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夏はどこへ行った。
- 1 名前:名無し作者@お初 投稿日:2001年08月18日(土)02時20分46秒
- 〜Prologue〜
「これで全部ですかぁー?」
ひとみが軽自動車から荷物を下ろしつつ叫んだ。
運転手でもあった裕子おばさん…じゃない、姉さんの返事がない。
裕子姉さんは亡き父の歳の離れた妹。
父の好きだったアトリエ兼別荘に毎夏訪れる。
去年の夏とは違い、受験から解放されたひとみは、
親友の真希を誘って都会の喧噪を離れてバカンスに来たのだ。
「…たくもう」
ひとみはぶつくさ言いながら、トランクからボストン等を引きずり出す。
「んだよ、これ。重いっちゅーの!」
避暑に来たはずなのに、汗をだらだら流しながら荷物と格闘。
そこへ、真希の呑気そうな声。
「あはっ。よっすぃーったら、まだやってんの?」
御丁寧にも涼しそうなワンピースに着替え、手にはアイスティのグラス。
(避暑地のお嬢様でも気取ってんのか……。)
ひとみの思考など知る由もなく真希はにこやかに告げた。
「裕子さんがお茶にしようって。
別荘に風も通したし、休憩だってさ。」
- 2 名前:名無し作者@お初 投稿日:2001年08月18日(土)03時15分33秒
- 勢いで始めてしまいました。
まだ頭の中でもまとまっていなくて、
ありきたりな展開になるかもしれませんが、放置しないように頑張ります。
- 3 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月18日(土)06時34分05秒
- 期待sage
頑張って下さい
- 4 名前:夏はどこへ行った。(2) 投稿日:2001年08月18日(土)13時52分46秒
- 〜Sweet Sweet Baby〜
シンプルだがこざっぱりしたリビングに入っていくと、
「なんや、ひとみー。トロくさいなぁ、相変わらず。」
大阪弁の罵声が歓迎してくれた。そして後半は呟くように。
「ほんま兄貴とよう似とるわ…。」
真希はと言えばちゃっかりソファに陣取ってお代わりなどをしている。
「ちょっ……。」
Tシャツの方で額の汗を拭いながらひとみは主張した。
「大体さぁ、叔母さんがなんにもしないでのんびり遊んで…っ、うわっ!」
ダーツよろしく飛んできたストローを除けながら、後ずさる。
「誰が『オバサン』やて?」
にっこり。
そう、この人は黙っていればそれはうっとりするような美形なのだ。
写真でしか憶えのない父に少し似ている。
意志の強そうな口元や顎の線……。
この別荘訪問を渋っていた母は、ひとみこそ年々父親に似てくると言うが。
なんと言い返そうか、どうすれば地雷を踏まずに済むか。
長年の裕子との付き合いを思い起こす。
母と仲が良いのか悪いのか判らない裕子。
父方の兄弟の中でも一番下なのに、何かとひとみ親子を気にかけてくれる。
確か関西を拠点に雑誌編集の仕事をやっていた。
「でもさー、ひとみのおとーさんのいもーとなんでしょ?」
沈黙を真希のノーテンキな喋りが破った。
まずい。
真希、あんたは間というものを読めないのか…?
しかも親友の窮地に。
「じゃあさ、ひとみにはオバサンであってんじゃん。」
久しぶりの火山爆発か?
ひとみは思わずドアの位置を再確認する。
が、予想外にも裕子は笑いの混じった声で。
「まー、そうやな。
真希ちゃんから見てもおばちゃんみたいなもんやで。」
「あはっ、やっぱそーなんだ?」
真希ちゃんは誰かと違ってかわいーねぇ、と頭まで撫でている。
………神様、いたら教えて下さい。
この扱いの差は何なのですか?
- 5 名前:名無し作者@お初 投稿日:2001年08月18日(土)14時01分58秒
- >>3
有り難うございます。
初レス、うれしーですー。
頑張りますのでたまに覗いてやって下さいね。
- 6 名前:名無し作者@お初 投稿日:2001年08月18日(土)14時06分24秒
- 誤字ってしまいました♪ごめんなさい(汗)
Tシャツの『方』で額の汗を〜、と違くて、Tシャツの『肩』で額の汗を〜。
- 7 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月21日(火)01時38分32秒
- 正直者ごまキャワイ(w
- 8 名前:夏はどこへ行った。(3) 投稿日:2001年08月21日(火)12時57分37秒
- 〜FRIENDS〜
ひとみの通う朝比奈学園は、東京郊外にある中高一貫の女子校だ。
伝統ある女子教育を誇る学園にしては、自由でのんびりした校風に満足している。
女子校だけに、高等部1年ながらバレー部の花形であるひとみは人気者だ。
たまに辟易するものの、度を越したファンもいず楽しい学園生活を送っていた。
教室にたった一つぽつん、と空いた主のいない机が気になった以外は。
机の主は唐突に、しかもかなり派手にやって来た。
そろそろ昼食が気になる3時限目。
教壇から動きもせずに老教師が現国の教科書を読んでいた。
何の前触れもなく扉が開き、一人の髪の長い少女が入ってきた。
かなり着崩した制服、人目を引く茶色い髪の華やかな美少女だった。
その場にいた全員が見守る中、彼女は教師からチョークを奪い取ると、
「後 藤 真 希 。」
お世辞にも上手とは言えない文字でそう書いたのだった。
思わず吹き出したひとみの脇をクラスメートが小突く。
「や、やめなよ。睨んでるじゃん……。」
その言葉に顔を上げて彼女、後藤真希を見返したひとみの目に入ったのは、
意外にも人懐っこい微笑だった。
カバンを肩に担いで、すたすたと真希はひとみの席の隣まで歩いてくる。
そして机一つ向こうに開けられた自分のものであろう席を顎でしゃくって、
「あたし、あっちよりここがいい。」
と曰ったのだ。
それから真希との不思議な付き合いが始まる。
品行方正な生徒の多い学園では真希のようなタイプは嫌でも目立つ。
別にそれに萎縮する訳でもなく、あくまで自然体の彼女。
その様子がひとみにはとても好ましいと思えた。
机を並べるようになって数日後、二人は友好条約を結んだ。
「なに、それー?学園ドラマみたいじゃん。」
そう言ってけらけら笑いながらも、
真希はひとみの差し出した手をしっかり握り返した。
高等部受験はやや難関だったので、裏でどうこう、とか言う噂もあったが。
もしそうだとして、それと真希に何の関係がある?
授業態度の適当さ加減に反比例して、彼女の成績は常に上位だった。
それに理由があることをひとみが知るのはもう少し後だったが。
- 9 名前:名無し作者@お初 投稿日:2001年08月21日(火)13時01分05秒
- >>7
さんきゅですぞ。
ごっちんの活躍に御期待下さい。…でも、頭の中のラストは既に5種類(w
- 10 名前:夏はどこへ行った。(4) 投稿日:2001年08月22日(水)15時40分58秒
- 〜Happiness〜
夕食後のリビング。
真希が恋人のように愛しげに電話を抱きしめて甘ったるい声で喋っている。
少し離れた場所でソファに寝そべり、ひとみは電卓を叩いている。
その様子を片付けの終わった裕子が覗き込んで失笑した。
「って言うかな、さっきからなに必死なんよ?」
ひとみの手元の電卓を取り上げる裕子。
「なんやの、これ?」
「電話代の計算…。」
ひとみは無愛想にむすっと答える。
「東京に恋人置いてきてんねんから目ぇ、瞑ったりぃや。
そんなん、単なるひがみにしか見えへんで?」
恋人ー?
心の中でひとみは思い切り突っ込む。
親友とは言え、ベタベタ干渉し合うのはお互いの趣味じゃない。
だから実際は電話の相手が恋人と呼んでいい存在かどうかは知らないのだ。
「真希ちゃん、取られた気分みたいになっとるんやろ?」
裕子は電卓をお節介にもクリアしてから返し、
「ひとみもな、好きな人でも出来たらいやってゆーほど判るで。」
子供の時から変わらない癖でひとみの頭をくしゃっと撫でる。
「ほんなら、裕ちゃんはちょっと仕事してくるわ。」
相槌を返す間もなく、裕子はリビングを出て行ってしまった。
残されたのは相変わらず電話中の真希とひとみ。
「ん、こっちは楽しくやってる。
空気もいいしさ、いちーちゃんとも一緒に来たかったな。」
……市井先輩は受験生だろうが。
「んぁ、ひとみ?
相変わらず元気だよ、今はお風呂だけど。」
……おいおい、ここはバスルームかよっ。
「ごとー?」
受話器を握りしめ直したのが、ひとみの位置からも見えた。
ほんの僅かな間。
「すっごい元気。
いちーちゃんも受験勉強頑張ってね。」
その後の会話はよく判らなかった。
勿論、盗み聞きの趣味もないのだが聞こえてくるものは仕方がない。
「うん、うん…。
判ってるよ。また、電話するね。」
いつもふてぶてしいくらいの真希が今は小さく見えた。
「おやすみなさい、いちーちゃん。
…生徒会のセンパイ達にもよろしく言っといて。」
そう呟いて受話器を置いた真希はいつもの真希だった。
- 11 名前:夏はどこへ行った。(5) 投稿日:2001年08月22日(水)15時48分33秒
- 〜Happiness?〜
「ケータイ、圏外なんだもん。」
前言撤回だ、やっぱり真希はふてぶてしい。
側まで来ると、クリアされた電卓をつまらなさそうに見て向かい側に放り投げた。
ぽすっ。
寝そべっていたソファが真希の体重分、少し沈む。
「ヤキモチかー?」
ん?、とこめかみを拳でぐりぐりされる。
「こら、真希!ギブッ!」
案外あっさり真希は離してくれた。
「……いちーちゃんは特別なんだもん。」
ぽつりと呟いた。
朝比奈学園高等部の生徒会は成績、人望共に秀でたエリート集団。
ついでに美形揃いで高等部は勿論、中等部にもファンが大勢いる。
生徒会長の飯田圭織先輩は長身の美形で少しエキセントリック。
副会長の矢口真里先輩は対照的に小柄で金色の髪が印象的。
書記の安倍なつみ先輩は可愛くて素朴な北海道からの奨学生。
会計の市井紗耶香先輩はクールで男前(真希・談)な堅実派。
ムードメーカーとなっている矢口先輩と安倍先輩の御陰か、近寄り難さは皆無。
とは言っても、生徒会は生徒会。
一般生徒にはなかなか敷居が高いところだ。
その生徒会に一般生徒、しかも編入生にもかかわらず出入りしたのがこの真希。
編入後すぐの廊下で会計の市井先輩に飛びつくと、開口一番。
「いちーちゃん、会いたかったようっ!」
移動教室だったのか、教科書を抱いたまま大きな目を更に大きくしている安倍先輩。
ほんの数秒前まで一緒にいたひとみも凍り付きそうだった。
「ごとー?」
ちょっと伸び気味の前髪をかき上げて、市井先輩はぼそっと尋ねた。
「うんっ、ごとーだよ!」
市井先輩は少し咳払い。
「廊下で抱擁はやめような、目立つから。」
そっと真希を引き剥がして、微笑むとその頭を撫でた。
「ほんとに来たんだな、大きくなったじゃんか。」
真希はひたすら嬉しそうにされるがままになっている。
チャイムが幸せな時間に無情にも終わりを告げ、
「じゃ、またな。
たまには生徒会室にも遊びに来い?」
市井先輩はそう言い残し、少し離れて待っていた安倍先輩に片手を上げて合図した。
その後ろ姿をぼーっと見送る真希。
更にその後ろ姿を首を傾げて見ているひとみ。
不意に振り返った真希が少し照れくさそうに笑う。
「びっくりした?」
思わず頷くだけのひとみの袖を真希が引っ張る。
「屋上、行こうよ。
天気もいいし、風が気持ちいーよ?」
そしてひとみは生まれて初めてのサボりを経験した。
- 12 名前:夏はどこへ行った。(6) 投稿日:2001年08月22日(水)17時52分21秒
- 〜子供の時間〜
馴れた調子で給水塔にするする上がっていく真希。
ひとみも追いかける。
給水塔の上は結構広かったし、確かに風も気持ちいい。
足をぶらぶらさせて腰掛けると、真希は胸ポケットから生徒手帳を出した。
こういうシーンではたいてい煙草なのに、とひとみは少しがっかりしていた。
が、受け取ると目で確かめる。
真希も小さく頷く。
中に挟まれていたのは幼稚園児くらいだろうか。
訊ねなくても判る、幼い真希と市井先輩。
「家が近所で幼馴染みだったんだ。
この近くに住んでたの。」
返事の代わりにそっと生徒手帳を返す。
「小学校に上がってすぐだったかな。
おとーさんの海外転勤が決まっちゃってさ。」
子供にはどうにもならないことも、どうにも出来ないこともある。
ひとみは、所謂実業家だった父親のことを思い出していた。
祖父が会長を、父の兄弟達が役員を。
そして父も。
穏やかな優しい父だった。
企業戦士というのには似合わない人だったのだと思う。
10代の頃から休暇にはこの別荘に来ていたという。
そしてアトリエにこもり、或いは外に出て絵を描いていたという。
会議の帰りの飛行機が爆破されたのは、ひとみが3歳の夏だった。
「もうすぐ帰るからね。」
電話の声が最後になった。
電話の声が最期になった。
母は気丈にも泣かなかった。
父方とは疎遠になり、連絡をくれるのは叔母に当たる裕子だけになった。
父の遺言通り、ひとみの養育費には十分な遺産が託されたが。
そして、裕子の薦めもあり朝比奈学園に進学したのだ。
春生まれのひとみが16になったとき、
「もうひとみも子供じゃないんだから、好きに生きなさいね。」
言葉少なな母が言った。
「裕子さんと、父さんの別荘に行っていらっしゃい。
あなたは殆ど父さんを知らないけれど、何かが見付かるかもしれないわ。」
チャイムに我に返る。
「ごとーさ、もう子供じゃないんだ。
だから親に頼んで1人で帰ってきた。」
照れ隠しなのかわざと素っ気なく真希は呟いた。
「おじーちゃん達と住むの、きゅーくつだけどさ。
でも、いちーちゃんに会いたかった。」
すとん、と器用に着地して続ける。
「また会おうね、って約束してたんだもん。」
……実は真希は海外でスキップしている程の秀才だとひとみが知ったのは、そのすぐ後の実力テストの結果だった。
- 13 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月23日(木)02時39分12秒
- いいねぇ。がんばれ。
- 14 名前:夏はどこへ行った。(7) 投稿日:2001年08月23日(木)13時46分28秒
- 〜Get Back〜
目覚ましが鳴っているが、見付からない。
今日は朝練はないんだってば…。
寝惚けた頭でひとみがそこまで到達するのに数分かかった。
電話?鳴りやんだのか、誰かが出たのか。
とりあえず、パジャマのままリビングに下りてみた。
同じ頃、真希はキッチンで大いに意気込んでいた。
だって、ごとーはいちーちゃんのお嫁さんになるんだもん。
あ、電話だ。
「お待たせっ、ごとーだよっ!」
愛しのいちーちゃんとのラブコールで真希の脳は溶けていた。
「…あ、いえっ!
よしざ……(吉澤はよっすぃーの母さんの旧姓だっけ…)」
その頃にはくわえ煙草の裕子もいて、笑い声は電話との二重唱になっていた。
しょんぼりとキッチンに戻る真希。
電話に出ている間に失敗した物はひとみに食べさせよう。
どうせ殺しても死なないタイプなんだし。
「おう、圭坊か。
や、かめへんで。起きとったよ。」
そう言えば、何とか出版の……とか言ってたっけ。
サラダに特製ドレッシングをかけながらぼんやり思い出す。
それにしても……あの寝ぼすけ、なにやってるんだろ。
「ほんまかいな、それ。」
裕子は電話の隣のメモにしきりに何か書き込んでいるようだ。
「判った、すぐ行くわ。」
ひとみがぼーっとリビングに下りたところで、裕子とぶつかりそうになった。
「ああ、おはよーさん。
寝起きの悪さも兄貴譲りなんか?」
軽口を叩きながらも裕子の表情は少し険しい。
自分よりもう頭半分近く背の伸びたひとみの頭をぽん、と撫でて。
「裕ちゃんな、急な仕事で戻らなあかん。
食べるもんは十分あるし、ちょっと足伸ばしたら買えるから。」
そこに包丁を持ったまま真希が突っ込んできた。
「ええっ!?
裕子さん、帰っちゃうんですか?」
……いや、それ、危ないし。
ひとみが心で突っ込んでいる間に裕子がけらけら笑う。
「おいおーい、真希ちゃん。
うちにもう一個記事書かせてくれるんかいな。」
「だって、こんなぐうたらなよっすぃーと…。」
裕子の前では母方の姓からのあだ名ではなく、名前で呼ぶことも忘れている。
「ま、なんとかなるて。
電話するしな、早かったら5日くらいで戻るで。」
裕子姉さんから一人の編集者の顔に戻った裕子が軽に乗り込む。
「ごとーがいるじゃん。
朝ごはん、食べよーよ。」
ごとースペシャル、とへらへら真希は笑った。
意外なことに、その「ごとースペシャル」は美味だった。
- 15 名前:名無し作者@お初 投稿日:2001年08月23日(木)13時51分23秒
- >>13
ありがとうございます。
まだまだ下手で上手く書けないですけど、頑張りますー。
- 16 名前:夏はどこへ行った。(8) 投稿日:2001年08月24日(金)19時06分03秒
- 〜Sweet Thing〜
裕子が仕事で出掛けてからも、楽しい生活は変わらなかった。
ああ見えて家事が得意な真希。
ただし、掃除だけはどうも駄目だったがそこは几帳面なひとみが賄う。
納屋から自転車を引っ張り出してきたのもひとみだ。
1日がかりでサビを落とし、使える状態にまで持っていく。
これで裕子の軽がない今でも行動範囲がかなり広がるだろう。
「よっすぃー、お昼だよーん!」
弾んだ声に軍手をしたまま頬を拭って顔を上げる。
「うわ、おっとこまえー!」
油にまみれたひとみを見て、真希がトレイを落としそうなくらい笑い転げた。
「ああ、さんきゅ。
そこに置いといてよ、もうすぐ終わるからさ。」
少し離れたスツールらしきものにトレイを置くと隣にしゃがみ込む真希。
「へー、こんなに綺麗になったんだ?」
……なんか、妙に嬉しそうなんですけど?
「これからはごとーが買い物担当してあげよう!」
任せて、と言わんばかりにどん!と胸を叩いて見せた。
きっと何時間も彷徨って帰ってこない親友を思い、ひとみはこっそり溜息をつく。
「んじゃー、ごとー、行ってくるよっ!」
見違えるほどピカピカになった自転車にまたがり、真希は満面の笑みで言った。
「はいはい。
市井先輩恋しさにそのまま東京帰んなよな?」
ばーか!と、額をつつかれた。
「携帯でゆっくり話せるポイントくらいは探すけどさ…。」
遠慮がちにへへへ、と真希は照れ笑いした。
「ひとみはお利口さんにしてるんだぞ?」
照れ隠しか、さっさと自転車を発車させる真希。
左のブレーキが若干危なかったような……まあ、いっか。
あいつ、運動神経もいいしさ。
一仕事終えたひとみは昼寝でもしようか、と二階に上がる。
そこで、普段は気にかけなかった一室に目が留まった。
普段は気にかけないようにしていたのかもしれない。
……お父さんの、アトリエだ。
自分が思わず生唾を飲み込んだ音が聞こえた。
そして、そっとドアに手をかけた。
少し手応えは重かったが、鍵はかかっていなかったのだ。
- 17 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月25日(土)07時08分53秒
- 吉澤と後藤の掛け合いがおもしろい
生徒会メンバー…あの人がいないようなんですが、
これから出てくるんすかね?(w
- 18 名前:作者@お初 投稿日:2001年08月25日(土)20時30分57秒
- >>17
ありがとうございます。
すごく励みになりますー、頑張って続けます。
と言うより、書くのがとても楽しいのです。
やっぱり気付かれました?確かにあの人いませんね?(w
ではでは、更新は夜中に!
- 19 名前:夏はどこへ行った。(9) 投稿日:2001年08月26日(日)01時45分07秒
- 〜モノクロームの夏〜
中は想像していたような感じではなかった。
油彩独特の臭いもしなかったし、埃臭くもカビ臭くもない。
美術室や美術部の部室のように散らかってもいなかった。
裕子さんが掃除しているのだろうか?
思っていたより広くはなかったし、歩くと少し床が音を立てた。
でもひとみには懐かしかった。
……ここには父さんがいる。
椅子が数脚、小さな机と棚、ソファにイーゼル。
壁にはたぶん掛かっていた絵を外したような痕跡。
それでも亡き父の面影を僅かに感じることが出来た。
そっとカーテンを開ける。
父さんも見ていたかもしれない景色。
住宅地のように密接はしていないが隣の別荘の庭が見える。
別荘だった、と言った方が正しいのだろう。
もう何年も使われていず、庭も荒れ放題。
門に掲げられた立て札の文字ももう読めない。
お化け屋敷みたいだよねー、って真希が言ってたっけ。
ひとみは父の絵を知らない。
父の生前にこの別荘に来ているはずなのだが、流石に記憶にない。
暫くうろうろと室内を歩き回ってみる。
断片的なごくごく淡い記憶。
父の膝の上、スケッチブックと一緒に抱えられた自分。
少し離れた椅子からその様子を微笑んで見ていた母。
描いても描いてもひとみにも母にも似なかった人物画…。
ふと、本当にひっそりと部屋の隅に置かれたイーゼルに目が留まった。
布に覆われたキャンバスらしきもの。
……裕子姉さん、絵も描いたっけ?
その程度の軽い気持ちで布を剥ぎ取った。
が、次の瞬間、ひとみは言葉を失った。
そこに描かれていたのは一人の少女の肖像画。
未完成のままで、日付はかすれて読めないが20年ほど前か?
記されたイニシャルは紛れもなく父のもの。
父さんに姉はいず、妹は裕子姉さんだけ。
そして絵の中の少女は母さんにも、もちろんひとみにも似ていない。
柔らかく微笑んだ清楚な雰囲気の少女だった。
お互いを見つめる眼差しの優しさを追体験したような気分になった。
- 20 名前:夏はどこへ行った。(10) 投稿日:2001年08月26日(日)15時49分14秒
- 〜とどかないもの〜
ソファに腰掛けて、青年時代の父を見つめる少女。
真剣な眼差しで、しかし時折愛しげに彼女を見つめ画筆を動かす父。
そんな光景がひとみの脳裏に浮かぶ。
時間の流れが止まったような、どこかへ行ってしまった夏。
このモヤモヤした気持ちは何だろう?
嫉妬?
いったい誰に?
怒り?
いったい何に?
キャンバスに顔を近付けて日付を再度確認する。
かなり読み難かったが1976、と読めた。
生きていれば父は44歳になったはずだ。
25年前、母と出会う前の19歳だった父の、きっとそれは……。
ふと我に返って、棚に並べられた書籍類を漁ってみる。
当時の日記でも出てこないだろうか。
作品類と共に処分されただろうか。
だとしたら、何故あの少女の絵だけが残っていたのだろう?
父の過去を詮索したいのでは決してなかった。
何とも表せない感情だけが、ただひとみに行動させていた。
そして、日記よりも確かなものが見付かった。
その少女のスケッチばかりで埋め尽くされたクロッキー帳。
……どんな少女だったのだろう。
きっと父の腕前は不確かなどではなかったのだ。
父はこの少女しか描けなかったのだ。
私も、そして母さんでさえも。
不意に乾いた風が吹き込んだ気がした。
扉は確か閉じていたはず。
真希が帰ってきたのだろうか?
頭で考えるより先に。
クロッキー帳を戻すのも忘れ、ひとみは振り返った。
そこにはその少女が立っていたのだ。
- 21 名前:夏はどこへ行った。(11) 投稿日:2001年08月31日(金)14時11分52秒
- 〜Silent Dream〜
抜けるように色の白い少女だった。
それだけではなくて消えてしまいそうな儚げな雰囲気の。
ペールピンクを基調にした小花模様のワンピース。
肩から羽織った白い半袖のカーディガン。
どことなくオールドファッションなその装いでさえ、
彼女の醸し出している上品さや清楚さに彩りを添えていた。
「……あ、ごめんなさい。
私、ドアが開いていたから勝手に入ってきてしまったの」
口を半開きのまま彼女をじっと見つめていたことに、やっとひとみは気付いた。
清楚でいかにも美少女といった容姿からはちょっと想像し難い声。
アニメっぽいとでも言うのだろうが、高く澄んでると言えなくもない。
もう少し落ち着いた声を想像していたひとみは再び驚いた。
「あの……?」
不安げに少女が訊ね、少し考えるように頬に手をやった。
「………え」
曖昧にひとみが言葉を発すると、それでも彼女は安心したように微笑んだ。
「初めまして。
私、お隣の別荘に来ている石川梨華と言います」
隣、って今言った?
ここ、別荘地でも奥まった辺鄙な場所だから隣ってあの幽霊屋敷しか……。
彼女は父に描かれていた少女なのだろうか?
キャンバスの日付は25年前。
絵の中の少女は自分の両親くらいの年齢になっているはず。
イーゼルに立てかけられたキャンバスと彼女を交互に見比べる。
少女はおかしそうにくすくすと笑った。
「その絵、見ちゃったの?」
そして少し寂しそうな声音で付け加えた。
「完成する前に会えなくなってしまったから、……さん」
……今、父さんの名前を呼んだ?
やっぱり彼女は……。
不思議と恐怖感はなかった。
幽霊って、足あるんだ。
そんなことを考えながら、ひとみも遅い自己紹介をする。
「ひとみ。
吉澤ひとみ、高校1年…」
「それなら私の方が一つお姉さんだわ」
少女はそう答え、笑顔のままで続けた。
「……さんの御親戚の方よね?」
親戚、と言えなくもないだろうと思い頷いた。
血縁も血縁、親子なのだから。
「そうではないかと思ったの。
なんとなく似ているもの、雰囲気が」
彼女………、梨華は少し嬉しそうに呟いた。
- 22 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月02日(日)02時34分02秒
- 石川以上にお嬢様ファッションが似合う子はいないね。
- 23 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月04日(火)01時23分52秒
- たしかにお嬢様ファッションは似合うけど
色白ってのが想像できない(w
続き楽しみにしています。がんばってください。
- 24 名前:夏はどこへ行った。(12) 投稿日:2001年09月04日(火)02時35分13秒
- 〜hourglass(1)〜
窓から射し込む光は、柔らかながら真夏のそれに間違いなかった。
目の前の少女は相変わらず穏やかに微笑んでいる。
落ち着こう、と深呼吸してみる。
自分はこんなに無口だったろうか。
それに真っ昼間に幽霊なんて馬鹿げているのではないか。
確かに似てはいる。
しかし、25年も前の絵に描かれた少女がそのままの姿で存在し得ない。
実は自分のように娘とか親戚とか、と楽観的に考えてみる。
だが彼女を見た瞬間、父の描いていた少女だとひとみは直感した。
理屈ではなかった。
「……さん。」
彼女が不意に沈黙を破った。
「今年もいらっしゃらないのかしら?」
「今年も?」
クロッキー帳をようやく棚に戻しながら、梨華に視線を戻す。
自分で思っていたよりも長くは黙りこくっていなかったようだ。
「私、生まれ付き身体が弱くて…。
冬以外はずっとこの別荘で暮らしているの。」
彼女は控えめに笑う。
艶やかな黒い髪が肩の少し下でさらさらと流れた。
綺麗だ、とひとみは思った。
この瞬間を切り取って、永遠に閉じ込められたら…と誰でも願うだろう。
父のように画筆を取って。
- 25 名前:夏はどこへ行った。(13) 投稿日:2001年09月04日(火)02時51分59秒
- 〜hourglass(2)〜
「なんだか、とても長い間待っているような気がして…。」
傾いた砂時計のガラスの中、永遠に時は流れ続ける。
「お友達もいなくて毎日が退屈なの。
だからきっと、私の時計は狂っているのね。」
少し舌足らずな話し方も、今は意外に心地良くひとみの耳に届いた。
「友達、いなくないじゃん。」
ようやく言葉を絞り出す。
え、と言う形に唇を開いたまま、梨華がひとみを見上げた。
「友達になろうよ、梨華ちゃん。」
本当に嬉しそうに彼女は微笑み、首を縦に振った。
……父さんじゃなくて、ゴメンね。
父と彼女の間の感情がどの程度のものであったのかは分からない。
それを恋と呼ぶのだろうか。
ひとみにはまだよく分からない。
市井先輩のお嫁さんになる、と公言している真希なら分かるのだろうか?
ひとみの頭の中で何かがコトリ、と音を立てた。
心の中だったのかもしれない。
- 26 名前:名無し作者@お初 投稿日:2001年09月04日(火)03時07分04秒
- >>22
どうもです。
実は何色の服を着せるか相当悩んだりしてました…(汗)
>>23
それはわた……(以下自主規制)
どうもありがとうございます、頑張って完結しますね。
- 27 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月04日(火)03時56分52秒
- 初レスっす!!
いや〜、面白いですねこの小説。何やら不思議感が漂っていて……。
これから先も楽しく読まさせていただきます。
- 28 名前:夏はどこへ行った。(14) 投稿日:2001年09月06日(木)05時07分59秒
- 〜すいか(1)〜
「よっすぃー!」
大声で名前を呼ばれて目を覚ます。
どうやらソファでうとうとしてしまったようだ。
……いつの間にリビングに来たんだっけ。
確か梨華と一緒に父のアトリエで話をして…。
もしかしたら夢だったのかもしれない。
などと考えていると、真希が駆け込んできて上にのしかかる。
「重っ!」
押し潰されそうになって思わずひとみは呻いた。
「しつれーな!」
よっすぃーみたいな筋肉女とは違うんだから、と真希は付け足した。
……筋肉女で悪かったな。
振り払うとあっさり真希はソファから転げ落ちてくれた。
べちゃっと床の上に転がったままの真希を見下ろして。
「打ち所でも悪かった?」
ひとみは流石に心配になって声をかける。
「ってゆーか、疲れた……。」
反転して大の字になる真希。
確かに自転車で嬉々として出て行ってからかなり経っている。
「どこで遊び呆けてたんだよ?」
「あの自転車、やっぱオンボロじゃん。」
……はぁ?
「どっか調子悪かったっけ?」
危なかった左のブレーキの事を言っているのだろうか?
真希は無邪気な片えくぼでにっこり笑った。
「あはっ、パンクしたから乗り捨ててきちゃった。」
……こいつわ。
- 29 名前:夏はどこへ行った。(15) 投稿日:2001年09月06日(木)05時47分51秒
- 〜すいか(2)〜
「まーまー、そんな怒んないでよ。」
真希はよいしょっ、と起き上がると脇のトートバッグを引き寄せる。
「また無駄遣い?」
「あんま怒ると血圧上がっちゃうよー?
よっすぃーは低血圧だからいいのかもしんないけどさ。」
郵便でーす、と1枚の葉書。
差出人は後輩の加護亜依と辻希美の仲良しコンビ。
2人とも中等部2年でバレー部員。
たまに指導しているうちに懐かれたようだ。
ふらふら生徒会室とバレー部を行き来している真希とも仲がいい。
宛名は吉澤ひとみ、後藤真希様。
「連名かよ、夫婦みたいだな。」
どーせならいちーちゃん…、と騒ぐ真希は無視。
「『残暑おみまいもうしあげます。』……?きたねー字…。」
「だよねー?」
真希には言われたくなかろうに、と心の中で毒突く。
「この絵、なに?」
「カボちゃんだけにカボチャ?」
爆笑する真希。
「って言うか、すいか?」
いびつな緑の個体には黒い筋があったし、夏だし。
「本物のすいかに会いたい…。」
「じゃあさ、自転車取ってきてー。」
……市井先輩、助けて下さい。
『早く東京に帰ってきてくだちいね。』
小学生並みのミスさえ、ひとみの心を潤すオアシスだった。
- 30 名前:名無し作者@お初 投稿日:2001年09月06日(木)05時53分19秒
- >>27
初レスさま、有り難うございます。
不思議感ですか?最高の褒め言葉、嬉しいです。
……って言うか、一度の分量が長いみたいで(汗)
何度もエラーでかなり削ってます。
ただでさえ分かり難い文なのにかたじけないです…。
- 31 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月08日(土)22時39分06秒
- そのうち
「〜とどくかしら〜」
「〜愛は甘くない〜」
「〜最後のファーストキッス〜」
「〜依存と支配〜」
「〜Love,painful love〜」
が出てくるに5000(0^〜^0)
- 32 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月08日(土)23時32分21秒
- 初めて読みました
白い石川か・・新鮮っすね(w
子供タチのハガキが可愛いです。これからも頑張って下さい
- 33 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月16日(日)00時27分37秒
- 続き期待してるです。
- 34 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)10時31分15秒
- はじめまして、一気に読ませていただきました。
俺も27の方と同じなんですけど、題名からすでに不思議な印象を受けました。
なんか話の中の雰囲気が独特ですね。
梨華ちゃん体弱いんですか。31の上から3番目がありそうで怖い…。
これからも更新頑張って下さい。
- 35 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月16日(日)18時56分26秒
- 「〜夏のまぼろし〜」
「〜完全な愛〜」
「〜ただの恋だから〜」
「〜Circle Game〜」
「〜ささやかな奇跡〜」
「〜優しい雨〜」
「〜すべてはO.K.〜」
「〜月の足音〜」
- 36 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月25日(火)23時42分04秒
- 一ヶ月くらいは余裕で待ってますんで
続きよろしこ(0^〜^0)
- 37 名前:名無し者 投稿日:2001年09月27日(木)01時33分34秒
- 同じく続き待ってます。
- 38 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月16日(火)01時29分25秒
- 続き読みたいです。
- 39 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月16日(火)01時30分06秒
- スマソ
- 40 名前:名無し作者@お初 投稿日:2001年10月24日(水)10時19分39秒
- 色々考えたけど、やっぱり続き書きます!
- 41 名前:名無し作者@お初 投稿日:2001年10月24日(水)10時22分35秒
- どうせなら更新してからageようよ、自分…(w
- 42 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月24日(水)20時31分45秒
- 待ってました。頑張って下さい。
- 43 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月14日(水)18時04分56秒
- 祥子さんですか...
期待っす
- 44 名前:夏はどこへ行った。(16) 投稿日:2001年11月29日(木)19時19分06秒
- 夏とは言ってもすっかり日は傾いて、夜の帳が辺りを包み始めていた。
流石に少し冷えるのでひとみはウィンドブレーカーを引っ張り出す。
散歩なんて言う悠長なものではなく、唯一の足を探しに行くのだが。
自転車を放置してきた張本人は、すっかりリラックスした様子で電話中。
いい加減聞き慣れた甘い声がリビングの前を通った時に聞こえてきた。
「ま、しょうがないか。」
真希には悪気はないのだから、と一人ごちる。
決して今日の夕飯がひとみの好物ばかりだったからではない。
真希が何か言いたそうに熱っぽく自分を見つめていたからでもない。
懐中電灯を持ってくれば良かったと気付いたのは門を出てから。
見上げると空には蒼い月。
こんな日もあったって悪くない。
どこに乗り捨ててきたのか聞いてくるのも忘れていたが、何とかなるだろう。
ジーンズのポケットに手を突っ込むと少しうきうきした気分で歩き出す。
幼い頃に近所の仲間とこっそり探検に行くような、そんな気分。
- 45 名前:夏はどこへ行った。(17) 投稿日:2001年11月29日(木)19時25分06秒
- 広い通りまでは一本道。
自分達の別荘から離れるにつれて、点在していた別荘の数が増えてくる。
昼間に通るのとはまた違って見えて、なかなか面白い。
あまりじっと眺めていても挙動不審だろう。
とりあえず、まずは目的達成。
とは言っても、昼間に乗り捨ててきた自転車がまだあるかどうかは…。
が、呆気ないほどすぐに自転車は見付かった。
東京の自宅付近でならこの程度の放置自転車ならすぐなくなってしまうだろう。
別荘地という土地柄なのだろうか。
乗る訳にもいかないので、自転車をコトコト引きながらもと来た道を引き返す。
道に迷ったのではなかった。
不意に視界が明るくなったのは本当に突然だった。
目の前に宝石箱があった。
こんな所に湖なんてあっただろうか?
水面はあくまで静かに月を星々を、空を写していた。
星が一つ、二つ、空を流れる。
流れ星に願い事なんてするほど自分は子供じゃない。
でも無意識に願っていたのだろうか。
……会いたい、と。
- 46 名前:名無し作者@お初 投稿日:2001年11月29日(木)19時44分33秒
- お久しぶりの更新です。
レスありがとうございます、嬉しいですし励みになります。
もう冬ですが(笑)のんびりまったり欠いていきたいと思います。
更新ペースはひっじょーに遅いですが、良かったらお付き合い下さい。
サブタイトルは付けるのやめました。
ファンの方ごめんなさい、題名くらいは許してやって下さい(ぺこり)。
- 47 名前:名無し作者@お初 投稿日:2001年11月29日(木)20時05分13秒
- 欠いちゃだめだ、私。
書いていきたいと思います(汗)
- 48 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月02日(日)06時25分23秒
- 冬に読む夏のお話というのもいい感じです。
心があたたかくなるというか。
更新頑張って下さい。
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