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ドラゴンクエストV〜9人最後の夏休み〜

1 名前:@作者 投稿日:2001年08月23日(木)02時24分32秒
他でも書いてるのですが、どうしても書きたくなって…すみません。
HNも持ってるのですが、ちょっと出さない方がいいかと(w
でも、書き方とかのんびり度とかカップリングからわかっちゃうかもしれませんね(w

内容は題名の通り懐かしの『ドラゴンクエストV』です。
できるだけ、スーファミ通りにしたいのですが…
街並みはV
職業はZ(かも?)
かもしれないです。
あと、娘。以外の登場人物は出来るだけ原作どおりに行きたいです。

ファンタジーって言っても、それほど戦闘シーンとかは多くないかもしれないです。
その辺を期待される方は、裏切ってしまうかもしれませんが、許してください(w

あ…あと娘。のスケジュールで間違いがあると思いますが、大目にお願いしますね…

では…たぶん内容はのんびり行くと思いますんで、ヨロシクお願いします〜
2 名前:〜プロローグ〜 投稿日:2001年08月23日(木)02時27分09秒
〜プロローグ〜

 『救ってください…』

 ん…?

 『救ってください…お願いします…勇者様…』

 ん…?

 ねっ〜む〜い…もうちょい寝かせてよ…

 『お願いします…勇者様…』

 昨日FFやりすぎて眠いのに…

 しかもなによ…勇者様って…
 ちょっとFFやりすぎかな…
 いや…勇者様って…これじゃ…ドラクエか…

 『お願いします…』

 うるさいよぉ〜

 『お願いします…勇者様…』

 だあああぁぁぁぁぁぁ〜っ!!!!!!!!

 わかったよっ!!!

 『ホ・ホントですかっ!!』

 わかったから…わかったから…静かに寝かせてよ…

 『ありがとうございます!!
  では…あなたさまの世界にお迎えにまいりますので、
  どうぞヨロシクお願いします!!』

 オヤスミ…
3 名前:〜〜〜〜〜〜 投稿日:2001年08月23日(木)02時48分38秒


第1部〜旅の扉〜

4 名前:〜〜〜〜〜〜 投稿日:2001年08月23日(木)02時50分07秒


第1章〜楽屋−この世界よっ!バイバイッ!!…いつの間にか…〜

5 名前:01〜朝の幸せなひと時♪〜 投稿日:2001年08月23日(木)02時53分45秒
01〜朝の幸せなひと時♪〜

 ふぅ〜暑い暑い…

 クーラークーラーっと…

 あたしはあまりにもの蒸し暑さに、いつもよりも幾分早めに目が覚めてしまった。
 目が覚めて真っ先にクーラーのリモコンに手を伸ばす。
 付けて一息。当然すぐに涼しくなるわけはない。

 ホント暑いや…でもまぁ…目が覚めたってのは、別に蒸し暑さだけでなく、
 今日からまた仕事が始まるって事からの、妙な昂揚感からもあるんだろう。

 そう…今日は新メンバーと初顔合わせの収録があるのだ。
 あたしたちの目の前で決まる。
 今までなかった事だが、たまには(?)いいと思う。
 贅沢言ったらあたしたちも選べたらいいのに…

 あたしたちモーニングは今週の日曜に24時間テレビがあって、その前後はそぉ〜とぉ〜働かされた。
 その上、火曜にもコンサートがあったんだけど、何と!台風で延期♪
 まぁ延期っていっても、その日は休みを貰えたわけじゃないんだけどね…
 でも、今日の新メンバーとの初顔合わせの収録のある前日は休みを貰えたんだ♪
 他のメンバーは二日貰えたりしたんだけどね。

 その間は、いつも通りなんだけど、家に帰ってました。
 んで、お母さんや妹と出かけたり〜の…夜中はFFをやり〜の…短いなりに楽しんだんだ♪
 
 んで今日からまた仕事が始まるってわけですな…はぁ…ちょっと…いやかなり憂鬱かな…

 ある程度部屋が冷えたのを肌で確認したあたしは、
 今度はタオルケットを頭からかぶってもう一度爆睡をした。

 し♪あ♪わ♪せ♪
6 名前:02〜よっすぃーと石川って…〜 投稿日:2001年08月23日(木)14時22分57秒
02〜よっすぃーと石川って…〜

 最悪…

 仕事しょっぱなから最強の2度寝だよ…もっと余裕もって来たかったのに…
 何でお母さん起こしてくんないのかなぁ…もぉ…

 って…はぁ…

 じょじょにテレビ局が近くなるにつれて、ドキドキしてくる。
 それと同時に気分も憂鬱になってくる。
 ちょっと遅刻も入ってるしね…
 
 まぁそれ以上にどんなコが入ってくるのか…それが一番気になる事だ…
 後何時間もすればモーニングは9人でなくなる。
 わかってはいるけれど…

 重い足取りのまま、楽屋のドアの前に立つあたし…
 
 ふぅ…

 「おっはっ〜」
 
 あたしが楽屋の中をのぞくと、そこにはもうメンバーが全員そろっていて、
 口々におはようの言葉を掛けてきた。
 珍しくあたしが一番最後だったみたいだ。
 まぁあんだけ遅刻ぎみだったら仕方ないか…
 みんなそれぞれ好きな事をして本番までを待っていた。
7 名前:02〜よっすぃーと石川って…〜 投稿日:2001年08月23日(木)14時26分31秒
 ひさぶりに見るメンバー。
 (おっと…よっすぃーが流行らさせたがってたからね…へへへ…よっすぃーの為ならっ!!)

 遅れたあたしが楽屋に入って、真っ先に目に入ったのが、ボーッとしているよっすぃー♪
 新メンバーとの初顔合わせのせいもあり、ちょっと顔が引きつってる。
 
 まぁ…そんなよっすぃーも…髪が金髪になって不良になっちゃったけど、
 いつでもやぐち愛しのよっすぃーだね
 金髪にしちゃって髪形が変わって、前みたいなカッコよさが減っちゃったけど、
 それでも見てるとホントカッコイイや…何もかもがね♪
 金髪にした時はビックリしたけど、『やぐちさんカッコいいから!』って言葉を聞いて、
 一気に《それ》がカッコよくなっちゃったね…へへへ…ちょこっと幸せを感じたやぐちでした。

 そんな愛しのよっすぃーのすぐ隣では、ちょっと暗い顔の石川が、
 今日の台本を片手によっすぃーにもたれ掛かっていた。
 その更に向こうではごっつぁんも台本を見てるが、
 そっちに視線をやる前に…ちょっと《それ》にムッとなるあたし。

 《それ》…石川とよっすぃー…そうなんだ…最近この2人やたらと怪しいんだよね…
 そりゃ…前々から怪しかったのは誰の目にも見えて言えてたんだけど…
 前の《それ》は女同士の友達関係ってカンジで変じゃなかった…
 だってあたしとなっちの関係を見てる見たいでね。
 
 でも最近は…はぁ…ちょっと気分が憂鬱ってカンジ…
 だって…だって…だって…
 前までの《女同士のじゃれあい》が《恋人同士のじゃれあい》に見えてなんないんだよっ!!
 ムカッ!!
8 名前:02〜よっすぃーと石川って…〜 投稿日:2001年08月23日(木)14時28分57秒
 ……………………

 はぁ…

 ……………………

 まぁ…でもまだスキャンダルになってないから大丈夫か…

 って…2人だったら街中一緒に歩いててもスキャンダルになんないね…
 その辺のゴシップ雑誌はまぁ〜ったくあてになんないんだよね。

 異性同士ならキスしてたり、一緒に手を繋いで歩いてたりしたら熱愛になっちゃうけど、
 女同士なら当たり前って言ってもいいくらいの事だから、熱愛にもなんないよね…
 同じメンバーだし。

 まぁ…女同士でもそれだけで熱愛発覚になったら…
 もしモーニングの移動中とか、待ちの間に記者さんを入れちゃったら、
 全員スキャンダル持ちになっちゃうよね♪
 まぁ…あたしだと…なっちと加護にごっつぁんに石川かな…?
 石川って聞くとビックリするかもしんないけど…あたしが色々イジメてるからね…
 って別にあたしとしては石川をイジメてるつもりなんてないんだよ!
 ただただ…イジってるだけで………うっ………だってね…石川ってイジリやすいんだもんっ!!
 こっちが冗談で言う事もホンキでとったってさぁ〜そのリアクションがすんごい面白いんだから♪
 それにみんなだって楽屋とかだと、石川をいじって楽しんでるんだからさ♪
 みんなはそれをテレビであんまり出さないだけ。

 あたしとしてはそれを番組でキャラとして出させたいんだけど…
 どうも上手く行ってないんだよね…
 しかもあたしは自分のキャラをだんだん落としてるし…
 まぁでも最近の石川はテレビでも結構面白くなってるからいいっかなぁ…
9 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月23日(木)18時13分19秒
やぐち!
10 名前:@作者 投稿日:2001年08月23日(木)18時20分12秒
やぐち!…です(w
これからもヨロシクおねがいします〜
11 名前:02〜よっすぃーと石川って…〜 投稿日:2001年08月23日(木)18時25分11秒
 はぁ…

 「なぁ〜に溜息ついてんだよっ♪」
 ん…?

 あたしが鏡台にバックを置くと、すぐそばにいたサブリーダー圭ちゃんが、
 台本片手に声を掛けてきた。
 耳にはイヤホンが入ってるのに、わたしの溜息だけはしっかりキャッチしてる圭ちゃん。
 どう言う訳か圭ちゃんって、こういう《人の溜息的事》…《トラブル?》が大好きなんだよね。
 インターネットなんかでも、かなりネットサーフィン…って言うん?…それをやり込んでて…
 結構《色々と》知ってるみたい。
 あたしにはさぁ〜ぱりなんだけどね。

 そんな圭ちゃんが顔にいやらしい笑みを浮かべてこっちを見てる。

 「べっつに〜
  …乙女心は複雑なんだよッ…」
 「へぇ〜やぐちにも乙女心ってあったんだ〜」
 ムッ…
 なんだよ…今日の圭ちゃんやけにきつめに絡んでくるなぁ…

 「…っ…」
 「「へぇ〜やぐちさんにもあったんですかぁ〜」」
12 名前:02〜よっすぃーと石川って…〜 投稿日:2001年08月23日(木)18時27分00秒
 ………………………

 あたしが何か言おうとしたその瞬間、横から見事にハモった声が飛んできた。
 うっ…きた…いつものコンビだよ…。
 あたしが困ってると…困ってなくってもだけど、何だかんだで絶対絡んでくるんだよね…
 まぁそれはそれで嬉しいけど…

 あたしが顔を向けると、予想通りの辻と加護の2人組みが腕を絡めあって、
 コッチの方をニヤニヤしながら見ていた。
 圭ちゃん同様のいやらしい笑みを浮かべながら。
 こういう時って何かイタズラ考えてる時なんだよね…

 「…っ…」
 「ホラホラ…やぐちはゲームのやりすぎで寝不足でご機嫌斜めなんだよ〜
  ね?こっちきなさい〜」
 おっと…何だか意味わかんないけど、なっちの助け舟♪
 《今日あたしは不機嫌です》ってしっかり顔に出ていたのだろう。
 なっちが辻加護の相手をあたしから貰ってくれた。
 最近こういうなっちのお母さんキャラが結構役に立ったりしてる。
 辻加護が結構言う事を聞いてくれてたりすんだね♪

 「「じゃぁ〜安倍さん一緒にあっそびましょぉ〜」」

 「はいはい
  じゃぁ向こうに行って遊ぼっか♪」
 そう言うとなっちはいつも以上に子供になってる2人を連れて、
 向こうで台本を見ているかおりのそばに行った。
 ホント子供なんだから…でも…それがホントカワイイんだけどね…
13 名前:02〜よっすぃーと石川って…〜 投稿日:2001年08月23日(木)18時30分05秒
 そういえば辻加護は、今日の新メンバーとの初顔合わせはそんなに気にしてないのかな…
 って言っても、いつものようなテンションはないけど…
 よっすぃーや石川は結構ダメージくらってそうだし…

 「あのコらも無理してるんだよ…
  あんたが暗い顔してるからね…
  来た時は真っ青な顔してたんだよ…」
 あたしのココロを見越したように圭ちゃんが言ってきた。
 その言葉に少しビックリするあたし…

 そりゃそうだ…いつもは子供扱いのあのコらが、
 人の気持ちを考えて慰めようとするなんて…(ちょっとひどいかな…)
 いつの間にかあのコらも結構成長してたんだ…

 そんなあたしが3人の方をボーッと見てると、横から視線を感じた。
 そう…圭ちゃんだ。
 ゆっくりと圭ちゃんの方を振り向く。
 その顔にはさっき同様またいやらしい笑みを浮かべている。

 …………………………………
 逃げたほうがよかったかな…
 …………………………………

 「で♪…どうなのよっ!!」

 きた…

 「だからべっつに〜
  なんでもないってば…
  ちょっとゲームやりすぎただけ〜」
 
 もうこれは流すしかない…

 ところが、次の瞬間圭ちゃんはあたしにとって信じられない…超ショッキングな事を言ってきた。
14 名前:02〜よっすぃーと石川って…〜 投稿日:2001年08月23日(木)18時31分49秒
 「ふぅ〜んそうなんだ…
  ………………………
  あっ…そうそう…
  さっき聞いたんだけど…
  この休み、吉澤ってずっ〜と石川んちに泊ってたんだってさっ♪
  ラブラブだねぇ〜♪」
 
 「えっ!?……うそ……」

 思わず顔が真っ青になるあたし。
 全ての不幸を頭からかぶってしまった悲劇のヒロインってカンジの顔になっていたんだろう。
 声まで沈みきった声になっちゃってる。
 だが、そのあたしの声と表情を見た瞬間、得意満面の笑みを浮かべた圭ちゃん。

 へっ?…

 「う♪そ♪」

 うっ…やられた…

 そう言えばそうだった…
 休み前の最後の仕事の後に、石川と今日からは実家に帰るってお互い話してたんだし…
 見事やられた…最悪…
15 名前:02〜よっすぃーと石川って…〜 投稿日:2001年08月23日(木)18時33分19秒
 「やぁ〜ぱりそうなんだっ♪」
 やたら嬉しそうな圭ちゃんの顔を恨めしそうに眺めながら、
 あたしは鏡越しのよっすぃーに視線を移した。
 まだ肩には石川がもたれかかってる。
 そのあたしの視線の先を追い、よっすぃーに当ると、圭ちゃんは急に笑い出した。

 「あははは〜♪
  あたしは思ってたんだよっ!やぐち
  あははは〜♪」

 圭ちゃんの見事引っ掛けたっていう得意げな笑いが楽屋中に響いてる。
 それにちょっとムッとなるあたし。

 みんなおかしそうに見てるじゃん…
 誰か絡んできたらどうすんだよぉ〜
 
 「あたしは裕ちゃんじゃないって思ってたんだよ♪
  やっぱりね〜
  あははは〜♪」

 大丈夫圭ちゃん…?
16 名前:02〜よっすぃーと石川って…〜 投稿日:2001年08月23日(木)18時34分31秒
 「そんなに笑わなくってもいいじゃん…」
 「あははは…?
  ごめんごめん…
  まぁ…でも…
  あんたが色々《よっすぃーカッコイイカワイイ》って言ってんのって、
  マジだったんだね〜
  あたしはてっきり冗談だって思ってたのに…
  ネットは大した事ないね…」

 最後はボソッと言ったけど、あたしは聞き逃さなかった。
 って言っても、ネットのしないあたしは、あんまり意味がわかんなかったんだけどね…

 「まぁ…娘内恋愛もいいんじゃない?
  外に出るよりは喜んでくれるファンの人もいるみたいだしね〜
  あはははは〜
  やっぱりね〜
  あたしは思ってたよ♪」

 圭ちゃんはまた笑いながら、持ってた雑誌に目を落とした。

 あたしにはなんだか妙な敗北感だけが残ってしまった。
17 名前:03〜『旅の扉』〜 投稿日:2001年08月23日(木)18時39分20秒
03〜『旅の扉』〜

 「マネージャーさん遅いね…」
 圭ちゃんの声でフッと気づくと、あたしが来てからもうかれこれ30分はたっていた。
 横の圭ちゃんはちょっと心配そうな顔をしたが、でも…

 「新メンバー迎える時はいつもじゃん…」
 あたしは一蹴。

 「まぁね…」
 「でもさぁ…どんなコが入ってくるんだろ…」
 そう言えば、みんなと会ってからあたしはこの話題はしてない。
 まぁみんなはあたしが来る前に話題にしてたかもしんないけど。
 またまた胸がドキドキし始めた。

 「ふふふ…もしかしたら…
  吉澤よりカッコイイコが入ってきちゃったりして〜」
 「…………………………
  勘弁しよぉ〜もぉ〜」
 「じゃぁ…吉澤の事、嫌いなの?」
 
 …………………………
 
 「もぉ〜」
 「あはははっ…やぐちからかうって面白いねぇ〜あはははっ」
 
 …………………………

 と、あたしが照れてしまった時だった。
 楽屋内に加護の悲鳴に近い声が響いた。
 いつもの笑ったりテンションが上がったりした時とは違った悲鳴が…
18 名前:03〜『旅の扉』〜 投稿日:2001年08月24日(金)13時24分34秒
 「きゃあああああぁぁぁぁぁぁ〜っ!!!!!!
  ののっ!!!!
  いいださんっ!!!!」

 !?

 朝からうるさいなぁ…
 ホント加護って朝からテンション高いよね…

 って…今のは結構切羽詰まってたような…

 ワンテンポ遅れて、慌てて加護たちの方を見るあたしと圭ちゃん。
 (たぶん圭ちゃんもあたしと同じ事考えていたんだろう)

 振り返ったあたしの目に信じられない光景が映った。

 壁に、グワングワンと音をたてて、かおりの胸辺りに直径が50cmくらいの
 《青と白の混じった色の渦》みたいなものが浮かび上がってて、
 その中にかおりが頭を突っ込んで、両足で踏ん張って立っていた。
 そのかおりの腰には、普段では決して見せないような顔をした加護が必死でしがみついていた。
 さらにその後ろでは、なっちが地面に腰を抜かしたようなカンジで座り込んでいた。
 信じられないって言ったカンジで、加護とかおりを見ている。
19 名前:03〜『旅の扉』〜 投稿日:2001年08月24日(金)13時26分19秒
 何…?

 まだはっきりと状況がわかっていないあたし…いや…あたしだけじゃなくって、
 圭ちゃんもよっすぃーもごっつぁんも石川もだろう。
 ごっつぁんに至っては新しい遊びか?ってカンジで見ている。

 でも、次の加護の悲鳴で、みんなに多少なりとも《今は危険な状況だ》って事を知らせた。

 「安倍さんっ!!
  早く…早く…手伝って下さい…」

 必死で加護が言う。
 その声に、なっちはハッとしたように立ち上がり加護の腰にしがみついた。
 それと同時に…

 「ちょ・ちょっとっ!!!
  みんな手伝ってぇ〜〜〜っ!!!!!」

 なっちの悲鳴に真っ先にあたしが飛び出した。
 とにかく、《何か危ない》って頭の中に響き渡った結果の行動だ。
 走っていってそのままなっちの腰にしがみつく。

 「な・何だよっ!!これっ!!」
 「わかんないっ!!!!」

 あたしの《これ》っていうのは《渦》の事だ。
 間近で見ると《それ》は底が見えず、かおりの首から上は全く見えなくなってる。
20 名前:03〜『旅の扉』〜 投稿日:2001年08月24日(金)13時28分42秒
 あたしがなっちを掴んだそのすぐ後、ごっつぁんがあたしの腰にしがみついてきてくれたみたいだ。
 あたしの腰にしっかりとした力強い手がまわって来た。

 よし…ごっつぁんは力あるからね…

 「やぐっつぁんっ!!何っ!?」

 って…まだいまいちわかんないだよね…

 「わかんないんだよっ!!!」

 に、しても…何でかおりは壁に頭をつっこんでんの…?

 あたしがしょうもない事を考えたその瞬間、あたしの手にさっきより強くグイっと力が加わった。
 少し斜めにかおりの方を見ると、さっきまで頭くらいしかはいってなかったのが、
 腰近くまで《渦》に埋もれていた。

 これって…ちょっとやばくない…?

 更にグイグイと強く引っ張られる。
21 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月24日(金)15時49分06秒
ついにってわけですか。
22 名前:03〜『旅の扉』〜 投稿日:2001年08月24日(金)22時25分06秒
 「やぐちさんっ!!!
  何ですかっこれっ!!!」

 後ろからよっすぃーの悲鳴に近い声が聞こえてきた。
 よっすぃーまで引っ張ってくれてるのに、
 それ以上の力であたしたちは壁にグイグイと引っ張られた。

 「無理ですぅ〜」
 石川の悲鳴を聞きながら、覚悟を決めるあたし。
 これマジやばい…

 そう思った瞬間だ。
 今までで一番強い力があたしたちに襲いかかってきた。
 それと同時にその《渦》が一回りも二回りも三回りも大きくなった。
 直径で言うと、軽く2mは超えただろう。
 一気になっちまで《渦》に引っ張り込まれる。
 あたしの手も《渦》にかかった。
 
 そんなあたしたちを引っ張り込もうとしてる《渦》は、
 ちょっと妙な感触をあたしの手に植え付けた。
 丁度お風呂に手をゆっくりと入れようとする、あの妙な感触。
 お風呂との違いと言えば、その《渦》がやたらと冷たかった事だ。

 もうダメ…

 じょじょに《渦》に引きずり込まれるあたしたち。
 いつの間にかあたしもすっぽりとその《渦》の中に入り込んでしまっていた。
 あたしの周りでは、自分自身がどうなってしまうのか想像も出来ない程の、
 《青と白》の空間が周りを覆っていた。
 少しは光があるはずなのに、前で掴んでるはずのなっちの姿が全く見えなくなっている。
 なっちだけでなく、自分自身の手も見えないのだ。
 当然その先にいるはずの、加護とかおりの姿なんてのは全然見えない。

 ただなっちを掴んでいる腰の感触と、
 ごっつぁんにつかまれているであろう腰にある手の感触だけは、
 しっかり残っていたが。
23 名前:03〜『旅の扉』〜 投稿日:2001年08月24日(金)22時27分11秒
 完全に入り込んでもなお、あたしたちはまだまだ《渦》に引きずり込まれていった。
 ここでみんな手を離してはダメだ、って感じたわたしは叫んだが、
 みんなに聞こえたのか聞こえないのか…
 自分で叫んだその言葉も自分自身の耳に届かなかった。

 その代わりに…

 【では…行きますよ…】

 その言葉と共にあたしたちは一気にその渦の中心部らしきトコロに吸い込まれていった。

 途切れる意識…………………………………
 …………ものすごい勢いで引っ張られる
 なっちのカラダ…………………………
 ………ただなっちのカラダだけはし
 っかり感じていた……………ごっ
 ちんのあたしにしがみつく腕の
 感触も感じていた……………
 ……………放さない………
 …なっち……かおり……
 圭ちゃん……ごっつぁ
 ん…加護……辻……
 …石川……………
 ………そして…
 …よっすぃー
 ……………
 …………
 ………
 ……
 …
24 名前:@作者 投稿日:2001年08月24日(金)22時28分54秒
>21:名無し読者さん

 ダラダラきましたが、ついにです(w
 でも、これからもダラダラいくと思いますが、気長にヨロシクお願いします〜
25 名前:JAM 投稿日:2001年08月25日(土)09時08分46秒
遂に物語がスタ〜トしましたネ。
わたしはかなりのドラクエFAN(女なのに・・・)なので死ぬほど期待してます。

そういえばDQWプレステででるらしいですネ。
シリ〜ズでこれだけはやったことなかった(年齢が年齢だから・・・)ので
すごくたのしみです。って関係ないですね。スミマセン・・・
26 名前:@作者 投稿日:2001年08月25日(土)15時28分59秒
>>25:JAMさん

 ありがとうございます♪
 ついに…っていってもそこからまた長い(汗
 自分もドラクエFANなのですが、
 某FFをやってた時に、DQをやりたくなって…(w
 やってるうちにこの話を書いてみたくなりました。

 それに、ちょうど娘。の増員が決定する時期にもあたって、
 どうしても26日までに書き始めたかったんです(w
 (そのせいで文中のところどころに後悔が…)

 っていっても、他の話も書いてるのですが…(w

 Wもちろん買います(w
 今から楽しみっす♪

 おっと…ダラダラと…(w
 ここからとりあえず本編みたいになります。
 色々と娘。以外のゲーム中の登場人物もいますが、
 どれだけイメージを壊さずにかけるか…心配です。
 後作ったキャラも…
 更に…かなり長くなりそうなので、気力も持つか…(w

 これからもヨロシクお願いします〜
27 名前:〜〜〜〜〜〜 投稿日:2001年08月25日(土)15時30分14秒


 第2章〜【アリアハン】−マリ〜

28 名前:01〜【アリアハン大平原】ここはどこ?わたしは誰?〜 投稿日:2001年08月25日(土)15時32分51秒
01〜【アリアハン大平原】ここはどこ?わたしは誰?〜

 チュンチュン
 チュンチュン

 ん…?

 チュンチュン
 チュンチュン

 あれ…?
 何でスズメ…?

 に、しても…やけに眩しい…

 ん〜ん…

 一つ大きな伸びをするが、体の節々が悲鳴をあげた。
 まるでテスト前の一夜漬けの時に、机の上でうつ伏せで眠ってしまった次の朝ってカンジだ。
 どんな例えやねんっ!!ってつっこまれそうだけど…
 まぁとにかくそれほど眠り込んでしまっていたみたい。
29 名前:01〜【アリアハン大平原】ここはどこ?わたしは誰?〜 投稿日:2001年08月25日(土)15時35分44秒
 っつっ!………

 あたしが少し目を開けようとしたら、強烈な光が直接目に入り、思わず唸ってしまった。
 少しずつ目をあけるあたし。
 目をあけたのはいいが、まだよく周りが見えない。
 
 少し体を起こす。
 まだ節々が悲鳴をあげているが、その痛みを何とか押さえ込み、地面に座り込んだ。

 っていうか…地面…草…

 何?これ…

 少し手でいじくると、本物の草だった。10cmくらいの…
 詳しい草の種類とかはまぁ〜たくわかんないんだけどね…へへへ…
 まぁ…大都会に住んでるものにとって、地面が草っていうのはホント新鮮に感じる。
 そりゃ、公園とかに行ったらまだかすかにあるが、ホントにかすかだ。
 普通に生活しているとめったにお目にかかれるものじゃない。
 そんな草の上に今あたしは座っている。

 さっきまで楽屋にいたのに…

 まだよく事情を把握できないあたし。

 少し斜め前の方を見ると、なっちが10cm程度の草原にうつ伏せになって眠っていた。

 「なっち…なっち…」
 あたしはなっちの肩を揺さぶって起こしながらも、もう少し前方を見たら、
 そこには加護もうつ伏せになって眠っていた。
30 名前:01〜【アリアハン大平原】ここはどこ?わたしは誰?〜 投稿日:2001年08月25日(土)15時40分20秒
 「ねぇ…なっち…起きてよ…」
 「ん…何だべ…もっと寝かせてよ…」

 ………………………

 「なぁ〜っち
  お

 ふぅ〜

 「ひゃっ!!」

 ひっひっひっ…

 よぉ〜し…起きた。
 あたしの愛のある起こし方でやっとなっちは目が覚めみたい。
 耳に息を吹きかけてやったんだ♪
 これってなっちには結構有効手段みたいで、耳は弱いみたい
 何だかときどき耳たぶを噛んでやりたくなるんだけどね…へへへ…ちょっと危ないか…

 なっちは起きたようだけど、あたし同様、体の節々が痛いやら、
 まぶしくて目はあけられないやら、ふにゃぁ〜って可愛らしい悲鳴をあげていた。

 あたしはそれに笑みを浮かべながらも、
 とりあえず加護の方に四つんばいになったまま行き、
 加護も起こした。

 こっちも同じく体を起こすのに苦労していたが、加護は結構まともに目が覚めてくれ、
 寝惚けまなこを手で擦りながらもご丁寧に「おはようごらいますぅ」まで付けてくれた。
 あんた辻かいっ!!ってつっこみたくなる自分を必死で押さえるあたし(訳わかんないね)
 
 でも……加護…すっごいカワイイじゃん…
31 名前:01〜【アリアハン大平原】ここはどこ?わたしは誰?〜 投稿日:2001年08月25日(土)15時42分20秒
 そんなぼーっとなってたあたしだったが、なっちに肩を揺すられハッとした。
 なっちの方を見たが、呆然と前方を見ているなっちのその向こうで、
 ごっつぁんが倒れているのが目に入たので、ぼーっとしているなっちをほって、
 とりあえずごっつぁんを起こしてあげる事にした。

 「やぐち…」
 「なに?他のみんなも起こしてやりなよ…」
 「なっちたちだけだよ…」

 えっ…

 ちょっと信じられない言葉だったけど、なっちの声に心なしか震えが入っているのを感じたあたしは、
 ごっつぁんを起こした後、なっちのそばに辺りを見回しながら行った。
 なっちは呆然と前の方を見たまま硬直している。

 どうしたなっち…まるで交信中のかおりみたいだぞ…

 でも、なっちの言葉通り、あたし、なっち、ごっつぁん、加護の4人だけだった。
 他のみんなはどうしたんだろう…いない…
 わたしのココロの中は不安でいっぱいになってきた。

 それでも探そうと思い、あたしがもう少し目線を上げて周りと見ると、
 やっと目がまわりの明るさに慣れてきたのか、結構遠くまで景色が見えるようになってきた。

 でも…でも…でも…その光景はあたしには全然信じられないものだった。
 さっきまでの不安が一遍に吹き飛んでしまうほどの信じられない光景だった。

 「あっ…あ…あ…あ…
  何これれれええええぇぇぇぇぇぇ〜っ!!!!!!」
32 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月25日(土)18時41分37秒
ドラクエ大好きなんで、期待してます〜
33 名前:02〜【アリアハン大平原】訳わかんねぇ〜よっ!!〜 投稿日:2001年08月26日(日)03時35分52秒
02〜【アリアハン大平原】訳わかんねぇ〜よっ!!〜

 そう…それはまるで…中世の世界…?…

 まず目に入ったのは、湖?の中に浮かんでいる天まで届くかという高い塔?
 (こんな言葉あたしは一度も使った事なかったような気がする。
  かろうじて覚えてるとしたら、歴史の授業の時だろう)。
 まず1発殴られたような衝撃。

 続いて、右に視線をやると、超大きな城…それも中世の城?っていうのかな…
 高い城壁に囲まれた中に、更にそれ以上に高い塔が何本も立っていた。
 真ん中にはさっきの塔に負けないくらいの一際大きな塔が立って、
 周りを威嚇するようにその存在を誇示していた。
 そう…まるでヨーロッパにある、中世の洋城ってカンジ?
 その壮麗な城の麓には綺麗な…そして街並みが広がっていた。
 2発目のパンチ。

 もう少し視線を右にすると、まだ呆然としてるなっちが目に入ったが、
 その向こうで、もっと呆然としてる加護がいた。
 口があんぐ空いたようなカンジだね♪
 でも…あたしはそれよりもその向こうの山々の方に目が奪われてしまった。
 その山は日本で見る山と言うのには程遠く、例えるならエレベストみたいに、
 断崖絶壁と言ったカンジの山であった。
 そう…この前の24時間TVで見たような、キリマンジャロってカンジかな…?
 3発目のパンチ。

 もう1つ視線を右にすると、呆然としているごっちんの向こうに、
 深い深い森が大平原のように左右に広がっていた。
 4発目のパンチ。

 そのまま右に視線をずらすと、一周したのかもう一度塔が目に入ってきだ。
34 名前:02〜【アリアハン大平原】訳わかんねぇ〜よっ!!〜 投稿日:2001年08月26日(日)03時37分36秒
 その間、誰も口を聞くことはなかった。

 …………………………
 
 …………………………

 …………………………

 …………………………

 「何…これ…」

 しばらくしてやっと、絞り出すように絞り出すようにして、あたしの声が出た。

 「やぐっつぁん…何…これ…」
 「やぐち…何だべさ…これ…」
 「やぐちさん…何ですか…これ…」

 あたしの声を聞き、改めて自分の存在をしったかのように、
 3人は声がかぶるように聞いてきたが、そんなのあたしが答えを出せるはずがなかった。
 あたしだって聞きたいくらいだし…

 「何があったべさ…?」
35 名前:02〜【アリアハン大平原】訳わかんねぇ〜よっ!!〜 投稿日:2001年08月26日(日)03時39分29秒
 ん…?

 ここであたしは気がつく…

 「あああぁぁぁぁ〜〜っ!!!!
  って言うかさ〜
  加護ぉ!何があったんだよっ!!」
 「そ・そうだよっ!!
  何だかかおりが壁に頭つっこんでたり…」
 ごっつぁんの声もあたしの後ろから聞こえてきた。

 そのふたりの勢いに目を白黒させる加護となっち。
 そういえば、なっちも加護と一緒に遊んでて、何があったのかわかっているのだろう。
 あたしはなっちの方も見た。

 「えぇ〜と…えぇ〜と…
  ののがですね…ののがですね…
  4人でですね…4人でですね…」
 
 ダメだこりゃ…
 
 まだ混乱しているのか、加護の目がさっきからずっと泳いでいた。
 ほんのり涙まで浮かんでいる。

 「かごー
  なっちが説明したげるよ」
 その声にホッとしたように俯く加護。
 その加護を優しい笑みで見つめた後、そのままなっちが説明し始めた。

 なっちの説明によると次のようらしい。
36 名前:02〜【アリアハン大平原】訳わかんねぇ〜よっ!!〜 投稿日:2001年08月26日(日)03時42分08秒
 なっちが辻加護を連れてかおりのトコロに行って、四人で色々と遊んでいた時に、
 ふと辻が壁に小さな《青白い穴》みたいなものを発見したんだって。

 最初《それ》はホント小さく小指くらいの大きさで、四人共気にも止めていなかったんだけど
 (まぁ辻と加護の2人はしきりに気にしていたみたいだけど)、
 《それ》がじょじょに大きくなっていってるのを発見した時に、
 一気に辻と加護の好奇心が出てきて(まぁそりゃ気になるわね…あたしだって気になる)、
 特に辻の方がすぐ近くって事もあり、その好奇心が強くって、
 ついその《穴》を覗き込もうとしたんだって。
 
 そしたら次の瞬間、《それ》が一気に直径50cmくらいに膨れ上がり、
 《渦》になって辻を勢いよく吸い込もうとした。

 一瞬、訳の解らない他の三人は呆然となったが、ハッとしたようにかおりが辻を抱きしめ、
 こっちに引っ張ろうとしたが、引く力が強すぎたのか、かおりも引き込まれそうになったんだ。
 それを見た加護が悲鳴をあげたって言う訳だったらしい。
 そっから後はあたしたちも知ってる通りだね。
37 名前:@作者 投稿日:2001年08月26日(日)03時47分31秒
>>32:てうにち新聞新入社員さん

 レスありがとうございます〜
 自分、てうにち新聞新入社員さんの書かれているモーニングクエストいつも読ませて頂いてます。
 たまにレスも(w
 これから頑張ってくださいね〜

 では…これからもダラダラ行って面白くないと思いますが、
 ヨロシクお願いします〜
 
38 名前:02〜【アリアハン大平原】訳わかんねぇ〜よっ!!〜 投稿日:2001年08月26日(日)17時16分09秒
 後藤と顔を見合わせる。

 「あたしたちって、その《渦》に吸い込まれたって訳?…」
 頷く3人。
 「で…これ?」
 あたしは周りを見回しながら言うと、それにつられるように一緒に見回す3人。

 「で…どこ?」

 「「「…………………………」」」

 ホントここがどこなのか想像もつかない。
 だって、周りは東京とは全く違うところだ。
 アスファルトなんて全くないし、ビルなんてものは当然のごとくない。

 あるのは、塔、城、山、延々と続くように見える草原、深い森…

 「あああぁぁぁぁぁ〜っ!!!!
  わっかりましたぁ〜」
 「ホ、ホントッ!?かごっ!?
  エライよっ!」
 ホメル3人の声の中、加護は嬉しそうにみんなを見回し、一息ついて話し出した。
 「これは…実は…」
39 名前:02〜【アリアハン大平原】訳わかんねぇ〜よっ!!〜 投稿日:2001年08月26日(日)17時17分30秒
 「「「うん……」」」
 「夢なんですよぉ〜♪」

 ………………………

 「だってこんなのある訳ないじゃないですかぁ〜」

 ………………………

 みんなに期待を持たせた代償はでかいよ…かご…
 ごっつぁん…元教育係として後は頼んだ。

 「じゃぁ…かご…おもいっきり引っ叩いて夢から覚ましてあげよっか?」
 不敵な笑みを浮かべつつ加護にジワリジワリとにじり寄るごっつぁん。
 迫力あるぅ〜

 「ひええええ
  ご、ごめんなさいぃ〜」
 再びなっちの胸に顔を埋める加護。
 みんなの顔に一斉に笑みが浮かんだ。
 ちぇっ…こういう仕草はカワイイよなぁ〜

 でも、これでちょっとみんなに中にさっきまでの不安感は消え、
 いつも通りの明るい雰囲気が出てきた。
 これが加護のいいところだね。
 いつでも周りを明るい気持ちにしてくれる。
 まぁたまに行き過ぎる事もあるけどね。
40 名前:02〜【アリアハン大平原】訳わかんねぇ〜よっ!!〜 投稿日:2001年08月26日(日)17時19分20秒
 再び4人に沈黙が訪れた。
 みんなが自分の中で色々の考え込んでいるのだ。
 そう言う時は自然と会話を打ち切り、早くお互いに答えを出そうとする。

 「「「「…………………………」」」」

 と、しばらく続いたその沈黙を破るように、ごっつぁんが聞いてきた。

 「ね…そういえば他のみんなは?」

 そうなんだ…あたしもさっきからずっと聞こうと思っていたんだけど、
 それ以上に混乱していててね…
 でも、これに関しては、少し閃いた事が…

 「あのさ…もしね…もしね…
  あの《渦》に吸い込まれて、ここに来たとしたらね…」

 まだよく信じられないあたしは、今回の事をあの《渦》に吸い込まれた結果起こった事だと、
 もう一度確認しようとした。
 (あと当然、今あたしたちがいる《ここ》が《本物》である事が前提となるが…夢でないって事だ)
 じーっとあたしの話に聞き耳をたててる3人が、ゆっくりと相槌をうった。
 それを確認したあたしはもう一度続けた。
41 名前:02〜【アリアハン大平原】訳わかんねぇ〜よっ!!〜 投稿日:2001年08月26日(日)17時21分38秒
 「まず…最初に《渦》に入ったのが…辻…
  その次が…かおり…
  で、そこから順番に…加護…なっち…やぐち…ごっつぁん…
  が後からつかまっていったでしょ…
  あっ…ごっつぁんの後ろって誰がつかまってた?」
 「えっと…よすぃこかな…?」
 わたしは頷いて、続けた。
 「じゃぁ…よっすぃー…
  この後はたぶん…石川…圭ちゃん…
  ってカンジでつかまったと思う。
  じゃぁ…わかるよね…?」
 
 あたしのその問いに、加護とごっつぁんはハッと気づき、そのままゆっくりと頷く。
 ただ、なっちだけは気づいた様子はなく、相変わらず不思議そうな顔をしている。

 「どういう意味だべさ?」
 あたしは1つ息を大きく吐き、加護の方を見た。
 「かごさぁ…あんたかおりから手ぇ放したでしょ?」
 あたしの質問に固まる加護。
 次の瞬間急に涙が溢れ出てきのか、肩が揺れ始めた。
 
 「ご、ゴメンなさぃ〜…
  だ、だって…だって…ひっ…ぐす…
  急に…ひっく…いいださんが…ひっく…飛び出すんだもん…」

 ちょ・ちょっと…
 慌てるあたし。
 別に責めてる訳じゃないのに…もしかしたら責任感じてるのかな…
 もうちょっと優しく言った方がよかったかも…
42 名前:02〜【アリアハン大平原】訳わかんねぇ〜よっ!!〜 投稿日:2001年08月26日(日)17時24分37秒
 「ほらほら…やぐちがきつく言うから…
  かご?大丈夫だよぉ〜
  そうだよね…急に引っ張られたら手はなしちゃうもんね…
  はいヨシヨシ…」
 なっちが加護の頭を胸に抱き寄せ、あやすように優しく加護の耳元で言った。
 それに対して、「安倍さぁ〜ん」って言って、胸に顔を埋める加護。
 
 しかし、次の瞬間、なっちの胸の下、ニヤと笑うのをあたしは見逃さなかった。
 前言撤回。

 はぁ…でも…なんであたしってこんなに悪者になるのよ…

 「よすぃこの手も途中で離れちゃったと思う…」
 ごっつぁんがあたしをフォローするように話を元に戻してくれた。
 ちょっとごっつぁんに感謝。
 それに対して、何とかわかったと言ったカンジでなっちが頷く。

 「じゃぁ…この世界がもし《本物》だとしたら、
  かおりと辻…
  よっすぃーと梨華ちゃんと圭ちゃんで…
  で、なっちたちではぐれちゃったって訳…?」
 なっちがヨシヨシと加護を胸に抱きしめながら、こっちを向いてきた。
 加護は相変わらず涙目でこっちを見ている。女優になるよ加護…

 まぁ…どっちにしてもなっちもなんとか理解してくれたみたい。

 って言ってもね…あたし自身ホント信じられないんだけど…
 第一、こんな《世界》ってのが一番信じられない。
 もしかしたらドッキリで、どっかに大掛かりなセットでも組んでるんじゃないかってカンジだよ…
 いや…そっちの方がいいかもしんないけど…
43 名前:02〜【アリアハン大平原】訳わかんねぇ〜よっ!!〜 投稿日:2001年08月26日(日)17時27分15秒
 「ドッキリとか?」
 ごっつぁんのボソッと言った事に対して両手をパンと叩くあたし

 「そう!やぐちも丁度考えてたんだよっ♪ごっつぁんエライッ!!」
 「にしては…おおがかりでないかい…?」
 「そうですよ…それに本物ですよ…この草とか土は…」
 なっちと加護の言葉に何も言えないあたし。
 そうだよね…どう考えても全部が本物に見えて仕方ないんだよね…
 あの城しかり、あの塔しかり、あの山しかり、この地面しかり…
 ホントリアリティーありすぎってカンジだよ。
 
 はぁ…

 「まぁ…どっちにしても…とりあえずみんな探すっしょ?」
 「そだね…それに…後藤たちが入った《渦》も…」
 
 なっちとごっつぁんの言葉に誰も文句はなし。
 
 あたしたちの目標はまず、他のメンバーを探し、
 ここに来た時に通った《渦》を探す事。
 それで決定した。

 とりあえず、カラダも元に戻ってきた事だし、
 あたしたちはすぐ近くに見える城の下に見える町に向かう事にした。
 もしかしたらあの街?にメンバーがいるかもしれないっていう、
 安易な考えを元に…

 まだこの時は、これから先とてつもなく長い旅になるって事を誰も想像していなかった。
 いや想像できなかったと言った方が正しいのだろう。
44 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月27日(月)16時02分50秒
>>37
読んでくれてんですね〜
ドラクエになぞらせるのは、前作で懲りたので(w
今回は呪文の名前だけです。
貴方も頑張ってください
45 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月28日(火)07時12分30秒
この四人のパーティかあ。どうなることやら・・・
しかしこんな状況でもののかおはほのぼのしてんだろうなあ(w
46 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月28日(火)16時56分41秒
面白いですね。期待してます。
47 名前:〜ちから〜安倍なつみ〜 投稿日:2001年08月29日(水)01時42分18秒
〜〜〜〜〜〜

『能力』
 《名前》   安倍なつみ
 《レベル》   01
 《最大HP》 013
 《最大MP》 008
 《攻撃力》    3
 《守備力》    6
 《力》      3
 《素早さ》    7
 《身の守り》   5
 《賢さ》     6
 《かっこよさ》245(255)(カッコの中は装備品によるアップ時)

『装備品』
 《武器》 −
 《鎧》  ジーンズ&Tシャツ
 《盾》  −
 《兜》  −
 《装飾品》ピアス

『職業』
 《職業》   モーニング娘。
 《職業レベル》Lv.8〜国民的スーパーアイドル

『職歴』
  Lv.1の時 【モーニング娘。】に転向
  Lv.1の時 【モーニング娘。マスター】となる

『魔法』
 《攻撃系呪文》  −
 《回復系呪文》  −
 《戦闘補助系呪文》−
 《移動補助系呪文》−

『特技』
 《攻撃系特技》  −
 《回復系特技》  −
 《戦闘補助系特技》
  【さざなみの歌】(辻加護相手の時のみ)
  【ゆりかごの歌】(辻加護相手の時のみ)
  【ひつじかぞえ歌】(辻加護相手の時のみ)
 《移動補助系特技》
  【ねる】(いつでも寝れる)
48 名前:〜ちから〜加護亜依〜 投稿日:2001年08月29日(水)01時46分05秒
〜〜〜〜〜〜

『能力』
 《名前》   加護亜依
 《レベル》   01
 《最大HP》 014
 《最大MP》 009
 《攻撃力》    4
 《守備力》    6
 《力》      4
 《素早さ》   14
 《身の守り》   5
 《賢さ》     7
 《かっこよさ》233(242)

『装備品』
 《武器》 ―
 《鎧》  ジーンズ&Tシャツ
 《盾》  ―
 《兜》  ―
 《装飾品》―

『職業』
 《職業》   モーニング娘。
 《職業レベル》Lv.5〜トップアイドル

『職歴』
  Lv.1の時 【モーニング娘。】に転向
  
『魔法』
 《攻撃系呪文》  ―
 《回復系呪文》  ―
 《戦闘補助系呪文》―
 《移動補助系呪文》―
 
『特技』
 《攻撃系特技》  ―
 《回復系特技》  ―
 《戦闘補助系特技》
  【ぼけ】(辻と一緒の時&メンバー内のみ)
  【いっぱつギャグ】(メンバー内のみ)
  【ステテコダンス】(辻と一緒の時&メンバー内のみ)
  【コミックソング】(辻と一緒の時&メンバー内のみ)
  【ぱふぱふ】(メンバー内のみ)
  【誘う踊り】(辻相手の時のみ)
 《移動補助系特技》
  【ねる】(いつでも寝れる)
  【しのびあし】(辻と一緒の時で、なおかつイタズラ中のみ)
49 名前:〜ちから〜後藤真希〜 投稿日:2001年08月29日(水)01時48分50秒
〜〜〜〜〜〜

『能力』
 《名前》   後藤真希
 《レベル》   01
 《最大HP》 017
 《最大MP》 005
 《攻撃力》   10
 《守備力》    8
 《力》     10
 《素早さ》    2
 《身の守り》   7
 《賢さ》     3
 《かっこよさ》244(255)

『装備品』
 《武器》 ―
 《鎧》  ローライズジーンズ&チビT&ベルト
 《盾》  ―
 《兜》  ―
 《装飾品》ピアス&サングラス

『職業』
 《職業》   モーニング娘。
 《職業レベル》Lv.8〜国民的スーパーアイドル

『職歴』
  Lv.1の時 【モーニング娘。】に転向
  Lv.1の時 【モーニング娘。マスター】になる

『魔法』
 《攻撃系呪文》  ―
 《回復系呪文》  ―
 《戦闘補助系呪文》―
 《移動補助系呪文》―

『特技』
 《攻撃系特技》―
 《回復系特技》―
 《戦闘補助系特技》
  【ぱふぱふ】(メンバー内のみ)
 《移動補助系特技》
  【ねる】(いつでも寝れる)
50 名前:〜ちから〜矢口真里〜 投稿日:2001年08月29日(水)01時49分55秒
〜〜〜〜〜〜

『能力』
 《名前》   矢口真里
 《レベル》   01
 《最大HP》 015
 《最大MP》 016
 《攻撃力》    6
 《守備力》    8
 《力》      6
 《素早さ》   11
 《身の守り》   7
 《賢さ》    14
 《かっこよさ》236(255)

『装備品』
 《武器》 ―
 《鎧》  ミニスカート&チビT
 《盾》  ―
 《兜》  ―
 《装飾品》ピアス&シルバーリング&ペンダント&サングラス

『職業』
 《職業》   モーニング娘。
 《職業レベル》Lv.7〜国民的アイドル

『職歴』
  Lv.1の時 【モーニング娘。】に転向

『魔法』
 《攻撃系呪文》  ―
 《補助系呪文》  ―
 《戦闘補助系呪文》―
 《移動補助系呪文》―

『特技』
 《攻撃系特技》  ―
 《回復系特技》  ―
 《戦闘補助系特技》
  【ぼけ】(メンバー内のみ)
  【つっこみ】(メンバー内のみ)
  【いっぱつギャグ】(メンバー内のみ)
 《移動補助系特技》―
  【ねる】(いつでも寝れる)
51 名前:〜補足〜 投稿日:2001年08月29日(水)01時59分42秒
『職業』

 【モーニング娘。】
  Lv.1〜最終オーディション
  Lv.2〜モーニング娘。デビュー
  Lv.3〜新メンバー
  Lv.4〜オリコン1位
  Lv.5〜トップアイドル     
  Lv.6〜スーパーアイドル    
  Lv.7〜国民的アイドル     
  Lv.8〜国民的スーパーアイドル 
52 名前:03〜【袋】四次元ポケット!?〜 投稿日:2001年08月29日(水)02時03分12秒
03〜【袋】四次元ポケット!?〜

 「あっ…ちょ、ちょっと待ってくださいぃ〜何かおってますよぉ〜」

 あたしたちが立ち上がって城に向かおうとした瞬間、加護の素っ頓狂な声が上がった。
 丁度、加護が影になってて、あたしたちはさっきまで気がつかなかったが、
 加護の向こう側に手提げバックくらいの大きさの袋が落ちていた。
 加護自身もずっとあたしたちの方を向いてて気がつかなかったみたいだけど…

 「ねぇ…やぐちさん…何でしょ…これ…
  こんなとこに落ちてるっていったら、加護たちの荷物かもしれませんよぉ〜」
 
 加護がブラブラと袋の口を持ちながら揺らす。
 
 その袋は、布で、何のおしゃれもなく、ホント自分は袋だけです!って言ってるような、
 シンプル意外何者でもないってカンジのモノだった。
 思わず出てしまったあたしの言葉…
 
 「うぅ〜わっ!趣味わるっ!」
 あたしの言葉に苦笑いを浮かべながら、なっちが加護から袋を受け取った。

 「そうだね…こんなとこにこんな袋が落ちてるわけないから、
  なっちたちのかもしれないね…
  かごエライよっ♪」
 
 しかり加護を褒めたなっちは袋を開けようと、口に手をやった。

 落し物いきなりあけていいのかなぁ…
 あたしのその質問はこの《世界》では愚問だったんだけどね…
 まぁそれは後になってから気がついたんだけど…
53 名前:03〜【袋】四次元ポケット!?〜 投稿日:2001年08月29日(水)02時05分57秒
 「あっ…何か入って……んん!?…」

 何かを言おうとしたなっちだが、袋に手を入れようとした瞬間、何を疑問に思ったのか、
 上から口を覗き込んでいた袋を急に目の前に持ってきて、横から見ようとした。
 丁度袋の高さを確認するように…

 「どうしたなっち…」

 ごっつぁんに加護も、何があったのかわからないと言った顔でなっちを眺めているが、
 そのなっちは袋を横からと上からと交互に眺めては、ウンウン言って不思議そうにしている。

 「どうしたのですか?安倍さん…」
 「ん…何だかね…この袋上から見るとすっごい深い袋なんだけど…
  横から見ると…なんだよね…」

 言いながら、なっちはあたしたちに袋を横から見せた。
 その後、袋の口を広げて、またあたしたちに見せた。
 すると、その底はやたら深く真っ黒で、普通に見ても底が見えないくらいだった。
 でも、横から見ると高さ40cmくらいのごく普通の袋であった…不思議…

 「ああああぁぁぁぁ!?」

 袋に手を入れたなっちが急に叫んだ。
 なんだか今日はみんな叫んでばっかだなぁ…あたしの妙な感心をよそに、
 なっちはゆっくりと《それ》を出した。

 「これって…やぐちのバック…」
54 名前:03〜【袋】四次元ポケット!?〜 投稿日:2001年08月29日(水)02時08分18秒
 「「「………………………」」」

 そう…そこには確かにあたしの《今日持ってきたバック》があった。
 全員の顔が?(ハテナ)でいっぱいになる。

 でしょ?って言ってなっちがあたしに渡してきた。
 確かにその外観はそうだ。

 ゆっくりと中をのぞく…するとそれは間違いなくあたしのものだった。
 あたしの携帯やら、ポーチやら、手帳やら…

 携帯っ!!!

 そうだ携帯っ!!
 電話すればいいじゃんっ!!

 「携帯で電話したらいいじゃんっ!!」
 あたしは急に出てきたアイデアに、思いっきり得意げになってしまい、思わず叫んでしまった。
 「あっ!そうじゃんっ!やぐっつぁんさえてるぅ〜」
 「あぁ〜そうですねぇ〜」
 「やぐちやるじゃん♪」
 ごっつぁん、かご、なっちのお褒めの言葉を聞きながらも、
 携帯を手にしたあたし…携帯の画面を見る…

 あっちゃぁ〜

 【圏外】

 はぁ〜

 終ぅ〜了ぉ〜ってカンジ…

 「圏外だ…」

 「「「はぁ〜」」」
 落胆の溜息があたりに響いた。

 わるぅ〜ございましたね
55 名前:03〜【袋】四次元ポケット!?〜 投稿日:2001年08月29日(水)02時11分35秒
 気を取り直し、なっちはまた袋に手を入れ始めた。
 すると…

 「今度はごっつぁん…」
 そう…今度のそれはごっつぁんのバックだった。
 ごっつぁんもバックの中を覗き、わたしのだ…って放心したように囁いた。

 「次…かごの…」
 「かごのです…」
 もうここまできたら、バックと見ただけで《それ》は加護のだってわかるだろう。
 これだけメンバーのバックが出てきたら当然わかるであろう。

 「次…なっちの…
  で…シャンプー…」

 「「「はぁ!?」」」
 まぁ…なっちのバックはいいっ!
 それは許そ…

 でも…でも…次のシャンプーってなんやねんっ!!
 明らかにおかしいやろっ!!

 あっ…なっちのボケ…?
 ってそんな訳ないか…

 「リンス…コンディショナー…ボディーソープ…洗顔…タオル…歯ブラシ…
  歯磨き粉…パジャマ…下着…服…日焼け止め…寝袋…サバイバルグッズ…etc…」

 「「「…………………………」」」
 あたしたちの前には、あたしたちが普段使っている生活用品プラス、
 普段使った事のないような用品がどんどん置かれていった。
 当然、あたしたちに言葉はなかった…
56 名前:@作者 投稿日:2001年08月29日(水)02時25分56秒
上の【ちから】は補足みたいなカンジで、これからもちょくちょく大事?な場面で、
本文中に出てくる事があるかもしれません(w
後、もちろん【職業】【モー娘。】は自分で作りました。(w
これからは、ほとんどはZになぞるか、Vになぞっていきます。
まだ決めかねてますが…
あっ…もう一つだけ、オリジナルの【職業】がストーリー上出てきますがご了承ください。
ちょっと大事なものになりそうなので…

>>44:てうにち新聞新入社員さん

 ありがとうございます♪
 自分はどこまでもつのやら…(w
 しっかり頑張ります(w

>>45:名無し読者さん

 この4人です(w
 どのように分けるか、結構悩んだのですが…ただ…これから…おっと(内容自粛)…
 ののかおはやっぱりすっごいほのぼのしてます(w
 いや…むしろぼけぼけしてるかな…
 (書きたいのですが、設定上ちょっと書けないかも…?)
 これからもヨロシクお願いします〜

>>46:名無し読者さん

 ありがとうございます〜
 ちょっと…かなりながながとしてしまってますが、ヨロシクお願いします〜
57 名前:03〜【袋】四次元ポケット!?〜 投稿日:2001年08月29日(水)15時34分19秒
 「あっ…今度はなんだろ…」
 そう言ってなっちが取り出したのは…
 丸い木にトッテがついたシンプルなもの…
 【おなべのフタ】?が2つ。

 「わけわかんないべ…」

 それに続いて出てきたのは、布で出来たシンプルな服…
 【布の服】?が4つ。

 「これも趣味わるっ」
 思わず出てしまったあたしの悪い口…いけない…

 ひのきで出来たような60cmの棒で、
 手で握れると思われるトコロに布が少し巻かれたもの…
 【ひのきの棒】?が2つ。

 「「「「…………………」」」」

 歴史の教科書で見た、中世の剣…10円玉と同じ銅で出来てるような気がする…もの…
 【銅の剣】?が2つ。

 「よっすぃーがいたら『かっけぇ〜』かな…」
 ごっつぁんの言葉に妙に納得してしまった他の3人。
58 名前:03〜【袋】四次元ポケット!?〜 投稿日:2001年08月29日(水)15時36分48秒
 果物ナイフ的な、青銅で出来たもの…
 【ブロンズナイフ】?が2つ。

 「これで果物むけるんでしょか…?」
 加護が刃のトコロを指でつんつんしながらジーッと見ている。

 ちょ・ちょっと危ないよ…

 「こらっ!加護っ!!危ないよっ!」
 ごっつぁんの言葉にシュンとなる加護。
 ちょっとカワイイじゃん…

 1mくらいの竹の先を尖らせたようなもの…
 【竹のやり】が2つ。

 「かっけぇ〜…くない…」

 ぶっ!

 きゃははははは〜
 どうしたんだよ今日のごっつぁん…ちょっと冴えてるじゃん…きゃはははは…

 なっちは笑いながらも、袋に手を入れた。

 何かの板に皮を巻かれて作られた、盾みたいなもの…
 【皮の盾】が1つ。

 「鍋?」
 あたしはボケたつもりなかったのに、
 「こりゃいかにも違うっしょ」ってなっちにつっこまれてしまった…
 しまった…あたしはツッコミのはずなのに…

 ってそんな場合じゃないや…
59 名前:03〜【袋】四次元ポケット!?〜 投稿日:2001年08月29日(水)15時39分53秒
 同じく皮で出来た帽子…
 【皮の帽子】が2つ。

 「これも超趣味悪くない?」
 「やぐちさっきから趣味悪い悪いばっかじゃん
  作った人に失礼だよ」
 あたしの言葉に、あたしが全ての言葉を言い終わらない内に、なっちが笑いながら言ってきた。
 さっきからズッと言いたかった言葉なんだろう…間髪入れずにだ。
 ちょっと反省…

 そういえばさっきからあたしはそればっかりだ…同じ事ばっかりじゃいけないね…
 じゃぁ今度はどうボケよう…ってだからあたしはボケじゃないってばっ!

 葉っぱの上に木の実やらが乗せられたもの…
 【やくそう】が5つ。

 「何だろこれ…」
 これは全く想像がつかない…葉っぱだけど…
 木の実がいっぱい乗ってて食べ物ってカンジじゃないし…
 「「「………………」」」
 あたしの言葉に誰も返せない。
 それほど変なもの…

 細かくした葉っぱをいれた袋…【毒消し草】が3つ。

 「「「「………?………」」」」

 最後に袋の中に金色のコインみたいなものが…30枚?

 「「「「………?………」」」」
 「あっ!…これ…お金でしょうか…」
 おっ…加護冴えてるかも…?
 模様で囲まれたそのコインの真ん中に『10』と数字で打っていた。
 「うぅ〜ん…ぽいよね…」
 ごっつぁんもそう思ったみたいだけど、なっちはまだ考えこんでるみたい。
 ジーッとコインを一枚とって見ている。
60 名前:03〜【袋】四次元ポケット!?〜 投稿日:2001年08月30日(木)01時41分38秒
 にしても…全く訳のわからないものばっかりだ…
 第一…どうしてこの袋にこんなに沢山の《モノ》入っていたのかもわからない。

 「まるで四次元ポケットみたいですね…」
 おっ…懐かしのドラえもんかぁ〜確かにこれだけ入ってたら四次元ポケットみたいだね…
 「でも…なんでもって訳じゃないみたい…」
 なっちが袋を裏返してバタバタ振って見せた。
 もうこれ以上何も出てこないって言いたいんだろう。
 これ以上って言っても、これだけ入ってたら十分のような気が…

 でも…ホント判らないや…

 「「「「…………………………」」」」

 何だかみんな考えこんでしまった。
 確かに妙なものばっかりで、答えが全く出てこないし…

 でも、このままだとずっとここにいそうだったから、とりあえずあたしは切り出した。
 あたしはジッとしてるくらいなら、動く方がいいって方だからね…

 「とりあえず、あたしたちのバックが入ってたんだから、あたしたちのでしょ?
  じゃぁとりあえず持っていこうよ…何だかこの袋便利そうだし〜
  後、この妙な《モノ》はあの街の人にでも聞いたら判るかもしれないしね…」
 「そうだね…なっちも賛成〜」
 「後藤も〜」
 「加護も〜早くみんなに会いたいですし〜」
 加護の言葉に力強く頷く3人。

 そう…まずみんなに会わなきゃ…
61 名前:04〜【アリアハン城】メンバーって…〜 投稿日:2001年08月30日(木)01時44分16秒
04〜【アリアハン城】メンバーって…〜

 「すっごぉ〜い…」

 あたしたちの目の前には、さっきは遠くから見た城が、
 そのとてつもない大きさを誇示するように、天にそそり立っていた。
 あの距離でもかなりの大きさで見えていたが、近くに来れば来るほど、
 その大きさがよくわかった。

 数多くある塔の天辺には旗がはためいていたが、その大きさのせいもあり、
 ここからでは何が描かれているのか、全く見えなかった。

 また、その下の街並みも、城に負けないくらいの大きさを誇っていた。
 街の周りには、城と同様のレンガで高い城壁を形成し、街を守るように存在している。

 「…ホンモノだぁ…」
 「ホントだ…
  ひゃぁ〜ぁ〜なっちこんなお城見たの初めてだべぇ〜
  ひゃぁ〜」
 
 さっきからみんな呆然と、前に立っている城を眺めていた。
 ごっつぁんに至っては、あんぐりと口を開けたまま呆然と見上げている。
 何かホリ込んでやろっかなぁ〜って思わせるくらい可愛い口♪
62 名前:04〜【アリアハン城】メンバーって…〜 投稿日:2001年08月30日(木)01時47分59秒
 「やぐちさぁ〜ん…」
 「何?かご」
 あたしが歩き出そうとした時、加護があたしを引きとめた。
 「かごたち、そのまま入っていいんでしょうかぁ?」
 「なんで…?」
 「だって…だって…」
 ここで加護の言いたい事に気がついた。
 
 普段あたしたちは東京の街を歩く時、ばれないように歩く、その事を言ってるのだ。
 
 「大丈夫っしょ!もし声掛けられたらここが日本だって事で一安心だべ?」

 ……………………

 なっちがビックリする事を言った。
 そう言えばそうだ…まだここは日本だとは限らない。
 もしかしたら海外かもしれないのだ。
 あたしは日本だと信じきっていたが、なっちの言った言葉に急に不安が浮かんできた。

 「大丈夫だよっ♪やぐっつぁん
  来れたんだから、帰れるよ♪」 
 そんな不安のあたしを目ざとく発見したごっつぁんが、フォローしてくれた。
 ちょっとありがたくなるなるあたし。

 よかったぁ…メンバーがいて…
 もしあたしが1人でこんなトコロにでも来てしまったら、
 あたしは絶対に変になっちゃうだろうなぁ…
 そのまま呆然と草原の真ん中で座って…そのまま…

 ぶるぶるぶる
 お〜コワ…

 よかった…

 「ごっつぁん…」
 「何…?」
 「ありがと…」
 「えへへへっ…」
63 名前:05〜【アリアハン城下町】怖っ!〜 投稿日:2001年08月31日(金)12時50分37秒
05〜【アリアハン城下町】怖っ!〜

 「あっ…あれじゃないですかぁ?」
 加護の声であたしたちは加護の指差した方を見た。
 すると、丁度門みたいなものがあり、人が出入りしているのが見えた。
 そう…出入り口に100%間違いない。

 やっと見つけた…
 疲れたよ…そういえば最初にあたしたちがいたところから、かれこれ1時間近く歩いてきた。
 今日はアツゾコだから余計に疲れる。

 はぁ…

 あたしたちは街を守ってるレンガ壁のすぐ下に来たはいいものの、
 余りにもの大きさに出入り口が見つからなかったんだ。
 しかたなく、グルッと左回りをして探す事にして、それで何とかしてやっと見つけられたって訳。
 まぁ一周したら普通は絶対見つかるものだけどね…

 「そうだね、あれだ♪ヨシ、かごっ!よくやった!」
 「へへへ…」
 ごっつぁんにヨシヨシと頭を撫でられ、嬉しそうに黒目がちの目を細めるテレた加護。
 最近多い女のコキャラ加護炸裂ってカンジでカワイイッス♪
 
 「しっかし…ホント大きいぃ〜」
 
 あたしの隣では、あたしと腕を組んでるなっちが感心したように城壁を見上げる。
 あたしたちもつられて、なっちに続き城壁を見上げた。
 何メートルあるのだろう。
 って言うより…どうしてこんなに高い城壁を作らなきゃいけないんだろうって…
 まるで戦争の時代のように…
64 名前:05〜【アリアハン城下町】怖っ!〜 投稿日:2001年08月31日(金)12時53分55秒
 その門も、近づけば近づく程、その余りにもの巨大な大きさを、
 はっきりと認識させられてしまうものだった。
 思わずビックリしてしまったあたし。
 いやあたしたちか…

 しかし、次の瞬間あたしたちはもっとビックリする《もの》…《ひと》に出会ってしまった。
 見上げつつ近づいていた門を、フト見下ろすと、そこにはなにやら甲冑と言うのだろうか…
 西洋の鎧と言うのだろうか…シルバーとゴールドで見事に装飾された、鎧と鉄仮面をかぶり、
 左手には同じく装飾された盾、右手には約2mはあろうかというヤリを持ち、
 完全武装した兵士(?)みたいな人が、
 (それを着ていたら、兵士って言わずに何て言えばいいんだ?ってカンジ)
 門番みたいに両サイドに1人づつ立っていた。
 はっきり言って映画の中でしか見たことがないってカンジだ。

 思わず立ち止まるあたしたち。
 そりゃそうだ…こんな人が立っていたら絶対に立ち止まるってば…あたしたちの選択は正しい…

 第一、あの《渦》を通って初めて見た人間が《これ》だったら誰だってビビルよ。

 「人?」
 「たぶんそうっしょ…」
 「怖いです…後藤さん…」
 「大丈夫だから…」
 後藤は加護の手を握っていた方の手に少し力が入る。
 あたしも組んでいたなっちの腕にぎゅぅ〜と力を入れた。
65 名前:05〜【アリアハン城下町】怖っ!〜 投稿日:2001年08月31日(金)12時55分00秒
 「人だから大丈夫…」
 あたしは意を決して歩きだした。
 どうせ人だし…あんなカッコしてても、あたしたちを襲うとは到底思えない。

 と、あたしがなっちの腕を引っ張って歩き出した時に、急に何かが頭の中に閃いてきた。
 喉まで出掛かっていたモノが、丁度喉で止まってしまっているといった、
 もどかしさを感じながら。

 そう…その《モノ》の答えは出てこない…

 ただ…どこかで見たような気が…
 見た?…いや…見てはないと思うけど…

 何かわかりそう…

 何だっけ…これって…
66 名前:05〜【アリアハン城下町】怖っ!〜 投稿日:2001年08月31日(金)12時57分02秒
〜〜〜〜〜〜

 あたしたちはおそるおそるその門を通り抜けようとした。
 なるべく両サイドに立っている兵士?には目を合わせないように…
 何だかあたしたち…自分たちは超怪しいですよって言ってるカンジがするけど…

 「「「「…………………」」」」

 なるべく普通に…普通に…普通に…
 まっすぐ前を見て…

 ………………………
 あたしたちは一気に駆け抜けた。
 
 おぉ〜何も言われなかった…

 「「「「ははぁぁぁ〜」」」」

 あたしたちは門通り過ぎ、すぐ右に折れてしばらく行った後、大きな溜息を吐き立ち止まった。
 そのまま地面にへたり込む。

 「怖っ!
  何あの人ら…」
 あたしは思わず後ろを振り返りながら呟いてしまった。
 「なっちどうなるかと思ったよ」
 「ホント怖いです〜
  でも…何であんなカッコなんでしょうかぁ…」
 
 相槌を打つなっちと加護だが、その後ろではごっつぁんが、
 周りを見回しながらボソッと一言低く囁いた。
 
 「あの人たちだけじゃないよ…」
 
67 名前:05〜【アリアハン城下町】怖っ!〜 投稿日:2001年08月31日(金)13時00分23秒
 ごっつぁんの言葉にあたしたちも周りを見回した。
 少し大通りから外れた芝生に座ってるあたしたちからは、目の前に大きな建物と、
 その後ろの巨大な高い城壁を構えた洋城が見えるが、
 その下を通る人のカッコは明らかにあたしたちの時代の人とは違う。
 どちらかと言えば、映画の中でしか見た事のない、中世の人がするようなカッコをしていた。
 
 ただ、それ以上にあたしたちの目を疑ったものといえば、そこを歩いてる男性だ。
 それは、誰を見ても腰に剣を下げていたのだ。
 そして鎧みたいなものををつけてる人もいれば、簡単な動きやすそうな服装に剣を持ってる人とかがいる。
 どの人も剣みたいなものだけは必ず持っていた。
 たまに歩く女性も動きやすい中世的な服装に短剣といった服装になっていた。

 「よく後藤たち止められなかったね…」
 後藤の言葉に静かに頷く3人。

 確かにそうだ。
 明らかにあたしたちの服装は、ここを歩いている人たちとは違い、派手さを備えている。
 
 なっちと加護はシンプルだがジーンズとTシャツ。
 第一ジーンズなんてものがあるのかってカンジだ。
 あたしはミニに派手なチビTに高いアツゾコ。
 言うまでもなくおかしい。
 ごっつぁんに至ってはチビTにローライズジーンズだ…派手にヘソだしになっている。

 「ちょっと着替えたいね…
  このまま歩いてると人の視線が痛そうだね…」
 なっちの嘆きが入った声に、反対するメンバーはいなかった。
 いなかったが、さっきからずっと歩きっぱなしだった事もあり、誰も動こうとはしなかったのだが…
 いや、動けなかったといった方が正しいだろう。
 しばらく、周りの景色を不思議そうに眺め続ける4人。
68 名前:05〜【アリアハン城下町】怖っ!〜 投稿日:2001年08月31日(金)13時12分42秒
 あたしたちが座り込んでるトコロは、門から入った右にある芝に座っているんだけど、
 そのまま門の方を見ると、目の前にちょっと大きめの二階建ての建物が見えた。
 それは、普通にあたしたちが東京で見ると、
 家3.4軒分はあろうではないかと言えるほどの大きさである。
 形も常に建て替えられてるのではないか、と思われるほど綺麗な外観を誇っていた。
 しかし、その綺麗な外見よりも、あたしたちの目を奪ったものがそこにはあった。
 
 そう…その建物には、入り口の上に、金縁で囲まれた看板2つがあり、
 それが《日本語》で書かれていたんだ。

 えっ!?…日本語っ!?

 おいおい…って事は…
 訳わかんないや…
 ここにある建物とかをみてるとどう見ても日本には見えないし…
 でも、歩いてる人は結構日本人に近いものを感じる。

 「日本語じゃん…」
 おぉ…今日のごっつぁん結構よく観察してるね〜
 いつもだとぼーっとしているごっつぁんが、珍しく今日は冴えてるみたいだ。
 ごっつぁんは一端冴えると頼もしい事限りなしってカンジ♪
 「ホントですね…」
 「じゃぁ…日本…かな…」
 「それよりさ…何か書いてるよ…見える?」
 なっちの質問を流し(自分ではそんなつもりなかったんだけど)、
 あたしは目を細めてその文字を見たが、ちょっと離れすぎてて見えそうになかった。
 最近はゲームのやりすぎでちょっと目もヤバくなっちゃってるのだろう。
 そんなあたしの質問には加護が返してくれた。
 
 「【ルイーダの店】と【ゴールド銀行】って書かれてますよぉ」

 「「「………!!!…………」」」
 加護の言葉に、なっちにごっつぁんにあたしは目を点にさせて、加護の方をみた。
 「「「…………………………」」」

 「「「はぁ!?」」」
69 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年08月31日(金)15時12分40秒
お〜
旅立ちのときか…
70 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月31日(金)15時42分45秒
頼りになる後藤・・・新鮮だあ〜☆
でもなにげに、後藤って何があっても落ち着いてる感じするから、実際に
こういうことあったら頼りいなるのかも!?

さて、どんな展開を迎えるのか・・・楽しみです
71 名前:05〜【アリアハン城下町】怖っ!〜 投稿日:2001年09月02日(日)23時25分04秒
 しばらく呆然とした後、3人の声が綺麗にハモって響く。

 って…それどころじゃないや…
 そうだ…今の言葉で3人とも気がついたみたいだ。
 【ルイーダの店】と【ゴールド銀行】って言葉…これは…

 「どうかしたんですかぁ?」

 加護の質問が聞こえたけど、今はその質問に答えられなかった。
 もちろん…自信がなかったからに他ならない。
 自信がないけど…でも…それは…
 ごっつぁんとなっちも同じ事から《答え》が出てきたってトコから、
 その自分の《答え》に妙な自信を持たせつつあった。

 ただ、なっちはゲームボーイでやってたはずだから知っててもおかしくないけど、
 ごっつぁんが知ってるってトコはちょっとビックリした。

 「どっかで聞いたよね…?」
 あたしの質問にゆっくりと頷くごっつぁんとなっち。
 加護は目をパチクリとさせたまま、さっきから順番にあたしたちの顔を見ている。
 
72 名前:05〜【アリアハン城下町】怖っ!〜 投稿日:2001年09月02日(日)23時26分18秒
 「ねえ…ごっちんも知ってるの?」
 頷いた後、なっちはごっつぁんの方を向き、ゆっくりと聞いた。
 「うん…ユウキがね…やってたから…ちょっとやらせてもらったんだ…」
 やっぱり…
 これで3人が3人とも同じ考えを頭に持った。
 これは結構信憑性があるかもしんない…

 そう…【ルイーダの店】…【ゴールド銀行】…これはたぶん…

 でも…でも…はっきり言って現実的には全く信憑性はないっ!!
 もし、あたしたちが現実に今ここにいなかったら絶対に信じられない話だろう。

 「でも…これだったら…さっきの袋の中身も納得できるかもね…」
 ここであたしは、さっきの袋の中身でちょっと気がついた事を言った。
 さっきは全く意味がわかっていなかったけど、少しでも《この答え》を頭にいれたら、
 ちょっとは理解できそう。

 ……………………
 ……………………
 ……………………

 長い沈黙が訪れた。
 少し答えの《ヒント》らしきモノが見え、みんな考え込んでしまったのだ。
73 名前:05〜【アリアハン城下町】怖っ!〜 投稿日:2001年09月02日(日)23時27分48秒
 「とりあえずさ…ここはどこですか?って誰かに聞かない?」

 何分かたった沈黙の後、あたしはその沈黙を破るように切り出した。
 いつまでもここに座っていても仕方がないし、なによりきちんと確認でもした方がいいと思う。
 
 確認…もちろん『ドラゴンクエストの世界ですか?』なんて事は死んでも聞けない。
 その為にも【ルイーダの店】と【ゴールド銀行】以外の《用語》を発見したい。
 それを発見する事によって、より《この世界》の事について、
 あたしたちの考えてる事を確認できるだろう。
 
 「そうだね…早く確認した方がいいかも…
  でも…誰にしよ…」
 
 なっちは大通りを歩いている怖そうな人たちを眺めながら相槌を打った。
 
 「加護は無理ですよぉ〜」
 「まぁ…加護は仕方ないね…」
 加護の涙声にごっつぁんが苦笑いを浮かべながら返した。
 みんなに笑みが浮かぶ。
74 名前:05〜【アリアハン城下町】怖っ!〜 投稿日:2001年09月02日(日)23時29分27秒
 と、ごっつぁんと加護を見ていたそんなあたしの視線のすみに、
 小学生くらいの女のコがバスケット片手に、芝の上で花摘みをしているのが目に入ってきた。

 おっ…丁度いいかもしんない…
 さっきから目の前を通ってる剣をさげた男性なんかは、とてもじゃないが聞く気にならない。
 同年代の女のコを探してもめったに歩いてこないし…
 丁度よかったかも…

 「ねぇ…あそこに女のコがいるよ…」
 あたしの声で振りかえる3人。
 「ホントだ…あのコだったら聞けそうだね…」
 「あのコだったら、加護も話せそうです〜♪」
 「えへへへ…後藤もいけそう…」
 
 なっちの声で、あたしたちは立ち上がり、あの女のコの方に歩き出した。

 これがあたしたちの運命の出会いだった。
75 名前:@作者 投稿日:2001年09月02日(日)23時39分13秒
>>69:てうにち新聞新入社員さん

 スミマセン…
 まだまだ旅立ちの時ではなさそうです…(汗
 これからもヨロシクお願いします〜

>>70:名無しさん

 ありがとうございます♪
 そうですね
 普段のごっちんはちょっとぼけっとしてますが(w
 ここのごっちんは前に書いた【ちから】の通り、結構活躍が期待できそうです(?)
 でも…それ以上に活躍するのが…

 これからもヨロシクお願いします〜
76 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月03日(月)01時00分36秒
75レスでまだこの段階となると、かなりの長編になりそうですね。
期待してます。
77 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月03日(月)19時11分11秒
06〜【マリ】カッワイイィ♪〜

 あたしたちが近づくと、その女のコがスッと俯いていた顔を上げた。
 不思議そうにこっちを見ている。

 近づくにつれそのコの顔立ちがわかってきた。
 あたしの第一印象…よっすぃーを幼くしたカンジで超カワイイ
 っていってもよっすぃーには似てないんだけどね…へへへ…

 年で言ったら、加護と同じくらい…小学生と中学生の間ってカンジかな。
 いや…加護や辻は小学生…中学生より、更に幼く見えるから、
 加護と同じくらいって言葉は意味ないように感じるね。

 そんな女のコの髪形は、あたしやなっちに近くて、ちょっとブラウンの入ったショートで、
 目元はぱっちり、顔立ちは幼く、超可愛らしい。
 辻と加護の可愛らしいさと、よっすぃーの少年っぽさを足して3で割ったようなカンジだ。
 ちょっとわかりにくいと思うけど…
78 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月03日(月)19時12分49秒
 背の高さはあたしより少し高くて、なっちより少し小さいくらいかな。
 服装はさっきあたしたちの目の前を通っていた大人の中世的な武装衣装とは違って、
 いくらかあたしたちに近い服装を感じることが出来るものだった。

 質は当然のごとく布と思えるけど、デザイン的にはあたしたち的だ。
 ショートパンツチックなものを穿き、タンクトップ的なシャツを着て、
 その女のコの雰囲気にあっていかにも動きやすそうな出で立ち。

 そこから出ている手足はスラっとキレイな筋肉が付いていて、
 同じく運動神経はいいだろうと感じる事ができるものだった。

 ホントカワイイかも
79 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月03日(月)19時14分38秒
 「こんにちは♪」
 なっちが代表みたいなカンジでニッコリして挨拶をした。
 なっちの笑顔って不思議と見ず知らずの他人に親近感を与えるんだ。
 人を包み込むってカンジかな…?

 ん?

 どう言う訳か、そんななっちの笑顔にちょっとテレたのか、
 そのコは顔を赤くして少し頷いてしまった。

 かっわいいなぁ〜

 俯いてしまった女のコに笑顔を向け、なっちは続けた。
 「お花摘んでるの?」
 「ううん…【薬草】だよ…お母さんに言われて…」
 思っていたより、少し高い女のコらしい声が聞こえてきた。
 ただしゃべり方は少年っぽさが入ったものだったけどけどね。
 あたしはちょっとよっすぃーの声を頭に入れちゃってたから、少し違和感を感じてしまった。
80 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月03日(月)19時20分10秒
 そのコはスッと顔をあげ、片手に持っていたバスケットの中を見せる。
 その中には、この地面に所々に生えてる草が入っていた。

 それを見てあたしはハッとした。
 そう…それはさっき【袋】の中に入っていたものと全く同じものだった。
 これに木の実を付け加えて、それが【薬草】になるんだね。

 あたしが自分の中で妙な感心をしつつも、もう一度バスケットから女のコの顔に視線を戻した。
 そんな女のコの顔にはまだ赤みがかかっていた。
 そう言えば名前なんていうんだろ…

 「お名前なんていうのかなぁ〜」
 「えっと……」
 自分の名前だろっ!ってつっこみたくなるのを押さえ、そのコの答えを待った。
 「マリ」
 「「「「…!!!………」」」」
 そのコの言葉でちょっとビックリしたあたし。
 加護やごっつぁんやなっちまでビックリしたような顔になった。
 そんなあたしたちの顔を不思議そうに眺める女のコ…マリちゃん。
 同じ名前だなんて…何だか不思議な気分だなぁ…
 まぁ…結構『まり』って名前は多いんだけどね…
81 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月03日(月)19時23分38秒
 一瞬固まった後、あたしはいつもの高い笑い声を飛ばしていた。
 
 「きゃはははは…ホントォ〜?
  お姉さんもね…きゃはは…『まり』って言うんだよ…ヨロシクね♪」
 思わず出てきたいつもの高笑い。
 そんなあたしの高い笑い声にココロを開いてくれたのか、
 さっきまでのぎこちない笑みとは違った笑みを浮かべて、あたしの顔を見てくれた。
 この高い笑い声はあたしの武器だね…どんなコとでも結構早く仲良くなれるんだ。

 「なっちは…なつみ…ヨロシクね♪マリちゃん♪」
 なっちが手を差し出した。
 その手を見て、マリちゃんは握手しようとしたが、ハッとしたようにして、
 右手を自分のショートパンツにゴシゴシとこすりつけ、
 十分拭いた後になっちの手を取った。
 さっきまで【薬草】を取っていたから、手が汚れているのだろうね。

 「ヨロシク…」
 また顔を赤くしてマリちゃんはなっちの手を握った。
 「真希だよ〜ヨロシクね〜」
 「ウチは亜依♪ヨロシクね♪マリちゃん♪」
82 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月03日(月)19時25分58秒
 ごっつぁん、加護も続けて自己紹介をした。
 その加護の手を嬉しそうに取るマリちゃん。
 あたしやなっちやごっつぁんは少し同年代に見えないだろうが、
 加護は外見だけだと十分同年代に見える。
 やっぱり同年代だと嬉しいのだろう。

 って…ホントはいくつだろう…

 「マリちゃんはいくつなの?」
 丁度あたしが思った事をごっつぁんも思ったのだろう、あたしの変わりのように聞いてくれた。
 そんなごっつぁんの視線はマリちゃんの全身を見ている。
 「12歳だよ♪」
 ごっつぁんの視線にテレたのか、ちょっと上ずった声が聞こえてきた。
 そのマリちゃんの答えはちょうどあたしたちが思ってた通りだった。
 《それ》に、やっぱりねぇ〜って顔をするみんな。
 
 加護も年が近いってはっきり解ったからか、さっきよりも嬉しそうにマリちゃんを見ている。
 そのマリちゃんももう大分ココロを開いてくれたのだろう…
 その声は出会った頃とは比べ物にならないくらい明るさを含んでいた。
83 名前:@作者 投稿日:2001年09月03日(月)19時33分59秒
>>76:名無し読者さん

 ありがとうございます〜
 結構1レスに詰め込んで頑張ってるのですが(w
 また最近512文字以内が復活してすっごいやりにくく…(w

 この調子で512文字制限が続くと、アリアハン旅立ちに200超えるかも…
 ホント長くなるかもしれないですけど、気力の続く限り頑張ります(w
 ヨロシクお願いします〜
84 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月04日(火)18時58分29秒
〜〜〜〜〜〜

 「はぁぁぁ〜」
 「どう…やぐっつぁん…」

 あたしの大きな溜息に、ごっつぁんが視線を前に向けたまま聞いてきた。
 そのごっつぁんの視線の先には、マリちゃんと加護となっちが楽しそうに遊んでいた。
 ときどき高い笑い声が聞こえてくる。

 マリちゃんの顔は楽しそうに笑みを浮かべ、ますます可愛らしさを際立たせていた。
 そのマリちゃんの顔を見ていると、どうしてもよっすぃーの顔を浮かべてしまう。
 なんでだろ…それほど似てるとは言えないけど…
 そりゃ、さっきよっすぃーが入ってるって言ったけど、それでも加護や辻も入ってるからね…

 わかんないや…

 はぁ…

 ちょっとマリちゃんの顔を眩しそうに眺めるあたし。

 ふぅ…よっすぃーたち大丈夫かなぁ…
85 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月04日(火)18時59分44秒
 「やぐっつぁん?」

 あっ…そだそだ…

 「やっぱりそうだよ…あってる…
  【ルイーダの店】と【ゴールド銀行】ってあるよ…
  それに…街並みの建物の配置もなんとなく似てるしね…
  さっきマリちゃん《ここ》を【アリアハン】って言ってたよね…
  それも…あってる。」

 あたしの手にはゲームボーイが握られていた。
 そう…ゲームボーイ版【ドラゴンクエストV】をあたしはしていたのだ。
 丁度なっちが持っていたゲームボーイソフトの中にこれが入っていたって訳。
 なんともタイミングのいい事。
 なっちと加護とマリちゃんが遊ぼうと、立ち上がって向こうに行きかけた時、
 ふとなっちが何かを思い出したように引き返してきて、
 『バックの中にゲームボーイがあって、ドラクエもあるから』って言葉を残して、
 そのまま走って行ったのだ。

 『もっと早く言えよっ!』って思わずツッコミたくなったのは言うまでもないッス。
86 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月04日(火)19時01分14秒
 「どうしよ…」

 ゆっくりとごっつぁんが顔をこっちに向け、すっごい不安を抱えた声で聞いてきた。

 「……………………」

 どうしよって言われても…

 「後藤たち…帰れるの…?」

 痛い質問だ…あたしはその質問にどう答えたらいいのか、全く思い浮かばなかった。
 ごっつぁんの声も少し揺れていた。
 その不安そうな声にあたしまで不安感が増してくる。

 でも…でも…一言だけ言える…

 「帰らなきゃ…みんなで帰らなきゃね…」

 これだけは言える…

 「………うん………」
 そう弱く頷くと、ごっつぁんは急にあたしに抱きついてきた。
 あたしの小さな胸に、ごっつぁんの大きな体が埋まる。
 気がつくとごっつぁんから嗚咽が漏れていた。

 「ひっ…ひっく…ゴメン…ね…やぐっつぁん…ぐっ…もうちょっといさせて…」
87 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月04日(火)19時05分58秒
 ずっと不安だったんだろう。
 帰れるのか帰れないのか…わからない《世界》。
 その姿はいつものごっつぁんからは信じられなかった。
 いつもいつもマイペースに、ぼけぇ〜っとしてて、
 何を考えてるのかわかんないカンジがする最近のごっつぁん。
 それでもプロ意識はだいぶんしっかりしてて、何でもそつなくきちんとこなしていた。
 今あたしの腕の中にいる女のコは日本一人気のある15歳の女のコだ。
 そんなごっつぁんがこんなことで泣くんだ…ちょっとあたしには信じられなかった。
 あたしには、完璧だと思っていたごっつぁんの泣いてる姿を見て、
 ちょっと安心をしたって感じる一方、絶対に守ってやろうって気持ちも溢れ出てきていた。

 「ありがとね…」
 しばらく泣いた後、ごっつぁんは落ち着いたのか、ゆっくりとあたしから離れた。
 目は真っ赤になりつつ、まだ涙が浮かんでいた。
 ちょっと心配そうに見るあたしと、真っ赤な目が合う。
 そんなごっつぁんはちょっとテレたように、視線を逸らし、1つ伸びをした。
88 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月04日(火)19時07分36秒
 「ははぁぁ〜ぁ、今日は疲れちゃったっ!」
 そう言うと、ごっつぁんはバタンと地面に仰向けに倒れこんだ。
 いかにもテレ隠しのように…

 「そうだね…」

 ごっつぁんの可愛らしい行動に、ちょっとジュンときたあたしも寝転がった。
 空には雲ひとつない青空が広がっていた。

 これが【ドラゴンクエストV】の【世界】なんだって事は、普通に見たら絶対判らないだろう。
 でも、これがそうなんだ…
 この【世界】の下は、ゲームの中だと平気で命のやりとりが行われているんだ。
 いつ死んでしまうのか判らないこの【世界】。
 ホントにそうなの…?
 あたしはこれからこの世界に足を踏み入れようとしているんだ。
 いやもう踏み入れたんだ。
 たぶん簡単には出れないと思うこの【世界】。
89 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月04日(火)19時09分34秒
 もし、偶然入り込んだだけならば、あたしたちが出るには、もう一度あの《渦》を通ればいい。
 たぶんそれだけでいいだろう。

 でも…偶然でなく、必然で…呼ばれて(?)この世界に入ってきたのなら…
 (だって、そうでも考えないと、あたしたちがこんなゲームの世界に入ってるって考えられないし…)
 …あたしたちが出るには、たぶん【バラモス】?かな…いや…【ゾーマ】か…
 (たぶんそんな名前だったと思う)…それを倒したらいいんじゃないかって思う。
 
 ゲームのやりすぎって…「千と千尋の神隠し」見過ぎ〜って言われそうだけどね…
 でも…そうしたら出れる…いや…元に戻れる…と思う…

 でも…

 でも…

 そんなの………

 …………無理だよ………

 ホントはどうなの…?
90 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月05日(水)07時53分42秒
〜〜〜〜〜〜

 もうこの《世界》に入ってきてからすでに何時間たったのだろう。
 携帯の時計が指す時刻とは違って、太陽はだいぶん下がっていた。
 あたしたちはお昼も何も食べていない。
 しかし不思議と空腹感はなかったのだけどね。
 空腹感は、色々と次から次に生まれてくる疑問の前に消えていったって事だろう。
 
 携帯だとまだ2時をまわった所なのに、太陽がだいぶん低い位置にきていた…
 低い位置って言っても、温度から言うと、冬ではない…たぶん夏だろう。
 
 って事は…あたしが来る前の世界とこっちの【世界】の時間はちょっとずれてるって事だね。
 マリちゃんもあたしたちと出会ってから何も食べてないのに、家にお昼を食べに帰ろうとしない。
 それはもう食べた後って事をいってるんだろう。

 じゃぁ…この世界の方の時間はあたしたちのトコの時間より早いって事になる。
 たぶん直感的にはもう4時半くらいと思う。
 いっつもスタジオやテレビ局にいるあたしには自信がないけど…

 少し携帯の時計をいじるあたし。

 あっ…そうだ…さっきの事ごっつぁんに話しとくか…
91 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月05日(水)07時55分44秒
 あたしが起き上がり、ごっつぁんの方を見ると、あいかわらず空を眺めていた。

 「?」

 顔だけで、?(ハテナ)を出し、あたしに聞いてくる。

 あたしは、そのごっつぁんの顔を見て話しだした。
 それは、さっきあたしが考えていた、この【世界】からの2つの脱出の方法…いやパターンをだ。

 「やぐちね…考えたんだけどね…
  もし、この【世界】に偶然入り込んだのなら…
  出るのには、もう一度あの《渦》を通り抜けなきゃいけないと思う。
  それだけでいいと思うんだ。
  でも…反対なら…
  たぶん…ゲームの中でいう【バラモス】だっけ?…それと【ゾーマ】だっけ?…
  その2人(モンスターも人って数えるの?)を倒さなきゃならないと思う。
  そのどっちかだと思う…
  あたし的には、偶然で…あの《渦》を探すだけでいいって思いたいけど…
  まぁ…悪い方を考えてたら、実際そっちの時のショックは減るっしょ…」
 
 ごっつぁんは静かに相槌を打ちながら聞いていた。
 あたしはそのまま続けた。
92 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月05日(水)07時58分44秒
 「で、とりあえずね…やらなきゃいけない事考えたんだ…」
 「なになに?」
 
 何だか、久しぶりにごっつぁんの声を聞いたような錯覚を覚えた。
 その感覚を自分の中に押し込みながらあたしは続けた。

 「偶然でも必然でもどっちにしても一番最初にやる事は、みんなを探す事だね。
  これが一番大事♪」
 「そうだね…でも…」
 
 ごっつぁんは頷いたが心配そうな顔を覗かせた。
 そう…あたしにはわかる…ごっつぁんの心配している事が…

 「そう…ドラクエみたいな《世界》に出ないといけないと思う…もちろん危険だね…
  ゲーム通りだと、モンスターが出るから…でも…でもね…」

 あたしの真剣な顔に、ごっつぁんもの顔もじょじょに引き締まったものになってきた。
 おっ…最近じゃ珍しいかも…?

 「出るしかないっ!っでしょ?」
 
93 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月05日(水)08時00分05秒
 おっ!?
 ぴょんと起き上がり、ごっつぁんの少し元気な声が跳ね返ってきた。
 さっきまでの元気のないごっつぁんからは考えられなかったけど…
 そんなごっつぁんが少し明るそうに言ってくれた事に、ちょっと救われた感もあった。
 もしかしたらイヤだイヤだって駄々でもこねられるかも?って予感があったからね…
 へへへ…よかったぁ…
 それに、ごっつぁんの少し明るくなった声で、あたしも気分が楽になってきたしねー

 「そっ!!」
 
 あたしの声に、ごっつぁんが力強く頷き口を開いた。
 
 「あはっ、わかった♪
  とりあえず、今やる事をやらなきゃってカンジだね♪」
 「そっ!言う事ぉ〜
  詳しい事は、後でみんなで相談しよっ!
  腹くくれよぉ〜!!」
 「はいさっ♪」
 
 だいぶん元に戻ったごっつぁんに一安心し、あたしはもう一度寝転がった。

 「そっかぁ〜…する事、沢山あるねぇ〜…ひええぇ…」

 ごっつぁんもそう言い、もう一度寝転ぶ。
94 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月05日(水)08時01分05秒
 そして横になって、あたしの方を向き、ジーッと見てきた。

 「…ん?…な、何?ごっつぁん…オイラ、テレるってば…」

 テレて真っ赤になるあたしをよそに、ごっつぁんはクールな顔をして、
 恥ずかしい事をサラッと言ってのけた。

 「やぐっつぁんすごいね…
  超カッコイイよ♪
  後藤惚れるじゃん♪」

 ぷしゅ〜

 頭でお湯が沸けそう…

 「…なぁ〜んてね♪」

 ぶっ!

 あたしとごっつぁんは吹出し、一緒に顔を見合わせておもいっきり笑った。

 いつもの楽屋で、モーニングとしてみんなと一緒にいる時のように…
95 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月05日(水)21時34分11秒
このやぐごまコンビののんびりさがたまんないですね。
96 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月05日(水)22時12分06秒
〜〜〜〜〜〜

 「あっ…やぐっつぁん戻ってきたよ…」
 ごっつぁんの言葉に、あたしは慌ててゲームボーイをなっちのバックに入れ、【袋】にしまった。
 なっちのバックを【袋】に入れ終わったと同時に、三人があたしたちの倒れこむように座り込んだ。
 真っ先になっちの泣き声が飛んできた。
 
 「やぐちぃ〜疲れたよぉ〜」
 
 そんななっちダラダラの声にみんなに笑みが浮かぶ。
 その隣ではマリちゃんが笑みを浮かべながら、なっちの横顔をジッーッと見ていたが、
 気にせず話を振った。
 
 「はいはい…ホントなっちは体力ないねぇ〜
  マリちゃん、なっちとかごしっかり遊んでくれた?」
 
 「うんっ!!ホント楽しかったっ♪
  でも…マリさん…何でアイちゃんの事『カゴ』なの?」
 
 「「「「……………………」」」」

 固まる4人…

 誰かっ!フォローッ!
 誰かっ!!フォローッってば!!
97 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月05日(水)22時14分43秒
 「マリちゃん、『加護』ってのは〜あだ名…ニックネームなんやぁ〜」
 
 あたしの必死で訴える顔に、珍しくも加護がいち早く反応してくれた。
 
 「ニックネーム?」
 「うん♪
  ウチはアイなんだけど、『加護』とか呼ばれとうしぃ〜
  やぐぅ………マリさんは『矢口』さんとかで呼ばれとうよぉ〜
  んで……真希ちゃんは『後藤』さん、なっちさんは『安倍』さんとかなんよぉ〜
  みんなあだ名なんやでぇ〜」
 「そうなんやぁ〜」
 
 何で関西弁やねんっ!!ってとりあえずつっこんで…と…
 まぁそれほど仲良くなったって事が、何だか自分の事のように嬉しくなったあたしだった。

 「じゃぁ…んと…んと…
  なっちはなっちでいいや…
  アイちゃんもアイちゃんでいいし…
  マキちゃんもマキちゃんでいいし…
  マリちゃんは…何だかややこしそうだから…ぐっちゃんってどうかな…?」

 へ?

 へへ…へへ…へへ…何だかおもいっきり汗が…
 なっちと加護とごっつぁんはおもいっきり笑い転げている。
 それを不思議そうに眺めるマリちゃん。
98 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月05日(水)22時16分22秒
 「それはちょっと可哀想っしょ…あははは〜」
 「マリちゃんおもろいなぁ…ははは〜」
 「やぐっつぁん可哀想〜はははっ〜」
 
 …………………

 かおりの匂いを感じた…
 結構天然なのかも…

 「えぇ〜そんなに変かなぁ〜?
  んと…じゃぁ…シンプルにやぐちゃんかな?」
 「うんうん…そっちの方が響き的に大丈夫…ぷっぷっ…」

 ちょっとまだ笑いが入っているが、ごっつぁんのおかげで、
 なんとか『ぐっちゃん』とは呼ばれずにすんだみたい。
 
 やれやれってカンジかな?

 「やぐちゃんがいいよ♪
  結構近くて慣れてるってカンジだねぇ〜」
 「あっ…うん♪」
 マリちゃんの嬉しそうな頷いた。
 その顔、しぐさ、声には純粋以外何も感じ取れなかった。
 《それ》にすこし眩しくなるあたし。
 まともに見れなかったよ…
99 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月05日(水)22時18分06秒
 「ところでさぁ…やぐちゃん?」
 「フフフ…なぁ〜に?」
 「へへ…やぐちゃんとマキちゃんの服って変わってるよね…どこの服なの?」
 
 その質問は不意打ちのようなものだった。
 その言葉に固まる4人。

 もうちょっと早く着替えとけばって後悔しても、もう今更ってカンジだけど。
 
 うぅっうぅっ…誰かいい答え思いつかないのかなぁ…

 と、その時だった、

 「マリちゃんも着てみる?」
 それはごっつぁんの気を利かせた発案だった。
 その言葉に顔をぱぁっと輝かせるマリちゃん。
 
 「いいの!?」
 「うん♪やぐっつぁんもね?」
 ごっつぁんのいきなりの振りに、ちょっと焦るが、
 その辺はさすがあたしだね…へへへ…にっこりと…
 「いいよ♪」
 「じゃぁ…じゃぁ…わたしのウチに行こっ!」
 マリちゃんの嬉しそうな声に、なっちの声が重なった。
 「いいの?」
 「うぅ〜ん…じゃぁ…お母さんに聞いてくるっ♪」
 そう言い残すとマリちゃんは、今いる場所から城に向かって右の通りを、
 城とは反対の方に走って行った。
 とても嬉しそうに…
100 名前:@作者 投稿日:2001年09月05日(水)22時21分37秒
>>95:名無し読者さん
 
 ありがとうございます〜
 そう言って頂けると嬉しいです♪
 当分の間、ごまやぐが中心っぽく?(w
 まだまだ面白くないと思いますがこれからもヨロシクお願いします〜
 
 
101 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月05日(水)22時37分06秒
とても面白いです。
でも一つ心配なことが・・・
ちゃんと最後まで書いてくださいね・・・
かなり長くなるような気がするので・・・
102 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月06日(木)00時36分07秒
>>101
同意!!そして旅立った・・・オチはかんべん。
103 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月06日(木)09時47分03秒
 のんびりと見ていたあたしだが、ハッと思い出した事があった。
 そう…それは重大な事…さっきごっつぁんと話し合っていた事を、
 なっちと加護に話さなきゃって事だ。
 
 こう言う事はマリちゃんがいない時…自分たちだけの時の方が何かと都合がいい。
 そう思ったあたしは、さっきの事をもう一度繰り返した。

 そんなあたしの言葉にじっと聞き入ってるなっちと加護。
 時折ごっつぁんも相槌を入れつつ、あたしの話に付け加えとかをしてくれた。

 あたしは語り終えるとなっちと加護の顔を見た。
 あたしの視線にゆっくりと口を開くなっち。

 「やぐち色々考えてるんだね…すごいよ…見直した…うんうん…」
 なっちの言葉に少し顔を赤くするあたし。
 そのままあたしは加護の方を見たら、その加護は肩を震わせていた。
 さっきのごっつぁんと同じだ。

 やっぱり…ある程度予想はしていたのだが、
 やっぱり…
104 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月06日(木)09時49分41秒
 「かご?」
 
 なっちがゆっくりと加護を抱きしめる。
 やっぱり加護もきついんだね…
 ごっつぁんでもきついんだもん…
 加護なら余計に…

 「かごぉ…その…ゲームした事…ひっく…なくてわかんないですけど…
  ひっく…そんなのぉ…ぐす…自信…ひっ…ないですぅ…」
 
 加護の途切れ途切れの声が聞こえてくる。
 少し胸が痛くなる。
 たぶんゲームもした事ないから、余計に不安感が強いんのだろう。
 あたしだって辛いからよく解るよ…
 何を言っていいのかすぐにはあたしの頭の中に出てこなかった。

 辛いけど…辛いけど…けど…

 すっとその時、ごっつぁんが自分自身に語るように、静かに、それでも力強く話し始めた。
 
 「でもね…かご…後藤たちはやらなきゃいけないんだよ…
  ここでじっとしてても、ずっとここにいるだけなんだから…
  モーニングみたいに走り続けないといけないよ…
  立ち止ったら負けだよ…
  辻ちゃんだってね…たぶん頑張って走ると思うよ…」
105 名前:06〜【マリ】カッワイイィ♪〜 投稿日:2001年09月06日(木)09時51分28秒
 あたしが言おうと思っていた事を、ごっつぁんが変わりのように言ってくれた。
 しかもあたし以上にいい話で…
 あたしが視線を向けると、いつもの大人びた様子のごっつぁんがそこにはいた。
 
 「そう言う事だっ!かごっ!
  どっちにしても、みんなを探さなきゃいけないし…
  あたしたちが《しなくちゃいけない》事はそのときどきで考えようよ♪
  今は、みんなを探しに行くって事。
  さっき、ごっつぁんにも言ったけど、腹くくれよっ!」
 「えへへへ…」
 「なっちも頑張る…ゲームのように出来るかわからないけど…
  とにかくみんなに会いたいしね♪
  かごぉ?ガンバレッ!!」
 「…ひっく…ひゃい…」

 「よし…」
 あたしたちは円になり、手を真ん中で重ねた。
 いつものヤツだ…

 「ガンバってぇ〜いきまっ…」
 「「「「しょいっ!!」」」」

 −−−−

 「やぐちさん…かご…あんまり知らないけど…ぐす…
  精一杯頑張ります…
  みんなを見つけるため…」

 涙を浮かべつつもゆっくりと頷く加護の向こうで太陽がきれいな黄金色に変わりつつあった。
106 名前:@作者 投稿日:2001年09月06日(木)09時57分21秒
>>101:名無しさん

 ありがとうございます〜
 そうですね(w
 自分でも最後まで書き上げたいと思います♪
 でも…ホント長くなりそう…
 気力もつかな…

>>102:名無しさん

 ありがとうございます〜
 (w
 そういうオチもありましたね(w
 ちょっと笑ってしまった(w
 でも、《あり》なオチですね(w

 ホント長々となりますが、飽きずにヨロシクお願いします〜
107 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月07日(金)00時07分24秒
>>106
いやいや、そのオチはなしでしょ(w
108 名前:@作者 投稿日:2001年09月07日(金)07時44分02秒
>>107:名無し読者さん

 そうですね(w
 一応ラスト近辺はきちんと決めてますんで、最後まで書きたい予定です(w
 それまでヨロシクお願いします〜
109 名前:07〜【マリの家】今日の宿屋っす♪〜 投稿日:2001年09月07日(金)07時48分46秒
07〜【マリの家】今日の宿屋っす♪〜

 「いらしゃい♪」
 若い声と共に開いた扉の向こうには、髪の毛を後ろに1つでくくり、
 少し地味なカッコだが、その美しさは十分の残した女性が出てきた。
 もちろんマリちゃんのお母さんだろう。

 年はマリちゃんの年齢から考えると、35くらいだと思うけど、全然そうは見えず、
 まだまだ裕ちゃんと同じくらいの年齢に見えた。
 自分が同じくらいの年齢になったら、こうありたいってカンジかな?
 
 少し緊張を浮かべた顔のあたしたちは、それぞれ「おじゃまします」と言った後、
 家に入れてもらった。
 入ってその広さに少しビックリしてしまった。
 普段都会に住んでいるあたし、当然のごとくまだ豪邸といったものに住んだ事はない。
 その家は豪邸って言っていいくらいの広さと大きさを感じる事が出来た。

 まず入ってすぐに台所とリビング(この世界でもこう言うんだろか…)
 が合わせて約40畳くらいかな。
 (ごめんなさい…部屋が小さいから畳単位くらいしか数えた事ないです)
110 名前:07〜【マリの家】今日の宿屋っす♪〜 投稿日:2001年09月07日(金)07時50分50秒
 「うわぁ〜広いねんなぁ〜」
 「へへへ…そんな事ないよ…」
 
 加護のビックリしたような声に、少しテレたように俯くマリちゃん。
 
 「ただやたら広いだけなのよ〜」
 
 お母さんもすこしテレたような笑みを浮かべ、あたしたちをそのまま案内した。

 すぐ右にドアがあって、それが開いて見えたが、寝室のようなカンジだった。
 外からの家の大きさを備えて、残りの広さを想像すると、
 そぉ〜とぉ〜の広さを残しているように思えるんだよね。
 
 そのままあたしたちは、少し奥に行き、右に折れたところにある階段から二階へと進んだ。
 二階に行き、すぐ手前の部屋がマリちゃんの部屋らしく、そこのドアを開け、
 「どうぞ」とあたしたちは通された。
 (ちなみに奥にもまだ部屋がありそうだったよ…大きすぎ…)
111 名前:07〜【マリの家】今日の宿屋っす♪〜 投稿日:2001年09月07日(金)07時52分24秒
 その部屋は、マリちゃんの外見とは違い、十分女のコらしさ備えていたものであった。
 キレイに整頓されててね。
 なっちにあたしにごっつぁんは、マリちゃんのお母さんがまだ部屋にいたせいもあり、
 緊張したようにそのまま座ったが、加護に至ってはすごいリラックスしたように、
 部屋の中を見てまわり、部屋の中に沢山置かれている可愛らしい置物や人形に目を輝かせて、
 きゃぁきゃぁと悲鳴を発している。

 そんな加護を目を細めながら見、マリちゃんのお母さんは一言言って出て行こうとした。

 「じゃぁ、後でお菓子とお飲み物持ってくるからね〜」
 「うん♪」
 「あっ…悪いんで手伝いますっ!」
 あたしの声にマリちゃんのお母さんは「いいわよ」と手を振ったが、
 それはさすがに悪いと思い、少し粘るあたし。
 そんなあたしの気持ちも考えてくれたのか、「じゃぁお願いね」の言葉を掛けて、
 マリちゃんのお母さんは下に降りていこうとした。
 それを聞いたあたしとなっちは立ち上がって、
 お母さんの優しさにお互いに笑みを浮かべつつついて行った。
112 名前:07〜【マリの家】今日の宿屋っす♪〜 投稿日:2001年09月07日(金)07時53分39秒
〜〜〜〜〜〜

 「急にきちゃってスミマセン…」
 「ふふふ…いいんですよ…
  えと…マリさんよね…
  わたし嬉しいくらいなの…
  この街ってマリくらいの年のコが全くいないのよ…
  だからマリには友達がいなくてね…
  ……………………
  昔ね…」
 
 あたしの言葉に、棚に手を入れながら、ゆっくりと語りだすマリちゃんのお母さん。
 その後ろ姿はどことなく悲しそうなカンジを秘めているように思えたけど、
 お母さんの話している内容にその事を気にする事はなかった。

 しかし、それ以上、マリちゃんのお母さんはその事を語ろうとしなかった。
 当然のごとくあたしはそれ以上深く…
 理由を聞けるはずはなかったのだけど。
113 名前:07〜【マリの家】今日の宿屋っす♪〜 投稿日:2001年09月07日(金)07時54分55秒
 「マリさんたちこの町は初めてよね…」
 「あっ…はい…」
 「でも…旅をしてるようには見えないけど…」
 
 少し不思議そうにこっちを1回見、もう一度棚を漁り出した。
 
 来た…
 やっぱり服は着替えといた方がよかった…
 あたしとなっちは顔を見合わせる。
 
 「えっと…その…」
 
 なっちが何か言おうとしたが、なっちの口からそれ以上の言葉は出てこなかった。
 なっちはそう簡単に嘘を言えるコじゃない…無理だよね…
 あたしが、何か言わなきゃ…何か…
 
 「あっ…そうっ!!着替えたんですっ!!」
 
 そんなあたしからとっさに出てきた言葉。
 自分でもあきれるほど単純な答え…まぁ何も言わないよりはマシだよね…
 その言葉にもう一度こっちを楽しそうに振り向くマリちゃんのお母さん。

 「ふふふ…何か事情がありそうだけど…
  まっ…聞かないわ
  もし話したくなった言ってね」

 少しイタズラっぽい笑みを浮かべつつ、もう一度棚の方に顔を向けた。
114 名前:07〜【マリの家】今日の宿屋っす♪〜 投稿日:2001年09月07日(金)07時56分03秒
 はぁ…

 2人して顔を見合しては溜息を吐いた。

 あたしたちのそんな溜息にも、少し含み笑いをしつつ、
 マリちゃんのお母さんは棚から色々を取り出し、
 テーブルの上に並べ始めた。

 はぁ…
 ホント早く着替えよ…
 さっきから後悔ばっかりしてんじゃん…
 でも…着るって何を…
 もしかして、あの【袋】の中に入っていたのを着るとかぁ?
 
 ……………………

 なんだか、それだけはちょっと勘弁して欲しいって感じかな…

 「はいっ…お願いねっ♪」
 
 あっ…
115 名前:07〜【マリの家】今日の宿屋っす♪〜 投稿日:2001年09月07日(金)07時57分54秒
 あたしが色々頭の中で考えてる間に、準備は終わっていたみたい。
 玄関を入った奥にある台所のテーブルの上には、お盆が置かれ、
 その上に陶器のコップに入れられた何かわからないジュース
 (オレンジジュースみたいにオレンジ色をしている)とスポンジケーキが置かれていた。
 
 「「あっ…ありがとうございます♪」」
 
 あたしとなっちハモった声に笑みを浮かべたが、
 マリちゃんのお母さんは何かを思いついたのだろうか、
 ハッとしたように口元に手を持ってきた。
 
 「そう言えば…マリさんとナツミさんは…今日宿とったの?」
 「えっ…宿…?」
 
 一瞬マリちゃんのお母さんに言われた言葉をあたしは理解できなかった。
 そりゃそうだ、《宿》なんて言葉をあたしたちはめったに言わない。
 めったにじゃなくって全くって言っていいだろう。
 少し不思議そうな顔をするあたしの肘を、ツンツンと横から肘でつつくなっち。
 
 「…ホテルよ…ホテル…」
 
 耳元でなっちの小さな声がした。
116 名前:07〜【マリの家】今日の宿屋っす♪〜 投稿日:2001年09月07日(金)07時58分44秒
 そっか…そういえばそうだ…
 ドラクエの世界じゃ【宿屋】って言うよね…
 なっちすごいっ♪

 「いえ、まだです…」
 あたしが妙に感心しているそばで、なっちがあたしの代わりに答えてくれた。

 と、そのなっちの言葉にマリちゃんのお母さんは、ニッコリと笑って、
 あたしたちにとって信じられない言葉を返してきた。

 「そうなんだ♪
  じゃぁ…今晩ココに泊ったらどう?」
 
 「「へっ…?」」

 …………………………
 …………………………
 …………………………

 あたしたちは今晩ここに泊めてもらう事が決定した。

117 名前:07〜【マリの家】今日の宿屋っす♪〜 投稿日:2001年09月07日(金)23時50分57秒
〜〜〜〜〜〜

 あたしたちは断ったのだが、マリちゃんのお母さん曰く、
 『マリがホント喜ぶと思うし…あなたたちからは悪い《気》みたいなのが全然感じられないし…
  むしろこっちからお願いしたいくらいだわ』
 との事。

 後に言った「悪い《気》」の意味はちょっとわかんなかったんだけどね…
 でも、ホントに悪いような気がする…

 「でもよかったね…」
 「そうだね…」
 お盆を片手に、あたしとなっちは階段を上っていた。
 「ホテルなんて考えてなかったよ…なっちは…」
 「やぐちも…ホントにいいのかぁ…」
 あたしは、目の前のやたら大きなお盆と格闘しながら、なっちの言葉に耳を傾けいていた。
 「ゲームでもよくあるじゃん♪
  この際だから、しっかりお世話になっちゃおよ♪」
 この時ばっかりはなっちの順応力を羨ましく思ったりした。

 そんなあたしたちはドアを開け中を見ると、一瞬固まってしまった。
118 名前:07〜【マリの家】今日の宿屋っす♪〜 投稿日:2001年09月07日(金)23時56分15秒
 「「………………………」」

 ドアを開けるのと同時にあたしたちの目に飛び込んできたのは、
 なんと…ごっつぁんの裸だった!
 部屋の奥から、こっちの方を、パンティー1枚で、腰に両手を当てて、
 あたしたちの中では一番でかいって言ってイイくらいの胸をはって(加護も負けないよ)…
 おいおい…ごっつぁん…そんなどうどうと…ぽっ…
 見てるこっちの方が恥ずかしくなるってば…そりゃあたしもやるけどさ…
 でも…誰がくるかわかんないじゃんか…

 「おっ…どうやぐっつぁん?マリちゃんカワイイっしょ?」
 こっちにおしりを向けてて判らなかったが、
 ごっつぁんの前にはごっつぁんの服を着ていたマリちゃんがいたのだ。
 ごっつぁんのカッコのインパクトがありすぎて、ちょっと気づかなかった。
 その後藤の下で後藤のブラを熱心に見ている加護の事も…

 「えへへへ…どうかな?」
 クルッと振り返って、ポーズをとるマリちゃん。
 ごっつぁんより背が低くて、ごっつぁんの着る服はちょっと無理かなぁって思ってたけど、
 着たら以外や以外…それが結構似合ってるもんだ。
119 名前:07〜【マリの家】今日の宿屋っす♪〜 投稿日:2001年09月07日(金)23時58分19秒
 チビTもキレイにオヘソの上でカットされたようになり、
 ローライズのジーンズも…ちょっと股上が高くなってるけど大丈夫…
 なかなかヨロシイッ!!

 「カワイイよっ!!」
 あたしの一言に顔がぱぁっと輝く。
 「ホント?」
 今度はあたしとなっちの顔を交互に見ながら聞く。
 「うん♪なっちも思うよ♪カワイイ
 なっちの言葉の後にもう一度強く頷く。
 「えへへへ…」
 マリちゃんは真っ赤になって俯いてしまった。
 「マリちゃんテレすぎやでぇ〜」
 モジモジと指先で遊んでるマリちゃんを見て思わず出たのだろう、
 加護につっこんで欲しくないってカンジのつっこみが出てきた。
 「いいでしょ〜嬉しいんだよっ!」
 そんな2人を見ながら、あたしは机の上にお盆を置いた。
 「はいはい…とりあえずおやつだよ〜」
 あたしに続いてなっちも置く。
 それを見て、いっきに目に輝きを戻したみんな
 (別にさっきまで輝きがなかったって事じゃないんだよ)。
 ごっつぁんに至っては裸なのを忘れて机の前に座っている。

 こんなトコロで…いつ誰がくるかわかんないのに…
120 名前:07〜【マリの家】今日の宿屋っす♪〜 投稿日:2001年09月07日(金)23時59分57秒
 「ごっつぁん…とりあえず…着たら…?」
 「ほえ?…」
 
 もうすでにホークを口に運んでるごっつぁんは、中途半端な声を出してきた。
 あたしは言うのもはばかれたので、とりあえず視線を胸に持っていく。

 「やっだぁ〜やぐっつぁん
  さっきあたしがカッコいいっていったら、その気になったんだぁ〜
  H
 
 な・な・な・な…何をいってるねんっ!
 あたしは思いっきりつっこみたかったが、
 顔が真っ赤になってるし…
 頭が混乱してるし…
 あああぁぁぁ…こ、言葉が…で、出ない…

 「やぐちゃん…ホンキ…?」
 「うわぁ〜やっぱやぐちさんって…」
 「顔が真っ赤になってる…やぐちあんたって…」

 いやややぁぁぁ…
 ち、違うっ!!
 誰か反対してくれぇ〜

 部屋にはあたしのココロの悲鳴が残った。
121 名前:07〜【マリの家】今日の宿屋っす♪〜 投稿日:2001年09月08日(土)10時55分45秒
〜〜〜〜〜〜

 あたしたちは、食べ終わった後、しばらく話していたが、さっき、
 今日の泊りの事を言うと、みんなやけに喜んでいた。
 その中でも一番喜んだたのがマリちゃんだった。

 加護やごっつぁんは、あたしやなっちと同じく「いいのかな?」ってしきりに心配をしていたけど。

 それにしても、マリちゃんの喜びようを見ると、
 やっぱりここにはマリちゃんと同年代の女のコがいないんだと、
 改めて思い知らされたような気がした。
 
 それと同時に、さっきマリちゃんのお母さんの言っていた、
 「昔ね」で途切れた後の言葉が余計に気になったりしもした。

 そんな時ふと、あたしが壁の本棚に目をやると、
 分厚い5cmくらいの本が4冊も置いてあるのが目に入った。
 こんな分厚い本をこんなコが読むなんてすごいなぁってカンジで、
 ちょっと気になったあたしは、本棚の前に四つんばいのまま行き本の背表紙を眺めた。

 【戦士編】

 【武道家編】

 【僧侶編】

 【魔法使い編】
122 名前:07〜【マリの家】今日の宿屋っす♪〜 投稿日:2001年09月08日(土)10時57分51秒
 「マリちゃん…見ていい?」
 「あっ…うん…面白くないけどね…」
 あたしにはマリちゃんが最後に言った言葉が、吐き捨てるようなカンジで言ったように聞こえ、
 少しビックリしてマリちゃんの方を視線を移したが、しかし、
 その顔はさっきまでと同じく満面の笑みを浮かべて、なっちや加護やごっつぁんと話していた。

 勘違いかな…

 頭の中に少し《それ》を入れながらも、あたしはさっき見つけた分厚い参考書…
 その中でもとくに使われてると感じた【戦士編】を手に取り、その中をパラパラと眺めた。

 その中は、題名通り、剣の型みないなのが延々と書いてあった。
 その次に、あまり使われていない【武道家編】を見ると、空手?のような少林寺拳法?のような、
 あたしには未知の絵が描かれてあった。
 そして、【僧侶編】だと…これはわかる…ドラクエで言う回復系の魔法の事だ。
 【ホイミ】やら【キアリー】やらの言葉と共に、その意味、魔法を唱えるまでの準備、
 魔法の唱え方やらが事細かに書かれていた。
 って事は…この【魔法使い編】は…たぶん【メラ】とか【ギラ】とかの攻撃系の魔法の事だろう。
123 名前:07〜【マリの家】今日の宿屋っす♪〜 投稿日:2001年09月08日(土)10時58分59秒
 ……………………

 思ったとおりだ♪
 あたしはちょっと得意げな表情を浮かべながらも、フト疑問に思ったことがあった。

 「マリちゃん…これって学校で勉強してるの?」

 もしそうだとしたら、すごい事教えるよなぁ〜ってカンジで思っていたけど、
 答えはそれ以上にビックリす事であった。
 
 「ううん…学校なんてないよ…ここ…」
 「えっ…そうなの…」
 
 一番最初にビックリしたような声をあげたのはなっちだった。
 加護とごっつぁんもビックリしたようにマリちゃんの顔を見ている。

 「うん…ここってあたしと同じ年の人っていないんだ…」
 「どうしてなん?」
 「わかんない…
  聞いたけどお母さん教えてくれなかった。」
 
124 名前:07〜【マリの家】今日の宿屋っす♪〜 投稿日:2001年09月08日(土)11時00分53秒
 これ以上この話が続くと、ちょっとテンションが下がってきそうだったから、
 とりあえずあたしは話を元に戻した。

 「じゃぁ…これ1人で勉強してるの?」
 「おじいちゃんと親戚のお姉ちゃん」
 
 あ〜あ…なるほど…そうだよね…1人はさすがにきついよね…

 あたしらだって、1人でボイトレとかダンスレッスンなんかはやりにくい…
 やっぱり先生がいないとね…

 う〜ん…おじいちゃんか…


 あの《渦》とか、《職業》の事とかちょっと聞いてみようかな…


 いや…それだけ聞いたら変だから、全部話してもいいかもしれない…


 いい人そうだったら相談するか…

125 名前:08〜【マリの家】打ち明け〜 投稿日:2001年09月09日(日)19時55分16秒
08〜【マリの家】打ち明け〜

 「…って言う訳だったんです…
  ちょっと信じられない話だと思うのですが…」
 
 あたしは一気に話し終わり、目の前にいるマリちゃんのお母さんとおじいちゃんの顔を見た。
 2人は今だ信じられないのか、不思議そうな顔をしたままあたしの顔を見ている。
 まぁ当然だろうね。

 今、このキッチンテーブルには、あたしと、マリちゃんのおじいちゃん、
 マリちゃんのお母さんの三人だけがいる。
 ちょうどさっき晩ご飯を食べ終わり
 (ここの食事にちょっと心配していたけど、それほど変なものが出てこなくて一安心)、
 少し話していたんだ。

 ごっつぁんと加護は、離れにあるお風呂に2人で入りに行っている。
 いつもはこの母屋にお風呂はあるのだけど、ちょっと水漏れが激しく、
 最近は離れのお風呂に入ってるとの事。

 しかし、その離れのお風呂ってのが、マリちゃん曰く、そぉ〜とぉ〜怖いらいしい…
 いつもはお母さんと一緒に入ってるんだって。
 それを聞いた加護が、ごっつぁんに泣き込んで一緒に入る事になったって訳。
126 名前:08〜【マリの家】打ち明け〜 投稿日:2001年09月09日(日)19時56分53秒
 なっちとマリちゃんはそれを待っている間、
 外に星を見に行ってくるって言ってさっき出て行ったところ。

 みんなが出て行ったのを確認したあたしは、ホントの事を話し始めたって訳。
 このままだとあたしはお風呂に1人で入らなきゃいけないかもって頭の片隅に浮かんだけど、
 さすがにこれだけは話した方がいいと思っていたからね…

 《話した》って言っても、あたしたちが別の世界から来たって事は言わずに、
 完全に情報のシャットアウトされた山奥の村に住んでいたけど、
 この4人で遊んでいる時に、急に《青白い渦》に吸い込まれて、
 気がついたらこの城のそばにいたって言う事で話したのだ。

 だからこの世界の事はほとんどわからないと…

 この事は、なっちやごっつぁん、加護にきちんと前もって話していた事だから、
 そのあたりは大丈夫…

 いかにも気が優しそうなカンジのするおじいちゃんが、
 顎に蓄えたひげを手で触りながら、柔和な表情をして、何かを考えこんでいる。
127 名前:08〜【マリの家】打ち明け〜 投稿日:2001年09月09日(日)19時59分00秒
 「ん…
  では…お前さんたちは自分の村に帰りたい…
  じゃが…解り兼ねない…じゃな…?」
 
 「えっ…あ…はい…まぁ…」
 
 ちょっと違うが、とりあえず言いたい事は伝わったかもって事で、
 それでもいいと思い、相槌を打った。
 
 「お父さん…マリさんの言った、その《青白い渦》って言うのは…」
 「うむ…たぶん【旅の扉】じゃろう…」
 「【旅の扉】!?」
 
 あたしは思ってもいなかった言葉に、ちょっと声が裏返ってしまった。
 確かにドラクエの中にはそんな【旅の扉】と言われるものがあったけど…
 まさか《それ》だなんて…
 
 「ワシも若い頃は、【戦士】として世界中を旅しとったからよぉ〜わかる…
  何度も【旅の扉】にはお世話になったもんじゃ…
  最近じゃぁ…だいぶん数は減ってしまったがのう…」
 
 マリちゃんのおじいちゃんはちょっと目を細めるようにして、
 昔を懐かしむように遠い所を見た。
128 名前:08〜【マリの家】打ち明け〜 投稿日:2001年09月09日(日)20時01分19秒
 今ではホントに気のやさしいおじいちゃんってカンジのする人だが、
 昔は【戦士】だったって事に少しビックリするあたし。
 それだとマリちゃんの部屋にある【戦士編】の本だけが、
 やけに使い古されていたのに納得がいく。

 「だが…
  【旅の扉】とは本来固定されたものなんじゃ…
  ある場所からある場所に移動する為に、その昔、造られたものなんじゃ…
  だから…マリさんの言うようにな…いきなり【旅の扉】が現れて運ばれるいうのはなぁ…
  う〜ん…その、昼にいるって気が付いた所には、同じものはなかったんじゃな?」

 「あ…はい…ありませんでした…」

 あたしは昼にいた所の、自分のまわりを思い出しながら、力強く頷いた。
 1回周りを見回した時に、なかったのは確認している。
 もしあったとしたら、誰か気がついているはずだし…
 100%なかったって言っていいだろう…

 「はい」
 
 もう一度力強く頷く。
129 名前:08〜【マリの家】打ち明け〜 投稿日:2001年09月09日(日)20時03分15秒
 「う〜ん…
  これは伝説になっているのじゃが…
  【旅の扉】を作ったのは元来【精霊ルビス様】じゃと言われとる…
  その昔、移動手段が徒歩だけだった世界の時に、少しでも大陸間の移動を楽にする為に、
  【精霊ルビス様】が造ったものじゃと…
  この我々の《世界》の基本構成共々にじゃな…」
 
 「……………………」
 
 あたしはハッとした。
 もし…【旅の扉】は【精霊ルビス】…様…が造るものって言う事は…
 あたしの頭の中に、楽屋で【旅の扉】に吸い込まれる時に、
 頭の中に響いた《声》を思い出していた。
 そう…って言う事は…あれは【精霊ルビス】…様…の声なの…?

 じゃぁ…じゃぁ…あたしたちがこの世界に入り込んだのも…
 いや…あたしたちは呼ばれたって事になるの…?

 でも、とにかくこれで1つはっきりした…

 【精霊ルビス】様に出会えれば、あたしたちは《あの世界》に戻れるって事を…
130 名前:08〜【マリの家】打ち明け〜 投稿日:2001年09月09日(日)20時04分34秒
 「今ではそれは伝説じゃが…」
 
 一息ついた時に、あたしはフト思いついた事を言った。
 
 「あの…【精霊ルビス様】はどこにおられるのですか…?」
 
 そう…会うためには、【精霊ルビス様】がどこにいるのかって事だ…

 あたしのその質問に少し困ったような表情になったマリちゃんのおじいちゃん。
 少しマリちゃんのお母さんの方を見ては、2人困った顔になってしまった。
 その表情に少し不安を抱えるあたし…

 「実はの…【魔王バラモス】が出てきてからな…
  さっぱりと【精霊ルビス様】の《噂》を聞かなくなったんじゃ…」
 「そうなの…【魔王バラモス】が出てくる前までだと、
  【精霊ルビス様】の《奇跡の噂》を幾度となく耳にしていたのだけどね…」
 
 マリちゃんのお母さんは、おじいちゃんの話を受け継ぐように話を付け加えた。
131 名前:08〜【マリの家】打ち明け〜 投稿日:2001年09月09日(日)20時06分23秒
 2人の顔を見ながら、その話にあたしは言葉を失った。
 
 この話だと、【魔王バラモス】のせいで【精霊ルビス様】が行方不明との事だろう…
 って事は…このまま話が進むと、あたしたちが【魔王バラモス】を倒して、
 【精霊ルビス様】を探さなきゃいけないって事になる…?
 
 まぁそれはまだ分かんないか…

 はぁ…

 まっやっぱり最初に思っていた通り、
 この《世界》をあたしたちは旅をしなくちゃいけないんだね、

 ある程度、頭の中で理解はしていたのだが、
 やはり現実に突きつけられるとショックを受ける。

 「ありがとうございました…」
 あたしはショックを受けたような表情のまま、
 椅子を立ち上がり今日寝る部屋に上がろうとした。
132 名前:08〜【マリの家】打ち明け〜 投稿日:2001年09月09日(日)20時07分36秒
 「うむ…」
 
 あたしの表情に気を使ったのか、2人とも引き止める事もなくあたしを部屋へと向かわしてくれた。
 少し階段を上ろうをした所で、頭の中に、最初に聞こうと思っていた事の1つがフト浮かんできた…
 
 引き返すあたし。

 ある程度現実を受け止めるたから浮かんできた事だ。

 もうあたしの中では旅のココロの準備は完全に出来つつあった。

 「なにかな…?」
 さっきより優しそうな表情のマリちゃんのおじいちゃんがあたしを迎えてくれた。

 「あの…
  【職業】ってあるじゃないですか…
  あれって誰でもなれるものなのですか?」
133 名前:08〜【マリの家】打ち明け〜 投稿日:2001年09月09日(日)20時08分46秒
 「そうじゃな…登録だけし、その日1日だけ講習を受けると、
  とりあえずその【職業】にはなれる。
  後は、渡される文章で勉強しつつ、実戦での経験を上げていくだけじゃな…
  そうそう…すぐそこにある【ルイーダの店】でも【職業】になる事は出来るぞ…
  本来は仲間集めの場所なんじゃが…」
 
 その言葉に少し安心するあたし。
 これだと明日にでも出発できるかもしれない…
 あまりにもこの家にいすぎると当然迷惑にもなるし。

 「ありがとうございました…
  じゃぁ明日ちょっと行ってみます…」
 
 あたしはそう言い部屋へと向かった。
134 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年09月10日(月)21時40分33秒
お〜お!
職業だ〜。懐かしい〜。
ちゃんと終わりまで考えてるなんて偉いですね〜(w
135 名前:08〜【マリの家】打ち明け〜 投稿日:2001年09月10日(月)23時51分01秒
〜〜〜〜〜〜

 「あっ…やぐっつぁん…どしたの…?」
 もうどれくらい経ったのだろう。
 ごっつぁんと加護が頭にバスタオルをのっけて、
 【袋】に入っていたパジャマを着て、部屋にいつの間にか帰ってきていた。

 考え込んだような表情のあたしを、心配そうな顔で見てくる加護とごっつぁん。
 
 「大丈夫ですかぁ…?」
 「うん…まぁね…ちょっと考え込んでただけ…」
 「はぁ…」
 
 あまり納得してない表情だけど、2人ともそのまま奥のベッドに座り込み、ジャレ合い始めた。

 いいなぁ…

 あたしも…よっすぃーと…

 はぁ…

 「ねぇ…なっちは?」
 あたしの声に、ごっつぁんが加護を体の前で抱えるようにして、こっちを見てきた。
 「ほえ…?」
 「なっち…」
 「あぁ…なっちなら今マリちゃんと一緒にお風呂に入ってるよ」
 「そうなんだ…」
 少し考えるあたし。
 「やぐっつぁんもなっちが上がったら入りなよ」
 「うん…」
136 名前:08〜【マリの家】打ち明け〜 投稿日:2001年09月10日(月)23時55分27秒
 ごっつぁんの答えに返事をしつつも、あたしは頭の中でなっちも待つかどうか少し考えた。
 でも…早い方がいいかも…

 そう考えたあたしはとりあえず加護とごっつぁんにさっきの話をし始めた。

 あたしたちの通ってきたのは、【旅の扉】っていう移動する為の《モノ》であり、
 それを作れるのは世界で唯一【精霊ルビス様】って言って、
 この世界での神様みたいな人だって事と、
 その事から、もしかしたらあたしたちはその【精霊ルビス様】に連れてこられたんじゃないか、
 って事とかを話した。

 で、更に、その【精霊ルビス様】は【魔王バラモス】が出てきてから、
 その存在を語られなくなった事…
 つまり【魔王バラモス】のせいでいなくなってしまった可能性があるって事も…

 その話をじっと聞き入っていたごっつぁんと加護だが、
 あたしみたいに神妙な顔つきになる事はなかった。
 少し不思議に思うあたし…

 「そうなんですかぁ…」
 「じゃぁ…
  でも、まっ…ごとうはだいぶん覚悟はしてたからね…
  えへへへ…旅も大丈夫だよっ♪」
137 名前:08〜【マリの家】打ち明け〜 投稿日:2001年09月10日(月)23時58分23秒
 「かごも大丈夫ですよぉ〜
  なんでも来いやぁ〜ってカンジです」
 そう言ってケラケラと笑う加護をあたしは眩しそうに眺めつつ、
 あたしには次の事が浮かんできた。
 なんとなく加護には安心感が出てきたからだろう…

 「そっ…じゃぁ大丈夫だね♪
  あっ…それとね…
  明日【職業】取りに行こっかって思うんだ…」
 「あっ…そうなんだ…へぇ〜
  後藤何がいいかなぁ…」
 そういい、目を細め遠くを見るごっつぁん。
 ある程度ゲームをした事のあるごっつぁんはすぐ返事をしたが、
 当然のごとく加護は知らない。
 不思議そうにあたしたちに聞いてきた。
 
 「【職業】って何ですかぁ?」
 
 その加護の質問に、あたしの代わりに加護の顔の横から自分の顔を出すようにし、
 加護の顔の覗き込むようして、ごっつぁんが答えてくれた。
 
 「【職業】ってのはね…
  どう言お…
  この【ドラゴンクエストV】ってゲームはロールプレイングゲームで…
  その中に…
  …………………………
  …………………………
  …………………………
  うう…うう…うわわぁぁぁ〜ってカンジ…
  やぐっつぁんお願い…」
138 名前:08〜【マリの家】打ち明け〜 投稿日:2001年09月11日(火)00時00分19秒
 どう説明したらいいのかわからないのか、ごっつぁんは頭を手で掻き毟るフリをして、
 あたしに話をバトンタッチしてきた。

 思わず苦笑いのあたし。

 さぁ〜て…なんて説明しよ…

 …………………………

 そこで少し《ある》考えが浮かぶあたし。

 「加護…このゲームやった方が早いかも…」
 そう言って、あたしはなっちのバックからゲームボーイを取り出し、加護に手渡した。

 「はぁ…わかりました…」

 加護はそれを受け取ると、ごっつぁんの膝の上でゲームをピコピコとし始めた。
 最初こそ、《そんなに》って表情でゲームしていた加護だが、
 いつの間にかのめり込んだような表情になっていた。

 その加護ののめりこみ様に、してやったりの表情になるあたし。
 そう、このゲームが好きになれば、けっこうこの旅を楽しめるかもしれない…
 って考えての事なんだよね…さっすがぁ〜ってカンジ♪
 
139 名前:08〜【マリの家】打ち明け〜 投稿日:2001年09月11日(火)00時02分48秒
 「ふぅ…」
 「おっ…なっち上がったの?」
 あたしが加護の顔を見ていると、横のドアから誰かが入ってくる気配がし、
 そちらを見るとなっちが入ってくるトコロだった。
 なっちも頭にタオルをのっけている。

 そんななっちの姿、顔にドキッとなるあたし…

 少し顔を赤く染めたなっちは、やけにHな表情に見えてならなかったからだろう。
 
 「うん…きもちよかったべ〜」
 
 へ…

 その言葉に変な意味を感じ取ったのは、あたしだけだろうか…
 だって今日のマリちゃんの様子見てると…2人は…

 少し恥ずかしくなったあたしは、顔を赤くしてなっちから顔を背けてしまった。

 「マリちゃんはどうしたの?」
 真っ赤になってしまったあたしの向こうで、ごっつぁんがなっちに聞いていた。
 「マリちゃんはおじいちゃんとお勉強だって…」
 「ほぉぉぉぉ〜」
 「なぁ〜んて声だしてるべさぁ?」
 なっちのケラケラ笑う声が真上から聞こえてきた。
140 名前:08〜【マリの家】打ち明け〜 投稿日:2001年09月11日(火)00時04分25秒
 と、次の瞬間、

 ストン…
 あたしの鼻にキレイなシャンプーの匂いがくすぐってくる。
 超イイ匂いが…

 「どうした〜?やぐち?
  顔赤くしちゃって…きゃははは…
  なっちに惚れたか?」
 
 ドキッ…

 なんて事言うんだよぉ〜

 バカッ!

 「そんなんじゃないやいっ!!」
 「きゃははは〜怒ったやぐちもカワイイべさぁ〜」
 
 そう言うとなっちはやぐちをぎゅーっと思いっきり抱きしめてきた。
 いつもの抱擁とは違って、まるで裕ちゃんが乗り移ったかのように…
 なっち…いつから裕子になったんだよっ!!

 とか言いつつ、どこかしらココロの中で喜んでいるあたし…
 (こんななっちの姿は見慣れてるのに…どうしたんだよ…あたしは…)

 「あああああぁぁぁぁぁぁ〜
  やぐっつぁんっ!!
  後藤じゃなかったの?」

 そんなあたしの横ではごっつぁんの悲鳴に近い声が響いていた。
141 名前:@作者 投稿日:2001年09月11日(火)00時09分52秒
>>134:てうにち新聞新入社員さん

 レスありがとうございます〜
 終わりを考えててもそれまでの道のりが…(w
 この調子だとアリアハン出るのに、2スレ行きそう…
 でも、出発までは結構大事なんで、出発してからはサクサクと行きたい予定です(w
 あくまで予定ですが(w

 これからもヨロシクお願いします〜
142 名前:09〜【マリの家】夜の訪問者〜 投稿日:2001年09月12日(水)02時32分09秒
09〜【マリの家】夜の訪問者〜

 「そうなんだぁ…やぐち…今日は色々ありがとね…」
 
 あたしはすぐ隣で、シンミリともたれ掛かってくるなっちの体温にドキドキしながら、
 さっきの話をした。
 ごっつぁんと加護は2回目になるのだが、それでもあたしの話に耳を傾けつつ、
 どこかで話に入ってきたりもした。

 「なっち…大丈夫…?」
 「ん?何が?」
 なっちが不思議そうにあたしを見つめてくる。
 (いや、見てくるか…何意識してるんだ…)
 「心配じゃない…?」
 
 なっちはあたしの言葉に少し考えこむように、天井の方を見る。
 「うぅ〜ん…
  でも、やぐちが言ったようにもう腹くくったべさっ♪
  大丈夫っ♪」
 「へへへ…よかった…じゃぁ…明日にでも【職業】取りに行こっか?」
 「「はぁ〜い」」
 加護だけ返事がない…ごっつぁんとなっちの声だけが、部屋に響いた。

 あたしはその加護を見る…
143 名前:09〜【マリの家】夜の訪問者〜 投稿日:2001年09月12日(水)02時33分40秒
 そんな加護はさっきは話しに入ってきていたのに…
 よっぽどゲームに熱中しているのか、じぃ〜とゲームボーイの画面を見入っていた。

 それにちょっとムッとなるあたし。

 「かごぉ〜!!」
 「ひゃい…」

 ビックリしたような表情を浮かべ加護が見上げてきた。

 「ちゃんと聞きなさいって言ってるでしょ?」
 「スミマセン…でも…これ面白いですよぉ〜」

 ………………………

 加護の言葉にあたしはホンキで怒れなくなってしまった。
 あたしが加護にやれって言ったんだもんね…

 「フフフ…仕方ないよ…やぐち…」
 「まぁね…」

 あたしたちはここに着てから、一番落ち着いたように苦笑いを浮かべた。
 一番落ち着いた…それはその時だけだったのかもしれない…

 そう…あたしとなっちが顔を見合わせ、微笑みあったその瞬間だった…
144 名前:09〜【マリの家】夜の訪問者〜 投稿日:2001年09月12日(水)02時35分10秒
〜〜〜〜〜〜

 ゴンゴンゴンゴン!!!!!!!!!
 ゴンゴンゴンゴン!!!!!!!!!

 この家中に玄関のドアを誰かが勢いよく叩く音が響き渡った。
 その音にみんな顔を見合して、部屋のドアから聞こえるであろう、
 下の音に聞き耳をたてようとした。

 あたしも、ドアから下を覗き込むようにして、そのドアのそばに立った。

 ゴンゴンゴンゴン!!!!!!!!!
 ゴンゴンゴンゴン!!!!!!!!!

 「はい…どちら様でしょうか…」
 
 マリちゃんのお母さんの心配そうな小さな声が、あたしたちの部屋まで届いてきた。
 降りてあげた方がいいかな…

 あたしは、そう思った瞬間もうすでに下の階に足を進めていた。
145 名前:09〜【マリの家】夜の訪問者〜 投稿日:2001年09月12日(水)02時37分24秒
 「カリナ殿!!!
  王宮戦士のランです!!!
  一大事があったので、王の命令でやってまいりましたっ!!!」

 丁度あたしがマリちゃんのお母さんの後ろに立ち、
 振り向いたお母さんの目とあたしの目が合ったと同時に、
 外にいた人からの悲鳴に近い怒鳴り声が聞こえてきた。

 その声にビクッと小さくなるあたしだが、逆にマリちゃんのお母さんは、
 ハッとしたように、急いでドアの鍵に手を掛け、3つある鍵を大急ぎで取り始めた。

 マリちゃんのお母さんがドアの鍵を全て取り終わり、ドアを開けたと同時に、
 その外には、身長が2mはあろうかという大男が立っていた。
 声を聞いていなかったら魔物かと見間違う程の…

 しかし、マリちゃんのお母さんと顔をあわせた瞬間、
 その大男はさっきまでの勢いはどこえやら、急に静かに話し始めた。

 「カリナ殿…
  さっき、オルテガ殿に………
  …きょ…………一大事があったと…………一報が入りました…
  もうすぐそれを確認した者がやってくるトコロです…
  王からです…『今すぐ、王の元にきてくれ』との事…
  もちろん『マリ殿も一緒に』との事…」
146 名前:09〜【マリの家】夜の訪問者〜 投稿日:2001年09月12日(水)02時42分07秒
 「………………
  はい…
  わかりました…」
 
 そう言うと、男は重そうな鎧をガチャガチャと音をたて、急いで去っていった。
 そこにはまだ動けないマリちゃんのお母さんと、
 どうしていいのかわからないあたしが残された。

 あたしはさっきの話しの全て理解してしまった。

 そう…あたしはとんでもない家…
 (いや…運命的な…これも【精霊ルビス様】が導いた運命なんだろうか)
 …に泊ってしまったんだ。
 そして運命的な出会いもしてしまったんだ。

 まさかこの家が、あの【勇者オルテガ】の家だったなんて…
 まさかあの女の子が【勇者オルテガの娘】だったなんて…
 それと同時に、【勇者オルテガ】の子供が娘だったってトコにも少し驚きを隠せなかった。

 いや…今はそんな事よりも…

 今日これからどのように接したらいいのだろうかって事だ。
 
 全てを知ってしまっているあたしは聞こうにも聞けない…
 この時ばっかりはあのゲームをしなかったらよかったって感じたよ。
 知らなきゃよかった…今からどうマリちゃんとマリちゃんのお母さん、
 おじいちゃんに接したらいいんだろうって…
147 名前:09〜【マリの家】夜の訪問者〜 投稿日:2001年09月12日(水)02時43分30秒
 振り返ったマリちゃんのお母さんは、不思議と涙をためている様子もなく、
 呆然と前を見つめていた。
 涙でも流しているのかと思っていたあたしは少し拍子抜けのような感じで、
 安心感を感じてしまった。

 でも、ホントは違う…
 人っていうのは、あまりにものショックを受けたら、涙どころでなくなるって事に、
 あたしはこれから先気が付く事になったのだった。

 「あの…」
 「お聞きになりました…?
  これからマリと一緒に城に行ってきますね…
  少し家の事を頼んでもいいでしょうか…?」
 
 あたしはその言葉に頷くしかなかった。
 聞いた方がいいのだろうか…
 聞かない方がいいのだろうか…

 何も話せないあたしにポツリポツリとマリちゃんのお母さんは話し始めた。
148 名前:09〜【マリの家】夜の訪問者〜 投稿日:2001年09月12日(水)02時45分15秒
 「オルテガはわたしの夫です…
  8年ほど前に【魔王バラモス】を倒す為に一人で旅立ちました。
  大反対でした…
  マリがまだ小さい事もあって…
  でも、強い正義感の持った夫はあたしの意見を何も聞かずに旅立っていきました。
  世界を平和にしたいと言って…
  その夫でも、いつもいつも手紙だけはよこしていたのですが…
  ここ2ヶ月以上、手紙が届いてなかったのです…
  嫌な予感はしていました…
  でも…
  はぁ…スミマセン…マリさんにお話する事ではありませんでしたね…」
 
 「いえ…」

 マリちゃんのお母さんの淡々とした口調に、
 あたしは自分の言葉を忘れて聞き入ってしまっていた。
 そのせいもあり、いつの間にかあたしに聞かれていた言葉も、
 あいまいに返しただけとなってしまった。

 強い後悔の残るあたし…
149 名前:09〜【マリの家】夜の訪問者〜 投稿日:2001年09月12日(水)02時46分34秒

 ふと、後ろに気配を感じたあたしは、振り返ると、
 そこにはマリちゃんが立っていた。


 呆然とした表情で…


 そのままあたしとマリちゃんのお母さんの顔を見ていたマリちゃんだが、
 急にお母さんの胸に飛び込むようにして、泣き始めた。

 今日あたしが見てきた、いつも笑顔のマリちゃんからは想像も出来ないくらいの涙を流しながら、
 わんわんと泣き続けた。

 そんなマリちゃんに何も出来ないあたしは、歯がゆい気持ちを抱えたまま、
 マリちゃんの姿をそっとしておいてあげるしか出来なかった。
150 名前:09〜【マリの家】夜の訪問者〜 投稿日:2001年09月13日(木)01時31分11秒
〜〜〜〜〜〜

 「少しだけ家を空けますんで、悪いのですがヨロシクお願いします…
  お父さんも結構ショックみたいで…そっとしておいてあげて下さい…
  では…ヨロシクお願いします…」
 「はい…」

 頷く4人だが、どの顔も何て声を掛けたらいいのかわからずに、
 少し涙をためた複雑な表情をしたまま、背中を小さくした2人を見送った。

 見送った後、静かにドアを閉め、鍵も閉めた。

 「大丈夫かな…」
 ごっつぁんの言葉に誰も頷く人はいなかった。
 安易な返事は出来ない。
 ごっつぁんとしては、大丈夫なはずはないけど、
 それでも大丈夫だよって言葉を期待して言った言葉だったけど…
 「かわいそう…」
 ポツリと加護も呟く…みんな頷く。

 しばらくドアの前に立っていたあたしたちだが、誰から言い出したのか、
 キッチンテーブルの前の椅子に座りはじめた。
 椅子に座った後も、顔をあわせながらも誰も話し出そうとはしない。
 いや、話し出せないと言った方が正しいんだろうね…
151 名前:09〜【マリの家】夜の訪問者〜 投稿日:2001年09月13日(木)01時32分56秒
 どれくらいたったのだろう…あれから1時間はたったかもしれない…

 どんっ

 そんな時、しばらく続いた沈黙を破るように、不意に大きな音がなった。

 一斉にその大きな音の鳴った方を見ると、そこには加護がテーブルに頭を付けて俯いていた。
 一瞬すごい滑稽な光景が目に映る。
 そう…その音は、加護が眠くてコクリコクリきてる内に、
 テーブルに頭を打ち付けた音だったんだ。

 しかし、そんな加護は、テーブルに頭を打ち付けてもなお目覚めない。

 「「「ぶっ」」」

 思わず吹出す、他の3人。
 加護はどんな時でもイイ意味で明るさを持ち込んでくれるんだね。

 こんな時でも…

 「かごー」
 なっちがゆっくりと肩を揺する。
 それでも目の覚めない加護。
 そんな加護を見て、あきれた表情で顔を見合わせる3人。

 まぁ、今日は色々あって疲れたから仕方がないってカンジだね。
152 名前:09〜【マリの家】夜の訪問者〜 投稿日:2001年09月13日(木)01時35分03秒
 「じゃぁ…ごとうが連れて行ってくる…」

 まず一番眠そうなごっつぁんが立ち上がった。
 ごっつぁん1人でもいけそうな気がしたけど、
 2人ともホント眠そうな顔をしていた事に、
 ちょっと心配になったあたしも立ち上がった。

 「やぐちも手伝うよ…」
 「なっちも…」
 「なっちはいいよ…ここにいた方がいいかもしんないしね…」

 あたしはなっちの言葉に、少し考えたが、
 やはり玄関の前はあけない方がいいと思ったあたしは、
 2人で行く事に決めた。

 ちょっと不満そうな顔になったなっちだが、
 ぷく〜っとほっぺたを膨らませながら椅子に着席。

 それを面白そうに眺めながら、あたしとごっつぁんは加護を抱きかかえて、
 上の部屋へと行った。

 ときどき聞こえる『起きてますよぉ〜むにゃむにゃ…』って言葉に笑みを浮かべながら。

153 名前:09〜【マリの家】夜の訪問者〜 投稿日:2001年09月13日(木)01時38分03秒
〜〜〜〜〜〜

 「「よっこらしょっと…」」
 ゆっくりと加護を、2つ並べたベッド代わりのソファーに寝かせる。
 その時に聞こえた2人の掛け声はこの際無視してね…
 どうしても出るのよね…
 最近は特に…

 「はははぁぁぁぁ〜疲れたぁ〜」

 ぼふっ
 
 加護に毛布を掛けると、ごっつぁんは思いっきり溜息をつき、
 もう1つ並べたソファーにダイブする。
 派手にしなるスプリング。

 「これこれ…」
 とか言いつつ、あたしもごっつぁんの隣にダイブ。

 超気持ちイイクッションの効いた布団があたしを出迎えてくれた。
 顔ごと布団に埋め、思いっきり布団の匂いを吸い込む。
 
 都会で干した布団とは違って、
 まるで雑踏を感じさせないオテントサマのような匂いにクラクラくるあたし。

 超イイ匂い♪

154 名前:09〜【マリの家】夜の訪問者〜 投稿日:2001年09月13日(木)01時39分36秒
 「イイ匂い…」
 「ごとうが?」
 「…………………」
 ごっつぁんの方に顔を向ける。
 そんなごっつぁんは顔をきょとんとさせ、あたしの方を見ていた。

 マジボケか…

 マジボケにはマジ返し…
 
 「布団…」
 「なぁ〜んだ…ごとうもイイ匂いだよ〜
  【袋】に入っていたシャンプーとかってすっごい高いやつだったんだもん。
  誰のかな…」
 「へ〜どれどれ…」
 
 そう言いつつ、あたしはごっつぁんに腕を上から回して抱きつき、髪に顔を埋めた。
 ごっつぁんのサラサラした髪の感触が気持ちイイ。
 ゆっくりとその匂いを吸い込む。

 「ホントだ…超イイ匂いじゃん…」
 あたしは顔をゆっくりと上げ、呟いた。
 その呟きに天井を見ていたごっつぁんが顔をもう一度横にし、あたしの方を見てきた。

 「でしょぉ〜」
 ニッコリと満面の笑み。距離にして数センチ…

 ドキッ

155 名前:09〜【マリの家】夜の訪問者〜 投稿日:2001年09月14日(金)00時28分39秒
 こいつぅ〜
 なんて顔してんだよぉ〜
 これは卑怯だね…
 うんうん…ホント卑怯だ…

 そんなすぐ目の前にあるごっつぁんの目がウルウルしてきた。
 すっごい綺麗な瞳が揺らぎ、あたしのココロまで揺らしていた。
 さらにドキドキするあたし。

 喉が渇ききってしまい、あたしは声が出せなくなってきてしまった。

 ヤバイよ…

 よっすぃー…

 「ねえ…やぐっつぁん…」

 更に近づく二人の顔。

 これって…
 昼のごっつぁんの『超カッコイイよ♪』『惚れるじゃん♪』って言葉を言った時のごっつぁんの顔、
 言葉と、今のごっつぁんが重なる。

 このまま近付いて来ると…KISS

 …………………………………
 裕ちゃんよりは優しそう……

 ごっつぁんなら…いいかな…

156 名前:09〜【マリの家】夜の訪問者〜 投稿日:2001年09月14日(金)00時30分06秒
 「ごとうたち、みんなと会えるかな…」
 そう言うとごっつぁんはあたしの胸に顔を埋めてきた。

 へっ…………

 ………………………………
 ………………………………
 ………………………………

 ちょっと待てててえええぇぇぇぇ〜〜〜〜っ!!!!!!!
 今一瞬あたしが期待してしまった事は?
 超覚悟しちゃったじゃんか…いいって思ったし…
 おいおい〜マジかよぉ〜
 超恥ずかしいじゃんかぁ〜

 「うっく…ひっく…ぐす…」

 ………………………………
 ………………………………
 ………………………………

 はぁ…

 あたしはごっつぁんを優しく抱きしめてあげた。
 しばらくの間、ゆっくりと背中をさすってあげ、髪を撫でてあげる。

 そのままごっつぁんが眠りに入るまで、
 あたしはごっつぁんの大きそうで小さいカラダを抱きしめ続けた。

157 名前:09〜【マリの家】夜の訪問者〜 投稿日:2001年09月14日(金)00時33分03秒
〜〜〜〜〜〜

 「あれ…ごっちんは?」

 あたしが1人だという事にちょっと不思議そうに質問してくるなっち。

 「もう寝ちゃった♪」
 「そうだよね…疲れちゃうよ…最後にこんな事まであって…」

 最後…そう…これも結構きつい出来事って言っていいだろうね。
 ただでさえ、こんなトコロに紛れ込んでしまって…
 あたしたちの体力も限界かもしれない時にね。

 「うん…
  なっち…毛布持って来たから…ソファに座らない?」

 あたしは上の階から持って来た毛布をちょっと高めにあげ、それを示し、
 キッチンのすぐそばにあるリビングにある多きめのソファの方を見た。
 
 「そだね…」
 
 あたしとなっちは2人で1つの毛布に一緒にくるまった。
 しばらくじっ〜っと毛布の感触に埋もれていたあたしたちだが、
 そんな沈黙を破るようになっちがそっと呟いた。

158 名前:09〜【マリの家】夜の訪問者〜 投稿日:2001年09月14日(金)00時36分51秒
 「マリちゃんに何て声掛けたらいいだろね…なっち解んないや…」
 
 少し遠くを見ているなっちの横顔を見ると、今日一日だけで少しやつれたカンジがした。
 でも、それがどことなく、なっちの可愛さを皮肉にも輝かせていた。
 少しなっちの横顔を見つめた後、あたしはそっと呟いた。

 「でも…あのコ強いコだよ…きっと大丈夫…」

 「ふふふ…そうだね…
  あっ…なっちややぐちにはわからないけど…
  ごっちんやかごちゃんならマリちゃんの気持ちわかってくれて…
  なっちよりいい言葉で慰めてくれるかもしれないね…」

 なっちの言う通りだと思った。
 あたしやなっちは特に家庭…こんな事言っていいとは思えないけど…
 お父さんに何かあったって事はなかった…
 でもごっつぁんや加護は…モーニングって不思議とね…3人…いや4人か…
 裕ちゃん、さやか、ごっつぁん、そしてかごちゃん…

 こういう事に関してはあたしやなっちの年上コンビが言うより、
 加護ちゃんやごっつぁんが慰めてあげた方がいいのかもしんない…

 「まかせようね…」

 そう言うとなっちは、コトンと頭をあたしの肩に乗せてきて、遠くの方を見だした。

159 名前:09〜【マリの家】夜の訪問者〜 投稿日:2001年09月14日(金)00時39分13秒
 「みんな大丈夫かな…」
 「たぶんね…よっすぃーは強いから大丈夫だと思うけど…」
 
 あたしのそんな言葉にすっとなっちがコッチを向いた事に気がついた。
 が、すぐ前を向いてしまったので、特に気にも止める事なくあたしは続けた。

 「うん…問題はかおりと辻ちゃんだね…」
 「大丈夫かな…あの2人…」
 「かおりも最近しっかりしてりしてるからね…」
 
 「うん…にしても、よっすぃーたちドコにいるのかな…」

 またなっちの視線を感じたが、すぐ前を向いてしまった。
 さっきよりはちょっと気になるあたし。
 
 「さぁ〜意外と近くにいたりして…」
 「はいはい…」
 「やぐちのココロの中にはいつでもよっすぃーいるじゃん…」

 えっ… 

160 名前:09〜【マリの家】夜の訪問者〜 投稿日:2001年09月14日(金)00時41分01秒
 あたしのスルーするような言葉に、ちょっとムッときたのか、
 なっちが少しイジワルそうな声で言ってきた。

 結構図星っぽく、ちょっとビクっとくるあたし。

 そりゃよっすぃーはカッコイイし…
 いつでも考えてるって言えばそうなるかもしんないけど…

 って言うか、よくそんな恥ずかしい言葉言えるよね…
 
 こっちまで顔が赤くなってくるよ…

 「ほらぁ〜顔が真っ赤だよ…
  図星?
  スキなんっしょ?」
 
 今のなっちは朝の圭ちゃんと同じように最高級にイジワルそうな顔をして、
 あたしの顔を見ていた。

 ムッとなるあたし。

 結構ヤケが入る。

 「そりゃスキだよ」
 「あっ…」
 
 あたしのヤケぎみのその言葉に、なっちの顔に少し翳りが入ったような気がした。
 あわてて続けるあたし。

161 名前:09〜【マリの家】夜の訪問者〜 投稿日:2001年09月14日(金)00時42分34秒
 「よっすぃーはスキだし。なっちもスキだし。
  ごっつぁんに加護ちゃんに辻ちゃんに、圭ちゃん、かおり、梨華ちゃんに…
  みぃ〜んなスキだよ♪」
 「はいはい…」
 
 ちょっと呆れ気味のなっちの声が耳のそばで聞こえてきた。
 

 あたしたちはその後も、しばらく明日のマリちゃんへの態度とかを話していたが、
 どちらからともなく深い眠りに入ってしまっていた。

 ホントは、この【世界】一日目、これからいつでも布団の中で眠れるとは限らないし、
 しっかりとした布団の中で眠りたかったが、そのあたりは贅沢はいえない。
 ここで泊めてもらっているだけでも嬉しい事なんだしね。

 ゆっくり寝よう…

 これから先どのような【世界】があたしたちの前に広がるのか…
 全然想像がつかない…

 あたしたちはそんな強い不安を抱えたまま、
 【ドラゴンクエストV】の【世界】1日目は終了した。

 ………………………………
 ……………………………
 …………………………
 ………………………
 ……………………
 …………………
 ………………
 ……………
 …………
 ………
 ……
 …

162 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月14日(金)23時05分05秒
もうこの4人大好きです。
163 名前:@作者 投稿日:2001年09月15日(土)00時22分46秒
>>162:名無し読者さん

 レスありがとうございます〜
 どうもあんまり名作集の主人公として人気のない、
 なっちとやぐちとあいぼんが入ってて、
 レスも少なすぎるんで、気にしていたのですが…
 レスの少ないこの小説をageてたら、
 自分で晒しageしてるみたいで、恥ずかしいので自分はsageで行かせて貰います。

 あっ、でも、読者さんのレスならageて貰っても(w
 見て上がってると励みになるかも?(w

 励みになるッスっ>(〜^◇^)

 これからもヨロシクお願いします〜
164 名前:10〜【マリの家】いつもの朝?〜 投稿日:2001年09月15日(土)00時25分10秒
10〜【マリの家】いつもの朝?〜

 グワァ〜ングワァ〜ングワァ〜ン

 「こらぁ〜〜〜起きろぉ〜〜〜」

 グワァ〜ングワァ〜ングワァ〜ン

 「おぉ〜きぃ〜ろぉ〜」

 グワァ〜ングワァ〜ングワァ〜ン

 翌朝、あたしは何か鉄を打ち鳴らす声と共に目が覚めた。
 いや、強引に起こされたと言った方が正しいだろうね…

 しっかし…誰…
 眠いのにぃ〜

 うっすらと目を開けるあたし。
 横に何かの柔らかい感触を感じながら、音のする方を眺めると…
 そこには、あたしの目の前で鍋片手にそれを棒で叩く女のコがいた。
 ほっぺをぷく〜と膨らませ、カワイイ顔をさらに愛らしくしている少女がいた。

 ……………………………
 えぇ〜と…………………
 ……………………………

 あっ…そうか…あたし…

165 名前:10〜【マリの家】いつもの朝?〜 投稿日:2001年09月15日(土)00時26分54秒
 ようやく働き出した頭の中に、昨日の事が思い出されてきた。
 やっぱり夢じゃなかったんだ…

 夢じゃないってわかっていたけど、心のどこかでやっぱり夢って意識…
 希望があったんだ。

 それはもう打ち砕かれた事…

 隣にはなっちが、これだけうるさい中、まだ幸せそうに寝息を立てていた。

 に、しても…マリちゃん…何てベタベタな起こし方…

 ……………………………

 あっ…そうだ…

 あたしの頭に昨日の夜の出来事が再び思う浮かぶ。
 そう…昨日の夜の出来事が…

 そんな夜の事があっても、マリちゃんにはそんな事は微塵も感じさせない程の元気のよさが感じられた。
 少し不思議に思うあたし。

 いや…無理をしてるんだ…

 「おっ…起きたかっ」
 「マリちゃん…おは…」
 あたしが『おはよう』とあいさつをしようと体を起こそうとすると、
 もうすでにマリちゃんは、階段だダダダッ〜駆け上がってしまっていた。

 もしかしたらあたしたちに心配を掛けさせないように、元気を演技してるのかな…

 そんな考えが頭をよぎるほどのマリちゃんの空元気の様であった。

166 名前:10〜【マリの家】いつもの朝?〜 投稿日:2001年09月15日(土)00時30分24秒
〜〜〜〜〜〜

 「マリさん、昨日はありがとうございます…」
 まだソファに座りながらぼけ〜っとしているあたしの横から、
 マリちゃんのお母さんが料理をしながら、話し掛けてきた。
 
 「あっ…いえ…
  …………………
  あの………」
 
 キッチンとリビングはつながり、そこからマリちゃんのお母さんが料理をしているのが目に入ってきた。
 そんなお母さんを見て、あたしはさっきのマリちゃんの事を聞こうか聞くまいかの悩んで、
 言葉に詰まってしまった。
 
 「元気でしょ…」
 
 そんなあたしの心情を察してか、ちょっと苦笑いが入ったように、マリちゃんのお母さんが言ってきた。
 
 「昨日王宮に言って、その場面を目撃した人の話を聞いたんです。
  でも、遺品は火山に埋もれてしまい無理だったみたいで…
  それを聞いたマリは…
  『証拠がないから信じられないっ!!』って言って…
  王様も何て声かけたらいいのか困り果ててしまうくらいの勢いでした。」

167 名前:10〜【マリの家】いつもの朝?〜 投稿日:2001年09月15日(土)00時32分35秒
 「はぁ…」
 
 なんともマリちゃんらしい言葉に、おもわず笑みを浮かべてしまった。
 でも…まぁ確かに証拠がなかったら信じたくない出来事だろう。
 あたしだって信じたくないもんね…

 「マリちゃんらしいですね…」
 「らしいでしょ…ふふふ…」

 そう、苦笑いの入った笑みを浮かべ、マリちゃんのお母さんはまた料理をし始めた。

 「あっ…そうだ…
  マリさん…今日【ルイーダの店】行くのでしょ?」
  今度は料理をしながら、こっちに聞いてきた。

 「は・はいっ」
 
 いきなりの言葉に、まだ呆然と考え事をしていたあたしはビックリしてしまい、
 おもわず上ずった声になってしまった。

 それを見て、笑みを浮かべるマリちゃんのお母さん。

168 名前:10〜【マリの家】いつもの朝?〜 投稿日:2001年09月15日(土)00時33分44秒
 「ふふふ…じゃぁお弁当作ってあげるから…
  行く時が決まったら言ってね♪」

 「えっ…いいですっ!ホントそんなにしてもらわなくても…」

 ただでさえ、ここに泊めて貰ってるのにそれ以上ご迷惑をかけては…
 
 昨日からずっと思っていた事。

 「いいのいいの…気にしない気にしない…」

 そんなあたしの言葉を簡単に流すマリちゃんのお母さん。

 はぁ…
 
 ホント早く出て行かないと…



 そんなあたしの上で元気に鍋の音が響いていた。



169 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月15日(土)16時15分45秒
それぞれどんな職業を選ぶのかな?
ちょっと楽しみ〜。
作者さん頑張って下さいね!
170 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月15日(土)17時06分21秒
面白いです。
一応、毎日よんでいますので、このつづきも期待していますよ。
171 名前:ペプシ 投稿日:2001年09月15日(土)22時03分57秒
毎日楽しみにしてます!!作者さん頑張ってください!一週間に一回ぐらいしか見に来れないので次の一週間後が楽しみで仕方ないっす!
172 名前:10〜【マリの家】いつもの朝?〜 投稿日:2001年09月16日(日)00時13分28秒
〜〜〜〜〜〜

 「ふぁぁぁ〜〜〜〜ぁ……おばようぅ……」
 「おはようおざいます…ふぅ…」
 ごっつぁんと加護が仲良く眠そうな顔をして、キッチンに下りてきた。
 
 「おはよう♪」
 そんな2人を見て、笑いながら出迎えるマリちゃんのお母さん。
 
 「ホラホラ〜もう何時だと思ってんの?」
 「あはっ…いいじゃんやぐっつぁん…こういう時くらいは…ふぁぁ〜ぁ…」
 「そうですよ…むにゃむにゃ…」
 「そうだよ…やぐち…なっちも眠い…」
 「ムムムムムムムムム〜」
 3人のボケぶりり、ちょっとムッとくるあたし。
 
 「そうですよ〜マリさん♪」
 そんなあたしの様子を見てか、マリちゃんのお母さんがフォローをするように、
 テーブルに食器を置きながら言ってきてくれた。
 もうみんなそのテーブルの上の料理をランランとした目で見入っている。
 あたしの事なんてそっちのけで…

 …………………………

 まぁ…マリちゃんのお母さんに言われたら仕方ないね…

 あたしは渋々ながらキッチンに座った。

173 名前:10〜【マリの家】いつもの朝?〜 投稿日:2001年09月16日(日)00時14分25秒
 「もぉ〜みんなっしっかりしなよっ!!
  今日には出発だよっ!!」
 「「「「えぇ〜〜〜っ!?」」」」
 あたしの気合いの声に反対の声が4つ…
 って…あれ…?
 ちょっと1人多いような…その顔を見る…

 「今日は【職業】代えるんでしょ?
  だから明日出発でもいいじゃないですか?」
 
 マリちゃんのお母さん…どうして…ちょっと嘆きが入る…

 これはありがたいけど…でも…でも…

 「そうそう…やぐっつぁん…」
 「せっかくの、この申し出…」
 「素直に受け入れとくっしょ♪」
 「そうですよ〜マリさん♪」
 マリちゃんのお母さん…甘やかしたらダメ…甘やかしたらね…

 ……………………………

 でも…まっいっか…

 ホントにいいのか…?

174 名前:10〜【マリの家】いつもの朝?〜 投稿日:2001年09月16日(日)00時16分34秒
〜〜〜〜〜〜

 「あっ…マリちゃんはどうしたのかな…?」
 あたしはフト周りを見回すと、さっきあたしたちを起こしてくれた、
 マリちゃんがいない事に気がついた。
 さっきごっつぁんや加護を起こしに行ったのに、2人が降りてきた時にはもういなかった…
 ご飯ももう食べたのかな…

 そんなあたしの疑問に、洗濯物を干しに行ったマリちゃんのお母さんでなく、
 加護よりはちょっとはしっかりしてるごっつぁんが答えてくれた。

 「おじいちゃんと勉強だって…もぐもぐもぐ…」
 あっ…なるほど…
 
 「朝からすごいですね…もぐもぐもぐ…」
 朝からって…加護…もう昼だよ…
 携帯の時計だと…11時半過ぎてるし…
 
 「なっちたちも今日からは頑張んなきゃいけないんだよ、加護ちゃん…もぐもぐもぐ…」
 おっ…なっちだけはまともだね…
 
 「に、しても美味しいべさ…もぐもぐもぐ…」
 …
 
 結局はあたしだけか…やっぱりあたしがしっかりしなきゃいけないって訳だね…

175 名前:10〜【マリの家】いつもの朝?〜 投稿日:2001年09月16日(日)00時18分08秒
 「ねぇ…【職業】どうしよか…?」
 
 あたしは気を取り直してもう一度質問。
 
 「加護は今ぁ〜
  【勇者】、【戦士】、【僧侶】、【魔法使い】でやってますよぉ〜
  もぐもぐもぐもぐ…」
 
 ほうほう…ベタベタかな…
 
 「なっちは…
  【勇者】、【武道家】、【僧侶】、【魔法使い】だったなぁ…
  もぐもぐもぐもぐ…」
 
 こっちもベタベタだね…
 
 「ごっつぁんは?」
 
 「ん?ごとう?
  えぇ〜と…ごとうは…もぐもぐもぐ…
  【勇者】、【戦士】、【武道家】、【僧侶】だったような気が…
  もぐもぐもぐもぐ…」
 
 あぁ…こっちもよくある攻撃的パターンかな…

176 名前:10〜【マリの家】いつもの朝?〜 投稿日:2001年09月16日(日)00時19分42秒
 あたしがちょっと考えこんでいると、食べるのに少し落ち着いた加護が逆に聞いてきた。
 
 「やぐちさんは?…もぐもぐ…」
 
 「ん?あたしは…
  加護と同じ組み合わせだったよ…」
 
 「そうですよねぇ〜
  これが一番いい組み合わせだと思いますよねぇ〜」
 
 「えぇ〜やっぱり【武道家】の【会心の一撃】が一番だべさぁ〜」
 加護の言葉に、年甲斐もなく言葉を返すなっち。
 
 「やっぱり【戦士】と【武道家】2人がいたほうがいいんじゃないの…?」
 今度はごっつぁんの言葉。そんな2人の言葉にシュンとなって何も言い返せない加護。
 あんたたち年甲斐もなく…

 でも…ホントはどうだろ…

 あっ…でもそうだ…あたしたちに【勇者】はなかったんだ…って事は…
 【戦士】、【武道家】、【僧侶】、【魔法使い】
 が一番ベタベタでいいかもしんないなぁ…

 どうだろ…

177 名前:@作者 投稿日:2001年09月16日(日)00時33分11秒
あぁ…レスが…(歓喜)
読んで頂けていたんですね…(歓喜)
すみませんわざわざレス頂きまして…(〜T◇T)
また気合が入りました(w

>>169:名無し読者さん

 レスありがとうございます〜
 職業は、これから先の上級職を頭に入れて決めたいと思います。
 あと…(自粛→次回明らか)
 これからもヨロシクお願いします〜

>>170:名無しさん

 レスありがとうございます〜
 ホントストーリー展開が遅い分、飽きられないように頑張って毎日更新していこうかと思ってます。
 こらからもヨロシクお願いします〜

>>171:ペプシさん

 ありがとうございますっ!!
 一週間後にはかなりのストーリー展開が出来るように、頑張って更新しますんで、
 これからもヨロシクお願いします〜
178 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月16日(日)01時02分02秒
面白いです。楽しみにしてます。頑張って下さい。
179 名前:てうにち新聞新入社員 投稿日:2001年09月16日(日)10時04分56秒
なっちに癒されたいけど、敵をシバクのも見てみたい。(w
ところで、大明神は?(w
面白いです〜
180 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月17日(月)04時51分58秒
11〜【ルイーダの店】リサ〜

 「ひやぁぁぁぁぁ…でっかいべさぁ〜」
 
 あたしたちは【ルイーダの店】の前で、上を見上げたまま思わず立ち止ってしまった。
 なっちの北海道弁が働く。
 それくらい大きな建物が、あたしたちの目の前にあった。
 
 昨日も見たからそれほどビックリする事はないだろうと、予想しながら近付いてきたのだが、
 近付くにつれてその大きさと綺麗さにあたしたちはただビックリするだけであった。

 その後ろにあるお城なんかは表現できないくらいの大きさであった。

 「入れるよね…」
 ゆっくりとごっつぁんがドアに手を開け、それを引いた。

 恐る恐る中に入っていくあたしたち。

 その中は、外から見たきらびやかさとは無縁のような世界で、窓という窓に黒色のカーテンまで引かれ、
 強引に中を暗くしているのではないかと思わせるほどの暗さになっていた。
 
181 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月17日(月)04時54分29秒
 
 ただどのテーブルにもローソクだけは置かれ、
 うっすらとそこに座っている人の特徴は分かるくらいの明るさだけは備わっていた。

 その奥の方は、丁度バーみたいなのになっていて、いくつかのテーブルがおいてあり、
 そこには体格のいい男や、いかにもってカンジの女性とかが、グラス片手に暇そうに座っている。

 あたしたちが入ると、一瞬、全員が振り向き、探るような目であたしたちを見てくる。

 その鋭い視線に、隣にいる加護の手に力が入ってきた。
 あたしも思わず強く握り返す。

 そんなあたしと加護は、怖くて立ち止ってしまったが、ごっつぁんは特に気に止める事もなく、
 平然としたカンジでなっちの手をなかば強引に引っ張るようにして、奥の方に向かって行った。

 その姿を頼もしくも思う反面、無理しないでよぉ〜と心配する気持ちも…

 慌ててついて行こうと追いかけるあたしと加護。

 「ねぇ…あんたたち…」

182 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月17日(月)04時57分44秒
 あたしたちがなるべく周りを見ないようにと、奥の方に歩いていこうとした時、
 フト少し低めの女性の声で呼ばれた。

 思わず立ち止ってしまうあたしたち。

 その声のした方を向くと、グラス片手に1人の女性が座っていた。

 「どう見ても、雇い人ってカンジだよね…
  どう?あたし雇わない?
  安くしとくよ〜
  カワイイコたちだしね〜」

 その人を見ると、特に変わった服装ではなく、昨日マリちゃんが着ていたのと同じ、
 タンクトップ系のシャツにショートパンツといった楽なカッコだった。
 ただ、その容姿はあたしたちとは比べ物にならないくらい綺麗なカンジだった。

 顔立ちはカワイイではなくキレイといった美人系で、目元はパッチリ、
 肌の色は日焼けの為か褐色に近く(梨華ちゃんくらいだと思う)、
 あたしやなっちに近いショートの髪は金髪…解りやすく言うとギャルっぽい人だ。

183 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月17日(月)04時59分37秒
 超あたし好みの人ってカンジ…

 って言っても、その服から出ている手足とかは、しっかりと筋肉が付きしなやかさも持ち合わせていた。
 男性に近い筋肉と言ってもいいだろう…
 よっすぃーの身体を思い出される身体だ…

 身長もよっすぃーとかおりより高いかもしれない…

 ただそれ以上に目を引いたのは、そのタンクトップ的な服の下から押し出している双球…
 それはしっかりと形を誇示し、あたしたちのそれとは比べ物にならないくらいの存在感を表していた。
 はっきり言って、モーニングの中でも大きな方に入るであろう、
 ごっつぁんや加護や梨華ちゃんなんかも比べ物にならないくらいの…

 思わず見惚れてしまうくらい…

 「あ…あの…」
 「ん?…いい働きするよ〜」
 「あの…」

 あたしが詰まってしまったのに続き、ごっつぁんまで見惚れたのか、
 言葉に詰まってしまった。

 そんなあたしたちを面白そうに眺める女性。

184 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月17日(月)05時01分31秒
 「おいおい〜
  お嬢さんたちをいじめるなよぉ〜リサっ!!」
 
 そんなあたしたちの様子を、ちょっと離れたトコロで見ていた、
 いかにも【戦士】という出で立ちの男がからかいのようなカンジで声を飛ばしてきた。

 「うるさいよ」

 その男の言葉にチラとそっちの方を見やり、
 鋭い眼光でぴしゃりと言ってのけたその姿は、カッコイイって言葉が超似合っていた。

 「ちょっと座らない?
  ジュースくらいおごったげるよ〜
  どうみてもみんなから旅慣れってもんは感じられないし…
  闘争本能も感じられないし…
  何か訳あり…?」

 「は…はぁ…」

 あたしは何とも言えない中途半端な返事をし、なっちやごっつぁんの方を振り向いた。
 どうしようってカンジの目で…

 しかし、そんなあたしの方を見る間もなく、
 ごっつぁんがそのリサと呼ばれた女性のテープルに惹かれるように腰を掛けてしまった。
 つられた様にして一緒に腰掛ける加護となっち。
 仕方なくあたしも椅子に腰を掛けた。

185 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月17日(月)05時02分59秒
〜〜〜〜〜〜

 「………なんですけど………」
 その女性のキレイな瞳が丸くなってしまった。

 やっぱり信じないよね…

 あたしが話したのは、昨日マリちゃんのおじいちゃんとお母さんに話した事と全く同じ事であった。
 ちょっとひねった方がいいかなぁ…と思ったが、そのひねる暇もなく話しきってしまい、
 こうやって目を丸くされてしまった訳…

 みんなが心配そうにリサと呼ばれた女性を見つめる。

 「ふぅ〜ん…
  で、あんたたち、自分で【職業】を取ろうってわけ?」
 
 リサと呼ばれた女性はあたしの心配とは反対に、少しは信用してくれたみたいだ。
 結構普通の調子で話しだした。

 「え…まぁ…」

 代表のようにして、あたしがまた答えた。
 
 「でも…
  【職業】を取るのは簡単だけど…
  そのまま外に出て【魔物】と戦える自信あるの?」

186 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月17日(月)05時04分35秒
 「えっ…?」
 「あんたたち…あたしの勘だけど…【魔物】と会った事ないでしょ?」

 リサと呼ばれた女性の質問の鋭さに思わず言葉を失うあたしたち。
 確かにあたしたちは【魔物】なんか見たこともないし、聞いたこともなかった…
 ゲームの中以外では…

 でも…ゲームの中では簡単に外に出て行っていたから、それほど気にも止めなかったんだ…

 「はぁ…ないです…」
 あたしが考えこんでる間に、今度はごっつぁんが答えてくれていた。
 そのごっつぁんの答えにさっきより更に真剣な表情になるリサと呼ばれた女性。

 「そうでしょ…
  じゃぁ…はっきり言うけど…
  この大陸を抜けるのに、今【職業】を手に入れた、
  【魔物】と初めて遭う女のコ4人のパーティーで行くと…
  たぶん3ヶ月はかかると思うよ…
  パーティーが全滅しないように、順番に成長を確認しながらゆっくりと行くとね…」

 「「「「…………………………」」」」

 言葉を失うあたしたち。

187 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月17日(月)05時05分59秒
 大げさじゃないのか…って思ったが、その女性の吸い込まれるような瞳を見ていると、
 どうみてもホントにしか感じられなかった。

 とんでもない期間だ…はっきり言って想像もつかない…
 ゲームの中だと10時間なしにこの大陸は抜けれるのに…
 ってそれは全然関係ないか…

 「あの…じゃぁ…あたしたちにあなたみたいな経験者が入ると…?」
 あたしが《その期間》に驚いてる間にも、ごっつぁんが続けて質問してくれていた。

 「1人入るだけで、半月ちょっとでいけるよ…
  あたしみたいなのがあんたたちを教育しながら行けば、
  途中からあんたたちだって成長してくれるんだしね…」

 その答えにまたも顔を見合わせるあたしたち。
 どの顔も混乱しきっていて、どうしたらいいのかわからないって事を表情にだしていた。

 と、そんな時だった…あたしたちを救ってくれる女神様の声が聞こえてきた。

 「お姉ちゃん!?…なんでなっちたちと一緒なの?」

 一斉に振り向くあたしたち。

188 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月17日(月)05時08分01秒
〜〜〜〜〜〜
 
 「ふぅ〜ん…そうなんだ…」
 
 その声はマリちゃんだった。

 マリちゃんはおじいちゃんとの朝の稽古が終わって、みんながいないのに気がつき、
 お母さんに聞くと【ルイーダの店】との事。
 そこであたしたちを探してココまでやってきたと言う訳だったんだ。

 そんなマリちゃんの登場にホッと胸を撫で下ろす4人。
 2人の会った時の反応から見ると、どう見ても2人は知り合いみたいだし
 (いや…前に親戚のお姉ちゃんに教えてもらってるって言ってたから親戚だろうね…
  たぶんこの人の事だろう)、
 これでこの女性の信用も出てきたって訳になる。

 そんなマリちゃんは、一通りリサと呼ばれた女性から、
 あたしたちの詳しい事情を聞くと、みんなの顔をジーッと見始めた。
 ちょっと怒ったような表情で…

 そう言えば、あたしたちはマリちゃんにはまだこの事は言っていないのを思い出していた。
 
 固まる4人。

 何を言われるか分からないあたしたちはハラハラしながら、マリちゃんの言葉を待った。

189 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月17日(月)05時12分01秒
 「って言うか…ズルイ…」
 
 しばらくジーッとあたしたちを顔を見つめ続けた後、ボソッと一言呟いた。
 その言葉にえっ?という表情になるあたしたち。
 
 「マリちゃんさぁ…この4人知ってるみたいだけど…?」
 
 全て話しきってからも、一向にマリちゃんの方から自分の方に、
 何も話してくれない事にしびれを切らしたのか、
 リサと呼ばれる女性からマリちゃんの方に質問が出た。

 「うん…」

 そう言うとマリちゃんは昨日の出会いからの事を、一通りリサと呼ばれる女性に話し始め、
 その後、あたしたちはその女性の事も紹介された。

 その女性はリサと言い、ここで用心棒兼、講師として登録しているのだという。

 マリちゃんのお母さんの妹で、マリちゃんが生まれた時から色々と面倒を見てもらい、
 最近おじいちゃんが腰を痛めて《実践的》な【戦士】の修行が出来なくなってからは、
 剣技に関してはずっとリサさんに教えて貰っているそうだ。
 これで最初にお姉ちゃんって呼んだ事に納得だね。

190 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月17日(月)05時15分33秒
 で、リサさんはこの【アリアハン】の女性の年上としては、
 マリちゃんに一番年が近い人で26歳だと言う。

 その年にちょっとびっくりする反面、妙に納得してしまうあたしたち。
 
 若い方だろうけど、そのHなカラダつきはとてもじゃないけどその歳には見えない。
 もし、こんな【職業】なんてしてなかったら、
 とっくの昔に、どこかの王様にでも拾われててもおかしくないようなカンジだ。

 リサさんを紹介してもらってから、あたしたちは一通りリサさんに自己紹介をした。
 一人一人の顔を見て、しっかり頷くリサさんだけど、その中で気になった事が…

 なっちが名前を言った時に、妙にHな目でなっちを見ていたような気がする…

 あたしの気のせいだろうか…カラダを舐めるかのような目で…

 あたしやごっつぁんもそれらしいHな目だったけど…特になっちには…



 うん…気のせいだ…気のせいに違いないっ


191 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月17日(月)05時18分24秒
 「ナツミちゃんって…カワイイわねぇ
  抱きしめたら柔らかそうだしねぇ
 
 「「「……………………………」」」
 
 「…………!!…………」
 
 リサさんの言葉にビックリしたあたしとごっつぁんと加護だが、
 それ以上にビックリしたの当然のごとくなっちだった。
 目をパチクリとさせ、真っ赤になってリサさんと顔を合わせないようにして、俯いてしまった。
 
 「ちょっとぉ〜リサッ!!
  ダメだよっ!!
  なっちはあたしのなんだよっ!!」
 
 そんな2人のやり取り?をさっきまでジーッと見ていたマリちゃんが、
 あたしたちがビックリするような抗議の声を急に上げた。
 
 冗談だろう…たぶん冗談だと思う…

 なっちの顔はますます赤くなり、さらに小さく俯いてしまった。

 そんななっちの様子を面白そうに眺める加護とごっつぁん…
 当事者になったらそんな余裕はないよ…加護…ごっつぁん…

 ……………………

 フト見たリサさんの後ろには、裕ちゃんの陰がちらついていた。

192 名前:@作者 投稿日:2001年09月17日(月)05時37分37秒
2日ほど更新できないので、ちょっと大目に更新を…
娘。じゃない登場人物が出て、みなさんに受け入れられるか心配ですが、
ちょっとカケでここでは出したいと思います…
どうぞヨロシクお願いします〜

>>178:名無しさん
 
 レスわざわざありがとうございます〜
 まだまだ物語は進んでいませんがこれからもヨロシクお願いします〜

>>179:てうにち新聞新入社員さん

 レスありがとうございます〜
 次にはそれぞれの職業が明らかに…(キランッ)…って焦らすほどの事でもないんですけどね…
 大明神さんにはそれにあった職業をご用意させて頂いてます。
 ただ、登場するのはかなりかかると思います。
 大事な9人の主人公の内の1人として…

 (`.∀´)<何っ!?あたしって重要なのっ!?
 (^◇^) <んな訳ないじゃん…あたし視点なんだよ…
 (`.∀´)<きぃ〜〜〜〜〜っ!!!ムカッムカムカムカムカッ!!
 
 ササッ(逃亡)>三三三三三(〜^◇^)

 ps.顔文字初めてです…違ったらスミマセン
    ポルノさん…走るシーン貸して頂きました…スミマセンm(__)m
    すごい気に入っちゃって…
 
193 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月19日(水)23時29分13秒
〜〜〜〜〜〜

 「ねぇ…どう?あたしを雇わない?」

 リサさんは手に持っていたお酒(?たぶん…)の残りをクイッと一息で飲み干すと、
 あたしの前に肘をついて、その手の上に顎を乗せこっちをHそうな目で見ながら言ってきた。

 超H…

 そのままリサさんはなっちの方に視線を移し、ゆっくりとごっつぁん…加護へと視線を移していく。
 それを見送るあたし…全員の顔が赤くなってる。

 「腕は確かだよ…」
 マリちゃんのリサさんをフォローするような言葉が聞こえてきた。

 って言っても、どっちかって言うと、あたし的にはもう雇ってもいいと思ってるくらいだ。
 あたしたちだけよりは経験者がいたほうが断然いいし…

 でも…でも…みんなはどうなんだろう…

 それに…雇うって事はお金がいる事だしね…

 「ありがとね
 リサさんがマリさんに飛ばしたニッコリの笑みに、こっちがやられそうになる。

 「って言うかぁ〜」
 そんなリサさんのニッコリを無視するように、マリちゃんは続けた。

194 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月19日(水)23時30分27秒
 「あたしも行きたい…」
 「「「「はいっ!?」」」」
 
 あたしたちは一瞬耳を疑ってしまった。
 それほど衝撃な言葉が出たような気がする。

 リサさんを含めた全員の目が点になる。

 そんなあたしたちの呆然とした目を無視するようにマリちゃんは続けた。

 「だってだってだって…
  せっかく友達になったんだし…
  ……………………………………
  どうせ…どうせ…どうせ…
  あたしは…お父さんの仇を取りに行くって決めたんだし…
  途中まででもいいから一緒に…
  後は1人で行くから…」
 
 「「「「「……………………………」」」」」

 その言葉にあたしたちは何も言えなかった。
 みんなは神妙な面持ちでマリちゃんを見続けたが、誰も言葉を発する人はいなかった。
 親類にあたるリサさんでさえも…

195 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月19日(水)23時32分52秒
〜〜〜〜〜〜

 「リサさん雇うの…やぐちはいいよ…」
 リサさんではなく、ごっつぁん、加護、なっちに向かって出た言葉。
 マリちゃんの話は今はするべきでないと判断したあたしは、
 話をリサさんを雇うかどうかの話に戻したんだ。
 
 マリちゃんはまだ12歳…ゲームの中だと確か16歳くらいの旅立ちだったような気がする…
 まだまだ早いと思う。

 いや…そういう問題じゃなくって、
 お母さんやおじいちゃんが心配して旅立ちなんて許さないと思うんだけど…

 そう言い、あたしはなっちやごっつぁん、加護の方を見た。

 「なっちもいいよ…そっちの方がいいし…」
 「ごとうも…」
 「かごもですぅ…」
 
 あたしは力強く頷いた。
 そのままリサさんの方を向くと、満面の笑みでこっちの方を見、何かを言おうと口を開こうとした。

 でも…雇うにしても…

 「でも…」
 あたしはリサさんが何か言う前に、それを遮った。
 「何?」

196 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月19日(水)23時34分14秒
 ここまで進んだ話なのに…ってカンジで後ろめたいあたしは、
 無意識の内に上目づかいでリサさんを見る。
 
 「でも…お金そんな雇える程、持ってないと思うのですが…」
 
 その言葉を言った瞬間…
 
 「………………………
  かっわいいいいぃぃぃぃ〜〜〜っ!!!!!」
 
 あたしは、むぎゅ〜っとリサさんにおもいっきり抱きしめられてしまった。
 目の前にやたらと大きなおっぱいが…そのおっぱいに押し付けられるあたし…

 ぽっ…

 大きすぎる…

 羨ましい…

 「ナツミちゃんが一番って思ったけど、マリちゃんもいいねぇ〜」
 そう言うとあたしを少し離し、じーっと顔を見てきた。

 「…………………………」
 更に真っ赤になるあたし。

197 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月19日(水)23時35分32秒
 「ホントカワイイから、お金は後払いでいいよっ♪」
 
 「あっ…でもでも…」
 
 何も言えないあたしの代わりになっちが断りを入れようとしている。
 でも、そんななっちの言葉に、リサさんはあたしを手放しなっちをおもいっきり抱きしめてしまった。

 「気にしないでねぇ

 その隣ではごっつぁんと加護は抱きしめあい、恐怖におののいた目でリサさんを見ている。

 うん…あたしもわかる…

 これは…明らかに裕ちゃん2世だ…


 もしかしたらあたしたちはとんでもない人を仲間に入れようとしているんじゃ…


 よっすぃー…ごめんなさい…出会えるまでに…あぁ…

198 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月19日(水)23時43分39秒
〜〜〜〜〜〜

 「さぁ〜てと…どうしよっか…」

 明日出発って事を決めたあたしたちは、マリちゃんも加え机を囲むようにして座った。
 その机の上には【職業】が色々と書かれた紙が置かれていた。
 リサさんが持っていたものだ。

 それを見ながらリサさんが説明を始めた。

 「今【職業】としてあるのは…
  【戦士】、【武道家】、【僧侶】、【魔法使い】、【踊り子】、【盗賊】、【吟遊詩人】、
  【船乗り】、【羊飼い】、【笑わせ師】かな…今あなたたちがなれるのはね…」
 
 リサさんはそこまで説明し終えてから、ひとまずあたしたちの顔を順番に見て回った。

 そんな中マリちゃんだけは、思いつめた表情をしたまま俯いていた。
 それを見て心配そうな表情になるリサさん。

 もちろんあたしも心配になる。

 さっきのあの言葉があるからね…

199 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月19日(水)23時54分35秒
 「それぞれの【職業】をマスターしたら、
  それより上の幻って言われてる【上級職】があるってのが伝説になってるんだ。
  それはここでは無理で、この世界のどこかにあると言われている…
  【ダーマの神殿】ってトコに行ったらなれるって昔からの言い伝えだね。
  まだこの【上級職】になった人は見た事ないんだけどね…」

 ふんふん…

 って…それって…ドラクエVじゃないよね…
 それって…確かZじゃなかったっけなぁ…
 
 あたしの疑問になっちやごっつぁんもそう思ったのか、あたしの方を不思議そうな顔をして見てきた。

 「まっ…これくらいかな…」
 「「「「はい」」」」
 ここからが本題みたいなもんだ…誰がどの職業になるかが…

 「で、誰がどの職業になるか…ですね…」
 あたしの言葉にリサさんだけでなく、なっちやごっつぁんも頷く。
 そんな中加護がじーっと下の紙を見ていたが、急に何かを発見したかのように楽しそうあたしを見てきた。

200 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月19日(水)23時56分26秒
 「あのぉ〜あのぉ〜
  やぐちさんって…【笑わせ師】ってピッタリじゃないですかぁ?」

 その言葉になっちとごっつぁんが一瞬顔を見合わせた後、爆笑しだした。
 加護もつられたように笑う。
 そんな3人を見て、目が点になるマリちゃんとリサさん…

 あぁ…恥ずかしい…

 何もこんなトコで言わなくてもいいじゃんか…加護…

 「《ヤグチさん》って?」
 「マリさんの事!」
 リサさんの小声の質問に、マリちゃんが答えてくれた。

 「《ヤグチ》…って…
  ………………
  えぇぇっ!?
  …………もしかして王族?名前2つあるなんて…」
 
 「違いますっ
  愛称ですよ
  あっ…マリちゃんとややこしいんで、《やぐち》って呼び捨てで呼んでくれていいですよ。」

 「あっ…そうなの…じゃぁ…やぐちちゃんで行こうかな…
  いい?」

 今までにないね…でも新鮮でいいか…
 「いいですよ」
 そんなあたしたちの後ろでは、なっちとごっつぁんと加護が今だ笑い続けていた。

 「………………………」

 「そんなにやぐちちゃんって【笑わせ師】にピッタリなの?」
 「違いますっ!!」

 はぁ…

201 名前:パスカル 投稿日:2001年09月20日(木)10時03分31秒
はじめまして〜

ZはやったことないんですけどVは昔はまったので楽しく読んでます。
【笑わせ師】矢口…、ちょっと見てみたいかも(笑)。
 続きにも期待
202 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月20日(木)23時22分51秒
〜〜〜〜〜〜

 やっと落ち着いてきたなっちたちは、まだ笑い足りないのか、ほほをピクピクさせている。
 それを見て、ちょっとニヤけてるリサさん…

 なっちのその表情がリサさんに火を付けちゃってるかもよ…なっち…

 「さてさて…本題は?」
 そんな中ごっつぁんが落ち着いたのか、話を進めてくれた。
 このままだといつまでたっても進まないような気がしてたトコロだ。

 リサさんは気を取り直したように座りなおし、紙に目を向けた。
 
 「あっ…そうだね…
  ん〜んと…
  パーティー的には…
  あたしは【戦士】だから…
  後、【僧侶】と【魔法使い】はいるね…
  で、【戦士】と【武道家】もいいと思うから…そっから決めちゃうね♪」
 
 静かに4人が頷く。
 それを見てリサさんは続けた。

203 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月20日(木)23時24分16秒
 「あたし的には…
  マキちゃんが【戦士】ってカンジだね…」
 
 「ほえっ?【戦士】?」
 ごっつぁんが目を丸くしてリサさんを見る。
 ごっつぁんは目を丸くしてるけど、あたしやなっちに加護は納得した表情になる。
 ごっつぁんって娘。の中でも3本の指に入るくらいの怪力だしね…
 よっすぃー、かおり、辻、ごっつぁんが怪力の四天王ってカンジかな…?
 ちょっと納得かも。
 
 「そんな【気】を感じるしね…」
 「はぁ…」
 あたしは…ドラゴンボールかいっ!!ってつっこみたくなったけど…
 さすがにぐっとココロに押し込め、平然な顔につとめる。
 
 「んで…
  ナツミちゃんは【僧侶】ってカンジだね…」
 ほほぉ〜確かに雰囲気的にはばっちりだね…
 
 「で、アイちゃんが…【魔法使い】かな…」
 「ほい♪」
 ちょっと嬉しそうに加護が答える。

204 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月20日(木)23時25分30秒
 結構いい感じのパーティーになりそうだね…
 このままだと、あたしは【武道家】かな…

 「で…やぐちちゃんだけど…
  パーティー的には【武道家】がいいんだけどね…」

 ん…
 ちょっとした沈黙が怖い…

 「でもね…
  ん〜どうしよ…」

 リサさんは考えこんでしまった…その様子をじっと見守るあたしたち。

 「【戦士】が2人もいるからね…別に【武道家】じゃなくってもいいんだよね…
  そこで、だ
  あたし的には【踊り子】でカワイイ服着てもらったら嬉しいんだけど」

 そう言って、にたぁ。

 お〜い

205 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月20日(木)23時26分46秒
 「でも…素早そうだから…【盗賊】もいいかもしれないしね…」

 ……………

 みんな何かつっこんであげて、って言おうとみんなの方を見ると…

 もう他の3人は、リサさんの言葉よりさっき言われた自分の職業の方が気になるのか、
 遠い目をしてどっか不思議な方を見ていた。

 ……………

 「よしっ!!決めたっ!!」
 「はい…何ですか…?」
 ちょっと怖くなったが恐る恐る聞く…
 「【踊り子】で行こっ!!」

 ……………

 「やぐちさん〜よかったですねぇ〜」
 「やぐち…なっちは羨ましいよ…」
 「やぐっつぁん…カワイイカッコ出来てよかったじゃんか…」

 それぞれの慰めの言葉も、今のあたしには心のこもっていない言葉に聞こえて仕方なかった。

206 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月20日(木)23時29分02秒
〜〜〜〜〜〜

 「じゃぁ…後はみんなそれぞれ上の受付の所に行って、教材を受け取って、
  1時間くらい講習を受けてきて。
  んで、その後に基本的な実戦の訓練があるから…」
 
 不安そうな顔になるあたしたち。

 「あっ…そんな心配しなくていいよ♪
  全然たいした事ないからさっ」

 って言われても…

 不安からなのか、加護もいつものような不満も口から出ず、じっーっと俯いたままだった。
 なっちやごっつぁんも目が泳ぎきってしまっていた。

 そんな様子を心配そうに眺めるマリちゃん…

 でも…今のあたしはそんなマリちゃんの方がちょっと心配になってきた。
 もしさっきの言葉がかなりホンキだったとしたら…
 今日の夜は家で一悶着ありそうだし…
 あたしたちはどうフォローしたらいいのだろうか…

207 名前:11〜【ルイーダの店】リサ〜 投稿日:2001年09月20日(木)23時31分01秒
 あたしとしては…マリちゃんとは一緒に行ってもいいと思っている。
 モーニングに入ってわかるけど、仲間が多ければ多いほど心強いものはないし、
 何よりにぎやかになって楽しいだろうしね♪

 あと…なっちに襲い掛かるであろう、リサさんの魔の手のストッパーになってくれるかも…
 まっそれは冗談にして…

 マリちゃんは【勇者オルテガ】の娘なんだし…その力はすごいものだろう…
 それに…カワイイしね♪

 でも…お母さんやおじいちゃんはたぶん許さないだろうね…

 って…今はそんな心配してる暇はないよね…

 「じゃぁ…頑張ってきてね♪」
 「「「「…うん…」」」」

 いつものコンサートよりも緊張した面持ちで、
 それぞれが【職業】を手に入れる為に2階に上がって行った。

 これがこの世界の第一歩っていう事をはっきり言っていいだろう…

 これから長い長い旅の…

 …………………
 ………………
 ……………
 …………
 ………
 ……
 …

208 名前:作者 投稿日:2001年09月20日(木)23時35分22秒
>>201:パスカルさん
 
 こちらこそ♪
 レスありがとうございます〜
 Zした事ないのですか?結構面白いですよ!いつかしてくださいな(w
 Vは自分も一番はまったんで、この舞台を選びました。

 もしよければこれからもどうぞ読んで下さい〜

 
209 名前:パスカル 投稿日:2001年09月21日(金)12時45分49秒
レスありがとうございます♪
家でネットできないので大学まで来て見てます。
Zも機会があったらやってみま〜す。

矢口の高いMPが踊り子としてどう発揮されるのか、期待してます。
210 名前:Macな人 投稿日:2001年09月21日(金)22時14分30秒
読んでます。更新頑張って下さいねー。
で、すみませんが、Macだとローマ数字が(企)とかになってしまうので、
できればアルファベットの組み合わせで書いていただきたいんですけど…。
(IIIとかIVとかXとか)
勝手な事言ってすみませんです。あとタイトルのローマ数字は?(w
211 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月22日(土)08時53分28秒
12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜

 手に持っているカードを見て、思わず笑みの浮かぶあたし。

 そんなあたしの手には、免許書みたいな大きさの小さな【職業カード】が握られていた。
 それを見て、自分が【職業】を取ったという充実感がふつふつと湧き出てくる。

 【職業カード】とは、自分がその【職業】取ったと証明するカードの事だ。
 結構役に立つみたいで、絶対になくしてはいけないとの事…
 で、それには【職業】、【職業レベル】が書かれていて、自分が成長したら、それを感じ取り、
 きちんと表示も変えてくれるといった優れものみたいだ。
 どうしてカード自身が分かるのかって言う質問はこの際無視して、結構楽しめるカードみたい。

 もう一度カードを見てはニヤけるあたし…

 【踊り子〜Lv.1−みようみまね】

 結局それほど苦労する事なく、あたしは【踊り子〜Lv.1−みようみまね】の
 【職業】を手に入れてしまった。
 はっきり言って期待外れと言うか、何て言うか…拍子抜けと言った方が正しいだろう。
 だってやる前はあんだけ緊張していたんだから、それに比べたらね…

212 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月22日(土)08時56分39秒
 まずあたしが上で最初にしたのは、そこにあった個室で【踊り子】に登録をし、
 その時に小さな文庫本くらいの大きさの教材を貰い、
 どこか小さな部屋に通され授業みたいなのを受けたんだ。

 例えるなら自動車教習の学科みたいかな?
 あたしが原付を取った時に受けた《あれ》ね。
 で、その時にあたしが教材でやった事といえば、
 ホント普通にあたしがやってるダンスレッスンのやり方やら、
 《色々な効果のある》ダンスやら…etc…だったと思う。
 それ程それは重要じゃなかったみたい…
 だって『とにかく実際にモンスターと遭遇しての実戦で頑張って踊って下さい』
 って最後に言われたちゃったからね…

 どちらかと言うと、その次の実戦教習の方が、その最中も緊張のしっぱなしだったかな…
 その実戦教習ってのは…短剣の使い方の事で、短剣の持ち方、切り付け方、…etc…で、
 実際にホンモノのナイフを持たされたからね…
 それにはちょっとあたしもビビッテしまった。

 でもやってる内に結構慣れちゃって、最後の方は楽しんでたくらい。

213 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月22日(土)08時58分10秒
 終わった後は、
 『これからはモンスターとの実戦で自分の【職業レベル】を上げて、頑張ってください。』
 って言われて解散ってカンジだった。

 こんなんで【踊り子】の職業が取れちゃうなんて…

 あたしがモーニングに入る時なんて苦労したからなぁ…

 あたしは、【職業】を取り、1つの事をやり切ったってカンジで、
 そんな満足感に浸りながらマリちゃんの家へと足を進めていた。
 とりあえず、全てが終わってからの集合場所は、
 あの【ルイーダの店】はちょっと怖かったから、
 マリちゃんの家って言う事にしたからだ。

 でも、まっ…これでなんとか旅の準備は整ったかもね…

 …………………………
 
 「ああぁぁぁ〜〜っ!!!!」
 
 マリちゃんへの家への帰り道、フト思い出した事があったあたしは思わず大きな声をあげてしまった。
 慌てて口を押さえるあたし。
 まわりにいる人が不思議そうにあたしを眺める。
 ちょっと恥ずかしかったけど、少し立ち止って考えた結果、家路を急いだ。

214 名前:作者 投稿日:2001年09月22日(土)09時05分27秒
>>209:パスカルさん

 ありがとうございます〜
 IVは面白いのですが、やはりIIIに比べると…(w
 ただ職業が倍以上あるので、それで楽しめちゃうってのがいいですよ。
 モンスターの職業まであるんですから(w
 でも、量が大量過ぎて、普通にしていたら絶対に全部は見れないってカンジです(w
 これからもヨロシクお願いします〜

>>210:Macな人さん

 あっ、そうなんですかっ!?
 スミマセン…気が付かず
 これから気を付けます。
 
 >タイトルのローマ数字
  ?
  なんでしょう…
  もしかして…↓ですか?

  「【 」とか「〜」ですか?

 これからもヨロシクお願いしますね〜
215 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月22日(土)10時59分33秒
 ドラクエ、読みやすくていいと思いますこの小説。
 ちなみに私は、戦士の名前は「あさそぬ」という摩訶不思議な名前をつけて
いました・・・当時(笑)。
 踊り子矢口もいいすけど、確か女戦士のカッコもHっぽかったような・・・
ごっちんの衣装にも期待大(爆)!!
216 名前:Macな人 投稿日:2001年09月22日(土)14時21分17秒
お気づかいありがとうございます。
タイトルっていうのはこの小説のタイトルが
「ドラゴンクエスト(企)〜9人最後の夏休み〜」と見えてしまうので、
いったいどのドラクエがベースになってるんだろうと。
でもアリアハン、オルテガって出てきたからIIIなんですね、多分。
うーん、IIIはファミコンで、リアルタイムでやったなあ(歳がばれる w)
では、頑張って下さいませ。
217 名前:パスカル 投稿日:2001年09月22日(土)14時44分00秒
>>Macな人さん

僕もVはファミコンでーす(w

はあ…大学が始まる…  
ネットを大学でやってる僕としては毎日見に来れるけど…
憂鬱だなぁ…
そんな憂鬱も吹っ飛ばすような展開、期待してます!
218 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月23日(日)13時15分07秒
〜〜〜〜〜〜

 「やぐっつぁんっ!!おかえりぃ〜」
 あたしが家に帰ったのを出迎えてくれたのは、
 テーブルでジュースを飲んでるごっつぁんの笑顔だった。
 やっぱりごっつぁんもひとつの事をやり遂げたってカンジのいい笑顔をしていた。
 ただちょっと小さな声で…人差し指を唇に当てて…

 ちょっと疑問に思い見回すと、キッチンの手前のリビングのソファで目が止まる。
 そこには、マリちゃんが昨日あたしとなっちが眠っていたソファの上、
 幸せそうに寝息を立てていた。
 それを見て納得…2人目が合って、お互いに微笑み合う。

 そこでフト気づく…なっちと加護がいない…
 そう…なっちと加護はまだ講習を受けているみたいだった。
 呪文になるとやっぱり時間がかかるのだろうか…

 「ごっつぁん見せて〜」
 あたしはごっつぁんの座ってるテーブルに座ると、
 さっそくごっつぁんの【職業カード】を見せてもらおうとした。
 「やぐっつぁんもみせて〜」
 あたしの言葉に、ごっつぁんはすでにテーブルの上に置いてあった【職業カード】片手に、
 あたしにも同じ事を聞いてきた。
 あたしも笑顔で手渡す。

219 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月23日(日)13時16分53秒
 【戦士〜Lv.1−みならい】

 なんだか【踊り子】なんかより、よっぽどカッコイイ響きだ…
 ちょっと羨ましくなる…

 そんなあたしの浮かない表情を見てか、ごっつぁんはあたしにどんな事をしたのか聞いてきた。
 あたしの話す事を笑顔で聞いてくれ、驚いてくれるごっつぁん…

 悪くない…

 そんなごっつぁんとの会話で、なんだか【踊り子】もカッコイイかもって…

 「あっ…リサさんは?」
 さっきの事をお互い話し終えた時、あたしはフト思った事を口にした。
 そう言えばごっつぁんの先生はリサさんだったはず…

 「さっきまでいたけど、明日から家離れるから、ちょっと家を掃除してくるって…
  それと明日の準備もだってさ…今晩はここに泊めてもらうだって」
 と、あたしの質問に普通に答えてくれたのはいいものの、ごっつぁんのリアクションが変だ。
 そう…リサさんの事を聞いた瞬間、ごっつぁんの顔が赤くなったの事に、
 あたしは見逃さなかった。

220 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月23日(日)13時19分10秒
 もしかして…裕ちゃんみたいな事されたとか…?
 そういえばごっつぁんにもHな目使ってたからなぁ…

 …

 この旅で、誰か食べられちゃったりして…

 おいおい

 「もしかして裕ちゃんみたいな事されたの?リサさんに…」
 あたしのその質問に、顔を赤くするごっつぁん…
 あぁ…やっぱり…
 
 「やっぱり?」
 「違うっ!!」
 あたしの言葉がよっぽどおかしかったのか、あたしが聞いた瞬間速攻返事が返ってきた。
 そんな慌てた様子のごっつぁんを見て、あたしはちょっと笑ってしまった。
 「違うよ…何もされてないけど…」
 「けど…?」
 「超カッコイイ人だなぁ…って…」
 そう言うとごっつぁんは顔を真っ赤にして俯いてしまった…

 「………………………………」

 そうか…ごっつぁんにしてはさやかに次いで第二の先生だもんね…
 そりゃカッコイイわな…

 ココロの底にちょっとムッとしているあたしがいた…

 よっすぃー…まだあたしの事を先生と思ってくれているのかな…

221 名前:作者 投稿日:2001年09月23日(日)13時43分33秒
>>215:名無しさん

 お褒め?の言葉ありがとうございます(w
 自分の初めてドラクエした時には、結構変な名前でしてました(w
 
 衣装は…期待に応えられるかどうか…(汗
 そういえば、IIIの女戦士はかなりHな衣装でしたね(w
 踊り子といえば、IVのマーニャの衣装を思い出してしまう…
 幼心にドキドキさせながらゲームしてました(w

>>216:Macな人さん

 あっ、題でしたか…
 今度のスレでは気を付けますね(汗
 はい、これの基本舞台はIIIです。
 で、職業や武器はVIIとIIIが一緒になったような感じです。
 スーファミ版のIIIはした事ないですか?
 この話はスーファミ版のIIIをした事ある人なら、
 もっと楽しめるかもしれないです…
222 名前:作者 投稿日:2001年09月23日(日)13時44分47秒
>>217:パスカルさん

 リアルタイムですか?
 じゃぁ自分も結構年近いかも(w
 少しだけ下かな…
 自分の大学は10月からです…辛い…
 後1週間…

 やっぱり、この世代はドラクエIIIが一番熱中したような気が…(w
 ちなみに自分はVIが二番目に結構はまりました。

 これから吹き飛ばすような展開…うぅ…期待に応えられるのかどうか…(汗 
 ただひたすら頑張ります。
 これからもヨロシクお願いしますね〜
223 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月23日(日)14時21分33秒
踊り子の矢口いいなー。衣装は7人祭みたいな感じなのかな。
あと笑わせ師をマスターしてスーパースターでしたっけ?

>>216
(特) I
(監) II
(企) III
(協) IV
(労) V

だね。フォントによってはWinの機種固有文字に合わせてマッピングしてある
のもあるけど。
224 名前:Macな人 投稿日:2001年09月23日(日)18時43分09秒
実はIもIIもリアルタイムだったりする・・・(w
スーファミのIIIは結局やらずじまいでしたね。
作者氏をはじめとして皆様、少数派のMac人の為にお気遣い感謝します。
225 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月24日(月)00時09分48秒
〜〜〜〜〜〜

 「あっ…そだそだ…ねぇごっつぁん?」
 
 あたしはさっき帰ってくる時にフト思いついた事を、思い出していた。
 そんなごっつぁんは、なっちの持っていたゲームボーイを手にしている。
 ホントだったら、マリちゃんたちがいる時はしたらいけないんだけど、
 マリちゃんのお母さんとおじいちゃんは一緒に買い物に行ってるらしく、
 マリちゃんも寝ているからね…今だけなら…

 「なに?」
 ゲームボーイに目をやりつつ、声だけでこっちに聞いてきた。
 「明日の準備も兼ねてさ…買い物がてら街に行かない?」
 「おっ…いいねぇ〜」
 そんなあたしの提案にごっつぁんの顔は一気に明るくなり、
 『さっさと行こうYoッ!!』と荷物に手を伸ばした。

 そぉ〜と出て行くごっつぁんの後を、あたしは置手紙を机の上にさっと置き、
 【袋】を握り締め、後をついて出て行った。

 ほんの小さな冒険ってカンジで…

226 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月24日(月)00時11分38秒
〜〜〜〜〜〜

 改めて見る街並みはやっぱり壮大で綺麗だった。
 石で綺麗に整えられた道には、細かい模様やらが刻まれ、きちんと排水溝なども作られ、
 所々にある街路樹には、そのどれも道路と同じように綺麗に整備されていた。
 とてもじゃないけどゲームの中だけの世界だとは思えないような街並みだった。

 今あたしたちが歩いているのは、この街の大通りと言っていいだろう。
 左手には天まで届くかのような城壁が延々と連なっていた。

 「ホント大きいね…」
 あたしの左手を握っているごっつぁんの右手に少し力が入る。
 そのごっつぁんの言葉につられ、あたしもごっつぁんの向いてる方を見ると、
 なるほど…ビックリするのも分かる…どのようにしてこのようなお城を建てたのか、
 ってくらいの大きさにただただビックリするだけだった。

 「入れるのかな…?」
 あたしはフトゲームの中の情景を思い出し、ごっつぁんに聞いてみた。
 「えっ…うぅ〜ん…どうだろ…さすがに無理っぽいような気が…」
 「後で行ってみる?」
 そのあたしの言葉に目が輝くごっつぁん。
 そのごっつぁんの態度であたしにはもう返事はわかった。

 決定だね♪

227 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月24日(月)00時15分23秒
 その後も、あたしたちはその大通りを歩いて行ったが、しばらくも歩き続けると、
 左手に《道具》の模様のした旗を立てている店を発見した。

 すっと顔を見合わせると、どちらともなくその店に足を進めていた。

 「いらっしゃ〜い」
 コクと頷くあたしたち。

 その店は、人のいいってカンジのおじさんが店番をしていた。

 大きすぎもせず、小さすぎもせず、丁度イイカンジのお店の大きさだった。
 天窓まであり、そこからサンサンと輝く太陽の光が綺麗なコントラストを描いていた。
 
 正面にある店の棚には、それほど種類はなく、4種類の【道具】が数多く置かれてある。

 そんな中、あたしにわかるのは、この街にきてマリちゃんに出会った時に、
 そのマリちゃんが手に持っていた薬草くらいであった。

 ただ、他の2点もあたしたちの持っていた【袋】の中に入っていたものがあったけど。
 ちょうど丸い木の板にとってのついたやつ…

228 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月24日(月)00時16分59秒
 「おじさん〜これ何?」
 「お?それは【おなべのフタ】」
 
 「「ぷっ」」
 
 やっぱり…

 ゲームの中で情けない《もの》を想像してたけど…
 実際見てもホント情けないカンジの【道具】だった。

 「これは?」
 「それは【毒消し草】」
 それもあたしたちの【袋】の中に入っていた、訳のわからない草だった。
 って事は…もう【袋】の中に結構入っていた事になる。
 ちょっとありがたい【袋】を拾ったなぁっていまさらながら思ってしまった。

 あと1つあったのが【キメラの翼】だった。
 もちろんあたしたちはその効果は知っているけど見たことはなかった。
 手のひらサイズの鳥の羽といったもので、金や銀の羽も用いられ、
 何も言われないと、帽子にでも付けてしまいそうなきらびやかな飾りってカンジで、
 思わず目を引いてしまう【道具】だった。

 ごっつぁんも結構小物的に気に入ったらしく、その数少ない道具の中では一番熱心に見ている模様。

229 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月24日(月)00時18分08秒
 「1つだけ買って行く?」

 あまりにものごっつぁんの真剣な瞳に、おもわずあたしは聞いてしまった。
 ホントは何でもってカンジの買い物はいけないんだけどね…
 まぁ…あまりにものごっつぁんの乙女の顔に…

 「いいの!?えへへへへ…じゃぁお願い♪」

 ………………………

 やっぱカワイイなぁ

 「じゃぁ…これ下さい…」
 「まいどあり〜25ゴールドね…」
 「はぁ〜い…」

 支払うあたしの後ろで、ごっつぁんはその【キメラの翼】を嬉しそうに眺めていた。

230 名前:作者 投稿日:2001年09月24日(月)00時32分04秒
>>223:名無し読者さん

 フォローありがとうございますねm(__)m
 スーパースターには、もう1つ吟遊詩人がいるんですよね〜
 ただ、他の上級職よりはなりやすいんで、一番最初にはなれますね(w
 衣装は…その辺は今ちょっと悩んでまして…
 その世界に入って考えると…
 もしかしたらご期待に応えられないかも…
 その時はスミマセンです…

>>224:Macな人さん

 いえいえ(^^)
 I、IIもリアルタイムですか…(何てコメントしたらいいか複雑です…(w)
 I、II、復活の呪文に何回も泣きました…
 ただ、IIはドラクエ史上最高難度で、そっちでも苦労したような思い出が…
 何度全滅した事か…さらに教会で生き返らせるのにお金が尽きて…
231 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月24日(月)10時48分29秒
毎回、楽しみに読んでます。
ただ一つ、気になることが・・・
加護ちゃんに攻撃呪文なんて使わせて、大丈夫かあーーー!!(w
232 名前:ペプシ 投稿日:2001年09月24日(月)18時28分18秒
面白いですう!!最高です!他のメンバーの職業も気になりますねえ・・・ののかおコンビとかすっごい気になります。これからも作者さん頑張ってください!!
233 名前:パスカル 投稿日:2001年09月25日(火)00時21分34秒
確かVではパーティーに遊び人を二人入れてダーマまでを
めちゃくちゃ苦労していった記憶が…
賢者二人になってからは逆にかなり楽でしたけど。
これ読んでる人たちってやっぱり王道パーティでやった人ばかりなんですかね?
234 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月25日(火)00時37分07秒
当初は勇者、武道家、商人、僧侶。街イベント後は魔術師でしたけど
235 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月25日(火)00時56分54秒
〜〜〜〜〜〜

 「へへヘ…」
 ごっつぁんはよっぽど嬉しかったのか、さっきの【キメラの翼】を天にかざしたり、
 上から覗き込んだりしては目を輝かしている。

 かわいいなぁ

 なんだかこうやってごっつぁんと一緒に歩いているだけだと、
 ドラクエの世界に入り込んでしまったとは思えないよね…

 ホント…

 ただ違うのが、あたしたちの世界での殺人的な忙しさがないって事だけだ…
 でも、こんなに忙しくないってのもいいのかもしんない…

 って…今、向こうの世界ではどうなってるんだろ…
 モーニングがみんないなくなっちゃったんだもんね…
 行方不明で警察に連絡されてるのかな…
 すっごい量の仕事に穴をあけちゃったし…
 新メンの決まる直前の収録も撮ってないし…
 もしかして新メンだけで仕事してたりして…
 
 まぁそれはないか…

236 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月25日(火)01時00分10秒
 
 「帰ったら怒られるのかな…?」

 あたしの考えてる事がわかったのか、いつの間にかごっつぁんの顔にも陰がはしっていた。

 「そうだね…
  今ニュースなんかとかでも、いっぱいしてるんじゃない?」
 「あはっ…そうだね♪
  メンバー脱退どころの話じゃないもんね」
 「みんな脱退だよっ♪」
 あたしのその言葉に笑い出すごっつぁん。
 あたしもつられて笑い出してしまった。

 と、そんなあたしたちの右手に、武器と防具を表したと思われる旗が見えてきた。
 その旗の通り【武器屋】と【防具屋】だろう。
 とりあえずあたしたちそっちにも入っといた方がいいと思い、入ることにした。

 中に入って、さっきの道具屋とはまた違った雰囲気にちょっとビビッテしまうあたしたち。
 さっきの道具屋はまだほのぼの的な雰囲気があったが、
 今度の店は《店に置いてある物》通りに、物々しい雰囲気になっていた。
 店の前には甲冑と斧が飾られており、中には戦争の絵画が飾られていたりもした。

 その中で見ているお客さんもいたが、
 その人もいかにも戦士ってカンジの人で顔もかなりキツメだった。

237 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月25日(火)01時05分58秒
 そんな感じの店内…
 当然のごとくまだまだこの世界に慣れていないあたしたちに合う筈もない。
 ちょっと売り物を見ただけで、さっさと外に出ようって事になり、出口に向かったけど、
 フト奥の部屋に大量の服がハンガーに掛けられているのが目に入ってきた。

 「ごっつぁん、あれ…」
 「…?…」
 
 『おじさんこれ…』って、店長さんに聞くと、苦笑いを浮かべながらもキチンと答えてくれた。
 その店長さん曰く、どの街の【武器屋&防具屋】にも、
 大量の種類の【布の服】が置かれているんだって。
 
 聞いて納得。

 そりゃそうだ。

 だって、どう考えてもドラクエの世界には洋服屋さんみたいなのがない。
 それだったら街の人が着ている服はどうなるのか…
 考えてみれば、ごく当たり前の答えってカンジ。

 それを聞いて、一気にあたしたちの表情が買い物をする時の女のコの顔になってきた。

 「なっちと加護のぶんも買ってあげようよ」
 「はいさっ
  じゃぁ…かごの分はごとうが選ぶから、
  やぐっつぁんはなっちの分を選んであげて。」
 「わかったよ♪」

 あたしたちは大量にある服の中に楽しそうに突入した。

238 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月25日(火)01時15分39秒
〜〜〜〜〜〜

 「あの…【旅人の服】にあるところの服はやっぱり高いですよね…」
 「そうだね…70ゴールドだよ…どう?買う?」
 「いえいえっ!!ちょっと無理っぽいです」
 さっきの所のさらに奥に【旅人の服】ってトコがあり、
 ちょっと手を伸ばそうかと思っていたけど…

 【道具屋】での【キメラの翼】が25ゴールド、
 で、【布の服】8着で80ゴールド…
 合わせて105ゴールドだから…残りは195ゴールドになる。
 これだけになってしまうと、明日からの旅がちょっと不安になってしまう。
 やっぱりお金を貯めつつね…

 「ありがとうございました〜」
 店を出た所には、嬉しそうに新しい服を着ているあたしとごっつぁんの姿があった。
 全部で8着だけど、それぞれ2着ずつ。

 1つは動きやすさ優先で買い、もう1つは可愛さ優先で買ったもの。
 あたしが今着ているのは動きやすさ優先で買った方で、
 7分丈のパンツっぽいデザインの白いボトムスに、
 トップスは普通の白いTシャツってカンジのだ。
 
239 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月25日(火)01時18分16秒
 そしてちょっとアツゾコ気味になっている(あたしたちの世界ほど厚くないけど)
 スニーカーチックなものを履いた。
 あくまでスニーカーチックなんだけどね…スニーカーの底には鉄板が引かれ、
 少々の藪の中は全然大丈夫なんだって。
 もうちょっと厚いとスポカジ系であたし的には嬉しかったんだけど…
 それだと動きにくいもんね…

 ごっつぁんは可愛い方を着ていて、キャミみたいなトップスに、オネギャル系みたいな、
 まとまったタイトなスカートだ。それにミュールチックなのを履いていた。

 持っていた服は当然のごとく、【袋】の中へ…

 今度はいつ着れるのかわからないけど…
 
 しばらくのお別れだね…アツゾコもお別れだ…
 ごっつぁんも考え深そうにローライズジーンズを袋に入れた。

 「なんだか楽しみが出来たね♪」
 「そうだね♪」

 この世界で、服を買うってのが結構楽しみになってきたって感じだ。
 なっちや加護も喜ぶだろうしね♪

 
240 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月25日(火)01時19分55秒
 

 「ん…」

 と、そんな満足感いっぱいのあたしたちの目に、
 レンガを積み重ねて作られた塊が入ってきた。

 ……………………

 井戸だ。



 フトあたしの頭の中に、ゲーム中では井戸に入れるって事が浮かんできてしまった。

 一緒にそれを見たごっつぁんもそれに気づいたみたい…

 あたしたちは顔を見合わせて不敵な笑みを浮かべていた。

241 名前:作者 投稿日:2001年09月25日(火)01時34分20秒
結局服はこうなってしまいました…
ただこれは布の服だけなので、他の防具は全部原作どおりに…
IIIのあの職業通りの衣装になると、どしてもずっと同じ衣装になっちゃうので、
それは娘。にはダメだろうって…(w
期待されていた方々スミマセン…

>>231:名無し読者さん

 レスありがとうざいます〜
 加護ちゃん…
 はうっ…
 しまった…すっかり忘れていた…(w
 実際どうなるんだろうか…
 作者でも想像が…(w

>>232:ペプシさん

 ありがたいお言葉、ありがとうございます〜
 ののかおは、ゲーム中でいえばすぐ出てくるのですが…(w
 この物語だと、そぉ〜とぉ〜先になりそう…(w
 その時までお待ちくださいね(w

242 名前:作者 投稿日:2001年09月25日(火)01時39分55秒
>>233:パスカルさん

 (w
 すごいパーティーですね(w
 ある意味賭け的な…
 でも、ダーマの神殿以降はホント最強なパーティーですね(w

 自分は王道の片一方で、勇者、武道家、僧侶、魔法使いでした。
 2回目は、遊び人を魔法使いの代わりに入れてましたけど(w

>>234:名無し読者さん

 なるほど…
 でも、結構レベルの上がった商人を手放すのは結構きつくありませんでした?

 街イベントですか…
 これはある意味、この物語のメインイベント的なところです。
 思えば、これが浮かんだからこれを書こうかと思ったくらいで…
 この出来事とメンバーの事を色々と組み合わせようかと…
 まだまだ先ですが、今から書くのが一番楽しみなところです。

243 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月25日(火)22時33分00秒
おっ、更新されている!やったあ〜!
ところで、こういう矢口&後藤のカラミを読んでるとア○ヒ芸能の記事が本当に
でたらめであることを願ってしまう。。。

後藤〜、脱退はもうちょっと待ってくれよ〜ってな感じで更新期待!!
244 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月26日(水)00時18分43秒
〜〜〜〜〜〜

 「うわぁ…深そう…」
 
 ごっつぁんの心配そうな声が、井戸の底に響いてこだまして返ってきた。
 ごっつぁんの言葉通りその井戸はかなりの深さだったが、普通に考えられる井戸とは違って、
 コケとかが全くなく普通の建造物のように感じられ不思議な雰囲気をかもし出していた。

 ただそれにもまして不思議な雰囲気を助長させていたのが、井戸の中のハシゴだった。
 その2つの組み合わせに滑稽ささえ感じさせるハシゴ。

 「降りれそうかな…」
 
 あまりの深さに不安になるごっつぁんだが、
 あたしにはそんなごっつぁんとは反対で不思議と不安感が出てこなかった。
 
 それはドラクエの世界だけとはいえ、【職業】を自分で取り、
 その時にホンモノのナイフを持った事も影響しているのかもしれない。

 もう気分はドラクエの冒険者ってカンジかな♪

245 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月26日(水)00時20分36秒
 そこでフト気づく。
 
 「ごっつぁん…《それ》だったら…」
 
 そう言って、あたしはごっつぁんの下半身を見る。
 タイトなスカートがいかにも動きにくそうだった。
 
 「それは大丈夫…なんとかあげるから…」
 
 さらっと言うごっつぁん。
 
 「そう…」
 「それより大丈夫かな…」
 「大丈夫だよっ!!」
 「えぇ〜じゃぁやぐっつぁんお願い…先にいって…」
 
 そんなごっつぁんの言葉にも、アイサッと余裕で返すあたし。
 どこかココロの中で自分がカッコよく感じられてきた。
 普段の運動神経のいいごっつぁんが、あたしに頼ってきてるってカンジで嬉しくもなってきた。
 怖さもモーニングで歌を歌っている時のワクワク感に代えられそうな気がしてくる。

246 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月26日(水)00時21分38秒
 「仕方ないなぁ…ごっつぁんそのカッコだからあたしが後ろの方がいいのに…
  それに、あたし【踊り子】だしね…
  ごっつぁん【戦士】だよ…」
 
 はしごに触りそれほど揺れない事を確認したあたし。
 更に余裕が出てきた為に、こんな冗談まで飛ばしていた。

 「ううううっ」
 
 そんなあたしの言葉に泣きそうな顔になったごっつぁん。

 カワイイなぁ…ごっつぁん…
 ごっつぁんにカッコイイとこ見せるためにもっ♪

 よしっ♪

 そぉ〜っとハシゴに足を掛けるあたし…

 さっき揺れないと確認したが、実際に足を掛けると、
 やっぱり怖さがワクワク感を上回ってきそうになってきた。
 それを必死で押さえ込むあたし。

247 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月26日(水)00時23分00秒
 それを心配そうに見ているごっつぁん。

 心配させまいと笑顔で返すあたし。

 うわぁ〜ちょっと無理してるかな…

 そんな心配をしていたあたしだったけど、いざハシゴに足と手を掛け全身を預けたりすると、
 さっきの怖さが消えつつあった。

 また余裕が出てきそう…

 上を向きごっつぁんに言う。

 「大丈夫だよっ♪」
 その言葉に安心したのか、持っていたミュールを手に持ち、周りを見回した。
 誰も見ていないのを確認してから、スカートをがばっと捲くり上げ、
 さっと…のつもりだろうけど、こっちからみたらゆっくりとハシゴに足を掛けてきた。
 『はやくっ』ってココロの中で思っても、少しの間、それを見守る。

248 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月26日(水)00時24分28秒
 ごっつぁんのオシリがパンティーごしにすごいイヤラシイ角度から見えてくる。
 スカートを捲くり上げているからモロにイヤラシイ…
 こんな角度からごっつぁんのパンティー姿見たの、世界中探してもあたしだけだろうね…
 たぶん…
 いや、きっと…絶対…

 「ちょっとやぐっつぁん…あんまりジロジロ見ないでよっ」

 どきっ

 普段ホテルの部屋とかだったら平気で裸で歩いているのに…

 「さすがに真下から見られるのは恥ずかしいってばっ」

 あたしのココロを見透かしてか、足をモジモジさせつつも、
 的確な言葉を投げかけてくるごっつぁん。

 そのモジモジがやけにそそってくる…

249 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月26日(水)00時25分38秒
 
 「うん
  確かに…H」
 
 「だからっ
  早く下向くっ!!」

 どきどき

 「ごめん…やぐち、反抗期だ」
 「もおぉぉ〜」

 今にも足が飛んできそうになったので、さすがに下に視線を下ろした。
 もう真面目に行かなきゃね…

 「ごっつぁん、大丈夫?行ける?」
 「大丈夫…いけそう…」
 あたしの真面目な問いかけに、やっと真面目な表情になったごっつぁんの言葉が帰ってきた。
 もう一度チラッとごっつぁんをHそうに見てから下に進んだ。

250 名前:作者 投稿日:2001年09月26日(水)00時34分54秒
>>243:名無しさん

 レスありがとうございます〜
 あ、あの記事ですね…
 あれは見てないですけど、某フジのとくだね?かな…その芸能でしりました。
 「ごまき脱退!!」を見て「ええぇぇ!!!」って思いましたけど、
 次の瞬間、「アサヒ○能」の文字を見て、「なぁ〜んだ…ガセか…」って(w
 前チュウさん?も『あくまで、あくまで、あくまでこの記事を信じるならですよ!』
 って、念をかなり押してましたし(w 
 まぁ、たとえ脱退するとしても、それは事務所が仕組んだ事になるでしょう。
 裕ちゃんの事もあり。自分の裕ちゃん脱退ネタで書いた小説にも書いたのですが(w
 事務所としては、モーニングで活動させるより、ソロの方がお金も入ってくるでしょうし(爆
 でも、芸能活動が完全に止めになったらごっちんの意思でしょうね…(涙
 事務所に反対署名でも送ろうかな…
251 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月26日(水)08時11分01秒
いどまねき は出てこなかったかよかった。
出てたら全滅で、矢口一人じゃ棺桶引っ張るの辛いだろうな。(w
ってIIIでは出ないか。

>>250
その記事見てないけど(あぷろだにあるかと思ってるけど無いみたい)、
矢口が後藤をいじめてるとかそんなの?
よっすぃーに手を出してる後藤に嫉妬して…とか、また別の方向で萌えてしまう私。(w
252 名前:名無しです 投稿日:2001年09月26日(水)19時50分08秒
変なことかきこんでホンとすみませんです。
いじめは嘘でしょう・・・だって矢口が後藤を無視してるって?テレビで1番後藤に
話題ふってんのは矢口じゃないですか!ア○ヒ芸能は信用ならないから(w

と、前フリはこのへんで・・・
何気に、この小説は毎日更新してるか確認してるくら気になってます。
ドラクエやってたんで、楽しみも倍増ですね!
作者さんの書き方がうまいんで、世界観がつかみやすいです。自分的には、やっすー
の出番が楽しみ・・・
253 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月27日(木)00時18分21秒
 その中は真っ暗ではなく、所々に灯りがあった。
 どうして光っているのか分からなかったから、近付いて見たりしたが、
 それが何なのかわからない。
 ごっつぁんと顔を見合わせては不思議そうにそれを見る。
 ろうそくではなく、電気でもない、何かわからない《もの》が光っていたんだ。
 ただ、それがこの洞窟(井戸)を物々しさを増大させていた。

 「どこの洞窟もこんなカンジかなぁ…」
 ごっつぁんの言葉がやけに響いて聞こえてきた。
 ミュールの音もやけに耳に残る。
 「それだったらね…いいんだけど…」
 「ゲーム中だったら明るいよね…」
 「うん…」
 あたしははしごを降りている時より緊張しているのか、言葉数も減ってきた。
 そんなあたしを気遣ってかごっつぁんがさっきからずっと話しっぱなしだ。
 普段こんなにごっつぁんの方から話してくるって事は少ないんだけどね…

254 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月27日(木)00時20分15秒
 悪いなぁって思いながらも、洞窟(井戸)の雰囲気に呑まれそうになり、
 思わずぎゅうとごっつぁんの腕を力を入れて握ってしまった。

 「大丈夫だよ…」
 あたしの不安感を感じ取ってくれたのか、ごっつぁんもあたしの腕を強く握ってくれた。
 その腕が【戦士】ってカンジであたしを守ってくれそうなカンジがし、頼もしくなってきた。

 あっ…

 いつの間にか、井戸に入る前とは立場が代わっていたあたしたち。

 情けないなぁ…

 入る時あんだけ豪語してたのに…

 と、更にしばらく歩いたあたしたちの目に、フト強い明かりが入ってきた。
 さっきまでの明かりとは違い、今度のそれは明らかに人工的な明かり…
 歩む歩幅も自然と大きくなってくる。

255 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月27日(木)00時22分19秒
 「何だろ…」
 「うん…」
 相変わらずあたしは口数が少なかった。

 狭かった洞窟を抜けると、そこは急に開けたカンジの場所になっていた。
 建物一軒が丸まる入っているくらいの大きさの空間がそこにはあった。
 そう…建物がそこにはあったんだ。

 ただ、上の街にあったきちんと整えられた建物とは違い、少し寂れたカンジのした建物だった。
 さっきの明かりは建物から漏れて来る部屋の明かりだったんだ。

 近くに寄ると、その様子が更にわかってきた。
 その家にはドアが1つあり、
 その上にこの建物とは似ても似つかないくらい綺麗に装飾された看板が置かれてあった。
 その看板には【スライム】ではなく…【スライム】の頭に王冠がのった…
 何だっけな…【キングスライム】だっけ…
 そんなカンジの絵が書かれていた。

 なんだろ…これ…

256 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月27日(木)00時23分42秒
 「何の絵かな…」
 「キングスライムだよ…」
 あたしの質問にごっつぁんがさらっと答えてくれた。
 
 それに続き、更にあたしが疑問に思っていた事を答えてくれた。
 「たぶんこれは…【小さなメダル】の王様のウチだと思うよ…」
 「はいはいはいはいはいはいはい」
 ごっつぁんの自信満々の言葉に妙に納得してしまうあたし。

 そう言えばそんなのがあったんだ…

 結構重要なものが貰えたよね…
 
 へぇ〜

 なんだか面白そう…

 「入ってみる?」
 「いいねぇ〜」
 気になっていたあたしには、ごっつぁんの提案は断るはずがなかった。

257 名前:作者 投稿日:2001年09月27日(木)00時45分06秒
>>251,252

 自分の思っていたのはちょっと古かったみたいですね(w
 「アサヒ○能」みたいなのを信じていたら、娘。はもう10回は解散してますから(w
 自分はああいうの読むと萎えるんで、いつもこういう所で読者さんや作者さんが、
 『○○みて萌えた』とか書かれた雑誌は見てます(w
 って言っても今まで一回かな…
 加護の口元についたケーキのクリーム(かな?)を、
 やぐちがペロッって舐めて取ってあげたなんて記事は萌えたなぁ(w
 他にもあるのかなぁ…

258 名前:作者 投稿日:2001年09月27日(木)00時46分16秒
>>251:名無し読者さん

 レスありがとうございます〜
 いどまねきはないですね(w
 やぐち1人だとたぶん棺桶引っ張るのは無理のような気が…(w

 自分は梨華ちゃんをいじめてる時、フト思って萌えてました(w

>>252:名無しさん

 いえいえ全然かまいませんよ(^^)

 気にしないのが一番ですね(w
 そういえば、やぐちは後藤がタイプですから(w(注:初対面)

 お褒めの言葉すっごい嬉しいです(^^)
 書く方も励みになります♪
 やっすぃーは重要ですよっ(w
 大活躍してもらいます(w
 ただ、このペースで行くと出てくるのは2スレ以上先か…おいおい
259 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月27日(木)23時49分20秒
〜〜〜〜〜〜

 「【メダルのやかた】へ、ようこそっ!!
  ここのご主人はああ見えてもとても偉大なお方。
  きっとあなたたちのお役にたちましょう」
 
 ノックをし、建物に入ったたあたしたちを最初に出迎えてくれたのは、
 少し若いくらいの青年だった。
 まるでゲームの中のセリフそのままに…

 その奥にはちょび髭を蓄えたいかにも恰幅のいいおじさんが、
 いかにも楽しそうにあたしたちを眺めていた。
 最初はあたしたちを見ていたが、その興味はいつの間にかあたしたちの荷物の方に移っていた。
 ちょっと罪悪感を感じるあたしたち。

 そりゃそうだ…

 小さなメダルなんて全くもってないのにやってきたのだ…

 「あの…」
 ごっつぁんが何かを言おうと口を開こうとしたら…

260 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月27日(木)23時51分25秒

 「よくぞ来た!
  わしは世界中の【小さなメダル】を集めているおじさんじゃ!
  もし、おぬしが【小さなメダル】をもっていたら、それをいいアイテムに代えて頂きたいのじゃ。
  とってもいいアイテムじゃ。
  どうじゃ?今持っていないかな?」
 
 このメダルのおじさんも、ゲームの中のセリフそのままといった言葉を、あたしたちに掛けてきた。

 顔を見合わせ、ちょっと笑ったような笑ってはいけないような、
 中途半端な表情になる2人。

 「はぁ…ちょっと…」

 でも、せっかく来たんだから、聞ける事だけでも聞いておこうと思ったあたしは、口を開いた。

 「まだ見た事なくて…どんなのかなぁ〜って思いまして…」
 「おぉ〜そうなのか…それじゃぁわからんなぁ…
  ほれほれ、これじゃ…」

261 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月27日(木)23時53分04秒

 そう言って、後ろの、ゲームの中だとおなじみの【宝箱】から取り出したのは、
 一円玉よりも少し小さな金色の可愛らしいメダルだった。

 その表面には☆の模様が描かれ、その☆の周りには小さな○模様が星を守るように描かれていた。

 「「うわぁ〜カワイイィ〜」」

 思わずあたしたちが声に出してしまうほど、【小さなメダル】は可愛らしいものだった。

 「「はぁ〜」」
 感嘆の溜息まで漏れる。
 「そうじゃろそうじゃろ」
 そんなあたしたちの様子に嬉しそうになるおじさん。

 「これを見つけてきてくれたら、すっごいイイアイテムと交換しようという訳じゃ
  どうじゃ?頑張って集めんか?」

 こんなにカワイイメダルだったら、別に交換条件がなくっても集めたくなっちゃうよ。

 あたしたちはしっかりと頷いた後、その家をあとにした。

262 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月27日(木)23時54分44秒
〜〜〜〜〜〜

 ヒサブリに見る太陽…それはもう大分傾いたものになっていて、黄金色に変わっていた。
 いつの間にか、かなり日が落ちていたんだ。
 
 井戸からヒサブリの地面に飛び降り、1つ伸び。

 う〜ん

 出てくるごっつぁんに手を差し伸べる。
 「ありがと…
  もうだいぶん時間たっちゃってたんだ…」
 
 出てくるなり伸びをしながら、ゆっくりとごっつぁんが言ってきた。
 それに相槌を打つあたし。
 
 ほんのちょっとの短い冒険だったけど、結構緊張してしまった。
 でも、これからある長い冒険の手始めにはよかったかもしんない。
 まぁモンスターが出ないってのは分かっていたから、
 その分緊張感は減っていたんだろうけどね…

263 名前:12〜【アリアハン城下町】小さな冒険〜 投稿日:2001年09月27日(木)23時55分45秒
 そこでハッと思い出す。

 そう…お城の事だ。
 入れそうなら入ろうってさっき来る時にごっつぁんに言ったけど…

 たぶんこの時間だったら、もうお城の中には入れないような気がする。
 ホントは入って色々と見たかったけど、こんなに日が傾いていたらちょっと無理だろう。

 「ねぇごっつぁん…」
 「何?」
 「お城はどうする?」
 ちょっと考えこんだような表情…
 「無理っぽいね…」

 あたしたちはちょっと諦めめつつも、わずかな期待を持ちながら、
 お城の方から回って帰る事にした。

 もちろんお城の城門は上がっていたけど…

264 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月29日(土)03時09分25秒
時間の概念があったのはIIIでしたっけ。
そうでなかったらいつでも城にはいれますね(w

もうだいぶわすれてるけど、夕方になるまで町の外でうろうーろしていた記憶が。
265 名前:13〜【マリの家】出発前夜〜 投稿日:2001年09月30日(日)00時05分15秒
13〜【マリの家】出発前夜〜

 「おかえりなさい〜」
 
 あたしたちを出迎えてくれたのは、マリちゃんのお母さんだった。
 あたしたちが出るまえにソファで寝ていたマリちゃんは、
 おじいちゃんと勉強らしく外に出ているんだって。
 
 で、なっちと加護はまだ帰ってきてないとの事。
 なっちと加護が帰って来てない事に、顔を見合わせて心配そうな表情になるあたしとごっつぁん。

 「大丈夫だよ
  【魔法使い】と【僧侶】って職業は難しくってね…
  もうちょっと掛かると思うよ。」
 そんなあたしたちの心配そうな表情に、奥から声を掛けてくれたのはリサさんだった。
 丁度着替えて上から降りてきたトコロみたいだった。
 
 その姿を見て、ちょっと驚くあたしたち。
 さっき【ルイーダの店】で会った時のオトコの人っぽい動きやすい軽装とはまた違って、
 今度はやたらと大人びた服装をしていたからだ。
 あたしたちの世界でいうYシャツみたいな、小さなボタンのついた白いシャツに、
 綿のような黒系のパンツを穿いていた。
 その色にショートの髪の金髪がよく映えていた。

266 名前:13〜【マリの家】出発前夜〜 投稿日:2001年09月30日(日)00時07分08秒
 こうやって見ると…
 そぉ〜とぉ〜カッコイイ系かも…

 「あっ…もう準備終わったのですかぁ?」

 リサさんの登場に、さっきまでぼ〜っとしていたごっつぁんの顔が急に輝いた。

 「まぁね…」
 と、クイと玄関のそばに荷物をアゴで指す。

 そんな顔を赤くしているごっつぁんを片目で見やりながらも、
 そう言えば…と思い、ドアを入った所にあった荷物に目をやった。

 最初入って気づいた時には、これから旅に出るのに使う荷物としては小さ過ぎたから、
 誰のものなのか気づかなかったのだけど、そう言えばと、気づく…

 確かに戦いながら旅をするにはあまりにもの大きい荷物は邪魔になるだけだろう…
 丁度いい大きさなのかもしれない。
 あたしたちがよくコンサートで行く時に持っていく荷物と比べたら、
 その大きさの違いは歴然とした差が感じられた。

 「リサから聞いたけど…明日出発なの?」
 「あっ…はい…色々とありがとうございました。」
 「ありがとうございました。」
 あたしのありがとうの言葉に続いて、ごっつぁんもお礼の言葉を言った。
 それに、目を細めるマリちゃんのお母さん。

267 名前:13〜【マリの家】出発前夜〜 投稿日:2001年09月30日(日)00時09分35秒
 「マリが悲しむと思うわ…」
 
 その言葉に、何も返せないあたしたち。
 リサさんも何も言えないのか、あらぬ方向を見ていた。

 そんなあたしたちの態度に、気を使ったマリちゃんのお母さんはスッと話題を変えてくれた。

 「あっ…そうそう…
  何か必要なものがあったら言ってね。
  用意出来るものなら用意するし。」
 これ以上迷惑の掛けられないあたしたちは、やんわりと断ろうと口をあけようとしたら、
 それをリサさんの言葉が遮ってしまった。

 「ホント!?
  たっすかる〜
  じゃぁねぇ〜」
 「あんたじゃないのに…
  でも、まっいいわ
  マリさんやマキさんだと言いにくいしね」
 そんな2人のやり取りにちょっと笑ってしまったあたしたち。

 でも、あたしの中ではマリちゃんの事が気になって仕方なかった。

 そんなあたしの後ろで聞こえたマリちゃんのお母さんの『今夜はパーティーね♪』の言葉が、
 やけに寂しく聞こえたのはあたしだけだろうか…

268 名前:13〜【マリの家】出発前夜〜 投稿日:2001年09月30日(日)00時11分30秒
〜〜〜〜〜〜

 「あの…会ったばっかりだったのに、こんなに歓迎してくれてホント感謝してます。
  まさか2日も泊めて頂き、こんなに沢山の料理を頂き、ホントありがとうございました。」

 そう言ってまず4人でお辞儀。

 みんな、今日あたしとごっつぁんが選んだ、カワイイ系の服を着てくれている。
 2人が帰ってきてから、ごっつぁんの時と同じくまず【職業カード】を見せてもらい、
 その後、今日のあたしとごっつぁんの冒険の成果を発表。
 二人とも目を丸くしながらも、もって帰ってきた服に喜んでくれた。

 そんなみんなの手には、ジュースが握られていた。
 マリちゃんのお母さんとおじいちゃん、リサさんにはお酒だったけど…

 そして机の上には沢山の料理が置かれてあった。
 どの料理もおいしそうな蒸気が立ち、今にも手が出そうになる。

 ぐっとこらえてもう一言。

269 名前:13〜【マリの家】出発前夜〜 投稿日:2001年09月30日(日)00時14分22秒
 「明日旅立ちますけど、これからもこの感謝は忘れません。
  もしまた会えるなら【アリアハン】に遊びに来たいと思ってますし。
  いや、絶対に来ます。」
 
 そう言い、前に並んでいるなっち、加護、ごっつぁんの顔を見て、合図をする。
 
 「今まで…」
 「「「「ありがとございましたっ!!!!」」」」
 
 ぱちぱちぱちぱち

 「こちらこそ
  マリだっていいお友達が出来て喜んでいるしね♪
  ねっ?マリ…」
 そのマリちゃんのお母さんの言葉に俯いてしまったマリちゃん。
 そんなマリちゃんを仕方ないなぁってカンジで見、グラスを上げた。

 「「「「「「「「かんぱぁ〜〜い」」」」」」」」

 ……………………………
 …………………………
 ………………………
 ……………………
 …………………
 ………………
 ……………
 …………
 ………
 ……
 …

270 名前:作者 投稿日:2001年09月30日(日)00時20分09秒
もうすぐしたらこのスレは書き込みできなくなりますね…
もうそろそろ次のに…
せめて旅たたせたかったのですが…(w

>>264:名無し読者さん

 レスありがとうございます〜
 
 たぶん初期IIIにはなかったと思います
 IVからだったかな…?
 スーファミ版にはあります(w
 フィールドのお城の上の2マスでくるくる交互に入れ替わって夜まで待った事も(w
 
 これからもダラダラ行きますけど、ヨロシクお願いしますね〜

271 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月30日(日)16時51分41秒
おお。旅立ちが近づいていますね。
ごまとなっちがいるし、寝過ごしてもう1日ってのもありえそうだけど(w

つぎのスレッドは長編用の空・海のどちらかのほうがいいかもしれませんね。
270レスしかないのに容量制限に近づいてるんですし。
272 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月30日(日)20時57分01秒
私はちなみに3は
勇者・盗賊・商人・僧侶でした。
序盤は少し楽でしたよ。
(今は勇者、賢者(元盗賊)、武闘家(元商人)、賢者(元僧侶))
273 名前:花板作者 投稿日:2001年09月30日(日)21時20分18秒
>264,270
 時間の概念は、初期IIIにもありますよ。
 そうじゃないと、テドンの村が困るでしょ。

 いつも読んでます。
 この手の冒険話は、結構つまらないものが多いなあ、と思っていたので、これだけ面白いと、どこまで長くても楽しめます。
 自分のとこ、今日完結したけど、これがここにある限り、毎日見にきそう。
 でも、そろそろ移転ですね。
 今後も、ひたすら戦闘みたいな展開じゃなく、こんなほのぼのも混ぜつつ、楽しませて下さい。
274 名前:13〜【マリの家】出発前夜〜 投稿日:2001年10月01日(月)21時05分05秒
〜〜〜〜〜〜

 「マリちゃんと加護はどうしたのですか?」
 
 酔い覚ましから帰ってきたあたしは、マリちゃんと加護がいなくなっているのに気が付き、
 ドア近くのソファに座っていたリサさんに聞いてみた。
 
 そのリサさんの隣にはごっつぁんが初めてのお酒を手に、
 顔をぽぉ〜とさせ一緒に座っていた。
 その顔は、女のあたしが見てもドキッとするくらいの色っぽさをかもし出している。
 
 「さっき上に寝に行ったよ。」
 「あっ…そうなんですか…」
 と、言ってその隣のごっつぁんに目をやる。
 「そ、そんなに飲んでないのよっ
  そ、それにちょっとだけワインで割ったジュースだから…
  1%あるかないかくらいだよ」

 あたしの視線に慌てたように取り繕うリサさん。
 そんなリサさんを甘ぁ〜い目…トロンとした目で見ているごっつぁん。

 えへえへと可愛らしい笑みまで浮かべている。

 リサさん…なんだかあたしには確信犯のような気がしてならないッス。

275 名前:13〜【マリの家】出発前夜〜 投稿日:2001年10月01日(月)21時07分28秒
 「こんなに弱いなんて…知らなかったんだよ
  ごめん」

 『いいですよ』と言ってごっつぁんの隣に座るあたし。

 そんなあたしの目に、流しで洗い物をしてるマリちゃんのお母さんに、
 テーブルで肘をつきながらちびりちびりお酒に手を出しているなっちが目に入った。

 おいおい

 なっちって弱いだろっ

 「ナツミちゃんも弱いのあげたら、ああなっちゃった」
 そう言ってえへっと笑うリサさん。
 ちょっとキャラが違うと思うけど、かわいいじゃん。

 「ごっつぁん頼みますよ」
 「はいはい」
 2人っきりにしたら、もしかしてヤバイかもって思ったが、
 なっちの方が気になったあたしはとりあえずなっちの方に歩いていった。

276 名前:13〜【マリの家】出発前夜〜 投稿日:2001年10月01日(月)21時16分52秒
 「ほえっ…やぐちぃ〜〜〜ぃ〜〜
  ほいっ!!」
 梨華ちゃんの恋レボ並みの振りヨロシクに、そう言って持っていたグラスを出すなっち。

 『もうそろそろやめなよ』って言ったあたしだが、『大丈夫ぅ大丈夫ぅホレホレぐいいっと』
 って手を目の前で振りながら言うなっちのそれには断れず、
 無意識の内に手にグラスを受け取っていた。

 グラスを受け取り座ると、あたしの正面になっちの真っ赤になっている顔が目に入ってきた。
 目が泳ぎ、ごっつぁん同様、トロンとしている為か、その可愛さが余計に感じらる。

 なっちは、あたしとなっちが気兼ねなく話せるようになった時からの親友だけど、
 その関係は全く変わる事はなかった。
 
 そりゃ他のみんなとも仲がいいけど、なっちとの親友関係が一番のような気がする。
 何でも言えるし、相談も出来る(そりゃ地元にもいるけどね)。
 
 よっすぃーと話す為になっちを使っちゃった時もあったし。
 最初なっちが『よっすぃーとそんなに話した事がない』って言ってたから、
 なっちを口実によっすぃーに強引に話に行った時もあった。
 
277 名前:13〜【マリの家】出発前夜〜 投稿日:2001年10月01日(月)21時25分22秒
 まっ今だとそんな事する必要はないんだけどね…

 他にも…

 「やぐちぃ〜〜〜」
 あたしの耳になっちの涙声が聞こえてきた。

 泣き上戸だっけ?なっちって…
 「どした?」
 「みんなに…ひっく…会いたいよぉ〜…ぐすす…」

 …………………

 なっちの一言に何も言えなくなったあたし。
 やっと出てきた言葉が…

 「そうだね…」

 あたしだって会いたい…

 ゆっくりと頭を抱き寄せ、よしよしと撫でている内になっちから小さな寝息が聞こえてきた。

 「ナツミちゃん大丈夫?」
 そう言って水の入ったグラスを机に置いていってくれたマリちゃんのお母さんに1つお礼をいい、
 あたしはなっちを赤ちゃん抱っこし、ほっぺをぺちぺちと叩いた。

 そんなあたしの呼びかけにはなっちは全く反応なし。

278 名前:13〜【マリの家】出発前夜〜 投稿日:2001年10月01日(月)21時27分35秒
 「もう遅いから上で寝かせてあげた方がいいんじゃないかしら…」
 「そうですね…じゃぁちょっと連れて行ってきます。」

 ぐいっとなっちの上体を起こさせるが、もちろん何も反応のないなっち。

 「手伝おうか?」

 いかにも重そうになっちを背中に担ごうとした小さなあたしを哀れに思ったのか、
 リサさんまで声を掛けてきてくれた。

 「いえ、大丈夫だと思います…」
 
 そう言ってから後悔するあたし。
 ちょっと申し訳ないように…

 「もうちょっとなっちを背中の上の方に上げてくれませんか?」

 そんなあたしのうめきに近い声に、リサさんは苦笑いを浮かべながら、
 よいしょっとなっちのカラダをラクラクと抱えてくれた。

 「あたしが連れてくから大丈夫」

 にっこり、そう言ってなっちを抱え、階段を上がっていくリサさんの背中を眺めながら、
 あたしは思った。

 リサさんだから、怖いんです

279 名前:13〜【マリの家】出発前夜〜 投稿日:2001年10月01日(月)21時28分52秒
〜〜〜〜〜〜

 「ねぇ〜〜ぇ〜〜
  真希ちゅぁわぁ〜んん〜ん〜ん〜
  お風呂に一緒に入ろうよぉ〜〜〜」
 
 あたしの甘えたカワイイ呼びかけにも全く反応なしのごっつぁん。

 さっき、『そう言えば』と、昨日お風呂に入っていなかったのに気づいたのだ。
 気づいても後の祭り。
 ごっつぁんはしっかり熟睡しきっていた。

 「はぁ…」

 「お風呂、もう少ししたら沸ききますよ」
 そう言って家に入ってきたマリちゃんのお母さんに1つお礼を言って、
 もう一度ごっつぁんを起こしに入る。

 「ねぇ〜〜ぇ〜〜」
 「どうしたの…?やぐちちゃん」
 
 その声にビクッとなるあたし。

 この声は…

280 名前:13〜【マリの家】出発前夜〜 投稿日:2001年10月01日(月)21時29分36秒
 「あっリサ…
  マリさんがね、1人でお風呂に入るのは…」
 「あっそうなの?」
 
 マリちゃんのお母さんが最後まで言い切る前に、リサさんは言葉を挟んできた。
 もしかして…

 「じゃぁあたしが一緒に入ったげようか?」

 やっぱり…

 「あっ…あの…」
 
 もういい…入らないよりマシだし…

 「お願いします」
 そう言って真っ赤になって俯くあたしを、裕ちゃんならガバッて…

 「かっわいいぃ〜〜

 やっぱり…

281 名前:作者 投稿日:2001年10月01日(月)21時56分52秒
やっぱり無理か…
次か、その次からは新しい板で続きを頑張りたいと思いますんで、
これからもヨロシクお願いしますね〜


>>271:名無し読者さん

 (w
 なっちごごっちんが2人だと…確かに(w
 とりあえず、ネタとして入ってます(w

 次はホント長編の方がいいですね…
 ホントは同じ板の方がいいのですが…
 どこで書こう…

 次に行ってもヨロシクお願いしますね〜

>>272:名無しさん
 
 それってかなりマイナーな組み合わせですよね…
 3回目から出来そう(w
 そこから2人の賢者ってすごいですね〜
 あっ、これからもヨロシクお願いしますね〜

282 名前:作者 投稿日:2001年10月01日(月)22時04分53秒
>>273:花板作者さん

 あっ…そうでしたね…テドンがあった…(w

 書いてる者にとって嬉しいお言葉ホントありがとうございます〜
 すっごい嬉しいです(^^)
 これからも戦闘シーンよりこのようなほのぼの系の方が多くなるような気がします(w
 物足りない方も多いと思いますが、そう言って頂けるとホント嬉しいです(^^)
 これからもヨロシクお願いしますね〜
283 名前:272 投稿日:2001年10月02日(火)19時43分17秒
よろしくお願いします。
ちなみに武闘家は転職しまくって賢者LV20までの技、遊び人の技を覚えた
ため楽だったです。
この初期パーティは性格さえよければかなりいけます。盗みまくるし、
拾いまくるし・・・。

284 名前:作者 投稿日:2001年10月04日(木)00時49分26秒
移動する事にしました。場所は海板にしました。
もしよろしければこれからもヨロシクおねがいします〜



http://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=sea&thp=1002123857&ls=25

>>272さん

 性格さえよければ(w
 三回目に遊び人入れたのですが、性格悪くてホント苦労しました(w
 最初Lv.20で賢者に転職できるって知らなかったんでなめまくってました(w
 Lv.20になりますと、ホント楽ですもんね…

 あっ、移動しましたけど、これからもヨロシクお願いします〜


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