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やすかご劇。2

1 名前:書き人。 投稿日:2001年09月01日(土)01時04分37秒
倉庫行っちゃったので、新しくレスたてたのです。
相変わらずのローペースでやりますが、どうぞよろしくです。

2 名前:未来。 投稿日:2001年09月01日(土)01時07分57秒
−プロローグ−


私は、あの人が好きやねん。
ホンマにホンマに、大好きなんや。
あの人が、どう私をどう思ってるかは、分からへん・・・。
・・・あーあ、何であの人のこと、好きになってしまったんやろ?
自分自身、ようわからへん。
ホンマにわからへんねん。

想い続けて早2年。

これからもずっと傍に居たいです。
いつかは、離れ離れになってしまう仲間としてでなく・・・ずーと、ずーと。
それは、出来ませんか?


ねぇ・・・保田さん。


−続く

3 名前:未来。 投稿日:2001年09月01日(土)01時09分50秒
−プロローグ−

『保田さん。見てくださぁい。』
『ほら、これ可愛いですよねぇ。』
あんたは、知らないんだよね。
『やっすっだっさーん!えへへ・・・暖かいですぅ。』
『・・・ずっと、こうしてて下さい。』
いや、知っちゃいけないんだよ。
『保田さん?』
『・・・保田さん、大好き。』
私たちは、仲間で、あんたは可愛い後輩で・・・。
それは、永遠に変わらないものだから。

あんたの笑顔が、私の心を掻き乱した。
振り回したのは、私か?あんたか?


『大好き。』


純粋なあんたを、私は抱くことは出来ない。
この黒い想いの塊が、あんたを傷つけないように。
ずっと、そばには居られないよ。


ごめん・・・加護。


−続く
4 名前:‐1‐ 投稿日:2001年09月01日(土)01時10分43秒

「・・・・けー・・。・・・ぼー。けーぼう〜〜〜。」
遠くから、声が聞こえてきた。
「・・・・・・ん〜。」
「けー坊!!返事くらいしいや!!」
「わっ、ゆ、裕ちゃん。いきなり何?」
気付いた時には、中澤のドアップが、自分の視界を塞いでいた。
「いきなりやあらへんよ。さっきからずーーーーーーっと、呼んでたっちゅうねん。」
「あ、ごめん・・・。」
「どうしたんや?最近ずーっとやな。」
ボーっとしてるの。と中澤は、付け加えながらいた。
「別に。」
何故か、私は疲れていた。
「なんやぁ。人がせーっかく心配しているのに。」
「・・・ごめん。」
中澤は、眉間に皺を寄せた。
うーっと、保田の顔を覗く込む。
「・・・なっ何?」
困惑する保田。
その顔に、中澤の両手が伸びてきた。
そして。

5 名前:‐1‐ 投稿日:2001年09月01日(土)01時11分18秒

「いったぁ!!」
ぱんッと、勢い良く中澤は両頬を挟むように叩いたのだった。
「気合い一発やぁ!!」
「ゆうちゃーん!」
保田が、中澤に掴みかかる。
「へへへ、それでええ。」
「え?」
中澤の言葉に、保田の動きが止まった。
「痛かったやろ?むかついたやろ?だからこうやって、あんたはうちに向かってくる。
・・・それでいいんや。自分の気持ちには、素直になれ。
そうしないと、疲れてまうし、抜け殻や。」
「ゆーちゃん?何言って・・・。」
「人生経験豊富な、大人の意見や。」
中澤は、見た。
保田の目を。
保田は、その深い色に引き込まれた。
「あんまり、ぼーっとするなや。」
そう最後に残して、中澤は、保田のとこから去った。
そうして、今楽屋に入ってきた矢口に飛びついていた。
「ぼーっとね・・・。してるかな。・・・してるか。」
青い空を、見た。
突き抜けるほどのブルーが、目いっぱいに広がっていた・・・。


−続く
6 名前:‐2‐ 投稿日:2001年09月01日(土)01時20分07秒
うちは、幼かった。
恋に恋してた。

だーい好きな、クラスの男の子がいたんよ。
めっちゃかっこいいんやでぇ!!
その時は、ホントーにただただ夢中だった。

今思うと、何となくそれは恋じゃなかった気がするんや。
んー、自分の初恋とかを否定するわけじゃないんだけど・・・。
なんていうか、ただ、ドキドキして、そのこのことを見てるだけど幸せー!!
・・・みたいなんは、なんか、本当の恋とは違う気がしてきて。

そう思えるようになったんは、きっと、大人になったってことやよね?

だって、うち、あの人のことを想うと、胸がすっごくすっごく痛いんや。
あ、でも、それと同時にすっごくすっごく幸せなんよ。

・・・言葉って難しいね。
7 名前:‐2‐ 投稿日:2001年09月01日(土)01時30分20秒
「保田さぁーん。」
楽屋に入り、目標発見。
窓の近くに、椅子を持っていき座って窓の外を見ている。
加護の呼びかけに保田は。
「あ?」
と、振り返った。
「何見てるんですかぁ?」
加護は、にこにこと笑いながら、保田の隣に同じように椅子を持ってきて座った。
「ん・・・、ただ、空見てただけよ。」
「・・・楽しいですか?」
「・・・まぁね。」
「・・・・・・・・・。」
そう言ったきり、何も言わなかった。
保田は、空を舞う鳥達や、姿を忙しなく変える雲をその目で追っていた。
加護はというと、保田をただじっと見つめていた。

・・・それだけで、幸せだったから・・・。

その時は・・・。


−続く
8 名前:てーせー。 投稿日:2001年09月01日(土)01時33分27秒
6の
「見てるだけど幸せー!!」でなく、
「見てるだけで幸せー!!」ですね。
気になったので一応。
ではではこの辺で。
9 名前:-3- 投稿日:2001年09月01日(土)23時56分56秒
もう少し私が、大人だったら・・・、
裕ちゃんみたく・・・大人だったら。
彼女を、素直に愛するとこが出来たと思う。

そう、

私が、裕ちゃんみたく、大人なら。

私が、後藤みたく、バカに一途だったら。

私が、紗耶香みたく、その想いに答えるだけの心を持って居たら・・・。

私が、矢口みたく、想いを伝えることが、出来たなら・・・。


そうであれば・・・。
苦しむことはなくなるのかな?

傷付かない?
傷付けない?


もう・・・迷わない?

10 名前:-3- 投稿日:2001年09月02日(日)00時17分35秒


    『迷宮』


ふと、その言葉が浮かび掻き消えた。


「保田さぁーん。」

幼い彼女の声が、掻き消したのだ。
・・・しかしもう、幼いといっても、来年には15になる。

「あ?」
っと、わざとそんな風につっけんどんに振り返る。

日に日に、彼女はきれいになっていく。
幼さは残る笑い方。
でも、ふと見せる大人びた表情・・・。

「何見てるんですかぁ?」
「ん・・・、ただ、空を見てただけだよ。」
「・・・楽しいですか?」
「・・・まぁね。」
「・・・・・・・・・。」
加護は、それきり何も言わなかった。
ただ、私の顔を見上げながら、ニコニコと笑っていた。
直視しなくても分かった。
彼女の笑顔が、自分にだけ向けられていることが。


その時、私は、加護を見向きもせずに、
千切れては消え、消えては現れる雲と、
自由に空を飛びまわる鳥を見つめていた。


触れるか触れないかの微妙な二人の間。
手を伸ばせばすぐ近くに居る彼女。
もっと・・・近くに。


そう思うようになったのは、いつからだったろう・・・。


−続く
11 名前:書き人。 投稿日:2001年09月02日(日)00時19分49秒
結構いいペースだなぁ。
やっぱやすかごはいいなぁ。
ではでは、失礼。
12 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月02日(日)00時21分34秒
待ってました。
13 名前:圭子 投稿日:2001年09月02日(日)14時26分37秒
初めてレスします。

この話には「好きで×5」の曲が似合うかなぁ?って感じがします。
「やすかご劇」ってすごく柔らかな感じで可愛くてだいすきです。
これからも見続けます。それでは。
14 名前:圭子 投稿日:2001年09月02日(日)14時29分22秒
ごめんなさいうっかりageてしまいました。
本当にごめんなさい〜・・・・。
15 名前:-4- 投稿日:2001年09月02日(日)23時59分10秒


早く。
もっと、早く。
早く早く早く・・・。

大人になりたいよぅ。


そう、強く思い出したのは、あの人に憧れたから。

16 名前:−4− 投稿日:2001年09月03日(月)00時00分47秒


「かごぉ。あんたいーかげんにしなさいよ。」
「・・・・・・・・。」
怖い。何も言えなくなった。
「加護!聞いてるの?」
「ご、ごめんなさぁ〜い。」
うっ、うっ、うっとうちは泣き出してもうた。
「泣けばすむもんじゃないんだよ・・・。」
ぐじぐしと、目元を擦りながら。
「・・・はい・・。」
搾り出すように言った。
「圭ちゃん、加護も反省してるみたいだし、それくらいにしといてやりなよ。」
その様子に見かねたのだろう。
矢口が、言った。
「亜依ちゃん・・・。」
その横で、ののも泣きそうになっていた。
「う、うぐ・・・ごめんなさい。ごめんなさい・・・。」
「加護、もういいよ。ねっ、圭ちゃん?」
小さな矢口さんの手が、私の頭を撫でてくれた。
「圭坊、もうええんちゃうん?許してやりぃな。」
ずっと、我関せずといった感じで、雑誌に目を通していた中澤さんが、
矢口さんに続いて言った。

17 名前:−4− 投稿日:2001年09月03日(月)00時02分20秒


「・・・・・・・・加護。」
「・・・はい。」
次の瞬間。
私は、この人の腕の中にすっぽりと収まっていた。
「もう、悪さするんじゃないよ。」
そう言って、ぽんぽんと背中を叩いてくれた。

その時、うちは、怖くてただ怖くて・・・。
でも、保田さんの体温が、ちょっと早い心臓の鼓動を聞いてるうちに、
いつの間にか涙は止まってて。
それを確認すると、保田さんは、うちを離して楽屋を出て行った。

ぼうっと、その後姿と閉まっていく扉を見つめた。
「圭ちゃんも、意地悪で言ってないんだよ。
加護。分かるよね?」
矢口さんの言葉。
「はい。」
分かっています・・・。
だって、意地悪ならあんな事絶対してくれないから・・・。

18 名前:−4− 投稿日:2001年09月03日(月)00時04分34秒


今思い出すと、きっとこれが、芽生えだったや。


うちら四人が、入ったばっかりの頃の出来事。
もの凄く未熟で、お子様なうちが、居た。
落ち着いてて、すごく大人な、あの人が居た。


憧れと恋の違いも分からない。


そんな、13の時のこと・・・。


−続く
19 名前:書き人。 投稿日:2001年09月03日(月)00時09分59秒
さくさくっと更新です。
最近もちと意欲的なのです。

>12さん
お待たせいたしました。
楽しんでもらえたら嬉しいっス。

>圭子さん
一応、sageレスではないので、
まぁ、そんなにお気になさらずに。
痛い感じのやすかごですが、楽しんでってください。

最後に、レス、本当に有難うございました。
それでは、失礼します。
20 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月04日(火)13時00分50秒
この加護いいなぁ
21 名前:パク@紹介人 投稿日:2001年09月26日(水)14時36分59秒
こちらの小説を「小説紹介スレ@青板」に紹介します。
http://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=blue&thp=1001477095&ls=25
22 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月29日(土)19時36分19秒
作者さーん続きをお願いします。
MステSPで肩くんで唄ってた二人がめっちゃ可愛かった。
23 名前:-5- 投稿日:2001年10月01日(月)21時53分31秒
一度だけ、私は、加護に対してキレた。
今思うと少し大人気なかった。
震えながら泣く加護を、抱き締めた。

「もう、悪さするんじゃないわよ。」

そして一言そう言って、私は、楽屋を出た。
頭に上った血を、冷やすために、屋上にと向かったのだった。


そうして、10分も経ったころ、何事も無かったように楽屋にと入り、
裕ちゃんの隣にと座った。

「圭坊、おかえり。」
チラッとこちらを見て、ニッと笑う。
「ただいま。」
ん。っと私は眉を少し上げながら返事を返した。

24 名前:‐5‐ 投稿日:2001年10月01日(月)22時06分22秒
「・・・・・・。」
なんとなく、視線を感じて、振り向くとそこには加護がいた。
「!?」
慌てて私から視線をそらした。

・・・また、怒られるかと思ったのかな?

なんて考えてみたりした。
まぁ、私が新メンバーで入った時もこんなことがあった。
それが今は、こんなに打ち解けている。

大丈夫。

・・・何が大丈夫なんだろうか・・・。
なんか、変な自分がいる。
どうしたのかな。
・・・疲れてるのかな・・きっと。

「んーっ!!」
大きく伸びをして、テーブルに突っ伏した。
「圭ちゃん。寝ちゃ駄目だぞう。」
いつの間にか近くに来ていたなっちが言った。
「分かってわよ。」
そう返した。

「・・・・・・・。」
また視線を感じた。
「!?」
やっぱり加護だった。

「・・・・・・・・?」
なんともいえない加護の様子に、保田は、首を傾げるばかりであった。

25 名前:‐5‐ 投稿日:2001年10月01日(月)22時23分05秒

この時から、何かが動き出してたこと。
・・・私は知らなかった。

裕ちゃんが、

「圭坊、これからきっと大変やでぇがんばりぃや。」

そんなことをもんじゃ焼き屋さんで、一緒に晩ご飯を食べている時に言ってきた。
ビールを飲んで、ほろ酔いの裕ちゃんが意味深に笑った。


私は鈍感だから、知らないんじゃなくて、気付かなかったんだ。
彼女のシグナルに。
気付いた時は、お互いにもう手遅れ・・・。


−続く。
26 名前:書き人。 投稿日:2001年10月01日(月)22時26分40秒
更新れす。
レス下さった方。
読んでくださっている方。
お待たせいたしました。

やすとかごは、最近ホントーに、仲が良いですね。
やすかごファンは、娘。ミュージアムに行きませう。
きっと幸せになれます(笑)。
では、失礼。
27 名前:-6- 投稿日:2001年11月28日(水)02時00分58秒

『恋愛ってなぁに?』
『好きってどういう気持ち?』


ねぇ、保田さん、教えください。


『あなたは、うちが嫌いですか?』
『それとも好きですか?』


好きなら、私と同じ名前の、『愛』というものは、そこにありますか?

28 名前:-6- 投稿日:2001年12月01日(土)00時11分12秒

いつからなんて、知らない。
すべて、いつの間にか。

そばに居てください。
心の中で願って、あなたの存在は遠く―。


「保田さん。」


私を見てください?
私のこと好きですか?


聞かせてください。
お願いです。


29 名前:-6− 投稿日:2001年12月01日(土)00時15分59秒



私はもう、子供じゃないんです。



30 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月01日(土)20時36分08秒
うわっ!!更新されてるぅ!!!
作者さんまってました!!
がんばってください!!!!
31 名前:-6- 投稿日:2001年12月22日(土)13時38分22秒


「保田さん・・・、好きです。」


告白した、16のバースデーの前夜。
微妙な、あなたとの距離。
この手を伸ばせばいい。
そうすれば届くのに・・・。
うちは、俯いてしまい・・・涙がこぼれた。
留めていた感情が、一気に溢れ出す。


「・・・っ・・・ふっ・・・すき・・・で・・す。」


大人なあなた。
背伸びした私。


―どうか、受け止めてください。


−続く
32 名前:作者。 投稿日:2001年12月22日(土)13時40分19秒
>30さん
レス有難うございます。
とても励みになりました。
でも、更新遅い上に、少なくてすみません。
では、この辺で。
33 名前:いたこ@30 投稿日:2001年12月25日(火)04時41分56秒
遅くても少なくても放置さえされなきゃ
全然オッケーです!!
がんばってください!

34 名前:-7- 投稿日:2002年01月16日(水)00時53分49秒


欲しいものは、何?

欲しいものは・・・。



「・・・っ・・・ふっ・・・すき・・・で・・す。」



小さな・・・宝物。



「保田さんが・・・。」



駆けて行った。
宝物。
大事にしたい。
だから、そばにいたいのに・・・。


35 名前:-7- 投稿日:2002年01月16日(水)00時54分52秒


「・・・・・・加護。」


小さくなっていく・・・後姿。


「・・・・・・・・っ・・・。」


追いかけようと、足が動いたけど、5・6歩でたとこで、止まってしまった。
俯くと、そこには、彼女の涙の跡が残っていた。
そうして、顔を上げた時。


「・・・加護・・・。」


彼女の姿は、もう、見えなくなっていた。


自分に問う。


私は、あの子を愛している?


-続く-
36 名前:作者。 投稿日:2002年01月16日(水)00時57分08秒
久々に更新です。

>いたこさん
レスありがとうございました。
温かい励ましの言葉ありがとうございます。
地味な展開ながらも、ラストは近いと思うので、
もう少しだけ、お付き合いください。

では、失礼します。
37 名前:いたこ 投稿日:2002年01月23日(水)00時35分36秒
うぅぅぅ…切ない…(泣)
加護ちゃぁん!圭ちゃんのもとへかえってこぉい!!(切実)
圭ちゃん…追いかけたらな…(号泣)
…続きまってマス…。
38 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月25日(金)18時36分34秒
更新はないのですか?
39 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月19日(火)20時39分39秒
作者さんパソの調子悪いみたいだよ。
40 名前:名無しさん 投稿日:2002年02月26日(火)21時58分28秒
誰か続き・・・。
41 名前:書き人@すみません 投稿日:2002年02月28日(木)18時52分35秒
すみません。
ホントーにすみません。
絶対に、放棄はしないので、今しばらくお待ちください。
つい最近まで、ウィルスに感染、PC不能。
その上、アダプタの故障。
そして、学校の課題の追い込みと、全く暇がありません。
三月の中旬には、完全復活ができると思うので、それまでお待ちください。
本当に申し訳ないです。

では、これにて失礼します。

42 名前:-8- 投稿日:2002年03月09日(土)01時05分03秒




どうか、あの星空へ、連れ去ってください。




43 名前:-8- 投稿日:2002年03月09日(土)01時13分11秒


キラキラキラ。
星が光る夜。


キラキラキラ。
光る。
頬を伝う涙。


拭うのは、疲れちゃった。


窓辺に佇む。
まだ、幼さを残す後姿。


44 名前:-8- 投稿日:2002年03月09日(土)01時14分50秒


「な〜み〜だ〜止まらなくても〜・・・。」


45 名前:-8- 投稿日:2002年03月09日(土)01時15分38秒



昔のように、・・・ねぇ、叱って。


46 名前:-8- 投稿日:2002年03月09日(土)01時46分14秒

コンコン。
扉を叩く音。

「亜依ちゃん、ごはんは?」
祖母の、心配そうな声。
「・・・ごめん、おばぁちゃん。食欲ないんだ。」
聞こえるくらいの声で言った。
「そう、お腹すいたらおいでね。」
そう言って、去っていく足音。
「・・・・・・ごめんね。」


空に輝く星。


電信柱の外灯が、影を作った。

47 名前:zk 投稿日:2002年03月09日(土)02時33分36秒
更新お疲れさまです。
せつない加護ちゃん、いいっすねぇ。
でもやっすーももっとしっかりつかまえとかんと…。

最近この小説知りました。
更新直後に言うのもなんなんですけど
続き楽しみにしてます。
48 名前:-8- 投稿日:2002年03月10日(日)00時09分57秒


「・・・・・・・・っ!!」


もう、分からないよ?保田さん。


長く、長く、延びた。
冷たいアスファルトの上で。


想いが弾け飛ぶ。




―――星空へ。



−続く。
49 名前:書き人。 投稿日:2002年03月10日(日)00時27分40秒
>47・zkさん
レスありがとうございます。
つかまえておかないとって、全くその通りですね、はい。
へたれやっすーなものでね。
まったく困ったものです。


本当は、ここまで更新するつもりだったんですが、
いつの間にか寝てしまっていました(爆)。
これからまた、更新するかもしれません。
だんだんと、終わりに近付いております。
はい、どうぞよろしくです。
50 名前:-9- 投稿日:2002年03月10日(日)01時00分32秒


一言でいいんだ。
たった一言で。


すべては、そこから始まる。
いや、むしろそうしないと始まらない。




君はもう。




コドモじゃないんだから・・・。


51 名前:-9- 投稿日:2002年03月10日(日)01時42分51秒


「・・・・・・・。」
吐く息が白い。
見上げた空には、都会には珍しく星が輝く。
冬の寒さが、濁った空気を綺麗にしてくれているらしい。
鼻先が、寒くて赤くなっているのを感じた。



「・・・・・・・・。」
チカチカ。
外灯の光が、点滅した。



「・・・・・・・・・。」



52 名前:-9- 投稿日:2002年03月10日(日)01時45分42秒




迎えに行くよ。



私の宝物。



見つけて、重ねよう。



お互いの想い。



53 名前:-9- 投稿日:2002年03月10日(日)01時50分02秒


「・・・・・・・っ!!」



「加護。」



ココロ。
重ねて。


想い。
コメテ。



54 名前:-9- 投稿日:2002年03月10日(日)01時59分41秒




しっかりするよ。
想いを伝える。




それは、そう、これからの未来のために・・・。



−続く
55 名前:書き人。 投稿日:2002年03月10日(日)02時03分28秒
とりあえず、ここまで。
あと、三回くらいで、終わればいいなぁ。
では、失礼。
56 名前:zk 投稿日:2002年03月10日(日)02時27分07秒
うーん…深い。
でもついにやっすーも決心が…。

作者さま
アチキのようなものにまでレスありがとざいやす。
もしアチキの書き込みうざかったら言ってください。
控えますので。
続きも楽しみだぁ。終わりに近づくのは悲しいけど。
57 名前:-10- 投稿日:2002年03月11日(月)00時17分48秒


ブーンブーンブーン。
携帯のバイブレーションが、忙しなく働く。
ベッドの上で、液晶が青白く光る。
それの主人は、そこにはいない。
メール着信あり。
そのメッセージだけを残して、静かになった。


キィっと、開かれたままの戸が音をたてきしんだ。


58 名前:-10- 投稿日:2002年03月11日(月)03時22分06秒


「・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。」


風はないけど、冷気が立ち込める。
ぶるっと震えた。


それに気付いたのか、自然に寄り添うように、抱きしめられた。


「・・・保田さん。」
「バカ、上着くらい、持ってきなさいよ。」
「・・・はい。」


腕の中。
目蓋を閉じた。


チカチカ。
外灯が、点滅した。


顔に落ちた影。
残ったのは、温もりだけ・・・。

59 名前:-10- 投稿日:2002年03月11日(月)03時47分48秒

知りたいのは、あなたの想い。
伝えたいのは、このココロを締め付ける甘い言葉達。


「・・・小さい。」
どれくらいたったのか。
ほんの少しなのか。
分からない。
いつの間にか、時は流れ。
ふいに、保田が呟いた。
「・・・・・・・。」
顔を上げて、保田の顔を見上げた。
「あんた、小さいね。とても。」
なんとも言えない顔で、笑った。
加護の頬を保田は、ちょっと冷たくなった手で撫で包んだ。
額を当てて、見つめ合う。
「・・・・・・なんで?」
加護は、聞いた。
「?」
「ここにいるんですか・・・・なんで?」
「・・・・・・・・・。」


60 名前:-10- 投稿日:2002年03月11日(月)03時58分36秒


今、この瞬間、気付くことたくさんある。
あなたの温もりに包まれて、私は、またひとつ大人になる。








「そんなの決まっているじゃない?」
泣き出しそうに笑った。
あなたの顔。
視界が、歪んだ。


61 名前:-10- 投稿日:2002年03月11日(月)04時09分53秒


踵を上げて背伸びした。


保田の首に腕を回して抱きついた。



「・スキ。」






お願いです。
夢なら覚めないで。




−続く。
62 名前:書き人。 投稿日:2002年03月11日(月)04時15分47秒
更新しました。

>zkさん
レスありがとうございます。
ものすごくうれしいてです、はい。
やっぱ、レス頂けたほうが、やる気が出る感じです。
物語は、動き出した感じなので、後少々お付き合いくださいませ。


では、失礼します。
63 名前:-11- 投稿日:2002年03月11日(月)22時55分13秒




私のお姫様。
もう、離さない。




64 名前:-11- 投稿日:2002年03月11日(月)23時57分54秒


白い頬が、赤く染まって、寒そうに。
震えたあんたを抱きしめた。





小さかった。




その温もりが、いとおしいと改めて思った。
65 名前:zk 投稿日:2002年03月12日(火)05時39分04秒
う〜ん…。
かなりいい感じっすね。
でも終わりに近づいているのが悲しい。

でもいいっす!
66 名前:-11- 投稿日:2002年03月12日(火)13時39分19秒


カッチカッチカッチ。
時計が、無情にも時を刻む中。
自身の部屋の壁に寄りかかる。

抱えた膝。
寒くて震える肩。
ぎりぎりと軋む胸の痛み。


あれは何時だったろう。


67 名前:-11- 投稿日:2002年03月12日(火)14時47分39秒


「東京って、本当に星が見えないんですねぇ。」
少し先を歩く、飯田と辻の後ろをついて歩く帰り道。
夜空を見上げた加護が、ポツリと呟いた。
「そうねぇ、東京でてからは、星見ることってないわね・・・。」
私も、夜空を見上げてみた。
見えたのは、高いビルに囲まれた、小さな空だった。
「実家は、すごくきれいに星が見えたなぁ。」
懐かしむように、呟いた。
それに、
「本当ですか?」
加護が、私の方に振り向いた。
輝いた笑顔。
横顔が、ネオンに照らされた。
「うん。田舎だから。」
ふいっと、視線を外した。
「見たいです!!」
絡んだ手から伝わるのは、切ない温もり。
「・・・・・・・機会があったらね。」
「えー、今みたいですぅ!」
「は?あんたねぇ。」
バッとかち合った視線。
「保田さんの、住んでたところ行ってみたいです。
保田さんが見つめていたそこを、私もこの目で見たいんです・・・。」



68 名前:-11- 投稿日:2002年03月12日(火)14時49分33秒



ちょっと、暑かった。




69 名前:-11- 投稿日:2002年03月12日(火)15時00分44秒


あれは、去年の秋。
残暑が残って、ちょっと暑くて・・・。


確かそんな夜のこと。



目が逸らせなかった。
あんたに引き込まれた。



70 名前:-11- 投稿日:2002年03月12日(火)15時14分15秒


自分の顔が、泣き出しそうに歪む感じがした。


加護が、抱きついてきた。
しっかりと抱きとめた。



あの時のわがまま、聞いてあげる。



「スキ。」
口をついて出た言葉。
あまりにも簡単で、気が抜けた。
加護は、泣いていた。
笑いながら、泣いていた。




時計の針が、今、0時を差して微笑んだ。


71 名前:-11- 投稿日:2002年03月12日(火)15時18分09秒





「・・ウッ・・・ヒッ・・私・・・も、好き・・・です。」






「ん・・・分かってる。・・・ごめんね。」



素直になれなくて、素直じゃなくて。





−続く。

72 名前:-12- 投稿日:2002年03月12日(火)17時44分11秒


明日、夜が明けたら、二人で逃げようか?


そう言ったあなたに、私は目を見開いて。
ニコってあまりにも優しく笑うから、自分達の立場なんてほったらかしで頷いてた。



まさか、あなたがそんなこと言ってくれるなんて思わなかったから。
理由はなくて、ただ嬉しくて。
私は、今まで以上にあなたに甘えていた。


73 名前:-12- 投稿日:2002年03月12日(火)17時47分45秒


「こどもね。」


そう言って、くすくすと笑った。
それに、ぷうって膨れて、


「加護は、もう16歳なんだから、大人です!」


って言った。



「そうやって、ムキになるところが、まだまだこどもよ。」



膨らませた頬をつつかれて、ぷしゅっと空気が抜けた。
保田の前髪が、その風で揺れた。



大きく、両手を広げるから。
まるで反射のように、自然に腕の中に収まった。



そのまま、眠った。


部屋に、幸せを詰め込んで。


74 名前:-12- 投稿日:2002年03月12日(火)17時55分06秒


朝、外はまだ薄暗い。


揺すられて、パチッと起きた。


おはようと言った。
あなたに、甘えた声でお願いをした。



ひくって、方眉が動くのが分かった。
ちょっと怖いけど、それは、いつものことだから、気にしない。



にこぅって眠たいけど、笑った。
あなたの片手で、目を覆われた。
チュッて、唇に柔らかな感触。
手を外されて、あなたを見たら、もうそっぷを向いている。
耳が赤かった。
抱きついて、キスをした。
私から。



おはようございます。って・・・。



75 名前:-12- 投稿日:2002年03月12日(火)18時03分56秒


「おばぁちゃん。ごめんなさい。」



私たちは、駅のフォームで、電車を待っていた。
手をしっかり繋いだまま。
顔を向かい合わせては、くすくすと二人で笑った。


こうやって、二人きりでいると、あなたのことで、気づくことがたくさんある。


いつもは、大人ぶっているけど、意外と子供っぽい。
しっかりしているように見えるけど、結構抜けている。
それで、これは前から分かっていたけど、ものすごい恥ずかしがり屋さん。



ふいに、ほっぺたにキスをした。



カッと、一気に赤く染まる顔。
面白くて笑ったら、ちょっと怒られた。



―――――――すごく幸せ。



−続く
76 名前:書き人。 投稿日:2002年03月12日(火)18時09分16秒
ここまで、一気に更新。
どうも、自分のやらせたいことを詰め込んでいってる感じがする・・・(爆)


>zkさん
レスありがとうございます。
はい、あともうちょっとです。
が、ちゃんとした最後を考えていないので、
後どれくらいで終わるかは、未定です。
お付き合いいただければ嬉しいです。

それでは。
77 名前:-13- 投稿日:2002年03月13日(水)23時02分13秒


がたんがたん。
電車が揺れる。


人が一人、また一人。
いつの間にか人は減り。


二人で、隅のいすに座って、向かいの窓から外を見る。
小麦色をした地の上、真っ青な空が広がっていた。
「もうすぐお昼ね。」
「はい、加護お腹すきました。」
普通の会話をして、
「じゃ、次の駅で降りて駅弁食べようか。そこのおいしいのよ。」
「はい!」
普通の幸せを感じてみる。

確か、今日の集合時間は、一時だったかな。
あぁ、ホントもう間に合わないや。
起こるだろーなー。
てゆうか、やめさせられちゃうかも?
あはは。まぁ、それもいいかな?
なんて、無責任だよね。
大丈夫、今日だけだから、わがまま聞いてください。


いいでしょう?



・・・・・・ねっ?




78 名前:-13- 投稿日:2002年03月13日(水)23時24分11秒


お弁当を二つ。
飲み物も二つ。


駅のフォームのベンチに座って食べた。
クルックゥと、鳩が足元で群れる。
石川がいたら、きっと泣き出すんだろうなって思ってみたりした。

「鳩、鳩。保田さん、鳩。」
隣の彼女は、結構好きみたい。
「分かっているわよ。」
「えへへ・・・。」
「黙って食べなさい。」
「・・・はい。」
屈折のない笑顔で、笑って。
手が滑って、ご飯が箸から一掴み零れ落ちた。
ばさばさばさ。
群がる鳩。
「・・・みんなお腹がすいているんですね。」
「・・・・・・・・・。」
私は、何も言わなかった。
変わりに、ぽんと一塊ご飯を落とした。
本当はいけないんだけどね。



もうすぐ、次の電車がやってくる。



79 名前:-13- 投稿日:2002年03月13日(水)23時52分58秒


時間は、午後一時。


二人の携帯が、同時になった。



「マネージャーからだ。」
「私のもです。」
顔を見合わせて、にぃって笑った。
電源をオフにして、鞄の奥に詰め込んだ。
小さな駅。
踏み出した。



二人の道。



80 名前:-13- 投稿日:2002年03月14日(木)00時31分01秒


懐かしい匂いがした。


どれくらい振りだろう、故郷の地を踏みしめる。


愛しい人と一緒に。


こんな日が、来るとは思っていなかった。


こんな自分が、いるなんて知らなかった。


81 名前:-13- 投稿日:2002年03月14日(木)01時22分17秒


「どこ行きたい?」
加護に聞いた。
「んー。保田さんが、小さいころよく行ってた公園とかってありますか?」
「・・・そりゃあるけど・・・。」
「じゃ、そこがいいです!」
「・・・・・・・・。」
ニコニコ。
「・・・そんなとこでいいの?」
「はい。」
やけに嬉しそうに笑うから、なんかそれ以上返す言葉はなくて。
バス停に二人で立つ。



アンバランスな影が、足元で一緒に佇んでいた。



−続く

82 名前:zk 投稿日:2002年03月14日(木)02時12分32秒
うん…。本当のKならDr.STOP以外仕事はとばさないと
思うけど…、それほどまでの決心という事か…。
いいっすねぇ。

作者さま>無理に終わらせず、続けてみてもいいのでは。
     番外編?とかでもいいですけどもっと読みたいっす。
83 名前:いたこ 投稿日:2002年03月15日(金)00時31分47秒
更新されてるぅぅぅ!!
まってました!!
84 名前:-14- 投稿日:2002年03月20日(水)13時47分43秒


いつか悲しみは、喜びに変わる。


誰が言った言葉?


そんなの関係ない?


・・・そう、関係ないですね。




・・・アナタが、いるから。
ココに、いるから・・・。



85 名前:-14- 投稿日:2002年03月20日(水)13時53分44秒


ぶろろろろ。


二人しか乗っていない、バス。
一番後ろで、手を繋いだまま。
寄り添う。
見つめ合う。


幸せ?
幸せ・・・。


永遠。
今だけ信じたい。



私の王子様。
どこまでも、私を連れ去ってください。



86 名前:-14- 投稿日:2002年03月20日(水)13時54分16秒




ドコマデモ・・・。




87 名前:-14- 投稿日:2002年03月20日(水)14時04分43秒


「保田さん。」
「ん?」
「私のこと、好きですか?」
私は、上目使いで、あなたを見て。
あなたは、あごを少し引いて、私を見た。
「・・・これの次、降りるよ。そのあと、また、ちょっとある・・・」
「ねぇ、好きですか?」
話をはぐらかそうとする、あなたの手を引っ張って。
「私は、好きです。」
真っ直ぐな気持ち、伝える。
「・・・・・・・・・・・・。」
ぐいっと、肩をつかまれて、引き寄せ抱きしめられた。
「分かっているでしょう?」
「・・・・・・・はい。」


でも、・・・聞かせてください?
何回も、何回も。


「好きよ。」



―――――――優しく。


−続く
88 名前:書き人。 投稿日:2002年03月20日(水)14時09分48秒
更新しました。


>zkさん
レスありがとうございます。
はい、私のペースで、二人の物語を完成させたいと思います。
どれくらいになるか、未だ謎ですが、付き合いいただければ幸いです。

>いたこさん
はい、大変お待たせいたしておりました。
大分、ネタも固まってきたような気が、
自分の中にしますので、また、よろしくお願いします。


では、この辺で失礼します。
89 名前:zk 投稿日:2002年03月21日(木)03時33分44秒
作者さま、更新お疲れ様です。
+ありがとうございます。
前回までのハイペース後だったので
この前のアチキの書き込みに何か落ち度があって
更新意欲が失せたのかと思い正直心配してやした。
たぶん書き込んでいないだけでROMってる方もたくさん
いると思いますので…。
そうです。作者さまのペースで書いてください。
お待ちしておりますので。
90 名前:-15- 投稿日:2002年03月21日(木)23時15分56秒


『好きですか?』


その台詞、今日だけで何回聞いた?
もう、勘弁してよ。
分かってるでしょう?



『・・・好きよ。』



91 名前:-15- 投稿日:2002年03月22日(金)00時05分28秒


キャッキャッと、子供たちが数人で、公園を駆け回る。
ボールがぽーんと、高く空に上がった。
泥んこになって、寒さも忘れてはしゃぎ回る。


それは、何年か前と、全く変わらない風景。


まるで、額の中に飾った絵のように、色あせずそこにあった。

92 名前:-15- 投稿日:2002年03月22日(金)00時26分33秒

「・・・・・・・・。」
キョロキョロと首を動かして、見渡す。
「小さいでしょ。」
ニッて笑って、一歩踏み出した。
ジャリっと砂の感触。
懐かしい、感触。
「ずい分来ていなかったから、もしかしたら・・・って思っていたんだけど・・・。」
「・・・・・・・・。」
「何にも変わってない。なーんにも。」
ふっと、昔を思い出してしまう。
よくここで、今ここにいる子供たちのように、泥んこになって遊んだ。
日が傾いて、少しするとお母さんが迎えに来て・・・
「・・・保田さん。」
昔を懐かしむ表情を浮かべる保田に、加護が、呼びかけた。
視線を落とすと、いつもの笑顔はなく、自分を見上げる加護の表情にあった。



93 名前:-15- 投稿日:2002年03月22日(金)00時33分49秒


「どうした?」
そう聞くと、加護は、保田の手を離して、公園を入って右のところにある
大きな木の下まで駆けていってしまった。
「・・・・・・・・・。」
振り返り、微笑む。
「加護?」
ゆっくりと近寄り、すぐ前で立ち止まる。
「・・・保田さん。いろいろ、加護に教えてください。」



アナタのことを。



そう言った。




「うん。」



94 名前:-15- 投稿日:2002年03月22日(金)00時37分44秒



全部、話すよ。



私のすべて。



傾きかけた太陽の下、公園のベンチ。
二人の笑い声。
幸せと言う名の、時が、過ぎていった・・・。



−続く
95 名前:書き人 投稿日:2002年03月22日(金)17時26分45秒
>zkさん
レスありがとうです。
私が、更新しなくなるのは、リズムがあって、
リズムが急に途絶えると、更新しなくなるだけなので、
お気になさらずに〜。
むしろ、はよ書けとせかされたほうが、やる気の出るやつなんで、
どうぞ、レスの方つけてやってください。

では。
今日も更新できたらしたい感じで・・・。
96 名前:zk 投稿日:2002年03月23日(土)03時01分43秒
お疲れ様です。
更新見れると仕事の疲れが癒されます。
じゃぁ、遠慮なく…。

次の更新楽しみにしてyasu。
今夜読めるかな?
97 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月23日(土)14時41分31秒
いつも読んでます。
やすかごは好きなんで、期待してます。
更新楽しみに待ってますよ。
98 名前:zk 投稿日:2002年03月24日(日)03時30分27秒
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
期待強かっただけにショックもでかい。

明日こそ。。。
99 名前:-16- 投稿日:2002年03月25日(月)00時08分29秒


世界が、オレンジ色に染まる。
長く伸びた、二人の影。
踏みながら、歩く道。


100 名前:-15- 投稿日:2002年03月25日(月)00時14分22秒


「どうしよっか・・・。」
ふらふらと、歩きながら、保田は、ぽつりと言った。
「どうしましょうか?」
加護は、答えにならない返事を返すのであった。
保田は、加護を見た。
綺麗な、横顔を・・・。


101 名前:-16- 投稿日:2002年03月25日(月)01時52分36秒

今日一日で、うちらは、かなり歩き回った。
その度に、うちは、保田さんからいろいろなことを教えてもらった。
保田さんのこと、いっぱいいっぱい教えてもらった。


公園から始まって、学校、商店街・・・。
どこまでも続く道。
あふれ出す、あなたの思い出。
刻まれて行く、私たちの思い出・・・。
二人だけの、道が、通り過ぎたその場から出来ていく感じが、
とにかく、嬉しかった。



嬉しかった・・・。



102 名前:-16- 投稿日:2002年03月25日(月)14時12分10秒


「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
歩いていくと、バス停が見えてきた。
一人のおばあさんが、ベンチに座って、バスが来るのを待っている。
「・・・・・・帰ろうか。」
保田が言った。
「・・・・・・・・。」
加護は、俯いて立ち止まった。
「・・・加護?」
手をクンッと引かれ、保田も立ち止まった。
「・・・・・・・・。」


ぶろろろろろ。


バスが、排気ガスを出しながら、うちらの横を通り過ぎた。
オレンジ色に染まった、保田さん顔が、うちを見た。
うちは、俯いたまま、首を左右に振った。
うちは、自然に身体が震えだすのを感じた。
怒られるから怖いとかじゃなくて、この手を離したくなかった。


「帰りたくない。今日はまだ終わっていないんです。
保田さん・・・、私・・・・・・」


顔を上げ、うちは見た。
あなたは、柔らかく微笑んでいた。
そうして言ったのは。


「私だって、まだ帰したくないわ。」


愛の言葉でした。



−続く

103 名前:書き人。 投稿日:2002年03月25日(月)14時24分03秒
更新しました。
ここで、ひとつ訂正。
100の名前のところの番号は、間違えです。
-16-に直すのを忘れたのでした。はい。

>zkさん
いつもレスありがとうです。
そして、すみませんねぇ・・・。
はい、いろいろと遊んでしまいまして、更新できませんでした。
見捨てないでやってください、はい。

>97・名無し読者さん
レスありがとうございます。
更新できました、はい。
また、催促してやって下さい。
やすかごが、好きと。その一言が、物凄く嬉しいです。
ありがとうございます。

やすかごが、好きだといってくれる同士が、
どれくらいいるかは、分かりませんが。
我が道を行く私に、付いてきてくれている人がいると信じて、
突き進んで行きたいと思います。
はい、長レスで失礼しました。
ではでは。
104 名前:zk 投稿日:2002年03月26日(火)04時07分58秒
作者間更新お疲れ様です。
101と102の間に読んでたんですがレス
つけたいのを我慢してやした。

アチキはやっすーファンで特にやすかご好き
という訳ではなかったのですが
この作品でかなりつぼってしまった
感じです。作者さまワールド突き進んで下さい。

>「私だって、まだ帰したくないわ。」
イミシンすねぇ。どっちに突き進むんやろ?
楽しみにしてやす。
105 名前:-17- 投稿日:2002年03月27日(水)23時30分07秒




愛してるよ、お姫様。




106 名前:-17- 投稿日:2002年03月28日(木)00時16分59秒


真っ白なシーツの上。
瞼を閉じたまま、ゆったりと沈み込む。
大きすぎるベッド。
灯るサイドランプ。
部屋の中は、とても静かで、夜いきなり降り出した雨の音だけが、聞こえてた。


「・・・・・・・・・・。」


濡れた髪が、ちょっと重たそう。
おでこに張り付いて、乾き始めていた。


時間が、異様にゆっくり、ゆっくり、進んで行った・・・。


107 名前:りか 投稿日:2002年03月28日(木)00時39分01秒
いいれすね〜^^
なんか呼んでて胸がキュンって・・・(ばきゅ
この加護ちゃんは普段テレビで見てる加護ちゃん
とちがってまたいいれす♪
個人的にはけいちゃんFANなので
この物語だいすきれす☆
108 名前:-17- 投稿日:2002年03月28日(木)01時11分53秒


バスに乗って着いた、駅前の停留所。
いつの間にか、降り出した雨。
ちょっと、寒かった。

そこは、すごく栄えてるって訳でもなくて、
ただ、物凄く田舎というわけでない。
中途半端さが、なんか丁度いい。
私たちは、ビジネスホテルに泊まることにした。
味気ない部屋。


109 名前:-17- 投稿日:2002年03月28日(木)01時13分40秒


「・・・・・・・・・。」
手から温もりが離れた。
加護が、ばふっと、布団に飛び込んで、
「あはは、ふかふか。」
こちらを向いて笑った。
だから、私も笑って見せた。
途中、コンビニで買ったに荷物、テーブルに置いた。
「・・・ほんとだ。」
そして、寝転がる加護のすぐ隣に、腰を下ろして、靴を脱いだ。
・・・ちょっとっていうか、かなり疲れていた。
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
ちょっとの無言。
「保田さん。」
「ん?」
加護が、起き上がって首に抱きついてきた。
ばふって、重力に逆らうことなく、ベッドに二人で倒れこんだ。


・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。


「いたっ。」
「えへへ。」


なんか、物凄く好き。
何でだろう、ホント好き。


110 名前:-17- 投稿日:2002年03月28日(木)01時51分24秒


「・・・好きです。保田さん。」
「うん。」
「大好き。」
「・・・・・・・・。」


近付く唇。
パサリと、髪が落ちて、私の頬を撫でた。


・・・グ、グーー。


「あっ。」
加護の腹がなった。
「・・・ぷっ。」
真っ赤に染まった、頬をつついた。
「うー・・・。」
ちょっと悔しそうに、そして恥ずかしそうな顔。
「お弁当食べようか。」
「・・・・・・はい。」
ベッドから離れ、テーブルに起きっ放しの袋を取ってきた。
俯いたままベッドの脇に座る加護。
「ほら、加護。」
声をかける。
それに従うように、顔を上げた。
「!!」
その唇に、触れるだけのキスをした。
「食べよ。」
ニッて、笑った。
「・・・・・・・はい。」
そして、もう一度キスをした。


111 名前:-17- 投稿日:2002年03月28日(木)01時58分49秒


ベッドに、身を預ける。
自分の唇を、指でなぞった。
感触が残る。
切ない・・・胸を締め付ける。


視線、そらせない。


嘘、つけない。



―――ガチャ。
ユニットバスの扉が開いた。



「保田さん。」
「・・・・・・・。」



このまま、時が止まってしまったら、


いいのに・・・。



−続く
112 名前:書き人。 投稿日:2002年03月28日(木)02時15分55秒
更新しました。
物凄く時間かかりました・・・。
こう、自分の知識の無さに、苦しみました。はい。

>zkさん
いつもいつもいつも・・・ありがとうございます。
好きになったというだけでも、かなり嬉しいです。
ありがとうございます。
二人、どうなるかは、まだまだ分かりませんが、どうぞよろしくです。

>りかさん
レスありがとうございます。
はい、二人の年齢設定が、今よりちょい上なので、
ちょっと大人です。
楽しんでいただけのであれば、すごく嬉しいです。
どうそ、最後まで、お付き合いください。


んーと、今一まだ、これからどうしようか迷っています。
ですが、自分のやりたいこと。
自分自身、感動できるような最後を作りたいと思います。
どうぞ、懲りずにお付き合いください。
では。
113 名前:zk 投稿日:2002年03月28日(木)04時56分48秒
作者さま>こちらこそ
いつもいつもいつも…更新ありがとさんです。
この小説読んでて一番素晴らしいと思うのは
二人の心の動きのバランスが絶妙なとこ。
単純な文章ではなく二人の気持ちを投影した
背景の描写など作者さまの愛情がひしひしと
伝わってきます。
次も楽しみにお待ちしております。
114 名前:zk 投稿日:2002年03月31日(日)04時56分10秒
更新が楽しみです、、、。
115 名前:-18- 投稿日:2002年04月04日(木)01時30分37秒


壊れるくらいに抱きしめて・・・。



熱いシャワーが、身体に打ち付ける。
頬を伝って雫が・・・落ちた。


116 名前:-18- 投稿日:2002年04月04日(木)02時29分15秒


「・・・・・・・・・。」
湯気が上がる。
ピチャッと、低い天井から、水滴が落ちて、
湯船に波紋を作って消えた。
頬が熱くて、ドクドクと、首にある動脈が脈打つ感じが伝わる。
ぼうっと思い出す。
湯船から、右腕を上げて唇をなぞる・・・。


「・・・・・・保田さん。」


目を閉じて、・・・開く。

117 名前:-18- 投稿日:2002年04月04日(木)13時22分00秒


真っ白な視界。
胸のドキドキ。
全身の血液が、沸騰しているような高調感。


自身の肩を抱きしめてうずくまる。
ピチャッとまた、湯船に水滴が落ちた。



夜が・・・更けていく・・・。



118 名前:-18- 投稿日:2002年04月04日(木)14時11分41秒


―――ガチャ。
ひんやりとした空気。
淡い光の中、保田さんは、ベッドに横になったまま、天井を見上げていた。


「保田さん。」
自分には、ちょっと大きめのバスローブを着て、白いタオルを手に持ったまま、
保田を呼んだ。
「・・・・・・・。」
保田は、黙ったまま、顔をちょっと上げて、加護を見た。
そして起き上がり、鏡の付いている机の椅子を引いた。
「・・・・・・・。」
「・・・おいで。」
手を差し出して、加護を誘う。
「・・・・・・・。」
コクリと頷いて、加護はそこに座った。
「タオル、貸して。」
「はい。」
机のスタンドの明かりをパッとつける。
照らせれる、白いタオル。
湿ってる加護の髪の毛を、保田は、丁寧に湿り気を取っていく。
保田も加護も無言で。
ガーッという、ドライヤーの音が、耳元でうるさい。
温風の音の中、外からの雨音は、まだ、止みそうにないよう・・・。


119 名前:-18- 投稿日:2002年04月04日(木)21時20分17秒


カチッと言う音の後、ドライヤーのコンセントは抜かれ、机の上に、落ち着けられた。
そして、保田は自分の鞄からくしを取り出し、とかし始める。
加護の肩より伸びた髪を、丁寧に毛先からとかしていく。
加護は、鏡越しに保田の手を、その顔を見つめた。
「・・・・・・・・。」
ちらっと、保田が、鏡を見た。
「・・・・・・・・。」
視線が合う。・・・鏡越しに。
両手で、左右からふわりと背中に髪を流す。
「綺麗に・・・なったわね。」
そらさずに、真っ直ぐに。


背中にあたる、温もり。
胸の前で交差される腕。
それと共に来たのは、心地よい圧迫感。


120 名前:-18- 投稿日:2002年04月04日(木)22時28分31秒


「好きよ。」
その瞳は、切なさに揺れる。
「離さない・・・。」
振り向く。
きらきらと、輝いた。
パチッと、机のライトを消した。
抱き合った。
口付けた。



ドサッ。



「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」




繋がれた手が、ベッドサイトのランプに、照らされていた・・・。



「・・・好き・・・大好き・・・。」
「うん・・・。」




−続く。
121 名前:書き人。 投稿日:2002年04月04日(木)22時38分58秒
更新です。

>zkさん
お待たせしました。
感想いつもありがとうございます。
めちゃくちゃ励みになります。
遅くなってすみませんでしたm(_ _)m


そして、今度こそ、後三回くらいで終わると思います。
それまで、お付き合いいただければと思います。
それでは。
122 名前:sage 投稿日:2002年04月05日(金)03時06分30秒
更新お疲れ様です。
良い感じっすね。終わりに近づくのは
悲しいけど、これほどの作品を
むやみに伸ばして欲しいといっても
他の読者はもちろん、何より作者さまに失礼と
思いますので作者さまの思うようにどうぞ!

>お付き合いいただければと思います。
って言うより、今更見捨てろという方が無理!
見るなといっても拝見させていただきやす!
123 名前:zk 投稿日:2002年04月05日(金)03時39分46秒
122=ZKでした。
初歩的ミスしtもうた。
すんません。。。
124 名前:zk 投稿日:2002年04月11日(木)04時41分25秒
今夜あたりには続き読めるといいな…
125 名前:名無し虫。 投稿日:2002年04月11日(木)18時58分48秒
露出は少ないけど、ざっぴぃでちょろっと良い話があったり
やすかごがかなりブームです(w
続き楽しみにしてます。
126 名前:-19- 投稿日:2002年04月12日(金)20時55分59秒


温もり。
吐息。
締め付け。
視線。
涙。
傷。



愛。



胸元に残った印。
愛していると、キスをして、真っ白なシーツの上、抱き合ったまま・・・落ちた。


127 名前:-19- 投稿日:2002年04月12日(金)21時18分24秒


生まれたままの姿で、二人ベッドの上。
だるい身体を、くしゃくしゃに乱れてしまったシーツに、身を委ねる。
トクトクと、心臓の音。
落ち着きを取り戻して、静かに混ざり合う。
髪を撫でて、甘い香りにクラクラする。


甘くて。
切なくて。


いとおしい。


胸の中に、君を閉じ込める。
力一杯抱きしめる。
柔らかくて、温かくて、壊れてしまいそう。


128 名前:-19- 投稿日:2002年04月12日(金)23時50分56秒


「・・・ごめんなさい。」
加護が、胸の上から顔を上げて謝った。
「・・・なにが?」
「あっ、背中、爪・・・たてちゃったから・・・。」
「あぁ・・・大丈夫痛くないわよ。」
くすりと笑う。
皺のよった眉間を人差し指で押した。
「そんな顔しない。」
引き寄せて、抱きしめる。
「だって・・・。」
ぎゅっと、加護も抱きついてきた。
保田の首筋に、額をこすりつけた。
「いいのよ・・・、これは、亜依がつけた印。」
「・・・保田さん。」
「私が、つけたのと同じ・・・そう考えればいいでしょう?」
「・・・・・・はい。」
トクトクと、心臓の鼓動が、大きく早くなった気がする。
火照った加護の頬が、真っ赤に染まった耳が、かわいらしいと思った。


129 名前:-19- 投稿日:2002年04月13日(土)00時07分21秒


「・・・あ・・って・・・。」
「えっなに?」
くぐもった声で、ちょっと聞き取り辛かった。
「加護のこと、亜依って呼んでくれましたね。」
今度は、大分はっきりと、聞き取れた。
「・・・嬉しかったんです。・・・圭ちゃん・・・大好き。」
じんわりと広がる・・・想いが溶け出す。
「・・・・・・なんか、照れる。」
「・・・えへへへ。」


130 名前:-19- 投稿日:2002年04月13日(土)00時13分36秒


見つめ合って、私たちは、またキスをした。
数え切れないくらい、キスをした。
キスの合間、息継ぎと一緒に出てくるのは、アイノコトバ。
上下何度も入れ替わりつつ、戯れるようにじゃれあう。
ふいに悪戯動いた私の指先に、君の身体が揺れた。


「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」


見つめたまま。


「んっ・・・ふぅ・・・あっ・・・。」
深くキスをして。
私の髪に絡みついた指先に力が入る。
「亜依・・・。愛してる・・・愛してる・・・。」
「けーちゃん・・・。」


131 名前:-19- 投稿日:2002年04月13日(土)00時28分05秒



今なら、何でもできる気がする。
遠く、もっと遠く。
誰もいないところ。
この世の果てに。
・・・今なら行けそうな気がした。
二人だけで、こうやって温もりを分け合い、
愛の言葉で、存在を確かめ合う。


小さな幸せ。
両手で収まりきれないほどに、膨らんだ愛を抱えて。




私たちは、眠りについた。





−続く。
132 名前:zk 投稿日:2002年04月13日(土)03時56分19秒
そうきましたか…
いつもながら予想を上回る展開です。
この翌日の二人の行動、めっちゃ気になりやす。
終わっちゃうのは悲しいけど
じらされるのも辛いし…
早すぎとは思いますが次更新
お待ちしてます。
133 名前:書き人。 投稿日:2002年04月13日(土)21時49分27秒
更新した後、あまりにも眠たくて、レスを返す返しをサボってしまいました。
なので、レス返しを。

>zkさん
いつもありがとうございます。
お待たせしていますね。
申し訳ないです。
はい、もう少しなので、ちょっと待っててください。

>125・名無し虫。さん
レスありがとうございます。
露出は、一時期に比べるとめっきり減りましたが、
こう、さりげないところでありますよね。
ざっぴぃは私も読みましたよ、はい。幸せでした(笑)。

それでは、この辺で。
更新は、また後日です。
134 名前:-20- 投稿日:2002年04月14日(日)22時52分25秒


ぼんやりと、かすみがかった朝。
東の空から、太陽が上がる。
昨日の雨、水溜りになって、太陽の光をキラキラと反射させている。
シンと静まり返る街並み。
トラックが一台、通り過ぎていった。


135 名前:-20- 投稿日:2002年04月14日(日)23時33分11秒


カシャッ、カシャッ・・・


機械的な音。
たかれるフラッシュの光。


「んっ・・・。」
うっすらと目を開けたその瞬間、フラッシュの光に、顔をしかめた。


カシャ


「・・・けーちゃん?」
窓から差し込む光。
一本の線になって、天井から床に走った。


136 名前:-20- 投稿日:2002年04月14日(日)23時54分46秒


「おはよう。」
アナタは、やさしい微笑で。
今日、初めてのキスをした。

カシャ。

すぐにまた、シャッターの切られる音がした。
にっと笑う、その笑顔は、ちょっと悪戯っぽく。

「写真、持って来てたんですね・・・。」
「ん、これだけわね。」
起き上がろうとした加護を、保田はやんわりと制して、カメラを構えた。
「・・・・・・・・・。」
「もうちょっと、そのままで・・・。」
切られるシャッター。
ジーっとフィルムが、回る音。
「亜依・・・こっち向いて。」
ちょっと眠そうに、ふにゃりと笑った。
愛おしむように、指がそれを押す。
「すっごい綺麗。」
コトっと、カメラを手放し、今度は加護を抱き起こし、ベッドに座らせる。
「あっ・・・。」
加護の何も身につけていない肌が、露になる。
恥ずかしそうに、滑り落ちるシーツを、留めようと動こうとする手を保田は、許さない。


137 名前:-20- 投稿日:2002年04月15日(月)00時16分33秒


「は、恥ずかしいですよ・・・。」
「どうして?」
赤く染まる頬。
包む手のひんやりとして感触に、胸がトクンと高鳴って・・・。
「・・・・・・。」
「綺麗よ。」

シルバーのカメラ。
その後ろに、真剣な眼差しで、シャッターが切られた。


カシャ。


「・・・・・・・・けーちゃん・・・。」
ドキドキが、止まらない。
視線反らす。
フラッシュの光。
視線だけで、アナタを見た。


カシャ。


「こっち向いて。」
優しいあなたの声。
「笑って。」
感じる、愛情。
「綺麗よ・・・。」
これ以上のない、今、とても幸せを感じる。


アナタがつけた、胸元の印。
隠すように、覆い、腕を組む。
そして、見つめるアナタを。


カシャッ・・・


一瞬。逃さずに。
微笑む、アナタのために。
腕を広げて、アナタを待つ。


カシャッ・・・・・ウイーーーーーン・・・。


最後のシャッターが押された。
フイルムが自動的に巻き戻る音が、そこに響いた。


138 名前:-20- 投稿日:2002年04月15日(月)00時28分20秒


保田は、フイルムのなくなったカメラを、テーブルに置いて。
ベッドの上、自分を待つ加護の隣に腰を下ろした。
「・・・・・・・。」
「・・・・・・・。」
見つめ合う。
自然に寄せ合う、身体。
変に、いやらしくなく。
純粋に。



時が・・・過ぎる。



「寒い。」
そう言った加護に、あわてて保田は、服を着せてあげる。
「ごめん。」


なんと言っていいのか・・・不思議な高調感。


「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
言葉はない。
むしろ、出ない。


だから・・・。



139 名前:-20- 投稿日:2002年04月15日(月)00時33分41秒


「んっ・・・。」
キスをした。
何度も、何度も・・・。
触れ合うだけの、子供っぽいキス。


胸が張り裂けそう・・・幸せすぎて・・・いっぱいいっぱい。



幸せすぎて・・・。



「・・・け・・いちゃ・・・すきぃ。」
「・・う・・ん、私も好き・・・だよ。」



幸せすぎて・・・。



140 名前:-20- 投稿日:2002年04月15日(月)00時42分57秒


ドンドンドンドンドンドン・・・・・・・。


「「!!」」





この時が、いつまでも続くと、思っていた――。





『保田ー、あけろー!!』





「圭ちゃん・・・。」
「大丈夫よ・・・離さないから・・・。」
「・・・うん。」





いつまでも一緒・・・だよ。




ドンドンドンドン・・・・―――




−続く。
141 名前:書き人。 投稿日:2002年04月15日(月)00時47分11秒
更新です。
ここまで長かった・・・(遠い目)

>zkさん
早めに更新できました。
はい、良かった良かったです(謎)
喜んで貰えたならば嬉しい感じで。

それでは。
142 名前:zk 投稿日:2002年04月16日(火)04時15分13秒
作者さま>更新はやっ!
毎度毎度お疲れ様です。
って、またいいとこで寸止めやないすか〜!!
ごっつい続きが気になるっす!

>(謎)
???へっ?
143 名前:未来。 投稿日:2002年04月16日(火)18時54分31秒


−エピローグ。


ザーン、ザザーン・・・。


穏やかな海。


ザーン・・・。


季節外れの海には、人気はなくて、ただ、波の音だけが、
静かに、静かに響いていた。


144 名前:未来。 投稿日:2002年04月16日(火)20時16分16秒


じゃり、じゃり、がり・・・。


「・・・・・・・・よっ。」


ザッ・・・。


「出来た。」
ニコーッと笑って、嬉しそうに。
波打ち際、流木であろう細い木を使い、文字を書いた。
しゃがみこんで、溝をなぞる。
「えへへ・・・。」


ザーン。


「わっ、あー。」
ちょっと強めの波。
慌てて立ち上がったけど、逃げれなかった。
「流れちゃった・・・。」
スニーカーが、濡れた。
「・・・・・・・・・。」
チェッと地面を蹴った。


145 名前:未来。 投稿日:2002年04月16日(火)20時53分32秒


ジーンと、冷えてくる足先。
吐く息が、世界を白くした。


ザッ、ザッ、ザッ・・・。


「!」
足音に気付いて、振り返る。
走りより、抱きつく。
「うわっ!」


バタン。


「いった〜。」
「えへへ。」
突き抜ける青空、冷たい砂、耳に響く波の音。


そして・・・温かな腕。


「亜依。」
にらむ、愛しい人に、加護は、微笑を返した。
「・・・・・・。」
「圭ちゃん。」
見つめ合い、そして、柔らかな唇が触れ合った。


146 名前:未来。 投稿日:2002年04月16日(火)21時56分00秒


あれは、今からすでに、二年前のこと。
ただ、今でもはっきり覚えている・・・掛替えのない思い出。
二人の逃避行は、二日目の朝、あっさり終わりを迎えた。
モーニング娘。という看板の大きさが、あだとなり見つかってしまったのだ。
まぁ、帽子もサングラスもつけないで歩き回っていたのだ・・・、
今考えれば当然といえば当然だろう。

みんな、メンバーもスタッフの人も、すべての人に迷惑をかけた。
大人として保田は、やってはいけないことをした。
と、思いはしたが、後悔はなかった。
後悔をしてしまったら、それこそすべてが、意味のないものになってしまうから・・・。

その後は、ごたごたとして、保田と加護は、引き離されてしまった。
仕事も別々で、常にマネージャーがついて周り・・・。
その時、二人を繋いだのは、携帯のメールと電話。
そして、保田は、一つの贈り物を加護にした。


それは・・・



147 名前:未来。 投稿日:2002年04月16日(火)22時58分23秒




銀色の小さなKey





148 名前:未来。 投稿日:2002年04月16日(火)23時35分34秒





ずっと一緒だよ。





あの事件から、一ヵ月後のある日の夜だった。





「今度、挨拶に行かなきゃね。」
電話越し、冗談しかめに言った保田。
加護は、夜空を部屋の中から潤んだ瞳で見つめ、
「・・・うん。」
一言だけ、返した。
嬉しくて、嬉しくて泣いちゃった。
「・・・好きよ。」
「・・・・・・・・。」
優しいあなたの声に、頷いた。



時が、ただ、優しく過ぎていった。




149 名前:未来。 投稿日:2002年04月17日(水)00時02分22秒


ザーン・・・


砂だらけになるのも関わらずに、転がり、じゃれ合い・・・。


疲れたら、手を繋いだまま、空を見上げた。


雲が、千切れて流れた。


冷たい風が、頬を撫でた。


「・・・帰ろうか。」
保田の一言に、加護は、空から視線を反らし、保田を見た。
目が合うと、笑って、頷いた。
「うん、おいしいもの食べて帰ろ。」
「はい、はい。」
苦笑いも優しい。
固く結ばれた手を、大きく振って。



帰ろう、二人で。



150 名前:未来。 投稿日:2002年04月17日(水)00時12分55秒




近い、明日の未来も。



遠い、数年後の未来も。





いつまでも・・・。





−おわり。

151 名前:書き人。 投稿日:2002年04月17日(水)00時35分42秒
終了です。
今まで、読んでくれたすべての方に、感謝を申し上げます。
そして、更新が滞ってしまって、すみませんでした。
軽く、観想いただけたら、泣いて喜びます。
どうぞ、よろしくお願いします。
そして、ありがとうございました。

>zkさん
ありがとうございました。
そして、私の発言は、微妙に訳の分からないことを言うので、
そこら辺は、お気になさらずに(爆)

それでは、失礼します。
152 名前:名無し虫。 投稿日:2002年04月17日(水)22時20分36秒
よかったです。すごく。
ここの加護はほんとうに大人と子供の境界線ってかんじで
すごくスキでした。
あー!ほんとよかったです!。
巧く感想が書けないのが悔しいっすねw
153 名前:zk 投稿日:2002年04月18日(木)02時50分21秒
作者さま、更新(+長い間)お疲れ様でした。
そして感動をありがとうございました。

ついに完結。毎度のことながら良かったです。
逃避行があっさり終わらせられてしまったのは
ちょっと残念でしたが実際のところこのような
事態になれば当然のことなのでしょう。
でも、その後も二人が幸せそうなので安心しやした。

正直この小説に出会うまでやすかごに全く興味の
なかったアチキですがあえて最後に
言わせていただきましょう

やすかご最高!!!

(次回作とか期待しちゃったりなんかしても
よろしいのでせうか?)
154 名前:いたこ 投稿日:2002年04月19日(金)02時50分26秒
終わってしまいましたか…。
この小説でやすかごにはまった自分としては、
ちょっと寂しいです。
作者様、お疲れ様でした!!
155 名前:nanasi 投稿日:2002年04月20日(土)02時50分59秒
ここの加護めっちゃよかった。
やすかごも好きですし。
お疲れ様でした。
156 名前:書き人。 投稿日:2002年04月22日(月)18時27分19秒
感想ありがとうございました。
めっちゃ嬉しいです。
はい、この小説で、やすかごにはまったと言ってくれる人がいてよかったです。
書いてよかったなと・・・。

そして、次回作なのですが、とりあえず充電期間をおいて、
また、何かしら書き始めたいと思います。
そして自分、HP持っているので、良かったら来て頂けたらと思います。
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いろいろと置いてありますので、どうぞよろしくです。

それでは、この辺で。
本当に、ありがとうございました。

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