インデックス / 過去ログ倉庫 / 掲示板
のの太郎とかごや姫2
- 1 名前:レイク 投稿日:2001年08月29日(水)03時28分25秒
- モ板(羊)で、のの太郎とかごや姫、一寸ヤグチを書いていた者です。
その2作品の続編となる物を書かせていただきます。
童話をミックスしてSF風味を加えた小説です。
前作の小説は
http://yokohama.cool.ne.jp/reiku
にありますので、この作品を読む前に読んでいただけると話がわかると思います。
- 2 名前:プロローグ 投稿日:2001年08月29日(水)03時29分38秒
- *のの太郎とかごや姫の鬼退治からおよそ二年の月日が流れたある日のことじゃった。*
*その日はのの太郎は家族と居候は昼食の準備をしておったそうな。*
*そのとき、のの太郎の家に光の玉が現れ、突如、その光の玉は光を放ち家は光に包まれた。*
*そして、その光の中から、人が現れたそうな*
- 3 名前:2121年 投稿日:2001年08月29日(水)03時31分04秒
- 「アンドロイドTYPE01S22-5飯田圭織モデル001よ、今回のミッションは、
江戸時代に存在したといわれる不死鳥のDNA採取である。」
「前回の失敗を踏まえ、耐水・飛行機能に改良した。このミッションでは
更なる擬似感情を開発するミッションも兼ねている。」
「了解シマシタ。」
「基本スペック、稼動状態を報告せよ。」
「CPU、10T(1×10の13乗)Hz。メモリ0.5Tバイト、稼動状態100%デス。」
その時、タイムスリップステーションにEメールが受信された音が室内に響く。
担当者らしき人物は、そのメールを開封し、そのメールを読む。
おもむろに、カオリに更なるミッションが加わる事を説明する。
「後もう一つ、ミッションが緊急的に決まった。」
「アンドロイドTYPE01S26-2加護亜依モデル001の存在がなくなりつつある、
これはおそらく、飯田圭織001が過去へタイムスリップした影響と思われる。
この原因究明と、解決もミッションとする。このミッションは口外してはならないとのことだ。」
「了解。」
「加護亜依モデルは、現在開発中で6年後完成予定であるが、我が国のアンドロイド開発史上
最高作品であるとともに100億ドルの経費をかけた最コストアンドロイドでもある。このアンドロイドが存在がなくなることは我が国の大きな損失となる、必ずやこのミッションだけでもクリアするのだ。」
「了解。」
「スマイルを忘れずにな。」
「了解。」
カオリはニコッと微笑む。
- 4 名前:2121年 投稿日:2001年08月29日(水)03時31分47秒
- 「では、江戸時代の衣服に着替えなさい。」
カオリは服を渡され、その服を着た。
「では、タイムマシーン転送ルームに乗れ。」
「ハイ。」
シャワールーム大の空間に入るカオリ。
<準備は完了か?>
「ハイ、所定位置ニスタンバイシマシタ。」
<前回のタイムスリップ年代との誤差は±5年以内である。タイムスリップ完了後、年代、時間、場所を確認せよ>
「了解。」
<カウントダウン、10,9,8,7,6,5,4,3,2,1、GO!!>
光に包まれるカオリ。
・
そしてカオリはのの太郎の家に現れた。
- 5 名前:レイク 投稿日:2001年08月29日(水)03時33分07秒
- 今日はここまでです。更新はゆっくり目です。
よろしくお願いします。
- 6 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月29日(水)15時34分07秒
- おお!花板で始めたんですね。のの太郎とかごや姫1から読んでいた者です。
がんばってくださいね!
- 7 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月29日(水)20時06分24秒
- あった、、(^^)
羊で1の方はドキドキしながら、読んだのを思い出します、。
今回も楽しみにしています。
あ、それから、一寸ヤグチの方は、途中から読んでないのですけど、羊が復活したら
最後まで読みますね。
- 8 名前:名無しさん 投稿日:2001年08月29日(水)22時56分00秒
- お、オープニングから未来ロボ!!
期待できて(・∀・)イイ!
- 9 名前:影裏@元・名有り 投稿日:2001年08月29日(水)23時27分08秒
- レイクさん頑張ってください
- 10 名前:2001.8.19 投稿日:2001年08月30日(木)03時41分34秒
- 24時間テレビ24「愛は地球を救う」放送後の深夜。
打ち上げが終了したあと自宅に帰宅した加護。
「ただいまぁ〜。」
靴を脱ぎ、自分の部屋へと戻る。
バックを投げ、ベッドに飛び込む加護。
「疲れた…。ふう。」
仰向けになり、天上を見つめる。
「今日も生きてた…。」
そうつぶやく加護。
蛍光灯にむけて手をかざす。
ほんのり指先が血が通っている事がわかる。
「生きてる…。」
(最近、ウチはおかしいねん。なぜか身体が消えんねん。)
(なんていうか、透明…。自分の存在が消えそうで…。)
枕を取り寄せ枕を抱きしめた。
(ウチ…どうなってしまうんやろ…。)
不安なまま、疲労に負け、そのまま加護は眠りについた。
- 11 名前:豆。 投稿日:2001年08月30日(木)03時41分35秒
- 期待してますぞ。
頑張ってくらさい。
- 12 名前:2001.8.19 投稿日:2001年08月30日(木)03時42分17秒
- そして、加護はその深い眠りの中で夢を見た。
夢の中で加護は白い空間の中でふわふわ浮かんでいた。
その時、加護の耳に声が聞こえてきた。
「ウチを助けて…。」
「だれ?」
その言葉に答える加護。
「ウチはあんた、あんたはウチ…。」
「どういうこと…。」
「ウチ…氏んでもうてん…。ウチが氏んだ事で、あんたのいる世界にも影響が起きとる…。」
「…………。」
「あんたしか…ウチを助ける事は出来へん…。ごまちゃんと一緒に…。」
そのあと、声はぷっつりしなくなる。
「ねぇっ!!どうゆうことやねん!!ねえっ!!ねえっ!!」
夢の中で一生懸命叫んでいるとき、目覚めは訪れた。
朝日が窓に差し込んでいる。
「朝か…。」
「なんやったんやろか…。」
加護は、起き上がりトイレへ向かった。
- 13 名前:2001.8.19 投稿日:2001年08月30日(木)03時43分18秒
- 洗面台の前に立ち蛇口を捻り軽く水をすくい顔を洗い、
次に石鹸をとり、あわ立てる。
そして、今度は石鹸の泡で丹念に顔を洗う。
そして、泡を水で流し再び鏡を見つめる。
その刹那、自分が透け始めた。
「!!!!!!」
自分の手を見るとやはり洗面台が手の向こうから透けて見える。
再び鏡を見ると徐々に透度は濁っていき元に戻る。
「どうして…。」
その場に蹲り自分を強く抱きしめる加護。
「どうなってまうの…ウチ。」
やがて、仕事に出かけなければならない時間となり、加護は着替えて
収録のためテレビ東京へ向かった。
- 14 名前:レイク 投稿日:2001年08月30日(木)03時48分14秒
- 今日はここまでです。
>>6
今後もよろしくお願いします。
>>7
上記のURLに飛んでいただければ一寸ヤグチを読む事が出来ます。
>>8
カオリを久し振りに出しました。改良されています。(w
>>9
はい、がんばります。
>>11
ありがとうございますがんばります。
- 15 名前:レイン 投稿日:2001年08月30日(木)21時22分35秒
- 新スレおめでとうございます。
ひさしぶりです。ラックさんの所でレイクさんが
新しいのを書いてると言う事を知ったので探しました。
教えてくれればいいのに… これからも読んで行きますので
よろしくおねがいします
- 16 名前:JZA−70 投稿日:2001年08月31日(金)00時22分52秒
- よかったのれす。本当によかったのれす……(涙)
ひつじすれ、ずっとひらけなかったのれす…(;´D`)<うあ゛〜ん。
いいらさんのかつやくたのしみれす。さくしゃさんもがんばるのれす。
ふあんもあるのれす。あいぼんのぱしりなのれす。よろしくれす。てへ!
- 17 名前:名無し読者 投稿日:2001年08月31日(金)23時36分22秒
- おお!現代あいぼん登場だ!今回は複雑そうですね。
- 18 名前:2001.8.19 投稿日:2001年09月01日(土)00時25分39秒
- 電車の中で
(あの声はなんやったんやろ…。ウチはあんた…、あんたはウチ…。)
(夢なんていつもろくに覚えてへんのに…。)
(この身体の事も何か関係があるんかな…。)
(あの声は…ウチの声にようけ似てた…。)
「あ〜〜〜わからへん!!」
そう声を大きくしてドアの窓から見える東京の景色に叫んだ。
(ハッ…!!恥ずっ!!)
周りは冷ややかな目で加護を見ていた。
顔を赤くしながら電車を乗り過ごした。
- 19 名前:2001.8.19 投稿日:2001年09月01日(土)00時26分14秒
- テレビ東京の控え室にて
いつもと変わらない風景、いつもと変わらないメンバー
「ハァ…。」
加護は憂鬱さにため息を吐く。
いつもはそんな事を一切気にとめないメンバーが珍しく声を掛けてくる。
「どした?加護。」
「ああ、ごっちん。なんかねぇ、憂鬱。」
(言える訳ないやん、第一信じないし…。)
「ははぁ、恋かな?恋をしちゃいましたか?」
ニタニタする後藤。
「んな分けないでしょ。」
「んじゃぁ、生理だ。」
「ちがいますぅー。」
「なんだぁ?おねぇさんに言ってみな。」
(しつこいなぁ…、ののと遊ぼっ…。)
加護は立ち上がり、辻を探す。
「のの〜?」
居ない、というより楽屋にはいつのまにか後藤と2人っきりだ。
(なるほど、話し相手が居−へんからか…。)
諦めて加護は、椅子に座りなおす。
「加護舐める?リンゴ飴。大丈夫変なの入ってないよ。」
(入れられていても困る…。)
「ありがとう。」
飴を袋から一つ取り出し、口に放り込む。
飴を包んでいたビニールを丸め近くのゴミ箱に投げる。
- 20 名前:2001.8.19 投稿日:2001年09月01日(土)00時26分52秒
- 外れた…。
(なんやかツいてないなぁ…。)
加護は立ち上がってゴミを入れなおそうとしたその刹那
ゴミ箱の中が光り、その光は楽屋を包み込む
「!!!!」
「きゃぁぁぁぁ!!!」
- 21 名前:2001.8.19 投稿日:2001年09月01日(土)00時30分10秒
- >>15
まぁ、宣伝しに行くのもどうかと思ったので。(w
>>16
パシリはまだ未定ですが、そのうちHPで始めるかもしれません。
>>17
そうですね、現代あいぼんです。
- 22 名前:名無しプー 投稿日:2001年09月01日(土)18時26分07秒
- む、初めからいい感じですね
頑張って下さい。期待してます
一番上に、レイクのページのアドレスも!
ん〜、お気に入り登録完了!
- 23 名前:2001.8.19 投稿日:2001年09月04日(火)00時52分35秒
- (この白い空間…夢に出てきた空間に似ている…。)
「なに?ここ…。」
そこには夢と違い後藤が居た…。
「わからない…。」
その時、夢同様、声が聞こえてきた。
「ウチはあんた…。あんたはウチ…。」
「だれやねん!!夢にも出てきて!!しかもこんな事しよって!!」
叫ぶ加護。
「夢ってどういうこと…?この声、加護の声じゃん。」
「えっ…。」
(確かに似てる…。せやけどウチじゃない…。)
「久し振りやね…。ごまちゃん…。」
「ほえっ…?」
その時、2人の間に光が集まり、人型に具現化していく。
中から姿を現したのは加護そっくりの和服を着た少女だった。
「かごやちゃん…?」
「そう、よお覚えててくれたなぁ、ごまちゃん…ウチやで。」
加護は事態が把握できない。
自分が後藤と話している。
でも自分じゃない。
- 24 名前:2001.8.19 投稿日:2001年09月04日(火)00時53分08秒
- ふとこちらを向く少女。
「驚かせたやろ…。」
驚いた、しかし思わず首を左右に振る加護。
「さよか、詳しくあんたに説明するで、加護亜依ちゃん。まぁ、ごまちゃんも聞いてくれへんか?」
「うん…。」
「ええか?あんたはウチの生まれ変わりや。あんたはウチ、ウチはあんた。」
「ウチは、実は本来の寿命よりちょお早く氏んでもうたんや…。ちょっとしたことでな…。」
「そんでなぁ、ウチが早く氏んでもうたから未来に支障が起きてんねん…。」
「あんた、今、時々体が透けるやろ?」
「!!!!!」
「あたりやね…。ほんでなぁ、本来生まれ変わる年が氏ぬ時間が早うなってしもうたから、
ずれてもうてん…。つまり…あんたの存在が消えかけとる…
そして別の時代にウチは生まれ変わろうとしてんねん…。せやけどなぁ加護ちゃん、
あんた消えたないやろ?」
コクッと頷く加護。
- 25 名前:2001.8.19 投稿日:2001年09月04日(火)00時54分00秒
- 「ウチも同じやねん。ウチもののと同じ時代に生まれたいねん…。」
「のの…?」
「そう、のの…。あんたの親友や。前世ではあんたと、ののは姉妹なんや…。」
「信じられない…。」
「信じられんのも当たり前な話やな。せやけど、これからの頼み事頼めんのは、
あんたとごまちゃんくらいしか居−へんねん。」
信じられない、しかし事実、自分の身体は透け始めている。
「何をすればええの?」
「頼まれてくれるか?」
コクッと頷く加護。
「ごまちゃんは…?」
「もちろん後藤もだよ。だって、もしかしたら後藤が過去に行った事がかごやちゃんを
氏なす原因になったかもしれないんだ。後藤にも手伝う責任があるよ。」
- 26 名前:2001.8.19 投稿日:2001年09月04日(火)00時54分38秒
- 「おおきに…。」
頭を下げるかごや。
「ある鳥を見守って欲しい…。ずうっと…ずうっと…。ウチがあんた達をウチの時代のある場所に飛ばすから…。」
「ある鳥…?」
「赤い…炎のように赤い羽根の鳥。その鳥を見守っておいて欲しい…。」
「そんなん良くわからへんよ…。」
「もう…せ…めいし…じかん…あ…ねん。」
うっすらと消えていくかごや。
「ウチ…のの…い…ねん。」
「きこえないよ!!」
かごやが消え去り、何もない空間に戻る。
そしてその空間は突如としてどこかの森の中という空間に変わった。
そう、加護と後藤はどこかの森の中に立っていた。
- 27 名前:レイク 投稿日:2001年09月04日(火)00時57分05秒
- 今日はここまでです。
>>22
ありがとうございます。HPにはこのシリーズの他にも作品を置く予定です。
- 28 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月04日(火)18時34分16秒
- 加護と後藤が到着ですね。落武者平家、なっちは登場するのですか?
- 29 名前:鎮魂歌 投稿日:2001年09月07日(金)02時07分02秒
- 前作の続きですね。どういう展開になるか楽しみです。
正直な話まだ短いので感想書きづらいので早く続きが読みたいです。
続きを待ってます。
- 30 名前:アンドロイド 投稿日:2001年09月08日(土)00時21分24秒
- 光が一通り消え去り、やっと視界が元にもどって来るのの、圭、なっち、中澤、つんく。
そこには、カオリが立っていた。
「…?…カオリしゃん!?」
「ハァ〜イ、ノノチャン元気?」
手をふるカオリ。
ののは久し振りの再会に思いっきり抱きつく。
「生きて、たんだ…。んぐっ、んぐっ、よかった〜〜〜うわ〜〜〜〜ん!!!」
あまりの感動に泣くのの。
「カオリモココニ居ルノガ不思議。」
「どうして助かったべさ?」
そう、ののとなっちは2年前、後藤、落ち武者、かごや、とともに鬼退治の旅出かけた仲間であった。
その旅において、姉かごやは不慮の事故的に氏に、カオリは鬼ヶ島一歩手前で、
海の落ちたまま行方不明になっていた。
「カオリネ、チャーミー乙姫サンッテ人ニ助ケラレタノ。」
「えっ!?チャーミーしゃんに助けられたんれすか?」
「シッテルノ?」
「ののとかごちゃんとごまちゃんで亀に乗って行った時にあった人れすよ。」
「知リ合イ?」
「はい、れす。そのあとも何度か会ってるれすよ。」
「ああ、あの時のお嬢ちゃんや。」
つんくが会話に入ってくる。
- 31 名前:アンドロイド 投稿日:2001年09月08日(土)00時22分06秒
- そう、つんくもカオリには面識があるのだ。
「ああ、未来人でこの時代に神隠しに逢うて来た子やろ。確か。」
とののから旅の話を聞いていた中澤も会話に加わる。
「ちがうべさ、その子はごまちゃんだべ。年取るっていやだべさ〜。」
「何やと!?氏ぬか?ブタ。」
昼食の準備のため中澤が手に持っていた菜切り包丁が光る。
「う、うそだべさ。まだまだ若いべ、ねえさんは…ハハハ…。」
冷や汗をかくなっち。
「ははぁ、動く案山子の子だね?」
「そうれすよ、圭しゃん。」
「よろしく、あたし圭。」
と手を差し出す。
「ア、ヨロシク。」
握手を交わす2人。
「冷たい手だねぇ、さすが動く案山子。」
「ん〜、ホントのカオリしゃんの名前があるんれすけど、思い出せないれす…。え〜っと、え〜っと…。」
やっと、ののが出した言葉は
「そう!『あんこどろどろ』れすよね?」
カオリは困った表情をし
「『アンドロイド』ダヨ、ノノチャン。」
「あ、そうともいうのれす、てへへへ。」
舌を出して苦笑い。
- 32 名前:アンドロイド 投稿日:2001年09月08日(土)00時22分39秒
- 「うち、裕子。ねぇさんでええわ。ののの母親やで。」
「ヨロシクデス。」
「あ、改めて言うわ、わしつんく。ののの父親や。」
「ハイ、ワカリマシタ。」
「カゴヤチャンハイナインデスカ??」
辺りを見渡すカオリ。
「えっ…。」
言葉を失うのの達。
ふとののが…。
「…いるれすよ。今からいる所にカオリしゃんを案内してあげるれす…。」
「ワカリマシタ。」
「のの、カオリしゃんと2人で行ってくるれす。」
そう、家族に告げるのの。
「さ、さよか…。気をつけてな…。」
2人は、かごやの墓のある丘へ向かった。
- 33 名前:レイク 投稿日:2001年09月08日(土)00時25分23秒
- >>28
そうですね。平家さんも登場予定です。
少し後になりそうですが。
>>29
そうですね。まだ序盤ですもんね。がんばります。
- 34 名前:鎮魂歌 投稿日:2001年09月08日(土)00時31分22秒
- ブタ扱いのナッチに食いしんぼうののですね(w
ほのぼのしてるような場面からかごやの死に直面するシーンにもってく間の雰囲気がわかりやすいです
- 35 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月08日(土)02時05分31秒
- あれ、超未来ロボが2・・・
あと幸薄い落ち武者をぜひ幸せに(w
- 36 名前:七資産 投稿日:2001年09月08日(土)17時28分45秒
- レイクさんのHP消えてません?
- 37 名前:某スレの作者 投稿日:2001年09月08日(土)21時41分04秒
- おおこんなところにレイクさんが(嬉涙)
一寸矢口で続きのある終わり方してたのに、羊に行けなくなってもう読めないのかと…
(^▽^)<がんばってください
- 38 名前:チャーミー 投稿日:2001年09月08日(土)23時58分26秒
- ( ^▽^)<チャオ〜!羊がdでから幾日…待ってましたよ〜。
新作もがんばってくださいね〜。
( ^▽^)<それでは、フェ〜ドアウト〜…
- 39 名前:丘 投稿日:2001年09月09日(日)00時07分10秒
- 「ここれすよ。ここに、かごちゃんは眠っているれすよ。」
かごやの墓の前に来たののとカオリ。
「ドコニ寝テイルノ?」
「ここれすよ。」
墓を指差すのの。
「…………。」
「…………。」
見つめ合うののとカオリ。
「氏ンダノ…?」
「…………うん。」
「イツ…?」
「カオリしゃんが海に落ちた後れすよ…。」
「………ソウ……。」
「もう二年前れす。もう淋しさには慣れたれすよ…。」
その刹那、カオリをみていたののは少し驚いた。
- 40 名前:丘 投稿日:2001年09月09日(日)00時08分08秒
- カオリが泣いていた。
正確に言えば水滴が目から流れ出したのだ…。
「カオリしゃん…?」
「ノノチャン…コレガ悲シイッテ感情ナンダネ…。何カガ目カラ溢レテクルヨ…。」
無表情であるがアンドロイドカオリは確かに泣いていた。
「カオリしゃん…戻ろうれす。ののあまりここに居たくないれすよ…ののも辛いれすよ。」
そう言って、ののはカオリの服を引っ張った。
- 41 名前:家 投稿日:2001年09月09日(日)00時08分44秒
- 再び家に戻ったののとカオリ。
そして、今回やってきたわけをカオリが説明し始める。
「今回ハ不死鳥ノ細胞ヲ採取ニ来マシタ。」
「不死鳥の細胞採取ってなんだべさ?」
「不死鳥トイワレル鳥ノ一部ヲ持ッテ帰ルコトデス。ソレデ、マタ一緒ニ
旅ヲシテイタダケレバト…。」
「へぇ〜、不死鳥探しか。面白そうだね。」
興味を持つ圭。
「無理ニトハ言イマセン。」
「のの行きたいれすよ。探してみたいれす。」
「…イイノ?」
「いいれすよ。友達れすもん。」
「ノノチャン…アリガト。」
「じゃぁ、なっちもついて行くベ。旅先でうまいもん食べたいべさ。」
と、なっちも旅の同行に参加意志を見せる。
「そうすると、あたしも護衛役でついて行こうかな。」
圭も賛同する。
「さよか…。まあええやろ。今日はうちに泊まって明日から旅に出ればええ。」
「…ま、可愛い子には旅をさせろやな。」
旅立ちを了承するつんくと中澤。
そうして、つんく宅に一泊カオリはする事となった。
- 42 名前:レイク 投稿日:2001年09月09日(日)00時17分50秒
- >>34
のの・なっちは相変わらず食いしん坊キャラです。
でも痩せさせたほうがいいのかな、なっち。(w
>>35
落ち武者人気者ですねぇ。(w
少し考えておきます。
>>36
どうやらdだらしいです。たまに飛ぶらしいんですよ(w
でも今は復活していますよ。
>>37
がんばります、ありがとうございます。
こんなにののかごファソがいてくれた事が驚きです。
>>38
どうもチャーミー。
羊板は、一時閉鎖前はかなりスレ数の変動があり、
羊板での新作は難しいだろうなぁと思っていました。
まぁ、名作集でがんばりますので応援してください。
- 43 名前:七資産 投稿日:2001年09月09日(日)13時35分13秒
- レイクさん読ませていただきました。
結構おもしろいですね。
いつでもいいんで「秘密」の方の再開よろしくお願いします。
- 44 名前:エース 投稿日:2001年09月10日(月)15時17分32秒
- いつも、楽しみにしています。
現在と過去の関係が面白いですね。
がんばってください。
- 45 名前:夜中 投稿日:2001年09月11日(火)01時04分05秒
- のの達が寝静まった頃、つんくと中澤は茶の間でお茶を啜っていた。
「つんくさん…。2年ぶりに旅に出てまうんやなぁ、あの子達。」
「せやなぁ…今度は危ない事ないやろ。」
「…………かごやが氏んで…もう3年忌を迎えるんやね。」
「…まぁな。」
「あの子…ホンマに居ないんよなぁ…。」
「…………。」
「ウチ…、あのコを忘れかけてるんちゃうかな…。」
「裕子…。」
「忘れたない…。せやけど…。」
「もう、その先は言うなや、もう寝よや。」
つんくは茶の間をでていった。
- 46 名前:夜中 投稿日:2001年09月11日(火)01時04分57秒
- その頃、ののは夢を見ていた。
白い空間…。
ふんわりと体が浮いている。
「???」
その時、何処からか聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「のの…、のの…。」
辺りを見渡すのの。
周りを見渡しても白い空間でなんら変化も無い…。
「おねぇちゃん…?」
「せやで、ウチや。かごややで…。」
「どこにいるのれすか!?」
「ウチはいつでもののの傍におるで…。いつも見守っとるで…。」
「おねぇちゃん!!どこ!?ねぇっ。どこなの!?」
ののは必死に叫び辺りを見渡す。
「カオリについって行ってーな。お願いやで…。ほなな…。」
徐々に弱まるその声…。
「おねぇちゃん!!行かないでっ!!行かないでっ!!」
…
「行かないで、やだっ、やだぁ〜!!」
- 47 名前:夜中 投稿日:2001年09月11日(火)01時05分55秒
- 「ののちゃん!?どうしたべさっ!!」
身体をゆすられ、飛び起きるのの。
既に外は朝になっていた。
「夢れすか…。」
「ドウシタノ?ノノチャン。大丈夫?ウナサレテタヨ。」
「うん…。大丈夫れす…。」
じっとり汗ばんでいる額を拭うのの。
(何だったんれすか…。一体…。)
その時、居間から中澤の呼ぶ声が聞こえてくる。
「のの〜、なっちー、圭ちゃん、カオリさん飯やで〜!!」
「はいっれすぅ〜♪」
「いくべさっ!!」
ののとなっちは「飯」という単語に即座に反応し、勢い良く居間へ駆けて行った。
「ドウシタンデショウ?」
「さぁ?」
あまりのゲンキンさに首を傾げる圭とカオリだった。
無論2人が首を傾げる間にも既になっちとののは飯を掻き込んでいた。
- 48 名前:旅行 投稿日:2001年09月11日(火)01時06分58秒
- 「ん…。」
元小人のヤグチは朝の日差しに目を覚ました。
「おはようございますっ。ヤグチ。」
そう、耳元でささやくのはヤグチの恋人、千年鶴ヨッスィー。
2人は再び同棲しておよそ2年過ごしていた…。
「ん〜、眠いよぉ〜。」
「おきてっ、ヤグチっ。」
「だってヤグチ低血圧だも〜〜ん。おきれないよぉ〜。」
ヨッスィーは立ち上がり、少しあきれ果てた様子で仁王立ち。
そして思い切って、ヤグチの掛け布団を剥ぎ取る。
「おきてくださいよぉぉぉやぐちぃぃぃ〜〜〜!!今日から旅行でしょぉ〜〜〜〜???」
「いいよ、明日しよ。ヤグチ眠いんだもん。」
掛け布団を剥ぎ取ってもまだ寝ようとするヤグチ。
「起きない気ですかっ!?」
また、ヤグチは睡眠に入る状態のようで返事を返さない。
「…………。」
(絶対起きてもらうんだから。今日は2人で楽しみにしていた旅行の日なんだから。)
ヨッスィーの周りから煙が舞い上がり、ヨッスィーは千年鶴の姿に戻った。
(おきろっ!!おきろっ!!)
なんとヨッスィーは、くちばしでヤグチの頭を突き始めた。
「いたいっ!いたいっ!わかったよ、起きるよ。だからやめてよ、ヨッスィー!!」
さすがに目覚めるヤグチ。
- 49 名前:旅行 投稿日:2001年09月11日(火)01時07分31秒
- だるそうに、寝ぼけ眼で起き上がる。
「起きないからって、そのくちばしはずるいよぉ〜。いたいよ〜。何でいつもヤグチが起きないと突くのぉ〜。」
少し不満そうな顔。
再び人間の姿に化けるヨッスィー。
「だって、今日は二人で決めた旅行の日でしょぉ〜。ヤグチ、いつも2人でどこかへ行こうって日に
なかなか起きないじゃないですかぁ!!」
「ごめんごめん。ヤグチ今度からちゃんと起きるようにするよ。」
(それいつも言ってるよ、ヤグチ。)
あえてその言葉はいわない。ヨッスィーはいつでもヤグチのことを信じているから。
「ご飯出来てますよ、ヤグチ。食べましょ。」
「うん…。その前に顔洗ってくる…。」
ゆらりと立ち上がると、ヤグチは家の外へ出た。
「ふぁぁぁ〜〜ふしゅっ。」
大きく口を開きあくびをし、目を擦る。
ヤグチは、1年半前に設置した井戸に桶を放り紐で引き上げる。
汲まれた水で顔を洗った。
「うひゃ〜〜、つめて〜〜〜。」
さっぱりした。
- 50 名前:旅行 投稿日:2001年09月11日(火)01時08分16秒
- 「手ぬぐい忘れた…。」
玄関まで戻りヨッスィーを呼ぶ。
「ヨッスィー、ヨッスィー。ちょっと手ぬぐいもって来て。」
すると、奥からヨッスィーが手ぬぐいを持ってくる。
「またわすれたんですかぁ〜。しっかりしてくださいよぉ〜。」
微笑みながらヨッスィーはヤグチに手ぬぐいを渡す。
「アハハハ…ごめん…。」
ぬれた顔をふき取るヤグチ。
「ありがと。」
と、手ぬぐいを渡し返した。
また微笑むヨッスィーは奥に戻っていく、その後姿を見つめるヤグチ。
「幸せ…か。」
そう小声でつぶやいた。
- 51 名前:旅行 投稿日:2001年09月11日(火)01時08分46秒
- (今は…、ヨッスィーには前みたいに毎日のように機は織らせてはいない。ヨッスィーの反物技術
が世間に認められ、一反の単価が今は高くついている事もある。それにヤグチはもう、ヨッスィーが
鶴だって知っているから、深夜に機を織らせることもない。とっても健康にいい生活をしている…。
昼働いて、夜は愛し合って寝る。毎日が平凡だけど充実した日々。こんな毎日が嬉い。毎日
ヤグチは浪人で傘作ったり、時折来る警護の仕事をしたり、暇なら家の前の畑を耕して、生活に
必要な野菜を作る。これが幸せ…これこそヨッスィーと築いている幸せ。)
- 52 名前:旅行 投稿日:2001年09月11日(火)01時09分25秒
- そう思いながらヤグチはニタニタして朝食をとっている。
「ヤグチ…?何ニタニタしてるんですか?」
不思議そうにヤグチを見るヨッスィー。
「いや、なんか、幸せだなって…。」
「幸せ…。うん。私も幸せだと思います。」
ヨッスィーもご飯を口に含み微笑んだ。
「すきだよ、ヨッスィー。」
「!!ゴホンゴホン、な、なんですか、いきなり。」
「いや、言ってみたかっただけ。」
「私も好きです…。」
2年経っても未だ熱い2人である…。
食事を終えた2人。
「んじゃあ出かけようか、旅行に。」
「はいっ。」
そう、今日は1ヶ月前から計画を練り決めた旅行に出かける日なのだ。
予定は4日間、東にある温泉地への慰安旅行である。
- 53 名前:旅行 投稿日:2001年09月11日(火)01時10分01秒
- 「じゃあ、お願い、ヨッスィー。」
「はい。」
ヨッスィーは風呂敷の中から小槌を取り出した。
服を脱ぎだすヤグチ。
「何か恥ずかしいね。服脱ぐのは夜だけでいいとおもうんだけど。」
そして全裸になる。
「な…なにじっと見てるの、ヨッスィー!!」
「あ、いや、あのすいません。」
頬を赤らめる2人。
「早く小さくしてよっ!!」
「えっ、あっ、はいっ。」
慌ててヨッスィーは小槌を振りだす。
「小さくなーれ、小さくなーれ。」
とヤグチに向かって24回振る。
すると、ヤグチの身体は一寸程度の大きさとなった。
- 54 名前:旅行 投稿日:2001年09月11日(火)01時10分54秒
- 「ヨッスィー、服っ、服っ!!」
「あっ、はいはい。」
引き出しから小さな小さな服を取り出しヤグチに渡す。
ヨッスィーが12年前に作った、当時小人だった頃のヤグチの服である。
ヨッスィーは風呂敷に大きい時のヤグチの服を一着、小槌と旅の資金を入れ首に下げる。
ヤグチが着替え終わったのを確認すると、ヨッスィーは千年鶴の姿に戻った。
「のってください。」
「うん。」
ヤグチは千年鶴によじ登り、乗った。
「安上がり旅行出発だぁ〜!!」
と、ヤグチは拳を高く上に突き上げた。
そして、小人ヤグチと千年鶴ヨッスィーは旅行をするべく大空へ飛び立った。
- 55 名前:レイク 投稿日:2001年09月11日(火)01時14分25秒
- >>43
ありがとうございます。
秘密を発見したんですか。すごいですね。(w
ちなみに秘密は当HPで再開しました。
>>44
今回は前作一寸ヤグチと違って、タイムスリップ等があって
物語を進行するにあたり結構苦労しています。
ですが、何とかがんばるので応援よろしくお願いします。
- 56 名前:鎮魂歌 投稿日:2001年09月11日(火)02時06分47秒
- おお!やぐよしではないですか!
このかたたちは大好きなんでこれからどう絡んでいくのか楽しみですね
- 57 名前:森 投稿日:2001年09月14日(金)00時18分42秒
- 当てもなく森の中を歩く後藤と加護。
(これは…夢?)
「ねぇ、ごっちん…。これ、夢だよね…?」
「たぶん夢じゃないよ…。」
「夢だよ、これ。」
そう言って加護は自分の頬を抓る。
「いたい…。」
「ね?」
「でも、夢だよ。さっきまで楽屋にいたんだよ。」
「実はね。後藤はこの世界に1度来た事があるんだ…。」
「えっ?」
「たぶん同じ世界…ううん。きっとここは数百年前の日本…。」
「うそだぁ〜。」
「本当だよ。たぶん、かごやちゃんが今回はここに呼んだんだと思う。」
「ねぇ、ごっちん…あの子、本当に加護の前世なのかな…。」
「後藤はそう思うよ。かごやちゃんは後藤が前にここに来て、始めて会った女の子で、
一緒に旅をして、娘。そっくりの女の子たちに出会って…その旅の時に氏んじゃったんだ。」
- 58 名前:森 投稿日:2001年09月14日(金)00時19分14秒
- 「氏んだって…。」
「後藤がこの時代に来たせいで…きっとかごやちゃんは…。」
「その話が本当なら、何でこの時代にごっちんは来たの?」
「わかんない…。その時「愛ばか」出した頃でロケやってて…、トイレ行きたくなって、
近くのお寺のトイレ入ったら光に包まれて、この時代に来てた。」
「どうやって帰ってこれたの…?」
「うんとね、旅で出会った圭織そっくり22世紀から来たロボットの女の子に帰り方
教えてもらったんだ。それで、帰れた。」
「じ、じゃあ、その方法で帰ろうよ…。こんなわけのわからない所に居たくないよ…。」
「無理…。このままじゃ加護が消えちゃうから、かごやちゃんの言ってた通りにしなきゃ…。
それに帰るって言っても、その圭織そっくりの子が何時何分のある場所に行けば帰れるって
教えてくれたから帰れたんだ…。」
「そんな…。」
急に歩きを止めた加護。
- 59 名前:森 投稿日:2001年09月14日(金)00時19分45秒
- 「わかんないよ!!」
蹲る加護。
「加護…。」
「だってそうじゃん!!いきなりこんな所連れてこられて!!何を信じたら良いの!!もうわかんないよ!!」
次第に加護の涙が瞳から溢れてくる。
「加護…。」
「帰りたいよぉ〜…帰りたい…。お父さん…お母さん…。」
肩に手を添える後藤。
「大丈夫だよ。何とかなるから。きっと…。」
そっと加護の隣に座り、後藤は小さく震える加護の身体を包んだ…。
「よしよし…。」
- 60 名前:レイク 投稿日:2001年09月14日(金)00時22分38秒
- >>56
ありがとうございます
そうですね。やぐよしもちゃんと出す予定です。
- 61 名前:エース 投稿日:2001年09月14日(金)00時55分47秒
- ごまかごの師弟コンビがいい感じです!
マターリがんばってください。
- 62 名前:チャーミー 投稿日:2001年09月14日(金)01時15分51秒
- ( ^▽^)<チャオ〜!一寸〜もリンクした展開がうれすぃですね。
ヤグチさんとよっすぃ〜のラブラブな展開・・・ハァ・・・ヨッスィ〜・・・
( T▽T)<よく分からないけど悲しくなってきたのでフェ〜ドアウト〜・・・
ハァ・・・ヨッスィ〜・・・
- 63 名前:鎮魂歌 投稿日:2001年09月15日(土)02時37分24秒
- しおらしい加護もまたいとよろしいかと・・・
- 64 名前:藩主 投稿日:2001年09月16日(日)23時33分08秒
- 「まだか!!まだ不死鳥は見つからぬのか!!」
「ユウキ様、お言葉ですが不死鳥なぞという存在するかどうかわからぬものなど見つかるわけがございませぬ。」
「ばか者!!朕はごほっ、ごほっ、不治の病なるぞ!!朕の病を治すには不死鳥の血が
必要なのだ。兵を増やせ!増やすのだ!!見つかるまで貴様も帰るでないぞ!!」
「はっ!!」
廊下へ出る家臣。
「ユウキ様も困ったものだ…。不死鳥なぞどこにいるものか…。まったく医者もただの風邪と
花粉症が続いているだけと言っておるのに…。」
愚痴をこぼす家臣。
「はて、どうしたものか…。我が藩は小さい…。そんなたわごとで兵を出せるものか…。」
途方に暮れた家臣は庭の池に泳ぐ鯉に餌をやる。
「アメンボはいいのう…。自由気ままで…。」
「アメンボ?そうか、その手があったか。」
そして家臣は4人のくノ一を呼び出した。
- 65 名前:藩主 投稿日:2001年09月16日(日)23時33分45秒
- 家臣の目の前に現れたくノ一。
「くノ一メロン組、只今参上しました。」
「よく来た。めぐみ、あゆみ、雅恵、あと…?」
「瞳です。」
「そうそう、そうであったな。ふははははは。」
笑ってごまかす。
「急な命令とは何用でございますか?」
リーダー格のめぐみが問う。
「うむ、実は不死鳥を捕らえてきてほしいのだ。」
「「「「ハァ!?」」」」
「殿のご命令だ。」
「またあのボンボンの気まぐれかよ!!」
「ったく短小包茎のくせに。」
「つーか不死鳥って何?」
「さあ?」
「ごほんっ!!私語は慎め。わしも殿にはほとほと手を焼いている。」
「で、不死鳥は何処に?」
「古い書物では、紅い羽をした不死の鳥が富士の山に住む。という記述がある。そこに出向いて
捕らえてきてほしいのだ。やってくれるな。」
- 66 名前:藩主 投稿日:2001年09月16日(日)23時34分18秒
- 「富士!?あたしパス!!樹海で死にたくない。」
一番乗りで断る雅恵。
「あ〜、私も空気の薄いところはちょっと無理ですね。」
続いてめぐみも断った。
「私冷え性だから駄目。」
そう言って、瞳も断った。
「私は…。私は…。」
焦るあゆみ、なかなか言い訳が見つからない。
「言ってくれるな、あゆみよ。おぬしの10倍能力に賭けておるぞ。」
「えっ、え〜〜〜!?」
がんばってーと言いたそうに歩みに向かって小さくてを振る3人。
「ひ、ひどい…。わ、わかりましたっ!!行けばいいんでしょ、行けば!!」
「うむ、わしは別荘に身を隠すことにしよう。頼んだぞ、捕まえるまで帰ってはならぬ。」
「はぁ〜〜。」
気の抜けた返事をするあゆみ。
そうしてくノ一メロン組のあゆみは富士山へ向かった。
(ついでだから実家でも帰ってみようかな。)
- 67 名前:レイク 投稿日:2001年09月16日(日)23時40分07秒
- >>61
ありがとうございます。
加護&ごま、ヤグ&ヨスィーの師弟コンビご期待ください。
>>62
どうも、チャーミー。
ヨッスィーとヤグチのラブラブは未だ冷めません。
ですが…。まぁ、ご期待ください。
>>63
そうですね、かごやと加護はじゃかーん違いますね。
- 67 名前:シリアル 投稿日:2001年09月17日(月)01時23分47秒
- 久しぶりに見たら、今までのキャラも出てるし
+αも出てるし、何かすごい事になりそうな感じですね
- 68 名前:鎮魂歌 投稿日:2001年09月18日(火)23時22分19秒
- うまく柴田のみを物語に登場させましたねw
- 69 名前:出発 投稿日:2001年09月19日(水)00時25分10秒
- 朝食を食べ終わったのの達。
まったりとした空気が流れている。
「でも、どこに行けばいいべさ、不死鳥探すっていってもわからないべ。」
「そうだねぇ、わかんないねぇ。カオリさん知ってるの?」
「ワカリマセン。」
「「「「…………。」」」」
「あ。」
「ん?なんかわかったんれすか?圭しゃん。」
「あのね、鬼ヶ島戻れば関係する本が見つかるかも。」
「鬼ヶ島でどこにいるかわかるんだべか。」
「まあね、あたしの家でそんな記述のある本を読んだことあるんだ。」
「じゃあ、また鬼ヶ島に行くれすよ。」
「たぶん、家はあのまんまだと思う。利用価値のない島だからね。」
そうして、4人は旅の支度をした。
- 70 名前:出発 投稿日:2001年09月19日(水)00時25分44秒
- 「じゃあ行ってくるれすよ。ねぇしゃん。」
「そっか、ほなな、のの、圭ちゃん、あと、カオリさん。」
そういって玄関まで見送る中澤。
ふと、圭が
「あ、根暗呼んだほうが早いね。」
と言った。
「チャーミーしゃんれすか?」
「そうだよ、あいつ呼んで飛んでいけば早く鬼ヶ島行けるし。」
「そうだべ、呼ぶべさ。一緒に逝ったら楽しいべ。」
「だいたい2年経ってるから、多分呼べると思う。」
「オ礼モ言イタイナ。」
そこで、圭は家の中へ戻り大きなホラ貝を持ってくる。
「埃かぶってる。」
圭は、パッパッと軽くホラ貝に付いた埃を払い、ホラ貝を吹いた。
- 71 名前:レイク 投稿日:2001年09月19日(水)00時27分49秒
- 今日は少ないですがここまでです。
>>67
そうですね。新キャラが今作品では結構出ると思います。
>>68
メロン全員だと収集つかないような気がしたので(w
- 72 名前:チャーミー3分クッキング 投稿日:2001年09月22日(土)00時34分23秒
- 竜宮城にて。
チャーミー乙姫は今日も料理を作っていた。
歌を歌いながら。
「人間ってシャララララララ〜♪」
どうやら今日は鍋物らしい。
水槽でスイスイ泳ぐ鯛。
「変われぬものですかぁ〜♪」
水槽に手を突っ込み、鯛をつかんだかと思えば水中で鱗を剥がしている。
もがく鯛、彼は必死。
「心じゃなんとかしようとは〜♪」
バリバリ。ガリッガリッ。
水中で包丁をうまく使い鱗を剥いでいる。
その隣ではだしのよく取れた鍋が火にかけられふつふつとしていた。
「思ってはいるけれどぉ〜♪」
歌を歌いながらも水中で鯛の鱗を綺麗に剥ぎ終わり、
「自分にいろいろいいわけてぇ〜、足踏みしている〜♪」
鍋に放った。
- 73 名前:チャーミー3分クッキング 投稿日:2001年09月22日(土)00時34分55秒
- 生きたままですか!?
だしが効いた鍋の中で口をパクパクさせ泳ぎ、跳ねる鯛。
「人間ってシャララララララ〜変わらぬものですかぁ〜♪」
苦しむ姿をほほえみ、眺めるチャーミー乙姫。
徐々に弱っていく鯛。
「人間ってシャララララララ〜♪」
ぷっかり浮いた。
「簡単にできちゃったよ♪」
火力を強めるチャーミー乙姫。
「今は...そんな気がする...ふふふふふ♪」
- 74 名前:レイク 投稿日:2001年09月22日(土)00時35分39秒
- 今日も少ないですがここまでです。
- 75 名前:名無し男 投稿日:2001年09月22日(土)13時34分49秒
- 出た!お家芸の生殺し!
- 76 名前:エース 投稿日:2001年09月22日(土)17時16分53秒
- 残酷な笑顔のチャーミーに萌え!
- 77 名前:鎮魂歌 投稿日:2001年09月22日(土)22時03分11秒
- 残酷なチャーミーのテーゼw(ごめんなさいエヴァのパクリっす。
けど、イイ!
- 78 名前:チャーミー3分クッキング 投稿日:2001年09月30日(日)23時07分55秒
- その時、チャーミーの耳だけにホラ貝の音が聞こえた…。
「ん〜もうっ!!せっかく作ってたのにぃ〜♪」
と菜箸を放り投げる。
「捨てちゃえっ!!」
バコーン!!
チャーミーは思いっきり大きな調理中であった鍋を蹴っ飛ばした。
床に流れるスープ。
「あんた達っ!!片付けときなさいよっ!!」
自分で散らかしておいて亀たちに命令するチャーミー。
「ちょっと出かけてくるわよっ♪もうっ、圭さんたらっ♪」
そういうとチャーミーの周りから煙が立ち昇り、その中から海王竜が姿をあらわした。
「行ってくるわねっ♪」
チャーミーは勢い良く、竜宮上を飛び出した。
残された亀たちは恐怖と戦いながら一生懸命に雑巾がけしたという。
- 79 名前:チャーミー3分クッキング 投稿日:2001年09月30日(日)23時08分40秒
- 海面から飛び出すと、天気は悪天候であった。
「雨降りそうね♪猛スピードで行っちゃおうかしら♪うふふふ♪」
空を高速度で飛ぶチャーミー。
飛んで2時間
「あらっ♪あれはヨッスィーとヤグチさんね♪」
そう、千里眼を持つチャーミーは旅行をしているヨッスィーとヤグチを見つけたのだ。
そして、徐々に近づくとヨッスィーとヤグチもチャーミーに気が付いた。
「ヨッスィー、あれチャーミーだよっ。挨拶していこうよ。」
「ハイっ。」
「ヤグチさ〜ん、ヨッスィ〜♪」
アニメ声で近づいてくる海王竜、奇妙だ。
「よっ、チャーミー、久しぶり。どうしたの今日は。」
「久しぶりですねぇ〜♪今日はぁ〜圭さんに呼ばれたのぉ〜♪」
「へぇ〜、じゃあこれからののちゃんの家へ?」
「そうですよぉ〜♪ヤグチさんたちはどこへ行くんですかぁ〜♪」
「これから、ヨッスィーと旅行っ。ね?ヨッスィー。」
「はいっ。」
しゃべる鶴。これも奇妙。
- 80 名前:チャーミー3分クッキング 投稿日:2001年09月30日(日)23時09分19秒
- 「いいなぁ〜旅行。チャーミーも誰かと二人っきりで行きたいなぁ〜♪」
「早くいいひと見つけなよ、いい年なんだから。」
「チャーミーも一応昔はいたんですよぉ〜、素敵な人…。」
「へぇ〜。」
驚くヤグチ、意外だと思ったようだ。
やがて、雨がぽつぽつと降ってくる。
「やばっ!ヨッスィー雨降ってきちゃったね。チャーミー早く行ったほうがいいよぉ〜。」
「はいっ♪では、また♪」
「バイバイ、またね。」
そう別れを告げ、各々目的の場所へ飛んでいったと思われた…。
別れを告げてまもなくヤグチ達の後方に雷が落ちた。
「!!!!」
驚き身を低くするヤグチ。
「こわっ…。」
とヤグチが振り返るとチャーミーが地上へ落下していくではないか。
「ヨッスィー!!もどって!チャーミーが雷に!!」
「はいっ!!」
円を描き方向を来た方向へ向けるとチャーミーが地上に落ちたドシーンとした音が響いた。
「カッケー!!」
「カッケーかよっ!!」
ヨッスィーはチャーミーが落ちたと思われる森へ向かった。
- 81 名前:レイク 投稿日:2001年09月30日(日)23時13分43秒
- 風邪によりしばらくお休みしてました、スマソ。
今日はここまでです。
>>75
そうです。お家芸です。
相変わらずのチャーミーですが罰があたったんですかね?(w
>>76
残酷ダークキャラなチャーミー。サイコーです(自分の中で)(w
>>77
エヴァ懐かしいですね。ろくに手レト見てませんでしたが。
どもです。
- 82 名前:名無し男 投稿日:2001年10月01日(月)00時48分32秒
- 高木ブー、見事真芯で捕えた一発でした。
- 83 名前:requiem 投稿日:2001年10月02日(火)01時02分43秒
- 風邪だったんですか。
無理は禁物ですよ。これからの展開、楽しみにしてます
- 84 名前:待つ女達 投稿日:2001年10月07日(日)23時33分37秒
- 「こねーなぁ…根暗…もう7時間も過ぎてる…。」
「ホントどうしたんれすかねぇ〜。」
「前方空中生体反応は鳥類シカナイヨ。」
「来るまで待つ気なん?その貝吹けばどこにおっても来るんやろ?」
中澤がボーっと待ち続ける4人に話し掛ける。
「なっち達も行ける所まで行けばいいべさ。途中で合流すればいいべ。」
「そうだね。その方が効率いいかも、待っているよりね。」
そして、荷を持ち始める4人。
その時、家の中からつんくが出て来た。
「のの!持ってきぃ〜。餞別や。」
小さな袋をののに向かって投げる。
ジャラっという音がする。
ののが中を確かめると5両ほど入っていた。
「つんくしゃん…。こんなに…。」
「ええから…な、中澤。」
「せやな、大目に見るわ。」
「んじゃあ、行くべか?」
「ソウデスネ。」
なっちの言葉に頷く3人。
そうして4人はつんくの家を旅立った。
今回の旅立ちは誰の涙も無く晴れやかだった…。
- 85 名前:待つ女達 投稿日:2001年10月07日(日)23時35分01秒
- 見えなくなるまで手を振るつんくと中澤。
「行ってもうたなぁ…。」
「そうやねぇ…。」
「ほな、わしも準備しよかな。」
「あ…。」
「何や?中澤。」
「つ、つんくさん!!牛が空飛んどる!!」
空を指差す中澤。
「なに寝ぼけたことゆーてんねん…。」
と、その指差す方向をみるつんく。
- 86 名前:待つ女達 投稿日:2001年10月07日(日)23時35分38秒
- 「どこや…?ん?」
ドカッ!!
「ぐ…は、謀ったな・・・中…。」
バタッ。
「裕ちゃんの勝ちやで、今回はウチがついてくでぇ〜♪」
その場に蕎麦打ち棒を放り、まとめておいた荷を担ぎのの達の後を追った。
…
2時間後
「あたたたた…。やられた…。」
頭を擦りながら起き上がるつんく。
「今度はわしが留守番かぁ〜、覗きができんがなぁ…。」
「まったく、油断も隙もあらへんなぁ…さすが元くノ一や…。」
そして、つんくはとぼとぼと家の中に入っていった。
- 87 名前:待つ女達 投稿日:2001年10月07日(日)23時39分44秒
- どうもすいません鈍い更新で…。
>>82
どうも。高木ブー扮する緑かみなり様の技術は相当なものなんですね(w
>>83
風邪はだいぶ治りましたおかげさまで。最近の風邪は長引きますね。
小説はまたーたりやっていくつもりです。
- 88 名前:名無し男 投稿日:2001年10月08日(月)00時46分07秒
- そ、そば打ち棒・・・(w
- 89 名前:楽園 投稿日:2001年10月09日(火)00時07分13秒
- 暗い森の中を歩き続ける二人。
「もう疲れちゃったよ、ごっちん…。」
「もう少し歩こうよ、加護。」
「どこに向かってるかもわからないんだよ、ウチら…。」
「でもさ、歩いてれば何か見つかるよ…。」
「見つかるって何を?」
「わかんないけど…。」
「わからないのに…?」
「あ…。」
「なに?ごっちん。」
「前…。」
「前?」
- 90 名前:楽園 投稿日:2001年10月09日(火)00時07分57秒
- そう、森の中の広場に二人は出たのだ…。
その広場には自然なものなのかわからないが、
りんごの木や葡萄の木、桃の木、柿の木が果実を実らせながら生えていた…。
「スゴイ…。」
驚きを隠せない二人。
ふと加護が、
「ごっちん、お腹すいたね。食べれるかな…あれ…。」
とりんごの木を指差す加護。
「人のものかもよ…。不自然じゃない?こんなに果物の木だけ生えてるのって…。」
「でも、食べて見つかったら謝れば良いよ。頭下げれば許してくれるよ、ごっちん。」
結構ちゃっかり者の加護。
「そうだね。」
と近寄ってりんごの木を見る。
「食べられそうだね…。」
後藤はりんごを二つほどもぎ取ると、軽く拭いて加護に一つ渡す。
「あ〜あ、ごっちん取っちゃったぁ〜。」
「別にイイよ、後藤が二つ食べるよッ。」
取り返そうとする後藤。
そのてを逃れようとふざける加護。
「ごめん〜うそぉ〜〜。」
食べ物にありつけたせいか、笑顔が戻る二人。
二人は試しにそのりんごをかじってみた。
- 91 名前:楽園 投稿日:2001年10月09日(火)00時08分30秒
「「…………。」」
「「すっぱぁ〜〜〜〜い!!」」
バタバタする二人。
「天然のりんごかもしれないよ。でも天然だったとしたら、こんな味なのかなぁ。」
「あ、ごっちん見て…あれ…。」
「どしたの?加護。」
「洞窟…。」
その広場の先には大きく口を開けた洞窟があった…。
- 92 名前:レイク 投稿日:2001年10月09日(火)00時10分17秒
- >>88
そば打ち棒ってのがなんとなくリアルですよね(w
レスありがとうございます。
- 93 名前:名無し男 投稿日:2001年10月09日(火)09時36分51秒
- 俺田舎育ちだからよく人ん家の畑入って盗み食いした記憶がある(w
- 94 名前:scar 投稿日:2001年10月09日(火)23時16分36秒
- 「チャーミー!!」
その身体は深く傷つき、森の中に落ちていた…。
ヨッスィーから下りるヤグチ。
「ヨッスィー!!ヤグチを元の大きさに戻してっ!!」
とすぐさま服を脱ぎ捨てるヤグチ。
「はいっ!!」
ヨッスィーはすばやく人間の姿に化ける。
すばやく
「大きくなれ!大きくなれ!」
と24回小槌を振った。
大きくなるヤグチ。
「ヨッスィー!!先にチャーミーの様子見に行って!!」
「あ、ハイ!!」
すばやく、風呂敷の中にある服を着込むヤグチ。
「チャーミー!!カッケー!!じゃなくって、大丈夫!?」
「…………。」
「どう?ヨッスィー!」
着替えたヤグチもチャーミーの元に来る。
- 95 名前:scar 投稿日:2001年10月09日(火)23時17分38秒
- そのチャーミーの様子を見たヤグチは
「ひどい…。」
ともらした…。
「うぅ…ヤグチさん…痛いよぅ…。」
「チャーミー!?わかる!?ヤグチだよっ!!」
「…うん…。」
「どうしたらいいの!?どうしたら、どうしたら。ああ!もうわかんないよ!!」
取り乱すヨッスィー。
「落ち着いてヨッスィー!!ねぇっ!!チャーミー!!人の姿になれる!?」
冷静にヤグチはチャーミーに大きな声で呼びかける。
「うん…やってみる…。」
そういってチャーミーは深く呼吸をすると…その身体は収縮し人の形になった…。
「や、ヤグチ!!あ、あれ!!」
「何!?それどころじゃないよ!!」
とヤグチが振り向くと、ヨッスィーが小さな小屋を指差していた。
「よし、ヨッスィー!!チャーミーをあそこの運ぼう!!」
「はいっ!!」
そして二人はその傷ついた身体を必死に小屋の前へと運んだ。
戸をドンドン叩くヤグチ。
「すいません!!すいません!!どなたかいらっしゃいませんか!?」
ドンドンドンドン。
返事がない。
戸を引いてみるヤグチ。
開いた。
- 96 名前:scar 投稿日:2001年10月09日(火)23時18分08秒
- 「よし、運ぼう!!」
中に入ると、布団やその他生活道具が有った。
「この際、命が最優先だからココを使わせてもらおう!!」
その傷ついた身体を、その布団の上へと寝かせる。
「…痛いよぅ…。」
「大丈夫だよチャーミー!!」
そう言ってヤグチはチャーミーの手を握り、あたりを見渡す。
そして、ヤグチは手ぬぐいと桶を発見した。
「ヨッスィー!!ちょっとヤグチ河探して水汲んでくる!!チャーミーを看てて!!」
「はいっ!!」
そうして、ヤグチは立ち上がった。
すると
「ヤグチさん…ヨッスィー…ごめんね…。」
「いいよ、チャーミー。しゃべっちゃダメ。」
そうヤグチが言うとチャーミーはコクッと頷いた。
そして、ヤグチは河を探しに小屋を出た。
- 97 名前:レイク 投稿日:2001年10月09日(火)23時20分24秒
- >>93
そ、それは窃盗ですね。(w
まぁ、加護ちゃんたちも窃盗なんでしょうか?(w
- 98 名前:名無し男 投稿日:2001年10月10日(水)00時15分38秒
- は、早く手当てを!
- 99 名前:scar 投稿日:2001年10月10日(水)23時47分38秒
- 小屋の中の二人。
鶴と竜…。
その二人には、他が知らない過去があった。
「ヨッスィ…。」
「ダメだよ喋っちゃ…。」
「ヨッスィ…。助けられるの…2度目だね…。」
「チャーミー…。」
「あのころ、私はまだ千年鶴じゃなかったね…。」
「うん…。でも…あの時も私を助けてくれた…ヨッスィーがいなきゃ…今の私は…
生きてなかった…。」
「そんなこと…。」
「ヨッスィー…いや、ひとみちゃん…。いつかお礼が…言いたかったんだ…。
あの人に出会えたのも…、今ここにいるのもひとみちゃんのおかげ…。」
- 100 名前:scar 投稿日:2001年10月10日(水)23時48分09秒
- 「ううん。そんなこといいよ…。だから…喋っちゃダメ…。」
「うん…。ただ…あの時のお礼がいいたかったんだ…。」
「チャーミー…。」
「身体…痛いよぉ…どうなっちゃうのかな…。」
「大丈夫だよ、チャーミーはさ、こんなに長生きしてるんだもん…これからも長生きするよ。」
「ふふふ。長生きかぁ…、さすがに…今日は罰が当たったのかも…。」
「チャーミー…。」
(また、生きたまま魚でもさばいたの…?)
「ヤグチさん…早く戻ってこないかな…。」
そのころヤグチは必死に森の中で河を探していた。
- 101 名前:レイク 投稿日:2001年10月10日(水)23時50分33秒
- >>98
そうですね。一刻も早く意手当てが必要だと思いますが森の中ですから
難しいですよね…。
今日はチャーミーとヨッスィーが面識があったという事実が判明しました。
- 102 名前:名無し男 投稿日:2001年10月11日(木)00時22分49秒
- ワヲ!
これは気体できそうじゃ!
- 103 名前:シリアル 投稿日:2001年10月12日(金)00時04分12秒
- ののかごの更新を一気に読む
ああ、幸せ
- 104 名前:scar 投稿日:2001年10月12日(金)23時04分18秒
- 森の中を河を求めさ迷い歩くヤグチ。
(早く河を見つけなきゃ、チャーミーがチャーミーが…)
しかし、森の中は一層に暗さを増していた。
(恐いなぁ…。でもチャーミーの命がかかってるもん…。)
懸命に自らを奮い立たせる。
(歌でも歌おう…気がまぎれるし…。)
「あるぅ日〜、森の中〜熊さんに〜♪……」
その時ヤグチの目の前で雑木が揺れ大きな影が現れた。
「出会った〜〜〜〜〜!!!!」
そこには大きな黄色の熊がいたのだ。
「グルルル…。」
目が合うヤグチと熊。
熊はよだれを垂らしている。
「イヤーーーーー!!!!」
一目散に逃げるヤグチ。
しかし、熊も追ってくる。
(ヤダ!!食べてもおいしくないよ!!ヤグチなんておいしくないよ!!)
「そうだ!!小槌!!あ゛−−−−−!!」
(置いてきちゃった……。)
- 105 名前:scar 投稿日:2001年10月12日(金)23時05分07秒
- 「いたっ!!」
転んだ。
身がすくんで動けないヤグチ。
じりじりと近寄る熊。
「グア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛−−−−!!!」
熊は立ち上がった。
「きゃああああああああ!!!」
目をつぶり思いっきりヤグチは叫んだ。
「…………。」
ぬるっ。
(?????)
「!!!!!」
そっと眼を開けると熊はヤグチの頬を舐めていた。
その時、女の子の声が聞こえた。
「こらっ、しげる!脅かしちゃダメだよ。」
そこに現れたのはマサカリを担いだピンクのおかっぱ頭の女の子だった。
「????」
わけがわからないヤグチ。
「驚かせたでしょ?私、亜弥太郎、亜弥でいいわ。あなたは?」
そういいながら、熊を撫でる亜弥。
「お、おれ、一寸ヤグチ…。」
「よろしくね、ヤグチさん。久しぶりに人に会った。」
そう言って、亜弥は手を差し伸べてきた。
手につかまり、立つヤグチ。
「この子は、しげる。蜂蜜好きの熊でね。おとなしくて、気が弱いから熊の中で
仲間はずれにされてるの。でもね、私の友達なんだ。」
「はぁ…?」
ふと、亜弥はヤグチが持っているものに気がつく。
「あ、それ私の家の桶でしょ?もしかして泥棒?」
作り笑顔で微笑む亜弥。
- 106 名前:scar 投稿日:2001年10月12日(金)23時05分42秒
- 「あ、いや、違うの!!これは、その、友達が雷に当たっちゃって、重傷で…、
森の中で偶然見つけた小屋にその子運んで…それで、水汲みに、これ借りて…。」
「ふ〜ん。うそじゃないようね。しげるは嘘ついてる子噛むから。」
そして、ヤグチは思い切って亜弥に聞いてみる事にした。
「あの!!ここら辺に医者いませんか!?」
首をかしげ、手をひじに当て、片方の指を立てて頬に軽くノックさせながら目線を泳がす亜弥。
「う〜ん。いないよ。でも、ここら辺落雷受ける人多いんだ。しげるもね、ここにハゲあるでしょ?
、落雷受けたんだ。けど、この通り。私が看病して治して元気だよ。」
「じゃあ!!」
「いいよ、これから水と薬草取りに行こう。一刻を争うんでしょ?」
「うん!!」
「じゃあ、しげるにのって。しげる、鼻と耳がいいし、私の言うことわかるから。」
そして二人はしげるに乗って、薬草と水の有る場所へ向かった。
(チャーミー…待っててね…。)
- 107 名前:宿屋 投稿日:2001年10月12日(金)23時06分35秒
- 夜も遅くなり、宿に泊まることのなったのの一行。
「えー!?カオリ、もうお風呂には入れるんだべか!?」
「ソウダヨ。一緒ニハイロウヨ。」
「わ〜い。カオリしゃんの背中流すれすぅ〜♪」
「そっか、じゃあ行こうか。」
……………………………
「悔し涙ぽろり〜♪」
のの達より先に風呂に入っていた中澤。
「ふぅ〜♪ええなぁ〜、気持ちええわぁ〜。旅最高!!やな。」
手ぬぐいを顔に当て汗をふき取る。
その時、風呂の窓に人影が…。
覗きだ…。
(!!!覗きかいな。お銀みたいやなぁ〜♪せや、なんか演技したろかな?)
「あっは〜ん♪」
悩殺ポーズ。
外から、
「オエッ!!」
と聞こえ、人影が消えた。
「ちょお!なんやねん!!「オエッ!!」ってええ年の女の入浴姿みて「オエッ!!」かいな!!
いてまうどゴルァ!!」
後の祭り。
「何やねん…ウチまだイケとるがなぁ〜胸あらへんし、水弾かへんけど十分な色気
もっとるッちゅ―ねん…ぐすん。」
そう中澤が凹んでいると、脱衣所から聞きなれた声が聞こえてくる。
- 108 名前:宿屋 投稿日:2001年10月12日(金)23時07分12秒
- 「誰か入ってるみたいれすねぇ〜♪」
(!!!アカン!!ど、どこに隠れよう!?)
あたりを見渡す中澤、しかし隠れられそうな場所が無い。
「一か八かやな!!元くノ一の力見せたるわ!!」
ガラガラガラ…。
「誰もいないみたいだべさ。」
「おっかしいれすねぇ〜、確かに服は有るんれすけど…。」
「まぁ忘れたんでしょ。とにかくはいろうよ。」
中に入り、身体を洗い始める4人。
「カオリしゃん細いれすねぇ〜♪ののお腹出てるれすぅ〜。」
「ソウ!?軽量化サレタカラカナ?」
「けいれうか…?何れすか?」
「ダメだべさ、ののちゃん。カオリの言葉の意味なんて考えたら。」
「そうれすね。気にしないれす。てへてへ。」
その時、天井を見ていたカオリがあるものを見つけた。
「ア…。」
天井に中澤がへばりついていた。
必死の形相でカオリに向かって首を振っている。
(人物認識中…。データ無。ヨッテ無視。)
化粧が落ちて、なおかつ鬼気迫る中澤の顔は誰だかカオリには認識できなかった。
- 109 名前:宿屋 投稿日:2001年10月12日(金)23時07分47秒
- そして、十分湯船に浸かった後、風呂を出た4人。
風呂の戸を閉めると同時に、
ドシーン!!!
何かが落ちる音が響いた。
「なんの音れすかねぇ?」
「さぁ?」
脱衣所で4人はそんな会話をして笑っていた。
(イタタタタ…、思いっきり腰打ってもうた…。)
腰を擦る中澤。
「年かなぁ…、昔はこんなん平気やったのに…。」
改めて、自分が年老いたことを痛感する中澤。
……………………………………
浴衣を着て、部屋に戻るのの達。
「おっ、ご飯が出てるべさぁ〜!!!」
「ホントれすねぇー!!食べるれすぅ〜。」
それぞれ御膳の前に座る。
「「「「いっただきまーす。」」」」
- 110 名前:宿屋 投稿日:2001年10月12日(金)23時08分18秒
- 行儀が悪いのの。
がっつくなっち。
箸の使い方がいまだによくわからないで苦戦中の圭。
凝視して、江戸時代の食事のデータを取るカオリ。
4者4様で食事を行っていた。
ふと相向かいの圭がののを見て気がつく。
「ののちゃん…、大事なところ見えてるよ…。」
片足を立てて食べていたののの大事な部分が丸見え。
江戸時代の女性に下着をつける習慣は無かった。
「てへへへへ…。」
といって、正座するのの。
「もうちょっと女の子らしくしたほうがいいべ…、ののちゃん。」
「なっちもね、お膳の周り食べかす散らばってるよ。」
「アハハだべぇ〜。」
「あ、カオリしゃん!!食べないならののがもらうれす!!」
「なっちがもらうべ!!」
そうして、夜は更けていった…。
深夜。
ののは再びあの夢を見ていた…。
- 111 名前:レイク 投稿日:2001年10月12日(金)23時11分34秒
- >>102
のちのち、チャーミーとヨッスィーの話は明らかになるかもしれません。
>>103
ありがとうございます。そう言っていただけると光栄です。
少しずつですが話をすすめていくのでたまにでもいいので
チェックしてみてくださいね。
- 112 名前:ラック 投稿日:2001年10月12日(金)23時50分29秒
- 中澤を見たのが、ロボかおりでよかった(w
危なく見つかるところだった。
けれど、こんなことじゃあもうすぐに見つかりそうですね(w
レイクさん、影ながら応援しています。
ガンガッテください
- 113 名前:名無し男 投稿日:2001年10月13日(土)00時23分19秒
- 今回のフードファイトの勝者は?(w
- 114 名前:requiem 投稿日:2001年10月13日(土)01時05分01秒
- がんがってください。
応援してます。
いつもへたれ感想レスですいませんm(_ _)m
- 115 名前:宿屋 投稿日:2001年10月13日(土)23時04分23秒
- 白い空間。ののはその中に浮いていた。
「のの…。」
どこからとも無く聞こえる姉・かごやの声。
「おねーちゃん!!どこなの〜!?出てきてよぉ〜!!」
必死に叫ぶ。
「ごめんなぁ…のの…。」
「出てきてよぉ〜…寂しいよぉ〜〜!!」
「ウチは…アンタの傍にいる…がんばって旅をしーな…。」
「おねぇちゃ〜ん…のの辛いよ…。」
「何弱音はいとんねん…、みんなおるやん…なっち、カオリも圭ちゃんも…。」
「でもおねーちゃんがいないもん!!」
「………せやな、けど…。」
何かを言いかけ、そのままその声は聞こえなくなった。
「おねーちゃん!!やだよ!!おねーちゃん!!」
飛び起きるのの。
- 116 名前:宿屋 投稿日:2001年10月13日(土)23時05分13秒
- 「また…夢れすか…。」
ふと窓を見ると満月が顔を出していた…。
「んぐっ、ひっく、おねぇちゃぁん…。」
泣かないと誓ったはずなのに涙がこぼれるのの…。
「ドウシタノ…?」
その声にびくっとする。
「カオリしゃん…な、なんでもないれすよ…。てへてへ…。」
「オイデ…サミシインデショ…。」
「……うん……。」
そう言って、ののはカオリの布団の中に潜り込んだ。
そっとののを包み込むカオリ。
「カオリネ…人間ジャナイカラ…気持チトカヨクワカラナイケド…ノノチャンガ寂シイッテ、
分カルキガスルンダ…。」
「カオリしゃん…。んぐっ、ふぐっ、うわ〜〜〜〜〜ん!!」
「ヨシヨシ…泣テイイヨ…。」
カオリはののを抱きしめ頭を優しく撫でた。
(ドウシテコンナニ悲シイノカナ…。)
その泣き声はしばらく続いたが、やがて寝息に変わった。
- 117 名前:洞窟 投稿日:2001年10月13日(土)23時06分02秒
- 「あそこに人が住んでいるかもね…。」
「行くの?ごっちん。」
「もちろん。だってりんご勝手に食べちゃったし。」
「そうだね。でも恐い人だったら?」
「その時はその時だよ。」
「そっか。」
二人はりんごをかじりながら、洞窟の中に入っていった。
中は真っ暗闇。
キキキキキキキ…。
「きゃっ!」
「おおっ!!」
思わずその得体の知れない鳴き声に身を伏せる二人。
「大丈夫だよ加護。たぶんコウモリ。」
「かえろ〜よ〜、恐いよー…あ、待ってよごっちん!!」
後藤はそんな加護の言葉を聞かずに中へ進んでいった。
すると、先のほうに日の光ではない明かりが見える。
どうやら炎による明かりのようだ。
「やっぱり人いるみたいだね。」
「うん…。」
二人が少し進むと少し広い空間に出た。
その時
「誰や!!」
と、二人を見つけたその洞窟の住民が叫ぶ。
その声にびくっとする二人。
ふと、その住民と後藤の目が合った…。
「「…………。」」
- 118 名前:洞窟 投稿日:2001年10月13日(土)23時06分51秒
- 「「あーーーーーー!!!!」
「落ち武者ぁ〜〜〜!?」
「ごまちゃーーーん!?」
「なんだー、落ち武者じゃ〜ん。驚かせないでよー!!」
「こっちがビビったッちゅーねん!!」
「何でこんなところにいるの!?」
「それはこっちのセリフや。未来に帰ったんちゃうんかい自分。」
「う〜ん…。また来ちゃった。アハハハ…。」
「アハハやないやろ〜。で…その後ろに隠れ取るん誰やねん?連れか?」
「あ、ほら、加護。挨拶しな。」
「うん。」
そう言って、後藤の後ろから顔を出す加護。
「こんばんわ…。」
「………!!!!!で、出た〜〜!!ナンマンダブナンマンダブ…。」
手を合わせ必死に拝む落ち武者。
- 119 名前:洞窟 投稿日:2001年10月13日(土)23時08分50秒
- 「アハハハハ。」
笑い出す後藤。
「何や!?何がおかしいねん!?」
「だって、この子かごやちゃんじゃないよ。」
「へ…?」
「似てるでしょ?」
「まぁ…。」
あっけに取られる落ち武者。
「この子がね、かごやちゃんの生まれ変わり。つまり私と同じ未来の子。」
「どうゆうことやねん?」
「うん、長く話せば長くなるけど…この子が未来からかごやちゃんに呼ばれてこの時代に来たの、
後藤はついでかな…?」
「なんや、また大変そうやな…。あ、ほかの奴は??」
「みんなとはまだ出会ってないんだ…。落ち武者がいるってことはあれからそんなに経ってないよね。」
「さよか…、あれから2年くらいたっとるで。あのな、鬼退治してな、ウチ報酬に
1両もらったねんけど、スリにおうてなぁ…で、また洞窟暮らしやねん。アハハハ。」
「そっか、2年か…。あ、りんごもらった。」
「ええよ、別に。ウチがここ住みついた時にはすでに生えとったもんやし。まだぎょーさんあるしな。」
「平家さんそっくりだね…。」
ふと落ち武者の顔をジーっと見ていた加護が後藤に話し掛ける。
- 120 名前:洞窟 投稿日:2001年10月13日(土)23時09分35秒
- 「ああ、この人ね、落ち武者って言うんだけど、後藤と前旅をしたひとなんだ。
多分みっちゃんの先祖か生まれ変わりだと思うよ。」
「ふ〜〜ん。」
納得する加護。
「誰やねん、そのみっちゃんって。」
「なんでもないよ。」
「まあ、ええか。で、なんの為にこの時代に連れて来られたん?」
「んとね、赤い鳥を見守ってくれってかごやちゃんに言われたのよ…
どこに居るかわかんないんだけど気づいたら二人でこの森にいたんだ。」
「ふ〜ん…。赤い鳥か…。ん!?もしかして、この先に居る鳥ちゃう!?」
「し、知ってるの!?」
「お、教えてください!!」
「ああ、まぁちょおついて来ぉ〜。」
そう言って落ち武者は洞窟のさらに奥へと二人を案内した…。
「「うわぁ〜〜…きれ〜〜〜い…。」」
その鳥を見たとき加護と後藤は同時にその言葉が出た。
そこには真紅の羽をした一匹の鳥が蹲っていた…。
- 121 名前:レイク 投稿日:2001年10月13日(土)23時12分32秒
- >>112
元くノ一らしいですけどねぇ。(wその可能性高いですね。
応援ありがとうございます。
>>113
ののです(wたぶん(w
>>114
ありがとうございます。がんばります。
- 122 名前:名無し男 投稿日:2001年10月14日(日)13時57分15秒
- 実は京都パープルサンガのマスコットだったりして(w
- 123 名前:village “natsukashi” 投稿日:2001年10月14日(日)23時05分21秒
- 「ごめんね…。二人とも…。」
「ううん。しょうがないよ、彩ちゃん。」
「私、いつかここ出なきゃって思っていたから…。」
何もない家で彩、明日香、紗耶香はそう話していた…。
「ここも売りに出したし…。」
そう、彩の父は万屋主人で、明日香、紗耶香はその万屋の使用人になっていた。
しかし、半年前彩の父親は流行の奇病で倒れ、そして先日息を引き取ったのだ…。
品物はすべて下取りされ、家の権利書も譲渡され、数日後には使用人二人は
出て行かなくてはならなかった。
娘である彩は2年ほど前に結婚をし、この後、旦那の家に住むことになっているが、
明日香と紗耶香には何処にも行くあてが見つかっていなかった…。
「ごめんね…二人の再就職先見つけてあげたかったんだけど…もう、私には何の権力も無くて…。」
頭を下げる彩。
「そんなこと無いよ、今まで明日香も私も生きてこれたのは彩ちゃんや、彩ちゃんのお父さんが
私達を雇ってくれたからだもん。ね、明日香。」
「うん。そうだよ。私も18だよ。自分のことなんて自分で決められるもん。」
- 124 名前:village “natsukashi” 投稿日:2001年10月14日(日)23時05分54秒
- 「明日香…紗耶香…ごめんね、本当にごめんね…。」
重い空気と彩の赤子の声だけがその部屋を支配していた…。
「そうだ、あのね、少ないけどこれ、退職金。」
彩は風呂敷から2両を取り出した。
すべて売り払ってたった2両…。
彩の父は死後大きな借金を残していった…。それは土地、家、商品、家具すべて売り払って
2両程度のすずめの涙ほどしかない遺産となった。
「いらないよ。こんなの…。」
「私も要らない…。」
二人はその事情を知っている。
彩の父親が死ぬ直前まで二人は経理と営業を担当していたのだから…。
彩は二人がこの金を受け取り拒否するのは分かっていた。
けれど、こうなった以上自分にも責任はあると思っていたのだ。
- 125 名前:village “natsukashi” 投稿日:2001年10月14日(日)23時06分28秒
- 「お願い…。もらってよ…。」
二人に1両ずつ押し付ける彩。
「いらないよ!!こんなの!!」
そう叫び、明日香は1両を床に叩きつけ、外へ飛び出していった…。
「明日香!ちょっと待って!ごめん、彩っぺ今はもらえない。」
紗耶香は彩に1両を渡し返すと、そのまま明日香を追った。
「まって!明日香!!」
呼び止めようとするが、明日香は加速して走っていく。
紗耶香も見失うまいと、明日香を追って走った。
そして二人は、ヤグチ、亀吉と別れたあの川の土手に来ていた。
- 126 名前:レイク 投稿日:2001年10月14日(日)23時07分46秒
- >>122
孔雀ですか?どうかなぁ〜(w
レスありがとうございます。
- 127 名前:名無し男 投稿日:2001年10月15日(月)01時10分01秒
- バラ珍なみの感動の再開に期待!!
- 128 名前:village “natsukashi” 投稿日:2001年10月16日(火)23時49分23秒
- やがて疲れたのか走りを止める明日香。
やっとその明日香に追いつく紗耶香。
「はぁ、はぁっ、速いよ…。明日香…。」
息切れ切れな二人。
「…………。」
黙る明日香。
「はぁっ、はぁっ、彩ちゃんだって…辛いんだよ…。
けど、そうするしかないって思ったからああしたんだと思う。」
「…………。」
「ちょっと?明日香?きいてんの!?」
「ねぇ、ここでヤグチと亀吉を見送ったんだよね…。」
突然川を見つめながら喋りだす明日香。
「はぁ?」
「ヤグチは、自分の力でヨッスィーって女の子を見つけ出したんだよね。
大きくなるって夢も叶えてさ…。」
「それが…?」
「私達はさ…。単に行き場がなくて彩ちゃんの家にお世話になっていただけなんだよね…。」
「…………。」
「私もさ、自分の将来考えるころだなって思ってたんだ、最近…。」
「明日香…。」
- 129 名前:village “natsukashi” 投稿日:2001年10月16日(火)23時51分47秒
- 「私ね、お母さん探したい…。私を捨てたお母さんを探したい。ただ、ひと目でもいいから
私のお母さんを見てみたい…。」
「…………。」
「最近、夢に出て来るんだ…。顔のない女の人が小さな頃の私に『ごめんね。』って言って
去っていくの、でもその女の人の頬は涙で濡れてるの…。私は「大丈夫だよ、私強いもん。」
っていつも答えてるんだ…。恨んだ事もあった、自分の運命を呪った事もあるよ、でも、私
お母さんを求めてるんだって分かったんだ…。」
「明日香…。」
明日香は泣いていた。紗耶香には涙を見せぬよう背中を向け、でも身体は震えて、
声は涙声になっていた、しかし明日香は語ることを止めない。
「もう私たちは旅立つべきなんだよ。彩ちゃんから、なつかしの村万屋から…。お世話に
なったのに、ここまで生かしてもらったのに、お金なんてもらえないよ。なのに、お金押し
付けてきて急に悲しくなっちゃった…。」
「だって、それは…。」
- 130 名前:village “natsukashi” 投稿日:2001年10月16日(火)23時53分26秒
- 「うん。分かってる…でも、従業員と雇い主の娘である前に私たちは友達だもん。」
「そうだね…。そうだよ…お金なんて要らないよね!!よし、お金の変わりに酒でも
奢ってもらおう!!」
「…うん!!」
「これからのみんなの旅立ちの宴やろっ!!」
「うん!!」
………………………………
「すいません。どなたかいらっしゃいませんか?」
そのころ、万屋に一人の女性が尋ねてきた…。
「すいません、ウチはもう店たたんでいまして…やっていないんですけど…。」
たずねてきた女性に対し、店は閉店したことを告げる彩。
「あの、違うんです…。私今、人を探しているんです。娘を…。」
「娘さんですか…?」
「はい…、18歳くらいの女の子で…明日香って名前で…。」
「!!!!」
驚く彩…。
「ここのお宅に、同じ名前の同い年くらいの女の子がいると聞きまして…。」
- 131 名前:レイク 投稿日:2001年10月16日(火)23時54分42秒
- >>127
バラ珍ですか…。ナレーターの声が嫌いです(w
レスどうもありがとうございます。
- 132 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月16日(火)23時59分43秒
- 入れ違い〜〜〜!?(涙
レイクさん!加護パシリ日記番外編の最終話、読みたいれすぅ・・・
- 133 名前:名無し男 投稿日:2001年10月17日(水)00時46分43秒
- ダーー!!!惜しい!!
- 134 名前:名無しさん 投稿日:2001年10月17日(水)05時56分07秒
- あ、酒出もおごってもらうとかいってるから、入れ違いじゃないね^^
- 135 名前:village “natsukashi” 投稿日:2001年10月17日(水)23時04分30秒
- 「はい…、今ちょっとでてるんで、お待ちになってください…。」
「はい…。すいません。」
中に通される女性。
(明日香の母親…?十数年も頬って置いていまさら…?)
少し怒りに似た感情を持ちながら急須でお茶を注ぐ彩。
「どうぞ…。」
お茶を女性に出す。
「すいません。」
と頭を下げる女性
「あの…、他人のことを口を挟むようですけど…なんで小さい明日香を置いてったんですか?」
- 136 名前:village “natsukashi” 投稿日:2001年10月17日(水)23時05分02秒
- 「……それは…、あの子は妻子ある男性と私の間に出来た子で……。」
「そんな理由で捨てるんですか?子供には関係ないじゃないですか!?」
徐々に怒りに充ちてくる彩の口調。
「はい…本当にあの子には申し訳ないことをしたと…謝っても謝っても許されることではないのは
重々承知なんです…。」
「なら、なんでいまさら!?」
「あの子を置いていった後…。がむしゃらに私は働いてやっと店をもてるようになったんです…
そうしてやっと、落ち着いた時無性にあの子の事が気になって…。」
「そんなの、身勝手ですよ、貴方の!!」
「はい…。でも…あの頃はあの子を育てられなかった…。育てられなかったんです!!
迎えにいく事をいつも考えて、うっ、うっいつも…働いていました…。」
ついに泣き始める女性…。
「…………。」
怒りと情けが心の中を混同する彩はこれ以上責めるのを止めた。
(責めても何も変わらない…。明日香が来るのを待とう…。)
- 137 名前:village “natsukashi” 投稿日:2001年10月17日(水)23時05分38秒
- そのころ、のの一行はなつかしの村に来ていた。
「ん〜。いいれすねぇ、この感じ。懐かしいれす。」
「そうだべねぇ〜、ゴマちゃん元気だべかぁ?」
「ゲンキダトオモウヨ。今アンドロイド“後藤真希”モデルハ活躍中ダヨ。」
「なんで、あの子あたしが圭って名前だって知ってたんだろうね?」
「ん〜、のの前聞いたんれすけど、未来にものの達とそっくりの子が似た名前なんだそうれす。」
- 138 名前:village “natsukashi” 投稿日:2001年10月17日(水)23時06分11秒
- 「あ…。明日香さんと紗耶香さんだべ。」
その時、なっちは明日香と紗耶香を見つけた。
「ほんとうれすぅ〜。明日香しゃ〜ん!!紗耶香しゃ〜ん!!」
手を振って二人の元へ掛けて行くのの。
その声に気づく明日香と紗耶香。
「あれ、あの子…ほら、ヤグチの友達の。」
「あー、どうしたんだろ?お〜〜い。」
手を振り返す紗耶香。
「元気れすかぁ〜?」
「ん?まぁ。ね、明日香。」
「うん。元気だよ。ののちゃんだっけ?元気?」
「はい!!ののはいつも元気れす、のんすとっぷののれすよ。てへてへ。」
なっち達もののに遅れ合流する。
「久しぶりだべ。」
軽く握手を交わすなっち。
- 139 名前:village “natsukashi” 投稿日:2001年10月17日(水)23時06分45秒
- 「今日はみんなどうしたの?」
「ん〜なっち達は旅の途中だべ。」
「旅?何処行くの?」
「ひとまず鬼が島向かってるべ。」
「そっかぁ〜。もう夕方だし、宿決まってるの?」
「まだ決まってないべさ。」
「じゃあ、万屋に泊まっていきなよ、今日は宴会やる予定だから。」
「ちょっと、紗耶香。」
「いいじゃない。宴会は楽しい方がいいでしょ?」
「まぁ…。」
「食べ物出るれすか?」
「ん?たくさんでると思うよ。」
「なら、いくべ!いくべ!いくべ〜!!」
「いくれす、いくれす、いくれす〜〜!!」
圭はあきれ返った表情をしていた。
- 140 名前:レイク 投稿日:2001年10月17日(水)23時08分55秒
- >>132
パシリ外伝ですか?現在マターリ作成中です。
>>133
入れ違ってませんよ(Wこれからが大変ですね。(w
>>134
宴会やるらしいです。(w
- 141 名前:名無し男 投稿日:2001年10月18日(木)09時58分43秒
- やっぱ飯に釣られる2人
- 142 名前:377? 投稿日:2001年10月18日(木)14時00分44秒
- やっとここみつけれた、2ヶ月も探してたよdcやめてpcでみてます、続き期待してますね
- 143 名前:手当て 投稿日:2001年10月20日(土)23時09分18秒
- 「戻ったよ、よっすぃー!!チャーミー!!」
ヤグチが小屋の扉をノックする。
勢いよく扉を開けるヨッスィー。
「おかえりなさ…く、熊!?カ、カッケー!!!」
「カッケーじゃねーよっ!!あ、ここの小屋の家主の亜弥ちゃんと、熊のしげる。
亜弥ちゃん、この子、ヨッスィー。ヤグチの恋人。」
「はいー、亜弥ですぅ〜よろしく〜。」
「どうも。」
と亜弥とヨッスィーが握手を交わす。
「で、チャーミーの具合は!?」
「それが、なんか、さっきから意識がなくて…。」
「急ぎましょう。」
中へ入る二人、しげるは外で番犬代わり。
中へ入りチャミーを見た亜弥は
「これはひどい…。」
と、もらした。
「どうなの!?チャーミーの具合。」
「悪いよ、かなり…、ちょっと急いで服脱がせて。」
そう指示されヤグチとヨッスィーはチャーミーの服を脱がす。
するとその身体には無数の火傷が各所に見られる。
- 144 名前:手当て 投稿日:2001年10月20日(土)23時09分59秒
- 「「!!!」」
絶句のヤグチとヨッスィー。
「ヤグチさん。そこの棚にお酒があるから取り出して。」
「…………。」
あまりのショックに亜弥の言葉が聞こえないヤグチ。
「早く!!」
「…あ、うん。」
ヤグチが棚を開けると、そこには酒瓶が有った。
すぐさまに酒瓶を渡すヤグチ。
亜弥は酒瓶の栓を開けると酒を口に含み、チャーミーの火傷に向かって噴きつけた。
「ンガァァァァァァ!!」
無意識の中で、あまりの激痛に叫び暴れるチャーミー。
「ヤグチさん、ヨッスィーさん押さえてて!!」
「「はい!!」」
なおも酒を一口含んでは、チャーミーの火傷に吹きつづける亜弥。
チャーミーは全身を激しく酒を逃れようと動く。
「我慢して!!チャーミー!!生きなきゃ!!生きなきゃ!!あの人のためにも生きなきゃ!!」
そう叫ぶヨッスィー。
「あの…人…?」
ふと、チャーミーに意識が戻る、それは更なる激痛の始まりでもあるが…。
「そう…あの人にもらった命…あの人の代わりにも生きなきゃ…。」
視点が定まらないチャーミーがそうつぶやく。続けて、
「続けてください…チャーミー生きてなきゃいけないんです…。」
そう、亜弥に頼むチャーミー。
- 145 名前:手当て 投稿日:2001年10月20日(土)23時10分31秒
- 「分かりました。意識が戻るって事は無意識以上に激痛が伴うはず…がんばって耐えてね。」
その亜弥の言葉にチャーミーは深く頷く。
「ヤグチさん、ヨッスィーさんよく押さえていてくださいね!!」
「「はいっ!!」」
そして、再び亜弥は酒を口に含みチャーミーの身体に吹き付ける。
「イッ…!!!ぐぅうぅぅううううう。」
チャーミーは必死に激痛と戦い身体を硬直させる。
「がんばってチャーミー!!」
その言葉に頷く。
「そこにある、薬草を全部あの棚に入ってるすり鉢で擂ってください!!」
「はいっ!!」
亜弥に命ぜられたヨッスィーは、棚からすり鉢とすり棒を取り出し、
ヤグチたちが獲ってきた薬草を放り、急いで擂り始める。
(チャーミー…がんばってね…、あの人の変わりに生きなきゃ…。)
涙を流しながらヨッスィーは必死に薬草を擂った。
- 146 名前:手当て 投稿日:2001年10月20日(土)23時11分30秒
- ………………………
長い長い夜が明けた頃…、やっとの事で処置が終わった…。
「ひとまず、これで処置終了です。後はチャーミーさんの体力次第です。」
亜弥はそういった。
「大丈夫だよね…きっと…。」
そうつぶやくヤグチ。
その肩に手を添えるヨッスィー。
「大丈夫ですよ、チャーミーは死ぬわけにはいかないんです。」
「うん…そうだね…。」
正直、ヤグチはチャーミーとヨッスィーの間になんらかの関係が有り
「あの人」という言葉に引っ掛かりを持っていた。
ただ、今はそんなことを気にしている暇はないと、その事は触れない事にした。
「今日は始まったばっかりです、ヤグチさん。栄養のある食べ物を取ってきましょう。」
亜弥は鉞を担ぎながらヤグチに話し掛ける。
「あ…うんっ!!」
そして、ヤグチと亜弥は食べ物を探しにしげるに乗って出かけ、ヨッスィーは看病に当たった。
寝ているチャーミーの手をそっと握るヨッスィー。
(大丈夫だよね…きっと大丈夫…。)
窓に差し込む太陽の光が眩しかった。
- 147 名前:レイク 投稿日:2001年10月20日(土)23時13分44秒
- >>141
食欲旺盛育ち盛りです(W
>>142
どうもお久しぶりです。ここを見つけていただきありがとうございます。
- 148 名前:名無し男 投稿日:2001年10月21日(日)02時52分12秒
- あの人って誰だ?人っちゅうことは人間?
気になって気になって不眠症になりそうじゃ(w
- 149 名前:保田娘。 投稿日:2001年10月24日(水)20時10分57秒
- チャーミーの愛する人……? 誰だろ、ドキドキ。
レイクさん、おひさです〜♪
- 150 名前:never die? 投稿日:2001年10月24日(水)23時43分05秒
- 「きれいやろ?」
「「うん。」」
「この鳥なぁ。ウチを呼んどったんかもしれへんねん。」
落ち武者はしゃがみ込むと、不死鳥を撫でる。
「どゆこと?」
「ウチは、ホンマ運に見放されとってん…。」
……………………………
「あ゛−−−!!もう゛!!どないなっとんねん!!この森!!」
落ち武者は富士の樹海を彷徨っていた。
2日後…。
倒れた。
正確には動く力も無くなって躓いてこけた。
- 151 名前:never 投稿日:2001年10月24日(水)23時43分47秒
- (アカン…ウチ死ぬんか?)
視界がぼやけてくる。
(埋蔵金…。アホやなぁ…噂、真に受けて…。)
「ハハハハハ…死体や、死体がころがっとる…。」
躓いたのは白骨化死体。
「死んでたまるかアホッ!!」
落ち武者は立ち上がり、頭蓋骨を蹴っ飛ばした。
「神も仏もあるかヴォケェ!!神に見放されとっても負けへんぞ!!」
その時だった。
目の前に真紅の羽をした鳥が落ち武者を見ていたのだ。
「なんやねん!!見物料取るで!!自分!!」
鳥に向かってキレた。
すると、その鳥は少し飛んでは止まって落ち武者を見る。
「なんや!?ついて来いゆーことか?上等じゃヴォケェ!!」
…
- 152 名前:never 投稿日:2001年10月24日(水)23時44分46秒
- ……………………
「ほんで、いつの間にかここに来てん。人がいーへんのが難点やけど、
本来ウチ一人モンで孤独やったから、ここは楽園やと思うねん、ウチにとって…。」
不死鳥の身体を擦り
「それに、ゴマちゃんにも、そこの子にも会えたしな。」
「「うん。」」
お互いに笑いあう3人。
「でもなぁ…。」
「なに?落ち武者。」
「なんかなぁ。この子元気ないねん、最近…。」
- 153 名前:レイク 投稿日:2001年10月24日(水)23時47分55秒
- >>148
そうですねぇ、いつか語られるでしょう(w
>>149
どもです。お久しぶりです。先ほども述べましたがいつか語られる事でしょう。
レスありがとうございます。
- 154 名前:名無し男 投稿日:2001年10月25日(木)01時44分21秒
- 不死鳥の名前は『パーサくん』に大決定!(勝手に決めんなや俺w)
- 155 名前:village “natsukashi” 2 投稿日:2001年10月25日(木)23時05分06秒
- 「「ただいまー!!」」
万屋の戸を開くと同時にそう言葉を放つ紗耶香と明日香。
すると、奥から神妙な面持ちの彩が出てきた。
「おかえり。」
その様子に、明らかにおかしいと気づく二人。
「どうしたの?」
「ちょっと、明日香来てくれる?」
と手招きする彩。
不思議に思いながら彩の元へ向かう明日香。
その時、紗耶香が
「ねぇ、ほら、この子達、覚えてる?彩ちゃん。」
そう言って、のの一行を中に入れる。
「あ、ヤグチの…。」
「そう。でね、今この子達鬼ヶ島向かってるんだって、
もう夕暮れだし泊まってってもらおうと思って…。」
そう聞くと、彩は少し考えて
「いいよ、泊まって行って貰いな。」
と、答えた。
その言葉に喜ぶのの一行。
「で、何?彩ちゃん。」
尋ねる明日香。
「あ、ごめんね、あのね…。」
彩は明日香に母親らしき人物が今、万屋に来ている事を耳打ちした。
「わかった、奥にいるんだね…、会ってみる。」
- 156 名前:village “natsukashi” 2 投稿日:2001年10月25日(木)23時05分36秒
- そして、明日香は、奥に入っていった。
「あ、紗耶香。」
「何?」
「その子達に客間使ってもらって。あと、客間案内したら、ちょっと居間に来てよ。」
「うん。じゃあ、みんな、客間に案内するね。」
「はい、れすっ。」
彩は明日香と母親らしき人物のいる居間へ向かい、紗耶香はのの達を居間に案内した。
客室に通されるのの一行。
「広いれすぅ〜!!この前の宿のお部屋より広いれすよぉ〜♪」
広い客間で大はしゃぎするのの。
「ゆっくりしてってね。」
と人数分お茶を差し出すと、紗耶香は彩のところへ向かった。
「どうも、ありがとうだべ。」
「アリガトウゴザイマス。」
と頭を下げるカオリ、圭、なっち。
その時、ののはバシバシ何故か柱を叩いて喜んでいた。
- 157 名前:village “natsukashi” 2 投稿日:2001年10月25日(木)23時06分09秒
- 廊下を居間に向かって歩く紗耶香。
すると、彩が今の前の中庭で池をしゃがみ込んで眺めているのに気がつく。
「彩ちゃん?」
そう紗耶香か呼びかけると振り返る彩。
彩は泣いていた。
「紗耶香ぁっ!!」
紗耶香に抱きつく彩。
「…どうしたの?」
「………あのね。今…明日香の母親をね、名乗る人が来ているの…。」
「えっ…?」
身体を離すと涙を袖でぬぐう彩。
「今、明日香その人に会ってる…。」
「そうなんだ…。で、何のために来たの?その人。」
「…迎えに来たんだって…、やっと人並みに生活できるようになって明日香を迎えに来たって…。」
「それって、その人のワガママじゃん…。生活できなかったからって置いてって、今更…。」
「うん…、私もそう言ったんだ…。」
深くため息をつく二人。
ふと
「ちょうど良かったのかもね。」
と紗耶香は言った。
「えっ…?」
- 158 名前:village “natsukashi” 2 投稿日:2001年10月25日(木)23時06分42秒
- 紗耶香は川原での明日香との会話を思い出していた。
「明日香ね、さっき飛び出したときね、この先の事二人で話し合ったんだ。」
「うん…。それで?」
「明日香…お母さん探したいって言ってた。」
「そうだったんだ…。」
動揺を隠せない彩。
両親の居ない明日香の気持ちを彩はわかってあげていられなかったのだから…。
「私も、何か見つけなきゃ…。」
「紗耶香…?」
遠くを見つめる紗耶香が彩には遠くの存在に見えた。
「さっきね、お金はやっぱり要らないって二人で決めたんだ。それなりに私たちも蓄えはあるし。
でね、今夜、私と明日香の旅立ち祝いの宴をやってもらいたいなーって思ってさ。3人じゃ
つまらないかなぁと思ってたところに、偶然ののちゃん達に会ってさ、あの子達も一緒にどうかなぁ
ってつれてきたんだけど…。ひとまず、明日香の事が先だよね。」
そう気丈ににかっと笑う紗耶香。
「うん。」
その笑顔に元気をもらい、微笑を作って彩は頷いた。
- 159 名前:レイク 投稿日:2001年10月25日(木)23時07分47秒
- >>154
またパープルサンガですか(w
鳳凰ですよね、あれ(w
- 160 名前:名無し男 投稿日:2001年10月26日(金)12時01分23秒
- さて、交渉の結果は・・・
- 161 名前:village “natsukashi” 2 投稿日:2001年10月26日(金)23時06分51秒
2時間が経った。
- 162 名前:village “natsukashi” 2 投稿日:2001年10月26日(金)23時07分28秒
- 彩と紗耶香は宴会の料理を作っていた。
「話すことたくさんあるんだろうね…。」
彩は呟く様に喋る。
「そうだね。10数年の時間を埋めなきゃ、それに謝罪もあるだろうし…。」
紗耶香も同様に呟くように喋る。
「2刻ばかりじゃ、到底埋まらないよね…。」
「まぁね。」
棚を開ける彩が酒がないのに気がつく。
「あ、お酒切れてる…。ちょっと紗耶香、買ってきて。」
「うん。どのくらい買えばいいかな?」
「景気よく15本くらいで良いや。」
「多いよー、それぇー。」
「だって今日は宴会でしょ?」
「まぁね。ふふふふふ。」
二人は笑い合った。
その時、話しを終えたのか、明日香が調理場にやってくる。
「明日香…。」
明日香に気づく2人。
「帰ったよ、あの人。今日、近くの宿屋に泊まるんだって。」
「…そうなんだ…。」
少し明日香は大きく息を吸い込む。
- 163 名前:village “natsukashi” 2 投稿日:2001年10月26日(金)23時08分01秒
- 「私ね…あの人のところに明日行く…。」
「「えっ…。」」
突然の決断に驚く二人。
「まだ母親なんて感じがしないけど、ひとまず一緒にいて感じてみたいの…この人が
お母さんなのかなって実感…。許すのはそれからだけど…。」
「そっか、それもひとつの選択かもね。」
「あ、二人で酒買ってきてよ。一人じゃたくさんで持ちきれないだろうから。」
そう言って、彩は明日香に金を渡す。
「うん。わかった。」
「いこ、明日香。」
「行ってらっしゃい、気をつけてね。」
そう言って、彩は明日香と紗耶香に軽く手を振る。
「「いってきます。」」
二人も軽く手を振り返した。
- 164 名前:village “natsukashi” 2 投稿日:2001年10月26日(金)23時08分52秒
- その時、客間では
「おそいれすよっ!!お腹が背中にくっつきそうれすよッ!!」
「それはないべ〜、どう見てもポッコリ出てるべさぁ、ののちゃんのおなかぁ〜。」
「いったれすねぇ〜!!なっちしゃんも人のこと言えないれすよっ!!」
「なっちはお腹と背中がくっつきそうなんていってないべさぁ〜。」
「ううぅ…うわ〜〜〜ん!!ガオ"リ゛じゃ゛〜〜ん゛ナッヂしゃんがいじめるれずぅ〜〜!!!」
ののはカオリの後ろに隠れる。
「ダメダヨ喧嘩ハ。フクロウノ話シスルヨ。」
「それは勘弁だべさ。」
「あたしも聞きたくない。」
「の"の"も"嫌れずぅ〜!!」
「ナラ喧嘩ハ辞メナサイ。」
「「はい。」」
- 165 名前:レイク 投稿日:2001年10月26日(金)23時09分25秒
- >>160
結果は出たようですね。(w
- 166 名前:名無し男 投稿日:2001年10月27日(土)01時18分25秒
- 長話されたら聞いてるうちに干乾びてまう・・・
- 167 名前:village “natsukashi” 2 投稿日:2001年10月27日(土)23時07分52秒
- そして宴は始まった。
乾杯の台詞は彩だった
「それではぁ〜♪みんなの旅立ちを祝してカンパーイ!」
「「「「「「カンパーイ!!!」」」」」」
「ふぅ〜。」
「うめぇ〜。」
などと口々に酒を飲んで言葉を吐く。
「なんか、辛いれすよ。お酒ってこんなもんれすかぁ〜?」
「そうそう、そんなもんだべさ。もっと飲むべさ。」
そう言いながらののに手酌するなっち。
もう一つの片手では茶碗を見ずにうまく箸でご飯をつかみ口に放っている。
「ののもご飯食べたいれすッ。」
酒を注がれてひとまず酒をまた飲むのの。
「なっちは、ご飯お替りだべ。」
彩に茶碗を差し出す。
「食べるの早いれすよッ。ののに酒飲ませてそのうちにお替りして
沢山食べるなんて汚いれすよッ!!」
駆けつけ3杯目を煽るのの。
- 168 名前:village “natsukashi” 2 投稿日:2001年10月27日(土)23時08分28秒
- 「ご飯も、お酒も沢山余ってるからバンバンお替りしていいよ。味噌汁もあるから。」
と、彩がご飯を盛ってなっちに茶碗を返す。
「んがんがんがんが!!」
なっちに負けまいとムキになってご飯を掻き込んで酒で流し込むのの。
そんなののを見ながら耳打ちしあう紗耶香と明日香。
[大丈夫なの?ののちゃんにあんなに酒のませちゃって]
[い〜んじゃないの?めでたいんだし。]
その時、お膳に並べられたおかずとご飯をもくもくとたいらげていた圭が立ち上がった。
「どうしたんれすか?圭しゃん…?」
ほんのりぴんくなほっぺをしたのの。
「ちょっと、一人で飲んでくる。」
そう言って、酒瓶を1本とホラ貝を持ち出して外に出て行った。
「どうしたべさ…?」
「サァ…?」
- 169 名前:レイク 投稿日:2001年10月27日(土)23時09分58秒
- >>166
わけがわからない上に長話ですからね(w
- 170 名前:名無し男 投稿日:2001年10月28日(日)02時20分12秒
- 子供に酒飲ましちゃイ神崎(w
- 171 名前:village “natsukashi” 2 投稿日:2001年10月28日(日)23時04分56秒
- そして、圭は中庭に出た。
ふと、池を覗くと池に月が映し出されている。
しゃがみ込んで水面の揺れる月を肴に酒を飲む。
「ん…?」
圭は池を凝視した。
水面には月の他に万屋の屋根も映し出されているのだ。
(屋根に誰か居る!!)
とっさに振り返り屋根を見る圭。
その屋根に居る人物は圭からは月明かりに背を向けているので影になってよく見えない。
その人物は飛び降りると同時に圭の口をふさいだ。
「!!!!!」
神業的速さに鬼である圭が何もすることが出来なかった。
その人物は、静かに圭に耳打ちする。
「…ウチや。」
(ね、ねえさん!?)
「ちょお静かにしてくれへんか?さわがんでほしいねん。」
コクコクと頷く圭。
そうすると、口をふさいだ手を離す中澤。
「ここやと、具合が悪い。ちょお外出てーな。」
「うん。わかった。」
そう圭が答えると、再び4mほどの高さにある屋根に飛び乗る。
「!!!!!!」
(す、すごっ!!)
- 172 名前:village “natsukashi” 2 投稿日:2001年10月28日(日)23時05分27秒
- 驚きを隠せない圭。
中澤は圭に「アッチアッチ」と指差して口パクする。
その指示に従い圭は、万屋の裏口から出た。
「ねぇさん?」
周りを見渡す、すると、上から中澤が降ってきた。
「おぉっ!!」
ビックリする圭。
「驚かしてすまんな、ちょお見つかると具合悪いねん。」
「なに?よく分けわかんないんだけど?」
「う〜ん。まぁ、お忍びで保護者しに来た。」
「保護者って…ずっと付いてきたの?」
「ん?まぁなぁ、まぁ小旅行の気分で。」
「小旅行ねぇ〜。他の子に気づかれるとまずいの?」
「まぁ、あんたに気づかれるのもまずいわな。ウチの事黙っといて−な。」
「ああ、わかった。もう一つ質問していい?」
「なんや?」
「鬼の私が何も出来なかった…。姉さん何者?」
「ウチか?元くノ一やで、忍びや。」
「へぇ〜、初耳だよ。」
「当たり前やで、娘にも言うとらん。知ってるんはつんくさんくらいやで。」
「ふ〜ん…。」
元忍者と聞いて妙に納得する圭。
考えてみれば、中澤がキレた時の尋常ではない速さを裏付けする事ができるからだ。
- 173 名前:village “natsukashi” 2 投稿日:2001年10月28日(日)23時05分53秒
- 「今度はこっちが聞くで。珍しく外で物憂いかぼし出しとったん自分?」
「う〜ん、ちょっとねぇ〜…あ、酒あるからさ、飲みながらでも話すよ。聞いてくれる?」
と、中澤の目の前に酒瓶を見せる。
その途端、恋に落ちたようにときめいた表情をする中澤。
「うんうんうんうん、聞く聞く聞く、飲む飲む飲む!!!」
少しあきれた表情をする圭。
「ゲンキンだねー、ねーさんも。似てるよ、ののちゃんと。」
「あ、さよかぁ〜?アハハハハ。」
そして二人は、何気なく歩き川へ出た。
「「カンパ〜イ!!」」
湯飲みと酒瓶をぶつける二人。
土手の石に腰掛け、酒を飲む。
中澤は酒瓶を口から外すと
「うまっ!!うまっ!!うまぁ〜〜〜〜っ!!!!」
発狂。
そんな中澤をケラケラ笑う圭。
「ホント酒がすきなんだねぇ、姉さんは。」
「当たり前やがな。酒のない生活なんか考えられへん。」
そう言って、また酒瓶に口をつける中澤。
「で、なんやねん。聞いてほしい、ゆー話は?」
「う〜ん。ちょっと待って。」
と圭は立ち上がりホラ貝を口につけて吹いた。
静かな夜に鳴り響くホラ貝。
「…………。」
再び座る圭。
- 174 名前:village “natsukashi” 2 投稿日:2001年10月28日(日)23時06分24秒
- 「???」
「根暗の事なんだけど…。」
「おう…まだ会うてへんようやな。」
「そうなんだ…、なんかあったのかなって心配でさ…。」
そんな圭の言葉を聞いて、いきなり中澤は笑い出した。
「アハハハ!!なんやねん?いつもあんなにバカにあの子の事しとんのにどないしたん自分?」
「うっさいなぁ〜、いいじゃんかぁ〜。」
そう言って、空に湯飲みを中澤に突き出す。
湯飲みに酒を注ぐ中澤。
「心配なん?」
一口ぐいっと飲むと圭は
「うん。気になってしょうがないんだ。」
と、遠くを見て言った。
「へぇ〜〜。かわっとるなぁ。」
「姉さんだからゆうけどさ、根暗は私の育ての親みたいなモンなんだよ…。」
「へ?」
「だから、親みたいなモンなんだよ、根暗はね。」
「どゆことやねん?」
「まぁ、すこし話せば長くなるけど…聞いてくれる?」
「まぁな、酒もあるしな、聞くで。」
「ありがと…。」
そして、圭はチャーミーとの出会いのことから話し始めた。
「私が根暗と出会ったのは…
- 175 名前:レイク 投稿日:2001年10月28日(日)23時09分17秒
- >>170
そうですね。未成年のののが飲むとどうなるんでしょうか?
- 176 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
- ( `.∀´)ダメよ
- 177 名前:名無し男 投稿日:2001年10月29日(月)01時29分05秒
- 深〜い訳がありそうですな
- 178 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月29日(月)02時12分18秒
- ( ^▽^)が( `.∀´)の親ですってッ!?
- 179 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
- ( `.∀´)ダメよ
- 180 名前:チャーミーと圭 投稿日:2001年10月31日(水)05時11分09秒
- 13年前…。
圭は父親の骸に寄り添い大きな泣き声をあげた。
「まだおったんかいな…。1100両やな。」
刀を振り上げるはたけは、そのまま圭に振り下ろす。
その刹那、つんくがはたけの刃を止めた。
「なんやねん、つんく!!」
「もうええやろ、はたけ…。十分賞金はとったっちゅーねん。」
「せやけど、こいつ生かしとったら、また何年後かに暴れ出すで!!」
「かまへん!そんときは、そんときや…ごめんなお嬢ちゃん…ホンマ堪忍や。」
そして人間達は骸の角を切り取り去っていった。
- 181 名前:チャーミーと圭 投稿日:2001年10月31日(水)05時11分39秒
- 「お父さーーーーーん!!おとうさーーーーん!!うわああああああ!!!」
泣いても泣いても涙が止まらない。
そしていくら泣いても娘に優しかった父は帰ってこない…。
「おとうさーん、おとうさーん!!」
静かな空間…圭の泣く声のみがこの空間を支配する。
「うわ”ああぁぁぁぁん!!うわ”あああぁぁぁぁあん!!」
何が何だかわからない。
ただ目の前の惨劇の悲しさが圭を泣き叫ばせる。
そんな時間がいつまでも続く…永久かとも思われるほど圭はひたすらに泣き続けた…。
幼き圭、父の愛、母の愛が必要なこの時期に両方を同時に目の前で失った…。
そして、数日経ち、やがて涙も出なくなった…。
ボーっとただ圭は父の骸を、母の骸を眺め、骸の傍に居た、夜になれば骸の傍で寝た。
異臭がするようになっても、圭は何も言わず、感じず、骸の傍に居た。
- 182 名前:チャーミーと圭 投稿日:2001年10月31日(水)05時12分39秒
- 「何か食べなきゃ…。」
身体は正直だった。
食べる事を拒否していたが、身体は限界に来ていた。
しかし、食べ物ですらすでに腐っていた…。
そんな時、父達が集会に使っていた部屋であるものを見つけた。
それは飾られてあった大きなホラ貝。
何故か圭はそのホラ貝が気になった。
(確か…これ、お父さん達が困っている時に吹くものだよって言ってた…。)
圭は、そのホラ貝を手にとる。
幼き圭にはそのホラ貝は大きく、両手で持たなければ支えていられなかった。
思い切って、圭はホラ貝を吹いてみた。
吹いたといっても、吹き方がよくわからない。
空気が抜けるような音がした。
「…………。」
ホラ貝を元の場所に戻した。
何も起きない。
「何も起きないよ…。」
そう呟いた時だった。
- 183 名前:チャーミーと圭 投稿日:2001年10月31日(水)05時13分18秒
- 鬼の館の門が開く音がした。
(???)
その音に気がつき、集会部屋から出る圭。
そこには、惨劇を見渡す天女のような綺麗な女性が立っていた。
「あ…。」
圭に気がつく女性。
怯える圭は後退るが壁にぶつかる。
圭に近づいてくる女性。
恐くて圭は瞳を閉じた。
しかし、その刹那、
圭が感じたものは、暖かさだった…。
女性は圭を抱きしめていた。
「???」
抱きしめられた事に動揺する圭。
そんな圭の頬が濡れる…
何事かと女性を見上げると、その女性は泣いていた。
「辛かったね…恐かったね…。」
その女性はさらに強く圭を抱きしめた。
何故か枯れたはずの涙が圭にこみ上げてきた。
そして、再びその女性の腕の中で圭は大声で泣いた…。
- 184 名前:チャーミーと圭 投稿日:2001年10月31日(水)05時13分53秒
- 何故かその女性は圭に優しかった…。
そんな女性に対し、何故か心が開いていく圭。
「おねーさんは、何て名前?」
「乙姫…チャーミー乙姫。あなたは?」
「私、圭。」
「圭?」
少し、その名前を聞いてチャーミーは驚いた顔をした。
「いい名前ね。好きよ、その名前♪」
「うん。私も気に入ってるよ。」
「私の愛していた人も圭って名前だった…。」
「へぇ〜そうなんだ。」
「素敵で強い女性だった。貴方もそういう女性になってほしいな。」
「その私と同じ名前に人どうしてるの?」
すこしチャーミーの顔が曇った。
「お空にある星の一つになったんだよ。」
- 185 名前:チャーミーと圭 投稿日:2001年10月31日(水)05時14分35秒
- 「ふ〜ん。」
「圭ちゃん。」
「なに?乙姫さん。」
「圭ちゃんのお父さん、お母さんもおじさんたちもお星様になろうとしているんだよ。」
「え?」
「ここにお父さん、お母さん、おじさんたちを居させちゃだめ。」
「どうして?」
「今、圭ちゃんのお父さんお母さんはどうしてる?」
「寝てる…。」
「そうだよね、また起きるかな?」
首を横に振る圭。
もう何日も起きてはいない。
圭はもう気づいていた…もう二度と父や母は目覚める事が無い事を…。
「お星様にしてあげるとね。夜、圭ちゃんに会いに来てくれるんだよ。」
「ホント?」
- 186 名前:チャーミーと圭 投稿日:2001年10月31日(水)05時15分24秒
- 「うん。ホント。夜、お空にいっぱいお星様があるのはね、一つ一つが誰かのお父さんや
お母さん、大切な人でそのお父さん、お母さんとかがいつも子供や大事な人に会いに
来てるからなんだよ。」
「じゃあ、圭のお父さんお母さんも夜会いに来てくれるの?」
「うん。もちろんだよ。チャーミーの大事な圭って人も会いに来てくれてる…。」
「どうしたら会えるの?」
「ちゃんと寝かせてあげるんだよ。土の中で。」
「どうして?」
「お墓って知ってる?」
「うん。」
「お墓って言うのはね、土の中に寝かせた人が星になって、会いに来てくれますように
ってお願いするものなんだよ。」
「そうなんだ。」
「そう。会いたいでしょ?こうやって寝てるお父さん達じゃなくて。」
「うん。」
「じゃあ、お墓作ってあげようよ。そしたらお父さん達、圭ちゃんに会いに来てくれるよ。」
「うん。」
- 187 名前:チャーミーと圭 投稿日:2001年10月31日(水)05時15分53秒
- そして、チャーミーは鬼の骸を埋葬する為に鬼の館の近くに人数分の穴を掘った。
その穴に一体一体、鬼の骸を寝かせ、埋め、その上に大きな石を一つずつ置いた。
墓の前で手を合わせる二人。
あたりは夕闇に包まれていた。
するとチャーミーが
「ほらっ、もう会いに来てくれたよっ。」
と空を指差した。
「ほんとうだぁ。お父さんかな?お母さんかな?」
「さぁ?どっちだろうね?」
夕闇れに輝く一番星だった…。
- 188 名前:チャーミーと圭 投稿日:2001年10月31日(水)05時17分04秒
- ……………………………
「それからしばらく、根暗は傍にいてくれたんだ。いつもご飯を作ってくれて、
いつも一緒にいてくれた。鬼語も教えてくれたのは根暗だった。やがて本を読み始めて
根暗が、海王竜だって知ったんだけどね。あのとき幸せだったな…。」
「そうなんや…堪忍や…。」
中澤は自分の夫がしたことの大きさに言葉をなくす。
「ううん。もういいよ、そんなこと。考えてみれば、私たち鬼も人間達にやってきたこと。
お互い様。」
「すまんな、ホンマ…。」
「今はつんくさんにも、姉さんにも、ののちゃんたちにも感謝してるよ…。」
「圭…。」
「ほらほら、もっと飲んで。まだ入ってるんでしょ?酒。」
「お、おう。」
そう言って、酒瓶に口をつける中澤。
- 189 名前:チャーミーと圭 投稿日:2001年10月31日(水)05時17分37秒
- 「そんでさ、仲良くなったのはいいんだけど、10歳の時かな?大喧嘩してさ、根暗と。
鬼ってのは気が強くてね、口は悪いし、根暗はいじけ癖なもんだから、でてっちゃったんだよ。」
「なんや?あっけないなー。」
「まぁ、ホラ貝吹けば来てくれるんだけど「2年おきにしてくださいッ!!」って言って帰って
いくんだよね。まぁ、私もそのころには狩りも出来たから食うには困らなかったからね、
そんな呼ぶことも無かったんだけどね。まぁすでにその頃から立場も逆転してた。ふふふふ…。」
「ハハハハ。10歳のジャリに舐められとるとはアホウやな。」
「だけど…大事な存在なんだよね。本当になんかあったのかな…。」
圭は立ち上がり、石を拾って川に向かって投げた。
「ねぇ、ねーさん。」
振り返る圭。
中澤は酒瓶を抱えて寝ていた…。
「寝るの速ぇ〜〜〜。」
しょうがないので、圭は中澤を担いでなつかしの村の宿屋に向かい、
宿屋に中澤を置いて万屋に戻る…。
帰る途中。
「根暗…返事くらいしろよ・・・どうしたんだよ…さみしーじゃんか…。」
ホラ貝を擦りながらそう呟いた…。
- 190 名前:レイク 投稿日:2001年10月31日(水)05時19分51秒
- >>177
こんなような訳でした。
>>178
親のようなものらしいですね。舐められてますが(w
- 191 名前:保田娘。 投稿日:2001年10月31日(水)23時11分18秒
- やっぱり一升瓶はカラッポになったのかなぁ?
寂しがり屋の圭ちゃんに期待age。
- 192 名前:鎮魂歌 投稿日:2001年11月01日(木)00時21分37秒
- おもろいですレイクさん。
またーり続きを楽しみにしてます。
- 193 名前:名無し男 投稿日:2001年11月01日(木)09時53分32秒
- 何故2年に1回なのか?(w
その辺はチャーミーのみぞ知る?
- 194 名前:チャーミーと圭 投稿日:2001年11月03日(土)23時06分20秒
- 万屋に戻った圭。
「ただいまぁ〜。」
客間の障子に手をかけ、開く。
「ハァ???」
(?????)
客間を開けて圭は驚愕する。
「どうなってんの?」
そこには全員があちらこちらに物を散らかし酔いつぶれて寝入っていた。
散乱する酒瓶、御膳、おわん、お皿、食べかす…
服ッ!?
何故か全員、服を脱ぎ捨てスッポンポンだった。
何が行われていたのか、起こしてみるが要領を得ない。
結局、全員の布団を圭一人が敷いた。
当事者であるはずののの達に、翌日になっても
昨晩、何が行われたのか覚えている者は誰一人いなかった。
- 195 名前:チャーミー 投稿日:2001年11月03日(土)23時07分10秒
- そのころ…。
「行かせてっ!!お願いっ!!」
「だめだよ、チャーミー!!動いちゃダメっ!!」
必死にチャーミーを押さえるヤグチとヨッスィー。
「あの子が呼んでるのっ!!あの子がお腹を空かしてるのっ!!行ってあげなきゃ…行ってあげなきゃ…。」
なおも、チャーミーは二人掛りで押さえているにもかかわらず、起き上がろうとする。
「あの子って誰?」
「圭ちゃんだよっ!!あの子お腹空かしてるのっ!!一人ぼっちで寂しがっているのっ!!」
その言葉に答えるチャーミー。
「そんなわけないじゃん。圭ちゃんはもう大人だし、ののちゃんのところに居るじゃない。
しっかりしてよ、チャーミー!!」
「あの子、まだ小さいのにっ!!…チャーミーがっ、チャーミーが居てあげなきゃ、ご飯作ってあげなきゃ…。」
- 196 名前:チャーミー 投稿日:2001年11月03日(土)23時07分43秒
- 「過去が混同してる…。」
と、亜弥が呟き、棚から粉の入った瓶を取り出し、中の粉末を手に少量出す。
そして、亜弥はその粉をチャーミーに嗅がせた。
すると、チャーミーはその粉を嗅いだと同時に眠りについてしまった。
「!!!!な、何したのっ!?亜弥ちゃんっ!!」
少し剣幕を立てるヤグチ。
「眠り薬です。ここらへんでよく取れるきのこから生成します。人体に害はないですよ。」
そう答える亜弥。
「そうなんだ…ごめん、ありがと…。でも、どうしたんだろ…過去と今がごっちゃになって…。」
「心配ですね…。」
ヤグチ同様、不安そうなヨッスィー。
「多分。熱のせいで朦朧としているからだと思います…ここからは交代制で看病しましょう。
私たちが倒れたらダメですから…。」
「そうだね…じゃあ最初はヤグ…
と言おうとした時、ヨッスィーが
「私がやります。二人とも食料や、薬確保で大変でしたでしょうから…。」
と言った。
- 197 名前:チャーミー 投稿日:2001年11月03日(土)23時08分41秒
- 「そう…。わかった、ヤグチと亜弥ちゃん仮眠とるから。」
「ハイ。」
「ヨッスィーさん。もし、また暴れ出したら、この粉使ってください。」
「うん、わかった。」
ヨッスィーは、亜弥より眠り薬の瓶を受け取った。
そして、ヨッスィーはチャーミーの看病に当たり、ヤグチと亜弥は布をかぶって
小屋の隅でそれぞれ蹲るように眠りについた。
ヨッスィーはチャーミーの額に濡れた手ぬぐいを当て、眺める…。
(ヤグチさんが起きたら、私はののちゃんの所へ行って、この事を伝えよう…。)
- 198 名前:洞窟暮らし 投稿日:2001年11月03日(土)23時09分51秒
- ののたちが、宴をし、矢口が懸命に看病に当たっていた日。
「もう3日目か…。」
ふと、加護が炎を見つめながらつぶやく。
「だね。」
同意する後藤。
「果物ばっかだね、最近。」
「だね。」
その会話を聞いていた落ち武者が膝を叩いて立ち上がった。
「うしっ、今夜は焼肉でもしよか!?」
「「…………。」」
「だめだよ!あの鳥は!」
「そーだよ!後藤たち見守って居ろっていわれたもん。」
- 199 名前:洞窟暮らし 投稿日:2001年11月03日(土)23時10分46秒
- そんな必死な形相で言う二人を前に笑う落ち武者。
「アハハハ、んな事あるかいな、狩してくるねや、狩。」
「なんだぁ〜。びっくりしたぁ〜。」
ほっとする後藤と加護。
「落ち武者が焼肉とか言い出すとマジで食べそうなんだもん、あの鳥。」
「なんやて!?命の恩鳥食うかぁ、あほっ!ほな、もう夕方やし行ってくるさかいな。」
そう言って外へ出かけようとする落ち武者。
「「いってらっしゃ〜い。」」
手を振る二人。
落ち武者も同様に手を振って洞窟を出て行った。
「何捕って来るかな?」
「さぁ〜?何だろうね。前は海で魚咥えて捕まえてたよ。」
「ホンマ?」
「うん。」
- 200 名前:洞窟暮らし 投稿日:2001年11月03日(土)23時11分21秒
- ………………………
3時間後。
外はすでに夜になっていた。
「ただいまぁ〜。」
「「おかえり〜。」」
「どうだった?」
後藤はわくわくしながら落ち武者にたずねる。
「ん?ほれ。」
と落ち武者は後ろ手に隠していたものを見せる。
蛙。
それは大きな蛙だった。
「「!!!!!!!!」」
「おいしいでぇ〜。鳥肉みたいやで。」
そう言って、落ち武者は炎の中に蛙を放る。
顔が引き攣る後藤と加護。
「ん?どないした?」
ニヤニヤしながら落ち武者は二人に問う。
「お、落ち武者が全部食べていいよ…。後藤いらない…。」
(食べられるわけないじゃん…蛙なんて…。)
「加護もいいです…。」
「なんや、二人とも。焼肉食いたいゆーとったやんか。」
「で、でも、蛙だよ?」
「せやで、蛙さんやでぇ〜、ゲコゲコ♪一人で食べてまうよ、ええの?」
と言いながらしゃがみ込み、木の枝で火の中の蛙を転がす落ち武者。
「「あげる。」」
そう聞くと、含み笑いをする落ち武者。
- 201 名前:洞窟暮らし 投稿日:2001年11月03日(土)23時11分53秒
- 「くくくくく…。そーゆーとおもっとってん。3刻もかけて蛙一匹なわけないやん。」
すると、落ち武者は立ち上がって洞窟の入り口へ行くと何やら引きずってきた。
猪?
「でや、猪さんやでぇ〜、いのししブヒブヒ。乱闘の末やな。苦労したで。」
「すごいねぇ、落ち武者やるときはやるんだ。」
感心する後藤。
「やろ!?」
誇らしげな落ち武者。
「…………。」
驚いた顔をして終始猪を見つめる加護。
「ほな、さばいたるからな。」
そう言って、落ち武者は再び外へ猪を引きずっていった。
ぶしゅっ!!ぐしゅっ!!どぶっ!!ずぶっ!!
そして、血だらけになって落ち武者は戻ってきた。たくさんの肉を抱えて。
「ほな、焼肉やで、焼肉♪」
後藤と加護は苦笑いした。
この後、3人は肉の味だけしかしない焼肉を食したという。
- 202 名前:レイク 投稿日:2001年11月03日(土)23時14分35秒
- >>191
どうも、保田娘。さん。
ハイ、空になりました。ほとんど姐さんが飲んでしまったようです(w
>>192
どうもありがとうございます、続きもご期待ください。
>>193
なぜ年2回なんでしょうかね?それもいずれわかるかもしれません。
- 203 名前:名無し男 投稿日:2001年11月04日(日)01時28分23秒
- チャーミーと落ち武者
なんかよく似た匂いが・・・
- 204 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月05日(月)00時50分18秒
- チャーミー健気だなぁ…
- 205 名前:それぞれの旅立ち 投稿日:2001年11月08日(木)23時08分57秒
- そして、それぞれの旅立ちの日はやってきた…。
既に、明日香の母親は万屋にやって来ていた…。
万屋の前で別れの挨拶を交わす彩、明日香、紗耶香。
「元気でね、明日香…。」
「うん、彩ちゃんもね。」
「たまには…手紙出してね。」
「うん。紗耶香も手紙頂戴。」
「うん。もちろん。」
笑顔の三人、涙は見せず笑顔で明日香を見送る。
「そういえば…。」
「何?明日香。」
「ののちゃんたち大丈夫かな?」
「何か、頭痛くて動けないとか言ってまだ寝ているみたい。」
「そっか。私も少し痛いな。ハハハ。んじゃあ、もう行こうかな。じゃあね。」
そして、明日香は目線で母親に合図を送る。
すると、それを追うかのように
「明日…がんばるんだよ。」
彩からの送る言葉。
「がんばれ。」
紗耶香からの送る言葉。
- 206 名前:それぞれの旅立ち 投稿日:2001年11月08日(木)23時09分26秒
- 「うん!!」
涙がこみ上げて来る…。それを振り払うかのように
「じゃっ!!またね!!バイバイ!!」
そう言って明日香は手を振って去っていった。
手を振る紗耶香と彩。
親子の姿が見えなくなるまで二人は手を振り続けた…。
「行っちゃったね…。」
「そうだね…。」
「さて、ののちゃん達起こして、ご飯の準備しなきゃ。」
「うん。」
肩を組み、万屋の中へ入る二人。
既にヤグチと亀吉を見送って涙した幼い二人ではなかった。
10年以上の時が二人を強くした…。
- 207 名前:レイク 投稿日:2001年11月08日(木)23時12分14秒
- 少ないですが、今日はここまでです。
>>203
そうですね、少しサディストなところが似ているかもしれません。
でも、落ち武者ケチですよ(w
>>204
チャーミーもサディストですね。
でも本当は心優しいところもあり。
そんな感じです、ハイ。
- 208 名前:それぞれの旅立ち 投稿日:2001年11月09日(金)23時04分42秒
- そして二人が戻ると、のの達が着替えていた。
「あ、彩しゃん、紗耶香しゃん。おはようれす…。」
屈託の無い笑顔と、軽い頭痛に顔をゆがめながら挨拶するのの。
「おはよう。頭痛いの大丈夫?」
「はい、大丈夫れす。れも頭悪いのが治った方がいいれすよ。」
「あはは、そう。」
ニガワライな紗耶香。
ふと彩が
「朝食の準備してくる。紗耶香はみんなと布団片してて。」
と言って台所へ向かった。
「わかった」
了承し、紗耶香はのの達と布団を片付ける。
「ネェ、ののちゃん。」
紗耶香はののを呼び寄せる。
「???」
不思議そうな顔をしてののが紗耶香の元へ来る。
そしてののと紗耶香はひそひそ話を始めた。
「あのね…。」
- 209 名前:それぞれの旅立ち 投稿日:2001年11月09日(金)23時05分18秒
- 朝食を終えたのの達。
そして、一通りの挨拶を終えのの達は万屋の入り口に出る。
「あれっ?まったく、紗耶香何してるんだろう、見送りって時に…。」
あたりを見渡す彩。
しかし、その時紗耶香の姿が無かった。
すると、ののが慌てた様子でこういった。
「ああっ!そうれすっ!もう挨拶済ましたれすよ!!薬屋いくからって出かけたれすよっ!!
ね、なっちしゃん!?」
いきなり話を振られるなっち。
「へ…?そんなことあったんだべ…ゲフッッ!!」
ののの鉄拳がなっちの腹部に直撃。
「と、とにかく挨拶していったれすから、もうのの達行くれすよっ!!」
「そんなことな…ブヘッ!!」
再び、ののの鉄拳が何かを言いかけたなっちの腹部に直撃。
「あ、っそう…。」
強引に押し切られた感じで納得する彩。
「じゃあ、また今度れす。ホントありがとうれす。」
ののは彩に頭を下げる。
「いえいえ、こちらこそお構いしませんで…。」
彩もののに頭を下げ返した。
そして、なっち、カオリ、圭も頭を下げて万屋を後にした。
- 210 名前:それぞれの旅立ち 投稿日:2001年11月09日(金)23時05分51秒
- 歩きながらなっちが不満を言う。
「なんだべか!?人に話し振っておいて殴るのは納得いかないべさ!!あともう少しで
オチるところだったべっ!!」
少し頭にきているようだ。
「ごめんれす、なっちしゃん。そうするしかなかったんれす。だってカオリしゃん鉄で
出来ているれすし、圭しゃんは鬼れすからののの攻撃はろくに効かないれす。
手ごろなのはなっちしゃんなのれすよ。」
言い訳になっていない言い訳。
「なんだ、そうだったんだべか〜あははぁ〜、選ばれたんだべねー。」
何故か、そんな理不尽な理由に納得するなっち。
「そうれすよっ。てへてへ。」
(アホウれすね、なっちしゃん…。ののよりアホウれす。)
そして、なつかしの村を出ようという時、後方から声が聞こえた。
「まって〜〜!!」
その声に後ろを振り向くのの達。
- 211 名前:それぞれの旅立ち 投稿日:2001年11月09日(金)23時06分29秒
- すると紗耶香がこちらへ向かってくるではないか。
ののはニンマリし
「来たれすね、紗耶香しゃん。」
と言った。
「どういうことだべか?」
不思議そうに、ののの顔を見る3人。
そこに息を切らして荷を背負った紗耶香が走ってきた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ。ごめん、遅れた…。」
片手でゴメンとジェスチャーする紗耶香。
「紹介するれす、紗耶香しゃん。のの達と一緒に今日から旅をするれす。」
「「「ハァッ!?」」」
驚く3人。
「はぁ、はぁっ、よ、よろしく。」
朝日の照らし出す紗耶香の希望に満ちた笑顔が眩しかった。
そのころ万屋では、
「ヤラレタ…。」
今には一枚の書置き。
『彩ちゃん。私ね、自分のやりたいことを探すために、ののちゃん達と旅に出るよ。突然でゴメン。
だって、見送られるの苦手だから…。本当にやりたいこと見つけたら、また会いにくるねっ!!
紗耶香 』
「なんだよ…バカ…。」
- 212 名前:377? 投稿日:2001年11月10日(土)10時49分15秒
- 新メンバーでるのかきになります
- 213 名前:ヨッスィー 投稿日:2001年11月10日(土)13時24分02秒
- 「ヤグチ。おはよう。」
寝ぼけ眼なヤグチにヨッスィーは朝の挨拶。
「んっ…おはよう…今度はヤグチの番だよね?」
目を擦りながらヤグチは確認をとる。
「ハイ、そうですよ、ちゃんと寝ないで看病してくださいね。」
「うん。ヨッスィーはちゃんと寝るんだよ。」
返事が無い。
「ヨッスィ〜?」
「私…。今からののちゃんの家へ行ってきます。亜弥ちゃんの時間が終わる前には
帰ってきますから…。」
「無理だよ。ヨッスィーずっと寝てないじゃん。ヨッスィー倒れちゃうよっ!!
亜弥ちゃんの終わったらヤグチがやるから、そこまで寝ていきなよっ!!」
その言葉に首を横に振るヨッスィー。
「いいんです。今からヤグチから元気をもらうから。」
「へ…?」
その刹那、ヨッスィーは自らの唇をヤグチの唇に重ねた。
- 214 名前:ヨッスィー 投稿日:2001年11月10日(土)13時24分37秒
「ん…。」
- 215 名前:ヨッスィー 投稿日:2001年11月10日(土)13時25分20秒
- 閉じる瞳と瞳。
少し長く感じる時間。
そして自然と唇は離れた…。
視線と視線が交わる。
顔を赤らめる二人。
「げ、元気もらいました。ご馳走様でした。」
「いえいえ、こちらこそ…。久しぶりで、こっちも元気もらいました…。」
そして、すっと立ち上がるヨッスィー。
「じゃ、行って来ますね、小槌持って行きます。帰り乗せて来るかもしれないんで。」
「うん。わかった。気をつけるんだよ、ヨッスィー。」
コクッと頷くと、ヨッスィーは風呂敷に小槌を包んで首に下げて外に出た。
そして、ヤグチも外へ出る。
「じゃ。」
そう言って、千年鶴の姿に戻るヨッスィー。
大きく翼を広げ、羽ばたき大空へ飛び立った。
見えなくなるまでヤグチはヨッスィーを見送る。
その時、番犬代わりのしげるは目の前で起きた出来事に混乱していた。
「グ…?ガ…????」
蜂の巣をかじり付きながら。
- 216 名前:レイク 投稿日:2001年11月10日(土)13時26分09秒
- >>212
現在新メンの予定はありません(w
都合上出せないかと思います(w
- 217 名前:名無し男 投稿日:2001年11月10日(土)17時02分16秒
- しげる=ぷさん!?
知らんかった
- 218 名前:sasa 投稿日:2001年11月10日(土)19時33分07秒
- 初スレです。遅ればせながら、今頃ココ見つけました。
ののかご、ぱしり日記、外伝、一寸、どれもサイコー!
レイクのフアンです。
これからもがんばれええ!!
- 219 名前:ヨッスィー 投稿日:2001年11月12日(月)23時06分25秒
- 大空を飛ぶ鶴。
さすが、千年生きているだけあり、方向を見失う事が無い。
そして、飛び続けることおよそ2時間。
すると、ヨッスィーの視界につんくの家が見えてくる。
(あそこだったよね…。)
高度を下げ、つんくの家の前に降り立つヨッスィー。
周りを見渡して人気がいないことを確認する。
ヨッスイーはすばやく煙を立ち上げ人化した。
ドンドンドンドン。
つんくの家の戸を叩く。
「すいませーん。」
ガラガラガラガラ。
すると、つんくが戸を開け、中から現れた。
「押し売りはお断りやでー、しつこいと切り捨てるでー。」
押し売りだと思い、はじめからヨッスィーを見ずにそう言って戸をしめた。
- 220 名前:ヨッスィー 投稿日:2001年11月12日(月)23時07分41秒
- ドンドンドンドン。
「つんくさーん!!急用なんですよー!!」
ガラガラガガラ。
「一文やるから帰れ。」
またヨッスィーを見ないで1文を放り、戸を閉めようとする。
すかさず、また閉められては困るヨッスィーは戸が閉まる寸前にとの間に足を挟む。
が、閉める勢いが良すぎた。
ガズッ!!
「痛ッてぇぇぇーー!!」
再び戸を開くつんく。
「何や!!しっつこい押し…、お、鶴のヨッスィーやないかい。どないしてん自分?ヤグチ元気か?」
「気付くの遅いですよ!!つんくさん!!」
ヨッスィーは足を擦り苦痛に歪めた表情と怒った表情の混ざった顔つきで喋った。
「で、なんやねん、押し売り始めたんか?」
「ち、ちがいますよっ!!ののちゃん達いますか!?」
「ああ、わし以外ここには居ぃーへんぞ。」
「は!?何処行ったんですか!?」
「なんやか、不死鳥探すゆーて、旅立ってもーたわ。」
- 221 名前:ヨッスィー 投稿日:2001年11月12日(月)23時08分13秒
- 「いつですか!?その旅立った日。」
「せやなぁ、4日前やな、確か。」
(私たちがチャーミーとあった日だ…。それでチャーミーは呼ばれて…。)
「で、今何処に!?」
「ん〜、鬼ヶ島に不死鳥の本あるゆーてなぁ、ひとまず鬼ヶ島向かったはずやで。もうなつかしの村あたりちゃうか?」
何故かニヤニヤ話すつんく。
「ありがとうございます!!さようなら!!」
そう言って、ヨッスィーはすぐさま鶴の姿に戻って空へ飛び立った。
「…何や、せわしないお嬢ちゃんやなぁ、わしの話し相手になってくれればええのに…みすたぁ〜む〜んらい〜と♪君に誓うよぉ〜♪」
そんな歌を口ずさみながら、とぼとぼと家の奥へ戻っていった。
再びヨッスィーは大空をなつかしの村へ向かって飛ぶ。
(なつかしの村って言ったら、彩さんの家があるところだよね…何か知っているかも…。)
- 222 名前:レイク 投稿日:2001年11月12日(月)23時09分57秒
- >>217
そうです、プ○さんのしげるです(w喋りませんが(w
>>218
ありがとうございます、がんばります。
- 223 名前:保田娘。 投稿日:2001年11月14日(水)23時03分38秒
- お留守番しているつんくさんは一体何して居るんだろうか?
ちょっと謎な気分するけど、次回期待あげ〜♪
でも、ストック無しでここまで書けるレイクさんって、マヂカッケ〜♪
- 223 名前:ヨッスィー 投稿日:2001年11月14日(水)23時03分39秒
- ヨッスィーは飛びながら考えていた…。
(何で不死鳥を探すたびなんて始めたのかな…?)
その理由を記憶の中から探る。
(もしかして…でも、もう2年は経とうとしているはず…。)
(確か…2年前にののちゃんと血の繋がっていないお姉さんが死んだって言ってたけど…。)
(!!!まさか…。蘇生の儀を…?でも、そうだとしても絶対的に条件の三つ目が足りない…。
不死鳥を見つけても条件の一つ目と二つ目がそろっていたとしても…3つ目がそろわなければ
蘇生の儀は行えない…。ただでさえもう二年経とうとしているから二つ目だって満せるかどうか…。)
- 224 名前:ヨッスィー 投稿日:2001年11月14日(水)23時04分24秒
- ふとヨッスィーの記憶にある情報が引っかかる。
(確か、その死んだお姉さんは…月の民!!月の民で女の子というなら間違いなく月の王家に
慣わしでやってきた王家の娘…。なら有り得る、もし彼女の御霊がこの世に残っているのなら
3つ目も満たす事が出来るのかもしれない!!)
(だとしたら、急がなきゃいけない、急がなきゃ!!)
(不死鳥の居場所を正確に見つけ出すにはチャーミーの千里眼が必要なんだから。)
ヨッスィーの体調は絶不調だった。
身体が重い。
頭が重い。
だが、疲れ果てた身体にムチを打つかのように、速度を上げた。
やがて、なつかしの村が視界に入ってくる。
万屋を見つけ出すと、ヨッスィーは万屋の中庭に降り立った。
あたりを見渡す。
誰も居ないのを確認すると人化した。
- 225 名前:ヨッスィー 投稿日:2001年11月14日(水)23時04分58秒
- 「すいませーん!!」
大声で中庭から呼びかける。
それは奇妙な行為で、普通なら尋ねるなら店の正面か、自宅側の玄関からである。
すると、不思議そうに今の障子を開き、中庭を覗く彩の姿があった。
ヨッスィーに気付く彩。
「あ…、えーっと、ヨッスィーさんだよね?ヤグチの恋人の…。」
「はい、すいません中庭からで…。」
「いえいえ、で、どうしたんですか?」
「あの、ののちゃん達見ませんでしたか!?」
「ああ、今朝まで家にいたんだけどね、もう出たよ。」
「そうですか…。」
「ゴメンね、何か役に立てなかったようで…。」
「いえ、助かりました。」
ふと、彩がヨッスィーの顔を心配そうに窺う。
「急ぎなの?何か、顔色悪いよ、真っ青だよ…。」
「いえ、全然平気ですよ。急いでますんで、では、また。」
そう言って鶴の姿に戻ろうとしたが、突然ヨッスィーにめまいが襲った。
揺らぐ視界。
手招きする睡魔。
重くのしかかる頭重。
遠のく意識。
「ちょっ!!ヨッスィーさん!?」
そう聞こえたのを最後にヨッスィーは意識を失い倒れた。
- 226 名前:名無し(〜^◇^〜) 投稿日:2001年11月15日(木)02時28分24秒
- 苦闘数ヶ月
レイク氏が羊を去ってようやく見つけたレイク氏のHP&小説
がんばってください、応援しています
パシリ外伝完結編、楽しみに待ってます
- 227 名前:名無し男 投稿日:2001年11月15日(木)09時00分14秒
- 蓮の花が見えはじめたらやばい事に・・・
- 228 名前:夢 投稿日:2001年11月15日(木)23時04分21秒
- 夜、加護と後藤は洞窟の中、焚き火の近くで身を寄せ合い眠りについていた。
その眠りで、再び加護はあの夢に中に居た。
………………………
「また、ここ…。」
あたりを見渡す。
相変わらずの空間。
その時の加護の目の前に光が集まりだし、人型になる。
姿をあらわしたのは、やはりかごやだった。
- 229 名前:夢 投稿日:2001年11月15日(木)23時04分53秒
- 「ホンマすまんな、毎回毎回お邪魔してもーて。」
「いや、別に…。」
ウリ二つの二人、違うといえば服くらいの違いだろうか。
「よお、見つけてくれたなぁ〜。ウチが出来るのは、あんたらをこの世界に呼ぶだけやった。
ホンマおおきに。」
感謝の弁を述べ、かごやは加護に向かって頭を下げた。
「あの…後どれくらい、あの鳥を見てればいいん…?」
「ののが…ののがあんたと出会うまでや。」
「どうして?」
「ウチが生き返るには、詳しい事は言えへんけど、ののとあんたがあの鳥の傍におらなあかんねん。」
「そうなんだ…。」
「堪忍やで、もうのの達は、あの鳥を探しに旅に出てるさかい。」
「うん…。わかった…。ねぇ、のの達って…?」
「せやな、ウチの仲間達かな。あんたの世界でもあんたの友達としている連中の前世の
奴らやで…。まぁ例外もあんねんけど。」
「友達…。」
このとき加護は、辻、安倍、飯田、保田、矢口、吉澤、石川の事を思い出していた。
「あかん。もう時間やな…ほな、またな。もうあんたが目覚める。」
………………………
- 230 名前:夢 投稿日:2001年11月15日(木)23時05分40秒
「えっ…?」
かごやの姿が消えた、いや、焚き火の消えかかった小さな炎が見える。
加護が目覚めたのだ。
ふと隣を見ると、加護の肩に寄りかかって寝息を立てる後藤の姿があった。
消えそうに小さくなった火の中に、手元にある木の枝を放った。
(会ってみたいな…前世のみんなに…。)
「お、起きたか。」
ふと、その声の方向に目をやると、落ち武者が甲冑を脱いでいた。
「おはようございます。」
「おはよう。」
目を擦る加護。
「せや、あんた風呂入りたない?」
「へ…?あるんですか?こんなところに…。」
落ち武者はその質問にニタニタして答える。
「今朝なぁ、小川見つけてん。その小川で顔を洗おうとしたらなぁ、妙に温かくてなぁ、
おっ、と思うてなぁ、元をたどっとったら見事温泉を見つけたんや…。どや、行かへんか?」
- 231 名前:夢 投稿日:2001年11月15日(木)23時06分17秒
- 「はい、行きます!」
コクコクと二度頷き、輝くような笑顔で答える加護。
女の子が風呂に入れないことは男の数倍以上に苦痛だったのだろう。
「あ、ごっちん起こさなきゃ…。」
横で寝ている後藤を揺さぶる。
「ねぇ、起きてー。お風呂は入りにいこうよ、ごっちん。温泉あるんだって。ねぇっ。」
すると後藤は不機嫌そうに
「ごとぉ〜…ねむいからぁ〜まだねてるぅ〜〜〜。」
しかめっ面で目を開けずに答える。
「ほっといたらええやん。起きたら教えたらええよ。」
「そうですね…。」
加護は後藤にをそっと横に寝かせ、地面に
『温泉行って来ます。加護』
と書いて、落ち武者と温泉に向かった。
- 232 名前:レイク 投稿日:2001年11月15日(木)23時08分48秒
- >>226
ありがとうございます。わざわざ見つけていただきまして。
何にもモー板には告知しなかったので…。
まぁパシリ外伝はいずれ…(汗
>>227
そうっすね。蓮の花と三途の川を見たときは相当ヤヴァイかと(w
- 233 名前:名無し娘。。。。。 投稿日:2001年11月16日(金)01時17分31秒
- どもども、初スレでっす♪
先が読めない未熟な俺ですが、応援してます!
もしかしてののかご2ではやぐっちゃんはあんまり出番なしですか??
@ノハ@
(‘д‘)<ちゃんと出したってぇな〜
- 234 名前:名無し男 投稿日:2001年11月16日(金)06時27分06秒
- 手作りの温泉はいいよ〜
昔堀りにいった事がある
- 235 名前:夢 投稿日:2001年11月16日(金)23時05分44秒
- そして、加護と落ち武者が出かけたすぐ後、後藤が何気なく起きる。
「ん〜〜!!」
伸びをする。
そして、肩あたりをポリポリ掻き、大きな欠伸をした。
「あれぇ〜?かごぉ〜?おちむしゃぁ〜?」
あたりを見渡す。
どうやら先ほどの会話のやり取りを覚えていないようだ。
2度目の欠伸。
その時、地面のメッセージに気付く。
「……。そういえば、そんな事言ってたかも…。」
場所がわからないので追うわけに行かず、何をするでもなく立ち上がる後藤。
もぎ取られ、集められた果実の中から柿をチョイス。
改めて、よく拭いて柿を眺める。
「不思議だよね…季節関係なく果物が木に綯っているなんて。」
- 236 名前:夢 投稿日:2001年11月16日(金)23時06分25秒
かじる。
シブイ。
飲み込む。
「しぶっ…。」
ひとまずそんなことは我慢して、洞窟の奥に入っていく。
そこにはあい変わらず紅い羽の鳥が居た。
後藤はしゃがみ込んでその鳥を撫でる。
「何で、何も食べないの?」
ふとした疑問。
なぜなら、この鳥が後藤達が来た時から何も食べていない。
正確に言えば、食べているところを見たことがない。
別に後藤たちが監禁して食べ物を与えないわけでもない。
食べそうなものを取ってきて、与えようとするものの口にはしないのだ。
- 237 名前:夢 投稿日:2001年11月16日(金)23時07分02秒
(まさか、食べないって事は…。)
「しないよ。…とか?」
含み笑いする後藤。
「するよ。…とか?」
小ウケ。
「ファ(略…アハハハハ!!!」
笑い転げる。
鳥の表情はよくわからない。
でも、明らかに目の前で一人、勝手に馬鹿笑いして騒いでいる後藤はその鳥にとって迷惑だろう。
しかし、その鳥は興味ありそうに後藤を見ていた。
「ん?何か顔に付いてる??ああ、魚顔は元からね。」
また馬鹿笑い。
耐えかねて、その鳥はそっぽを向いた。
ウケてるのか…?鳥。
- 238 名前:レイク 投稿日:2001年11月16日(金)23時10分29秒
- >>223
レス遅れましてスマソ。
相変わらずストック無しでがんばってます(wハイ。
>>233
そうですね、タイトルどおり、ヤグチは主人公ではないので。(w
でも、これからもしっかり出番はございます。(w
>>234
たまにありますよね、自分で掘るやつ。
- 239 名前:名無し娘。。。。。 投稿日:2001年11月17日(土)00時11分42秒
- @ハ@
(‘д‘)b<後藤の不思議なキャラに乾杯。
ファ??ダメだな〜、俺。全然わかんねェや(泣
わかんないけど応援してます!頑張って!!
- 240 名前:名無し男 投稿日:2001年11月17日(土)11時59分44秒
- 鳥vs後藤
カーン!!
- 241 名前:レイク 投稿日:2001年11月21日(水)23時23分32秒
- 1週間〜10日程度お休みいたします。
- 242 名前:名無し男 投稿日:2001年11月23日(金)14時02分16秒
- >>241
溶解!!
首をろくろ首のようにして待ってます
- 243 名前:レク 投稿日:2001年11月26日(月)17時54分54秒
- 保全sage
- 244 名前:名茄詩牟酢雌。 投稿日:2001年11月29日(木)18時31分20秒
- 一応、定期sageなのれす。
ゆっくりがんばってくらはい♪
- 245 名前:レイク 投稿日:2001年12月01日(土)00時03分04秒
- >>239
まぁ、ファはあれですよ、あれ(w
>>240-242
ありがとうございます。いよいよ更新です。
>>243
レスありがとうございます。
>>244
レスありがとうございます。
- 246 名前:ザ★プチモビクス木曜日 投稿日:2001年12月01日(土)00時04分35秒
- 夕方、オランダ待ち少し手前の村にたどり着くのの達。
「今日も歩き疲れたれすね…。もう宿に泊まろうとするれすかね。」
「そうするべさぁ〜。腹減ったべさぁ〜。」
「まぁ、二日酔いでよくここまで歩いたよ、みんな。」
「カオリハ、オ酒デエネルギー変換機能使ッタカラ調子イイヨ。」
「あ、宿見つけたよ!!」
先頭を歩いていた紗耶香が振り返り前方を指で示した。
「じゃあ、そこにするれず。」
そして、全員の同意を得て、宿屋に入る。
「イラッシャ〜イ。」
髪を掻き揚げ、低姿勢で対応してくる店主。
「5名様で?」
「はい、れす。」
「当店は前金となっとります。」
「はい、れす…。」
袋を取り出して、財布を探す。
「…………。」
汗をかき始めた。
さらにののは、袋の奥に手を突っ込む。
- 247 名前:ザ★プチモビクス木曜日 投稿日:2001年12月01日(土)00時05分10秒
- 「…………。」
袋をひっくり返す。
のの太郎’sアイテム
そこら辺の石
お守り
一味唐辛子
塩
醤油
箸
さびた釘
ワラ人形
「ないれすっ!!ないれすよっ!!ののの財布がないれす!!うわ゛〜ん!!!」
泣き出すのの。
「なんや、冷やかしかいな。」
にこやかだった店主は態度を変えた。
「何処で無くしたべさぁ〜!!ご飯食べれないべさぁ〜!!」
「わ゛がら゛な゛い゛れ゛ずよ゛〜〜〜!!う゛わ゛〜〜ん!!」
「どんな財布?」
優しくののの頭を撫でてののに聞く紗耶香。
「赤べこのやつれ゛ずよ゛〜〜!!うわ゛〜〜ん!!」
「!!!あれ財布だったの!?」
驚く紗耶香。
「シッテルノ?」
「う…うん。私が万屋出るときに客間においてあった…。」
「ぞれ゛れ゛ずよ〜〜!!う゛わ゛〜〜ん!!!」
- 248 名前:ザ★プチモビクス木曜日 投稿日:2001年12月01日(土)00時06分19秒
- つまり置き忘れ。
「前から言いたかったんだけど、赤べこは財布じゃなくて貯金箱だよね…。」
鋭い圭のツッコミ。
「なっちもそう思ってたべ。」
「でも、どうするの?今日はひとまず私が出すけど。」
そういって、紗耶香は財布を取り出し、「いくらですか?」と金を払った。
「どうするべさ…4両もの大金。誰か取りに行くべか…?」
「「「「…………。」」」」
その時、口を開いたのはカオリだった。
「カオリ取ッテクルヨ。」
「ひっぐ、ひっぐ。遠いれずよ?」
ののは目を擦りながらカオリに聞く。
「ダイジョーブ。カオリ空飛べルノ。」
「え…。そうなんだべか…?謎が多いべなぁ、カオリは。」
「ウン、カオリミステリーガールダヨ。ジャア取ッテクルネ。」
「ひぐっ、気おつけてれす。」
外へ出るカオリとのの達。
すると、カオリは目を閉じる。
その刹那、カオリの足の裏から気体が噴出し始めた。
徐々にカオリの身体が浮かぶ。
あっけにとられる4人。
- 249 名前:ザ★プチモビクス木曜日 投稿日:2001年12月01日(土)00時06分49秒
- 「イッテキマス。」
笑顔で手を振ると、カオリは空高く飛び、あっという間に彼方へ消えていった。
「ねぇ、なっちさん。あの人何者…?」
なっちに尋ねる紗耶香。
「さ、さぁ…?ひとまず、案山子らしいべ…。」
「案山子…。」
そして、4人は宿屋でカオリの帰りを待つこととなった。
- 250 名前:いつか大空の下で 投稿日:2001年12月01日(土)00時07分31秒
- 「行かせてよぉ〜!!」
再びチャーミーは、圭の元へ行こうと起き上がろうとしていた。
「だめですよ!!チャーミーさん!!」
必死で押さえつける亜弥。
「いつまでチャーミーを閉じ込めるつもりなのっ!!放してっ!!放してったらぁ〜!!」
その、騒ぎに睡眠を取っていたヤグチが目覚める。
「ん〜〜?…どうしたのっ!?ダメだよ、チャーミー寝てなきゃ…。」
ヤグチも加わりチャーミーを押さえつける。
「ヤグチさ〜ん。この人何とかしてくださいよぉ〜!!チャーミーは圭ちゃんに呼ばれてるんですよぉ〜!!」
「だめだよ!!チャーミーは大怪我負ってるんだよっ!!」
「だいじょうぶですよぉ〜!!放してっ、お願い!!」
なおも押さえつける手をどかそうとする。
「ダメっ!!」
バシッ。
乾いた音が響く。
- 251 名前:いつか大空の下で 投稿日:2001年12月01日(土)00時08分04秒
- 「ゴメン、チャーミー…。」
「痛い…痛いですよ…。ヤグチさん…ただチャーミーは…。」
「それも分かるよ、分かる。でも、今ヨッスィーが代わりに圭ちゃんのところに行ってるから。」
「…ホントですか…?」
「ホントだよ。もうすぐもしかしたら圭ちゃん連れて戻ってくるかもしれないから。」
「ハイ…分かりました…。寝ます…。」
素直に言う事を聞いてくれた。
その、ヤグチの言葉に安心したのだろう。
しかし、一方でヤグチは不安を抱えていた。
(ヨッスィー…遅くない…?もう亜弥ちゃんの時間終わるよ…。何かあったのかな…。)
不安に狩られるヤグチは窓の外を眺めていた。
外には綺麗な夜空が広がっていた。
(早く戻ってきてよぉ〜、ヨッスィー寂しいよ…心配だよ…。)
- 252 名前:溢れちゃう...BE IN LOVE 投稿日:2001年12月01日(土)00時08分56秒
- 「あ゛〜!!う゛〜〜。」
夜、後藤は落ち武者、加護と温泉に入っていた。
「いい湯だねぇ〜。何で起こしてくれなかったの?二人とも。こんないい温泉があったのに。」
「何でって、アンタが『まだねてるぅ〜』ゆーたからやんなぁ?加護ちゃん。」
「そうだよ、ごっちんが起きなかったからだよ。」
激しく同意の加護。
「アハハ…そっか。」
ニガワライ。
そんなニガワライしている後藤を見てくすくす笑う二人。
「何か、急に仲良くなってるね。落ち武者と加護。」
「ん?まぁな、なぁ、加護ちゃん。」
「うん。ね、落ち武者。」
そして、また二人でくすくす笑う。
「???何だよぉ〜、後藤に教えてよぉ〜。」
「「ひ・み・つ。」」
「後藤のけものぉ〜?ごめん〜、起きなかったのが悪かったのは認めるからぁ〜。」
言えるはずが無い…。
何故なら、仲良くなった理由は温泉へ向かう前に後藤のバックに入っていた眉毛書きで
後藤の顔に落書きしたことなのだから。
- 253 名前:溢れちゃう...BE IN LOVE 投稿日:2001年12月01日(土)00時09分31秒
しかも、まだその落書きの顔のまま。
「「アハハハハハハハハ!!!」」
「なんだよぉ〜!!」
一人後藤は膨れっ面。
- 254 名前:黄色いお空でBOOM×3 投稿日:2001年12月01日(土)00時10分21秒
- 夕方、夕日に向かって飛ぶカオリ。
オレンジの空は次第に暗くなり始めていた。
夜に備え省電力で飛行するカオリは、万屋につくのに1時間ほどかかった。
飛ぶカオリを見たものは口々に「妖怪」「天女」と彼女を呼び語り継いだという。
万屋の前に降り立つカオリ。
「スイマセーン!!彩サーン!!」
戸を開くと同時に彩を呼ぶ。
すると、彩が奥から出てきた。
「あ、カオリさん!ちょうど良かった。上がってください。」
「???」
「はやくはやく。」
そう手を引かれ中へ入っていくカオリ。
「ののちゃん達は?」
「モウ『桂』トイウ宿ニ宿泊シテマス。」
「じゃあ、カオリさんだけ取りに着たんだ、お金取りに。馬で?」
「ハイ、取リニ飛ンデ来マシタ。」
「飛んで??」
「ハイ。」
- 255 名前:黄色いお空でBOOM×3 投稿日:2001年12月01日(土)00時11分03秒
- 「まぁ、とにかく、今、ののちゃん達を探している人が倒れて寝てるのよ。」
そういって、客間に通す彩。
すると、そこには布団で寝ているヨッスィーがいた。
「誰デスカ?」
「ん〜、ののちゃん達の友人なんだけど、知らない?」
「カオリハ知ラナイケド、ソノ名前ヲ聞イタ事アリマスヨ。」
「そっか、カオリさんは直接の知り合いじゃないんだね。でね、ののちゃん達を探してるみたいでね、
急用らしいんだけど、倒れちゃったのよ。」
「ソウナンデスカ…。」
「あ、これ、赤べこ忘れ物でしょ?」
そう言って、彩は赤べこの貯金箱を渡す。
「ドウモ。」
ヨッスィーの傍に座る2人。
「何か疲労によるものらしいんだ。医者が言うには。」
すると、カオリはヨッスィーの手を取ると脈を測りだす。
「コノ人、人ジャアリマセンネ。」
「!!!何で分かるの!?」
「コノ周期ハ…鳥…。」
「すごい…当たってるよ…。このひと鶴だよ。」
「ダイブ疲レテイルヨウデスネ。栄養剤ヲ投与シマショウ。」
「へ…?」
- 256 名前:黄色いお空でBOOM×3 投稿日:2001年12月01日(土)00時11分33秒
- すると、カオリの腕のあたりがパカっと開き中から注射器が出てくる。
「ちょ、ちょっと…。」
止めようとする彩を無視し、カオリはヨッスィーの腕に注射を施す。
「ジツハ不死鳥ガ弱ッテイル時ノタメニ栄養剤を持タサレテイタノ。鶴ニモ効クハズ。」
「あ…そう…。カオリさんも人じゃないみたいね…。アハハ…。」
彩の顔が引き攣る。
「ハイ、アンドロイドデス。」
ニッコリ返事。
「あんこまみれ…?」
「ナンデモイイデスヨ。ヒトマズ目ガ覚メルノヲ待チマショウ。」
「はぁ。」
そして二時間。
- 257 名前:黄色いお空でBOOM×3 投稿日:2001年12月01日(土)00時12分06秒
- 「う…ん…。」
目を覚まし、ヨッスィーはだるそうに起き上がる。
「目が覚めた?ヨッスィーさん。」
「あ、すいません、なんかこれ…。」
そう言って、布団に目をやる。
「ハジメマシテ、カオリデス。」
「は、はじめまして。」
ヨッスィーはポカンとした表情をする。
見ず知らずの人物が目の前にいるのだから。
「誰?」とでもいいたそうなヨッスィー。
そこで彩がカオリの紹介を始める。
「この人、今、ののちゃん達と旅をしているカオリさん。」
「ドウモ。」
「あ、どうも。」
頭を下げ合う2人。
「カオリさんも看病してくれたんですよ。」
「あ、ありがとうございます。」
正座しなおしてヨッスィーは頭を下げる。
「イエイエ…。トコロデノノチャンヲ探シテルッテ聞キマシタケド?」
「あ、そうだその事があったんだ。」
自分の使命を思い出すヨッスィー。
- 258 名前:黄色いお空でBOOM×3 投稿日:2001年12月01日(土)00時12分46秒
- 「実は、チャーミーが今大怪我負っていて、圭さんに会いたいって言ってるんです。」
「チャーミーサンガ?」
「知ってるんですか?」
「エエ、命ノ恩人ノ方デス。」
「一刻を争うかもしれないんです。だから早くののちゃん達のところへ行かないと、
この事を伝えないといけないんです。」
「ソウデスカ。ワカリマシタ。立テマスカ?」
「あ、はい。」
ゆっくりヨッスィーは立ち上がる。
すると、カオリはヨッスィーに背を向けしゃがみ込んだ。
「あの…?」
「乗ッテ下サイ。」
「は…?」
「『おんぶ』デスヨ。」
「あ、はい。重いですよ。」
ヨッスィーは要領を得、カオリに負ぶさるヨッスィー。
「スイマセン、彩サン。障子開ケテクダサイ。」
「はい。」
言われた通り、彩は障子を全開にする。
目の前には中庭。
「ヨッスィーサン。赤ベコヲ持ッテテクレマスカ?」
カオリは赤べこをヨッスィーに渡すと。背負ったまま立ち上がる。
- 259 名前:黄色いお空でBOOM×3 投稿日:2001年12月01日(土)00時13分21秒
- 「ジェットエンジン最大出力!!」
そう叫ぶと。再び足元から噴射が始まった。
「サヨウナラ、アリガトウゴザイマシタ。」
とカオリは彩に告げると、一気に部屋を飛び出した。
そして、あっという間にヨッスィーを背負ったまま遠く彼方へ飛んでいった。
「!!!!!」
一瞬の出来事に彩は腰を抜かした。
こげくさい…。
畳が焦げていた。
アンドロイド飛行上の注意1
畳の上ではジェット噴射しない。
そのころ、空を飛んでいたヨッスィーは
「カッケー!!はえぇぇぇ!!」
大騒ぎだった。
- 260 名前:LOVEマシーン 投稿日:2001年12月01日(土)00時14分01秒
- 「うまいべ!うまいべ!うまいべ!うまいべー!!」
「ほら、そこ!食べ物食べて発狂しない!!」
夕食。発狂するなっちを注意する圭。
「うまいれす!うまいれす!うまいれす!うまいれすー!!」
「そこも!発狂しない!!」
「「ごめんれす(だべ)…。」」
「まったく、今日は宿なんだから静かにしなさいよっ!!ふたりともっ!!紗耶香ちゃんを
見習いなさいよ!!静かに食べてるじゃないのっ!!」
「アハハハ…。」
紗耶香はニガワライ。しかし、こう続けていった
「何か楽しいね、こういうの。」
「そうかな?いつもこんな感じだよ、私たち。」
首を傾げる圭。
「あ゛−−−!!なっちしゃんが!!なっちしゃんがのののカマボコ食べたれすぅ〜〜〜!!」
「ん〜〜?食べ残しじゃなかったんだべかぁ〜??」
「の゛の゛おたのじみに取っておいだれずよぉ〜〜!!うわ〜〜ん!!」
- 261 名前:LOVEマシーン 投稿日:2001年12月01日(土)00時14分39秒
- そのころ、隣の部屋で聞き耳を立てていた中澤はため息をついた…。
「ハァ…我が娘ながら相等情けないで…。」
そして、酒瓶を煽った。
「酒が足りん…酒が足りんぞおおおおおお!!」
暴れ。
蛙の子は蛙。
その時、のの達の部屋に何かが飛び込んできた。
障子を突き破り現れたのはカオリだった。
「カオリしゃん!?」
誰かを背負ったカオリは皆に
「タダイマ。障子壊シチャッタ。エヘヘ…。」
と、笑顔で言った。
「なに背負って…!!!ヨッスィーさんだべっ!!!!」
「アハハ…どうも…ヨッスィーです。」
がくっ。
気を失った。
高速度移動はヨッスィーに負担をかけたようだ。
- 262 名前:LOVEマシーン 投稿日:2001年12月01日(土)00時15分16秒
- その時、ヨッスィーが手にもっていた赤べこが落ちて
ガシャン。
割れた…。
「う゛わ゛〜〜ん゛!!!赤べこが死んじゃったれずぅ〜〜!!!」
そんな大泣きなののを無視して、全員でヨッスィーを布団を敷いて寝かせた。
何事かと、現れた店主に謝り、障子代ともう一人分の宿泊費を払い、障子戸を変えてもらった。
「でも、どうしてヨッスィーさんを連れてきたべか?」
カオリに尋ねるなっち。
「アノネ、万屋ニ居タンダヨ。」
「それで…?」
「ナンカネ。圭サンニ用ガアルンダッテ。」
「わたしに?」
「ソウ。彼女ガ言ウニハ、今、チャーミーサンガ大怪我負ッテイテ会イタイッテ言ッテルッテ。
ソレヲ伝エニ来タヨウデス…。」
「ほ、本当なの?それ…?」
動揺する圭。
- 263 名前:LOVEマシーン 投稿日:2001年12月01日(土)00時15分49秒
- 「そんな…嘘に決まってるよ…根暗がそんなこと…うそだ!!うそだ!!」
「落ち着いて!!一先ずヨッスィーさんが目を覚ますまで待とう?」
紗耶香は冷静になるよう圭を諭す。
「もしかして…いくらホラ貝吹いても来なかったのは…。」
「そうです…。」
「へ…?」
目を閉じていたヨッスィーがゆっくり目を開く。
いつの間にかヨッスィーは気を取り戻していた。
そして、ヨッスィーはチャーミーの事の真相を語りだす。
「4日前、私はヤグチと旅行に出かけました。安上がりにしようと、ヤグチは小槌で
小さくなって、私は鶴の姿に戻り、ヤグチを乗せて移動してました…。その時、チャーミーと
空の上で会ったんです…。」
「まさか…。」
「チャーミーは「圭さんに呼ばれたの♪」ってうれしそうに答えていました。そんな会話をしている時、
雲行きが怪しくなって来たんです。」
「それで、どうしたべさ…?」
「それで、適当に話を切り上げ、私はチャーミーと別れました。でも…その時…チャーミーに…
雷が…。」
「嘘だ…。そんなこと…。」
- 264 名前:LOVEマシーン 投稿日:2001年12月01日(土)00時16分20秒
- 信じられない。
圭にはその話が信じられない。
「うそだよ!!根暗が!!根暗がっ!!だとしたら、私のせいじゃない!!私のせいで!
私のせいで根暗は、根暗は…。」
一滴の涙が圭の頬を伝う。
力なく膝から崩れ落ちる。
「私のせいだ…。ん…ぐっ…ぐぅぅぅぅ!!!」
その涙は畳の上に雫として落ちた。
頭を抱える。
チャーミーとの思い出が頭を幾重にもよぎっていく。
「根暗ぁ…。根暗ぁ…。」
絶望のどん底…後悔、表現の仕様の無い感情が圭の心を埋め尽くした。
「早く、会いに行きましょう。」
そう言ってまだ完全でない体で立ち上がるヨッスィー。
ヨッスィーは、続けて言う。
「圭さん、悔やむのは、会ってからにしてください。カオリさん、まだ飛べますか?」
「ウン。」
「じゃあ、今すぐいきましょう。」
「デモ、カオリ2人モ背負エナイヨ。」
- 265 名前:LOVEマシーン 投稿日:2001年12月01日(土)00時16分57秒
- 「大丈夫です。これがありますから。」
そう言ってヨッスィーは小槌を取り出した。
「カオリさん、これをみんなに向かって「小さくなーれ」といいながら24回振ってください。振る回数とその言葉の数は同じでお願いします。」
「ウン。」
ヨッスィーからカオリが小槌を受け取ると、言われたとおりに
「チイサクナーレ、チイサクナーレ………。」
24回その言葉と同時に小槌を皆に向かって振った。
すると、カオリ以外全員が1寸程度の大きさになった。
「ナルホド、コレデ運ベバイイワケダネ。」
理解すると皆の荷と服も1/24にして全員に持たせ、着させて、全員を頭の上に乗せた。
「飛ブヨ!!シッカリツカマッテ!!」
そう言うと、再び外へジェット噴射で飛び出した。
畳を焦がし、障子を突き破って。
- 266 名前:ミニモニ。バスガイド 投稿日:2001年12月01日(土)00時17分38秒
- カオリの頭の上で5人は今後の事を話していた。
「チャーミーしゃんはきっと大丈夫れすよ…。」
「そうだべさ。なんたって竜だべ。」
口々に圭を元気付けようとする。
その言葉に、圭は力なく無言で頷いた。
「あの…。」
そこにヨッスィーが話を切り出す。
「何れすか?」
「何で、みんなは不死鳥探しているんですか…?」
「それはカオリが探しているからだべ。その手伝いみたいなもんだべさ。」
「なんだ…ののちゃんのお姉さん生き返らせるためじゃなかったんですね…。」
そう呟くヨッスィーの言葉にののが尋ねた。
「へ…?どういうことれすか…?」
「知らないんですか?不死鳥のこと…。」
- 267 名前:ミニモニ。バスガイド 投稿日:2001年12月01日(土)00時18分10秒
- 「知らないべ…。だから鬼ヶ島にその関係の本を取りに行ってるべさ。」
「実は、皆さんが探している不死鳥は人を生き返らせる能力があるんです。」
「「「「!!!!!」」」」
驚く4人。
「といっても、誰もが生き返れるわけではありません。不死鳥は富士山に居るんですが
以前上空であった時、彼女、不死鳥はこういっていました。『生き返らせるには、最初の大前提に
不慮の死で寿命より早く死んでしまった者のみその対象でなおかつ、3つの条件が必要。』だと…。」
「3つだべか…?」
「はい。その三つとは、1つ目は死者の家族と生き返らせたいと願う気持。2つ目は死後2年以内の
その対象の魂。3つ目はその死者の本来寿命を全うした時の生まれ変わりの生きている人間。これを不死鳥の元に集めなければならないらしいんです…。」
「うそ…。」
- 268 名前:ミニモニ。バスガイド 投稿日:2001年12月01日(土)00時18分48秒
- 「本当です。てっきりののちゃん達が不死鳥を探していると聞いて、お姉さんを生き返らせるもの
だと思っていました。」
「生まれ変わりの者って未来から呼ぶ事だべ…?そんなの無理だべさ。」
「無理でしょうね…、普通は。でも、可能なんですよ…ののちゃんのお姉さんなら…。」
「かごちゃんが…れすか…?」
「はい、ののちゃんのお姉さん、かごやさんは月の王家の娘ですよね?」
「そうれす…。」
「月の王家の一族は不思議な力を持っています…。その一つ目に過去・未来の人間を自分の時代に呼ぶ能力、もう一つに夢に現れる事。この二つの能力を持っているんです。おそらく、転生段階
に入る前なら、魂となっている今でもその能力は健在だと…。」
- 269 名前:ミニモニ。バスガイド 投稿日:2001年12月01日(土)00時19分22秒
- 「!!!!!」
おどろくのの…。
ののの中で夢の中の出来事がフラッシュバックする。
そして、やっと夢の中の出来事が理解できた。
「でも、人が死に次の転生段階に入るまでの猶予はちょうど二年。それから数百年の時間を経て、
新しい命に転生します。」
「あと2日だべ…。かごちゃんが死んだのは2年前のあさってだべ…。」
「そこで、チャーミーの千里眼が必要になるんです…。時間が有りませんからね…。
チャーミーはどんな場所のどんな物も見つけ出せる。チャーミーも不死鳥とは面識がある
はずですし、富士の樹海の中でも普通に探すより数十倍容易くなるはずです…。」
「のの…最近夢でかごちゃんの声が聞こえるれす…。カオリしゃんについていってほしいって…。」
「夢に現れたんだべか?」
「はい、れす。もしかしたら、かごちゃんはもう生まれ変わりをこの時代に呼んでいるかも
知れないれす…。」
- 270 名前:ミニモニ。バスガイド 投稿日:2001年12月01日(土)00時19分52秒
- 「そうかもしれないべ…。」
「ののは…。」
「ん?だべ。」
「ののは!!私は!!お姉ちゃんを生き返らせたい!!お姉ちゃんに人生のすばらしさを…
幸せを…生き返らせて教えてあげたい!!」
「そうだべ。そうするべっ!!」
「てか、ののちゃん普通に喋れるんだね…。」
様子を伺って黙っていた紗耶香が口を開く。
「てへへ。ほんとうはね。でも、秘密………れすよ。」
そして、圭も口を開いた。
「でも…根暗次第だよね。根暗が動けないなら…私はそばに居てあげたい…。」
- 271 名前:ミニモニ。バスガイド 投稿日:2001年12月01日(土)00時20分22秒
- 「いいれすよ。圭しゃんとチャーミーしゃんがどんな関係かよくわからないれすけど
きっとののとかごやしゃんと同じ絆を持っている気がするれす…。一緒に居てあげてくらさい。
のの達4人でも不死鳥を見つけるれす。」
そのとき、前方を見ていたヨッスィーがカオリに声をかけた。
「あそこです!!あそこの森にチャーミーはいます。」
「了解!!」
そして、カオリはチャーミーとヤグチの居る森にたどり着いた。
- 272 名前:Say Yeah!-もっとミラクルナイト− 投稿日:2001年12月01日(土)00時21分03秒
- その頃、亜弥の小屋でチャーミーは大きな発作を起こしていた。
激しい動悸。
胸をかきむしる動作。
苦しさによるもがき。
薄れ行く意識。
例えようの無い身体の動き。
ただひたすらチャーミーは「圭ちゃん」と連呼する。
滝のように流れる汗。
蒼白な顔色。
食いしばる歯。
焦点の定まらない見開いた瞳。
亜弥とヤグチには何もする事が出来なかった。
押さえようとすれば苦しさのあまりチャーミーはその腕を弾く。
異常なチャーミーの腕力。
その時、小屋の戸が開いた。
- 273 名前:Say Yeah!-もっとミラクルナイト− 投稿日:2001年12月01日(土)00時21分34秒
- 「根暗っ!!」
圭はチャーミーの元に駆け寄り、手を握る。
「根暗っ!!私だよっ!!圭だよっ!!」
そう強くチャーミーに呼びかける。
すると、圭がやって来たのが分かったのか、険しい表情は多少緩む。
「圭ちゃん…ごめんね…。」
「そんなことない!こっちこそ…こっちこそ…ごめん…お母さん…。」
「っく…うれしい…初めて…呼ばれちゃった…。何?…ぐぅっ…泣かなくても…いいよ。」
震える手で圭の涙を拭う。
その刹那、再び大きな動悸がチャーミーを襲った。
「う゛ぐぐぐぐがががががががぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「お母さんっ!!」
「はなれてっ!!今すぐ!!この小屋からっ!!出てって!!ああああああああ!!!」
そう叫ぶチャーミー。
「やだっ!!離れないっ!!」
圭は見た…チャーミーが竜の姿に戻りつつあるのを…。
腕や顔が鱗に覆われ始め、糸きり歯は鋭さを増し牙へと変わっていく、
身体は徐々に大きくなって来ていた。
「いいから出なさい!!お母さんの言う事たまには聞いてよっ!!」
その言葉に涙でぐちゃぐちゃになった顔で頷く。
そして圭は立ち上がり、亜弥とヤグチに「出よう。」と言った。
- 274 名前:Say Yeah!-もっとミラクルナイト− 投稿日:2001年12月01日(土)00時22分14秒
- 小屋を出る三人。
そこには、曇った表情をした5人と熊が居た。
「ど…うだべか…?」
心配そうに圭に尋ねるなっち。
「…………。」
その時、小屋の木材の軋む音がした。
その音に、皆が小屋を凝視する。
その軋む音はさらに大きく、多くなる。
あと退る8人。
その刹那、窓から強い光が溢れ出した。
その光の強さに、思わず瞳を閉じる。
その光の中で
何かが張り裂けるような音。
大木が倒れるような音。
大きな物が落ちる音。
が響いた。
その音に瞳を開くと
- 275 名前:Say Yeah!-もっとミラクルナイト− 投稿日:2001年12月01日(土)00時22分52秒
- 小屋が全壊していた。
そして、その光の光源は空高くに舞い上がっていた。
「「「「「「「「「!!!!!」」」」」」」」」
その光源は徐々に光を失うと、実体が見え始める。
そこには海王竜が居た。
「グオオオォォォォォォォンンンンン!!!!!」
海王竜は雄叫びを上げた。
その時、のの達の目に前になにかが降って来る。
それは、およそ10m程の透明なそれでいてゴツゴツした様で
グロテスクな所々崩れているものだった。
海王竜は、静かに下へ下りると人化した。
そこには落雷前と何一つ変わらないチャーミー乙姫がいた。
「チャオ〜♪チャーミー乙姫でっす♪」
呆気にとられる8人と熊。
続けて彼女はこういった。
「怪我したついでに脱皮しちゃいました♪もう元気ですよ♪」
- 276 名前:Say Yeah!-もっとミラクルナイト− 投稿日:2001年12月01日(土)00時23分26秒
- 「バカッ!!」
バキッ!!
圭の鉄拳炸裂。
「痛いですよぉ〜♪圭さ〜ん♪」
「お前なんて氏ねっ!!」
バキッ!!
「イタイ〜♪ぐすん♪」
「本当に心配したんだぞっ!!」
バキッ!!
「だってぇ〜♪」
バキッ!!
バキッ!!
バキッ!!
「バカッ!!」
圭はチャーミーを強く抱きしめた。
「ばかっ…ばかっ…。」
耳元でそう呟く。
「ごめんね…圭ちゃん…。」
チャーミーも呟いた。
立ちすくむ亜弥。
「い…家が…。」
- 277 名前:NON STOP 投稿日:2001年12月01日(土)00時24分10秒
- 「のんのんのんのんっ!のんすとっぷ!!」
焚き火を囲みながら、皆の前で歌を披露するのの。
焚き火に亜弥の家の木材を放る。
「ごめんなさぁ〜い♪亜弥さん、家壊しちゃって…。」
「アハハ…いいですよ、あんな小屋。風が吹いても壊れそうでしたから。」
完全に亜弥の顔は引き攣っている。
そんな時、カオリがチャーミーに声をかける。
「アノ、チャーミーサン。」
「あ、どうも♪はじめましてぇ〜♪チャーミー乙姫でっす♪」
(ハジメマシテ…?)
『初めまして』とはどういうことだろう?
カオリは記憶をめぐらせた。
その結果、出た結論は、まだカオリを海底で見つけていないというものだった。
(ソッカ…マダ、カオリハ海ノ底ナンダ…。)
「アノ、カオリッテイイマス。ヨロシク。」
手を差し出し、握手を交わす。
「あ〜♪貴方がぁ〜♪話は聞いていますよっ♪2年前に海で溺れて居なくなっちゃったんですよね♪」
- 278 名前:NON STOP 投稿日:2001年12月01日(土)00時24分42秒
- 「ア、ハイ。」
「助かったんですかぁ〜♪良かったぁ〜♪」
「イエ…。アナタニ助ケラレル予定ナノ。」
「へ…?」
カオリは、チャーミーに自分は未来からやってきたアンドロイドだと説明をし、この旅が終わった
あと鬼ヶ島の海底で、カオリを見つけてほしい事、そして、そのカオリが目覚めたとき、初対面を
装ってほしい事を頼んだ。
「わかりましたぁ〜♪カオリさんそっくりの人を海底で拾って、竜宮城で目を覚ますまで置いといて、
目を覚ましたら初対面を装えば良いんですね♪」
「ハイ。」
「二人だけの秘密♪ですよねぇ〜♪うふふふ♪」
「いや、聞こえてるし。」
圭の突っ込み。
- 279 名前:NON STOP 投稿日:2001年12月01日(土)00時25分17秒
- その頃、焚き火を挟んで反対側でヤグチは、なっちからののの旅の事情を聞いた。
「ふぅ〜〜ん…。そんなことがあるんだ…。」
「そうだべさ。その生き返りの可能性に賭けてるべ。」
「ねぇ、ヨッスィー。」
「はい?」
「ヤグチ達も一緒に手伝おうよ。」
その言葉に微笑むヨッスィー。
(言うと思った…。)
「はいっ。あ、ちょっとチャーミー。」
「なぁに?ヨッスィ〜♪」
「ちょっと、不死鳥について教えてもらえる?」
「うん。いいよっ♪」
チャーミーはなっちの隣に移ってきた。
「チャーミーは不死鳥を知ってるの?」
ふとしたヤグチの質問。
「まぁ、彼女はぁ〜♪始祖鳥に近い存在でぇ〜♪チャーミーと一緒で超長生きですよっ♪
何度か上空で会ってお話したことがありまっす♪」
「すごいれすね♪」
ののも話を聞こうとチャーミーの隣に座る。
- 280 名前:NON STOP 投稿日:2001年12月01日(土)00時25分49秒
- 「え〜っと、さっきなっちさんがヤグチさんに説明してたのと同じ事を言っていましたぁ〜♪
あとは、富士の樹海の洞窟のどこかに住んでるって♪それと、蘇生の儀式は前例が
2度ほどしかないって言ってましたぁ〜♪」
「2度れすか…?」
「ハイ♪そのうちの一つは卑弥呼さんだったらしいですよぉ〜♪それで、滅多に条件が揃わない
って言ってましたぁ〜♪」
すこし、落胆した表情をするのの。
「大丈夫だべさぁ〜。かごやちゃんは月の民だべぇ〜。」
「あ、そうなんですか♪なら可能かもしれませんね♪」
「そうれすか。それでもののはのんすとっぷれすよ!!絶対にかごちゃんを生き返らせるれす。」
「そのいきだべっ!!」
全員でかごやを蘇生させる事で意志を固める。
亜弥は悩んだようだが家が無い以上、ついて行くしかなかった。
その夜は疲労や深夜になる為、その焚き火の周りで野宿する事となり、不死鳥探しは朝日を待って
と言う事になった。
- 281 名前:モーニングコーヒー 投稿日:2001年12月01日(土)00時26分28秒
- 運命の朝がやってきた。
まぶしい朝日が9人を照らす。
「いよいよれすね。」
ののは精悍な面持ちをしていた。
そんなののの肩に手を掛ける紗耶香。
「かっこいいよ、ののちゃん。」
必ず、かごやを生き返らせると言う気持が表情に表れているのが全員に伝わっていた。
ののが全員を見渡すと、それぞれが笑みや頷きで返してくる。
そして、全員が立ち上がった。
「いくべさ。」
「行コウ。」
「いきましょう♪」
全員が輪になった。
ののがその輪の中央に手を差し出す。
全員が手を重ねる。
「がんばってぇ〜〜いきま…」
「「「「「「「「「っしょいっっ!!!」」」」」」」」」
- 282 名前:モーニングコーヒー 投稿日:2001年12月01日(土)00時27分02秒
- それぞれが、目的の地へ向かうべく荷を担いだ。
チャーミーは海王竜に化け、ヨッスィーも鶴に化ける。
カオリはジェット噴射を始めた。
ヤグチは小槌で小さくしてもらい、着替えてヨッスィーに飛び乗る。
そして、他5人はチャーミーに乗る。
その時、亜弥が
「あのっ!!しげるを連れて行きたいです!!私といつも一緒に居たから…。心配で…。」
と、言った。
しかし、チャーミーは全快であるのだが、5人を乗せ、さらに熊を載せるのは大きな負担になる。
そこで、ヤグチが口を開いた。
「ねぇっ!!小さくすればいいじゃん!ヤグチみたいに。」
「…そうれすね!そうするれすっ!!」
そして、ののはヤグチから預かった小槌を取り出し、チャーミーから降りると、
小槌を「ちいさくなーれ。」と24回しげるに向かって振った。
当のしげるは相等混乱していたようだ。
そのしげるはヨッスィーの背にののに摘まれ、乗せられた。
「いくれすよっ!!」
そういって、ののはチャーミーに飛び乗った。
- 283 名前:モーニングコーヒー 投稿日:2001年12月01日(土)00時27分35秒
- 「いっきますよぉ〜♪」
アニメ声でチャーミーはふわりと浮かび、富士の樹海へ向かって飛んだ。
それについていく、カオリとヨッスィー。
「ねぇっ!ヨッスィー。」
ヤグチがヨッスィーに話し掛ける。
「なんですかぁ?」
「ののちゃん、強くなったよね。」
「そうですね。ホントそう思います…。」
「わかるかぁ〜しげるぅ〜。」
ぽんぽんしげるの頭を叩く。
「グガァァァア!!」
「うおっ!!こわっ!!」
やはり猛獣でした…。
- 284 名前:モーニングコーヒー 投稿日:2001年12月01日(土)00時28分07秒
- その日、同じ頃、恐れていた事が加護を襲っていた…。
その日の朝は寒く、遅起きの後藤でさえ、その寒さに起きた。
「おはよう、ごっちん。」
「ん〜〜。おはよう、加護。寒いね…。」
「そうだね。さむいね。」
「ホンマやでぇ、今日は昨日と打って変わって寒いわぁ〜。」
落ち武者は消えかけた焚き火に枝を放って、火力が強くなるのを待った。
そんな時。後藤が加護の異常に気づいた。
「加護っ!!手が消えっ…。」
「ん・・・? !!!イヤァァァ!!」
そう、加護の身体は再び透け始めていた。
その透けは徐々に全身に広がっていく…。
何かから身を守るように、自分の身体を抱きしめる。
- 285 名前:モーニングコーヒー 投稿日:2001年12月01日(土)00時29分14秒
- 「だいじょうぶ!?加…?あれっ…?加…」
『加護』の言葉が出てこない。
もう、後藤は1年半近く付き合っているメンバーなのに名前が出てこない。
同じく、その症状は落ち武者にも現れていた。
「どないしたん!?か………??」
「どうしようっ!?落ち武者っ!!この子の名前が出てこないよっ!!後藤ボケちゃったの!?」
「いや…ちゃうで…ウチも出て来ぃーへん…。」
「いややぁぁぁ!!ウチ、ウチ…どうなってまうん!?ウチ…ウチ…ウチの名前は…何?
ウチの名前何?」
その症状は当の加護にも及んでいた。
必死に頭をめぐらす。
自分が何者なのかと言う証拠を必死に探した。
その時、彼女を救ったのは、後藤でも、落ち武者でもなく、
自分が書いた後藤への地面のメッセージだった。
- 286 名前:上海の風 投稿日:2001年12月01日(土)00時29分49秒
- 「速いなぁ〜、奴ら…。ホンマ追いつけへんわぁ〜。」
上空で中澤は舞っていた。
忍法、大凧の術。
風に任せるしかないこの忍法は思うように追いかける対象を追う事が出来ない。
まさに風任せ。
「あかんわぁ〜。っておいっ!!やめぇっ!!カラスッ!!」
冗談抜きに、カラスは凧を突っつき、穴をあけていく。
「あかんて!!あかん!!あかん!!あ゛あ゛あ゛〜〜〜!!!」
バランスをなくした。
「だからゆうたやろおおおおおお〜〜〜!!カラスなんかの女房にはならへんぞおおお!!」
「って、これだけかいなっ!!」
- 287 名前:あなたの髪の香り 投稿日:2001年12月01日(土)00時30分35秒
- 後藤は震えた加護に何と声を掛けたらよいか分からなかった。
ただ、明るく「温泉行こっか。」と誘った。
その言葉に力なくコクッと頷く加護。
後藤は加護に生きているという感覚を与えたかった。
暗い洞窟ではわからない、外界の森のざわめき、風、鳥の鳴き声。
それを感じる事で加護がそこにいるという感覚を与えたかった。
温泉へ着くと、服を脱ぎ入浴をする3人。
後藤は腕に描かれていた加護の名前が消えぬよう、湯船に腕が浸からないよう気をつけた。
「ねぇ…ごっちん…。」
あれからずっと口を閉ざしていた加護が口を開いた。
「何?」
「あの赤い鳥、本当に加護を助けてくれるのかな…。」
「…………。」
確証はない。
ただかごやの言う事を信じてここまでやってきた。
あの紅い鳥に今はすべてを賭けるしかない。
- 288 名前:あなたの髪の香り 投稿日:2001年12月01日(土)00時31分08秒
- 「あんなぁ、加護ちゃん。」
そこに会話に加わる落ち武者。
「今は、あの紅い鳥にアンタの運命賭けるしかないんやろ?言うても何もはじまらへんで。
待つしかないねん。その助かる時を。」
「そうだね…。」
また再び加護は口を閉ざした。
「すまん。言い過ぎた…。」
その言葉に加護は首を横に振った。
そして気不味い雰囲気で温泉を上がり、3人は洞窟へと戻っていった。
洞窟に戻る3人。
無音が空間を支配する。
その時だった。
足音が入り口から聞こえてくる。
何者かがやってきたのだ。
「だれやっ!?」
- 289 名前:あなたの髪の香り 投稿日:2001年12月01日(土)00時31分59秒
- その落ち武者の質問に、その人物は
「ここにいるのね、不死鳥は…。」
そう言い放った。
その人物の姿が焚き火の明かりに照らされた。
くノ一メロン組、あゆみだった。
「居るんでしょ?赤い羽根した鳥。温泉でのさっきの話、聞かせてもらったよ。渡してちょうだい。」
「なんやねん自分!?」
刀を抜く落ち武者。
落ち武者は殺気をあゆみに感じた。
「素直に渡さないと命はないよ。」
そう言って、背中の刀をあゆみは引き抜く。
「誰かが渡すかヴォケ!!こっちは人の命がかかっとんねん!!」
「そう…渡さないつもりなの。じゃあ死んでもらおうかな。」
構える落ち武者とあゆみ。
間合いが詰まる。
「ゴマちゃん!!加護ちゃん!!あの鳥抱えてはよ逃げェっ!!」
「…で、でもっ!!」
「ええから!!はよせーや!!」
「…うん!!」
奥へと向かい不死鳥を抱えてやってくる二人。
「させるか!!」
その二人を追おうとするあゆみ。
そのあゆみの目の前をふさぐ落ち武者。
- 290 名前:あなたの髪の香り 投稿日:2001年12月01日(土)00時32分34秒
- 「邪魔だっ!!」
刃が交じる。
「今や!!逝けッ!!」
二人はコクんと頷くと、二人は洞窟を飛び出し、森の中へと消えていった。
「くそっ!!武士のなれの果てみたいな滑降しやがって!!」
「うっさいヴォケ!!これでも元は名家の娘やぁ!!」
幾度と交わる刀。
木霊する金属音。
少しでも気を抜けば殺られる。
(ごっつー強いなぁ、こいつ…馬鹿力ゆーのはこー言う奴の事いうんか?アカン腕しびれてきた。)
「埒があかないね…バイバイ、なれの果て。」
あゆみは懐から何かを取り出すと地面にそれを叩きつけた。
その刹那、煙が多量に発生し、洞窟内は煙に包まれた。
「くっ!!何も見えへん!!」
走り去る足音だけが洞窟内に響く。
落ち武者も追おうとするが出口が見えない。
やっと出口に出たとき、既にあゆみの姿は見当たらなかった。
「すまん…ゴマちゃん、加護ちゃん。何とかして逃げてーな…。」
刀を地面に突き刺す。
やるせない思いが、自分の不甲斐なさがそうさせた。
その時、落ち武者を大きな影が覆った。
- 291 名前:あなたの髪の香り 投稿日:2001年12月01日(土)00時33分07秒
- 見上げた。
そこには大きな竜と鶴と人が飛んでいた。
それは徐々に落ち武者に近づいてくる。
「!!!!く、来んなや!!ホンマ来んなぁ!!」
腰が抜けて逃げる事が出来ない。
這ってでも逃げようとする落ち武者の耳に聴きなれた声が聞こえてくる。
「落ち武者ぁ〜〜ののれすよぉ〜〜〜。」
(化け物に知り合いなんておらへん!!おらへん!!)
「落ち武者ぁ〜〜!!なっちもいるべさ〜〜!!」
「カオリモ居イルヨーー!!」
(…へ………?)
改めて振り返り、凝視する。
空を飛んでいた人物はカオリで竜にはののとなっちが乗って手を振っている。
竜は地上に降り立つと、のの達を降ろす。
のの達は落ち武者の元へ。
「ビックリしたれすよ、不死鳥の居るはずのところから落ち武者が出てきたんれすもん。」
「落ち武者、2年ぶりだべさ。連絡無いと思ってたらこんなところにいたんだべか〜?」
「ヒサシブリ、カオリ生キテルヨ。」
知っている面々…懐かしさを感じる。
気付けば、落ち武者の周りには9人の人物と熊が居た。
- 292 名前:あなたの髪の香り 投稿日:2001年12月01日(土)00時33分40秒
- 「!!せや!!ゴマちゃんと加護ちゃんが!!追われてんねん!!」
「…?どういうことれすか…?ごまちゃんって…あのごまちゃんれすか…?」
「せや、ゴマちゃんや!!あんな、ゴマちゃんとかごやちゃんの生まれ変わりの子がこの時代に
来てんねん!!そんで今、何やかようわからん忍者の女がここに居た紅い鳥を不死鳥だせゆうて、現れて、二人は紅い鳥抱えてそいつから逃げとんねん!はよ探さな危ないで!あの二人!!」
「やっぱり来てるんれすか。生まれ変わりの人・・・。」
「やっぱり・・・?どーゆー・・・」
「とにかく話は後だべさ!やばいんなら助けにいかないとだめだべ!!」
「うん、れす!!」
そうして、10人は森の中に入った。
- 293 名前:Baby Cry 投稿日:2001年12月01日(土)00時34分17秒
- 後藤と加護は森の中を迷走していた。
何度も後ろを振り返る。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ。」
足が止まる二人。
「まいたかな・・・。」
「さっきの人・・・柴ちゃんに似てた・・・。」
「何故か、この時代に知ってる人のそっくりな人が多いんだよ。善人悪人問わずね。」
「不死鳥ってこの鳥のことなのかな?」
「多分・・・。良くわかんないけど・・・。」
「!!!!」
「どうした・・・?加護・・・?!!!!」
「ご歓談の所おじゃましまーす。」
2人の目の前であゆみが木に寄りかかっていた。
あわてて加護は後ろ手に鳥を隠す。
「渡して貰いましょうか?」
刀に手をかけ詰め寄る。
(どうしよう・・・このままじゃ加護も危ない・・・。)
「加護!!逃げて!!後藤にここは任せて!!」
「やだっ!!ごっちんの側にいるっ!!離れないっ!!」
「おねがいっ!!ここで加護も殺られちゃったら何も意味なくなっちゃうよっ!!」
「やだっ!!やだよっ!!」
加護の頬に大粒の涙が伝う。
- 294 名前:Baby Cry 投稿日:2001年12月01日(土)00時34分52秒
- 「大丈夫、後藤は死なないよ。いい子だから・・・後から駆けつけるから行きな。」
後藤はニコッと笑って見せた。
「うん・・・。絶対約束だよ・・・。」
そう言って、加護は走っていった。
「どけぇっ!!」
刀を抜いて後藤に迫る。
一か八かの賭に出た。
ポケットからデジカメを取り出す。
(お願い、動いてっ!!)
電源を入れると、電池マークが1/3以下の表示をしていた。
「おねがーいフラッシュ!!」
フラッシュ機能が発動。
「ぐああっ!!」
一瞬にしてあゆみの視界を奪った。
「くそっ!!妖術か!!」
目を閉じたまま刀を振り回す。
そんなあゆみを後目に、後藤は加護の後を追った。
あゆみの視界はなかなか回復しない。
至近距離でのフラッシュと10倍能力故に感じる光度は人の十倍の明るさで受けたのだ。
視界が回復した頃には後藤の姿も見失っていた。
- 295 名前:Baby Cry 投稿日:2001年12月01日(土)00時35分28秒
- 「また見失ったか・・・。でも10倍聴力があるしね。」
あゆみは耳を澄ました。
2つの走る音が右側から、10人の足音が左側から聞こえた。
「なんだろ・・・?この大勢の足音・・・。まあいいか。」
後藤と加護の足音にする方向を確認し、後を追った。
そのころ加護は絶壁に行き止まっていた。
「あかん・・・絶壁や・・・。」
振り返る・・・、戻ることが出来ない。
今にもあゆみが現れそうな気がして、足が戻ろうとしない。
その時、人影が木陰から現れた。
「!!!!」
身を強ばらせ、その人影を凝視した。
「はやいよぉ〜加護ぉ〜。」
後藤だった。
「ごっちんっ。」
加護は後藤だとわかると、走って抱きついた。
「良かった・・・。」
後藤は頭をなでる。
「へへへ。一発食らわしてやったからね。」
- 296 名前:Baby Cry 投稿日:2001年12月01日(土)00時35分59秒
- 「一発?」
「これ。」
加護にデジカメをちらつかせる。
「おねが〜いフラッシュ!!ってね。」
後藤はニカっと笑った。
それにつられ、しばらく笑みの無かった加護も笑った。
「でも、安心してらんないね。また逃げないと・・・。ここもあぶないよ。」
「その通り。」
「「!!!!!」」
再び二人の前に木陰からあゆみが現れた。
「同じ手はもう食らわないからね。」
刀を振り上げる。
その刹那。
「あぶないでぇ〜〜!!!!!!」
上から声がした。
上を見上げるあゆみ。
「???」
大凧が降ってきた。
「うわああああーーー!!!」
衝突。
- 297 名前:I Wish 投稿日:2001年12月01日(土)00時36分41秒
- 「あいたたた・・・。」
衝突した人物が起きあがる。
「だいじょうぶかぁ?あんたぁ〜。」
倒れてるあゆみに声をかける。
あゆみは気絶していた。
10倍能力ゆえ人の10倍長く失神する。
「あかん、気絶しとるアハハ・・・。」
「ゆうちゃん・・・?」
「中澤さん・・・。」
「ん?呼んだか・・・?」
二人に気づく中澤。
「・・・。!?かごやか!?かごやなんか・・・?」
中澤には加護はかごやに見え、
二人には自分の時代の中澤裕子に見えた。
その時、のの達が森の中から現れた。
「あっ!!ねーさんもいるべっ!!」
「おあっ!!見つかってもーた!!」
身を隠そうとする中澤。
しかし、もう完全にバレている。
そして、なっちが加護に気づく。
「その奥にいる子・・・もしかして・・・かごちゃんの生まれ変わりの子だべか・・・?」
ののが加護の前に立つ。
「この子が・・・。探したれすよ・・・。」
ののと加護が出会った・・・。
- 298 名前:I Wish 投稿日:2001年12月01日(土)00時37分40秒
- その刹那、不死鳥が光を放った。
全員がそのまぶしさに目を閉じる。
再び目を開くと全員が白い空間にいた。
不死鳥は加護の手を羽ばたき、離れると、人の姿になった。
その姿は後藤とうり二つだった。
「待ってましたよ・・・みなさん。」
「ご、後藤が・・・。」
驚く後藤。
「ああ、姿借りてます。」
そう答える不死鳥。
「だて、だいたいのことは察しが付いています。この加護亜依さんの前世を蘇生させたいのですね?」
「そうれす・・・。れも・・・かごちゃんの魂がそろってないれす・・・。」
「いますよ、貴方の側に・・・。」
「???」
「あなたをかごやさんはずっと側で見守っていたようですよ。」
そう不死鳥が言うと、ののの隣に光が集まり始めた。
その光は、人型になり、それはかごやの姿になった。
目を開くかごや、ののと見つめ合う。
「ひさしぶりやな・・・のの・・・。」
- 299 名前:I Wish 投稿日:2001年12月01日(土)00時38分27秒
- 「かごしゃんれすか・・・?本当に・・・かごしゃんれすか・・・?」
「せや、ウチや・・・のの。」
「おねぇーちゃぁん・・・ひぐっ、んぐっ。」
涙が溢れる。
会いたくて、会いたくてどうしようもなくて、どうにもならなかった人物が
今、ののの目の前に現れたのだ。
ののは抱きつこうとした。
しかし、かごやの身体に触れることが出来ない。
「ウチ、まだ魂やしな。」
ニカッと笑うかごや。
不死鳥が話を切り出す。
「それでは、蘇生の儀を行います。加護さん・・・貴方の髪の毛を一本ください。」
「あ・・・はい・・・。」
加護は言われたとおり、髪の毛を一本引き抜くと不死鳥に渡す。
「では、簡単に説明します。正確に言えばかごやさんを生き返らせるのでなく、
加護さんの生きた身体の一部より加護さんと全く同じ身体を作り、その身体に
かごやさんの魂を入れます。その際かごやさんの生き返りを願う祈りの力が
その身体と魂を融合させるのです。それで蘇生の儀が完成します。」
- 300 名前:I Wish 投稿日:2001年12月01日(土)00時39分20秒
- なっちが不死鳥に尋ねる。
「なっち達も祈っていいべか?なっちたちも力になりたいべ。」
「構いませんよ。条件の一つに家族としたのは、故人に一番思い入れの強いのが
家族であるとという推測の上で条件付けですから、別段他人でも、何人でも
祈る気持ちが強ければ構いません。」
と不死鳥は答えた。
「ミンナデ祈ロウヨ!!ミンナデカゴヤチャンヲ生キ返ラセヨウヨ!!」
そのカオリの呼びかけに、全員が頷き、「うん。」と答えた。
「では、始めます。」
不死鳥が目を閉じる。
不死鳥に握られた髪の毛が光り始める。
手のひらを広げると光った髪の毛は光を発し始め、どんどん大きくなる。
その光は徐々に人型となり、加護とそっくりな裸体となる。
新しいかごやの身体の出来上がりである。
「これで、身体が完成しました・・・。では、かごやさん・・・。その身体に入ってください。」
「はい。」
かごやはゆっくりと加護から作られた身体に歩み寄り、その身体に入った。
「これからは、皆さんの祈りが必要となります。目を閉じて祈ってください、念じてください。彼女が
生き返ることを、身体と魂が融合することを・・・。」
- 301 名前:I Wish 投稿日:2001年12月01日(土)00時39分56秒
- 全員が目を閉じ、祈った。
かごやの蘇生を、融合を・・・。
全員が祈ってしばらくの時間が過ぎた。
「はい、もう結構ですよ、皆さん。融合は完成しました。」
そして、不死鳥はかごやに話し掛ける。
「かごやさん。目を開いてみたください…。」
その言葉に反応し、瞼をゆっくり開く。
「かごしゃん…。」
かごやは自分の今の状態を確かめた。
手の平を見て、開閉を繰り返す。
感触がある。
そんな感触を確かめていると、ののが抱きついてきた。
「良かったれす…。良かったれすよっ!!ひぐっ、ひぐん、う゛わ゛〜〜〜ん!!!」
「アホッ。強ぉなる約束したやんか…何泣いとんねん…。」
かごやもののを抱きしめる。
暖かい感触。
触れたくても触れられなかった妹の感触、妹の香り。
「らって…らって…うれじぃんだも〜〜ん!!」
「せやなぁ…ウチもうれしい…。こんなうれしい事ははじめてやで…のの…。ウチもう、ののとは
離れへんよ…。二人、人生全うして死ぬまで…。」
「うんっ!!」
皆が涙した。
そこには美しい姉妹愛が有った。
- 302 名前:I Wish 投稿日:2001年12月01日(土)00時40分42秒
- 「かごや…。」
そう呼ばれて振り返る。
そこには涙でぐちゃぐちゃな中澤が居た。
「ただいま、ねーさん…。」
「おかえり。」
中澤もかごやを抱きしめた。
「さて、今から私の能力で後藤さんと加護さんを元の時代の元の場所へ戻します。」
そう話を切り出した不死鳥。
「もうれすか…?のの、ゴマしゃんともっと話がしたかったれす。」
「しょうがないべさ…。また会えて良かったべ…。」
「ソウダネ。」
ののとかごやは、加護と後藤に感謝を述べる。
「ありがとうれす、加護しゃん、ゴマしゃん…。」
手を振り「いえいえ。」と答える後藤。
「楽しかったですよ、いろいろあって辛い事もあったけど…。」
そう答える加護。
「ホンマおおきに、二人とも。加護ちゃん…、ホンマ迷惑かけたなぁ。もう大丈夫やで、あんたの命
も繋がった。」
「ううん。加護ね、前世からみんなと一緒なんだなって知れてよかった…。ありがとう。」
「本当にそっくりれすね。のの、生まれ変わってもかごしゃんといっしょれすか?」
「うん。一緒だよ、一番の親友だよ。」
「そうれすか。よかった。」
- 303 名前:I Wish 投稿日:2001年12月01日(土)00時41分20秒
- 「もうそろそろ、よろしいですか?」
「あ、はい、お願いします。みんな、元気でね!!」
手を振る二人。
そして光に包まれ、二人は元の時代へと戻っていった。
(バイバイれす…。ありがとうれす。加護しゃん…ゴマしゃん…。)
- 304 名前:LOVE センチュリー 投稿日:2001年12月01日(土)00時41分53秒
- 「元の世界に戻しますね。」
そう言うと、不死鳥は白い空間から元の森の中に空間を戻した。
「ありがとうれす、不死鳥しゃん。」
「ホンマ、おおきに。」
「いえ、仕事ですから。それでは、私は新天地を目指して旅に出ます。」
そして、不死鳥は鳥の姿に戻り羽ばたくと空高く飛び立った。
「アッ!!チョトマッテー!!羽チョーダイッ!!」
しかし、既に不死鳥は遥か彼方に飛んでいた。
後の祭りかと落胆していた時に、赤い羽根が一枚降って来た…。
それを手にとるヤグチ。
「はい。」
ヤグチはその羽をカオリに渡す。
「アリガトウ。コレデ、ミッション終了。ソレジャカオリモ帰ルネ。」
「カオリしゃんも、もう行くれすか…?」
「ウン。マタ会エルトイイナ。」
その言葉に頷くのの達。
「ジャアネ、バイバイ。」
そう言って、カオリは目の前に光のゲートを出現させ、その中に消えていった。
- 305 名前:LOVE センチュリー 投稿日:2001年12月01日(土)00時42分25秒
- 「ねぇっ、ヨッスィー。ヤグチ達も、もう行こうよ。旅行の続きしようよっ。」
「はいっ。」
「じゃあね、みなさん。ヤグチ達ももう行きます。」
二人はのの達に頭を下げた。
「また、会いたいれすね。遊びにきてくらさいよ。」
「ウチらも遊びに行くさかいな。」
そして、ヤグチは小さくなって、ヨッスィーは鶴に化け、ヤグチを乗せると飛んでいった。
「あのぉ〜、私としげるはここ住みやすそうなんで、残りますぅ〜。」
しげるに乗った亜弥がのの達に言う。
「ウチも残るわ、ここ住み心地ええしな。」
落ち武者も残る事を告げる。
「そうれすか、元気でがんばってくらさいね。」
「ところで、落ち武者1両もう使ったんだべか…?」
素朴ななっちの質問。
「アハハ、スリに遭うてもうた。」
「ついてないれすね。」
笑い合うのの達。
「ほな、あんた、ここらへんの地理教えたるさかい、着いて来ぃ〜。」
「あ、わたしですかぁ〜。」
「他に誰がおんねん、熊に乗ったあんたやがな。ほな、みんなまたな。」
そう告げて、二人と熊は森の中に消えていった。
- 306 名前:LOVE センチュリー 投稿日:2001年12月01日(土)00時42分57秒
- 残ったかごや、のの、チャーミー、圭、中澤、なっち、紗耶香。
「でも、なんでねーさん、ここに居るんだべかー?」
「そうれすよっ!!なんで居るんれすか?」
ニガワライの中澤と圭。
「あっ、圭しゃんもグルれすかっ!?」
「まぁ、ええやん。ウチは大凧で旅行しとっただけ、偶然ってことにしといてーな。」
ごまかす中澤。
「じゃあ、もうそろそろ、帰りましょう♪」
「そうだね、つんくさん暇してるだろうしね、根暗、化けな。」
「はいっ♪」
チャーミーは海王竜に化ける。
全員がチャーミーの背に乗る。
「あ、どないしよう、あの伸びてる人。」
中澤があゆみに気付く。
「ほっといたらえーよ、ねーさん。」
「せやな、ええとしよう。」
そうして、のの達も戻るべき場所へ帰っていった…。
- 307 名前:エピローグ1 投稿日:2001年12月01日(土)00時43分36秒
- 数日後。
チャーミーは鬼ヶ島の海底を泳いでいた。
「何処ぉ〜♪カオリさんは何処ぉ〜♪」
一緒に探すように命ぜられた亀たちはやる気がなさそうだ。
その態度に気付くチャーミー。
「あんたたちっ♪亀鍋にしちゃうわよ♪」
びくっとする亀吉。
急に亀たちはいそいそと探し始める。
その時、チャーミーがあるものを発見した。
「ん?あれかしらぁ〜♪」
それは、やはり、カオリだった。
手を突き上げたまま、沈んでいた。
「ほらっ、あんたたちっ♪ボサッとしてないで、その人を竜宮城に運びなさいよっ♪」
亀にカオリを運ばせる。
「えっと…。これで目が覚めたら、他人の振りよねっ♪」
そして、目覚めたカオリは2121年に地上に戻る事になる。
- 308 名前:エピローグ2 投稿日:2001年12月01日(土)00時44分08秒
- ののとかごやは月夜に丘に来ていた。
「ここれすよっ、かごしゃんの寝ているところは。」
「何やか不思議やな、ウチのホンマの身体はここに眠っとる。
せやけどウチはここで今も生きとる…。」
「そうれすね。」
ふと、夜景を見つめるかごや。
「みんな、元気にやっとるかなぁ。」
「きっと元気れすよ、みんな…。」
「なぁ、のの…。」
「なんれすか?」
「今夜、一緒の布団で寝よな。」
「うん♪」
- 309 名前:エピローグ3 投稿日:2001年12月01日(土)00時44分42秒
- 加護と後藤は元の時代、テレビ東京の楽屋に戻ってきた。
「戻ってきたね…、ごっちん。」
「そうだね、戻ってきちゃったね…。」
「ねぇ、ごっちん。加護ねぇ、やりたい事があるんだけど…。」
「何?」
加護は後藤に耳打ちした。
数ヵ月後。
「やったね、ごっちん。やっと、うちらの企画やってもらえるね♪」
「そうだねっ。」
手に握った台本のタイトルに目をやる。
『ハロモニ劇場 のの太郎 と かごや姫』
〜完〜
- 310 名前:レイク 投稿日:2001年12月01日(土)00時47分54秒
- 以上でのの太郎とかごや姫2完結です。
約3ヶ月間、駄文にお付き合いいただきありがとうございました。
次回作は、未定ですがゆっくりやっていきたいと思います。
- 311 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月01日(土)01時51分33秒
- 完結おめでとうございます。
「LOVE センチュリー〜エピローグ」の終わり方、大好きです。
何と言いますか、流石童話作家です。
レイクさんの童話小説は、心が温かくなりますね。
次回作、楽しみに待ってます。
- 312 名前:名無し男 投稿日:2001年12月01日(土)13時10分22秒
- 最高!!
感動した!!
涙出た!!
鼻水出た!!
鼻血も出た!!
- 313 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月01日(土)14時48分51秒
- レイクさんの小説は
読み終わった後の後味がスッキリですごいイイです。
お疲れ様でした。
- 314 名前:牟酢雌。 投稿日:2001年12月01日(土)18時27分16秒
- 完結おめでとうございまふ〜
平凡な感想レス台詞れすが、とってもよかったのれす
外伝を期待しれまふけども、レイクさんに休んで欲しいのれすぅ〜
頑張って休んでくらはい♪
- 315 名前:名無しじゃん! 投稿日:2001年12月01日(土)19時51分44秒
- 最高に面白かったです!!
でも結局なぜチャーミーを呼ぶのは二年に一回だけと言ってたんでしょうか?
- 316 名前:感動の名無し 投稿日:2001年12月04日(火)01時01分54秒
- 感動しました。
レイクさんの小説は真に素晴らしいです。
本当にお疲れ様でした。
次回作も期待して待ってます。
- 317 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
- ( `.∀´)ダメよ
- 318 名前:名無しさん 投稿日:2001年12月06日(木)01時52分58秒
- ( `.∀´)<おつかれサマー おもろかったよ。そして次回作に期待
- 319 名前:レイク 投稿日:2001年12月08日(土)23時19分17秒
- >>311
ありがとうございます。エロたん。
今回ラストまでの更新分はすべて曲名にしました。
>>312
ありがとうございます。鼻水も出たんですか(w
風邪引かないようにしてください。(w
>>313
ありがとうございます。
そう言っていただけると光栄です。
>>314
はい、少し充電期間をおいて新作を取り込んでみようと思っています。
予定として、いずれかはののかご外伝等も書いてみようと思っています。
>>315
今回も二年に1回の理由は明らかにされませんでしたね。
いずれ、外伝を書くときに明らかになるかもしれません。
>>316
ありがとうございます。こんな駄文を読んでくださり、
光栄です。
>>318
8/29〜12/1まで、約3ヶ月の連載でしたが、結構早かったなぁと思っています。
次回作は、別の作品の予定で、いずれののかご外伝を書く予定に現段階では
なっています。ご期待いただけるとうれしいです。
- 320 名前:ラック 投稿日:2001年12月11日(火)23時50分46秒
- 遅ればせながらですけど、読ませていただきました。
笑いあり、感動あり、謎ありで最後まで飽きないつくり。
娘。小説家として見習いたいです。
最後に、レイクマンセー!!(ww
Converted by dat2html.pl 1.0