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飛べない天使
- 1 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)01時37分25秒
- 初めて書かしてもらいます。
題名とは裏腹にガンダムでいきます。
完全オリジナルでガンダムを知ってる人も知らない人も楽しめたらいいと思います。
MSも勝手につくります
メンバーは全員だしたいと思います。のの主役で のの語はしゃべりません
更新はなるたけ早くできたらいいと思います。
では、よろしくお願いいたします。
- 2 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)01時37分58秒
- 〜プロローグ〜
pipipipi!
レーダーらしき機械が過敏に反応する。
「来ました!情報通りです!」
モニターを見ていた兵士が叫ぶしかしその制服は連邦軍のそれとは違っていた。
「来たか...金はかかったがその甲斐があった...。」
一隻の軍用艦がコロニーに入って行く...
上官らしき男の口が少しゆるむが手でそれを直す
「真希..頼んだぞ、お前の手で奴らの希望の象徴を我らUFAの手に...」
上官の男の横にたたずむ少女の肩に手をかける
「コクン」真希と呼ばれた少女が静かにうなずく
ゴォォォォォ
そして一隻の宇宙船がまだできたばかりの新造のコロニーに入って行く....
- 3 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)01時38分45秒
- 〜第一話 悲劇の歌〜
ザンスカール戦争から数十年...
フロンティアサイドとは別の企画で作られた新たなコロニー郡サイド9
その中でも特に新しいコロニー「イタバシ」
まだ出来て間も無い為人口は少ない
- 4 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)01時39分26秒
- ゴォォォォォォ.....!
一隻の軍用艦が降りていく...その光景を見上げる一人の少女の姿があった。
「また戦艦?最近多いな〜連邦軍はまた戦争を始めるって言うの?」
そう言うと少女は時計を見る
「あ!いけない!もうこんな時間!?早く帰らないと皆心配するよ〜!」
少女は前かごに荷物が詰まった自転車を全速力で漕ぎ出す
「ただいまー!」
ちょっと古い家のドアを開け少女が元気よく叫ぶ
すると2秒か3秒たった後、
家のあちらこちらからドタドタ!っと何かが近ずく...
「ののねーお帰りー!!」
「遅いよー!」
「お腹すいたー!!」
少女よりもっと幼い子供達が口々に言いたい事を言う
「ごめんねーいそいだんだけど....」
少女と子供達がしゃべっていると家の奥から人影が近ずく
「お帰りなさい希美...」
- 5 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)02時04分14秒
- 「ただいまマザー!」
希美と呼ばれた少女は笑顔を見せる八重歯がかわいい笑顔だ
ここは孤児院である
希美は数年前に起こった木星共和国との戦争で両親を無くしている
「ののねー知ってる?」
一番小さな女の子が希美の袖をひっぱりながら言う
「ガンダムだよ!MSガ・ン・ダ・ム!」
次に一番体格のいい男の子が希美にしゃべりかける
「ガ...ン..ダム?」
希美はそれがなにかわからなかった
「ガンダムも知らないの?今ここの連邦軍の基地にあるんだってー」
「街で皆がウワサしてたよー!」
子供達がまた口々にしゃべりだす
「へぇ〜ガンダムね〜でも私はMS嫌いだから...」
そう言い希美は奥へと入って行った
- 6 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)02時53分52秒
- ガヤガヤ
「みんな離れないでねー」
混雑した市場に希美と子供達数人が手を繋いで歩く
すると「ドン!」一人の男が希美にぶつかる
「イタ!」と、声を上げしりもちをつく
「ぶつかったらあやまってほしいよ〜」
ため息まじりに言う
「ねーちゃん!サイフは!?」
「え?」と思いポケットを調べる
「無い!スラれたよ!」
希美は上を向き男のほうを見る男は人ごみをすり抜けて行く
「スリーだ!スリー!」
そう言いながら希美はスリを追いかける
「待て−!!」
しかし、スリとの間は一向に狭まらない
希美が叫んだ事によって人々が騒ぎだし逆に希美の進路の邪魔をする形になった
スリがもうおって来れないだろうと油断したその時!
「ドン!!」
スリの体が宙を舞い地面に激しく打ち付けられた
- 7 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)03時25分00秒
- 「!」おどろく希美
タッタッタ
スリの元に近ずくそこには一人の少女がたっていた
「君のでしょこれ?」
「あ、ありがろうごらいます!」
下足らずな希美は早口の時はこーゆうしゃべり方になる
「もうとられるんじゃないよ」
そう言い残し少女は去って行った
「あ!.....」
言葉が喉に詰まる
「ねーちゃーん!!」
「みんな...」
ちょっと気が抜けた声で返事をする希美
「今の人誰?」
「お金大丈夫だった?」
「ののねーはほんと!どじなんだから〜」
などと皆、口々に好き放題言う
それを聞きながら(そうだ!お礼いわなきゃ!)
少女が歩いて行ったほうに走りだす希美
「ねーちゃん?」
「ごめん!先帰ってて!!」
そう言い走って行く
- 8 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)04時00分33秒
- ハァハァ!
希美は少女を追いかけたが見つからなくて小さな丘に来ていた
そこは街を一望できる場所なので希美はこの場所が好きだった
丘に腰を降ろし
「あの人どこにいったんだろう?ここから探したら見つかるかな?」
希美は時々天然な部分を見せる...
しかしその天然さが功をそうする時がある
「ここの景色は綺麗だね」
「!」急に誰かに話かけられビックリする
横を見るとさっきの少女がたっていた
「何?私の後を追いかけて来たでしょ?君」
「え?あ、あの!....」
急に現れたのもあるがその少女の雰囲気もあるが威圧感というかそんなのに
ちょっとドギマギする
「あ、あのお礼を言おうと思って!さっきはありがとうございました」
ぺこりとおじぎをする希美
「さっきも聞いたよ」
- 9 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)04時52分55秒
- 「え?」
希美が聞き返す
「さっきも聞いたよありがろうごらいますって」
少女がさっきの希美の口調をまねする
「そ、そんな風に言ってましたか?」
「クスクス、言ってたよ。かわいいね」
「え?あ、あの!」
照れる希美
「クスクス、私の名前は真希、君は?」
「あ、の、希美って言います....ま...真希さん...」
「かわいい名前ねののみちゃん」
真希にはちゃんと希美と聞こえていたが希美の事をからかう
「あ、いや希美です..で、でもひとにはよく言われます...」
「まあいいじゃん、ののみちゃんで、クスクス」
希美のおどおどした様子をみて微笑する
「この近くに住んでるの?」
「は、はい、この近くの孤児院にすんでます」
「そう....」
一瞬少し寂しげな顔になった真希を希美はみのがさなかった
「あの....!」
その時
pipipipi....!
「あ!電話が!」
希美は電話を取ろうとした時
「それじゃあ、私行くねののみちゃん!」
「あ!はい真希さん」
希美は軽くおじぎをする
その時真希が小声で......
- 10 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)05時25分33秒
- ―ハヤクココカラニゲタホウガイイ―
希美はその日、真希の言った言葉の意味が理解できなかった
(どーゆことなんだろう....)
―ちゃん!ねーちゃん!
「え?」
ハッとあたりの様子を見渡す希美
「な,何?何かいった?」
やれやれとため息をつきながら希美に言う
「明日は早くに帰っても遅くに帰ってもだめだよ」
「?なんだ?そのむずかしい注文は」
「とにかく明日は晩ご飯ぐらいに帰ってきてねそれ以外はだめだよ!」
「わ、わかたよ〜」
なんでなんだ〜と思いつつも明日はやる事があるのでちょうどいいと思った
- 11 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)06時14分36秒
- この日希美は朝から街をうろついていた
孤児院の皆に追い出されたのもあるが人を探していた
(真希さんに会って昨日言ってた事に付いて聞かなくっちゃ)
希美は探しまくったが真希の姿はどこにもなかった
そして希美は昨日真希と会った丘についた
その時には沈まない太陽が夕焼け色になっていた
(そろそろ帰らなきゃ....)
そう思い帰ろうとした時、向こうのほうに探してた人を見つけた
(あ、真希さん!)
やっと見つけた真希がうれしくて呼ぼうとした時に希美は違和感を感じた
(連邦軍の制服....)
希美の嫌いなものの一つだった
(真希さんは連邦軍の兵士だったんですか....?)
その希美の目の先で真希は目の前にある連邦軍の施設に入って行った
(........)
ピキーーン
突然、希美の脳裏に何か嫌な予感というか何か嫌な感じが突然ふって沸いてきた
(真希さん?......)
希美の足は自然と連邦軍施設に向いていた
あたりは暗く夜を告げていた。
- 12 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)13時20分48秒
- (真希さん...どこにいったんだろう...?)
忍びこんだ連邦施設内で真希を探す希美
(私何してんだろ...)
『やはり安倍中尉にはM1は動かせないか...』
廊下の奥から人の話声が近ずいてくる
(やばい!どっか隠れなくちゃ!)
希美は見つからないように身を隠した
『NT研究所から人材を回してもらうしかないな』
今の希美にはとうていわからない話を連邦の士官がしながら過ぎていく
その時
「あなた、ここで何してるの?」
- 13 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)13時53分45秒
- 「!」希美は声のした方をおそるおそる振り向く
「あ、あの....」
後ろを振り向くと一人の女性士官が立っていた
「あなた...一般人よね...ここは軍の施設なのよ、わっかてるの?」
「あの!す、すいません!すぐ出て行きますから、だから...」
そんなことで見逃してもらえるぐらいで世の中甘くないわけで..
「まちなさい!あなた軍の施設に入るのがどれだけ重罪かわかってるの?」
「あの...あの....」
あわてる希美その時
ドーン!
『何?』
二人は一斉に音のした方向をみるがその瞬間
ドドドドドドド!!
施設内に何発もの爆発音が響き渡る
- 14 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)14時24分35秒
- ドンドンドンドン!
施設が大きくゆれ崩れはじめた。
「きゃあ!」
何が起こっているかわからない希美
ガガガガ!
希美の上の天井が崩れる
「あぶない!」
ガバッ!
女性士官が希美を弾き飛ばす
ドドドドドドン!
あたりに砂煙が立ち込める
- 15 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)15時00分47秒
- 「うぅう...」
立ち込める砂煙の中で希美が立ち上がる
「!」
希美は横で倒れている女性士官を見つけるどうやら怪我をしているようだ
「大丈夫ですか!」
希美は女性士官の肩をだく
「怪我は....ない..ようね...よかっ...」
「!気を....気を失っただけだ...」
少しホッとするが今、何が起こってるのかはわからないでいた
「どうしよう....」
その時、建物にアナウンスが走る
『コロニー内部に未確認MS出現!パイロットは至急迎撃せよ!』
- 16 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)15時02分07秒
- (何!なんなの...!)
希美は震えが止まらないでいた
「中尉!」
一人の連邦兵が近ずいてくる
「君!どうしたんだこんな所で!」
希美の姿を見た連邦兵がおどろいて聞く
「そ、そんなことよりもこの人を!」
「あ、ああ!」
その女性士官を連邦兵に預けると希美は走りだした
「君!」
もう声など聞こえないでいた
(みんな!無事でいて!)
- 17 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)15時57分41秒
- タッタッタッタッ!
「あれ?ここは....」
外に出ようとしていた希美だがいつのまにか何かの格納庫にきていた
「何...ここ..」
その格納庫は何かによって破壊されていて何も入ってないMSデッキ、
粉々に粉砕されたMSが一体...壁は何かが突き破っていった後がある
GaaaaaGaGa!
希美の横にある通信機らしきものから音がもれる
『だれだ!M3に乗っているのは!』
『ガー.......。』
『おい!返事をしろ!おい!お....や、やめろー!!』
『ガーーーー......。』
何か希美には想像できない世界がその機械の向こうで起こっていた
- 18 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)16時28分49秒
- 連邦施設の外...
『おい!まだ味方の援軍は来ないのか!』
『ガー!駄目です!格納庫にあったGM5はほぼ破壊されています!』
『くそ!なんて事だ!』
『ガー!隊長!基地からガンダムM3が!』
基地からガンダムと呼ばれたMSが出てくる
『乗っているのは誰だ?安倍中尉か!?まあ誰でもいい奴らをたのむGM5じゃ...』
そう言いかけて男はおどろく物を見た
『お、おい!冗談はよせ!』
男の前にはライフルをこっちに向けるガンダムの姿があった
『お、お、やめろ!や、や....め...』
ドーーーン!!
見事にコックピットのみを打ち抜かれたMSが倒れる
『隊長―――――!!』
部下が叫んだ瞬間にそのMSのコックピットに何かがつきささる
- 19 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)17時00分30秒
- ビームサーベルが突き刺さったMSが倒れる
その影から二体の謎のMSが現れる
『ピ――...後藤少尉よくやった』
謎のMSから通信が入る
『前田中尉...まだ安心するのは早いです。港にとまっている戦艦ダンスサイトから
多数のMSがこっちに接近しています』
『了解、少尉はガンダムを無事もって帰る事だけを考えるんだ敵MSは我らにまかせるのだ』
ゴォォォォォ
ブースターをふかせ三体のMSが飛んで行く
- 20 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)17時17分30秒
- 三体のMSが飛んでいくのを希美は壊れた壁から見ていた
「あっちは孤児院がある方向!みんな!」
その時希美は瓦礫に埋もれている一体のMSが目に入った
「なんで、今まで気が付かなかったんだ?」
ピキーン!
希美は何かに呼ばれた気がした、そして
足が勝手にそのMSへと歩みだしていた
- 21 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)18時17分38秒
- ペガサス級強襲揚陸母艦ダンスサイト....
「艦長!基地からMSが一機でてきました!」
オペレ−タが叫ぶ
「何やて!そんで機体はなんや!」
「待ってください....機体番号照合.....でました!ガンダムM1です!」
それを聞いた艦長の眉がピクッと動いた
「M1?あそこにNT能力者がおったんか?」
「おそらく安倍中尉ではないかと....」
(果たしてほんまにそうか....安倍にM1を動かせるほどのNT能力があるんか)
そう思いつつ
「ダンスサイト発進や!市街地から敵をなるたけ離すんや!」
一指し指を突き出し艦全体に命令する
- 22 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)18時49分41秒
- (私何をしてるんだろ...なにを...)
『pipipi..少尉!ダンスサイトが出てきた!急いで船に戻るんだ!』
『了解!.....』
pipi!
「ん?この反応は...」
真希がその反応の場所を見る
『ガンダムM1....』
その方角からガンダムM1が迫ってくる
「街が火の海....」
ガンダムM1に乗った希美は街の光景を見てがく然とした
「ゆるさない!人の生活を踏みにじって」
ガンダムM1のスラスターを全開にする
- 23 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)19時40分34秒
- 『ガンダムM1...私が倒してくれる!』
前田がM1に突っ込んで行く
『中尉!バイセイコーでは無理です!引きましょう!』
『少尉こそ早く引くんだ!』
『中尉!!』
「く、来る!なにかぶ、武器は..?」
そういいながら手元にある小型モニターで武器を調べる希美
pi!pi!pi!
「なに?ショルダーにビームサーベル?と...腕にインコム?」
そういってる間にMSバイセイコーが近づいてくる
「何をしている!素人か!?」
バン!バン!
ビームライフルを二発発射させる前田
「きゃあ!来る!」
ガン!ガン!
ビームが二発ともM1に直撃する
- 24 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)20時10分27秒
- 「何?無傷!?」
ビームが直撃したのに無傷のガンダムを見て前田が驚く
「ビームコーティングか...ならば!」
手の甲の部分からビームサーベルが出てくる
「しねーーーー!!」
バイセイコーがガンダムM1に突っ込む
「だ、大丈夫なの!つ、次はこっちが!」
M1の肩のビームサーベルを抜く
とその同時にバイセイコーがM1に斬りかかる
「うぁぁぁぁぁ!」
希美は無我夢中で手を動かした
ビリッビリ.....
サーベルが鉄を焼く音がする
- 25 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)20時36分11秒
- ビリッ!ビリッ!
バイセイコーの背中からビームサーベルが突き出る
「ハァ!ハァ!わ、私まだ死んでない....」
何かにぶつかり額からでた血をぬぐう希美
「中尉.....だから引けと言ったのに...」
『少尉!ダンスサイトが来ました!早く引きましょう!』
もう一人のバイセイコーのパイロットが真希に言う
『了解.....』
真希は倒れているガンダムM1を横目で見ながら去って行った
- 26 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)21時17分11秒
- ガタッ!ガタン!ガン!
コックピットのドアを無理やり開け希美が倒れるようにM1から降りる
「ハァハァ、か、帰らないと...」
そう言いガンダムを置いたまま孤児院へと走る希美
- 27 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)21時18分33秒
- 「...........」
言葉もなく希美は立っていた少し前まで孤児院と呼ばれていた場所に....
「みんな....ごめんね...」
膝をつき倒れこむ希美の目に一枚の紙が燃える事なく残っていた
希美は紙を手に取った瞬間に絶望とか後悔とかそおゆう物が涙と共にあふれてきた
「歌が....聞こえない.....」
―おねえちゃんお誕生日おめでとう―
宇宙世紀2××年6月17日この日の戦闘を機に希美にとって長く辛い戦争が始まるのであった
くしくもこの日は希美の14回目の誕生日であった.....
- 28 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月22日(水)21時19分28秒
- 〜第一話 悲劇の歌 終〜
- 29 名前:名無しです@29 投稿日:2001年08月22日(水)23時04分53秒
- せつないです…
ののがすごい大人に…新鮮ですね。
NTは…
これからに期待してます〜
頑張ってください〜
- 30 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月23日(木)03時01分04秒
- >>29
はいがんばります,ちょっと夏休みの宿題と言う鬱なものをしなくちゃいけないので
更新は遅くなりますが、まあ期待しないで見守ってください
- 31 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月23日(木)03時02分03秒
- 〜第二話 奪う者と奪われる者〜
サイド9宙域...
巡洋艦トゥギャザー格納庫
「これが、ガンダムか....」
一人の士官がガンダムを見上げる
「はいアナハイムが作成した試作機三体の内の一つで機動力や加速力を重視した
RX系の正統な後継機です」
真希が士官に説明する
「そうか..お前の活躍を聞いたら紗耶香様がどれほど喜ぶか...これからもがんばって
くれ後藤”中尉”」
そう言い残し士官が去って行く
「!平家大佐!今なんて!?」
真希が呼び止めるが平家はそのまま奥へといってしまった
(中尉か....あの子は無事だっただろうか.....)
- 32 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月23日(木)03時02分56秒
- ガタガタガタン!
その音に反応して希美が目を開ける
しかしそこには希美には見覚えもない部屋の景色がひろがった
「ごめん、起こしちゃった?」
希美は頭を半分動かし声の主を見る
(包帯....?手を怪我してるの...?)
そして顔を見る
「!」希美がビックリするのも無理はない連邦基地で希美を助けてくれた女性士官だったのだ
「あなたは.....!あの時の.....」
「なつみよ、安倍なつみ!え〜と....」
言葉を詰まらせる安倍
「希美、辻希美です、安倍さん....」
「よろしくね辻ちゃん!」
明るく安倍が言う
「安倍さん、その手の怪我もしかして.....」
希美がもうしわけなさそうに安倍を見る
「あ!これね、いいよ!全然気にしなくて私が勝手にでしゃばって怪我しただけだよ」
- 33 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月23日(木)12時10分27秒
- 「でも!私の性です!」
そう言い体を起き上がる希美
「いいよ、気にしなくて....それよりなんであんな所にいたの?」
「あ、あの安倍さんは!真希さんって人を知っていますか?
たぶん連邦の人だと思うんですが...」
ちょっと顔を赤らめて希美がいう
「うちの基地にはそんな名前の人はいないよ、その人を探していたの?」
「はい....」
(真希さん無事だといいんだけど.....。)
ドン!ドン!
「はい!」
安倍が返事をする
『中尉!艦長が呼んでいる至急来てくれ』
「わかりました!」
安倍の返事を聞くと足音が遠くに消えて行った
- 34 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月23日(木)13時30分04秒
- 「あの!安倍さん?」
「ん?何?」
聞きにくそうに希美が聞く
「ここはどこなんですか?」
あ!っという顔をする安倍
「ごめん〜言ってなかったね、ここはね戦艦ダンスサイトの中よ」
「ダンスサイト.....?」
「そう!連邦の最新鋭戦艦!
「そうなんですか....」
あまり興味のある顔を見せない希美
「あ!私艦長の所にいかなくちゃ!辻ちゃんは好きにしてていいからね!
自由に船の中を見てまわっていいよ」
しばらくの沈黙のあと安倍がしゃべりだす
「はい、そうします」
「それじゃあね!」と、言い残し安倍が部屋を出て行く
- 35 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月23日(木)13時54分03秒
- とりあえず暇なので希美は艦の中を見て回る事にした
艦の中は昨日の戦闘で壊れた部分を修理したりでみんないそがしそうであった
希美がぶらぶらしていると一番うるさい所についた
ガガガーギギギー
「MSがいっぱいある.....」
そこはMS格納庫であった希美はMSの中にあるMSを見つけた
「あのMSは....」
希美が見つけたMSは昨日、希美が乗り捨てたそう、ガンダムであった
「違うだろ!そこは!こいつはデリケートな機体なんだ!」
「和田主任!コックピットはどうするんですか?」
「そいつは、後でパイロットと一緒に調節する!」
整備士達がガンダムのまわりで言い合っている
希美がこの場所から立ち去ろうとした時
「ガンダムM1、NT専用機NT能力が高い者しか動かせないLMシステムを搭載した
試作ガンダムの一つ....」
- 36 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月23日(木)15時23分11秒
- 「え?」希美が声のした方を向くと一人の少女が立っていた
「あ、あの....」
希美がしゃべろうとすると
「私はみとめない....あなたの事」
「え?」
おどろく希美を尻目に少女はどこかに行ってしまった
(な、なんなの....!!)
- 37 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月23日(木)15時24分17秒
- ゴロゴロゴロロ
希美の前に洗濯物が散らばる
艦の廊下を歩いてる時、十字路で横から洗濯物が倒れて来たのだ
「ごめーん!」
洗濯を倒した女性が希美にあやまる
「あ、いえ、」
そう言い希美も拾うのを手伝う
「ありがとう!えとっ」
「希美です、辻希美あの....」
「希美ちゃん?私はアヤカ、この艦のオペレーターをしてるの」
- 38 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月23日(木)16時25分36秒
- 「ごめんね、手伝わせちゃって」
「いえ、いいです」
アヤカの荷物を半分持ち希美が歩いていると
「そんな!彼女はまだ子供ですよ!」
向こうの方から大声が聞こえてきた
(この声は.....)
「安倍中尉、どうしたんだろあんな大声だして」
アヤカがつぶやく
二人は声のする所へ行く、
そこはブリッジで安倍と艦長らしき人が言いあっていた
- 39 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月23日(木)17時19分55秒
- 「しゃあないやろ!だれもM1は動かせんし、安倍!あんたの腕じゃMSも操縦できんいかんせん戦力不足なんや!」
艦長は椅子にすわりながら頬づえをつきながらしゃべっている
(恐そうな人だな〜)
それが希美の第一印象であった
「でも!中佐は、あんな子供に人を殺せっていうんですか?」
「しかしな、あんなM1を一発で動かせる天然のNTはそうはおらんで、そりゃうちやって....」
言葉がつまるその時
「NTなんて必要ありません!」
- 40 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月23日(木)18時03分08秒
- 希美は後ろを振り返るとさっきのデッキにいた少女がいた
艦長と安倍はこっちを向きその少女を見る
「明日香...!、辻ちゃん、アヤカ」
安倍は希美の姿を見つける
「艦長!NTなんて必要ありません、そんなにNTがほしければNT研究所から連れてくればいい
こんな子供の力を借りなくても!」
そう言い明日香と呼ばれた少女が希美を指さす
「え?私....?」
希美には何を言っているのかわからなかった
「福田大尉、希美ちゃんはまだ...」
アヤカが福田をとがめようとする
「明日香!あんたはちょっとだまっとき!うちが話すから」
そう言うと椅子から降りて希美の前にたった
- 41 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月23日(木)21時19分04秒
- 「え〜と、名前、辻っていうんやな、うちは中澤っていうんや一応この艦の艦長をやってねん」
「は、はい....」
少しおびえる希美
「ああ〜脅えんでいいで、うちはやさしいお姉さんやからな」
「は、はい」
「お姉さんって...」
安倍がボソッとつぶやくと
「そこ!だまっとき!」
「!」希美はさらにびびる
「よう聞いてや、うちらはな、あんたにMSのパイロットとしてこの船に乗ってほしいんや」
「そ、それは、あの、私に死ねって言うんですか?私には無理です...」
目をそらす希美
「今はまだ表面化してへんが、これはかならず大きい戦争になる、
このコロニーの人達のような目に会わせへんためにもうちらは戦うんや!
それにあんたの力を貸してほしいんや」
キッと中澤をにらみつける希美
「嫌です!それは、人殺しの手伝いをしろって言ってるのと同じじゃないですか!」
大声で叫ぶ
「しょせん人は命を奪う者か奪われる者の二種類しかいない....」
福田がつぶやく
ダッ
それを聞いた希美は走ってその場を逃げ出した
- 42 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月23日(木)21時21分43秒
- 巡洋艦トゥギャザー...
ブイーン
ドアが開らいて真希がブリッジに入る
「どうしたんだ中尉?」
ブリッジに入ってきた真希におどろく平家、
真希はめったにはブリッジには来ないのだ
「大佐!ここは引き返してダンスサイトを打ちましょう」
「それは無理だ、私の今の指名はガンダムを本国へ持って帰る事だ」
まあ当然だろうなと真希は思ったが
「しかし、奴らを逃せば危険なような気がします。得にあのガンダムM1が危険です。」
「それは、NTの感と言う奴か?」
「............」
真希は黙るあまり自分をNTと呼ばれるのは好きではないのだ
「中尉は余り心配するな本国までゆっくりしてくれ、
中尉に何かあれば紗耶香様が悲しまれる」
少し黙り
「....わかりました、失礼しました。」
ブイーン
真希がブリッジを出て行く
「そう中尉は心配しなくていいよ、”駒”はもう進めてある...ククク」
平家はうっすら笑みを浮かべる
- 43 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月23日(木)23時56分16秒
- 希美は焼け野原になった街を歩いていた
人は何人か見かけるがそれほど多くない
(何で私が.....人殺しなんかしなくちゃいけないの..)
色々考えながら歩く考えなくてはいけない事がいっぱいあるのだ
希美はいつもの丘についた...
「私、これからどうなるんだろう....」
つぶやきながら腰を降ろす
その目の前に焼きただれた街の真中に着陸しているダンスサイトが見える
「あの船が来なければ...こんな事には...」
怒りがこみあげる....
「辻ちゃん!!」
- 44 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)00時05分38秒
- 「安倍さん....」
安倍が丘のしたにジープに乗って来ていた
バタンッ
安倍がこっちに向かってくる
「辻ちゃん、ごめんね!うちの艦の人達、無神経な人ばかりだから」
「...........」
黙る希美
安倍は希美の横まで来ると
「横すわっていい?」
黙ったままの希美を見て
「じゃあすわるね」
そう言い希美の横にすわる
「辻ちゃん何歳?」
少し考えて希美は
「十さ...昨日で十四になりました。」
「そう.....」
安倍は少し考えるとゆっくりとしゃべり始めた
「私の友達でね昔、辻ちゃんと同じくらいの年の時に戦争に参加した子がいたの
辻ちゃんも覚えてるよね木星共和国との戦争」
- 45 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)00時15分49秒
- 「父さんも母さんもその時に死んだ...」
「じゃあ、いままでどこで暮らしてたの?」
「孤児院で育てられました...でも皆は....」
「ごめん、辛い事を聞いちゃったね」
少し黙り安倍はまたゆっくりとしゃべりだす
「それで、その子は木星共和国との戦いで英雄とまで呼ばれるようになったけど...
その子はその戦いで何も得なかったわ、むしろ失っただけ....
だから、私は辻ちゃんにはそんな目にあってほしくないの..」
希美はビックリした
安倍も自分に戦えといいに来たとばかり思っていたからである
「安倍さんは私に、あのMSに乗れって言わないんですか?」
頭を横に振る安倍
「戦争は大人が始める物だわ、
大人が始める事に子供を担ぎこむもんじゃないわ」
「安倍さん...」
その時――
- 46 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)02時08分10秒
- pipipipi!
安倍の電話がなる
「辻ちゃん、ちょっとごめんね」
そう言い電話を取る安倍
「もしもし」
『中尉!今すぐ艦に戻って下さい!』
電話からもれる大声でアヤカがしゃべる
「どうしたの?アヤカ」
『このコロニーに多数のMSが接近しています
ダンスサイトは住人の収容が済みしだい発射します」
「わかったわ」
そして電話を切る安倍
「辻ちゃん行こう!」
そう言い希美の手を引っ張るが希美はそれを拒む
- 47 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)02時09分18秒
- 「辻ちゃん!」
手を拒まれ驚く安倍
「辻ちゃん!ここにいたらあぶないわ!
それにここのコロニーの人は皆、ダンスサイトで
フォン・ブラウンまで送るのだから一緒に行こ!」
それを聞いた希美は
「わかりました...それなら...」
それを聞いた安倍は希美の手を引きジープまで走った
「それじゃあ、希美ちゃんはここで待っててね」
「はい」
安倍は希美をコロニーの住人が集まっている部屋で
待たせてブリッジへと向かった
- 48 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)02時11分19秒
- コロニーの外....
『いいかい!あんた達!コロニーを外から攻撃して
ダンスサイトを、あぶりだすよ!』
MAに乗った隊長らしき女が命令を出す
「ククク..この大木依吹が、このMAフェロモンが
ガンダムを宇宙の塵にしてあげる」
- 49 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)02時13分28秒
- ダンスサイトブリッジ...
「アヤカ!住人は全員乗り終わったか?」
「いえ、まだです、もう三分で完了します」
「そうか、明日香!いつでも出撃できるよう準備しときや!」
中澤がマイクで格納庫の福田に念を押す
『いつでも、出れます、後は敵を待つだけ..』
ブイーン
安倍がブリッジに入ってくる
「艦長!近くの連邦軍に援護要請を!」
「そんなんわかってる!しかし、
こんなに敵がはよう攻めて来るなんて思ってなかったからな...」
その時――
ズバババババババ!!
- 50 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)07時38分19秒
- 「なんや!アヤカ!報告し!」
「コロニー外部から無数の粒子砲が撃たれています!」
「コロニーごと壊す気なの敵は!」
横の壁につかまる安倍
「このままじゃあかん、ダンスサイト発進や!」
ゴゴゴゴゴ
ダンスサイトが浮上する
ガーン!ガーン!
コロニーの外壁をやぶり数体のMSが現れる
『明日香!頼むで!おっぱらたって!』
叫ぶ中澤
『了解』
ブイーン
ダンスサイトの二本のカタパルトの一つからMSが出てくる
『福田明日香、フォーゲット出る!』
ビシュゥゥゥゥン
福田の後から数体のMSがカタパルトから出て行く
- 51 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)07時40分33秒
- 「あかんな、相手のほうが戦力が上や」
戦いを見て中澤が、ぽろりとつぶやく
ドン!
フォーゲットのミサイルランチャーでバイセイコーが一体爆発する
「まだまだ!次きなさい!」
ミサイルを連射する福田
『艦長!あそこを!』
何かを見つけた福田が指差す
「!」中澤も福田が何を言いたいかがわかったらしく
「よし!アヤカ!進路変更やあの穴から外に出るで!」
中澤が指差した場所には敵MSが入る時に出来た大きな穴があった
- 52 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)07時41分38秒
- 敵の攻撃を受けながらダンスサイトが穴から出る
「よし!抜けたで!」
チュウン!ドン!
「さすがに、敵が多いわね」
福田が珍しく弱音を吐く
ズバー!
フォーゲットの後ろからバイセイコーがビームサーベルで攻撃をしてくる
「しまっ....」
反応が遅れるふ福田
ドカーン!
敵の攻撃が福田に届く前に味方MSのビームがさきにあたった
『大尉、無事ですか?』
福田を助けた兵士が直接回線でしゃべりかける
『ああ、たすかっ......」
福田の言葉が詰まる
ドドドドカーン!
福田の前でMSが何者かに破壊される
- 53 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)07時42分54秒
- 「艦長!この宙域に接近してくる高速な機体があります!」
「なんや!味方か?」
「機体番号照合.......該当なし!未確認M...MA来ます!!」
「よくも味方機を....!」
福田は歯を噛み締めMAの方向に向きを変える
ビュン!ビュン!ビュン!
無数の粒子砲が雨のように降ってくる
「拡散粒子砲!」
- 54 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)07時44分48秒
- ドオーン!ドオーン!
部屋の中に外の爆撃音が響いてくる、時には被弾した反動で部屋がゆれたりする
(恐い.....)
一人、部屋の中で恐怖に打ちひしがれる希美
(なんで、皆あんなに人殺しが好きなの......!)
足に顔をうずめる
ドオーン!
また船がゆれる
「恐いよー!」
希美は顔をあげる、ちょうど自分の目の前のあたりに親子がいるのに気ずく
「お父さん!恐いよ〜!」
子供が父親に抱きつく
「大丈夫だ、お父さんが付いているいるからな、
それに連邦の人達が護ってくれるからな」
それを聞きながら希美は
(何言ってるの?連邦さえこなければこんな事にはならなかったのに....)
そう思っていると
ドカーン!!
- 55 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)07時46分25秒
- いままでで一番大きな振動が艦内に伝わる
「いやーお父さん!死にたくないー!!」
子供が泣き叫ぶ
希美はそれを見て孤児院の子供達の事を、思い出した
(みんな....!)
ガーーン!!
「明日香!」
フォーゲットの左手が弾け飛ぶ
「くっこのままやったら....」
あせる中澤、それを見ていた安倍が
「艦長!まだMSは、残っていますか?」
「!、何ゆうとんのや!そんな手でMSに乗れるか!」
「しかし、今はそんな事を言ってる場合じゃ....」
安倍が続きを言おうとした時アヤカが
「二人とも待って下さい!カタパルトが......!!」
- 56 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)21時00分20秒
- ブイーン
カタパルトからガンダムM1が姿を現す
「ガンダムM1って言う事は、辻ちゃん?辻ちゃんなの!
やめて!あなたには....」
『もう、人が死ぬのは嫌なんです安倍さん』
通信回線の向こうから希美の声が聞こえる
「あんた、ほんまにいいんやな?」
『何を言ってるんですか、これを望んでいたのはあなたでしょ!』
ふぅっと息を吐く中澤
(やれやれ、すっかり嫌われてもうたな)
「辻さん!敵のMAを引き付けて下さい、その隙にフォーゲットを回収します」
アヤカが冷静に希美に説明する
「....わかりました、ガンダムM1、希美!行きます!」
ビシュウウウ ゴオオン!!
- 57 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)21時01分16秒
- 「このMA!」
バン!バン!
左手がないフォーゲットがビームライフルを発射する
パン!パン!
しかしビームを弾くMAフェロモン
「そんなのは効かないよ!」
ビームをものともせずに突っ込んでくるフェロモン
「Iフィールドか.....なら..これで!」
胸部が開き無数のミサイルが発射される
ズドドドドドド!
「ハッハッハッハ!!見える全部見えるよ〜!」
すべてのミサイルを避けるフェロモン
ガキン!
フェロモンから伸びた巨大アームがフォーゲットを襲う
「ここまでか!」
福田は死を覚悟した
- 58 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)21時02分55秒
- ドガン!
「!」
福田の前でフェロモンのアームが吹っ飛ぶ
「なんだ!誰だ!」
あたりを見渡す大木
「誰が、私を助けたんだ?」
不思議な福田の前に線のついたMSの腕があった
「これは....インコム!」
シュルルルルルっと腕が戻っていくとそこにガンダムがいた
腕が元に戻ったガンダムは背中のシールドを取る
「死なないんだ!絶対に!」
フェロモンの目が怪しく光る
「望んでた、獲物が来た!ガンダムだ!」
うれしそうに大木が叫ぶ
MAフェロモンが向きを変えガンダムに近寄ってくる
ザーー
『ガ、ガー...明日香!今のうちやダンスサイトに戻るんや』
ドン!
座席を叩く福田
「あんな、子供に負けるの....私が....」
- 59 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)21時03分56秒
- 「さあ、どうやって殺しあう?」
フェロモンが拡散粒子砲をうちながら突進してくる
「は、速い!これがMA!」
ズバ!!
「きゃぁぁぁ!」
ものすごいスピードでフェロモンがガンダムにぶつかる
希美は急いで反転しフェロモンの方を向く
バン!バン!
ビームライフルを発射するが.....
パン!パン!
フェロモンはビームを弾く
「え!なんで!?」
驚く希美
『ガー..辻ちゃん!相手はIフィールドって言うバリアを持ってるわ!
高出力のビーム兵器か通常兵器しかきかないわ!』
安倍の声が聞こえる
- 60 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)21時05分25秒
- 「でも、ガンダムにはビームライフル以上の高出力の武器はないし....」
希美が考えていると
ビシュウウウウン! パン!
一発のビームがフェロモンにあたる
「こざかしぃ〜!雑魚が!」
そう言いメガ粒子砲でビームを撃ったGM5を攻撃する
ドカーーーーン!!
直撃し爆発する
「あ!ま、また人が!」
こっちを向きなおすフェロモン
「次は、お前だガンダム!!」
また、突っ込んでくるそれを見て
「.....!、あれを使えば、行ける」
向きを変え何かに向かって行く
「逃がすか!」
こっちに向かってくるフェロモンに
「これを、くらって!」
バッ
何かがフェロモンに向かって行く
- 61 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)21時07分17秒
- 「何だ!」
大木が何だと思い見ると
「MSの腕!?」
希美が投げたのはフォーゲットの左腕であった
「そんなものでこのフェロモンを倒せれば世の中苦労しないさ!」
腕を避けようとした時....
「あたって!!」
バン!
ガンダムから一発のビームが発射される
- 62 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)21時08分13秒
- 「だから効かんと言ってるだろう!」
しかし、ビームはフェロモンにではなくてフォーゲットの左腕に直撃する。
ドカーン!!
左腕が爆発をしてその爆風にフェロモンが巻き込まれる
「ちっカメラが!これが奴のねらいか!」
コックピットの全周囲モニターの三分の二にノイズが走る
- 63 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)21時09分34秒
- 「サブに切り替える!」
ブインブイン
ノイズが何個かが直って行く
「どこだ!奴は」
目の前から消えたガンダムを探す
pipipipi!
「何?上!?」
「でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ガンダムがビームサーベルを下向きにして襲い掛かる
「ガンダムが!」
フェロモンが残っているアームでガンダムを攻撃する
ズバーーーーー!!
フェロモンのアームの動きが止まる
ガンダムのサーベルが先にフェロモンを貫いていた
ビリッ!ビリビリ
「ハァ!ハァ!か、勝った.....」
ビリビリ....
『ガガー辻ちゃん!!早く離れて!爆発するわ!!』
- 64 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)21時10分58秒
- 「!」それを聞いた希美がMAから離れようとするが
ビリビリ....!
ドドドド!
小さな爆発を起こして
ドカーーン!!
MAが爆発する
「きゃあ!!」
その爆発に巻き込まれ飛ばされるM1
「辻!!」
中澤が立ち上がる
「.....大丈夫です、機体の損傷は軽微です
パイロットの生命反応もあります」
アヤカとは違うオペレ−タが報告する
とばされながら希美は福田が言ったあの言葉を思いだしていた
―しょせん人は命を奪う者か奪われる者の二種類しかいない....―
その時たしかに希美は奪う者になっていた....
- 65 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月24日(金)21時11分57秒
- 〜第二話 奪う者と奪われる者 終〜
- 66 名前:名無しです 投稿日:2001年08月24日(金)22時44分33秒
- おもいですね…
昔のガンダム見てる(読んでる)みたいでおもいですね…
に、しても…とうとう本格的に…
これからどういうふうに物語が進んでいくのか楽しみです。
あと…これから他のメンバーとかもでるのですか?
いろいろ期待しながらsage
- 67 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月25日(土)01時15分25秒
- >>66
ありがとうございます
娘のメンバーは全員だします
一応娘メンバー全員は話に深く関わります(あんま考えてないけど)
さて......これから物語どうしよう......
- 68 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月25日(土)12時18分57秒
- 〜勝手に作ったMS図鑑〜
GM5―いわずと知れたジム、の後継機200年代初頭に作られた機体で
木星共和国の戦いでは主力として活躍した機体だが
今は少々時代遅れの機体である
ガンダムM1―アナハイム・エレクトロニクスが自社の存在をアピールするた めに作った試作ガンダムの一つでRX系の正統な後継機である
NT専用機でNTにしか動かせない
最新サイコミュの「LM」システム搭載した機体である
しかし、並みのNTでは動かせない事から搭乗者を選ぶ機体と なった
機体イメージは赤系統の色が多いVガンダム
基本武装はビームサーベル、頭部バルカン、ビームライフル、
インコム、インコムはドーベンウルフみたいに腕が伸びる形の
種類
- 69 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月25日(土)12時31分13秒
- ガンダムM3―アナハイム・エレクトロニクスが自社の存在をアピール
するために作った試作ガンダムの一つでRX系の正統な
後継機である
機動力や加速力のみを重視して作った機体で白兵戦専用
の機体である、通常仕様の機体でNTでなくても動かせ
るがそのすさまじいGの負荷でこの機体も搭乗者を選ぶ
機体となった
機体イメージはV2とクロスボーンX3を足して二で割
った感じ、基本武装は頭部バルカン、通常ビームサーベ
ル、大出力ハイパービームサーベル二対、ハイパービー
ムサーベルは腰のディバインダーを腕に装着することで
大出力のビームサーベルになる
バイセイコー―UFAが作った量産型のMSでコスト面、スッペク面で
優秀な機体である、色々な武装バリエーションがあるU
FAの中核をなす機体である
機体イメージは黒っぽくて小さいメッサーラ
基本武装はビームライフルだけで、戦況や地形に対応し
て色々な武装を加える事ができる
- 70 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月25日(土)12時32分05秒
- フォーゲット―福田明日香専用機で派手な機能はないが機体性能がとて
も優秀な機体である、実弾兵器がメイン武装の機体
機体イメージはディジェと百式とパラス・アテネを足し
て三で割った感じ、基本武装は二連装ビームライフル、
胸部にミサイルランチャー、後部スラスターに対艦ミサ
イルとホーミングミサイル、腕にグレネードランチャー
がある
フェロモン―UFAが作った試作MAで、性能はものすごく高いが加速
力がものすごく並みのパイロットでは操縦できないため数
機生産するにとどまった、MSの三倍の大きさがある
機体イメージはビグロとウェブライダーを足した感じ
基本武装は拡散粒子砲、メガ粒子砲、アームクロウ、ホー
ミングミサイル
- 71 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月25日(土)13時41分58秒
- 〜第三話 奇跡の出会い〜
月面都市グラナダ...
グラナダの港の一つに巡洋艦トゥギャザーが停泊している
「大佐、いつまでここに留まっているのですか?」
艦の荷物運搬用の出入り口で真希が平家に聞く
「アナハイムからMSをもらうまでだ、それにもうすぐあの作戦が決行される」
「地球降下作戦....」
真希がつぶやく
「そ!そのために敵の注意を引くおとりも必要なのよ!」
声の聞こえた方を見ると男前?で金髪の少女が立っていた
「よっすぃー!なんでここに?」
真希はうれしそうに言う
「ひさしぶり!ごっちん!ごっちんに会いに来たの」
「理由はともあれ、よっしぃーに会えてうれしいよ」
- 72 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月25日(土)13時43分06秒
- 「吉澤少尉は、ここに何をしに来たのだ?」
平家が話しに割り込む
「フォン・ブラウンに停泊しているダンスサイトを攻撃するためです。」
「そうか、まあ死なない程度にがんばるんだな」
いやみをいいながら平家が立ち去る
「よっすぃー!今の話だけどダンスサイトがフォン・ブラウンに来ているの?」
「ええ、サイド9のコロニー住人を、降ろしているそうよ」
「サイド9の住人を....」
「ええ.....?」
不思議そうな顔で見つめる吉澤
「ごっちん?」
あごに手を当て何かを考える真希
(もしかしたら.....)
- 73 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月25日(土)18時16分30秒
- 月面都市フォン・ブラウン市....
ダンスサイトから住人が降りて行く
「辻ちゃん....ここに残るの?」
「はい、こんな戦いは早く終わらせたいです。」
住人が降り行くのを見ながら安倍が希美に聞く
「私は、辻ちゃんには残ってほしくなかった」
「安倍さん....」
「前に、話したでしょ?私の友達の話、その子も辻ちゃんと一緒でね
早く戦争を終わらせたいそんな気持ちで戦ったわ、
でも戦いが終わった時にその子にはなにも残ってなかったわ、
だから...」
それを聞きながら
「大丈夫です!辻には安倍さんがいますから!」
満面の笑みを安倍に見せる
「辻ちゃん...」
少し目が潤む安倍
- 74 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月25日(土)18時19分50秒
- 「辻さん!中尉!」
アヤカが走って近寄って来る
「どうしたの?アヤカ」
「物資の補給、MSの整備が終わるまで自由ですよ!街に行きましょうよ!
辻さん!おいしいアイスクリーム屋があるんですよ!」
アイスクリームと聞いて
「行きます!行きましょう!八段アイス!」
「辻ちゃん....誰も八段なんて言ってないよ」
「せっかくの休みなんや!これから何が起こるかわからへん
遊べる時に遊んどきや!」
手に大量の何かの資料を持った中澤が近づいてくる
「三人は仲がええな〜!」
うらやましそうな中澤
「そうでしょ!若いもの同士は仲がいいのよ〜!」
「誰が年寄りやんねん!」
「いや....そんな事は言ってないよ」
- 75 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月25日(土)18時22分18秒
- 「あ、あの!い、今からアイス食べに行くんですが、
中澤さんも一緒に行きませんか?」
その意外な希美の言葉にうれしさと恥ずかしさがまざる
「なんや〜今日はえらいかわいい事いうやん!
でも、せっかく誘ってくれてんけどな、
おばさんにはお仕事があんねん!だからアイスは
若いもん同士で行ってき!」
膝をまげ中腰になり希美の視線になってしゃべる中澤
「そ、そうですか....」
ちょっと顔が赤い希美
「じゃあ、行くわな、ゆっくり休暇をエンジョイするんやで」
手にもっていた資料をペラペラふりながらどっかに行ってしまった
「それじゃあ、いきましょうか!」
アヤカが言った時
- 76 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月25日(土)19時34分45秒
- ブイーン
福田が現れる
「あ、明日香!」
安倍が笑顔で手を振る
「なっち、それに....」
福田は希美を見るそれにきずいた希美は
「あの!福田さん!今からアイスを食べに行くんですが
よかったらいっ.....」
「遠慮するわ!」
希美がしゃべり終わるのも待たずに福田がしゃべる
「私、忙しいのフォーゲットの新パーツのテストもしなけりゃいけないし
あなたみたいに、遊んでいる場合じゃないの」
言うだけの事を言うと福田は格納庫へと行ってしまった
「私、嫌われてるんですかね、やっぱり....」
「そ、そんな事ないよ!明日香って人見知りが激しい子だから別に辻ちゃん
の事をきらいじゃないよ!」
「そんな事よりも!早くアイス食べに行きましょう!」
希美を元気ずけようとする二人
「そうですね!はやく八段アイス食べに行きましょ!」
手を突き上げて街へと歩き出す希美
「いや...だから八段じゃないよ....辻ちゃん」
- 77 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月25日(土)19時38分10秒
- 「あ、あそこですよ!」
アヤカが指を指した所に大きいアイス屋がある
(は、八段アイス♪)
希美の頭には八段アイスしかなかった
三人はアイス屋に入る
「それじゃあ、なににします?」
アヤカが聞くと
「んーとねーじゃあ....私は....チョコ!」
「安倍中尉はチョコですね、辻さんは?」
迷わず希美は...
「八段アイスください!」
「八段アイスください!」
「え?」
「え?」
希美の声がステレオで聞こえるのではなく
希美の横に背丈も一緒で顔の雰囲気も似ている少女が立っていた
- 78 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月25日(土)19時39分42秒
- 「あ!先にどうぞ....」
希美はその子に先にゆずる
「あ!ほんま?ありがとうな」
少女が希美にお礼を言い八段アイスを買いどこかに行ってしまった
「今の子、辻ちゃんに何か似てたね」
「そう.....かな?」
(今、何か心地いい感じがした...真希さんみたいだ....)
ペロペロ
「おいしい?辻さん」
「うん!とっても」
八段アイスの五段目ぐらいまで食べる希美
「これからどうする?」
「色々楽しい所ありますよ私が案内しますよ」
ちょっと得意げに言うアヤカ
「アヤカさんは、この街くわしいですね」
「まあね、私ここの、フォン・ブラウン生まれなの」
「そーなんだ!初めて知った」
おどろく安倍
- 79 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月25日(土)21時10分57秒
- 「あーこれもーいい!あ!こっちも!」
ショッピングセンターで服を選ぶ安倍
「あ!これ辻ちゃんに似合いそう!
ね?どう、これ...って..あれ?辻ちゃん?」
あたりを見渡すが希美がいない
「さっきまでそこにいたんですけど....」
アヤカもあたりを見渡しながら
「もしかして、これは.....」
『迷子!!』
二人が目を会わせハモる
「探さなきゃ!」
二人は慌てて希美を探しに行く
- 80 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月25日(土)21時13分36秒
- そのころ希美は街をさまよっていた
「二人共どこいったんだろう....」
二人を探していると
「あ!かわいい!」
道にいっぱいある露店の一つにブレスレットを見つける
希美はサイフをのぞくと
「あの...すいません...」
「これください!」
「これください!」
「え?」
「え?」
また横を見るとさっきの少女がいた
「また、会ったな何か運命を感じるわ」
「ほんとだね、私も感じる」
二人は初めてではない昔からの知り合いのような感じを受ける
「さっき、ゆずってもらったからね、これはあんたに譲るわ」
「え?いいよ悪いよ〜」
「ええって、気にせんでええよ」
「でも....」
困る希美その時店の主人が
「二個あるよ」それを聞いた二人は一個づつ買い
手を繋ぎ二人歩いて行く
- 81 名前:名無しです 投稿日:2001年08月26日(日)00時41分25秒
- これであと娘。は3人ですね〜
どちら側で出てくるのか気になります…
それにしても、最初の頃があったんで、今のちょっとしたほのぼの感がいいですね〜
頑張ってください〜
- 82 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)01時11分35秒
- >>81
そうですね、後三人ですね
さてどちら側に出てくるんでしょうね
がんばらしていただきます
では、続きです
- 83 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)01時13分08秒
- 「名前聞いてなっかたな、うちは亜依ゆーねん加護亜依!
みんなには亜依ちゃんやらあいぼんやらで呼ばれてるねん」
フォン・ブラウンで一番高い場所にある公園で街を見ながら亜依が聞く
「私、希美、辻希美、皆にはえ〜と辻ちゃんとか、辻とか
そんな感じで呼ばれてる」
それを聞くと「う〜ん」としばらく考え
「あだ名がないのは痛いな.......よし!うちが考えたろ!」
「え?あだ名?い、いいよ別に.....」
手を左右に揺らして拒否する希美
「いいって気にしな、そ〜やな....そや!」
手をポンっと叩いて勢いよく
「ののや!!」
「のの屋?お店?」
「?」っと首をかしげる
「いやっ違うって、”や”はいらんのや”や”はうちの
方言やしな...のの!どや?ごっつええ感じやろ?」
「うん!あいぼんが考えてくれたから...とっても....気に入った!」
はにかみながら希美が言う
「そ、そうか...これでうちとののは親友やな!」
手で頭をかきながら照れくさく言う亜依
「うん!」
- 84 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)01時29分59秒
- 「あ!」
遠くの方を見つめ亜依が急に声をあげる
「?、どうしたの?あいぼん」
亜依の顔に汗がうっすらにじんでくる
「うち、ちょっともようしてしてきた.....」
「え?模様???」
「その模様やって...つっこんでる場合ちゃうわ!
うち、ちょお、トイレ行って来るからののは
ここで待機や!」
「うん、待機してる」
希美の言葉も聞かずに亜依は走ってトイレへと向かった
希美は手もたれにもたれ街を眺めながら
「友達か.....」
思わず笑みと言葉がもれる
- 85 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)01時45分27秒
- 「あいぼん...遅いな....」
亜依がトイレに行ってから十分ぐらいが立つ
その時
「ののみちゃん!!」
希美がバッと後ろを振り向くがそこには誰もいない
「おかしいな...今真希さんの声が聞こえたような気がしたんだけど」
こんな所にいるわけないかと思い、
手もたれの方をむこうとすると.....
「ののみちゃん!!」
(間違いない!今たしかに聞こえた!)
振り返りあたりを見渡す
希美の目にうっすら涙が浮かぶ
「真.....希....さん...」
- 86 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)02時13分13秒
- 希美の目の前に真希が立っていた
「真希さん....幻じゃ...ないんですね」
「触って見る?」
うっすらと微笑む真希
「よかった真希さん..無事だったんですね」
「え?あ、ああ、うん..なんとかね、ののみちゃんも無事でよかった
孤児院の人達も無事だったの?」
希美の顔が曇る
「皆は...あの...」
希美が続きを言おうとした時
ガシッ
真希が希美に抱きつく
「ごめんね!ごめん!それ以上言わなくていいから!」
真希は泣いていた、自分のした事で一人の少女が不幸になってしまった事
その罪悪の念に駆られていた...
「真希さん...泣かないで下さい...私は大丈夫ですから...
真希さんが泣くと...私まで...」
- 87 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)02時34分04秒
- 「ごめんね....悲しいのはののみちゃんなのに私が泣いちゃ駄目だね」
「いえ、うれしかったです、真希さんが私のために泣いてくれて..」
笑顔を見せる希美
「うふっ、かわいいね」
希美の頭をなでる
「あ!...」
顔が真っ赤になる希美
「ののーー!!」
遠くから亜依が手を振りながら走ってくる
「あ、あいぼん...」
「友達?」
「はい...友達です...」
ニコッと真希が笑う
「じゃあ、ののみちゃん私、用事があるから行くね...
また、会いに来るから...元気にしてるんだよ」
「はい、真希さんもお元気で...」
(真希さん...私たぶんもう会えません)
手を振り真希が去って行くそれと同時に亜依が希美の元へ近寄る
「知り合い?」
「うん、憧れの人」
「なんやそれ」
- 88 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)02時52分58秒
- 「あいぼん、今からどこに行く?」
「せやな〜とりあえず、ののの連れを探そっか
いつまでも、迷子のままやあかんやろ」
亜依が希美をからかう
一時間後...
「おらんな〜まあ、こんだけ広い街ですぐ見つかると返って
不気味やけどな」
カッカッカッカッと笑う亜依
「あいぼん、見つからないしもういいよ、
別に一人でじゃ帰れないわけじゃないし....」
その時―――
ウゥゥゥゥゥ!!
街に警報がなり響く
「な、なんや!?シェルターに非難しろやて!?」
慌てる亜依
(もしかして敵?ダンスサイトを狙って来てるの?)
「ほら!のの、シェルター行くで!」
希美の手を引っ張る亜依しかしそれを拒んで
「あいぼん!先にシェルターに行ってて!!」
「あ!のの!!」
港へと走りだす希美
- 89 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)09時52分58秒
- ダンスサイト....
ブイーン
「どないなっとんのや!連邦本部のある月に直接攻めて来るって頭
おかしいで!」
ブリッジに入り椅子に座る中澤
「ん?アヤカは?」
「まだ、戻ってません!」
オペレーターが答えるその時に
ブイーン
「すいません!遅れました」
ダダッ
ブリッジに安倍とアヤカが入って来るそれを見て
「格納庫!MS発進準備どうや!?」
『問題ありません!全機準備万端です!』
スピ−カから声が聞こえる
「よし!ほかの連邦軍も出撃しとる!うちらも行くで!」
ブイーン
カタパルトにフォーゲットがでて来る
- 90 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)09時54分01秒
- 「明日香!頼むで、死ぬんやないで!」
『了解、なるべく死なないようにします、』
「明日香....」
言い返せない中澤
『福田明日香、フォーゲット改で出ます』
シュゥゥゥ!ゴォォォォォ!
フォーゲット改が発進する
「よし!次は辻や!」
中澤が言ったが安倍はもうしわけなさそうに
「あの....艦長」
「ん?なんや」
「迷子〜〜!!辻が!何しとんのや!!」
大声で叫ぶ中澤
「あ、あの...艦長...ダンスサイトの発進準備が...」
「待機や!!」
アヤカの言葉に怒りで返す中澤
「ダンスサイトはここで待機!辻が戻りしだい発進や!」
- 91 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)09時56分24秒
- そのころ辻は....
「あれ?こっちじゃない!?」
道に迷っていた....
ゴォォォォォォ
バイセイコーのMS部隊が街に近づいてくる
その中に、一つだけ武装の違うバイセイコーが混じっている
『各機に通達!目標は敵ペガサス級戦艦ダンスサイト!
しかし、街にはなるべく被害がでないようにしなさい!』
特殊なバイセイコーに乗っている吉澤が命令する
(これで、いいねごっちん)
あの時――
不思議そうな顔で見つめる吉澤
「ごっちん?」
あごに手を当て何かを考える真希
(もしかしたら.....)
「.....よっすぃー、お願いがあるのフォン・ブラウンには
なるべく被害を出さないようにして」
「?、なんで?」
「お願い!あそこに知り合いがいるかもしれないの....だから..」
少し考えて
「わかったわ、なるべくそうしてみる、
ほかならぬごっちんの頼みだしね」
- 92 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)09時57分26秒
- 「敵機確認!これより迎撃に向かいます」
福田はそう言うと
ガシャン!
「新装備のガトリングガンの威力....どんな物なのか...」
左腕につけられたガトリングガンを敵に向け突っ込む
「ハァ!ハァ!や、やっと着いた....」
希美がやっとダンスサイトに着くと
格納庫の出入り口から中に入る
「お!お嬢ちゃん!やっと来たか!」
和田が言う
「ガンダムの準備は万端だ!いつでも発進できるぞ!」
「はい!」
希美は走ってガンダムに向かう
- 93 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)13時51分52秒
- 「艦長!辻さんが戻ってきたようです」
アヤカが報告する
「ガンダムとの回線開いて!」
ポチ、ポチ
ウイィィィィン
コックピットで電源を入れる希美、すると
『あんた!何してんの!!一刻をあらそう時に!!』
『すいません、色々あって....』
コックピットでノーマルスーツに着替える
『まあ、ええわ!今回は味方も多い、あんたは敵の指揮官をねらうんや』
『わかりました』
ノーマルスーツに着替え終わり座席に座りガンダムを起動させる
『お嬢ちゃん!ガンダムの武器はメガビームライフルに換装してある
気をつけて行けよ!』
回線から和田の声が聞こえる
「あいぼんだって真希さんだってあの街にいるんだ...
負けられないよ...」
ガン!ガン!
カタパルトに移動する
「ガンダムM1、辻希美行きます!!」
- 94 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)13時53分18秒
- 希美が月の表面上に出るとすでに激しい戦いが始まっていた
「この、微妙な重力...いやだな...」
ダダダダダ!
二機のMSがマシンガンを撃ちながら近づいてくる
ガガガガガガ!
それをシールドで防ぐそして
ウィィィィン、ズバァァァァァ!!
ガンダムのメガビームライフルが火を吹く
敵の二機のMSがビームを避けるが一機がビームにかする
そこからゆうばくして爆発する
「すごい...なんて威力なの....」
もう一機のMSがマシンガンを撃ってくる
希美はシールドを後部に置きインコムを発射する
シュルルルル
ズバッ
一発でコックピットを破壊する
- 95 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)13時54分52秒
- 「中澤さんは、指揮官を倒せって言ってたけど、どこにいるんだ?」
ビームの雨の中を進む希美その時
ひときわ目立つ色のバイセイコーとフォーゲットが戦ってるのを発見する
(あれが、指揮官?だよね、派手だし..)
フォーゲットのミサイル攻撃をなんなくかわす敵MS
「なんて!速いの!」
月に足をつけ敵を目で追う福田
「これが、連邦のパイロット?たいした事ないね!」
吉澤のバイセイコーから数本のワイヤーが伸びる
ワイヤーを避ける事が出来ずフォーゲットに絡みつく
「苦しめ!」
ビリビリビリ!!
ワイヤーから電気が流れる
「きゃああああ!!」
ズバァァァァァ!
強力なビームが吉澤を襲う
「!」ワイヤーを切り離しそれを避ける
「ガンダム!!」
- 96 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)16時00分28秒
- 港からダンスサイトが浮上してくる
「戦況はどうや!」
「五分五分です」
椅子に深く腰かけ
「やろうな...さすがにGM5はきついで...」
pipipipipi!
「なんや!?」
「この戦域に高速で接近してくる機体があります!」
アヤカが中澤のほうに体半分向ける
「MAか?」
「いえ...この機体番号は....」
- 97 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)16時01分39秒
- 二機のMS相手になんなく戦う吉澤だが
「さすがに、エース機を二機同時はきついよ」
「落ちてー!!」
ズバァァ!
ガンダムからのビームをなんなく避ける吉澤
「なんで、あたらないんだよ!」
ガン!
その時ガンダムに何かがぶつかる
『辻軍曹!一人でがむしゃらに攻撃してもあたらないわ!』
ガンダムがぶつかったのはフォーゲットだった
『福田さん、回線を使うと敵に傍受されますよ!』
『これは、直接回線だから大丈夫、軍曹、私が敵を追い詰める
から、相手が隙を見せたら軍曹がとどめをさして!』
『りょ、了解!』
希美は少しうれしかった福田に必要とされた事に
- 98 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)16時05分02秒
- 「いくわよ!」
ズドドドドド!
フォーゲットのガトリングガンと
後部からのホーミングミサイルが無数発射される
「何回やってもあたらないわ!」
ミサイル攻撃をすべてよける吉澤....しかし
バッ!
吉澤のバイセイコーの前にガンダムが現れる
「もらったーー!!」
ビームサーベルを振りかざす
「しまっ!!」
サーベルが吉澤のバイセイコーにとどことした時
ピキーン!
希美の脳裏になにかが走った
「うっ、何?この感じ..この圧迫感...」
吉澤は一瞬動きが止まったガンダムを見逃さなかった
バキッ
蹴りをいれて逃げる吉澤
「助かった...ガンダムなんで一瞬動きが止まったんだ?
まあ、私は助かったからいいけど...」
「軍曹!何をしているんだ!」
怒る福田その時レーダーが
pipipipipi!
「何だ?MSが接近?」
- 99 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)16時06分51秒
- ゴォォォォォ!!
「ガンダムM3!あれが今の圧迫感の正体...」
ガンダムM3が高速で近づいてバイセイコーに接触する
『よっすぃー大丈夫?』
『ごっちん...来てくれたんだ』
『うん、よっすぃーのためだからね....
よっすぃー、ガンダムは私にまかせてよっしぃーは
もう一体のほうをお願い』
『わかった』
会話を終えると二機は離れる
両腕に腰のディバインダーをはめそこから大出力のビームサーベルがでる
「ガンダムM1!覚悟!」
ゴオォォォ!
ものすごいスピ−ドで移動するM3
「よく見れば...どんなに速くたって...」
ズバッ!ガシッ!
ものすごい速さで攻撃してくるM3に対してなんとか
しのぐ希美
「そんなに速いの卑怯だ!!」
ダダダダダ!
バルカンを撃つ
「そんなごまかしは聞かないよ!!」
バルカンなどない物のように突っ込んでくるM3
ブンッ!
大型ハイパービームサーベルを振りかざすM3
ガキン! ビリビリ!!
ビームサーベルで受け止めるM1
「うぅう....お、重い〜...うぅ...」
じりじりと地面に向かって押されていくM1
- 100 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)18時07分05秒
- 「最悪や...ガンダムM3まで出てくるとは...
連邦本部からの増援はまだか?」
「それが....援護は出来ないと言ってきました..」
アヤカがトーンを落としてしゃべる
「チッお偉いさんは、自分の安全が先か...」
ドン!
椅子の手もたれを叩く中澤
ピキーン
「この感じ...」
「どないしたんや、安倍」
何かを感じとる安倍
「何か...来ます...異質な何か...」
「安倍...お前、NT能力が...」
その時
「艦長!フォン・ブラウンに!!」
「次は何や!!」
- 101 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)18時07分52秒
- ズズズズズ!!
M3に押され地面に足がめり込みながら押されるM1
「うぅ...ちょ、調子に乗るな−−−!!」
ブゥァァァ!
M1の左のブースターが火を吹く
「な!」
慌てる真希
M3の力を利用して右によける希美
そしてM3の後ろを取り逆に優位に立つ
「やーーー!!」
ビームサーベルで突き刺す
しかしM3はスラスター、ブースターを全開にして急転換して
バキィィィィッ!
肩からタックルを食らわせてM1を吹っ飛ばす
ズババババババ!
クレ−ターの盛り上がった部分で止まるM1
「ハァ!ハァ!まだ...」
ビームサ−ベルの出力を上げようとするが..
シュウゥゥゥン
「な、なに?エ、エネルギー切れ..そんな!」
- 102 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)18時08分40秒
- 恐怖が心の中に出てくる希美
「やだ...!まだ、死にたくない...!」
動きが止まるガンダムM1
ドドドドド!
「ん?ガンダムの動きが..」
福田がM1の様子に気づく
ドドドド!
バイセイコーがガトリングガンを連射してくる
それをよけ福田も反撃しようとするが
ドドド、ド、ド、ウィィン....カタカタカタ....
「弾切れ!?」
フォーゲットの弾がつきる
「どうしたの?ガンダム!!」
動きの止まったM1にM3が突っ込む
しかし、その時―――
- 103 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)18時09分31秒
- ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!
月の空に無数の爆発が起こる
「な、何!?」
その爆発で真希も動きを止める
ダンスサイト....
「なんや!”あれ”の攻撃か?」
「え、ええ、NT研究所のウィッシュです」
「あれに、乗ってるのがNT?何か...違和感を感じる..」
安倍が不安な顔をする
「なんでもええねん!味方にはかわりない!」
バイセイコーが次々と爆発していく
「こ、これは...!」
真希が見た方向に真っ白なMSが飛んでいた
「真っ白なMS....」
希美がつぶやく
ピキーン
「ファンネルか!」
真っ白のMSからファンネルがM3に向かって飛んでくる
避けながらファンネルを斬り落とす
- 104 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)18時10分27秒
- ドーーーーン!!
月の空に一発の照明弾が打ち上げられる
それを見た真希が...
「撤退?まあそうだろうね、まあ役割は、
はたしたし、しゃーないか....」
ゴォォォォ
撤退して行く真希と吉澤
『ガ、ガー、明日香、辻、ご苦労さんやったな
はよう、ダンスサイトに戻ってき』
(死ななくて...よかった)
M1を動かしダンスサイトに戻る希美
「あ、さっきの真っ白なMSだ....」
さっきの真っ白なMSもダンスサイトに着艦するのが見えた
- 105 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)18時11分28秒
- どん!
MSデッキに入るガンダム先に入った真っ白なMSがあった
そのMSの下にたくさんの人が集まったいた
「中澤さんもいる...」
ガシャン
シュルルルル
MSから降りる希美そして人だかりができたMSの下へ行くと
姿が見えないが何か中澤にしゃべってるようだ
「NT研究所から本日付をもちましてダンスサイトに
配属となりました―――」
希美は人波をかき分けて声の人物を見る
「!」それは言葉にできない衝撃であった
「――加護亜依軍曹です!」
そう、真っ白なMSのパイロットは亜依であった
「あ、あいぼん!」
その声に亜依が希美に気づく
「のの!ののが、ガンダムのパイロット?」
―また、会ったな何か運命を感じるわ―
希美はその時、本当に亜依との運命を感じた
しかしこの出会いが悲しくも悲劇の出会いになるとは
希美はこの時思いもしていなかった
- 106 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月26日(日)18時12分05秒
- 〜第三話 奇跡の出会い 終〜
- 107 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月27日(月)01時53分44秒
- あ、あかん!三話の後半から誤字や字足らずが多い..鬱や
新面もきまったし..鬱....
物語に入れようかな...悩みどころです
- 108 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月27日(月)06時29分11秒
- ここの辻と後藤、なんか…
『0080 ポケットの中の戦争』(だっけ?)
のクリスとバーニィを思い出すよ…
これからの展開も痛いのかな、でも楽しみにしています。
- 109 名前:ななし 投稿日:2001年08月27日(月)15時38分31秒
- 辻が天然NTで加護が強化人間ってとこかな?
そうならこのあたりにZの香りが。Zすきだったんだよねぇ〜
がんばってちょ。
- 110 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月28日(火)00時52分00秒
- >>108
ありがとうございます
そんな感じですね、少し影響されてますね
これからの、辻と後藤を見てて下さい
>>109
ありがとうございます
おもわずドキッてするコメントですね
私もZが好きですよ(基本的にガンダムは全部好きだけど)
あんな人に考させる作品は書けませんけどがんばります
- 111 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月28日(火)00時52分48秒
- フォーゲット改―小破したフォーゲットを改修した機体、
装甲やジェネレーターを強化し、
隊長機として通信、策敵能力も向上してある
左手にメカガトリングガンを追加装備した
吉澤ひとみ専用バイセイコー
―吉澤が自分専用にカスタマイズしたバイセイコー
名前はバイセイコーだが、性能はまったく別の機体
右肩に電撃ワイヤーを装備して左肩にグレネードランチャー
を装備、主武装にガトリングキャノンを装備していて
右腕にビームシールドを装備している
ウィッシュ―NT研究所とサナリィが共同開発したNT専用MS
外見は真っ白なMSと呼ばれるぐらいに真っ白な機体
サイコミュはM1とは別の新型の装置が乗せてある
ジェネレ−ター出力や装甲は高いが機動性がややおとる
機体イメージはキュベレイとノイエジールを足した感じ
武器はファンネル、ファンネルミサイル、腰にヴェスパー
ツインビームサーベルを装備している
- 112 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月28日(火)00時54分13秒
- 〜第四話 偽りの円舞曲〜
作戦司令室...
「うちらは、これからグラナダ宙域に現れた敵、巡洋艦を
追跡する」
巨大モニターに写しだされた月領域の地図を指す中澤
「追跡するだけなんですか?」
希美が聞く
「せや、連邦はいまだに敵の本拠地もわかっとらん、せやから
敵の巡洋艦を追跡して敵の本拠地をしらべるんや」
「でも、敵が本拠地に本当に戻るかわからないじゃないですか」
今度は亜依が聞く
「いえ、敵はガンダムを本拠地に持って帰ろうとしているわ
だから、奴らの行き着く先は本拠地よ」
亜依の質問に福田が答える
「でも..ゆう..じゃなくて、艦長?この艦一隻だけで向かうんですか?」
安倍が中澤のほうを見る
「そこらへんは、心配ない寺田大将が護衛艦二隻付けてくれる
このちょい先で合流予定や」
そう言うと全員の顔を見渡し
「よし!もう質問はないな!解散や」
- 113 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月28日(火)00時55分37秒
- 解散と聞いてみんな作戦司令室を出て行く
亜依が希美の所に近寄って来る
「のの!ご飯まだやろ?食べに行こ!」
「うん!行こう」
二人が部屋を出ようとした時
「辻さん、辻さん」
アヤカが辻を呼び止める
立ち止まりアヤカのほうを向く
「何ですか?」
「和田主任がちょっとコックピットの調整をしたいから
すぐ来てくれって、」
「え?今からあいぼんとご飯食べに行くのに...」
チラッと亜依を見る
「のの、先行っときうち食堂で待っとくから、
あのおっさん遅れるとすぐキレるやろ」
「うん、そうする、ごめんね」
「ええって気にしな!」
亜依は一人で食堂へと向かった
「じゃあ、伝えましたから...」
そう言いアヤカも行ってしまった
「さて行くか...」
- 114 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月28日(火)00時57分04秒
- ガン!ドドドド!ガ!ガ!
相変わらずうるさい格納庫につく
「え〜と、和田さんはどこにいるんだ?」
キョロキョロと和田を探す希美
少し探すと和田を発見する
「ん?なんだあれ?」
よく見ると和田の横に見慣れないMSがある
「和田さーん!」
「お、来たか!」
和田が希美の声に気づく
「和田さん、このMSなんですか?」
和田に聞いてみる希美
「ん?これか?これは大破したガンダムM2のパーツを流用して
作られたMSメモリーだ、安倍中尉が乗る事になっている」
「安倍さんが?」
「そうよ、いつまでも辻ちゃん一人にまかせるわけにはいかないしね」
安倍が希美の元に近寄る
「安倍さんは、腕もういいんですか?」
「うん、もう大丈夫だよ」
少し安心した顔になる希美
- 115 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月28日(火)00時58分06秒
- 「伝説のエースの活躍期待してるぞ!」
和田が安倍び向かって言う
「か、からかわないでください、和田さん!」
顔がムッとなる安倍
「?」わからない希美
「伝説のエースって?」
「それはな...」
和田が言おうとするが
「和田さん!!」
安倍が止める、その迫力で和田も言うのをやめる
「お、お嬢ちゃん!さっそく調整するぞ!」
ごまかしながらガンダムのほうへ移動する
『お嬢ちゃん、いいか?サイコミュの連動のテストをするからな
別に緊張することじゃない、普段通りでいいからな』
『はい、わかっています』
頭に何かの装置をつけてコックピットに座る希美
ウィィィン
外で和田が何かの装置を見ている
「そうなんですか?辻ちゃんは?」
- 116 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月28日(火)00時59分14秒
- ウィィィン
外で和田が何かの装置を見ている
「どうなんですか?辻ちゃんは?」
和田の顔を見ながら安倍が聞く
「たいしたもんだ、まだ「LM」システムを扱いきれないとは言え
M1を動かせるだけの事はある...M1がお嬢ちゃんについて
行けなくなるのも時間の問題だな....」
目を大きくする和田
(辻ちゃんがどんどん戦いに飲まれて行く..)
安倍が不安そうな顔をする
『よし!お嬢ちゃん!もういいぞ!』
『はい』
コックピットから飛び降りる希美、
重力が軽いのでふわふわ降りる
「安倍さん、ご飯食べに行くんですけど一緒に行きましょ!」
降りてきながら聞く希美
「ごめん、私MSの調整しないといけないから...」
スタッ
「そうですか...じゃあがんばってください!」
希美は食堂に向かった
- 117 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月28日(火)01時01分56秒
- 「あいぼん!」
食堂で一人で席についてる亜依を見つける
「遅いで!」
ちょっと怒ったような口調でで言う亜依
「ゴメン、ゴメン」
そう言いながら亜依の前にすわる
「ねえ、あいぼんは知ってるの?」
ご飯を食べている時に希美が唐突に聞く
「ん?なにがや?」
「今、私達が戦ってるのってなんなの?」
少し考えて
「うちもよくは知らんねんけどな、ここ一年ぐらいに各地で
小規模のテロを起こしてる、反地球連邦組織やって
聞いた事がある、でもこんな大きい規模の行動は初めてちゃうか」
「へ〜そうなんだ」
「月の連邦政府もすっかりビビッて本部に部隊を集めとる
ほんま、やつらは自分の事しか考えよらん」
「そうだね」
そう言い再びご飯を食べだす
しかし、また唐突に
「でも、なんでガンダムを強奪したり、連邦本部のある月を攻撃したり
危険な事をして目立つ事をするんだろう?まだ向こうは連邦に
宣戦布告もしてきてないんでしょ?
なんでそんな自分達に不利な事するんだろ?」
「そりゃ、反連邦組織ってぐらいやから本部ぐらい攻めるやろうし
ガンダムみたいな高性能機はほしいやろ」
「でも、でも、向こうにもすごいMSとかMAがあるのにわざわざ
奪わなくても...」
「...う...う...」
ピクピク体を震わせる亜依
「?」
「うっさーーーい!!飯がまず―――なるーーー!!」
ドン!っと机を叩き叫ぶ亜依
「ご、ごめん....」
脅える希美
- 118 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月28日(火)01時03分05秒
- ゴォォォォォ!
ダンスサイトに二隻の戦艦が近づく
「来たか、クラップ級か...まあ、ええやろ
よし!アヤカ、二艦に連絡!これより敵、巡洋艦を追跡
貴艦らはダンスサイトについてき!ってな」
「ついてき..ですか..」
「うっさい!!」
「す、すいません」
脅えるアヤカ
「戦艦三隻で敵潰しか....」
窓の外の戦艦の様子を見る希美と亜依
「なんで?敵の本拠地を見つけるだけなんでしょ?」
「わかってないな〜敵の本拠地を見つけるちゅー事は、
敵の本拠地に近づくちゅー事や、わかるか?」
「そ、それぐらいわかるよ....」
「ほな、敵に見つかれば敵の全戦力とたたかわなあかんちゅーことや」
亜依の人差し指で希美のでこをつっつく
「ほ、ほんとだ....」
- 119 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月28日(火)01時04分13秒
- ブイーン
ブリッジに希美が入って来る
中澤が希美に気づき
「ん?辻なんや?」
「あの、これMSの概要書です」
「ごくろうさんやったな」
しばらく考え希美は
「なんで、敵の巡洋艦はグラナダから出てきたんですか?」
「ん?そりゃアナハイムからMSかなんかもらっててんやろ」
「アナハイムから....?」
不思議そうな顔をする希美
「アナハイムは別名、死の商人って呼ばれてますから
武器屋は客を選びませんからね、戦いが終わった時の事も考えてるし」
アヤカが機械をいじりながらしゃべる
「じゃあ、敵もアナハイムからMSとかを買ってるんですか?」
「まあ、そう言うこっちゃ」
希美はまた少し考え
「じゃあ、なんで敵はガンダムの強奪なんてしたんでしょう?
別にアナハイムに作ってもらえるじゃないですか」
中澤はおどろいて声もでなかった
今まで考えもしなかった疑問だ
少し考えて
「そりゃ、直接アナハイムがガンダム作って奴らに渡してみ〜な
連邦が作成以来したMSを敵が持ってたら
アナハイムの立場が無くなるやろ?」
そう希美に言い聞かせた、そして自分にも
- 120 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月28日(火)01時05分13秒
- 「敵、巡洋艦サイド3暗礁宙域に入って行きます」
アヤカが言う
「そこに、敵の本拠地があるんか....」
「な、中澤さん!場所がわかったんなら、逃げましょうよ!」
あわてて希美が言う
「何、あせってんの?」
「だ、だって敵に見つかったら、敵の全戦力を相手に戦わないと
いけないんですよ!」
その様子を見て
「大丈夫や、近くの連邦軍もすぐ来てくれる、
それに、まだあそこに敵の本拠地があるって決まったわけちゃうやろ」
「そうですけど...」
(でも戦うのは私ですよ?)
- 121 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月28日(火)01時06分14秒
- とある場所...
「後藤中尉ごくろうだったな見事に役割を、果たしてくれた」
一人の女性が真希に声をかける
「いえ、准将たいした事はやっていません」
真希はいやそうな顔をするそして立ち去ろうとするが
「露骨に嫌な顔をするな、君はいつも...
そんな顔で、紗耶香様に会うつもりか?」
その言葉を聞きバッと振り返る真希
「いち....紗耶香様がこの船に!?
なぜ!?危険な目に会わせるつもりですか?」
取り乱す真希
「ふふっ紗耶香様にもあの青い星を見せてあげたい私のこの心が
君にはわからないのか?紗耶香様のお気に入りの君が..」
「....失礼します!」
そう言うと真希はその場から立ち去る
「くくっせいぜい紗耶香様のためにがんばってくれよ
後藤中尉...いや私のためにかな....?」
薄笑いをして去って行く真希を見つめる
- 122 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月28日(火)07時07分59秒
- >>121
・・・誰?考えつかん。
- 123 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月28日(火)17時56分07秒
- ドアを叩く真希
部屋の中から声が聞こえる
「誰?」
「私、後藤....」
「後藤!開いてるから入って!」
ブイーン
部屋の中に入る真希
「市井ちゃん...」
「後藤!もうすぐだよ、もうすぐですべてのスペースノイドが
開放されるんだよ!」
「でも、それならなんで地球を....」
「あの人が、言ってたのすべての始まりは地球だから
地球を手に入れたものが勝つんだって」
紗耶香は窓の下の青い星を見る
少しの沈黙があり
「ねぇ、後藤はいつまでも私の味方だよね」
少し間があき
「市井ちゃんの理想をかなえるのが私だから...
市井ちゃんの為に戦う、市井ちゃんを守るそれが....」
「ありがとう後藤.....」
その言葉とは裏腹にとても悲しい顔をする紗耶香
- 124 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月28日(火)17時59分39秒
- ジーー
ロッカーでノーマルスーツに着替える希美
ブイーン
そこへ福田が入って来る
「あ、福田さん」
しかし、希美などいない者のように無視して着替える福田
(気まずいなー)
希美は着替え終わりロッカーから出ようとする
「私はまだ、あなたを...NTを認めたわけじゃないから」
希美は立ち止まり
「なんで、そんなにNTが嫌いなんですか?」
バタンッ
ロッカーの扉を閉める福田
「私はNTが嫌いなんじゃなくて、あなたみたいな子供が嫌いなのよ」
そう言いロッカーを出て行く福田
(やっぱ、嫌われてんだ)
希美は少し悲しい顔をする
- 125 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月28日(火)18時01分34秒
- 「どこから、敵が出てくるかわからんでよく辺りを、見渡すんやで!」
ブイーン
安倍がブリッジに入って来る
「艦長、どうですか?」
「敵の巡洋艦を見失って一時間や、かならずここに敵の本拠地がある..ん?」
安倍のノーマルスーツ姿に気づく中澤
「そうか...久しぶりの実戦やろ?感覚が戻るまで無理はしなや」
「うん....裕ちゃんも明日香もいるし..昔を思い出す...」
フッと中澤は笑みを浮かべる
「うちは艦長やで」
「ごめん、忘れてた」
その時
ドォォォォン!!
横の護衛艦のカタパルトが爆発する
「艦長!右舷より多数のビーム兵器が!」
「きよったか!右舷にビームラムを展開!全砲門開いて対艦戦の用意!
レーザー通信開いて!近くの連邦軍に援護要請や!」
『了解!MSパイロットは弾幕が収まりしだい出て下さい!』
アヤカが艦内に放送する
「それじゃあ、艦長私も行きます!」
ブイーン
安倍がブリッジを出て行く
- 126 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月29日(水)01時23分35秒
- >>122
実はまだ誰にしようか考えてません
誰にしようか考えている所です
- 127 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月29日(水)01時25分02秒
- 「敵、巡洋艦一隻だけです」
「本拠地の近くやのに一隻だけか?ここには本拠地がないって事か?」
だれにしゃべる事でもなく一人つぶやく
「艦長!敵戦艦からMS部隊が出てきました!」
「よし!こっちもMS部隊を展開や!他の二艦にも、そう伝えるんや!」
「わかりました」
『MSパイロットは各自出撃して敵MSを迎撃してください』
アヤカの声がMSデッキに響き渡る
ポチポチ
コックピットの電源を入れる希美
『辻ちゃん、暗礁宙域はゴミとかが多くて視界も悪いから気よつけるのよ』
安倍の声が回線から聞こえる
「はい、安倍さんも気おつけてください」
『ふふっありがとう!』
次に違う回線が開く
『のの!あんな雑魚ども相手に死ぬんやないで!』
「あいぼんもだよ、死なないでね」
『あんな、奴らうち一人でけちょんけちょんや!』
亜依からの回線が切れるとウィッシュがカタパルトに上がって行くのが見える
- 128 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月29日(水)01時26分34秒
- グィィィン
カタパルトに上がるウィッシュ
『亜依、ウィッシュ行きます!!』
ゴォォォォ!
グィィィン
次にメモリーが出てくる
『安倍!あんまり無理はしなや!』
『わかってる、安倍中尉、メモリー出ます!』
ゴォォォォ!
もう一つのカタパルトにガンダムが出てくる
『辻ィーたのむで!』
『これで、敵の本拠地がわかればこの戦い終わるんですよね!?』
『ん....まあ...そーゆこっちゃ...』
言葉がとぎとぎになる中澤
『辻希美、ガンダムM1...行きます!!』
ゴォォォォォ!
- 129 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月29日(水)02時07分17秒
- 護衛艦、二艦からもMSが発進される相変わらずGM5だが...
「視界悪いな...敵のMSが見えないよ...」
ゴミを避けながら進むM1
ヴァ!
突如ゴミの影からバイセイコーが現れる
バン!
ビームライフルを撃ってくるが
まるですべてがわっかているかのように避けるM1
そして、メガビームライフルを発射
ドーーーン!
直撃して爆発をする
「敵の戦艦を、叩けばいいんだ!」
ゴォォォォ!
希美は巡洋艦のほうに向かう
- 130 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月29日(水)17時07分35秒
- バン!バン!
ビームバズーカを発射するメモリー
ドーーン!!
直撃してバイセイコーが爆発する
「まだまだ、私も捨てたもんじゃない!」
安倍は調子に乗り前に出て行く
バーーン!!
「しまっ!」
横から突如現れたバイセイコーに反応が遅れる
ドーン!
直撃は避けるもののバイセイコーはさらに襲ってくるが
ドォーーーン!!
バイセイコーが爆発する
フォーゲットの二連装ビームライフルが直撃したのだ
「なっち!大丈夫!」
フォーゲットが近づいてメモリーに触れる
『なっち!無理はしちゃいけない!
なっちはダンスサイトの護衛に回って!』
安倍はこぶしを握り締め
『わかった...明日香、助けてくれてありがとう』
メモリーはダンスサイトのほうにフォーゲットは敵の方に向かう
- 131 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月29日(水)17時08分50秒
- 「ファンネルミサイル!行けや!!」
ドドドドド
不規則な動きをしたミサイルが敵の中に飛んでいく
ドン!ドン!ドン!
あたるミサイルもあるが全然見当違いな所に飛んで行く物もある
「うちの力じゃ、全部制御しきれんのか....」
この暗闇の宇宙の中、亜依の真っ白なウィッシュはよく目立つ
「うじゃうじゃと来るわ!」
数体のバイセイコーがウィッシュ目掛けて来る
「うちは....うちは...NTや!あの人の為に....だから!
お前らみたいな雑魚に用ははないんやーーーー!!
行け―――!!ファンネル!!」
亜依の咆哮とともにウィッシュからファンネルが発射される
ピュン!ピュン!ピュン!
ドン!ドン!ドン!
ファンネルの攻撃がバイセイコーに命中して次々と爆発していく
「ハァハァ...つ、次や....もっと...ハァハァ...」
- 132 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月29日(水)17時10分10秒
- 「今回は、このままいけば楽な戦いやな...」
戦闘の様子を見ながら中澤が言う
「でも、いつ敵の本拠地から増援が出てくるかわかりませんよ」
アヤカが不安そうに言う
「いや...ここに敵の本拠地はない...あの艦もガンダムを
持っていった艦じゃないみたいや....
うちらは、はめられたみたいや..」
悔しそうな中澤
「ガンダムをどこで入れ替えたんでしょうか....
月には今、連邦軍の戦力が集中してるのに...」
「!」
アヤカの問いに何かの違和感を感じる中澤
(と言うか辻の言うとうり何でガンダムを強奪する必要があったんや?
あんな事をすれば連邦に目を付けられるのもわかるやろうに...
月を攻めたのもそうや、月を攻めれば月に戦力を集めるのも
わかるやろうに...そして、囮をだしてまで連邦の目を、サイド3の
方に向け....は!サイド3の反対側にはあれが.....!)
pipipipi....!
通信機が忙しく鳴る
「艦長!衛星軌道上の第三艦隊から緊急レーザー通信です!!」
「!...何て!?」
- 133 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月29日(水)17時10分57秒
- ゴォォォォ
「見えた!敵の戦艦!」
巡洋艦を見つける
バン!バン!バン!バン!
巡洋艦からガンダム目掛けて無数のビーム兵器が飛んでくる
「そんなのあたらないよ!!」
ビームを避けながらビームラムのない巡洋艦の下に回りこむ
「おちろー!!」
ズヴァン!ズヴァン!
メガビームライフルを多数発射させる
ドドドドド!ドォカー――――ン!!!
全弾命中した巡洋艦は小爆発を起こしながら落ちていく
「うっ!」
突如気分が悪くなる希美
「人が...いっぱい死んだんだ....今ので...」
pipipipi....!
通信機が鳴る
『ガ、ガー辻さん!今すぐダンスサイトに戻ってブリッジに来てください』
『わかりました』
- 134 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月29日(水)17時11分58秒
- ダンスサイトブリッジ...
ブイーン
希美がブリッジに入ってくる
ブリッジには福田、安倍、亜依もいた
「辻来たか...」
「中澤さんどうしたんですか?」
「ああ、その前に今回の戦闘ご苦労さんやったな」
いつもよりトーンの低い中澤
「それで艦長なんですか?」
福田が再び中澤に聞く
「今な連絡がはいってな、地球の衛星軌道上の連邦の第三艦隊が全滅やそうや」
「!」
驚く四人
「え?ぜ、全滅ってどーゆう事ですか?」
驚きながら安倍が中澤に聞く
「くわしい事はわからんが...敵の戦力は連邦の一艦隊をゆうに
超えてるゆう事とやつらのねらいは地球やって事や...」
「地球!なんでですか?敵は反地球連邦組織なんでしょ?
あーゆう奴らはスペースコロニーの開放とかそんな事を
やるんちゃうんですか?」
亜依は中澤に聞く
「そらは...うちにもわからん...」
その時
pi----!
- 135 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月29日(水)17時13分03秒
- 「艦長!すべての公共電波がUFAと名乗る組織にジャックされました!!
何かの放送をするらしいです!」
アヤカが叫ぶ
「その映像を写しだすんや!」
「はい!」
ブイーン
メインモニターに何かの映像が映し出される
そこには一人の少女が写っており何かをしゃべっているようだ
『・・・・先の戦争にしてもそうです連邦は木星共和国に対し
無理難題をふりかけあの過酷な地に住む人々を弾圧しその結果が
あの戦争を引き起こし数多くの悲劇を生む事となりました
だから私達は立ち上がります!
UFAは腐敗しきった連邦政府にすべてのスペースノイドの開放を
主張し連邦政府に対して宣戦布告をするものであります!
まず最初に我らの足元にある...すべての元凶、
地球を我らUFAの手におさめます!!』
ブイーン
「放送...終わったようです...」
アヤカが静かに言う
「UFA....」
(それが...みんなを殺した敵の名...)
- 136 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月29日(水)17時13分55秒
- 中澤は考えていた
(うちらは、まんまとはめられたわけやな....
ガンダム強奪も月に攻めてくるのも全部このための布石やったって事か..
踊らされてたちゅーわけか...UFAとかゆー組織に....くそ!!)
ダンスサイトは一路、月へと舵を取った
中澤は踊らされていた....
そう、まるで偽り円舞曲を踊らされていたかのようであった
その踊りから抜け出すべく月へと向かった....
- 137 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月29日(水)17時14分56秒
- 〜第四話 偽りの円舞曲 終〜
- 138 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月29日(水)19時04分10秒
- 深そうですね…
最後の少女は…誰ですか?
設定での、辻ちゃんのM1がVガンダム系ってのが嬉しかったです(w
ガンダムの中では一番Vガンダムの形が好きでしたんで(w
これからも頑張って下さい〜
- 139 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月29日(水)19時19分57秒
- >>138
ありがとうございます
あれは市井です、
実は第四話は書き忘れが多くて
書こうと思った事を忘れてる部分があるんですよね....鬱
- 140 名前:名無しです 投稿日:2001年08月31日(金)01時52分12秒
- う〜ん、ガンダム・・・深いですねえ。
最初のほうで安倍が言ってた「英雄」の少女って誰なんでしょうか・・・?
まだ出てないキャラでいうと、矢口あたりかな?
それにしても、辻と後藤の関係が悲しすぎて・・・(涙
後藤も、誰か大事なヒトを失ったことがあるんでしょうか。
更新期待しまくりです!
- 141 名前:追加です 投稿日:2001年08月31日(金)18時22分39秒
- >135と>136の間の書き忘れです、すいません
↓
- 142 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月31日(金)18時25分32秒
- 「紗耶香様ご苦労様です」
放送を終えた紗耶香に近づく士官
「石黒...これでいいのね」
「おみごとです、今ごろ連邦政府の奴らは慌てふためいている事でしょう」
「多くの血が流れますね....」
「しかたのない事です、それだけの事をするんですから」
ブイーン
部屋に真希が入ってくる
「後藤....」
紗耶香が後藤を見てつぶやく
「准将、私は紗耶香様を、連れいったん本国へ戻ります」
おどろく石黒
「中尉は地球に降りないのか?」
「はい、あまり地球は好きではないので...それに紗耶香様を
お守りしないといけないですし」
「それは残念だ中尉の力が抜けるのは痛いですね」
「すいません、次の作戦は私も参加しますので...」
「いや、気にするな中尉の任務は紗耶香様のお護りだ
紗耶香様は我らの長だ、その人を守る事が最大の任務だと私は思う」
「はい...」
そう言い紗耶香の元へ近づく
「市井ちゃん、部屋に戻ろ」
そして二人は部屋から出る
- 143 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月31日(金)18時26分10秒
- 「市井ちゃん、あの石黒准将の事なんだけど...」
部屋に戻る途中の廊下で真希が言いにくそうに言うと紗耶香が
「石黒准将はいい人よ、頭もいいしあの人の言うとうりにすれば間違いないわ
それで、後藤、石黒の事で何?」
「い、いや、何もないよ、私もそう言おうと思っただけ、ハハハ」
「変な後藤」
- 144 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月31日(金)18時27分26秒
-
- 145 名前:ぺぷし 投稿日:2001年08月31日(金)18時29分40秒
- >>140
そこらへんは、追々わかってくると思います
まあ、気長に見ててください
- 146 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)01時37分57秒
- 〜勝手に作ったMS図鑑3〜
ペガサス級強襲揚陸艦ダンスサイト―
ガンダム開発に合わせて作られた最新鋭戦艦、
この時代にペガサス級はなかったが、
ある将校がガンダムならペガサス級だろ?と言う事で作られた
戦艦で初のミノフスキードライブユニットを搭載した艦
機体イメージはアーガマとリーンホースjrを足してペガサス級に
した感じ、ビームラムを前衛と右舷、左舷に三基付いている
カタパルトは二基ありMS搭載数も比較的多い
- 147 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)01時38分38秒
- メモリー―大破したガンダムM2のパーツを流用して作ったMS
中、長距離用の武器が多かったガンダムM2のパーツを使った
ため中、長距離用の武器が多数搭載されている
ハードポイントシステムがあるため地形に合わせて武装変換できる
現地徴用MSのため正規MSではない
機体イメージはビギナ・ギナに色々な武装をつける感じ
基本武装、ビームバズーカ、ビームスプレーポッド、
腕に内臓型のビームキャノン、ビームサーベル
後部に折りたたみ式のロングレンジキャノンが装備されている
地上用や水中用の武装もある
- 148 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)01時41分00秒
- 〜第五話 青い大地〜
月の連邦本部...
ダンスサイトが入港すると共に連邦の高官が作戦会議をしている
作戦会議室はちょっと薄暗く部屋の中央の巨大スクリーンには
地球宙域と地球の地図が映し出されている
「UFAに地球の三分の二をほぼ無抵抗で制圧されてしまった...」
「しかし、あんな大部隊をどこに隠していたんだ?
コロニーの武装は定期的に調べてるんだろ
貴官の部隊は何をしていたんだ?」
高官に嫌味交じりに言われた将校が
「スペースノイドは我らに反感的です、我らが行ってもどの
コロニーも我らには協力的ではありません!」
将校が言い分けにもにた反論をする
「もしくは....木星共和国が裏で糸を引いているか
火星に身を隠してたっちゅー事も考えれますよ」
この部屋の中では一番若くなおかつ階級も上の方の金髪の将校が
口を開く
- 149 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)01時42分37秒
- 「寺田大将!それはないですよ、木星共和国は先の戦争で
ボロボロです、そんな余裕はないですよ」
「そうですよ、それに火星はジオンの火星独立軍の反乱以来
火星には人がいると言う形跡はありませんよ
そんな事は、普通に考えたらわかる事じゃないですか?」
高官たちがその将校を馬鹿にしたように言う
「そうやろか・・」
「問題はそこではない....地球のUFA軍をどうするかだ」
部屋の円を書いている机の真中に座っている
おそらく一番偉いであろう男がしゃべる
「それは、連邦艦隊を地球に降ろすしかないでしょう」
「では、どの艦隊を降ろすかだが....」
さっきまで静かだった将校たちがざわざわと騒ぎ出す
だれも、地球におりて戦いたくなどないのだ
その騒音を突き破るかのように金髪の将校が口を開く
「私は、中澤中佐とダンスサイトを失った第三艦隊の後を継がせて
地球に向かわせたいと思います」
- 150 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)01時43分51秒
- 「ペガサス級の戦艦か?しかし、新しい艦隊を編成するだけの
部隊はありませんぞ?」
「それは心配ありません、私の部隊を少し回します
彼女らにはそれぐらいで十分です。」
「何故そこまで、あの艦を買うのですか?
うわさではあの艦にはNTが乗ってるとか...」
「それは、NT研究所の所長としては、ほっとけませんね....
おっとこれは失礼でしたな」
嫌味ったらしく言う
「いえ、気にしてませんから..」
まったく相手にしてないように話す金髪の将校
そこで、真中に座っている人物が口を開く
「よし、わかった第三艦隊の事は寺田大将に任せるとして
ほかのどの部隊を地球に回すかだな..
第十三独立部隊の飯田少佐と・・・・」
- 151 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)01時45分05秒
- 「辻〜!ピーマン食べや〜!」
「ギクッ」
希美の座ってる所から二つほど離れたテーブルに座っている中澤が言う
「た、食べますよ....」
スローで中澤の方に向き笑顔で答える希美
「ほんまやろうなー、食べ終わるまで見とくからな」
「ほ、本当に食べますから大丈夫ですよ..中澤さんも忙しいでしょ?
こんな所で油売ってちゃ..」
汗をダラダラかく希美
「ええって、うち今、暇やから大丈夫やで」
そこにアヤカが入ってくる
「あ!いたいた、艦長!」
アヤカが中澤の元へ歩みよる
「どうしたんや?アヤカ」
コーヒーをすすりながら聞く
「寺田大将が自分の所へ来てくれって言ってきました」
コーヒーを飲み終わると
「そっか、なら行くか...」
(よかった〜)
肩を撫で降ろす希美
部屋を出て行く中澤は足を止め
「あ!辻!ちゃんと食べんねんで!」
「も、もちろんですよ!」
ひきつった笑顔で見送る希美
- 152 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)01時46分38秒
- ウィィィィィン
ウィッシュの下で和田が何かの機械を見ている
「よし!お嬢さん!上がっていいぞ!」
和田の声と共に
カシャァァ!
ウィッシュのハッチが開き亜依が出てくる
シュゥゥゥ
ハッチに付いているワイヤーで下に降りてくる
スタッ
「和田さん!うちはどないでした?」
機械のモニターを見ながら
「ああ、かなり高い計測を出しているぞ」
「でも、うちはまだファンネルを完璧に操れんのです、
もっとうまく操れるようになりたいんです!」
「今のままで十分だと思うが?」
「あかんのや....」
悔しそうに悲しそうな亜依
- 153 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)01時48分18秒
- 「辻ちゃん!辻ちゃん!」
希美が廊下を歩いていると安倍が向こうの方から呼びながら来る
「何ですか?」
希美の所まで近寄ると
「ちょっと色々といる物があって本部にある店に買出しに行くんだ、
辻ちゃんもいこ!なかなか面白いとこだよ」
「でも、連邦本部って基地なんでしょ?何か重そうですよー」
いいですよーっと言いたげに手を横に振る
「そんな事ないよ、ここに配属されてる人のための街があって
結構おもしろいところだよ?」
少し考えて
「そ、それなら...行ってもい・・・」
「よし、行こう!!」
希美がしゃべり終わるのも待たずに手をひっぱる安倍
「あ!あいぼん!」
ひっぱられながら十字路に差し掛かった時に亜依を見つける
「のの!安倍さん!どこ行くんです?」
「今から買い物いくんだ、!、あ!あいぼんも一緒に行こ!」
亜依は安倍の方を見ると安倍はニコッて笑った
「ほな、うちも行こうかな.....」
「行こう!行こう!」
亜依の手をひっぱる希美
- 154 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)01時50分28秒
「え?私が第三艦隊をですか?」
寺田の部屋に呼ばれた中澤、あまりの衝撃におどろきをかくせない
「そうや、そんで地球の極東地区に降りてほしい、不満か?」
中澤の顔色を見る寺田
「いえ...ご命令とあらば....」
「しかしな、ほかの部隊から戦力を回す事ができん、
一応、俺の部隊から戦艦を二隻ほど用意する、
それがお前の第三艦隊の戦力や」
「.....わかりました」
「それと中澤、お前の艦に民間人が乗ってるそうやな」
「あの子ですか....一応軍曹として扱っていますが...」
「そうか...一応ここは軍隊やからな、しかし、おもろいもんを
見つけてきよったな」
(物?人を物扱い?)
寺田のその言葉に怒りさえ感じる中澤
- 155 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)01時51分06秒
- 「それは、NT研究所の所長として興味があるんですか?」
寺田は立ち上がり窓の外を見る、その目線の先に三人の少女が見える
ニヤリと寺田が笑ったように見えた
「それはあるな、あんな高性能なNTうちの研究所でも見た事がない
どれくらい強化すれば、あれぐらいになるんやろうな.....」
寺田のその言葉に悪寒が走る
「それでは、大将失礼します」
ガタッと机から立ち上がり部屋を出ようとする
「出発時期は後で、追って報告するそれまではここで待機や」
「了解、失礼します」
ブイーン
ドアが開き部屋を後にする中澤
- 156 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)01時51分44秒
- 連邦本部の中には小さな街があり本部に勤務している者が
住んでいる場所がこの街でたいがいの施設はそろっている
「あれと...これも買ったし....」
街の雑貨屋で安倍がつぶやきながら品物を選ぶ、その時、急に
「あ!そうだ!シャンプー買ってなかった!買わなきゃ!」
「シャンプーなら、まだストックたくさんありましたよ」
長い買い物に付き合わされてウンザリな亜依
「私は特別な奴じゃないと嫌なの!ちょっとここで待ってて
買ってくるからね、加護ちゃん、辻ちゃ・・・いない?」
辺りを見渡す安倍と亜依
「またあの子は迷子!?」
「ののは、何しとんねん!うちに負担をかけんなや!
安倍さん!手分けして探しましょ!」
「わかった、一時間後ここに集合ね」
二人はそれぞれ散らばった
「安倍さん!あいぼん!見て見て・・・・あれ?」
安倍と亜依が希美を探しに行ったと同時に希美が雑貨屋から姿を現した
「あれ?二人どこ行ったんだ???」
辺りを見渡す
「ま、いっか!そのうち見つかるか....あげぱん買いに行こっと!」
あげぱんを探しに行く希美
- 157 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)01時53分11秒
- 「むしゃ、むしゃ」
あげぱんを食べながら街のストリートを歩いていると
「!あの人.....綺麗だな.....」
オープンカフェでコーヒーか何かを飲んでる女性を見つける
椅子に座っているので背の高さはわからないが
髪はロングで美形である
オープンカフェの方を見ながら歩いていると
ドン!!
「気をつけろ!!」
人とぶつかり倒れる希美
「す、すいません.....あ!」
手にあげぱんがない事に気づく
「あ、あげぱん....!」
辺りを探しまくる
「な、ない!あげぱん!」
焦る希美すると
「はい、あげぱん」
「え?」っと声の方をみると長身の女性が立っていた
- 158 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)01時55分05秒
- さっきのオープンカフェに座っていた女性だった
「あ、ありがとうございます」
食べかけのあげぱんをその女性から受け取る
(落ちたけど...ま、いっか...)
その女性の方を見ると女性が希美をジーっと見ている
「あ、あの...な、何か...」
しかしジーっと希美を見る
(な、なんだ、この人...)
ジーっと見ていたかと思うと口を開き始めた
「なんでこんな所に子供がいるんだろう?」
「そ、それは、あのですね....」
希美が説明しようとするが女性は聞いてないというか聞こえてない
「あ!そーいえば!裕ちゃんの戦艦に子供の
パイロットがいるって聞いたな!あ!その子?」
(これは・・・私に聞いてるんだよね....)
頭の中がグルグルになる希美
気を取り直して
「はい、中澤さ・・・」
と、言おうとするが
「あのNT少女だよねー!へ〜あなたがね〜!」
やはり聞いてない
「あの〜」
「なるほどね〜ブツブツ・・・・」
女性はブツブツ言いながらどこかに行ってしまった
「――ニューニュータイプだ.....」
それが、希美が受けた謎の女性のイメージだった
- 159 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)01時56分56秒
「見つけたー!!ののー!!」
希美を見つけた亜依が走ってくる
「ハァハァ、ののどこいっとったんや、ハァハァ」
「どこって、あいぼんがどっかいったんじゃん」
「?まあ、ええわ、安倍さんも探してる事やし戻るで」
「うん」
その時二人の前に一人の男が現れる
- 160 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)01時58分12秒
- 「所長.....」
亜依がその男を見てつぶやく
「所長?」
希美が亜依の顔を見る
それを聞いた男が
「始めまして、辻希美君やな、俺は、この子...亜依がおった
NT研究所の所長の寺田や」
「あ、始めまして....」
一応挨拶するが希美はこの寺田にいい感じがしなかった
「加護、どうや?調子は?」
寺田が亜依の方を見る
「え、ええ感じです....うちの今の力なら誰にもまけません...」
「そうか、ならええわ、辻君、君は始めてであのガンダムM1を
動かしたそうやな」
次は希美の方を見る
「あ、はい....で、でも別にたいした事じゃないです...」
「それはちがうで!あのM1を動かせる奴なんてそうはおらん!
それをしかも初めてで動かせるなんてすごい事や!」
希美をほめる寺田の姿を複雑な表情で見つめる亜依
(うちかて...M1ぐらい...)
「それじゃあ、もう行くわ、加護もしっかりやるんやで」
「はい、所長」
寺田はそう言い人ごみへと消えて行った
(なんか....引っかかる人...)
希美はあまり好きになれる人ではないと思っていた
- 161 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)01時59分58秒
- 中澤が基地から戦艦ドッグに帰る途中基地の廊下で一人の女性を発見する
「圭織!」
中澤が圭織と呼んだ女性は聞こえていないのか返事をしない
「またか.....圭織!!」
大声で呼ぶ
その女性は、ハッとなり辺りをきょろきょろ見渡し中澤を見つける
「あ!裕ちゃん〜〜!」
中澤の方に近づいて来る
「圭織も地球に降りるそうやな」
「あ!さっき子供見たよ〜!」
ピクッとなる中澤
「いや....質問と答えが違うがな、子供ってなんやねん!」
「あ、そうなんだ、圭織の部隊も地球に降りろって言われたの」
ピクピクッとなる中澤
「そうや、戦艦三艦でな圭織の所は?」
「え?裕ちゃんの艦に子供が乗ってるんでしょ?」
ブチッとなる中澤
「うちをちょくってんのか〜!!」
「な、何怒ってんの?裕ちゃん...あ!もうこんな時間!!
いそがなきゃ!じゃあ、またね!」
そう言い基地の奥深くへと走って行ってしまった
「あの子は...まったく...」
苦笑いを浮かべ廊下の奥を見つめる
その後、ドッグに戻る途中で買い物に出かけていた三人と会い
四人は一緒にドッグへと戻った
- 162 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)02時01分21秒
- 四人がダンスサイトに戻るとダンスサイトにMSが積み込まれていた
「あのMSはなんです?」
亜依が興味深々に聞く
「あー、新しいMSやな、うちも詳しい能力はわからんが
やっと新型を連邦も投入してきよったんや
詳しい事が聞きたかったら和田さんに聞き、うちはブリッジに戻るから」
そう言い中澤が歩きだすと
「あ、私も!辻ちゃん、加護ちゃん私、荷物置いてくるから」
安倍も中澤と一緒に行ってしまった
「のの、格納庫に行ってみよ」
「うん....別にいいよ」
二人は格納庫に向かった
ガタン、ガタン
次々と新型のMSがダンスサイトに投入される
それを横目に格納庫に入る
ガタン、ガタン
「和田さん...和田さん..っとおったおった、和田さ〜〜ん!!」
亜依が大声で呼ぶが忙しく騒がしいため気づかない
「あかんな、聞こえんみたいやな....ほな、もう一回....和田さ・・・」
亜依が叫ぼうとした時
「やめなさい!!」
- 163 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)02時02分25秒
- 亜依と希美が声の方を見ると福田が立っていた
「あ...福田さん....」
「あなた達、ここは、遊ぶ所じゃないのよ?」
福田が二人に迫ってくる
グイグイ
亜依が希美の服を引っ張る
「うちこの人苦手や...」
亜依が耳元でささやく
「あの...私達、和田さんに、このMSの事聞こうと思って...」
「和田さんは、見ての通り忙しいのネヴァの整備でね
あなた達にかまってる暇はないの」
「ネヴァ.....?」
ポロリと希美がつぶやく
「そう、フォーゲットを量産化した機体があれ、MSネヴァ
わかったなら、速くここから出て行きなさい!」
「「は、はい!」」
二人は追い出されるように格納庫から出て行った
- 164 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)02時03分50秒
- ブイーン
中澤がブリッジに入る
「あ!艦長!本部から連絡がありダンスサイトは補給がすみしだい
連絡してこいと」
ブリッジに入ってきた中澤にアヤカが報告する
「そうか...」
そう言いながらいすに腰掛ける
「まったく、補給がすんだらって...うちらを敵に殺される前に
過労死させる気か?
んで?アヤカ、後どれくらいで補給、終りそうなんや?」
「あ、はい...今物資の運搬がだいいたい40%ぐらいですから...
後、三時間ほどすべて終わるとおもいます」
「そうか.....全スタッフに通達、今のスピードの二分の一の速さでやれって」
「え?二分の一ですか?」
驚いて聞き返すアヤカ
「そうや、同じ事いわせな!」
「りょ、了解」
アヤカは渋々艦内に放送する
「じゃあ、うちはしばらく部屋で休んどくからあんたらも
休憩しときや」
ブイーン
ブリッジを出る中澤
- 165 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)02時04分59秒
- 六時間後・・・
ブイーン
再び部屋に入ってくる中澤
「アヤカ、補給は終わったか?」
そう言い椅子に腰掛ける
「はい、もうまもなく終ります」
「そうか、なら本部に連絡してや」
「わかりました」
ポチポチポチ
アヤカが何か連絡している
「艦長!本部からの回線開きます」
「わかった」
本部からの連絡は今すぐ出港して、地球に降下しろとの事だった
「ダンスサイト!発進!!」
ゴオォォォォォ!!
ダンスサイトが浮上するとそれに続くように二隻の艦が浮上してくる
「『ヤマト』、『タカダ』両艦共に来ました!」
「よし!両艦にも通達!地球衛星軌道上に向け発進や!」
- 166 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)02時07分29秒
- 衛星軌道上には前の戦いで大敗した第三艦隊の残骸が広がる
「これが....戦争の後....」
自分の部屋の窓に両手を付けその様を見て恐怖に打ちひしがれる希美
「ん?」
何か向こうの方に見えた気がした
「気のせいかな....」
しかし、その何かが見えた場所を目を凝らして見てみる
「・・・・!やっぱり、何かいる!」
希美は急いで部屋から出るとブリッジへと向かった
「もうすぐ大気圏や、ちゃんと策敵しときや、戦艦の残骸やら
ミノフスキー粒子で、たよりになんのは自分の目だけやで!」
「でも、艦長、UFAは全軍が地球に降りたんでしょ?」
中澤の椅子の横に立っている福田が言う
「それはちゃうな、うちやったら確実に地球に向かう連邦軍を
大気圏突入の時に撃破する、ここが、一番の攻め時なんや」
ブイーン
- 167 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)02時08分14秒
- そこへ希美が入って来る
「中澤さん!!ハァハァ」
息を切らす希美
「どうしたんや辻」
「あ、あっちに何かが見えるんですけど」
希美は自分が何かが見えた方を指差す
「あっち?アヤカどうや?」
「待って下さい」
アヤカがコンピュータをいじり調べる
「・・・ミノフスキー粒子の関係で詳しくはわかりませんが
そこには、何も反応がありません」
- 168 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)02時09分45秒
- 「でも、あっちにたしかに見えたんです!」
何かを訴えるような目で中澤を見る希美
「辻さん、何かと見間違えたんじゃないの?」
「・・・・・」
黙ってその方向をただジーと見る希美
「第二種戦闘配置や!MS各パイロットはいつでも
出撃できるようにしとき!!」
「か、艦長!何で!?」
その中澤の言葉に驚きを隠せない福田
「ちゃうって、もうすぐ大気圏や、敵が攻めてくるかもしれんから
念のためにや」
「中澤さん.....」
「ほらほら!あんたらは速く着替えて待機しときや」
希美はブリッジから出てロッカーに向かう
(なんで....皆...NTばっかり..)
「明日香?どないしたんや?」
その場に立ち尽くしたままの福田
「明日香?」
「あ!いえ、何でもありません」
そう言いブリッジから出て行く福田
- 169 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)02時11分37秒
- ダンスサイトの平行線上に巡洋艦が走行している
pi....pi....pi....!
「確認しました....連邦戦艦です」
「よし、敵戦艦の大気圏突入時期に攻撃を仕掛ける」
「私達メロン戦隊の力を見せましょう!」
巡洋艦が怪しくダンスサイトに近づいてくる
「すごーい!あれが地球!」
希美がパイロットが待機する部屋で地球を見て感動する
「ほんまやな、うち地球初めてや〜!」
亜依も地球を見て感動している
「まさか、地球に行く日が来るなんて...安倍さんは、
地球行った事あるんですか?」
「ううん、初めてだよ、たしか...明日香は地球生まれだよね?」
そう言い一人ベンチに座る福田に話かける安倍
「ええ、別にたいした事じゃないけど」
「はは、まあそうだね」
グイグイ
希美の腕を引っ張る亜依すると耳元で
「話、終わってもうたで」
と、ささやく亜依、その時――
- 170 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)02時13分21秒
- ウィィィィィン!!
艦内に警報が鳴り響く
「な、何?敵!?」
慌てる希美
「敵か?どこや!?」
「ダンスサイトの同宙軸にUFAと思われる艦隊が現れ
MS部隊を展開してきました!」
「ヤマトとタカダにも通達!こっちもMS部隊を展開し
このまま大気圏に突入する!準備ができた艦から突入するんや!」
コックピットに乗る安倍
そこへ通信が入ってくる
『安倍、大気圏突入能力のないフォーゲットは
まだバリュートの装備が出来てない、
せやからMS部隊の指揮はあんたにまかせるで!』
「了解!」
- 171 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)02時14分22秒
- ガンガン
メモリーがカタパルトに上がる
「敵をダンスサイトに近づけないようにしなければ・・・
安倍中尉、メモリー行きます!!」
ゴォォォォ!
メモリーが発進するその次にガンダムM1が出てくる
『辻!ガンダムは単機で大気圏突入できるゆーたって
しっぱいしたら燃えるからな、気をつけや!』
「わかりました、気をつけます!
辻希美、ガンダムM1....行きます!!」
ゴォォォォォ!
ガンダムM1が発進した後、
ウィッシュとネヴァが次々とダンスサイト、ヤマト、タカダから
発進されていく
- 172 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)02時15分19秒
- UFAのMS部隊のバイセイコーの中に
四機の新型の緑のMSが混ざっている
『村田中尉!敵、艦隊からMS部隊が出てきました』
『わかったわ、全MSに通達、敵MS部隊を削るのが
私達のやくめよ!あまり深追いはしてはいけないわ!
大谷!斎藤!柴田!私達のコンビネーションを見せ付けてあげましょ』
『『『了解!!!』』』
- 173 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)02時16分41秒
- 「やっぱすごいなー地球は...」
希美は足下にある地球を眺める
その時ガンダムにワイヤーが引っ付く
ワイヤーをMSに引っ付ける事で糸電話式に通信できる
『のの!何ボーっとしとんねん、船は今から大気圏に突入しよんねん!
無防備やから、うちらがしっかり守らなあかんねんで!』
『わかってる!来たよ!!』
UFAのMS部隊が近づいてくる
『なんや、敵さんまた新型かいな、景気のいい所やな
いくで!のの!』
ワイヤーを離し敵MS部隊を待ち受ける
『村田中尉!前方にガンダムとウィッシュがいます!』
『....ほかのMSはバイセイコーに任せて私達はあの二機を倒すわよ!
このMSメロンの性能を魅してあげましょう!』
『『『了解!!!』』』
四機の緑色のMSが二人に迫ってくる
- 174 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)02時17分40秒
- 『三機づつ固まって、各個撃破するのよ!!』
安倍が部隊に命令する
その後ろをダンスサイトが通過していく
「いくわ!」
メモリーの肩にあるビームスプレーポッドを発射する
ズバァァァァァァ!!
何体かのバイセイコーに直撃する
『みんな!無理をしては駄目よ!
重力に引かれてしっまたら燃え尽きてしまうから!』
戦いながら、部隊の指揮も忘れない
ドドドドドド
バイセイコーのマシンガンをビームシールドを展開して
防ぐとビームバズーカを撃ち撃破していく
「死にたくなかったら前にでないで!!」
- 175 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)02時19分02秒
- ドドン!!ビューン!バン!
四機の見事なコンビネーションで、振り回される二人
バンバン!
M1がビームライフルを撃つが
パンパン!
一体がビームシールドで防御してその後ろからもう一体が
ロングレンジのビームを撃ってくる
「そんなの!」
その攻撃を交わすと交わした所に
もう一体がビームサーベルで攻撃してくる
ビリビリビリ
「つ、次から次へと....」
シールドで防ぐ
ダダダダ!
「離れろ!」
バルカンを連射してそれと同時にシールドでメロンを押す
吹っ飛ばされるメロンに
「もろたでー!!」
ウィッシュがツインビームサーベルで攻撃する
- 176 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)02時20分13秒
- ビリビリビリ!!
もう一体のメロンが中に割って入りウィッシュの攻撃を受け止める
そこに、ほかの二体がビームライフルをM1とウィッシュにそれぞれ撃つ
「なんやねん!ほんまこいつらは!!」
ビームを避けながらウィッシュのバックパックに付いている
ヴェスパーを腰に移動させる
「これは、シールドで受けたら貫いて直撃やで!!」
ウィィィィィン
ズバァァァァァ!!!
腰の二本のヴェスパーが火を吹く
『ヴェスパー!?大谷!避けろ!!』
大谷のメロンは間一髪でヴェスパーを避けるが少しかする
「そこの人!!よそ見なんかしたら命落とすよ!!」
村田のメロンにインコムで攻撃する
シュッシュシュ!
不規則な動きで村田のメロンに迫る
「有線には、限界があるよ!!」
インコムを避ける村田
- 177 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)02時21分38秒
- ダンスサイトの先っぽが少し赤くなってくる
「艦長!大気圏の突入準備がととのいました!」
「よし!ビームラムを展開!進入角度計算するんや!
MS部隊は各機自分の判断で大気圏突入するんやって通達し!」
『わかりました、各機に通達・・・・』
ドーーン!!
確実に敵を撃破して行く安倍はその通信を聞く
ダンスサイトを見ると全身が真っ赤になって地球へと突入して行く
『各機!もうそろそろ、限界だ!突入準備をしなさい!!』
安倍はメモリーのビームシールドを展開し突入準備をする
- 178 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)02時22分47秒
- 重力にどんどん引かれて戦闘区域が地球よりになっていく
『のの!やばいで!速く突入準備せな、燃えるで!』
『わかってる!でも、あの人達が!』
MSの足元が赤くなってきているがメロンはまだ攻撃してくる
『大谷!そろそろ、引くわよ!これ以上は危険よ!』
『はい!わかりました!』
メロンは引こうとするが
bi...bi..gi.
「え?何?」
大谷のメロンが動きが悪くなる
『どうしたの!大谷!』
「いえ、ちょっと...大丈夫で・・・・』
「そこ!もらったよ!!」
ズバァァ!!
ガンダムのメガビームライルが火を吹く
「あ、あ、あぁぁぁぁ!!!!・・・・・・・」
ドォカーーーーーン!!!
- 179 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)02時23分51秒
- 『大谷ーーーーーーー!!』
大谷のメロンがビームの直撃を受け爆発をする
『ガンダム!!!殺してやるーーーー!!」
村田のメロンがガンダムに突っ込もうとするが
ガン!
他の二体のメロンがそれを抑え付ける
『離せ!二人共!!奴を倒さなければ!大谷は!』
『中尉!だめ!危険です!これいじょうは!』
『私だって!悔しいです....だから、ここは引いて
次こそは、あのガンダムを!』
村田のメロンの動きが止まる
『すまない、隊長の私がしっかりしないといけないのに.....』
『いいんです、さあ、引きましょう!』
三体のメロンが戦闘宙域を離脱して行く
- 180 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)02時26分01秒
- メロンが逃げて行くのを見てM1とウィッシュは
大気圏突入の準備をする
『のの!ビビッてないか?もらしなやー』
『失礼な!大気圏突入するのビビッてるのあいぼんでしょ!』
二機のMSが真っ赤に包まれて重力に引き込まれて行く
ドドドドドド
「う、うぅ....う」
希美の前には大気の摩擦で真っ赤になった色しか見えない
ドドドドドドド
バ!!!
大気圏を抜ける
その瞬間、希美の目に青い海が広がった
『すごい....』
『ガー、のの!これが地球やねんな、何かすごいな!』
『ほんとに.....』
この時、希美はこの青い大地に来た事に喜びを感じていた――
この大地に待っている、すべての出会い、別れを知らずに――
希美はこのすべてを慈しんでくれる青い大地が
すべての悲しみを生む大地だと言う事を知らない.....
- 181 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月02日(日)02時27分19秒
- 〜第五話 青い大地 終〜
- 182 名前:名無しです 投稿日:2001年09月03日(月)01時01分56秒
- 大谷…(涙
また地球に戻ってきましたね…
地球でクライマックスに行くのでしょうか…
期待したままsage
頑張って下さい〜
- 183 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月04日(火)21時24分31秒
- 〜勝手に作ったMS図鑑4〜
MSメロン―UFA軍のエース部隊、メロン戦隊専用の機体であり
四身一体攻撃をするために四体それぞれに武装と性能が異なる
機体イメージは緑色のゲルググとハンムラビを足した感じ
武装はそれぞれ異なるが共通武装は腕に内蔵型のビームキャノン
ビームサーベル、ビームシールド
村田機―隊長機の村田機は策敵、通信能力が優れており装甲がほかの機体
より高く、ビームシールドの出力が高く防御用の機体である
柴田機―柴田機は加速性が高く、ビームサーベルの出力が高い接近用の
機体である
大谷機―大谷機はロングレンジの武装が多く、右肩にロングレンジキャノンを
装備し、バックパックにミサイルポッドを装備している
装備が多数あるため機動性がややおとる、後方支援用のMS
斎藤機―斎藤機は大谷機同様、後方支援用のMSであり大谷機と性能は一緒
- 184 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月04日(火)21時32分25秒
- 〜 第六話 亜依と希美〜
地球に降りたダンスサイトは地上での拠点を
手に入れるためホンコンシティへと向かっていた
「あかん...体が重い....」
ダンスサイトの甲板に希美と二人で行こうとした時、亜依がぼやく
「何言ってんの!?甲板に出て海を生で見ようって言い出したの、
あいぼんじゃん」
亜依のニ、三歩先を歩いていた希美がみけんにしわを寄せる
「そんなん、ゆーたかって体が重くてしんどいねん、
あーあ、今回ばかりは、うちのこの成長した所を呪うわ」
自分の胸を強調してしゃべる亜依 それを、見た希美が
「ど、どどどどーせ私はないよー!!!」
そう言い甲板へと走って行ってしまった
「冗談やがな....」
一人残される亜依
- 185 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月04日(火)21時33分33秒
- 亜依が甲板に着くと希美が向こうから手を振っていた
一応笑顔の希美にごめんと亜依はいったが
希美はなんのこと〜と笑顔で言った
「風が気持ちいいね!あいぼん!」
スゥーっと海に向かって深呼吸する希美
「そうか?うちには何や生臭い匂いしかせーへんわ」
鼻をつまんで匂いを防ごうとする亜依
「何で?いい香だよ?潮の匂いだよ」
「潮のにおいねぇ....」
「あ、あいぼん!ホンコンシティだ!」
希美の指差した所に街が見える
- 186 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月04日(火)21時35分13秒
- その頃、中澤達も海の先の方に見えるホンコンシティを見ていた
「さすがにUFAも中立都市には、手を出さんな」
ふぅっと気を張っていた中澤は軽く深呼吸をした
地球におりてからまだ一度も敵と遭遇していないとはいえ、
すでに地球の三分のニを占領したUFAに
いつ遭遇してもおかしくないこの場所でずっと気を張っていたのだ
「もう敵はあらわれんやろな」
中澤が油断したためなのかそうではないのかアヤカが突然
「艦長!十一時の方向に連邦軍とUFAが交戦しています!
どうしますか?」
「決まってるやろ!援護や!
ダンスサイト全速前進!パイロットにスタンばらせときや!
MSの発進準備どないや!」
「ウィッシュ以外は全機いつでも!」
ダンスサイト艦隊が旋回し戦闘エリアに向かって行く
- 187 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月04日(火)21時40分10秒
- 希美と亜依は警報を聞きMSデッキに走って来た
「和田さん!敵が攻めて来たんですか?」
二人が入って行くとちょうど和田が入り口の所に立っていた
「ああ、今回は敵と交戦している連邦軍を援護するんだ」
和田のその言葉を聞き亜依が
「そんな奴らうち一人でけちょんけちょんや!」
と、意気込むがそれに水を刺すように和田が
「お嬢さん、すまないがウィッシュは元々宇宙用のMSで
まだ地上用に換装しきれてないんだ、
だから今回はお嬢さんは留守番だ!」
「なんでやねん」と反論しようとする亜依を止めるかの用に
『MSパイロットは準備が出来しだい出撃して下さい』
デッキにアヤカの声が広がる
それと同時に希美はガンダムに向かって走りだした
「のの!!」
「あいぼんは、たまには休んでなよ!」
そう言い希美はガンダムに乗り込んだ
- 188 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月04日(火)21時43分14秒
- グウィィィィン
カタパルトにメモリーが上がる
『安倍中尉!メモリーは、地上用のE装備にしてある
新装備だから気をつけていけよ!』
『わかりました、和田さん....安倍中尉、メモリー行きます!』
ゴォォォォォォ!
メモリーが発進すると、もう片方のカタパルトからM1が出てくる
『辻!あんた、地上での戦闘初めてやろ、あんま無理したらあかんで!』
『はい!辻希美、ガンダムM1...行きます!!』
ゴォォォォォ!
ガンダムが発進する姿をMSデッキから見ていた亜依は
コブシを力いっぱい握りしめていた、何かを抑えるかのように
- 189 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月04日(火)21時48分53秒
- 一方、戦闘エリアの連邦軍とUFA軍の戦力は五分五分であり
一進一退の攻防を繰り広げていた
そのUFA軍の中に動きが少し鈍いMSがあったそのMSには
女性パイロットが乗っていた
UFA軍の女性パイロットはこの戦いが初めての実戦であった
「あ!こっちから?つ、次はこっち?」
女性パイロットはかわいいアニメ声で叫びながらなんとか
ビームを避けていたが遠くの方に
連邦軍の増援部隊が向かってくるのが見えた
「あれは....連邦軍....そんな...私もう駄目だ....」
その女性パイロットはその時死を覚悟した
- 190 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月04日(火)21時52分35秒
- 「これが、地球の重力....でも!」
最初、希美は地球の重力に苦戦したが
NTの適応性の速さですぐになれ敵を次々と倒して行く
安倍はメモリー(地上用武装)の機能のホバー機能で
海の上を走行し安倍も次々と敵を倒していく、
福田は地球の戦いはなれていたのでいつも通り部隊を指揮しながら戦っていた
亜依は、MSデッキでその様子を見ていたら
横の方から整備兵の話し声が亜依の耳に聞こえてきた
「おい、さすがにNTはすごいな次々とMSを撃破していくぜ」
「ああ、あの子がいれば、この艦も安泰だな!」
「てめえら!うだうだしゃべってんじゃねえ!」
和田に一喝されその整備兵達は自分の持ち場に戻って行った
それを聞いていた亜依は心の中から何かがふつふつと浮かびあがってきた
(うちかてNTやなんでいっつもののばっかやねん、
所長もののの事ばっかほめよる、
中澤さんも安倍さんものの!、のの!やいっつもそうや..)
亜依には今まで抑えていた、あるコンプレックスに対しての
憎しみが希美に対して沸き上がって来るのを感じた
- 191 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月04日(火)21時58分47秒
- 「敵、全機沈黙です」
五分と五分であった戦力にダンスサイト艦隊の戦力が加わった
当然の結果であった
「んじゃあ、全機戻らせ」
いつも戦闘で気を張っている中澤の余裕のある顔を見れば
この戦いがどれくらい楽だったかがわかる
希美はダンスサイトに戻ろうとした時、
海に浮かぶおそらく敵MSのパーツであろう赤い丸い物体を見つけた
「なんだ?あれ?」
希美はその赤くて丸い物体に地づいて見た
「ば、爆弾じゃないよね.....」
おそるおそるガンダムの手がその赤くて丸い物体を触るが
何も起きないどうやら爆弾ではないようだ
「・・・・何か・・・・」
希美はその赤くて丸い物体に何かを感じて
それを持ってダンスサイトに戻っていった
- 192 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月04日(火)22時16分04秒
- >>182
ありがとうございます
学校が始まりこれを書くのも行きと帰りの電車の中だけなので
更新も遅くなりますが見守っていてください
- 193 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月04日(火)22時52分36秒
- おっと…これは…アニメ声…期待してます(w
ちょっと気になるのが、ののとあいぼんのすれ違い(?)でしょうか…
ちょっと見慣れない光景ですね…
更新遅くても見てますんで、頑張ってください〜
- 194 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月07日(金)00時19分03秒
- 「艦長!辻さんが敵機のと思われる脱出ポッドを拾って来ました」
「なんやて?で、敵のパイロットは生きとんのか?」
「はい、まだ開けていませんが生命反応があります」
「わかった、うちも行って見るわ」
そう言い中澤はデッキへと歩いていった
いっぽうMSデッキでは、
希美が拾って来た赤くて丸い物体――脱出ポッドのまわりに人が
集まっていた希美はその物体が何なのかわからなくて
気にはなっていたが亜依の姿がどこにも見えない事のほうが気になっていた
(あいぼんどこにいったんだろ?)
しかし、デッキに中澤が来た事が希美の注意をその丸い物体へと引きつけた
「和田さん、開きそうですか?」
「ああ、ちょっと熱でドアの部分が溶けてひっついていたが大丈夫だもう開けれる
「中澤さん、これって何なんですか?」
和田と話していた中澤に聞いてみる
「これはな、MSの脱出ポッドや」
「脱出ポッドって....じゃあ、中に人がいるんですか?」
「そうや、あ!見てみ開くで」
中澤が目線を脱出ポッドへと向けると和田がハッチを開けた
中から人は出て来ない
- 195 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月07日(金)00時27分42秒
- 「気絶してるんじゃないの?」
安倍がもっともな事を言うと中澤が中を確認して
ハッチから顔を出して
「タンカ持ってき!」
中澤の一声で、どっからともなくタンカがやってくる
整備士達がパイロットを中から出してタンカに乗せる
ヘルメットをしていてどんな顔なのかわからないが
細みの体でたぶん女性だろう
「そのヘルメットぬがしたり!」
中澤の言われるがままにその女性であろう人のヘルメットをぬがす希美、
そのヘルメットの下から出てきたのは、きしゃな女性であった
「わぁ!まるで、王子様のキスで目覚めるお姫様みたい!」
それが、安倍のタンカの上で気絶しているパイロットを見た印象であった
「早く医務室に連れてったり!」
中澤がそう言うと何人かの兵士がタンカを押して医務室へと連れていった
その様子をぼーっと見ていた希美は顔を少し上げ中澤の方を向くと
「あの人、どうなるんですか?」
「まあ、取りあえず意識が戻ったら事情聴取して、
しばらくは、この艦で捕虜扱いやな」
そう言うと中澤はどこかに行ってしまった
- 196 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月07日(金)00時32分59秒
- ぼーっとしていた希美の元に安倍がやって来て
「辻ちゃん、ご飯食べに行こ!」
そう言って来たので希美は迷わず
「はい!」
と言い食堂へと向かった
二人が食堂に着くと亜依が一人で食事しているのが見えた
(あいぼん、お腹空いてたんだ)
さっきMSデッキにいなかったのは、
お腹が空いてて一人でご飯食べてたからだと思い
「あいぼーん!!」
希美が亜依を呼ぶが亜依は聞こえなかったのか
ご飯を食べ終え、食器を片付けもう一つの出入り口から出て行ってしまった
「どうしたんだろ?加護ちゃん」
「きっと、聞こえなかったんですよ!」
「そうだよね」
そう希美は安倍と自分に言い聞かした
- 197 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月07日(金)00時35分36秒
- ズドォーーーン
ダンスサイト艦隊がホンコンシティの港に着陸する
ダンスサイトは港の上に着陸して、ヤマトとタカダは
海の上に停泊する
「よし!やっと着いたな」
椅子の背もたれに、深く腰をかける中澤
首を少し動かし横に立っている福田を見て
「明日香、あんたはうちと一緒にホンコンシティの市長に会いに行くで」
「なんで市長になんかに会いに行くんですか?」
「まあ、一応ここは中立都市やし、ここに戦艦を置くんや、
あいさつぐらいしとかなあかんやろ、
明日香あんたは、うちの、まあ、言ったらボディーガードやな」
「わかりました、命令ですから....」
「ほな、行こか」
そう言いブリッジから出る中澤の後ろを着いて行く福田
- 198 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月07日(金)00時39分05秒
- 希美は、たまった洗濯物を、艦の洗濯機に入れていると
「辻ちゃん、一緒に街を見に行こうよ」
洗濯物を出している時に、安倍が後ろから声をかける
「え?街に行っていいんですか?」
「うん、裕ちゃんがいいって」
「本当ですか?じゃあ、あいぼん呼んで来ますから、
先に外で待っていて下さい」
ダダダッ
希美は洗濯物を洗濯機に押し込めて入れると亜依の部屋に走って行った
ドンドンドン!
亜依の部屋のドアを叩く希美
「あいぼん!いないの?あいぼーん!」
いつもなら部屋に鍵など掛かっていない亜依の部屋だが
今日は鍵が掛かっている
「いないのかな....」
その時、亜依は部屋にいたが外に出る事はなかった
希美はしかたなく部屋を後にした、
- 199 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月07日(金)00時42分26秒
- >>193
ありがとうございます
そう言ってくれると助かります
なるべく更新して行くようにがんばります
- 200 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月08日(土)17時33分40秒
- ののが主なのでなんとなくほのぼのでいい感じ!
安倍が伝説のエースって・・・中澤&明日香とは元戦友?
中澤はどんな経歴で艦長に?ちょっと知りたい
- 201 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月10日(月)21時42分30秒
- 希美は、亜依を艦内中探したが亜依はどこにもいなかった。
しかたなく希美は、安倍が待っている場所へと向かった
ダンスサイトから、人が出入りできるように地面に伸びている
階段を降りると、ちょうど階段の下に安倍とジープに乗ってる
アヤカが希美を待っていた
「あれ?加護ちゃんは?」
加護を呼んでくると言っていたのに加護がいない事を
疑問に思う安倍
「あ、何かどこにもいないんです、たぶん一人で街に
行ったんだと思います」
安倍の目を合わせず苦笑して答える希美
「そっか、まあ、街に行ってるかもしれないんだったら、
街でもしかしたら、会えるかもしれないよ」
「そうですね」
「二人とも早く行きましょうよ!」
アヤカが、二人の横にあるジープに乗りこっちを見ている
「はいはい!さっ!辻ちゃん乗って!」
ジープの後部座席のドアを開けて希美に乗るように進める安倍
希美が後部座席に座ると、安倍は助手席にまわって助手席に座る
「それじゃあ、行きますね」
アクセルを踏みジープを発進させるアヤカ
希美は、この日、亜依と会う事はなかった
- 202 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月10日(月)21時43分40秒
- 希美達が街で買い物をしていると、向こうから中澤と福田が歩いてきた
何やら中澤は怒っているようであり険しい顔をしている
安倍は、近づいてくる中澤に気づき
「あれ?裕ちゃん何怒ってんの?」
その安倍の問いを聞いて、さらに怒りが増す中澤
「安倍!!うちは艦長や!!なんや!その口の聞き方は!
もう昔とは違うんや!!」
「は、はい、艦長」
いつもは、安倍が中澤の事をなんと呼ぼうが、
そんな事では怒らない中澤に、圧倒される安倍は
反射神経的に答えてしまう
希美もこんなに怒っている中澤を見るのは
初めてなので、ただ黙って様子を見ていた
「福田さん、何かあったんですか?」
中澤の横にいる中澤が怒ってる事情を知っているであろう人物
福田に聞くアヤカ
「ここの市長にね、女が戦艦の艦長をしているのかって馬鹿に
されたのよ」
「ほんま、あいつムカツクわ〜〜!!
いつの時代の人間やねん!考え方古いっちゅーねん!!」
- 203 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月10日(月)21時44分48秒
- 怒りを何かで晴らしてやろうかと、まわりをきょろきょろする中澤、
その時に希美が視界に入り、希美にいつもと違う違和感を感じる
「辻、加護はどこや?お前みたく迷子にでもなったんか?」
「あいぼんは、一緒に来てないんですよ、一緒に来ようとしたんですけど
どこにもいなくて・・・テヘヘ」
苦笑しながら答える希美
「ほっか・・・まあええわ、アヤカ、うちらもジープで送って」
「でも、まだ買い物が・・・」
「うっさい!これは、艦長命令や!逆らったら軍旗違反やで!」
中澤のめちゃくちゃな理由で、しぶしぶと三人は
ダンスサイトへと戻っていった
- 204 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月10日(月)21時46分33秒
- それから、三日が立った、しかし、希美はこの三日間、
亜依とまともに会っていないでいた
出会ってから、いつもあたりまえのように横にいた
亜依がいない事が寂しくてたまらなかった
「あいぼん・・・最近、しゃべってないな・・・」
廊下をうつむき加減でとぼとぼと歩いていると、
希美の先に見えている十字路の横から亜依が歩いて行くのが見えた
「あ!あいぼーーん!!」
希美の目には、亜依がこちらをチラッと見たような気がしたが
希美の声に気づかなかったのか気づいていたのかわからなかったが
亜依は、そのまま歩いて行った
降ろした髪と肩をシュンっとしていると
ポンッ!
希美の頭の上に何かが置かれた
- 205 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月10日(月)21時47分18秒
- 希美はそれが、何かかと確かめようと後ろを振り返ると
見上げた目線の上にある中澤の顔を見つける
「今日は、髪を降ろしてんねんな、出会った時ぶりぐらいやな髪降ろしてんの、
加護が来てからはだいたいツインテールやったのに」
「そうですね・・・たまには、気分転換です」
そう言って希美は笑顔を見せるが、希美の顔の雰囲気は重い、
中澤はその顔を見て
「なんや?元気ないな、加護となんかあったんか?」
「いえ・・最近あいぼんと会ってないから・・・」
「そっか、まあ、最近は忙しかったからな・・・あんたも疲れてるやろ?
公園にでも行って気分転換してきたら」
「公園にですか・・・?」
「そや」
- 206 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月10日(月)21時49分29秒
- 希美は中澤に、言われるがままに街にある公園に来ていた
公園には真中に池がありその池を囲むように作ってあり
比較的に人の数も多い
希美は池に沿って歩いていると池にかかる長い橋があり
その橋を歩く
希美が池を見たりしてキョロキョロしてると橋の向こう側から
人影が見えた
「あいぼん!」
橋の向こう側から歩いてくるのは亜依であった
「のの!」
亜依も希美に気づいたらしく希美の顔を驚いた顔で見ている
「あ、あい――」
希美が呼ぼうとした時――
ダッ!!
亜依はその場を振り返り希美とは別方向に走って逃げようとする
「あいぼん!!」
希美の呼び声を無視して、そのまま行ってしまう亜依
「まってよ!あいぼん!!!」
走る亜依の腕を、二、三メートル先でつかむ
- 207 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月10日(月)21時51分30秒
- 「やめてや!!」
希美に捕まれた腕を振りほどくと亜依はその場に立ち止まる
「私、あいぼんに何か悪い事した?」
「してへん!」
「じゃあ、何で怒ってんの?私わかんないよ!!」
亜依は希美に視線を合わせずに
「お前は、何も悪い事してへん!!けどな・・けどな・・・
うちは、あんたの存在がムカツクんや!!」
外していた視線を希美に向ける
「何で?何で、そんな事言うの!?うそなんでしょ?
冗談でしょ?あいぼん!!」
希美の目にうっすらと涙が溜まってくる
「うっさいねん!」
そう言うと亜依は左手に着けているフォン・ブラウンで
買った希美とおそろいのブレスレットを外す
「何?何するの?」
「もう・・もうたくさんや!!」
亜依は手に持っていたブレスレッドを池に投げつける
ポチャン!!
比較的に浅い池だが黒く濁っておりもうブレスレッドは
どこに行ったのかわからない、もう探し出すのは無理だろう
「あいぼん・・・何で・・・?ひどいよ・・・」
そのばに崩れ落ちる希美目からは溜まった涙が止め処なく
こぼれ落ちていた
膝を着く希美を背に亜依はその場を立ち去っていった
- 208 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月10日(月)21時53分12秒
- >>200
ありがとうございます
そこらへんは機会があれば書きたいと思います
- 209 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月11日(火)10時29分59秒
- その日の夜――
ドンドンドン!
「裕ちゃん!裕ちゃん!!」
中澤の部屋のドアを必死で叩く安倍
「なんやねん・・・うっさいなぁ」
渋々ドアを開ける中澤の目に息を切らして
あせりの様子が見える安倍の顔が飛び込む
「なんや?どうしたんや?」
安倍は息の乱れを整える事もなく
「辻ちゃん!辻ちゃんがどこにもいないの!
艦内のどこにも!もうこんなに遅いのに!」
「落ち着きや、そんな心配せんでも大丈夫やって
あの子もそこまで子供ちゃうで」
安倍を、落ち着かせようとするが
「も、もしかしたら・・変なおじさんにさらわれたんじゃ!」
一向に安倍は、落ち着く気配を見せない
「さ、探しに行かなくちゃ!」
安倍がその場を去ろうとする
「ちょっと待ちや!」
ガシッ
安倍の腕を掴む
「あんたは、ちょっと辻に過保護すぎんで!
そりゃ、自分の昔に重ねるのはわかるけどな!」
安倍は自分のつかんでいる中澤の腕を掴み
「離して!!何て言われてもいい!!
あの子に、私と同じような目に会ってほしくないの!」
中澤の腕を振りほどきそのまま走って行く
- 210 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月11日(火)10時31分14秒
- 「まったくあの子は・・・」
走って行く安倍の後ろ姿を見つめていると
何かを感じ口を開く中澤
「・・・加護は知らんのか?辻の居場所」
廊下の曲がり角に隠れていた亜依が姿を現す
「・・・知りません・・・」
「そうか・・・」
少し間が開き
「それ以上聞かないんですか?
中澤さんは、知ってるはずじゃないですか
うちが、公園でののと会った事」
「別に・・・人のプライベートまで口を、
出そうとは思わんからな」
その言葉を、聞いて亜依の顔が怒りに満ちてくる
「何言ってるんですか?中澤さんでしょ?
うちに、公園に行けって言ったの!
ののとうちを会わせようとして!!」
激しく言ってくる亜依に、少しも動じず
「そうや」
「そうやっ・・・」
亜依がしゃべるのをさえぎるように中澤が続ける
- 211 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月11日(火)10時34分24秒
- 「うちは、最初あんたがこの艦に乗ることは、反対やった
うちは艦長やし、あんたの正体知ってたしな」
「やっぱり、皆N・・」
亜依の言葉など無視して続ける
「あんたが、辻に劣等感を感じてくるのは目に見えてたからな」
「・・・・」
「でも、どうや?ふたを開けてみたら、
二人は兄弟のように、いっつも一緒に仲良くしとる」
「・・・・」
「うちは、それ見た時、あんたがこの艦に来てくれて
ほんまによかったって思った
あんたに、会う前のあの子は、
うちらに歩みよろうとしてくれてたけど、
でも、どこかうちらに一線引いてた」
「・・・・」
「同年代の友達は、初めてやったんと違うか?
本当にうれしかってんやろうな
あんたがこの艦に来た日、あの子は、
うちに、目えキラキラさせながらあんたの事
しゃべってたで」
「・・・・」
- 212 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月11日(火)10時35分17秒
- 「あの子は、NTとかそうじゃないとかで、
人を見てたんか?違うやろ?
きっとあの子は、あんたが強化されてたと知っても
いつもとかわりなく接してくるはずや」
「それは、ののが本物のNTやから・・」
小さい声で口ごもる亜依
ふぅっとため息をつくと中澤が
「あんたは、あの子の事、もう少し考えてみ」
そう言い自分の部屋を、開けて中に入ろうとすると
立ち止まりそのまま亜依に背中を向けたまま
「誰も、辻だけをかわいがってるんじゃないで
もし、今日、見つからんかったのがあんたでも
安倍は、必死であんたの事探すで
みんな、二人を同じように愛してんねんからな」
中澤はそのまま部屋にへと入って行く
「・・・・」
亜依はその場に、ただ立ち尽くすしかなかった
- 213 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月11日(火)11時54分08秒
- 中澤かっけー!!
オモロイよこの小説
- 214 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月16日(日)09時53分44秒
- その日、結局、希美はダンスサイトに帰っては来なかった
もうすでに太陽は昇って朝になっていた
一晩中、希美を探しつづけた安倍は疲れ果てて
艦にある、サロンに座り込んでいた
サロンには、亜依とアヤカ、福田も居た
「どこに、行ったんだろう・・・辻ちゃん・・」
ため息をつく安倍の顔色は悪い
「なっち、休んだほうがいいよ、
あの子が戻って来たら教えるから」
福田が安倍の肩に手をかける
「明日香・・・ありがとう・・・でも、いいよ
私、待ってるから・・あの子が帰ってきたら
叱らなくちゃ、皆にこんなに心配かけて・・」
肩にかけられた福田の手にそっと触れる安倍
「でも・・・」
「ほんとに、辻さんは、どこにいったんでしょうか・・?」
アヤカが、口を開く
「本当に・・・」
亜依は、三人から少し離れた場所から、
三人の会話を、複雑な気分で聞いていた
- 215 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月16日(日)09時55分30秒
- その時――
ウィィィィィン!!
艦内全体に警報が鳴り響く
「な、何?」
安倍が立ち上がり、おろおろする
『敵、MS部隊接近!第一種戦闘配置!!』
アヤカとは違うオペレーターの声で、放送が響く
「こんな時に!」
福田がMSデッキに走って行こうとする
その後から走ってくる安倍に福田が気づき
「なっちは、ここに残ってなさい!!」
走りながら振り返る福田
「いい!大丈夫だから!」
「知らないからね!」
二人はそのままMSデッキに走って行った
亜依とアヤカも、それに続き走って行く
- 216 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月16日(日)09時56分49秒
- ブイーン
アヤカがブリッジに入って来ると
ブイーン
その直後に、中澤もブリッジに入ってくる
中澤の姿を、確認したアヤカはいそいで席に着く
それを、確認したのかどうかはわからないが
中澤も、椅子に座る
「敵の数は?」
「ミノフスキー粒子の関係で、詳しくは、わかりませんが
戦艦が一隻、MSが多数接近中です」
今、来たばかりのアヤカには、わからないので
違うオペレーターが答える
「そうか、ヤマトとタカダを、発進させて街から
離すんや!ダンスサイトはこの場に待機、
いつでも、発進できる準備はしとくんやで!」
「待機ですか?」
アヤカが中澤に聞く
「ああ、まだ、一人、迷子の子が乗ってないからな」
それを、聞いたアヤカに少し笑みがこぼれる
(なんだかんだ言って、気にしてるんですね)
- 217 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月16日(日)09時58分48秒
- 亜依は安倍と福田に少し遅れてMSデッキにつく
安倍と福田がそれぞれにMSに搭乗しているのが見える
亜依は、ウィッシュの前に到着するが、
そこで、少し考えウィッシュには、乗らずに
違う場所と向かって走って行った
「お嬢さん!!そっちは、ガンダムのデッキだぞ!」
和田の止める声を聞かずに、そのまま走り続ける亜依
(うちかて、ガンダムに乗れば!)
ガンダムに搭乗する亜依
「艦長!加護さんがガンダムに無断で、搭乗しています!」
アヤカが、中澤に報告すると同時にブリッジに回線が、
割り込む
『中澤さん!うちに、ガンダムに乗せさせて下さい!!』
亜依の回線に、少し考え
「かまへん!許可するで!
加護!この街に、敵を近づかせんようにするんやで!」
『わかりました!』
回線が切れる
- 218 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月16日(日)10時00分10秒
- (ちゃんと、動いてや!ガンダム!)
うつむいていた顔を上げて
「亜依、ガンダム!行きます!!」
ゴォォォォ!!
カタパルトの射出は使わずに、発進するガンダム
ヤマトとタカダは、街に敵を近づけないよう
沖へ沖へと、進路を取って行く
亜依は、移動して行く戦場に、追いつこうとするが
ガンダムが、うまく動かずに苦しんでいた
「くっ!なんや!この反応の悪さ!サイコミュと
全然連動できひんやないか!」
動きの悪いガンダムに
シュルルル
ガンダムにワイヤーが引っ付く
「軍曹!ダンスサイトに戻ってウィッシュに乗り換えなさい!
そのままでは、死ぬだけよ!」
ワイヤーを、伸ばして来たのはフォーゲットだった
「大丈夫です!行けます!」
フォーゲットに付けられたワイヤーを外し、
敵の中へと突っ込んで行くガンダム
「軍曹!!しかたない・・第一、第二小隊は、ガンダムを
援護!後は私と、安倍中尉の指示に従いなさい!!」
各小隊に、命令する福田
- 219 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月16日(日)10時02分02秒
- 動きが悪くても地球での戦いが、初めてでも
敵のMSを次々と撃破して行く亜依
「こんなもんか!これならうち一人で、全滅や!!」
援護に来た味方MSをも無視して
単機で敵の戦艦に向かって行く亜依
戦艦のビーム砲撃をかわしてビームライフルを構えたその時
ズバババババ!!!
突然、海の中から無数のビーム兵器が、
ガンダムに向かって飛んでくる
「なんや!!」
突然の攻撃に驚き、回避しようとするがM1に数初被弾する、
そして
ドン!ドン!ドン!
亜依について来たMS部隊が、今の攻撃をくらい全滅する
- 220 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月16日(日)10時03分04秒
- 「くっ!!なんやねん!!」
ズバァァァァァ!!
亜依は、ビームを撃ってきた海の中にある何かに
向かってメガビームライフルを連射する
パシャン!パシャン!
しかし、海の中の何かにあたった気配はない
「くそ!卑怯やねん!!」
亜依が、海の中の敵に注意を引かれていると
バン!バン!
空からほかの敵部隊が、攻撃をしてきて
亜依はすっかり囲まれてしまう
- 221 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月16日(日)10時04分33秒
- 「艦長!ガンダムが、敵軍の中で孤立しています!」
「チッ!安倍か明日香に援護に行くように言うんや!!」
「・・・だめです!二人共、敵MSに囲まれていて
ガンダムに近づけません!」
それを聞いた中澤は、体を前に乗り出しコブシを握りしめて
悔しさをにじみだす
その時――
『艦長!!ウィッシュが―!!』
突然、格納庫の和田から回線が入る
「和田さん?ウィッシュがどうしたんですか!?」
和田の返答を聞かずにウィッシュに、何があったかわかった中澤、
カタパルトにウィッシュが、上がって来るのがブリッジから見えたからだ
「誰や!ウィッシュを動かしてんの!!」
中澤の問いかけに、数秒、間があいて
『ザ、ザー、ガガ、ガー・・・たしです!
遅れてすいません!中澤さん!発進許可を!』
「・・・わかった!行ってき!でも、これが終わったら
みっちり説教やからな!」
「・・はい!!・・・ウィッシュ、行きます!!」
ゴォォォォォ!!
ウィッシュが、カタパルトから空に上がる
- 222 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月16日(日)10時05分54秒
- 「うちを、なめんなや!」
ザブーン!!
海の中に飛び込むガンダム
海の中に入ると水中用のバイセイコーが三機いるのが見えた
ズババババ!!
海の中と言うのを構わずにメガビームライフルを発射する
水の抵抗で徐々に威力を、失っていくが
それでも、普通のビーム以上の威力で向かって行く
ドォォォン!!
突然の攻撃で避けきれなかった一機が、直撃を受け爆発する
「よっしゃ!!まず一機や!」
しかし、亜依の勢いも水中のMSの段違いの機動力で
手も足も出なくなる
「あかん!このままやったら!」
水中から、急いで逃げ出すM1だが
M1が水中から、抜け出すと同時に、空中にいた
バイセイコーが、一斉にガンダムに攻撃してくる
ドン!ドン!
数発がガンダムに直撃をしてかなりのダメージをくらう
「くぅ!!」
なんとか持ちこたえさらに撃ってくるビームを避ける
- 223 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月16日(日)10時08分08秒
- 「加護ちゃん!・・・明日香!なんとかここを抜け出せない!?」
自分の戦闘をしながら横目で、亜依のピンチを確認した安倍
「駄目!敵の数が多くて!まさか水中にこんなに
潜んでるなんて!」
「加護ちゃん・・・ガンダムのサイコミュは
辻ちゃんのレベルに合わせてあるから
加護ちゃんには、荷が重過ぎるんだよ!!」
そう言った瞬間――
ドン!!ドン!!ドン!!
安倍達のまわりにいた敵のMSが二、三機爆発を起こす
「え?なんで・・・あ!あれは!!」
向こうの方を何かが通りすぎる
- 224 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月16日(日)10時09分16秒
- ドオーーーン!!
直撃を受けたM1が海に落ちる
大量の水しぶきと共に海の中に下半身が浸かった状態になる
「あかん!動かへん!くそ!!動けよ!動いてや!!」
必死で手を動かしM1を動かそうとするがまったく動かない
ガチャッ
バイセイコーがライフルを、ガンダムに向けて構える
亜依は死を覚悟した
その時―――
ドオォォォォォォン!!
ライフルを構えていたバイセイコーが、突如爆発する
「な、なんや!!」
敵のMSにも亜依にも、何が起こったのかがわからない
何かを、察知したのか敵MSが振り返ろうとするが――
ドンドンドンドンドン!!!
次々とバイセイコーが、爆発を起こしていく
- 225 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月16日(日)10時10分34秒
- 「ど、どーなってんねん・・・」
亜依は呆然とその光景を見ていた
バイセイコー達が振り返ろうとした先に何かがいるのはわかっていたが
バイセイコーが爆発した時の煙で、その先に何がいるのがわからない
すると、煙の一部が盛り上がって変な動きのミサイルが現れる
「あれは!」
変な動きのミサイルは、そのまま海の中に入って行く
「今のは・・・!」
ミサイルが海の中に入ってからすぐに海に
二、三本の水柱が立つ
「ま、間違いない・・・!今のは、ファンネルミサイルや・・」
爆発の衝撃で海がゆれ、その振動で揺れるガンダムの中で
亜依は悔しさに溢れていた、
亜依の他にファンネルを扱えるのは安倍と――
「また・・・ののか・・・」
煙の中から真っ白な機体――
ウィッシュが姿を現す
そして、ウィッシュがガンダムの方へ近づいてくる
- 226 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月16日(日)10時11分42秒
- 「あんだけの事うちがしたのに、
なんでまだうちの所にくんねん・・・アホやな、あいつ・・」
ウィッシュがガンダムの前に降りてくる、
コックピットが開いておりそこから希美が体をだして
亜依の方に何かを叫んでいる
その希美の姿は、いつも綺麗なストレートな髪は
バサバサであり泥だらけ、体中も泥だらけの格好であった
「なんで、そんな汚いねん」
亜依は、希美の体を見て呟く
しかしその瞬間―――
こっちに向かって叫んでいる希美の手を見た
亜依は涙が溢れてきた
- 227 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月16日(日)10時14分05秒
- 「アホなんはうちやん・・・うちは何でこんなアホやねん・・!
のの!!うち!うち・・・!」
泣き叫ぶ亜依の前にウィッシュが降りてきて
ガンダムと同じように下半身が海の中に潜る
ウィッシュの手の平を二つのMSのコックピットの間に置き
橋のようにすると希美がコックピットから出て手の平に乗る
希美が右手を、胸のあたりに手を置き、M1の方を
不安げな顔で見ているとガンダムのコックピットが開き
亜依が姿を現す
「のの・・ごめ――」
亜依がしゃべろうとすると先に希美がしゃべる
「あいぼん・・ごめんね・・・」
「え?」
あやまってきた希美に驚く亜依、
希美の顔を見るとうっすらと涙が溜まっている
- 228 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月16日(日)10時16分28秒
- 「私、ずっと考えたんだけど・・あいぼんに
何したのか全然わかんなくて・・・でもっ・・!でもっ!!
私、あいぼんに嫌われたくないよ!
私の気にいらない所があるなら直すから!だから!!」
希美の目からは大粒の涙が溢れていた、その涙を拭きながら
「今の私にはこれぐらいしか出来ないけど・・・・」
そう言い、希美は手に持っていた物を亜依に差し出す
それは、亜依が公園で投げ捨てたブレスレットであった
「のの!!」
亜依は希美に抱きつく
「のの!ごめんな!ののは何も悪くないねん!
悪いのは全部うちやねん!勝手にののの事に嫉妬して・・
うちは、ののに酷い事して・・・ののの体中泥だらけにして
許してくれなんて言わん・・・でも・・でも・・うち・・」
亜依の目からは、大粒の涙が溢れてくる
希美は、亜依の肩に手を置き目と目が合う所まで亜依を離す
「ううん、あいぼんは私の大切な友達だよ、
どんな事があっても、あいぼんが私の事を嫌いになっても
私の事を忘れても、あいぼんは私にとって
かけがえのない友達だから・・だから・・もう泣かないで」
涙が収まるどころかさらに溢れてくる亜依
- 229 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月16日(日)10時17分42秒
- 「のの!ありがとうな・・・・
うちな・・・うち、ののの事めっちゃ好きやで」
希美に再び抱きつく亜依をギュッと抱きしめる希美
「うちもあいぼんの事、めっちゃ好きやで」
亜依のしゃべり方をマネする希美
「発音変やで」
「今度、ちゃんとした発音教えてね」
太陽が、水平線に沈もうとして
真っ赤な夕日が二人を包みこんでいた
ダンスサイトが迎えに来るまで
二人はずっと抱き合って泣いていた・・・・
- 230 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月16日(日)10時19分11秒
- 〜 第六話 亜依と希美 終〜
- 231 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月16日(日)10時24分38秒
- >>213
ありがとうございます
おいしい所取りの中澤でした
- 232 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)12時39分04秒
- お忍びでも中澤が実践に出る事はないのですか?
- 233 名前:ま〜 投稿日:2001年09月17日(月)23時53分45秒
- すげえ。正直驚いた。
俺以外にここでガンダムネタで小説を書く人がいたとは・・。
それに面白い!なんかZガンダムを思い出すね。
当時中学生だった俺は毎回リアルタイムでビデオ撮ってたよ。
ビデオはβだったけどね。
それから亜依ウィッシュには藁た。作者いいセンスしてる!
- 234 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月23日(日)02時19分11秒
- 〜勝手に作ったMS図鑑5〜
ネヴァ―UFAのMSの機体性能差に対抗できなくなった連邦軍が
GM5の変わりに量産化企画で作られたMS
福田明日香のフォーゲットをベースに量産化された機体で
コストパフォーマンスにすぐれ機体性能も優秀な性能を
出している
機体イメージはガンブラスター
基本武装はビームライフルかビームバズーカ
ショットランサーで、ほかにも武装の違うバリエーションが
多数ある
- 235 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月23日(日)02時20分18秒
- 〜第七話 輝く生命(いのち)は火のように (前)〜
- 236 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月23日(日)02時21分25秒
- ホンコンシティを出たダンスサイト艦隊は一路、
UFAの部隊が駐留する北京へと向かっていた
「じ〜んせ〜てすばらしぃ〜♪」
鼻歌を歌いながら希美が歩いている
「のの〜〜!!」
後ろから亜依が走りながらやってくる
「なんの歌?それ?」
「これ?孤児院にいた時にね、教えて貰ったんだ!」
「へぇ〜!何かええ歌やな」
それを、聞いた希美は手をパンッと叩いて
「でしょ?あいぼんにも教えてあげるよ!?」
「ほんま!?で、何て名前の歌なん?」
「え・・・・?」
一瞬、動きが止まる希美
すると、アゴに指を当てて何かを考え始める
(え・・?名前なんだったけ?・・・どうしよ・・
忘れちゃったよ・・何か考えよう・・・)
ん〜っと考え始める希美
「えと・・ね・・」
「のの?」
希美の顔を覗き込む亜依、その時
- 237 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月23日(日)02時22分52秒
- 「お!!」
希美何かを思いついたようだ、手をポンッと叩くと
「I Wish!!」
顔を覗き込んでいる亜依に向かって叫ぶ
ちょっとビックリしながら
「アイウィッシュ・・・?私は願う・・・?」
その言葉を聞いた希美は首をゆっくりと横に振る
「ううん、違うよ、意味はねあいぼんとののって言う事!」
「???」
亜依には希美の言ってる事がさっぱりわからなかった
その亜依の顔を見た希美は少し得意げに
「コホンッ!いい?」
先生になったかのように語りだす希美
「I WishのIはあいぼんの名前の亜依!
それにWishはあいぼんのウィッシュでもあるんだ!
これはわかるよね!?」
「そりゃ・・そのままやからな・・でも、ののは?」
「フフフ!」
さらに得意げに語り始める希美
「Wishって願いーとかそんな意味でしょ?」
「そやな」
「願い=望み=希美!!だからI Wishはあいぼんと私って事!!」
希美の言葉を聞いた亜依は動きが一瞬止まってしまう
「ほへー!ののがそんな事考えれるなんて・・すごいわ!!」
「バカにしてんの?」
しかめっつらになる希美
- 238 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月23日(日)02時24分02秒
- 「ちゃ、ちゃうって!ほめてんねんて!!」
大慌てで否定する亜依
「ほんとかな・・・」
疑いの眼差しで亜依を見つめていると
「いやいや、その発想はなかなかいけんで」
二人は後ろからの声に振り返ると中澤が腰に手を置き
その手には、何かの書類を持っていた
「なかなかいいで、I Wishで亜依、希美なんて」
「そ、そうですか?」
(いつからきいとったんや?)
頭をポリポリかきながら照れる希美と変な目で見る亜依
「それよりも、中澤さんは今からどこに行くんですか?」
「ああ、辻が拾ってきたと言うか・・連れてきたと言うか・・
持ってきたというか・・なんや?敵の捕虜、
その子がな目を覚ましてん、だから様子を見にって言うか
色々聞きに行くんねん」
「へぇ〜!そーなんですか!」
中澤の目をキラキラと見つめて自分も連れていってくれと
言わんばかりの目で見る亜依
しかし、中澤は満面の笑みで
「あんたらは連れて行かんよ!もちろん」
そして、何事もなかったかのように歩き出す中澤
- 239 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月23日(日)02時24分58秒
- 黙ったまま中澤の後ろ姿を見つめる二人すると亜依が
「おもろくないな」
アゴに手を当てながら中澤が歩き去って行った方を見る
「え?何が?」
「ののは、敵の捕虜とか見たくないんか?」
「一回、見たよ」
「そう言う事ちゃうって!会ってしゃべってみたくない?」
「う〜ん、会って・・・」
「せやろ!!よっしゃ!うちに任せとき!!」
「あの・・・まだ何も・・・」
希美の声などまったく聞かずに手を引っ張り走る亜依
「あいぼん〜〜〜!!」
- 240 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月23日(日)02時26分02秒
- 「んで?名前と階級は?」
ダンスサイトの一つの部屋で、中澤がベットの上に座っている
捕虜の少女に問い掛ける
「・・・・・」
しかし、捕虜の少女は中澤の問いに一言も答えようとしない
「だんまりか・・・別に取って食べようなんか思ってないねんで」
「そうだよ!この人見た目は恐そうだけど、本当はとってもいい人なんだよ!」
横から安倍が口出す
「安倍!見た目恐いって言うのは余計や!!」
中澤の怒鳴り声を聞いて少女はズボンの裾をギュッと握り締め
口をへの字にして一向に口を開こうとしない
「困りましたね艦長」
扉にもたれて腕を組んでいた福田が中澤の顔を見る
「う〜ん、どないしょっか〜!拷問とかする訳にはいかんしな〜」
拷問と聞いて肩をビクッとさせる少女
- 241 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月23日(日)02時28分33秒
- 「そんなびびらんくてもいいやん、冗談やって!」
「裕ちゃんが言うと冗談に聞こえないよ」
思わず心に思っていた事が口に出てしまう安倍
「なんやて!?」
「い、いえ!・・何も・・」
中澤の威圧感に後ずさりする安倍
「しかし、困ったなぁ〜」
目線を安倍から少女に戻す
「せめて名前だけでも教えてくれんか?」
「・・・・」
しかし、少女はうつむいたまま何も喋ろうとしない
「ハァ〜〜」
中澤が頭に手を置きため息をつく
「!」
少女は中澤がため息を付くのと同時に何かに反応したのか
天井を見る、少女の目線の先には排気口があった
排気口には小さい人なら人が一人入れる大きさがある
その少女の反応に安倍が気づく
「何見ているの?」
- 242 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月23日(日)02時29分30秒
- 「シッ!!なっち黙って!」
安倍を黙らせると排気口の方を見て耳を済ませる福田
安倍も中澤も福田に合わせて耳を済ませる
すると、排気口から微かに人の声が聞こえてくる
「の・・押す・や・・」
「・・ぼん・・早く・ってよ・・ここ・・くらい・・よ」
「な・いって・・ねん・・おわ!押すなや!のの!!」
ガタガタ!!ガタン!ガタン!
排気口のフタが外れ中から二人の少女がベットの上に落ちてくる
少女はベットの上に落ちてきた少女達に驚きを隠せない
「辻!!加護!!何しとんのや!!」
ベットの上で伸びている二人に怒鳴りつける
しかし、中澤など無視するかのように亜依は起き上がり
横に座っている少女に
「あんたが、ののに助けられた子やな!」
「え?」
思わず口を開く少女
- 243 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月23日(日)02時30分28秒
- 「なんや?知らんのか?ののが海に浮かんでた、あんたの
脱出ポッドを拾ってきてんで、ののが気づかんかったら
あんた、今頃どうなってたか」
少女は少しはにかんだ顔の希美に向けると
希美は
「私、辻希美!あなたは?」
しかし、希美の問いに目線を下げる少女
(やっぱあかんか・・)
二人なら少女に何かをしゃべらせる事が出来るだろうと思い
途中から黙っていた中澤は次はどうしようかと考えていると
「・・・か・・・」
今にも消えそうな声が聞こえてきた
「石・・川・・・梨華・・・」
消えそうな声を拾い少女に笑顔を見せる希美
「梨華ちゃんって言うんだね?よろしくね!」
希美が握手しようと手を差し伸べるが、梨華は顔を赤くして
目を反らすと希美は差し出した手をどうしたらいいかわからず
一人で照れながら手をひっこめる
- 244 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月23日(日)02時31分24秒
- しゃべった少女に驚いた中澤は少し言葉を失っていたが
「石川梨華か・・・まあ、今日はここまでやな」
手に持っていた書類みたいなものに何かを書いた中澤が
立ち上がり全員に部屋から出るように命じる
部屋を出るときに顔を赤らめたままうつむいている梨華を見た希美は
「じゃあね!梨華ちゃん!また明日ね!」
そう言いながら部屋を出て行く
「明日・・・か・・」
部屋に一人残された梨華の顔は少し嬉しそうであった
- 245 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月23日(日)02時32分10秒
- 「ハァー」
部屋を出た中澤はため息をつく
「どうしたの?裕ちゃん?」
中澤のため息に気が付いた安倍が足を止める少し先を歩いていた
三人も安倍の声を気きで足を止める
「あの子からは、何も聞き出せそうにないわ」
「え?なんで?」
「わからないの?なっち」
中澤の変わりに福田が安倍の元に近寄ってきて答える
「あの子は、どう見ても新米の兵だわ、おそらく前の戦いが
初陣だったはず、だから彼女に何かの情報を得ようとしても
何も得れないってことよ」
安倍がへーっと尊敬の眼差しで見ていると加護が
「なんでそんな事わかるんですか?」
「見た感じよ、長い事、軍にいればそれぐらいの事はわかるわ
ま!もっとも、長年軍に居てもわからない人はわからないけどね」
福田は目線を安倍に向ける
「な、何よ!!」
口の中に空気をためて膨れる安倍
- 246 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月23日(日)02時33分03秒
- 「中澤さん、中澤さん、じゃあ、梨華ちゃんには
もう何もしないんですか?」
「何もって・・別に最初から何もしてへんよ・・・
まあ、あれやな、一応、軽くやけど色々聞いていかなあかんからな」
「ふ〜ん、じゃあ、それ以外の時間は梨華ちゃんに会ってもいいんですか?」
「え?まあ、ええけど・・・」
(ん?何か忘れてるな・・・?)
忘れている何かを思い出そうとする中澤
(あ!!)
何かを思い出した中澤は少し先に歩いていってる希美と亜依を見る
「二人共!!ちょっと待ち!忘れとったわ!あんたら!
来たらあかんって言ってたのに、勝手に部屋に入って来て!!」
「「す、すいませ〜〜ん!!」」
中澤の怒鳴り声を聞いた二人は走って逃げ出す
「待ち!!逃がさへんで!!」
- 247 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月23日(日)02時39分02秒
- >>232
お忍びでですか?どうでしょうね一応、艦長ですし・・
まあ、機会があれば・・
>>233ま〜さん
ありがとうございます
あなたにそう言ってもらえると光栄です
でもま〜さんの「娘中隊」には足下にも及ばないと思います
- 248 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月24日(月)22時47分11秒
- トントン!!
「入るよ!」
次の日、希美は早速、梨華の部屋の前に来ていた
カシャッ
中澤に貸してもらった部屋のカードキーを通す希美
ブイーン!
ドアが開き部屋の中に入る
「梨華ちゃーん!来たよー!」
希美が部屋に入ると梨華は昨日と同じようにベットの上に座っていた
「あ!あ・・・・」
希美の姿にビックリする梨華
「え、えとっ辻希美ちゃん?だったよね?」
「うん!あ!」
そう言いながら梨華の横に座る希美
「梨華ちゃんもののって呼んでよ!」
「のの・・・ちゃん?かわいい呼び方だね」
ちょっと照れくさそうに
「えへへ〜、あいぼんが付けてくれたんだ」
「あい・・ぼんって、昨日一緒に居た子だよね?」
「そうだよ!お団子の子!」
「二人は双子なの?」
「ううん、違う、よく言われる!」
八重歯を出して笑う希美
- 249 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月24日(月)22時48分35秒
- 「あいぼんちゃんの事好きなんだんね」
「うん!友達だもん!」
満面の笑みを梨華に見せる希美
希美の笑顔に笑顔で返す梨華
「友達か〜私にもののちゃんみたいに胸を張って友達って
言える子がいるよ!」
「どんな人?」
足をバタバタさせて聞く希美
梨華は少し顔を赤らめながら
「柴田あゆみ・・あゆみちゃんって言うのとってもかわいくてね
ののちゃんみたいに私の事、梨華ちゃんって呼んでた」
それを聞き希美は口をアッて感じで開けて手の平を口の前せ開く
「私、梨華ちゃんの事、梨華ちゃんって呼んでるけど嫌じゃない?
何かあつかましくて・・今まで気づかなかったけど・・」
「そんな事ないよ!ののちゃんが私の事、梨華ちゃんって呼んでくれた時
何かうれしかった、その呼ばれ方久しぶりだし・・・
あゆみちゃんの事、思い出した」
梨華の顔が少し暗くなる
美
- 250 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月24日(月)22時49分25秒
- 「?そのあゆみちゃんとは何があったの?」
「ううん、何にも無いんだけどね、彼女はエリートで私は落ちこぼれ
だから会える回数も減っていって・・そして、この戦いが始まって・・
あゆみちゃんとは全然違う所に配属されちゃって・・・
私はこんな戦争なんか望んでなかったのに・・・」
「え?」
思わず出すつもりもない言葉が口から漏れてしまう希美
- 251 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月24日(月)22時50分09秒
- 「どうしたの?」
「え?う、ううん、な、何でもないよ」
あわてて笑みを作る希美、しかし心の中ではある疑問が浮かんでいた
(この戦争を望んでなかった?梨華ちゃんが?UFAは
反地球連邦組織だよね・・・?その組織に入るも入らないも個人の自由・・
でも、梨華ちゃんの言葉を聞いているとまるで強制的に戦いに
引きずり込まれているようだよ・・・)
希美が一人考えにふけっていると
「――ちゃん?ののちゃん?」
「あ!どうしたの?梨華ちゃん」
気が付くと希美の顔を梨華が眉をへの字にして眉間にしわを寄せて覗き込んでいた
「梨華ちゃん・・眉間にしわがよってるよ」
希美が思わずポロリと呟いてしまう
「え?あ、あぁ!!」
梨華は急に慌てだし指で一生懸命に眉間のしわを伸ばそうとし始める
希美はそれを見て思わず
「プ、プハハハハハ!!」
膝を叩きながら笑う希美
- 252 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月24日(月)22時50分50秒
- 「???」
梨華にはなんで希美が笑っているのか、わからなかった
「な、なんで笑ってるの?ののちゃん?」
「だ・・って!ククク、り、梨華ちゃん・・ハハハ!!
い、一生懸命・・!し、しわ伸ばそうとし、してんだも〜ん!!
プハハハハ!!」
さらに笑い転げる希美
「ひ、ひどいよ〜ののちゃん〜!笑うなんて〜!」
「ご、ごめん!で、でも、やっぱ・・・ハハハ!!」
やっぱり笑いが止まらない希美
「ののちゃ〜ん・・・」
今にも泣きだしそうな梨華
「ご、ごめんね・・り、梨華ちゃん・・クク」
笑いをこらえながらあやまる希美、その時――
「お楽しみの悪いけどいい?」
入り口の所に福田が立っていた
「あ、福田さん・・・」
「楽しんでいるところ悪いんだけど、その子に用があるの
悪いけど席を外してくれる?」
「あ、わかりました・・」
ベットから降りてドアの近くまで歩きだすと
「じゃあね、梨華ちゃん、また明日!明日はあいぼんも連れてくるね!」
「うん」
梨華の部屋を出て行く希美
- 253 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月24日(月)22時52分01秒
- 249の最後の一文字は気にしないで下さい
間違いです
- 254 名前:ま〜 投稿日:2001年09月25日(火)23時11分03秒
- そんなに言われると照れます。オリジナルの方が難しいですよ。
まあ、お互いガンヲタってことで・・。藁
辻と石川の関係が、カツとサラのようにならないことを祈ります・・。
- 255 名前:プッチマニア 投稿日:2001年09月25日(火)23時27分16秒
- ああ〜!更新されてる!!この小説は今一番気になる話なんですよ。うれしい〜♪
ところで、UFA側の市井・後藤・吉澤はこの先出てくるんでしょうか?
辻ちゃんと後藤のこれからの関係も気になるんですが・・・
- 256 名前:名無し君 投稿日:2001年09月25日(火)23時33分46秒
- おもしろいです、ガンダム好きなんで。
でも、やっすーはどうなんでしょうねえ・・・
- 257 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月26日(水)01時27分48秒
- >>255
この先市井、後藤、吉澤が出てこなかったら
それはそれでスゴイな(w
- 258 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月30日(日)15時19分29秒
- 希美は次の日も、その次の日もその次の次の日も亜依を連れて
梨華の部屋へと遊びに行き
そして、五日がたった、敵と遭遇したり敵を巻いたりしていたので
ダンスサイトはまだ北京に着いていないでいた
希美は相変わらず梨華の部屋へと遊びに行こうとしていた
今日は亜依がいそがしかったので希美は一人で梨華の部屋に向かっていた
梨華の部屋の前に着くと
いつものようにポケットからカードキーを出してそれを通す
pipi!!
カードキーを通すとドアにロックがかかる
「あれ?何か間違ったかな?」
そう言い、もう一回、カードキーを通すとロックが外れる
ドアを開けて中に入ると
「あ!福田さん!お仕事中でしたか・・すいません、すぐ出て行きます」
部屋に福田が居りいそいで部屋から出て行こうとするが
「いいのよ」
- 259 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月30日(日)15時21分23秒
- 「え?」
驚き福田の方に向き直す希美
「いいのよ、私が出て行くから、もう今日は聞くことは
終わったからそろそろ出て行こうとしてた所だから」
「は、はぁーどうもです・・・」
福田は何かの書類をまとめると部屋から出て行った
福田が出て行くのを見てから、いつものごとく希美は
梨華が座っているベットの横に座ると
「大尉さんっていい人だね」
唐突に梨華がしゃべり始める
「え?」
「それとも、ののちゃんの人に好かれる人徳かな?」
「え?え?」
(福田さんがいい人?私の人徳?)
希美には梨華が何を言っているのかわからなかった
少なくとも福田は希美にとってはいい人ではなく恐い人だからである
- 260 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月30日(日)15時22分29秒
- 「何の事?何言ってるの?梨華ちゃん」
梨華は希美の顔を見るとうっすら微笑みながら
「大尉さんもついさっき来たばかりなんだよ、でもののちゃんが
来たから、まだほとんど何も聞いて無いのに終わったからって
嘘をついて席を開けてくれたんだよ、あ!昨日もね―――」
「福田さんが・・・」
希美は心の中で驚きと嬉しさが混ざりあって今にも爆発しそうであった
「―――ちゃん?聞いてるの?」
「あ!ごめん!全然聞いてなかった!」
あやまっているのになぜか笑顔全開の希美
「もー!それで昨日ね、大尉さんが余ったからってケーキ
持って来てくれたの」
その言葉を聞いた瞬間に希美の笑顔は凍りつく
「ケケケケ、ケーキなんて食べてないよーー!!私!!」
さっきの笑顔とは逆に今にも泣きそうな希美
- 261 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月30日(日)15時23分53秒
- 「え?そ、そうなの?」
(しまった〜!この話はまずかった〜そう言えば大尉さんがこの話は
するなって言ってたっけ〜!やちゃった〜!)
大慌ての梨華
「ケーキ〜〜〜!!」
泣いてはいないが大声で叫ぶ希美
「の、ののちゃん?お、落ち着いて、ね?」
何とか希美を落ち着かせようとがんばる梨華
(やっぱりまだ子供なんだよね〜UFAも驚くだろうな〜
危険視しているダンスサイトのガンダムのパイロットがこんな子供だなんて
知ったら・・・ってこんな事考えてる場合じゃないよ、何とか話変えないと)
「そ、それにしても大尉さんって随分大人だよね、
私と同い年だなんてね〜」
「え?梨華ちゃんと同い年なの?福田さん」
目を丸くして驚く希美は梨華の方を見る
「そうだよ、私の年聞いた時に、あ、私と同じだねって言ってたもん」
福田の口調をマネして喋る梨華
「梨華ちゃん、似てないよ」
冷静に指摘する希美
「そ、そう?」
(なんとか話はごまかせたみたいだね)
「そうなんだ〜福田さん、梨華ちゃんと同い年なんだ〜」
「驚いた?」
「うん、すっごい驚いた!全然見えないよ」
(うぅ〜喜んでいいのかな〜)
- 262 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月30日(日)15時25分07秒
- その後、梨華と他愛もない話を続けた希美だが、
今日やらなければならない事を思い出し梨華の部屋を後にした
「しまったな〜、和田さんがガンダムの調整するからって
格納庫に呼んでたの忘れてた〜
和田さん怒ってるかな〜いや、怒ってるよねやっぱ」
小走り気味に格納庫に向かっていると通りかかったサロンに福田がいるのを見つける
(あ、福田さん)
希美は足を止めてサロンに向きを変える
福田は紅茶を飲みながら何かの雑誌を読んでいる
「あのっ!福田さん」
「何?」
希美の呼ぶ声に顔も上げずに雑誌を見ながら返事する
「あの・・・さっきはありがとうございますです、
まだ聞くこととかあったんじゃないですか?
それなのに、私のために・・・」
「別にあなたのためじゃないわよ」
雑誌をペラペラめくりながら答える福田
- 263 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月30日(日)15時26分12秒
- 「あなたがあの子と仲良くなれば、あの子の口も軽くなってくれて
話がスムーズに運ぶの、その点は感謝しなければいけないのは私のほうね」
「え?」
顔が少し赤くなる希美
「それにしても、裕ちゃ・・艦長が言ってたように、あなた昔のなっちに
似ているわね、顔とかじゃなくて雰囲気がね」
福田が初めて顔を上げ希美の顔を見る、その顔はうっすらほほえんで
いるかのようであった
「私と安倍さんがですか?似てますかね?」
「今のなっちじゃなくて昔のなっちなんだけどね、ひたむきと言うか
何か・・嫌いって言っても寄って来る所とかね」
(そ、それは喜んでいいのかな・・・複雑・・)
顔が引きつく希美
「福田さんは安倍さんの事が嫌いだったんですか?」
「昔ね、ただの私の一方的な嫉妬だったんだけどね、
いくら私が戦果をあげても皆、誉めるのはなっちばっかりだったし・・
まあ、あの時は私もまだまだ子供だったのね」
「ふ〜ん、あ、あの?じゃあ福田さんは、安倍さんの知り合いの
連邦の英雄って呼ばれた人って知っています?」
「連邦の英雄?ああ、あの子ね」
希美の質問にクスクスっと薄ら笑いを浮かべる福田
- 264 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月30日(日)15時28分23秒
- 「そんな事よりも軍曹!和田さんが呼んでるんでしょ?」
「あ!また忘れてた!!早く行かないと!!」
希美は福田に軽くお辞儀をすると格納庫にダッシュした
この後、格納庫に着いた希美は和田にこってりと怒られた
- 265 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月30日(日)15時43分26秒
- >>254ま〜さん
ありがとうございます
( ´D`)/「ガンヲタにえーこーあれー」
>>255プッチマニアさん
ありがとうございます
ちゃんと出てきますよ、特に後藤はもう一人の主人公と考えてますから
>>256名無し君さん
ありがとうございます
もうすぐで出てきます保田もついでに矢口も
>>257名無し読者さん
たしかにそれはそれですごいですね
- 266 名前:ぺぷし 投稿日:2001年09月30日(日)15時44分20秒
- あぁ!上の名前忘れてる!
- 267 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月08日(月)02時27分08秒
- 次の日、ダンスサイトは慌しかった、目的地の北京にもうそこまで
近づいていたからである
希美もこの日ばかりは梨華の部屋に行く事も出来ずに作戦司令室で
中澤の作戦を聞いていた
「――が北京に駐留しているUFAの戦力や、
でも未確認の情報やけど大気圏外から数機の戦艦が
北京に降りたそうや、だから油断はできん、
んで、今回は北京の三方向から他の艦隊と同時に攻める
日本経由で来たうちらの艦隊は南東から北京を攻略する・・
北京攻略は敵の最大勢力があるヒラヤマ基地を攻略するためには
絶対に落とせへん、みんな、気抜くんやないで!」
中澤の話を聞いた後、希美達はロッカーでノーマルスーツに着替える
「そう言えば明日香って日本生まれだよね?」
着替えながら安倍が喋りだす
「そうだけど、私なっちに言ったけ?」
「うん、昔だけどね」
「よく覚えてるわね・・・」
「まあ・・ね・・明日香が初めて私に自分の事を言ってくれた事だしね」
安倍がそう言うと着替え終わった福田は何も言わずにロッカールーム
から出て行く
- 268 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月08日(月)02時28分22秒
- 「なんや、相変わらず無愛想な人やな」
「そんなこ・・・」
安倍が亜依に否定の言葉をかけようとしたその時
「そんな事ないよ!あいぼん!」
先に希美が否定の言葉をかける
「え、な、何ぃ?」
希美の口から出るとは思ってなかった言葉が希美から出た事に慌てる亜依
「福田さんって、あー見えてとてもやさしい人だよ」
「そ、そーなんか?そりゃ、うちが悪かったな・・」
わけがわからない亜依
希美の様子を見てうっすら笑う安倍
「最近、明日香は昔の明日香にちょと戻ってきたわ
辻ちゃんのおかげかな?」
「?」
- 269 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月08日(月)02時29分20秒
- 二人は安倍が何を言ってるのかわからなかった
二人の?ってなった顔を見て安倍が続ける
「昔ね、そう木星共和国との戦いの時に、明日香、ある人との事があって
人間不信?って言うのかな?そんな風になってあんなに
表にあまり感情を表さないし、人とは距離を取ろうとしてるんだよ
でも、明日香が前に辻ちゃんを見ていると何かそう言う事が全部
バカらしくなってきたって言ってた」
安倍の言葉を聞いて照れる希美
「フフフ、じゃあ、先に行ってるね」
ロッカーの扉を閉めて部屋から出て行く安倍
- 270 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月08日(月)02時30分25秒
- 「明日香!!」
先にMSデッキへと歩いていた福田を安倍が走って呼び止める
福田は黙ったまま安倍の方に振り向く
「明日香、何か辻ちゃんに好かれてるじゃん!何かしたの?」
安倍の言葉に普通の人にはわからないぐらい顔を赤らめて
「べ、別に・・何もしてないわよ、それに私はあの子の事好きじゃないのよ」
「フフフ、何、動揺してるの?私はわかってるんだよ
明日香が辻ちゃんにあんなキツク接した事の意味」
意味信な笑いを浮かべて福田を抜かして歩く安倍
「別に意味なんかないわよ、ただうっとおしかっただけ」
「へへ〜まあ、別にそれでいいよ、明日香がそう言うなら!」
「何それ」
すると福田の三、四歩前を歩いていた安倍が立ち止まり
「明日香・・死なないでよ・・・」
「何で急にそんな事言うの?」
「・・明日香はあの日から死に急いでるそんな感じだから・・」
そう言い福田の方を見る安倍、その顔は寂しそうであった
「もう・・・圭ちゃんの事は忘れなよ」
- 271 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月08日(月)02時31分41秒
- トントン!
「梨華ちゃん?開けるよ!」
ノーマルスーツに着替えた希美は梨華の部屋に来ていた
カードキーを通し理華の部屋を開けると梨華が扉の前に立っていた
「今日は遅かったね・・・あれ?その格好・・」
「ごめん、梨華ちゃん、今日はゆっくりと話してる暇はないんだ・・
もうすぐ戦闘が始まるから、ちょっと梨華ちゃんの顔を見に来ただけ」
「そう・・なんだ・・ののちゃん・・死なないでね」
そう言ったものの梨華の心は複雑であった
希美が生き延びると言う事は多くの仲間が死ぬ、
仲間が死なないと言う事は希美が死ぬと言う事なのだ
- 272 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月08日(月)02時32分49秒
- 「梨華ちゃん?どうしたの?ネガティブ?」
暗くなって少しうつむく梨華の顔を覗き込む希美
「ううん、私はいつでもポジティブだよ・・・ただ・・
ののちゃんみたいな子供を戦争の道具として使う連邦ってやっぱ許せない」
「・・・・」
「なんで?ののちゃんは戦うの?」
「・・・・」
言葉が出てこない希美
二人の間に沈黙が流れる
しかし、その沈黙もすぐに破られる、艦内に警報が鳴り響く
「!梨華ちゃん、私行くね、私には守りたい物があるんだよ!」
「ののちゃん・・」
梨華の部屋を閉めてロックをかけてMSデッキへと走る希美
- 273 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月08日(月)02時34分04秒
- 「弾幕!よく張るねんで!落とされたらかなわんからな!」
かなりの高度から北京基地へと攻略を開始するダンスサイト艦隊
「MS全機発進準備O.Kです!」
「敵の状況は?」
「まだMS部隊は展開してません!」
「うちらが一番乗りって事か・・北と南西の連邦軍は?」
モニターを見るアヤカ
「ミノフスキー粒子の関係でわかりません」
「目で見えんのか!?」
「はい、確認はできません!」
艦内放送のために受話器を手に取る中澤
「信じるしかないちゅーわけか・・MS各機は弾幕が収まりしだい出撃!
深追いはしたあかんで!援軍がくるまで敵を引き寄せるだけでええからな!」
- 274 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月08日(月)02時35分04秒
- MSデッキに中澤の声が響く
(戦争の道具か・・・いつの間にか私はそうなってたんだね・・)
ゆっくりとM1の電源を入れる希美、電源が入るのと同時に
『のの!!』
亜依から回線が入って来る
「どうしたの?あいぼん」
元気なく返事をする希美
『何や、のの元気ないなー思うてな・・』
「ごめんね、あいぼん心配かけちゃったみたいで・・私、大丈夫だから」
『そか・・のの・・死ぬなや』
「あいぼんもね・・・」
(戦争の道具・・・でも・・私はまだ死にたくない・・
死んでほしくない人がいる・・・真希さんにまた、会いたいよ
それが今の戦う理由・・だよね?)
- 275 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月10日(水)00時58分36秒
- 『辻さん!出撃してください!』
回線の向こうからアヤカの声が聞こえる
「わかりました」
グィィィィン!
M1がカタパルトに上がる
『辻!無理はしなや!あんたは、バスター装備のメモリーを
しっかり守ればそれでええからな!』
グィィィィン!
もう一つのカタパルトにメモリー(バスター装備)が出てくる
『辻ちゃん!頼んだわよ!・・・
メモリーはV装備で安倍なつみ・・出ます!!』
M1の先にメモリーが発進する
「ガンダムM1、辻希美出ます!!」
バシュゥゥゥ!!
希美がダンスサイトから発射するのとほぼ同時に敵の基地からも
MSが多数出て来る
- 276 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月10日(水)00時59分11秒
- 一方、UFAの北京基地では・・・
ダンスサイト艦隊が基地に迫って来る様子を見ていると三人の女性がいた
「地球に降りてきてすぐに大谷の仇を打つチャンスがやって来るとは・・・」
「村田中尉!行きましょう!」
コクッとうなずく村田
「斎藤・・・柴田・・・行くぞ!!」
「「はい!!」」
三人はMSデッキへと向かう
(梨華ちゃんのいた部隊を全滅させたガンダム・・・
梨華ちゃんは今も行方不明・・・・
絶対許さない・・・ガンダム!!)
胸にある憎しみを秘め二人の後ろを走って行く柴田
- 277 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月10日(水)01時00分02秒
- 「そっち!!」
ドーーーン!!
ガンダムのビームライフルが直撃して一体のバイセイコーが爆発する
「安倍さんには近づけさせないんだから!!」
基地破壊のために肩の折りたたみ式のロングレンジキャノンをチャージ
しているメモリーを防衛するガンダム
「辻ちゃん!撃つからどけて!!」
希美が射程範囲からどけるのを確認すると
ズドォォォォン!!
ロングレンジキャノンを撃つ安倍
ドドドドーーーン!!
基地の一部に多大な被害を与える
「安倍さん!補給にもどっ―――」
ピキーーーン!!
希美の脳裏に何かが走る
「し、下から何か来る!!」
- 278 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月10日(水)01時00分35秒
- ガンダムのはるか足下にある基地から三体の影が飛び出して来る
「安倍さん!早く補給に戻って下さい!そのままだったら
あいつらに勝てません!!」
「わかった!」
希美の声を聞きダンスサイトに戻ろうとするがメモリーの前を通過した
ビームによって阻まれる
「逃がさないよ!!」
斎藤機のメロンからロングレンジキャノンが発射された形跡が見える
「大谷がいなくなったとは言え、私達のフォーメションはそうは崩せないわよ!」
隊長機の村田機を先頭にガンダムに突っ込んでくる
(エネルギーの残り少ないメモリーを早くダンスサイトに戻さないと・・)
希美が少し考え込みガンダムの動きが一瞬止まったその瞬間―――
- 279 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月10日(水)01時01分19秒
- バシシ!バシ!
柴田機がビームサーベルで攻撃して来たのを間一髪で
シールドで受け止める希美
「今時、ただのシールドなんてはやらないよ!!ガンダム!!」
(何!?この人!私を恨んでる??)
「ガンダム!もらった!」
ドドドドド!!
柴田機の影から村田が現れてミサイルポッドを撃って来る
(だめ!このままじゃ直撃を食らう!!)
柴田機に押え付けられ回避行動が取れないM1にミサイルがあたろうとした
その時―――
ドドドドン!!!
一発のビームでミサイルが打ち落とされる
- 280 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月10日(水)01時01分55秒
- 「今だ!!」
ミサイルの爆発で一瞬、柴田がひるんだのを希美は見逃さなく
柴田機を蹴り突き放すガンダム
「今の攻撃は誰が?」
相手との距離を保ちビームが発射してきた方向を見ると
「あ、安倍さん!!」
安倍ぼメモリーが希美の上に居るのが見える
「安倍さん!!」
『辻ちゃん!メモリーは大丈夫!通常戦闘するだけのエネルギーは
残っているわ!』
そう言っている間に二人との距離を狭めてくるメロン戦隊
「死ねーー!!ガンダム!!」
- 281 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月10日(水)01時02分48秒
- 「パワーで負けてる!?」
柴田機のメロンに力で押されてるのを
手からシールドを離し、柴田機から逃れるM1
「あの長距離砲を持った奴は安倍さんが相手をしてくれてる・・
二体なら、あのコンビネーションも使えないはず!!」
ビームライフルで柴田機を牽制しつつ左手のインコムを
村田機に向かって放つ
「チッ!旧式な武装を乗せてばっかりの機体が!!」
インコムを軽く避けてビームライフルをM1に連射する村田
「見えるよ!!」
パン!!パン!!パン!!
ガンダムの連射したビームが村田機のビームをすべて相殺する
「!!ば、化け物か!!」
「落ちて!!」
自分の撃ったビームがすべて相殺されるという信じられない
光景を見て驚愕して動きが止まった村田機にさきほど避けて
村田機の裏にあったインコムが戻ってくる
「し、しまっ―――――!!!!」
ドォォォォォン!!!
「ちゅ、中尉ぃぃぃ!!!」
- 282 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月10日(水)01時03分41秒
- 「あ・・あ・メロン戦隊が・・・
い、今のはだ、誰・・・?も、もしかして・・
あ、あゆみちゃん・・・?」
梨華の部屋の窓からはガンダムとメロン戦隊の戦いが見えていた
「そ、そんな・・・う、嘘だ・・・
あゆみちゃんが・・・」
「ののちゃん!!ののちゃん!!もうやめて!!ねえ!!
ののちゃん!!!」
メロン戦隊のどの機体に柴田が乗ってるかわからない梨華は
窓を叩きながら聞こえるはずも無い声を一生懸命叫んでいた
「あゆみ・・・ちゃんを・・・殺さないで・・
の・・の・・ちゃ・・ん・・・」
残りのメロンと戦うガンダムを見ながらその場に座り込む梨華
- 283 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月10日(水)01時04分35秒
- 「よくも!!梨華ちゃんだけじゃなく村田中尉までもぉぉぉ!!」
怒りに身を任せてM1に突っ込んでくる柴田機
「そんなに敵意を剥き出しにしてちゃ!!
私には当てる事はできない!!」
ビームサーベルを振り回してくる柴田機を避けて
左手でビームサーベルを抜き攻撃する
「もらったよ!!」
ズヴァァァァ!!
「死ねない!!」
M1の攻撃をなんとか避け直撃を避けるが右足が斬り落ちる
「外した!?でも、次は!!」
もう一度ビームサーベルで攻撃しようとするが――
バーーーン!!
一発のビームがM1に向かって発射されそれを避けるために
攻撃をやめて避ける
- 284 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月10日(水)01時05分18秒
- 「きさまが村田中尉を!!」
いつのまにか安倍を退けガンダムに向かってきながら
ビームライフルを連射してくる斎藤機
「な、何?この感じ!?死ぬのが恐くないの?
私に憎悪を向けてる?」
ビームを連射しながら突進してくる斎藤機に恐怖を感じる希美
「こ、来ないで!!」
インコムで斎藤機の動きを止めようとするが
インコムなど無視して突っ込んでくる斎藤機
「う、う、うわぁぁぁ!!」
無我夢中でライフルを斎藤機に向ける希美
「ガンダムゥゥゥゥ!!」
「嫌だ!死にたくない!!」
ドーーーン!!
M1にライフルの方向にちょうど斎藤機のコックピットがあり
ビームが斎藤機のコックピットを貫く
ドドドドドドーーーーーン!!!
コックピットから誘爆して爆発を起こす斎藤機
- 285 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月10日(水)01時06分17秒
- 「ハァハァ・・・あ、後、一体・・ど、どこに・・」
希美が辺りを見渡すが柴田機はどこにもいない
「ど、どこに・・・!」
その瞬間、斎藤機の爆煙が盛り上がり柴田機がM1の目の前に
現れる
「中尉だけでなく・・・斎藤少尉まで・・!!
ゆるさない!!」
「バランサーが逝かれてるよ!!」
まっすぐに飛んでこない柴田機にインコムを発射させる希美
「何度もそれをくらわないよ!!」
インコムを避け有線を切る柴田
「しまっ!」
線を切られた左手は地面に向かって落ちて行く
「みんなの仇だ!!」
無防備になったM1にビームサーベルで切りつけるメロン
- 286 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月10日(水)01時07分03秒
- ドォォォォン!!
思わす差し出した右手のビームライフルが柴田機のビームサーベルが交錯し
爆発を起こす
「右手のマニュピュレーターが!!」
ライフルの爆発によって右手が壊れるM1
ガシィィィ!!
ガンダムにしがみ付く柴田機、柴田機もライフルの爆発で
右手が使えなくなっていた
『・・くも!よくも、みんなを・・!何人、人を殺すの!?』
触れ合っているために相手の声が聞こえてくる
「あなた達がこんな戦争を始めなければ、私だって!!」
『!!子供の声?・・・!!子供が中尉を・・・みんなを?
梨華ちゃんを・・・?』
聞こえてくる声が子供の声に驚きが隠せない柴田
- 287 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月10日(水)01時07分58秒
- 「ま、待って!!あなた梨華ちゃん・・・!!」
『うるさい!!問答無用だ!!!』
サーベルをM1に突き刺せようとする柴田
「話を聞いてよ!柴田あゆみちゃんでしょ!!」
バルカンを発射させながら動きを止めようとする希美
「小ざかしい!!何を言ってるかわからないよ!」
尚もサーベルを突き刺そうとする柴田機の左手を
壊れた右手で何とか受け止める希美
「もうやめて!あなたは!」
『うるさい!今更―――』
ドン!ドン!
その時、先ほど切られた左足の付け根あたりが爆発するメロン
「クッここまで・・・なのね・・・」
出力がなくなり小爆発を起こし地面へと落ちて行く柴田機
「・・そんな・・・梨華ちゃんになんて・・・」
ビリビリ!
各パーツから火が上がり今にも落ちて行きそうになるM1
- 288 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月10日(水)01時08分34秒
- 「もう・・・敵はいないの・・・?」
辺りを見渡し敵がいないのかを確認する希美
その時――
ブゥゥゥン
出力がさがり段々と地面に向かって落ちて行くM1
「落ちないで!ガンダム!」
落ちていくガンダムを必死に立て直そうとするがどんどんと
高度が下がっていくガンダムその時――
ガシッ!
何かがM1を掴む
「え?」
「軍曹!大丈夫?作戦は成功よ!増援の連邦軍が来たわ
私達は退避するわ!」
M1を掴んだのはフォーゲットの福田であった
希美が辺りを見ると連邦軍の部隊が掃討しているのが見える
- 289 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月10日(水)01時09分17秒
- 「行けー!行けー!早く終わらせて、裕ちゃんやみんなに
会うんだ!」
連邦軍の中に混じっているGMでもネヴァでもない機体に
乗って叫ぶちっちゃい女性――
ガタン!
フォーゲットに引っ張られてダンスサイトに戻るM1
(梨華ちゃん・・・)
ガンダムから降りると迷わずに歩き出す希美
「のの!!」
ウィッシュから降りてきた亜依が希美を呼ぶがそのまま歩いて行く希美
「?どうしたんや」
(軍曹?)
福田も様子がおかしい希美の様子を見ていた
- 290 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月10日(水)01時10分06秒
- 「梨華ちゃん・・あのっ・・」
梨華の部屋の前で梨華と対峙する希美
「・・・・」
何も言わない梨華
「私・・・梨華ちゃんの友達の・・・あゆみちゃんを・・
私・・・」
「!」
希美の口からの言葉に驚く梨華
「見てた・・ののちゃんがメロン戦隊と戦う所・・」
「あ、あの・・・・」
「私はののちゃんが何もしらないと思ってたから・・
ののちゃんは何も知らずに戦ってるからしかたないと思ってたのに
でも!ののちゃんがあゆみちゃんと知っていて戦って!
私の友達って知ってたんでしょ?」
希美の肩を抑え壁に押してせまる梨華
「わ、私は、やめてって言ったのに!あの人は!」
肩を押え付けられ苦しそうな希美の目は潤んできていた
- 291 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月10日(水)01時10分50秒
- 「関係ないわ!人をいっぱい殺して!この人殺し!!」
泣きながらなおも希美の肩を抑え付ける梨華
「り、梨華ちゃん・・やめて・・苦しい・・・」
「うるさい!あゆみちゃんはもっと苦しかったんだよ!!」
「やめなさい!!!」
バシッ!!
艦内に何かが叩かれた音が響き渡る
「ふ、福田さん・・」
倒れ込み頬を抑える梨華の視界に福田が写る
「ふざけないで!!あなたは何者なの?
これはあなた達が始めた戦いでしょ!?
この子は言ってみたらあなた達の行為によって
生まれた被害者なのよ!家族とも言うべき人達を失って!
こんな小さな体でずっと戦ってきたのよ!
あなたにこの子を攻める資格がどこにあるの?」
「・・・・」
何も言えない梨華
- 292 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月10日(水)01時11分26秒
- 「・・・・ごめんね、梨華ちゃん・・・」
呼吸を整え希美が呟く
「え?」
頬を抑えた梨華が希美の方を見た瞬間
希美はどこかに走り出した
「軍曹!!」
福田が呼ぶがそのまま希美は走り去って行った
――ヒトゴロシ――
梨華に言われたこの一言が希美にはとても重く苦しいものであった
- 293 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月10日(水)01時12分10秒
- 〜第七話 輝く生命(いのち)は火のように (前) 終〜
- 294 名前:名無しヲタ 投稿日:2001年10月10日(水)02時17分53秒
- これでののがニュータイプとして覚醒するかどうかの試練がはじまったわけですね。
( ´D`)<光の翼がある機体にのりたいれす。
- 295 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
- ( `.∀´)ダメよ
- 296 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月13日(土)23時05分14秒
〜第八話 輝く生命(いのち)は火のように (後)〜
- 297 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月13日(土)23時06分32秒
- 梨華の元から飛び出した希美は、溢れる涙を必死で拭いながら
自分の部屋へと戻ろうと歩いていると―――
「あっれー?おかしいなー?道間違えたかな?」
希美の後ろから聞いたこともない声が聞こえる
「あ!いいとこに!そこのちっちゃい子!」
希美は涙を一生懸命拭い声の方を振り向く
「なん――」
振り返った瞬間言葉が詰まる希美
(ち、ちっちゃい子?どう見てもあなたのほうがちっちゃいですよ・・)
希美が振り返ると目の前には背の低い希美よりも1,2cm低いであろう
女性?が立っていた
「あ!何!その目!今、矢口の事、チビッて思ったでしょ!!」
「そ、そんな事、思ってないですよ!」
あわてて否定する希美
- 298 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月13日(土)23時08分11秒
- 「怪しい・・怪しい・・・裕ちゃんに問い詰めてもらおうか・・・」
希美の顔の目の前まで顔を近づけくる女性
「な、中澤さんの知り合いの方ですか?それと何者ですか?」
「あ!そうそう!私、ブリッジの場所が知りたかったんだよ!案内して」
人の話を聞いてないのか話を勝手に進める
(な、何?この人!)
「早く!」
希美をせかす女性
「は、はい!」
女性の勢いに押され仕方なく女性をブリッジに連れて行くことにした
(一人になりたいのに・・・・)
- 299 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月13日(土)23時09分33秒
- 「残ったUFAの兵士達は投降してくる者達もいますが
尚も抵抗をしてくる者たちもいます」
「そか・・うちらの艦隊の損傷は?」
「ヤマトがだいぶ損傷しております、それとMS部隊ですが・・」
ブイーン!
アヤカと中澤の会話を遮る形でドアが開く
中澤が横目で入って来た人物を確認しようとすると
そこに――
「裕・・中澤裕子中佐!連邦軍第七艦隊所属矢口真里中尉です!」
部屋に入ってきて中澤に目が合うと敬礼する矢口
「!!え?矢口?矢口!?」
突然の訪問者に口をパクパクして驚く中澤
「久しぶり!裕ちゃん!」
部屋に入って来た時とは違う、満面の笑みで中澤に笑いかける矢口
「や、矢口〜!!」
矢口に抱きつく中澤
「痛っ!やめて!痛いよ!裕ちゃん艦長でしょ?こんな子供の前で!
威厳もへったくれもないよ!」
必死で中澤を引き離そうとする矢口
中澤は押してくる矢口の手で引き離され横に驚いた顔で見ている
希美の姿を確認していそいで矢口から離れる
- 300 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月13日(土)23時11分02秒
- 「コ、コホン!!で、矢口中尉は本艦に何か用か?」
艦長らしくふるまう中澤
「あ、はい!まもなく補給艦と接触します、中澤中佐の
第三艦隊と我が信田大佐の第七艦隊は補給をしだい
飯田少佐の第十三独立部隊と合流し、ためにヒラヤマ基地を攻略し
地球からUFA軍を追い出いだします」
急にまじめな口調になる矢口
「そうか、ご苦労であったな・・
フフ、そんなん通信で言えばええのに・・」
「ヘヘッだって、裕ちゃんやなっちに明日香に
会いたかったんだもん!」
「お前はほんま、かわええやっちゃな!」
ガバッ
再び矢口に抱きつく
「バ・・だから、やめっ・・」
再び中澤から離れようとがんばる矢口
すると
「あの・・私は失礼します・・・」
そう言うとブリッジから出て行く希美
- 301 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月13日(土)23時12分56秒
- 「なんや・・辻・・元気ないな・・」
ドアを見ながら中澤がポツリと呟く
「あ、あの子、辻って言うんだ・・・
あーーーー!!
矢口の名前名乗ってなかった・・・」
そこまで言うと、急に、ん?って顔になる矢口
「つ、辻ーーーー!!
辻って、じゃあ、あの子がガンダムのパイロット!?」
やかましい矢口
「せやで、驚いたやろ」
「ほんとに・・・子供とは聞いてたけど・・
まさかあの子とは・・・あの子が敵のエース部隊の
メロン戦隊を倒しただなんて・・・」
「メロン戦隊?」
「メロン戦隊は、UFAのエース部隊で、大気圏突入しようとする
連邦軍を襲っていた部隊なのですが、最近、地球に降りて来て
いたみたいで、先ほどの戦闘で辻さんのガンダムが撃墜した記録が
あります」
アヤカが矢口の変わりに答える
「あの子がね・・」
辻がさっき出て行ったドアの方を遠くを見るな目で見つめる矢口
- 302 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月13日(土)23時13分59秒
- ゴォォォォ!
溶けない雪が降り積もる山に一隻の戦艦が降りてくる
「どう言う風の吹き回しかな?後藤中尉は・・・」
降りてくる戦艦をガラス越しに見つめる女性
「石黒准将!後藤真希大尉以下、親衛隊到着しました!!
格納庫に来てください!」
石黒の居る部屋に一人の兵士が入って来る
「ああ、そう言えば彼女、紗耶香様の親衛隊になったんでしたね・・」
ククっと微笑する
「准将!格納庫に!」
「わかっている!!」
部屋のドアの前にいた兵士を押しのけて格納庫へと向かって
歩きだす石黒
- 303 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月13日(土)23時16分30秒
- 今さっき到着したばかりで、まだ熱を持っている戦艦
トゥギャザーから伸びている階段から降りてきた
真希の目の前に階段の下に石黒が待っているのが見える
(地球に降りて来てそうそうにあの人の顔を見なくちゃいけないなんて
散々だね・・・)
真希は階段を降りきると
「後藤大尉以下親衛隊!到着しました!」
石黒に向かって敬礼する
- 304 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月13日(土)23時17分08秒
- 「どう言う風の吹き回しか?中・・大尉が地球に降りてくるなどと・・」
「どう言う事ですか?」
顔に石黒に対する不快感がもろにでる真希
「いやね・・あんなに地球に降りる事を嫌がっていた大尉が
急に地球に降りて来るなんてと思ってね・・・
しかも、紗耶香様の親衛隊の大尉が・・」
嫌味を言葉に込め顔に出ている不快感に対して返す石黒
「最初は、准将の艦隊と准将の完璧な作戦だけで、地球を制圧できると
思っていたのですが、地球でのUFA軍が押されていると聞いたもので
准将がこの基地から逃げ出せる手伝いだけでも出来たらと思いましてね」
嫌味な言葉に嫌味で返す真希
「それは、ありがたいね・・・」
そう言うと真希の元から離れて行く石黒
その後ろ姿を、ずっと睨む真希、すると、石黒が立ち止まり
「大尉、今回の地球降下作戦は私の完璧な作戦の一部にしか
過ぎないって所をわかったいただきたいものだな・・・」
- 305 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月13日(土)23時18分09秒
- (フンっ!市井ちゃんの頼みじゃなければ、地球どころか
あんたの手助けなんかに来ないわよ!)
石黒が出て行った扉を睨み続ける真希
「――長、隊長!」
真希は後ろからの呼び声に気ずく
「あ、高橋・・どうしたの?」
「いや・・隊長こそ・・ずっと恐い顔して・・・
MSのメンテナンスなどすべて完了しましたが・・」
「そっ、うん、じゃあ、次の命令があるまで、休憩してていいよ
ほかの三人にもそう伝えて」
「はい、わかりました」
真希の元を去って行く高橋
(敵のガンダムは出てくるんだろうか・・)
- 306 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月13日(土)23時21分18秒
- >>294名無しヲタさん
ありがとうございます
光の翼ですか・・・
- 307 名前:名無し 投稿日:2001年10月17日(水)23時52分37秒
- ガンダム大好き〜!!
さりげにF91っぽさも随所に見られるので割と若めの方かな?(20前後?)
めっちゃ期待してまっせ〜!!
- 308 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月23日(火)10時00分37秒
コンコン!!
希美が部屋で寝ていると、正確には寝転がっているだけなのだが
希美の部屋のドアを叩く音がする
「もしもーし!居る〜!?」
ついさっき聞いた事のある声の人物が希美の部屋の前に来ているようだ
希美は出よううともしない
トントン!
「居ないの〜?お〜い!」
(うるさいな〜!)
布団を頭からかぶる希美
ドンドン!!
「居るんだろ!辻!!」
(何で、私の名前知ってんだ・・・?)
それでも、返事もしない希美
「・・・・」
(ん?静かになった・・どっか行ったかな・・)
・・・・・
・・・
・・
ドォォォォォォォン!!!!
何かが、ものすごい勢いで扉に衝突する
- 309 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月23日(火)10時04分10秒
- 「な、何!?」
驚いてベットから起き上がる希美
「やっぱいるんじゃん!!出てきなさいよ!」
思わず声が漏れ、外に居る人物に聞こえたようだ
しぶしぶ扉を開ける希美
ガチャッ!
「何ですか・・・?」
扉を開けるとそこには先ほどの背の低い女性・・矢口が立っていた
額が赤いのは気のせいであろうか・・
「やっと出てきたな・・・ちょっと来てみ」
「どこにですか?嫌ですよ、私、今何かする気分じゃないんですけど」
「いいから!いいから!」
希美の手を取り無理矢理引っ張って行く矢口
「あ!」
- 310 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月23日(火)10時13分07秒
- 逃げようとする希美の手を引っ張りながら矢口が廊下を
何処かに向って歩いて行く
「離して下さいよ!手が痛いですよ!」
「離したら逃げるだろ!?」
「逃げませんよ!」
ものすごく抵抗する希美がある部屋の前を通りすぎる時に
急に元気がなくなる
(梨華ちゃん・・・・)
梨華の部屋の前に通りかっていたからであった
ついさっきまで、ここでのあの梨華の悲しそうな顔が離れないでいた
「ん?どうした?」
急に抵抗する力がなくなった希美に驚く矢口
「いえ・・・何も・・」
「まあ、いいや行くよ」
引っ張って希美を何処かに連れて行く
- 311 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月23日(火)10時15分50秒
「どこに連れて行く気ですか!?」
「ついたよ」
二人は外の景色が見えるラウンジに来ていた
「ここに何があるんですか?」
息を切らしながら言う希美
「ほら見てみ」
そう言うと外を指差す矢口
「あ・・・!」
外には雪が降っていた
「雪だ・・・」
「すごいやろ?宇宙で雪なんて観光コロニーでしか
お目見えできんだろ?」
「・・・・」
黙ったまま、外の雪を見つめる希美
- 312 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月23日(火)10時19分10秒
- 「あんさ、あんましさ、考えこまないほうがいいよ」
「!」
矢口の急な言葉に驚く
「え?どう言う事ですか?」
「そう言う顔してた子、昔に結構見た事があるんだよね
何があったのかは、しんないけどさ、ま、あんま考え込まない事ね
あんたが、そんな顔してると心配する人とかいるんだから」
「矢口さん・・・さっきあったばかりなのにやさしんですね
私、ただのうるさい人だと思っていました・・・」
うっすらと笑う希美
「うっさい!ただのうるさい人はよけいだ!
でも、その顔の方がかわいいよ」
笑顔で希美を見る矢口
すると――
「あ!もしかして矢口〜〜!!!」
- 313 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月23日(火)10時22分16秒
- 「矢口じゃん!矢口〜!」
二人が振り向くと安倍が手を振りながらこっちに向かってくる
「あ!なっち!」
矢口も安倍に手を振る
「何で、矢口がこんな所にいるの?
それに、辻ちゃんとの組み合わせで居るなんて・・」
「まあ、ちょっとね、それにしても久しぶりだね
明日香はどこに居るの?」
「明日香は、たぶん格納庫にいるよ」
笑いながら矢口が
「ハハッあの子は相変わらずだね!」
希美は二人をジッと見て
「皆さんは、昔からの知り合いなんですか?」
二人の会話に割って入るように喋る
「そ!昔からの知り合いだよ、
木星共和国との戦いの時に、一緒の部隊だったんだ」
そう言いながらどこかに向かって歩きだす矢口
希美と安倍も矢口に付いて行くように歩き出す
- 314 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月23日(火)10時25分05秒
「―――じゃあ、あのニューニュータイプの人も同じ部隊だったんですか?」
それを、言った瞬間にあわてて口を抑える希美
「ニューニュータイプって、圭織が?ハハハ!
たしかに、あの子は、時々おかしいけどね!
初めて見る人には衝撃だろうね!」
笑いをこらえる矢口
「圭織はね――」
三人が話しながら歩いていると
艦内で一番うるさい場所についた
「ねえ、なんで、格納庫に来たの?」
安倍は横にいる矢口に聞く
「え?だって、矢口もう帰るから・・・」
そう言い、自分の乗って来たMSを指差す
「帰るの?じゃあ、明日香にも会っていきなよ!
私、呼んで来るから!」
安倍は格納庫内に走って消えて行った
二人が安倍を、目で追っていると
「ののーー!!」
- 315 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月23日(火)10時26分35秒
安倍とすれ違うように、亜依が希美の元に近寄ってくる
「のの!見た?雪ー!すごいでー!」
「うん、見たよ」
「うち、雪なんて、初めて見て感動したわ〜!・・・
ん?誰この人?」
希美の横に居る矢口にやっと気づく亜依
「あ、この人、矢口さん・・・私もよく知らないけど・・」
右手を矢口の方に向ける
「よく知らないって・・まあ、よろしく!矢口真里中尉です!
あ〜〜、あんたが、加護軍曹だよね?」
それを、聞いた亜依は一歩後ろに後ずさる
「な、なんで、うちの名前知ってるんですか?
ちょ、ちょっと恐いですよ」
もう一歩下がる亜依
「おいおい、ダンスサイトに居る子供って言ったら
辻と加護って、連邦軍内で結構有名なんだぞ!
人を変態みたいな目で見るな!」
「そうですか、まあ、そんなんどうでもええですねん
ののさ、雪みたら、次は触ってみたくない?」
矢口を、押しのけて希美としゃべる亜依
「このガキィィ」
怒りを抑える矢口
- 316 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月23日(火)10時27分44秒
- 「うん、触ってみたい・・・」
「よっしゃ!うちに任せとき!!」
亜依はそう言うと走って何処かに行ってしまった
「あの子が・・・ねぇ・・」
矢口が走って行った亜依を見ながら矢口が呟く
「どうしたんですか?矢口さん」
パッと視線を希美に戻す矢口
「ん、ううん、何も、ちょっとね
あんた、あの子の事、大切にするんだぞ」
「え、ええ・・」
何か雰囲気の違う矢口に戸惑う希美
「あ、来たみたい・・」
矢口が格納庫の奥からこっちに向ってくる安倍と
その後ろから付いてくる福田を見つける
「矢口〜!」
矢口と目が合った安倍が手を振ってくる
- 317 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月23日(火)10時43分08秒
- >>307名無しさん
ありがとうございます
年はそんな所ですね
ちょっと更新が遅れがちです
- 318 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月24日(水)00時30分33秒
- >317
自分のペースでマターリ更新で良いですよ。
- 319 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月28日(日)21時22分35秒
「明日香・・久しぶり・・」
ちょっと照れくさそうな矢口
「うん・・・まりっぺも元気そうで・・
第七艦隊のMS部隊の隊長をしてるなんてね・・」
「ハハハ!まあ、矢口ってすごいって事だよね〜
矢口のMSタンポポもすごいからね!」
そう言い、自分が乗ってきたMSタンポポを指差す
「タンポポ・・・?何か・・・MSらしからぬ名前だね?」
安倍が不満そうにタンポポを見る
「・・まあ・・・正式な名前じゃないからね・・・タンポポは・・」
何かを思い出したように嫌そうな顔をする矢口
「じゃあ、正式な名前はなんて言うんですか?」
横から希美が矢口の袖を引っ張る
「・・・・・言えない・・・」
それ以上何も言おうとしない矢口
- 320 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月28日(日)21時23分20秒
「じゃあ。そろそろ・・・明日香とも会ったし・・・
帰ろうかね・・」
頭の後ろで手を組みMSへと向って歩き出す矢口
「もう、帰るの?」
寂しそうな声の安倍
「へへっ!こう見えて結構オイラも忙しいんだよね〜」
頭で腕を組んだまま笑顔で振り返る矢口
「明日香・・」
黙ったままの福田に矢口が近づいていく
「あのね・・・・」
福田の耳元で矢口が何かを呟くと、MSへと向って走りだした
「あ!矢口!」
「んじゃ!明日香!なっち!辻!どうせまたすぐ会えるけど!」
笑いながら手を振りタンポポへと乗り込んでいく
- 321 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月28日(日)21時23分56秒
- ゴォォォォォ!!
カタパルトからタンポポが発進して、ダンスサイト艦隊と平行して
飛んでいる第七艦隊に飛んでいった
「ふう〜、相変わらす、元気な子だったね・・・」
「そうね・・」
タンポポが飛び去っていった後を見つめる安倍と福田
(騒がしい人だったな〜)
タンポポが飛び出していった時の冷風に肩を擦って
温まろうとする希美
すると―――
「お!安倍!いいところに居た!ちょっと来てくれ!」
和田がMSデッキの奥に方から安倍を呼ぶ
「はい!わかりました!―――
じゃあ、二人共、何か和田さんが呼んでるから行くね」
安倍はそう言うと、MSデッキの奥へと歩いていった
それを見送ると―
- 322 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月28日(日)21時24分41秒
「それじゃ、私も行くわ」
福田もデッキの奥へと歩き始めると
「あ、あの・・・・」
「ん?」
何かを遠慮したような声で呼ぶ希美の声に足を止め希美の方を向く福田
「どうしたの?軍曹?」
「あ・・え・・っと・・その・・」
何故か言いにくそうにもじもじする希美
「・・・・何?はやくしてくれない?」
もじもじする希美にイライラしだす福田
「あの・・・ですね・・・」
「・・・・・・・・・・・」」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「もう、行くわ!」
我慢しきれなくなった福田はこの場を立ち去ろうとすると――
「・・・うれしかったです・・・」
- 323 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月28日(日)21時25分40秒
「え・・・・?」
かすかに希美の口から発せられた言葉に驚く福田
「あの・・・さっきは、どうもです・・・
まさか福田さんがあんな事言ってくれるなんて」
「さっき・・・?・・あぁ・・あれね・・
別にあなたの事をかばったわけじゃないわ
あの子の、あの甘えた考えにむかついただけよ」
相変わらずに淡々としゃべる福田だが、その顔は少し照れていた
「それだけね・・じゃあ、行くわね」
そのままMSデッキの奥へと歩いて行く
「でも・・・とてもうれしかったです・・・福田さん・・」
福田の後ろ姿を見ながらポツリと呟く希美
すると―――
ガアーーー!
ガンガンッ!!
カタパルトの扉が開き一機のネヴァが中に入って来る
- 324 名前:ぺぷし 投稿日:2001年10月28日(日)21時27分20秒
- >>318名無し読者さん
ありがとうございます
マターリ行きます
- 325 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月04日(日)20時44分48秒
「な、なんだぁ!?」
手に何かを持ったネヴァが希美の元に近寄って来る
「え?え?だ、誰が乗っているの?」
『のの!行くで!』
ネヴァから亜依の声が聞こえる
「あいぼん?行くって何が?え?え?えーーー!!」
ネヴァの手の上には、大量の何かが乗っており今まさにネヴァ
の手からそれがこぼれ落ちようとしていた
ドババババババ!!
「キャアアアアア!!」
希美は反射神経的に身をかがんでそれを避けようとするが―
「ののー何やってんのー?」
亜依がコックピットからワイヤーを伸ばして降りて来る
「え・・?」
それは、身をかがめた希美の前に落ちていた
- 326 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月04日(日)20時45分43秒
- 「あいぼん・・これ・・・?」
それを見て思わず腕を組んで前かがみになってしまう希美
「見たまんま雪やけど?甲板からすくいあげてきてん」
「雪・・・これが・・・」
希美は山の用に積んである雪の山を恐る恐る触って見ようと
右手を伸ばす
「づべだ〜い!」
雪の冷たさに驚いて雪から手を遠ざけて右手を上下に振って
液体に変わった雪を手から振り払うと
眉毛をハの字にして亜依の顔を見て変な顔をする
「ハハハ、冷たいやろ?」
「うん・・・驚いた・・・」
「ほら、見てみ・・・」
亜依も雪の山の前に膝を付いて雪を手に取り
丸め始める
「???」
不思議そうに亜依の作業を見つめる希美
ポンッポンッと雪を手の平の大きさに丸め終えると―
「行くで――」
「?」
亜依の手の平サイズの雪の塊をジーっと目で追っていると――
パシッ!!
- 327 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月04日(日)20時46分32秒
「あ痛っ!!」
希美の顔面に雪の塊がぶつかる
「キャハハハハ!!のの間抜け〜!」
顔に張り付いた雪の残りカスを左手で払いながら
右手で雪を掴み
パシッ!!
大笑いしている亜依の顔面に直撃
「・・・・・・や・・・やりおったな〜!」
顔に張り付いた雪を気にもせずに
両手で雪を掴む亜依
「な、何・・・あいぼん・・?そ、その顔は・・・」
「ククク・・・覚悟しいや・・」
悪魔のような顔で希美に一歩、また一歩と近づいていく亜依
「キャーーーーーー!!」
格納庫の騒音に紛れて格納庫に希美の悲鳴がこだました・・・・
- 328 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月04日(日)20時47分24秒
- 翌日―――
「スゥーハァー」
梨華の部屋の前に来た希美は深呼吸をして息を整えて
ノックをしようと手をドアの前までもっていく
・・・・・・・・・
・・・・・・
(やっぱ・・・だめだ・・・・)
ドアの前まで持っていった手をひっこめて
梨華の部屋の前から立ち去る希美
「ん?あれは・・・?何?補給艦かな・・・」
廊下を歩いていると窓の向こうに第七艦隊と
ダンスサイト艦隊の間に割り込むように補給艦が
平行に走行していた
- 329 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月04日(日)20時48分32秒
- 「補給艦、接触します」
「・・しかし・・・いくら、急いでるから言ったって
移動しながらの補給なんかせんでもな・・・・・
せっかく北京基地を取り戻せてんから北京基地使えばええのに・・」
足を組み頬づえをついて補給艦から伸びてくるアームを見ながら呟く中澤
「しかたないですよ・・・・
今、地球に降りている艦隊は、我が艦隊を合わせて三艦隊ですからね」
キーボードを打ちながら苦笑するアヤカ
「その、三艦隊のうち一つは急造の艦隊やけどな」
「でも、その変わりにダンスサイト艦隊は、最新鋭戦艦に最新MSが
搭載されてますよ」
「そのおかげで、最前戦に回されてるんやけどな・・・
あ、それと、M1の強化の方はどないなん?」
「武装強化などですが・・・今回の補給で強化パーツが届きます
次の作戦までに間にあうかどうかは・・・・」
「そうか」
- 330 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月04日(日)20時49分27秒
「ああ、こんな所に居た」
「え?」
希美が廊下を歩いていると後ろから福田が声をかけてきた
「福田さん、どうしたんですか?」
「和田主任が呼んでるわ、格納庫に来て」
「あ、はい」
格納庫に向って歩く希美の前に福田が歩く
福田も格納庫に行くようだ
「・・・・今どこに、行ってたの」
おもむろに福田がしゃべりかける
「え・・・・あの・・・・」
「石川さんの所ね」
- 331 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月04日(日)20時51分27秒
- 「!」
驚いて足を止める希美
「やっぱりそうなのね・・・で?話はできた?」
福田も足を止め希美の方を向く
「・・・・・」
「話せなかったのね・・・・」
「何か・・恐くて・・・」
「勇気がなくて?でも、仲を取り戻したいなら早めにしたほうが
いいわよ、遅くなれば仲を直すのは大変よ
それに、彼女は捕虜・・いつかこの艦から別の場所に移されるしね」
「・・・・・」
「そんなに、考えこまなくていいのよ
彼女だって、友人が死んで気が動転してただけだし
彼女も自分が悪いって思ってるはずだわ
だから、話せば分かり合えるわ」
そう言うと、歩きだす福田
「福田さんって―――」
「福田さんってやさしいんですね・・でしょ?」
希美が言い終わる前に福田が先にしゃべる
「あっ・・・」
「別に、ただそのまま戦闘に出て足を引っ張ってほしくないだけよ」
「福田さん・・・・」
いつもより何か暖かい福田の背中をボーっと見る希美
「軍曹!早くしないと怒られるわよ!」
「は、はい!」
- 332 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月04日(日)20時54分10秒
- 数日後――
ブリッジで希美達が次の作戦について聞いていると
「前方から、第十三独立部隊が来ます」
「圭織の部隊か・・・これで、三艦隊がそろって
ヒラヤマ基地攻略か・・総力戦か・・」
ため息をつく中澤
「圭織って・・あの人か・・・」
飯田を思い出して苦笑いする希美
「明日香、なっち、これで、昔のメンバーが集まったな」
中澤の横に立っている安倍と福田に喋りかける中澤
「そうだね・・・・でも・・・圭ちゃんはいないけど・・」
「!」
言葉が詰まる中澤
「なっち、あの人の事はもう言わないで」
不機嫌そうな顔をする福田
「ごめん、明日香」
(圭ちゃんって誰だろう・・・?)
場の空気が重くなる
「・・・・ほら!あんたら!そんな辛気臭い顔しとらんと
MSに乗れる用意してき!もうすぐ、ヒラヤマ基地につくで」
重い空気を破るように中澤が口を開く
「わかりました」
福田がブリッジから出て行く、それに続くように安倍も
出て行く、残された希美と亜依もブリッジから出て行く
- 333 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月04日(日)20時55分38秒
ドン!ドン!ドン!
「左舷被弾!ヤマト!!前に出ろ!」
ヒラヤマ基地に近づいた三艦隊に多数のビーム兵器が
雨のように向ってくる
「弾幕!張って!ダンスサイト艦隊は降下しつつ、MS部隊を
発進させて!」
ダンスサイト艦隊が降下して行くと
第七艦隊はヒラヤマ基地の上に移動して
第十三部隊はそのまま直進して行く
- 334 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月04日(日)20時57分22秒
- ガンッ!ガンッ!
カタパルトにメモリーが上がる
「第二小隊は私に続いて!敵の高射砲を破壊するぞ!」
ズドォォォン!!
メモリーが飛び出すと数機のネヴァが出撃していく
ポチポチ
希美がM1の電源をいれていると
『軍曹』
希美の元に急に福田から回線が開く
「福田さん?どうしたんですか?めずらしいですね」
『軍曹、この戦いが終わったら石川さんとちゃんと話をするのよ』
「え?きゅ、急に何を・・・」
福田の問いに動揺する希美
『いや・・・なんとなくね・・・』
「でも・・・・」
『・・・・私が一緒に付いていってあげるわ・・』
「え?」
ブチッ
回線が一方的に切断される
- 335 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月04日(日)21時00分58秒
- ガンッガンッ!
フォーゲットがカタパルトに上がる
「第一小隊は、私に続きなさい!敵の牽制をするわよ!」
ズオォォォン!!
フォーゲットが出撃していく
(福田さん・・・・ありがとうございます・・・・)
手にギュッと力を入れると
ピキーーン!
希美の頭に何かが走る
(何・・・?この感じ・・・この戦場に・・・
恐いんだけど・・とても・・何かあたたかいそんな、感じがする・・・・)
『辻!何してんねん!さっさと出撃しや!』
考え込んでいた希美に中澤の怒号が飛ぶ
「は、はい!・・・・
辻希美!ガンダムM1――行きます!!」
ゴォォォォォ!!
M1が発進する
- 336 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月06日(火)00時28分28秒
- そろそろ新スレの用意した方が良いと思いますよ
- 337 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月18日(日)01時36分58秒
- 続き待ってます
- 338 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)00時33分55秒
- >>336
はい、この話が終りしだい新しいの立てます
>>337
すいません、待たせてしまって明日更新します
- 339 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時02分00秒
- 希美が出撃するとほぼ同時刻に、ヒラヤマ基地の上空に
第七艦隊が到達していた
ドン!ガン
『タンポポ、出るぞ!矢口の部隊は後方援護に回る!
味方機を落とすなよ!』
ドォォォォン!!
壁に掛けてあるビームライフルを手に取り
カタパルトから発進する
矢口が発進すると第七艦隊旗艦シスコムーンから
長距離武装をしたネヴァのMS部隊が次々と発進していく
そして――
中央を行く第十三独立部隊旗艦ジョンソン級戦艦ジョンソンは
『りんね!あさみ!頼んだよ!うちらの艦隊は敵基地の攻略!
VタイプのMSの性能を見せてあげるんだよ!』
デッキ内やコックピット内に飯田の声が響きわたる
『了解!Vヘキサ!りんね出ます!』
『あさみ行きます!』
りんね、あさみの後から、VタイプのMSが発進していく
- 340 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時03分21秒
- 「ええっと・・・武装追加したって言ってたけど・・・
シールドミサイルと腰部のランチャー?」
バンバン!!
バイセイコーの小隊がM1に向ってライフルを撃ちながら
向ってくる
「こっちに来ないで!」
敵のビームと基地からの攻撃をかわしながら
シールドミサイルを発射させ一機を撃破すると
地面の砲台に向ってビームライフルを連射させ
砲台を二個、破壊して基地へと向って飛んで行く
「なんだろう・・・さっきからのこの感じは・・・・
こっちから・・・呼ばれてる?ガンダムに?」
敵の攻撃をよけ次々とMSを撃破しながら
何かに引かれるように、敵基地に単独で向って行く希美
- 341 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時05分10秒
- 「ファンネル!」
ドドドン!!ドン!ドン!
ウィッシュから四発のファンネルが飛んで行き
敵基地からのミサイルを撃墜していく
「どや!・・・ん?のの!前に出すぎやで!
安倍さん!」
一機で、敵の中央へと突破していくM1を見つけ
亜依はウィッシュを安倍のメモリーの近くまで移動させる
『Gagagaaa--加護ちゃん?わかってる
辻ちゃんの援護をして!』
「りょーかい!」
希美が飛んで行ったコースと同じコースを取り
M1の後を追う亜依
- 342 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時07分26秒
- 『ガンダムM3発進準備OKです!』
ガンダムM3のコックピットに基地のオペレーターからの
通信が聞こえる
「了解、准将が逃げ出すのにどのくらい時間を稼げばいい!」
操作系統の感触をたしかめながら発進準備をする後藤
『大尉!言葉には気をつけてください!
准将は別に逃げ出すわけじゃ――』
「わかってます!次の作戦のために撤退するんでしょ?
それで、何分かかるの?」
そう言いながら、M3の横にいるMSに何か合図を送る
『発進準備は後、10分ほどで終ります
大尉達はサマーナイトの退路と時間を稼いでください!
サマーナイトが退却しだいトゥギャザーも発進します
大尉達はそれに乗って退却してください!』
「了解、高橋!紺野!新垣!小川!
聞いての通りだからね!時間を稼ぐだけでいい!
無理はするな!」
オペレーターとの通信を終えるとM3の周りにいる
MSホールド乗っている四人に向って言う真希
「「「「はい!!」」」」
四人の返事を聞き終わると
「後藤真希大尉!ガンダムM3、出ます!!」
- 343 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時08分37秒
- バキ!!
M1の腕でバイセイコーを殴り撃墜すると
ビームとミサイルを避けながら地面に降り立つ
バン!バン!バン!
上を飛んでいるバイセイコーにビームライフルと
腰についているビームランチャーで撃墜すると
ビームライフルをシールドの裏に入れて
ビームサーベルに持ち変えると砲台をつぶしていく
ピキーン
「!これは!」
希美は何かを感じるとその感じた方を見た瞬間
ズヴァァァァ!!
「うわ!!」
M1に向ってきた正確な射撃を間一髪で上に避ける希美
「この感じ・・間違いない・・・月で感じた・・・・
ガンダムM3だ!」
希美はビームが飛んできた方向を睨み上げる
- 344 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時09分42秒
- 「ガンダムM1!?たった一機でこんなに突っ込んでくる
なんて、よっぽど自身があるんだね!」
ビームを連射しながらM1に向って行く真希
「高橋、新垣はほかの雑魚を!
小川、紺野は私を援護して!」
M3の後に付いていた四機のMSが二方向に散らばる
ビュン!ビュン!
M3からのビームを避けながらシールドに収めていた
ビームライフルを抜く
「M3にビームライフル?M3にライフルがあったんだ・・・」
バン!バン!
M1に向ってくる三機のMSに向ってビームライフルを撃つと
三機のMSが散らばって三方向からM1に向ってくる
- 345 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時10分34秒
- 「明日香!!」
福田のフォーゲットに矢口のタンポポからワイヤーが伸びて
接触回線が開く
『どうしたの!戦闘中よ!わかってるの!』
福田の迫力に押されながらも
「わ、わかってるよ!明日香、辻のガンダムが前に出すぎてるよ
私が援護に行くから、明日香は――」
『いや・・・私が行くわ!援護をお願い!』
希美のM1がいる方を横目で確認すると
矢口からの返事を待たずにM1の方に向って行く福田
「明日香!もう!!・・・・
各機に通達!福田機の援護をしろ!」
- 346 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時11分49秒
- シュルルル!!
紺野のMSのバックパックから四機のインコムが出て
M1に向って一直線に飛んでくる
そのインコムを後ろに下がりながらライフルを構える希美
「しつこいよ!」
希美の放ったビームはインコムを破壊しながら
紺野のMSの右腕に直撃する
ドーーン!
右腕が破壊され山に激突する紺野のMS
「あ・・・ホールドが・・・動かないの・・・?」
焦ってるのか落ち着いてるのかわからない紺野
それを見て
「これは、お返しだよ!!」
両腕のインコム紺野のホールドに向けて発射させるM1
「あ・・・・!!」
紺野の近くまで伸びたインコムからビームがホールドに
向けて発射されようとした時――
- 347 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時13分23秒
- ズヴァ!!
「紺野!」
M3が紺野のホールドに目掛けてビームを
撃とうとしていたインコムの有線を叩き斬る
「隊長・・・!」
「紺野!引いて!」
M1の有線を斬ったM3は山の傾斜を利用して
傾斜を蹴ってM1の方に向きを変える
「終りだよ!腕の無くなったMSなんてね!」
腰のディバインダーを腕にはめて大出力のビームサーベルを
発生させると高速でM1へと突っ込むM3
「やらせるもんか!」
両腕の無くなったM1の腰のビームランチャーを
向ってくるM3に連射させる希美
「甘い!あたらない!」
ビームを左右に振りながら避けて大出力のビームサーベルの
右腕をM1に振りかざそうとした時―
- 348 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時14分23秒
- ドーーーン!!
突如M3の右腕が爆発する
「な!なんで!」
驚いた真希に向ってさらにどこからかのビーム砲撃を
避けていったんM1から離れる
「何があったの?敵のMSは近くにいないって言うのに!」
攻撃してきた物を探すために辺りをキョロキョロと見渡す
「いつまでも、同じ弱点を晒してるわけにはいかないんだよ!
圧迫感!!」
希美はそう言うと何かを念じるようなしぐさをとる、すると
二つの物体がM3に向って攻撃を始める
「こ、これは!私が切り落とした腕?サイコミュ兵器なの?」
真希によって斬り落とされたM1の腕が遠隔操作でM3に
向って攻撃を加える
- 349 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時15分43秒
- (さっきからなんでこのM3のパイロットから圧迫感は
感じるのに、でも・・・何でこんな暖かい感じがするんだろう)
小川のホールドからの攻撃を牽制しつつ左腕をM1に戻し
背中に置いていたシールドを装備し直す
「接近戦用装備がメインのM3には、遠距離から!」
右腕のビットと腰のランチャーでM3に猛攻をかけるが
何とか、攻撃をかわす真希
「何であたらないんだよ!」
M1の攻撃を避けつづけるM3に接近し
遠隔操作で離れていた右腕をM1に戻し
ビームサーベルを抜きM3に攻撃をしかける
ビリビリビリビリビリ!!
M1のビームサーベルをなんなく受け止めるM3
その瞬間に、小川のホールドがバズーカでM1に攻撃をしてくる
そのバズーカを後ろに下がって避けようとすると
「もらったよ!」
M1が後ろにさがったのとほぼ同時にM3がスラスターを
全開にしてM1にビームサーベルを振りかざす
「しまっ!!」
- 350 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時16分58秒
- ドォオオオン!!
「左腕が!」
間一髪にM3のサーベルを避けるが
左腕をシールド事斬られてしまう
その反動で、後ろにものすごい勢いで吹っ飛ばされ
山の傾斜と平行するように地面に向って飛ばされる
「このまま、しとめてあげるよ!」
飛ばされて行くM1に尚もスラスターを全開にして
追撃をかけるM3
「うぅ・・み、右腕が・・重い・・・目標にちゃんと入らない・・」
吹っ飛ばされながら追撃してくるM3に必死で
ライフルの標準を合わせようとする希美
バン!バン!
M1がライフルを連射するがM3を捕らえる事は出来ずに
全然方向違いの場所へ飛んで行く
「もらった!!」
M3がM1のコックピット目掛けてサーベルで
串刺しにしようとするが
「ま、まだっ!!」
ゴォォォォォ!!
M1のスラスター火器をすべて全開にしてサーベルを
上へとかわして上空へと飛んで行く
- 351 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時17分59秒
- 「めんどくさいね!」
上空へと逃げたM1に急転換してすぐに後を追うM3
「こ、このままじゃ・・・ハァハァ・・やられる――」
ドオォーーン!!
「キャァァァァ!!」
M1の背中に一発のミサイルが直撃する
「後ろが、がら空きだよ!!」
小川のホールドが後ろに回りこみバズーカを撃っていた
「しまっ・・操作系統が・・・」
制御を失ったM1が再び地面へとむかって落ちて行くと
M3がビームサーベルの出力を全開にしM1へと追撃をかける
「おちろっ!ガンダム!!」
M3のビームサーベルがM1に直撃しようとする
「キャアアア!!」
- 352 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時18分48秒
- 「のの!!あかん!間にあわへん!ののーーー!!」
M1の元へと行こうとするウィッシュだが
敵の攻撃によりたどりつけない
「のの!のの!」
亜依の目の前で今まさに、M3のビームサーベルが
M1へと突き刺さろうとしていた
ドオオォォォォォン!!!
亜依の目の先でMS一機の爆発が起こる
「そ、そんな・・・・うそやろ・・・あれは・・・」
亜依は目の前で起こった事に信じられないでいた
- 353 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時19分35秒
- ドクン!ドクン!
希美にはその瞬間がすべてがスローモーションに動いて
見えていた
(え?どいうい事なの・・・?)
ビリビリビリビリ!
鉄の焼ける音だけが希美の耳に聞こえてくる
「!」
目の前の出来事に言葉を失う希美
たしかにM3のビームサーベルがM1を突き刺せようとしていたが
M1にはサーベルが突き刺さってはなかった
「うそだ・・・・うそだ、うそだうそだうそだうそだうそだ!!」
ビリビリビリビリ!
M1の目の前にはM3のビームサーベルで貫かれた
一機のみなれたMSが見えていた
- 354 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時20分30秒
- 「やだよ・・・やだやだやだやだやだやだ!!」
M3に貫かれたMSが小さな爆発を起こしていく
「チッ!じゃまして!このMSが!」
爆発を起こしていくMSから離れるM3
ドン!・・・ドンドンドンドンドン!!
ドォォォォォォォン!!!
貫かれたMSが小爆発を起こし爆発する
爆発したMSの欠片がM1にあたる
「あぁぁぁ・・うぅぅ・・・許さない・・許さない・・許さない・・・」
- 355 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時22分47秒
- 「うっ!!何?このプレッシャー!」
真希はM1からでてくるプレッシャーに押しつぶされそうに
なっていた
「か、体が動かない・・」
「隊長!何してるんですか!?今がチャンスですよ!」
小川が動かない真希を尻目にM1へとつっこんでいく
「ま、待ちなさい!小川!」
ズヴァァァァ!!
ビームライフルでM1に攻撃する小川
パン!パン!
ライフルの直撃を受けたM1だがそのビームをすべて弾く
「な、何?あれは!」
小川の目の前のM1からピンク色の光が溢れていく
「なんや?のの?うわっ!」
敵の攻撃によりどんどんと希美の元から離される亜依
- 356 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時24分09秒
- 「ガンダムM3!!許さない!!よくも――」
ビームライフルを捨てビームサーベルを抜くM1
ガン!ドン!
「な、何で!何で動かないの!ガンダム!!」
目の前から迫ってくるM1に動かないM3に
恐怖と怒りでパニックに陥る真希
「よくも!!福田さんを!!!」
ものすごい勢いでM3に突進してサーベルを振りかざす
「隊長!!」
M1とM3の間に小川のホールドが割って入る
ドォォォォォン!!
「小川!!」
M1のサーベルで真っ二つにされたホールドが爆発する
- 357 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時25分19秒
- 「小川!くそっ!M3、動いて!!」
真希がM3を動かそうとしていると
M1がホールドの爆発の煙の中から迫ってくる
「このままじゃ―――!!」
M1がM3に今まさにせまらんとしていたと時―
ゴゴゴゴゴ!!
M3の背後から巨大な戦艦が浮上する
その戦艦の出現により希美の注意が一瞬それる
「サマーナイト!・・・・動く!今だ!」
動くようになったM3のビームサーベルの出力を上げ
注意の一瞬それたM1の右腕を叩き斬る
「高橋!新垣!生きていたら、引くよ!!」
サマーナイトの後から浮上してきたトゥギャザーに向って
後退するM3
「ガンダムM1!次こそは決着を付けてあげる!!」
- 358 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時26分29秒
- 「ま、待て!!M3!ハァハァ、うぅ、エネルギーが・・・」
いつのまにかM1を覆っていた光も消え
M3を追いかけようとしたM1だったが、
エネルギーが尽きかけてスピードを失う
旗艦サマーナイトが大気圏外に脱出した事により
UFAの軍隊は護衛の部隊以外はすべて次々と
大気圏外へと脱出していった、護衛の部隊も次々と
投降してきたため、ヒラヤマ基地の戦闘は連邦の勝利に終わった
ゴォォォ!
「安倍さん!ののは!?」
戦いの終わった戦場で希美を探していた亜依は
安倍の元へと近づく
『加護ちゃん!わからないの!機体の発信信号はこのへんから
するんだけど!』
「この変ですか?」
あたりを見渡す亜依
「・・・・・!安倍さん!あれ!」
「!間違いない!ガンダム!」
亜依の指差した方向にはたしかにガンダムが
倒れていた
- 359 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時27分35秒
- 倒れているM1にウィッシュとメモリーが取り付く
「のの!大丈夫か!?のの!?」
「辻ちゃん!?」
『―――なきゃ・・・探・・・・・なきゃ・・・・』
M1からかすかに希美の声が聞こえてくる
「のの?どうしたんや!」
「加護ちゃん!とりあえずダンスサイトに連れて帰るわよ」
「はい!」
ウィッシュとメモリーでガンダムを担ぎダンスサイトへと引き返す
ガンガガン!!
デッキにガンダムが降ろされる
亜依は急いでウィッシュから降りてガンダムの
コックピットハッチを開ける
中澤も艦橋からMSデッキに来ていた
- 360 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時28分37秒
- 「のの!どうしたんやどこ行くねん!」
ガンダムのコックピットの中に入った亜依の声が外に漏れる
「――さなきゃ」
よろよろと歩きながら希美がコックピットから出てくる
「辻!どうしたんや!」
「辻ちゃん!」
外で見ていた中澤と安倍が様子のおかしい
希美を見て驚きの声を上げる
「な、中澤さ・・・ん・・・早く・・・・」
中澤の腕へとしがみつく希美
「辻!どうしたんや?なぁ!」
「早く・・・探さなきゃ・・・早く・・・」
「誰を?辻!」
中澤の腕から離れ、一人歩きだす希美
「待ってる・・・はず・・・福田さんが・・」
「!!辻!?今、何て?明日香に・・何かあったんか?」
希美の福田と言う言葉に過剰に反応する中澤
- 361 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時29分37秒
「探なきゃ・・・」
「辻!なぁ!明日香がどうしたん?」
「・・・・・撃墜されました・・・・」
コックピットから出てきた亜依が答える
「!」
その場にいた全員に衝撃が走る
「お嬢さん!それは本当なのか?福田だぞ?
うちのエースだぞ?」
拳を握り締め亜依の言った事に納得できない和田
「そ、そんな・・・明日香が・・・?うそでしょ?」
亜依の言った事が信じられない安倍
「明日香が・・・・」
「違います!福田さんはきっと脱出して、私達が迎えにくるのを
待ってます!だから!早く!助けに!ねぇ!中澤さん!」
中澤の体を必死で揺らす希美
「中澤さん!早く!早く!!」
- 362 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時31分24秒
- バシッ!!
中澤が希美の頬を叩く音がMSデッキに響く
「辻!落ち着き!!ええか?」
「・・・・は、はい・・・」
動揺して錯乱していた希美をやさしく抱きしめると
「加護・・・・今、言った事は本当なん?」
冷静に亜依に聞き返す中澤
「はい・・・コックピットに直撃を受けて・・・」
「そうか・・・・さぁ!みんな!ボーっとしてるんちゃうで!
和田さん!MSの回収お願いします!
安倍!あんたはこの子を医務室にお願いな!
まだ、残存兵がいるかもしれんねん!
気抜きなや!」
希美を安倍に預けると中澤は兵士、一人一人に指示を出していく
- 363 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時34分10秒
- このあたりの事を、私、あまり覚えていません
安倍さんに連れられて医務室に私が行かされた後
残存兵の対応などの処理とかは瞬く間に終わった感じがして
その後に、この戦いの戦死者達のお葬式みたいな事を
やりました、安倍さんや矢口さん、飯田さんはずっと泣いてました
私は、涙が枯れてしまったのかその時には、涙が一滴も流れません
でした。
中澤さんは、あの後も、ずっと凛として艦内の指揮を取っていました
お葬式の時も、涙を見せる事もなくずっと表情も変えずにいました。
私は、福田さんの死に中澤さんがちっとも何も感じてない
そう・・・思っていました、でも・・・でも・・・それは違ってました。
お葬式のあった夜、私は眠れなくて艦内を歩いていると
ちょうど、中澤さんの部屋を通り過ぎようとした時
- 364 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時34分44秒
「うっぅぅ・・明日香・・・なんでやねん・・・何、うちと一緒の階級まで
上がってんねん・・・若いくせに・・・階級が一緒になったら
うちが、えらぶれへんやんか・・・なあ・・・明日香!!」
一人で艦長としての責任を果たそうとしていた中澤さんが
部屋で一人で泣いているのを聞いて、私の目からも涙が溢れてきました。
そして、私達は福田さんの魂を地球に残し、宇宙へと上がって行きました
- 365 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時36分00秒
〜第八話 輝く生命(いのち)は火のように (後) 終〜
- 366 名前:ぺぷし 投稿日:2001年11月19日(月)22時36分58秒
- スレがパンパンになったので続きはどこかに新しいのを立てます
- 367 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月20日(火)05時17分57秒
- 明日香ぁ....(涙)
作者さん、お疲れ様です。続きも楽しみにしてます。
- 368 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月15日(土)04時21分55秒
- 続き、楽しみに待ってます
- 369 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月16日(日)03時03分30秒
- 続き期待します!
新しいトコロでもがんばってください!
- 370 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月09日(水)00時34分31秒
- まさか放棄か・・・?
- 371 名前:王大人 投稿日:2002年01月18日(金)01時19分31秒
- 死亡確認!!
- 372 名前:ぺぷし 投稿日:2002年02月15日(金)00時24分43秒
- ヒソーリ
http://m-seek.net/cgi-bin/read.cgi?dir=snow&thp=1013437442
生きてた
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