(と思ってます。間違っていたらごめんなさい。)
素晴らしい構成&展開で自分に書く勇気を与えてくれ、(w
あまりのテンションに書く気を萎えさせてくれます(爆
…自分はマターリ逝きたいです(意味不明
22 名前:アリガチ 投稿日:2001年08月22日(水)00時26分37秒
この後、ごっちんはどういう絡み方するんだろう・・・。
マイペースで頑張って下さいな。

漫画太郎先生ですか・・・今って名前に$がついてるんですか?
昔、WJで読んでたですよ。
23 名前:マルボロライト 投稿日:2001年08月22日(水)02時35分25秒
初連載おめでとうございます(←これって日本語おかしいかな?)
自分のペースで頑張って下さいね。私なんか更新めちゃ遅いし(w
24 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月23日(木)02時31分53秒
「あの…」 少し怯えながらもまっすぐ私を見つめている。街の喧騒が五月蝿い。

「何?」 私はそんな新メンバーと目をあわせることが出来なかった。

「あの、さっきはごめんなさい。」 私はいつもの呪文をとなえた。

「はぁ?なにがごめんなさいなの?なにをあたしに謝るわけ?
……言わしてもらうけど後藤はさぁ〜、あたしのことが怖いんでしょ?
だったら別に無理してあたしに対して媚びなくていいよ。
あたしもあなたの教育係としての仕事はちゃんとするし。」
そう言った後、私は地面を見ていた。

「……ごめんなさい…」 声が震えている。
後藤の立っている歩道の乾いたコンクリートの上にぽつぽつとシミができた。

「だからなにが………」私はハッとして顔を上げた。

とても美しい光景だった。彼女は泣いていた。
……そして街の喧騒が消えた。
25 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月23日(木)02時33分02秒
後藤は涙を零した目で、その赤くはれてきた目で私をジッと見つめる。
それを見てどうしようもなくなっている私。呪文も効かなくなっていた。

「ごめんなさい…………」 私を見つめ続ける。

「あぁ、もういいよ…」 やるせない気持ちが私を襲う。

「ごめんなさい…」 ・・・・・・・・・・・

ふいに何かとてつもなく大きな感情が私を襲い、危うく泣きそうになった。
私は自分の気持ちを整理したかったんだけど、泣くのを我慢するので精一杯で、
それ以外はハッキリ言ってなにがなんだか解らなかった。
そんな時でも、後藤はその美しく少し淫猥な感じさえ受ける眼で私のことを見つめ続ける。

(早く…早くこの場を終わらせないと)私の中のワタシがそう言っていた。

「…………そうだ、後藤さぁ、その“市井さん”っていうの、やめない?
なんか……やだ。・・・・・・そうだな〜、“市井ちゃん”でいいや…
…なんか自分で言うのすげぇ恥ずかしいんだけど。どうかな・・・・・・・・
ほらゴトウマキ!…泣いてちゃわかんないじゃん!」
ねぇ、笑って?………………なにやってんだろうね、私。

「………いちー……ちゃん」 彼女はムリヤリ笑顔を作った。また泣きそうになった。

「よぉ〜し、それでOK!」 後藤の頭を撫でてあげたら、後藤は私の胸に頭を預け…
………………ずっと泣いていた。その間、私は何故かとても幸福だった。

26 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月23日(木)02時34分40秒
私達は家の方向が一緒だったので、途中まで一緒に電車に乗っていた。
その間、二人とも何も喋らなかった。後藤はずっと笑顔だった。泣き腫らした可愛い顔で。
私は…何も考えていなかったような気がする。

後藤と別れ家に着いた私は、夕食を食べる食欲がなくすぐお風呂に入り、
家族の誰とも話しをせずに自分の部屋に入った。
実際疲れていたので寝ようと思い、すぐにベッドに入ってみたが、
全くといっていい程寝つけはしなかった。
寝れないとなるとどうなるかはわかっていた。

自分の部屋という安心できる空間に身を置き緊張感がほぐれたせいもあるだろう、
すぐにさっきの出来事がフラッシュバックしてきて、ああいった出来事、
言い様のない感情をもったことが初めてであったという事に対する喜びと、
正直な感想として私が負けたという事に対する悔しさ、悲しさがこみ上げてきて、

………………ずっと泣いていた。
27 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月23日(木)03時04分28秒
###更新&休憩です###
( ´ Д `)<魚の眼にも涙ってなに〜?いち〜ちゃん

>>アリガチさん
アリガチさんに突っ込まれたとうり、ゴチーンの絡ませ方にはホント苦しみました(w
でもこの程度です(自害
あと、漫$画太郎大先生は今少年チャンピョソで連載持ってるんですよ
これがまた良いんですよ!

>>マルボロライトさん
レス本当にありがとうございます!
いつも読ませていただいてます!
ノラーリクラーリやって逝こうと思ってるんで、宜しければ見守ってやってください(w

昨日は久しぶりにはんぱなく酔っぱらいました。吐いちゃいました。すいません。
28 名前:アリガチ 投稿日:2001年08月25日(土)01時23分39秒
泣き虫ごっちん、可愛いなー。
ヽ(゜皿゜)ヽネエ、ワラテ!!
それにしても市井ちゃんは情緒不安定ですな。
29 名前:岩魂 投稿日:2001年08月25日(土)14時20分40秒
はじめてパソで観ました!
がんばって書き続けてください!
30 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月26日(日)03時20分47秒
あの日から何故か後藤は私を求めるようになった。私は拒まなかった。

ラブマが怖いくらいに売れてから、私達モーニング娘。を取り巻く環境が急激に変わった。
確かにあの曲は売れるとは思った。ノリのいいオヶに乗って歌われるポジティブなうた。
しかし、あの曲から私達に歌唱力は求められなくなっていった。

ハモリからユニゾンへ。アーティストからアイドルへ……………

…まぁそれはいいとして、ラブマが売れてからというもの
私達のただでさえ少なかったオフはさらに少なくなってしまい、
またそれに追い討ちをかけるように私と圭ちゃん、後藤の3人は
水色のパーカーを着させられることになってしまった。
モーニングとしての仕事が無い日には、大抵プッチの仕事が入っていて、
私と圭ちゃんはよく(ほんのちょこっとなんだけど)グチをこぼしていた。

その滅多にない貴重なオフですら私にとってはオフでは無かった。
どんな時でも…それこそ仕事のないオフの日でも彼女は私に逢いたがった。

何するわけでもなく、ただ一日中その空間を共有していただけだったけど。     
31 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月26日(日)03時22分13秒
「ねぇいちーちゃん覚えてるよね?忘れて無いよね?」

オフの前の日はいつもこう聞かれた。一日中。

「後藤もあたしの言った事忘れてないでしょ?」

「わかってるよぉ!だから明日のために今日もがんばるよぉ!」

私は貴重なオフを後藤に献上する代わりに、その条件として
《仕事をがんばってやる》というのを後藤に提示していた。

後藤は自分の好きなもの、ことに対しての食い付きというか意欲は
目を見張るものがあるのだけれど、それ以外のもの、ことに対しては
ほとんどやる気がなくなってしまい、モーニング娘。はどうやら後者だったらしく、
私は教育係として結構悩んでいた。

私に懐くようになってからは、少しずつ良くなってきていたけど、
まだまだわたしの納得できるレベルには届きそうも無く、
なにかイイ方法はないかなと考えていた時、その条件を思い付いたのだった
だから私は後藤を育てるために、プライベートまでも後藤に付き合っていた。

そして新メンバー『後藤真希』は輝きを増していった…………ように思う。

またそれと同時に、その輝きを快く思わないメンバーがでてきた。これは本当。

最初は、私もハッキリ言って無視していた。
別にそこまで悪気があるようにも思えなかったし。
それが徐々に………エスカレートしていった。
楽屋入りの時の後藤の挨拶に返事をする人が減っていった。
仕事終わりに何人かのメンバーで食事に行ったりすることに
後藤が誘われなくなっていった。
後藤がいない時、後藤のちょっとした悪口が出るようになった。

一期のメンバー達から。 
32 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月26日(日)03時23分42秒
そのことについては、私達二期のメンバーが入ってきた時にもあった事だった。
でも私がそういう事をされた時、
いつも隣に圭ちゃんと矢口がいてなぐさめ、励ましてくれた。
彼女達がそういう事をされた時も隣には私がいた。

   でも後藤にはいない。

後藤が実はとても繊細な心の持ち主だという事を知った私は、
後藤へのいじめがひどくなっていくのが見ていられなかった。
“教育係”として護らなければいけないと思った。
そう決意してからは私は極力いつも後藤の傍にいるようにしていた。

そして後藤はさらに私を求めるようになった。私は拒めなかった。 
33 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月26日(日)03時24分54秒
ぼーっとしながらそんなことを考えていた私は、
この部屋には少しうるさ過ぎる携帯の着信音で現実の世界に引き戻された。

テーブルの上にある携帯を手にとってみる。

画面には《着信 吉澤ひとみ》とあった。
34 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年08月26日(日)03時43分12秒
###更新&休憩です###
( ´ Д `)<あした新メン発表かぁ〜

>>アリガチさん
拙文でホソトすいません。勘弁してやってください(泣

>>岩魂さん
ソウル・オブ・ロックってことですか?
私は 『ロックは死んだ』byジョン・ライドソ だと思います

あ、でもこれからも宜しくお願いします(w

なんか2chがヤバイみたいですね…結構シムパヒです。色々と。
35 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月27日(月)03時52分42秒
しっかり後藤を守ってやれよ。市井ちゃん!!
36 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年09月02日(日)10時37分10秒
3章 偶然か必然か

「あ、もしもし…市井さんですか……」 少しハスキーな吉澤の声が耳に届く。

「…うん、そうだけど。」 冷めた対応をする私。

「あのっ吉澤ですけど、こないだの事覚えてますよね?」 いきなり本題に入った。

「覚えてるよ、今日でしょ?」 忘れるわけがない。あの時の後藤の顔を。

「じゃぁ、あの、十二時に代官山の駅の改札を出た所でいいですか?」 

私には別に断る理由もなかったので、特に何も考えずにOKした。
―それじゃぁ、失礼します― そう言って吉澤は電話を切った。

三十秒程のとても事務的な会話。誰からの電話でもこの頃はいつもそう。

まぁ、そんな事はどうでもイイとして、壁に掛けられている時計に目をやる。
…今何時なのかさえもわかってなかったから。
37 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年09月02日(日)10時48分50秒
「あと一時間半か…」
今の家からだと代官山までは大体一時間弱ぐらいで行ける。
実家の頃は二時間ちょっとかかっていたのを思うと、
都内に住んでよかったな、なんて思えたりもする。

だからといってグダグダしてもいられない。
家を出るまでのあと三十分の間に全ての用意をしなければならないのだ。

まずはアタマの中で計画をたてる。
(とりあえずシャワーを浴びて、髪を乾かしながら服を選んで、軽くお化粧して…)
あとはその計画をを実行するだけ。


ファンデーションののりがイマイチだったけど、あとはすべてOK。
「…よし、行くか。」
最後に鏡に映る自分に向けて言い聞かせる。
私は覚悟を決めて家を後にした。これから長い一日が始まる。   
38 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年09月02日(日)10時53分13秒
代官山に行くには一旦渋谷まで出て、そこから東横線に乗り換えなければいけない。
東横線のホームは地上三階ぐらいの所にあり、今でこそ普通に行けるが、
ちょっと前までは階段が何処にあるのかわからず、捜しまわったりもした。

(そんなこともあったなぁ…)
私は渋谷に向かっている途中、こういった自分でも下らないと思うような事を
ぼーっと思い浮かべながら山手線に乗っていた。

実際、なるべくなら考えたくはなかった。考えないようにはしていた。
今日という一日のキッカケとなった半月前のあの日を、…そしてあの時の後藤の顔を。
しかし、あの時の後藤の表情は私の頭から離れようとはしなかった。

・・・・・・やっぱりダメだった。
私の乗っている電車は池袋を発車したようだった。私は半月前の記憶を辿っていった。
39 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年09月02日(日)11時03分56秒
###更新&休憩です###
( ´ Д `)<内山はゼッタイ殺す!

>35 名無し読者さん
護らせてやりたいんですが…うーん…ガムバテみます…

ここ何日かずっと2chにいたので(以下略
…以上寒い言い訳でした。
40 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月02日(日)15時59分17秒
更新されてるYO!
( ^▽^)<続きが気になりま〜す!
頑張って下さい!
41 名前:アリガチ 投稿日:2001年09月02日(日)23時17分27秒
半月前に一体何が!?
また〜り更新頑張って下さいな。
楽しみにしてるです。
42 名前:岩魂-無死 投稿日:2001年09月05日(水)05時10分33秒
あれれ?今日は更新されてないのかな?
はやく〜続き続き!!
43 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年09月24日(月)05時15分25秒
一体、どこまで私は後藤に束縛されているのだろう?

「いちーちゃんは後藤の事が怖いんでしょ?」

あの日も確かこの夢で目が覚めたはずだった。本当にヤな夢だ。
後藤の表情、仕種、言葉…その一つ一つ輪郭までもが夢だと言うのにも関わらず
妙にハッキリとしていて、気持ちが悪い。
夢であるはずなのに、それは現実のようにも思われる。
と言うよりもむしろそれは現実の出来事であって、
単に私が理解できていないだけなのではないか?なんて思えてくるものだから
…とてもヤな気分になる。
『夜の夢こそまこと』…だなんて。(あ、でもなんかちょこっとかっこいいかも)   
44 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年09月24日(月)05時17分35秒
一体、どこまで私は後藤に束縛されているのだろう?…それとも…

後藤の前に小さくうずくまり、弱者としての姿をさらけ出す私。
その頻度は減りはしたが何故か未だに見てしまう現象。

……しかし、それは私が勝手に具現化させてしまった悪夢。
あの時の私は少しおかしかったのかもしれない。

後藤に脅かされる私という小さな存在。
夢に脅かされる現実という危うい状態。

もしかしたらあの悪夢はこれから起こるであろう出来事を、
そして私の辿るべき道を示していたのかもしれない。
ということはつまり全ては最初から決まっていたことだったのだろうか…
…今までも、そして、これからも…
あまりそうは考えたくはない。しかしそれを偶然という言葉で片付けるにしては、
あまりにも出来過ぎているのではないか?

私はどう解釈すればいいのだろう………………後藤との再会を。   
45 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年09月24日(月)05時18分37秒
私は気分転換に買い物に行くことにしていた。
実際大して欲しいものなんかなかったんだけど、
人が沢山いるところに行って、私自身をその中に紛らわせてしまいたかった。

オゾン・ロックスの青いジャージをアウターにして、私は出掛けた。
それは撮影の時にスタイリストさんが用意してくれたものだったんだけど、
すごく気に入ったから買い取りにさせてもらったものだった。
よく晴れた日の事だった。
吹き付ける風は未だ冬の名残りと言わんばかりにとても透き通っていて、冷たかった。

どうでもいい事かもしれないんだけど、私は冬という季節が好きだ。
冬の空気はとても透き通っていて、そしてキラキラと光っている。
透明な光の分散。空気というプリズム。
その中に人々は生きている証として白くなった吐息を送り込むのだ。
それはとても美しい情景だと思う。
ピンク色の頬。生命の息吹。(あ、アタシ恥ずかしいかも)

…それに私の誕生日も真冬だし。
46 名前:ラークマイルドソフト 投稿日:2001年09月24日(月)06時02分32秒
###更新&休憩です###
( ´ Д `)<ふぁ?アンタまだやってたのー?

>40 名無し読者 さん
どうもありがとうございます。ビターのために漏れガムバル!

>41アリガチ さん
マターリし過ぎですね(爆
ごめんなさい。ののたんを見る目で見守っていただけると幸いです。

>42ロックさん
更新遅くてすいません。それでもロックは死にましたけどね  ̄ー ̄ニヤリ

まず最初に黄色い狛犬さんごめんなさい。パクりました。
次に、更新遅れまくってごめんなさい。胃炎でした。
ブルー・マンデー(NEW ORDER)採光です。
47 名前:アリガチ 投稿日:2001年09月27日(木)01時38分57秒
そろそろ市井ちゃんとよっすぃーは接触するんスかね?

またーり更新なんのその。
ただ、飲み過ぎには注意して下さいね(笑)
48 名前:ラークマイ(略奪愛 投稿日:2001年09月30日(日)03時47分05秒
まぁ、カラゲンキと言われれば確かにそれまでなのかもしれないんだけど、
ヒサブリのショッピングという行為に少なからずワクワクしていた私を乗せた電車は
空っ風を切り裂きながら、いつものように決められた線路を決められたスピードで走り
原宿へと進んでいた。

私の買い物のコースはいつも決まって原宿駅の表参道口からで、
表参道沿いを行く。裏原宿なんかを軽くまわって、青山方面に。
少し戻って遊歩道を(明治通りは歩道が狭いから)渋谷に向かい歩いていって、
そして体力とその日の軍資金が残っていれば、さらにそこから代官山へと行くのだった。

いつも思うんだけれど、表参道は良い。
…なんかボキャブラリーが激しく貧しいんだけど、良いんだ。
道行く人全て(とはいかないけれど)がオシャレで、そしてきれいだから。
私の地元とは大違い。未だにヤンキーがいるなんて。

だからホントのことを言うと、私はこの辺りに住みたかったんだ。
なんとなくこの辺に住めば自分が洗練される気がするから。

…一年前まで住んでいたあの芸能界とは違った形の…           
49 名前:ラークマイ(略奪愛 投稿日:2001年09月30日(日)03時48分12秒
よく、女の子は1000円、2000円しか持たずに街へ出ることがあるって聞く。
男の子に出してもらえば良いから…
私はそういうふうに思われるのがイヤだった。
ほかの女の子はどうだか知らないけど、私は絶対にイヤだった。
それは自らの弱さを認めた上での他人への寄生行為だと考えている。

私は強くならなくちゃいけない。私は弱くなんてない。

それだから私はいつも自分の財布には何か急な用事がはいって
思い掛けない出費があっても大丈夫なくらいのお金を入れていた。

…でも、あの日に限っては私には悲しくなるほどお金がなくて、
又、これといってほしいモノも無かった。
つまり簡単に言ってしまうとウインドウショッピング以外のなにものでもなかった。

…気分転換の為だから… 
50 名前:ラークマイ(略奪愛 投稿日:2001年09月30日(日)03時53分00秒
その日も表参道はとっても良かった。
…なんかボキャブラリーが激しく貧しいんだけど、良かった。
オシャレで、それでいてきれいな人がたくさんいた。
そして、誰もが皆、幸せそうな顔をしていた。
別に笑顔ってわけじゃ無いんだけど、幸せなカンジが伝わってくる。
それは嫌味のないとても自然な顔だった。

私の顔は自然なものだったのだろうか。私は幸せなんだろうか。

地面に映る私の影が薄くなった。腕時計の針はもう5時を回っていた。
ふと建物に囲まれ、狭そうにしている空を見上げると、その色は幽かに、
だけど確かに赤みを帯びていた。時間を認識したせいか、少しだけ肌寒く感じる。
私は足早に遊歩道を渋谷に向かう。公園のようなところを曲がり、アローズへ。
いつものように大して目を引くようなものは無かった。

何故かここで私はヒスに行こうと思ったのだった。いつもは行かないのに。
未だに何故そう思ったのか解らない。
偶然という言葉で片付けていいのだろうか。それともそれは初めから決まっていた、
…つまり必然的なものだったのだろうか。          
51 名前:ラークマイ(加護亜依 投稿日:2001年09月30日(日)03時57分22秒
アローズを出てすぐにある、ちっちゃな螺旋階段のある歩道橋を私は渡ろうとした。
それをのぼり切る。ついに幕は開けた。
私達の為に用意されていたノンフィクションの物語の第一幕のステージへ。

そのステージからは少しずつ赤く染まってゆく空気が見えた。
それは第一幕にしては余りにもロマンティック過ぎたかもしれない。

私が歩道橋を渡りはじめた時、向こう側の階段をのぼり切ろうとする人の姿が見えた。
次の瞬間に出演者は揃った。3人の少女達。

私は最初、全然気付かなかった。どこにでもいる仲のイイ女の子同士、
そんなふうに思っていた。

ダークトーンで決めた背の高いボーイッシュなショートの子。
買い物袋をたくさん抱えた、ちょっと服に着せられてる感のあるセミロングの子。

夕暮れの街の喧騒の中、
私達はそれぞれこれから起こることなど知らずに、舞台の中央へ。

最初の台詞は、「……市井さん?」だった。

私の中で時を止めていた時計が再び動きだした。             
52 名前:ラークマイ(加護亜依 投稿日:2001年09月30日(日)04時16分34秒
###更新&休憩です###
( ´ Д `)<あたしはー、はっきり言ってー、冷めてないよ。
クールでもないよ。セクシーでもないよ。子供なんだよ。

>47アリガチさん
メール欄に一言カクのパクっちゃいました!エヘヘ…ハァ鬱ダ(略
ちゃんとさやまります。すいませんでしたぁ!
でも、これからもやりそうです、って優香やります!…ハァ鬱ダ(略
こんなダメな人間ですが、よければ診てやって下さい。

ダイバーが終わりました。おねモーも終わりました。
読者さんは果てしなく少ないと思いますが、サルベージ無しで。
LOOPA TROOPER(DJ TASAKA)彩香です。

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