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世界の終わりを告げる歌
- 1 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月20日(月)06時05分05秒
- いしよしです。
コテハンあるんですが、ちょっと暗めのお話なので匿名で。
更新スピードは遅いですが、気長にまってください。
- 2 名前:プロローグ 投稿日:2001年08月20日(月)06時09分02秒
- 今日も私の知らない人が死んだ。
こうやって死んだ人の数を、
消してしまった街の数を数え始めて、もう何年になるだろう。
でも……
死神といわれても、人間じゃないといわれても、
私は生きていたい…。
生きて、生きて、生きたい。
浅ましくてもいい。醜くてもいい。
生きて…恋がしたい……。
- 3 名前:第一章 偽りの平和@ 投稿日:2001年08月20日(月)06時16分25秒
- 最近、この街ではぶっそうな噂が多い。
○○さんが神隠しに遭ったとか。
山の中に自衛隊の秘密基地があって、そこで改造手術されちゃったとか。
世界は終わりに近づいていて、
人類が滅亡するまでもうわずかな時間しか残されていない、とか。
半分はくだらない子供の都市伝説みたいな噂で、
親友のごっちんから何度も聞かされていたけれど、
私はまじめに聞いていなかった。
でも、その中の噂の一つが真実だったことを、
私は後に知ることとなる。
- 4 名前:第一章 偽りの平和A 投稿日:2001年08月20日(月)06時39分00秒
- 「おはよー、よっすぃー!」
後ろからかけられた、聞き覚えのある声。
振り返ると親友であるごっちんが、すごい勢いで走ってきていた。
「あ、おはよ、ごっちん。そんなに急いでどうしたの?」
ごっちんはキキキィッと音を立てて立ち止まると、私の横について歩く。
「いやぁ〜、新しい噂を仕入れたからさ、よすぃ子にもおすそ分けしようと思って」
「新しい噂? また市井さんから聞いたの?」
市井さんというのはごっちんの恋人で、私たちより二つ年上のすげー男前の人だ。
元々はうちらの学校の先輩だったんだけど、去年なにを思ったのか、
『自衛隊に入る』とだけ言い残して、学校を去ってしまった謎な方である。
眉目秀麗、文武両刀。
数々の美辞麗句をモノにしていたすごい人で、
今でも学校内には彼女の伝説とも言える偉業が噂されている程の人なのだ。
「で、今度は何だって?」
「前に改造手術をされちゃった人の話をしたじゃない?」
えっと…そうだったっけなあ…。
聞いたような聞かなかったような話に、遠い目をする私。
そんな私の表情に気づいてか、
「ほらぁ〜、この間一緒にベーグル食べに行ったじゃん?
そのときにした話だよー」
「あ、そうだった。そうだった。確かに聞いた。
で、その改造手術がどうしたの?」
「な、な、なぁ〜んと! その改造手術されちゃった人が本当にいるんだって!」
はぁ?
なんだ、また御伽噺かよ…。まじめに聞いて損した……。
そんなことを思う私に気づかずに、ごっちんは一人目を輝かせて話を続けている。
「あ、私今日は寄る所があるんだわ。ごめん、先に帰って?」
「え? あ…うん。じゃあ、また新しい話を仕入れたらよすぃ子に真っ先に教えるね!」
いや、噂話はもういいんですってば…。
私は踵を返すと、駅の方へと向かって歩き出した。
- 5 名前:JAM 投稿日:2001年08月20日(月)07時12分20秒
- >>4
11行目の
「文武両刀」は「文武両道」じゃないですか?
それともわたしの方がまちがえてるんですかね?
とりあえず気になったので・・・
間違いでしたらスミマセン・・・m(_ _)m
- 6 名前:名無し男 投稿日:2001年08月20日(月)14時28分09秒
- およ、死神石川か?面白そうだ。
- 7 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月20日(月)19時13分05秒
- 自衛隊!!
さすがちゃむ!
- 8 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月21日(火)03時58分20秒
- >>5
(^▽^)<そうでーす。文武『両道』ですねー。
作者さん、寝起き頭でいつも書いてるものだから、
間違っちゃったみたいです。えへ
>>6
( `.∀´)<石川は死神って言うより、疫病神の方が似合ってるけどね!
(T▽T)<そ、そんな…。保田さん、ひどいですぅ……。
>>7
ヽ^∀^ノ<そ、そう? なんか褒められちゃうと照れるっすよ。
( ´ Д `)<でも、いちーちゃんと会えなくなってごとーはさびしーかも。
- 9 名前:第一章 偽りの平和B 投稿日:2001年08月22日(水)06時00分15秒
- 私は駅の改札をくぐると、繁華街の方へと向かう電車に飛び込んだ。
むせ返るような人の波を乗せて、
ゴトンゴトンという規則的な音を立てながら、電車は前へと進む。
ぼんやりと窓の外の景色が流れているのを見ていると、不意に電車が止まった。
な、なんだ?
電車内にざわめきが起きる。
耳を澄ますと遠くからサイレンの音が聞こえる……。
『お客様にお詫びとお知らせを申し上げます。
この先のA区に起きまして、非常非難警報が発令されました。
ただいまの時刻16時05分より一時間、この先は被災区となり通行止めとなります。
お急ぎの方には申し訳ありませんが、ご了承願いますことを……』
- 10 名前:第一章 偽りの平和C 投稿日:2001年08月22日(水)15時31分52秒
- 避難警報?
被災区??
突然のアナウンスに、私は頭の中が真っ白になった。
確かにこの国が戦争をやっているという噂は知っていた。
でも、本当のことだったなんて……!
私は窓に張り付くように外の景色に目を凝らす。
夕暮れに茜差した空はいつもと変わりがなくて……
どうしてもこの先で『戦争』をやっているなんて信じられなかった。
- 11 名前:第一章 偽りの平和(5) 投稿日:2001年08月24日(金)08時30分05秒
- チカッ…。
ん…?
不意に空の向こうで何かが光ったような…。
見間違い…かな?
チカッ、チカッ…
やっぱり見間違いなんかじゃない!!
夕日とは反対の方向、東の空の向こうで小さな光がいくつも現われては消えていた。
その光が現われる度に、空には白と黒が混じったような一条の線が描かれる。
これって…まさか……!?
私は思い切り目を凝らす――これでも視力は両方とも1.5だ。
そうやって目を凝らして見つめた先には、なにか――本当に何か小さいものと、
その小さいものを取り囲むように空中を飛行している戦闘機の群れだった。
- 12 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月24日(金)21時57分21秒
- これって、元ネタありですか?
- 13 名前:第一章 偽りの平和(6) 投稿日:2001年08月25日(土)06時13分42秒
- 性能の違いなのか操縦者の腕の違いなのか、
一機、また一機と地面へ白い尾を引いて落ちていく戦闘機。
私が最初に気づいた時には十数機いた戦闘機の群れは、
わずか数分のうちに、その3分の2以上をあの小さいものに撃墜されていた。
「すごい…」
思わず感嘆のため息を漏らしてしまう。
電車の窓越しに見る『戦争』はリアル感なんてなくて、
まるで映画やゲームの世界のことのように、感じる。
そんなことを思っているうちに『戦争』は終わったらしく、
あれだけいた戦闘機の群れはすべて地に墜ち、空は茜色の静寂を取り戻していた。
勝者であるところのあの小さいものは、何度か旋回をするとおもむろに地面へと降り立っていく。
それを見た瞬間、私はなにを思ったのか電車の窓をあけると、おもむろに窓から飛び出してしまった。
自分でもこの気持ちが何なのかわからない。
ただ、あの小さいものをもう少し見ていたかったんだと思う。
私は電車に乗っていた周りの人たちの制止を振り切ると、まだ黒煙が上る街へと走り出した。
- 14 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月25日(土)06時18分27秒
- 強制終了とエラーの嵐しで、ちょっとしょんぼり。
一気に大量に書ける人じゃないので少しずつしか交信できなくて、ごめんなさい。
その分、二日に一度は交信する予定なので…。
>>12
(0^〜^0)いちお、高橋しんの『最終兵器彼女』が元ネタらしいよ。
世界観とヒロイン設定だけ一緒で、ストーリーは変えるみたいだけどね。
- 15 名前:12 投稿日:2001年08月25日(土)23時13分41秒
- やっぱりってカンジ。
最終兵器、大好きなんで期待してます。
- 16 名前:第一章 偽りの平和(7) 投稿日:2001年08月27日(月)07時34分02秒
- 街の中へ入ると、そこは惨憺たる現状だった。
戦闘機が墜落した時にぶつかり、抉るように壊れた建物。
元は戦闘機の一部だと思われる破片。それらから流れてくる赤黒い液体。
ガソリンのような、オイルのむせ返るような匂い。
街のいたるところに『戦争』が充満している。
「これ、後片付けが大変だろうな」
この状況にどこかが麻痺しているのか、ぼんやりとそんなことを考える。
学生ボランティアとか言って、きっとうちらがやらされるんだろうな、はぁ…。
そういえば、あの小さいものはどこに行ったんだろう?
きょろきょろとあたりを見回しながら、
電車の中で見た小さいものが降りていった場所へと歩みを進めていく。
『確かこのあたりだったような……」
三つ目の信号を曲がり、ひときわ大きく抉られたビルの横を通り過ぎたとき、
私は『それ』と出会った。
- 17 名前:第一章 偽りの平和(7,5) 投稿日:2001年08月27日(月)07時37分20秒
- 幕間
出会わなければ良かったのに。
そうしたらこんなに苦しませずにすんだのに。
あなたが他人のままだったら……躊躇することなく、
殺してあげることがきっと出来た。
ごめんね、ひとみちゃん……。
- 18 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月27日(月)07時38分33秒
- >>15
(^▽^)期待にこたえられるように頑張ります
( `.∀´)というわけで、作者。きりきり書きなさいよ!
- 19 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月27日(月)23時36分25秒
- 好きな雰囲気です。
がんばってください。
チャーミーのコメント希望(w
- 20 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月28日(火)04時21分27秒
- >>19
(^▽^)<ちゃおー。ご指名ありがとうございま〜す。
チャーミーこと、石川です〜
石川はですね〜、こういう暗い雰囲気よりも、
明るいコメディタッチの方が好きなんですけど、
でも、そのうち愛しいあの人ラブラブになったりして、キャッ、恥ずかしい…
(以下、900行省略)…なんですよ〜。でも、頑張りますのでよろしくお願いします
( `.∀´)<ながっ!
- 21 名前:名無し男 投稿日:2001年08月28日(火)15時19分41秒
- 憲法改正の波がここにも・・・!!
ジェー隊は(^▽^)<どーなるんですか〜♪
- 22 名前:偽りの平和(8) 投稿日:2001年08月30日(木)06時58分19秒
- ――後に人々から『死神』とも、『救いの主』とも呼ばれることになるそれは、
私と同じくらいの年の少女の姿をしていた。
白い光に包まれて『それ』はゆっくりと、遥かな高みから降下していた。
私はその一種幻想的とも言える光景を、
ぼんやりと見惚れている事しか出来なかった。
「きれい…」
思わず口をつく言葉。
――まずい。
慌てて口を抑えたけれどすでに遅く、その声が聞こえたのか、
『それ』は私の方へとその閉じていた瞳を向ける。
視線が合う私たち。
――め、目が合っちゃった…。これってまずいんじゃ…。
何かを言わなきゃ…。
そう思うけれど、焦りと混乱で言いたい言葉が見つからない。
そして、
意外にも先に言葉を発したのは、『それ』――少女の方からだった。
- 23 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月30日(木)07時01分02秒
- >>21
ヽ^∀^ノここだけの話し、自衛隊はほとんど壊滅してるっす。
第一章の状況で現存してる兵力は、今の日本の自衛隊の約20%ぐらい。
でも自衛隊だけじゃなくて、どこの国の軍隊もそれぐらいなんだけどね。
- 24 名前:偽りの平和(9) 投稿日:2001年09月02日(日)18時25分11秒
- 「きゃああああ! ど、どうして人がいるのぉーー?」
甘ったるい、どこかアニメの声優のような高い声が、
廃墟と化した街の一角に響き渡った。
それは声…というより悲鳴に近かったけれど。
「ここは避難区域になっていたはずなのに…」
「あ、あの…入っちゃまずいなんて知らなかったから…」
「入っちゃいけないに決まって…あ、あれ? あれれれれ…?」
気が緩んだのか、空中でぐらつく少女の体。
そして…
ひゅうううううう……ぽて。
「あ、落ちた…」
「あぅ…。あいたたたたた」
次の瞬間、少女は目の端に涙を浮かべながら地面に這いつくばっていた。
- 25 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月04日(火)02時38分28秒
- >>ひゅうううううう……ぽて。
この効果音、すごいかわいいです(w
- 26 名前:名無し男 投稿日:2001年09月04日(火)09時21分31秒
- 展開ががらりと変わった。
チェンジオブペースか?
- 27 名前:偽りの平和(10) 投稿日:2001年09月05日(水)07時17分02秒
- 「だ、大丈夫?」
あわてて、手を差し出す私。
「だ、大丈夫大丈夫。こんなこといつもの事だから」
素直に手を取り、体を起こす少女。
って、いつも落ちてるんかい…。
「起こしてくれてありがとう」
「いや、元々ウチが驚かせちゃった所為だし」
「あはは、そうだね。
でもね、助けてもらったのは嬉しいんだけど…、
私の姿を見た人は消さないといけないことになってるの」
申し訳なさそうに少女が私のほうを見やる。
ちょっと待て!?
消す?
消すって、あの漫画とかで言うところの「殺す」と同意義のあれなわけ?
「ちょっとまっ…」
「あなたが悪いわけじゃないのにね」
あくまでも、申し訳なさそうに少女が言う。
めきめき……。何かを突き破るような鈍い音。
華奢な少女の腕が巨大な銃器へと姿を変えていく。
「ごめんね…」
申し訳なさそうに言うその声を聞いた瞬間、
私の視界は光に包まれた。
- 28 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月05日(水)07時21分40秒
- >>25
どうもありがとうございます。
もっと可愛い効果音を使っていけるように頑張ります(w
>>26
別に変わったわけじゃないのだけど、
石川が出ると、どうもシリアスにならないみたいで…(苦笑)
- 29 名前:名無し男 投稿日:2001年09月05日(水)19時35分59秒
- まさにターミネーチャンだな。
- 30 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月13日(木)23時22分04秒
- 申し訳ない顔をしつつ銃器を向ける石川……。
う〜ん、シュールだ。
続き期待してまっす!
- 31 名前:名無し男 投稿日:2001年09月14日(金)00時26分43秒
- ターミネーチャンの続きを見たいのだが・・・
- 32 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月09日(火)18時15分22秒
- 作者さん…。
- 33 名前:ぶんや 投稿日:2001年11月05日(月)01時47分41秒
- 2ヶ月放置さらし上げ
- 34 名前:偽りの平和(11) 投稿日:2001年11月07日(水)18時04分23秒
- 少女の申し訳なさそうな声が終わると同時に、
目を灼きそうな程のまぶしい閃光(ひかり)が周囲を包んだ。
うそ…? こんなんで私、死んじゃうの…?
まだ恋も…えっち…もしてないのに…やだよ。
こんなのいやだ…っ!
「うわーーーーーーーー!!」
- 35 名前:偽りの平和(12) 投稿日:2001年11月07日(水)18時11分34秒
- 「うわーーーーーーーーー……って、あれ? 痛く…ない…?」
恐る恐る目をあける。
そこは閃光に包まれる以前と変わらないままで…
ぷしゅううううぅぅぅぅ…。
「ね、燃料切れ……きゅう」
ばたん……。
――少女はそれだけ呟くと、
銃器と化した腕から黙々と白煙を噴き出しながら、気を失ったのだった。
- 36 名前:名無しさん 投稿日:2001年11月07日(水)18時14分13秒
- 交信遅くなってすみません。
しばらくPCに触れなかったり、新しい仕事を始めたりで、
交信する事が出来ませんでした(−−;
晒し上げされちゃうとは…自分の事ながら情けない話ですな。スマソ。
- 37 名前:hiro 投稿日:2001年11月07日(水)23時18分17秒
- ね・・・燃料切れ・・・。
彼女なら・・・やりそう・・・。
たしかに ちせ と りかっち 印象重なりそうですよね・・・。
楽しみにしています!
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