インデックス / 過去ログ倉庫 / 掲示板

純情えれきてる

1 名前:名無しさん 投稿日:2001年09月04日(火)00時14分03秒
情報の渦は無限大

増幅する 君への電気信号


情熱はエレキテル

第六感が目覚める刺激


怖くて

ふるえるケド


多分きっと嫌いじゃない


ホラ 

体の芯がピリピリしてる
2 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月04日(火)00時17分27秒
いちごまと、よしいしです。
学園モノで、現実の年齢を、激しく無視しております。
1話完結型で、全6話です。
3 名前:店長 投稿日:2001年09月04日(火)01時17分48秒
おっ!!もしかして新書館のあの漫画の・・・。
期待してます。
4 名前:名無しです 投稿日:2001年09月04日(火)07時56分42秒
いしよしとよしいしって違うの?
5 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月04日(火)22時39分14秒
3>>そうです!!よかった〜知ってる人いて。。
 どうしても、市井ちゃんの白衣が見たかったんです(笑

4>>一緒だと思いますよ。
  あれ、違うのかなぁ。。?

では、第1話始まりです。
6 名前:純情えれきてる 投稿日:2001年09月04日(火)22時54分04秒
その時寮内は なんだかミョーに静かだった 

「あっれー?おかしーなぁ こっちじゃなかったけ?
 なんで誰もいないんだよぉ・・・」

ギシギシいう廊下を、1人で歩いてく。
怖い。
しかも、外はカミナリまで鳴ってる。
怖すぎ。

「皆寝てるとか?んなワケないよねぇ。まだ6時だもん。
 うえーっあたしの部屋どこだぁ?よっすぃ〜の奴もさぁ
 先帰る事ないじゃん・・・
 そりゃ入試早々追試うける あたしもあたしだけど
 幼なじみなのにさぁ―」

※注・彼女は独り言王です。

「あたしの性格知ってるクセにっ」

そう言って、ふと気が付いた。
やばっ、靴脱いでない。

「そりゃ寮で同室じゃないけどぉー・・・あれ?」

靴を脱いでる時、人の気配を感じた。

  ((なんだ、人いるじゃんか))
7 名前:純情えれきてる 投稿日:2001年09月04日(火)23時03分12秒
教師・・・じゃない
生徒だよねぇ

じゃぁ なんで白衣着てるんだろ

  ((ま いっか〜))

「こ こんにちは。ねぇ、今日妙に静かだと思わない?
 なんでか知ってる?あ アンタ何年生?」

とりあえず、この人に助けてもらおう!!
じゃないと、学校内で遭難ってこともありうる・・・。

「――――君 名前は?」

「・・・え あ、あたし?
 ご 後藤真希―――だけど。」

うわー 遠くからじゃわかんなかったけど、近くで見たら
なんかすっごく 男前!

「・・・そう おはよう。とてもいい天気だね。」

「ホイ? も、夕方だけど?」

な・・・何、この人??曇りで雷鳴ってるのに・・・。
しかも、ゴロゴロいってるよ、空・・・。

「あっ ひょっとしてギョーカイの人―――って
 んなワケないか。」

と、言い終わると同時に、空が光る。
そして、激しい音。

「うひゃぁっ!!!」
「・・・・・・。」


8 名前:純情えれきてる 投稿日:2001年09月04日(火)23時13分25秒
思わず、手にもってた靴を投げ出して耳を塞ぐ。
この人、なんでこんなに冷静なわけ?!

「雷怖いヒト?」
「べっべつにそんなことは・・・」

白衣着た人は、クスッと笑った。
雷のせいかなぁ?なんか、ドキドキしてる。
・・・違う、なんか・・・なんか

  ((――――あ あれ・・・?))

な・・・なんかこの人・・・

「ところで どうして君はここにいるのかな?」

怖い?なんでだろう

「え・・・・・・?」

あちゃーやっぱ間違えてたのか。
はやいとこ、この場から逃げ出さないと!!

「当ててみようか?
 君はヘールポップ彗星と共に、地球にやって来た
 侵略者だろう。しかも、そのわざとらしい金髪を
 見ると、火星人だな。」

    ((・・・・・・・・・ギャ・・・ギャグ、かな))

ギャグにしては、笑えない。
しかも、この人大真面目だし・・・。
ってゆうか、あたし茶髪なんだけどなぁ・・・。

「か 火星人って金髪なの?」
「やはりそうか。」

ヤバイ、この人。
なんか「ふっふっふっふっ」とか言って笑ってるしー!!
今時そんな笑い方する奴いるっけ?!

「あ あの・・・?」
「ああ大丈夫。記憶などなくとも他言はしないよ。」
9 名前:純情えれきてる 投稿日:2001年09月04日(火)23時22分22秒
いや、本格的にやばいし、この人。

「ここだけの話、実は私も地球征服をもくろんでいてね。
 どうだろう、ここはひとつ手を組まないか?」

ど、どうしよう。
ひょっとしてマジで言ってるのかな・・・
だとしたら、速攻この場から逃げた方が・・・。

「あっあの、と、とてもよいお話なんですが
 たはりわたくし否と申し上げるより他――――」
「冗談だ。」

   ((どこからが?ねぇ、どこからがっ!?))

「君が今日、ここに来る事が、以前からわかってた。」
「あっ、そうだ。ここ一体どこ!?寮内じゃないの?」

これは、無理矢理にでも話題を変えないとっ!!

「ここは旧館。君の部屋のある新館は、この裏側だよ。
 最も君が本来あるべき場所は、ここなのだけれど。
 ふふふふふふふ・・・。」

でっでた!
不気味な笑い!!!

「あっありがとーございやしたーしっつれいしまーす。」

さぁ、早く退散退散!!!
真希ファイト!!もう少しで帰れるわ!!

「待って。」

   ((ひいっっ))

10 名前:純情えれきてる 投稿日:2001年09月04日(火)23時27分32秒
腕をつかまれたうえに、手、手!手!!

「私のここでの名は、市井紗耶香。
 君をずっと待ってたよ。今日ここで出会うためにね。」

手握られてる―――っっ!!
しかも、なんで顔近づける必要があんのっ!!?
ひ――――っ!!

「何、心配しなくても、すぐに会えるさ。
 運命だからね。」

い・・・いちい・・・さやか・・・

なんでだか、ものすごく心臓がドキドキしてる。
怖いよぅ・・・涙出てきた・・・。

    ((なんで、手術用手袋してるんだよぉっっ))

11 名前:純情えれきてる 投稿日:2001年09月04日(火)23時34分33秒
「旧館?なんだそうか。どうも遅いと思った。
 吉澤も心配して、何度も来てたよ。大丈夫だった?」

なんとか無事、自分の部屋に帰れたあたしは
同室の保田圭に、さっきの事を話した。

「くそぉ、よっすぃ〜の奴、あたしを置いてった
 張本人のくせにぃ!」
「なに、ごっちん。赤点取ったのはあんたでしょーが。」
「よっすぃ〜っ!!」

いつの間にやら、ドアのところによっすぃ〜がいる。

「旧館で迷ってたんだってさ、後藤。」
「っか〜トロくさいなぁ。恥ずかしくないのか、あんたは。」
「うるさいなっ!!バカバカバカバカ」

大体、よっすぃ〜が待っててくれたら
あんな怖い思いすることもなかったのにっ!!

「だけど、よく無事だったね。」

圭ちゃんがポツンと言う。

「へ、なんで?」
「後藤も吉澤も、外部だから知らないだろうけど
 あそこはいわくつきで小、中等部でも、有名なんだよ。」
12 名前:純情えれきてる 投稿日:2001年09月04日(火)23時44分49秒
圭ちゃんが、読んでた本を閉じて
あたしとよっすぃ〜の方を向く。

「あそこだけ1年中雨が降ってるとか、磁石が狂うとか
 行方不明者もいるとかいないとか・・・
 七不思議どころか、666不思議があるんだよ。」

ろっ・・・ろっぴゃくろくじゅうろく!!!
ダミアン!!オーメン!!!
怖い・・・思わずよっすぃ〜に抱きつく。

「しかも、実際数えたら999もあったという・・・。」
「うわぁぁぁぁん、怖いよぉっ!!何がって圭ちゃんがぁー―っ!!」

なんで部屋暗くなるわけっ?!
しかも、圭ちゃん懐中電灯で、顔照らしてるし・・・
怖すぎるっ!!!わぁぁんっ!!

「それ数えたの、あんらでしょ、保田さん!!
 ごっちんも、バカ!デマに決まってるでしょ!」
「マジだったらどーすんのよっ!あたしあの人に
 あってなかったら、帰れなかったかも知れないんだよっ!」
「あのひと?」
「帰り道教えてくれたヒト。ちょっと変だったけど
 男前だったよ。ひょっとしたら、よっすぃ〜とはるかも。
 え〜と・・・そだ、『いちいさやか』ってヒト。
 圭ちゃん、知らない?」
「市井・・・紗耶香だって?」

13 名前:純情えれきてる 投稿日:2001年09月04日(火)23時51分38秒
圭ちゃん、何故か怯えた顔してる。

「あの市井に会ったのか!?」
「え、えええ?何?知ってんの?」

あのヒト、そんなに有名な人だったのかっ?

「そいつって・・・もしかしなくても
 ナニでアレな言動じゃなかったかい?」
「ナニでアレって?」

横のよっすぃ〜に聞いてみる。

「つまり、ピー―――な奴ってことじゃない?」

???

「Hな話?」
「バカ、ピー――には2種類あって、ヤバイ奴のことだよ。」
「――――?よく分かんないけど、あたしのこと金髪だから
 火星人とか言ってたなぁ。
 外、雨降ってんのに、いい天気だねって。
 でね、世界征服しましょってさ。あたし断ったんだけど
 悪かったかな。
 あたしに会ったの運命とか言ってたし・・・。
 でね、何か知らないけど白衣着て、手術用手袋してんの。
 握手した時気付いたんだけどさぁ――
 あれ?何か血ぃついてる。」


14 名前:純情えれきてる 投稿日:2001年09月05日(水)00時05分40秒
なんで2人とも、あたしから離れるわけ?
あ、なんか思い出したら怖くなってきた・・・。

「でっでも・・・総合的に見て、悪い人じゃないと思うっ!!」

思わず手をぶんぶん振ってしまう。

「一体どのへんを総合的に見たのさっ!!」
「うあーん、だってぇ〜っ!」
「まーまー。市井紗耶香は小等部の頃から、あそこに
 住み着いているらしいってだけで・・・
 噂どおりアレなのは、確かみたいだけど、彼女の言う通り
 悪い人じゃないかもしれないし・・・」
「甘いっ!!ごっちんの判断が信用できるかっ!!
 ごっちんはなぁ、『おやつくれたから良い人だ』とか言って
 おっさんに手込めにされかかったんだよ。
 しかもそれが、中1の時だ!どう、バカでしょう。」

・・・よっすぃ〜、自慢気に言うことじゃないでしょ

「小学校の時、向かいのマンションのオールドミスに
 監禁された事もあった!!」
「それはあたしの不注意じゃないっ!!」
「あたしが今までどんだけ、苦労したか・・・。」

よっすぃ〜・・・(涙
15 名前:純情えれきてる 投稿日:2001年09月05日(水)00時06分16秒

「―――まぁとにかくさ、別になんでもなかったんだから
 よかったじゃない。な?
 さぁ、気分直しにお菓子でもいかがでちゅかー。」
「やたっ☆圭ちゃんっていい人?」
「バカにされてんだよ・・・
 まいっか。今に始まった事じゃないし。」

  ―だがしかし、運命の輪は
          無理矢理に廻り始めたのであった―
16 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月05日(水)00時08分23秒
とりあえず、今日の更新はここまでです。
読みにくかったり、わかりずらかったりごめんなさい。
もっと勉強します。
17 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月05日(水)00時08分59秒
では、また明日。。
18 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月06日(木)17時52分48秒
やっぱり『純情えれきてる』だ!
コガモちゃんと太郎ちゃんは誰かな♪
これから、よっすぃ〜の苦労を思うと…涙(w
出来たら、あの、番外編も書いて欲しいです
19 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月06日(木)22時52分05秒
>>18
自分の中では、一度読んだ時から
 配役は決定済みです(笑
 番外編も、考え中。。
 出て来ないメンバーもいますしね。
20 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月06日(木)22時53分15秒
では、第1話後半です。
21 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月06日(木)23時03分12秒
「あぁ、なんともスガスガしいお天気ですね。
 まるで貴方の新しい門出を、祝うかのようです
 紗耶香様(ハート」
「・・・・・・?あぁ、君か。」
「何と!!私を覚えておいでですか!?
 この矢口真里、沙耶香様を追って、高等部にやって参りました!!」
「そうか、よくやったな。でかした。」

  ((そういえば、中等部にこんなのがいたよーな、いなかったよーな))

22 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月06日(木)23時09分21秒
「あぁ、会えない日々が、どんなにか辛かった事か・・・
 中等部と高等部とをさえぎる規則は、まるで見えないベルリンの壁。
 それなのに、ここへ参りましても、貴方様のお姿は見えず
 わたくし、断腸の思いでございました。
 またきっと、何ぞや高尚なご研究でも、なさってらしたのですね。」
「『ありさんは大家族、一体何匹?』
 百世帯を対象に、一家族ごとに正確な数値を割り出し
 綿密な調査を行い、その平均値を・・・。」
「大変すばらしゅうございます!!
 不勉強な私めにも、ぜひお教え下さいませ
 ―――――沙耶香様!?」


今日も外は雷雨。
あーあ、体育までには止んでくれないかなぁ・・・。
ちょっと憂鬱な気分で、学校に到着。

「おい、見ろよ!市井が走ったぞ!!」
「おぉ 走ってる!!」
「え?」

ふと振り向くと、白い服が目に入った。
白い服・・・白衣?!=あのヒト!!

「やぁ、いい天気だね。」

ゴロゴロゴロゴロ・・・・・・

外は雷雨。

「い・・・市井・・・せんぱい(←付け足し)」
「こ こいつが!?・・・顔負けてるっ?!」
23 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月06日(木)23時16分02秒
「あ、やっぱり先輩なんだ?
 おはよーゴザイマス。」

ひー、ヨッスィ〜ショック受けてるよ・・・。
でも、何でいい天気なんだろ?雷好きだとか?

「『おはようございます』?クスッ『こんばんは』だろう?」
「え?あ、こんばんは?」

??なんで??

「バカかい?朝から何言ってるんだい。」
「――――――!?」

なんなの、このヒトっ!!!?
ヤバッ、涙出てきた・・・。

「あちゃー、もう泣かされてるぞ。」
「頑張れ1年っ、パツキンが泣くぞ―――っ。」

周囲から、ヤジが飛んでくる。
ハッ、そうだった!真希しっかり!!

「輝く金髪は、あらくれものの印!
 こんな事で負けてちゃいけない!!」
「・・・・・・。」

圭ちゃんが、なんとも言えない顔で、ヨッスィ〜を見てる。
なんでか、ヨッスィ〜は、顔が赤い。

「ごめん、ほんとにバカなんだ・・・。」



24 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月06日(木)23時22分25秒
「なんだアレ、かわいー」

ぎゃははは、と笑いが巻き起こる。

「あらくれ者だってー。」

あたし、そんなに変なこと言ったかなぁ?

「っるさいな!アイツはどうせ進路希望のアンケートに
 『ヤンキーになりたい』なんて書いた奴だよ!
 あたしはどうせ、その幼なじみだよ!!
 笑いたきゃ笑えっ!!身内のハジ!!」
「はいはい、どーどー。」

ヨッスィ〜が、今にも殴りかかりそうになってる。
だけど、圭ちゃんがそれをおさめてる。
あの2人、なかなかいいコンビ?!

「そうかヤンキーか。だから後藤君は金髪なのかい。
 火星人じゃないんだね。だけど、残念なお知らせだ。
 彼らは今、絶滅の危機に瀕してるんだよ。
 今では、本州の南でしか確認されてなくってね
 学名を、ニッポニア・ニッポンと―――」

そっそうなの?!ショック!!

「バカにウソ教えないでよ、信じるから―――っ!!
 地方で頑張ってる不良さん達に謝れ――っ!!」
25 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月06日(木)23時28分21秒
「でも私は、君が何だろうと、かまわないよ。
 君が私に、送り続けていたというのは、事実なのだから。」

ほい?

「へ?でんぱ?」
「とぼけなくていい。
 私が君を気にするように、仕向けただろう。」

いえ、あのですから・・・ね?

「私とした事が、少々不覚をとってしまったが
 このくらいで負けるような私じゃないよ。残念だね。」

・・・このヒト、何言ってるんだろ?ほえ?

「しかし、敵ながらアッパレ。
 好敵手として認めた証に、これを君にあげよう。」

黒いリボンがかかった、大きな箱を手渡された。
黒いリボン・・・ってゆうか、こんなもんどこに持ってたの?!

「え?ちょっと待――――」
「ではサラバだ!ふわははははははははは・・・」
「こら、市井!!笑いながら歩くんじゃない!」

先生、そういう問題なの・・・?

「な・・・なに?」
26 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月06日(木)23時34分12秒
「アレってのは電波系かぁ・・・。はじめて見た―。」

ヨッスィ〜が、ちょっと感心したみたいに呟く。

「だから、でんぱって?」
「ま、要するにオカルトマニアだね。神秘主義、被害妄想型。」
「ふぅん。」

しんぴしゅぎ、ひがいもうそうがた??

「それって、オカルト映画マニアの事ォ?
 すごいねぇー、あたし苦手。」
「かわいーねー後藤さんはー。」

圭ちゃんが、呆れたように言う。
何に呆れてるのか、わかんないけど。

「認めないからね、矢口は!」

背中に、ホウキとブラシを背負った女の子が
イキナリ側によってきた。

「わっ、なんだこいついきなりっ!」
27 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月06日(木)23時39分58秒
「1年1組、矢口真里!!市井沙耶香様の従者です!!」

う・・・今度は何??
思わずヨッスィ〜の後ろに、隠れてしまう。

「従者ってワリには、置いていかれてるじゃん。いーの?」
「いいんです!!矢口は日陰の身、 
 沙耶香様にお気遣いいただくまでもありません。」
「?あ、そ?」
「それよりお前!名を名乗れ!」

うわっ!!ホウキで威嚇されたっ!!
えーんっ、降参降参―!

「あたし?後藤真希。同じ1年じゃん、よろしく――。」

とりあえず、笑顔を振りまいてみる。

「その手にはのるかっ!!
 貴様、沙耶香様をそそのかそうとしても、そうはいかんからな。
 この鬼!悪魔!!」
28 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月06日(木)23時46分09秒
「ちょいとヤグチマリさん。」
「しらばっくれるな、事の一部始終は今―――」
「コラ、いいかい、ちびっこ。ちょいとお聞き。」
「ちびって言うなぁ―――!!」
「市井が勝手にからんできてるの。後藤は悪くないよ。
 いー加減にしなさい。」
「あーっ、ひどいぞ、圭ちゃん!矢口を裏切る気か!?
 うわーん、圭ちゃんまでもが、悪魔の手にーっ!!
 バカバカバカバカバカっ!!」
「・・・・・・知り合い?お前も大変だな・・・。」
「まぁ、小等部から一緒だからね。
 じゃ、まぁ吉澤。そいつ頼むわ。あたしは後藤連れてくから。」
「え!?なんであたしなのよっ!?」
「1組でしょ?同じクラス。」
「よ・・・よろしく。」
「・・・・・・ふんっ。」
29 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月06日(木)23時54分36秒
「ねぇ、大丈夫だった?真希。」
「へ?何がァ?」

英語の教科書を見てたら、クラスの子たちが
話し掛けてきた。
何が大丈夫なんだろ?

「何がって、市井に絡まれたんっしょ?
 災難だったねぇ〜、かわいそーに。」
「あたし美しくなくてよかったぁー。」

どうやら、朝のことらしい。
それにしても、市井センパイって・・・。

「市井センパイ有名人なの?」
「そりゃそーだよ、アレだもんね。」
「小等部からここの人なら、条件反射でビビってしまうよ。」
「怖いもんねぇ。」

口々に言い合う。
へぇ・・・。

「・・・・・・ひょっとして怖がられてるの?みんなに。」
「そりゃそーだよ、あいつが通ればみんな道あけるよ。」
「なにせ、ナニだから。ねーっ。」
「へーそうなのかーすげー。」

みんなに恐れられる孤高の人なのかぁ
カッコイーっ!!
あ、ちょっとドキドキしてきたかも。

「―――なぁ後藤、さっき市井に何もらったの?」

圭ちゃんが、唐突に話し掛けてきた。
30 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月07日(金)00時03分23秒
「あっ!そういえば忘れてた。」
「げーっ、アイツからものもらうなよー。」

そうだった、プレゼント貰ったんだ!
早速開けてみちゃおっと。

「不吉だなぁ・・・黒いリボン。」
「でも、異臭はないね。」
「はい、せーの、ほいっ。」


     ごろん

「「「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」」」」

中から出てきたのは、血まみれの生首!!
しかも、目見開いてる―――っ!!!
教室中パニック。
怖すぎっ!!!咄嗟に圭ちゃんに抱きついた。

「ひぃうああああああぅああぁぁ・・・。」

心臓がバクバクしてるよぉ・・・。

「ホラ、これでわかったでしょ。
 こういうヤバイ奴なのよ。あーびっくりした。」
「わーすっげぇコレ手作り?ゴム?樹脂?」
「めちゃくちゃ上手いじゃん。マジびびったァー。」

クラスの勇気ある子が、生首を観察してる。
え、ゴム?樹脂??

「手作り!?あたしのためにわざわざ!!」
「・・・・・・。」

もしやコレは、あたしに強くなれと言ってるのでは・・・!?
そういえば、ライバルとか言ってたし?!
31 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月07日(金)00時17分29秒
「おっ、しかもこれ、目覚ましになってる。すごっ!!」
「起きた途端に、ショック死するよ・・・。」
「その前に気になって眠れないって・・・。」

まさかそんな!!
よもやあたしのおねぼうさんの心配まで・・・!!
これぞ大人の余裕!!
しかも、手先が器用だなんて・・・

「カッコイイ・・・・・・。」

   ((しかも・・・この「どっきどき」は・・・!!))

「もしやこれは恋!?あぁ息切れまでしてきた!!」
「・・・いや、お前多分それ怯えてんだと思うよ。泣いてるし。」

この時、圭ちゃんが1人遠くの世界に逝ってた事を
あたしは気付かなかった。
圭ちゃん、ゴメン。
32 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月07日(金)00時24分47秒
「・・・・・・。
 ―――――あぁ何故だろう。」

双眼鏡の先には、体育の授業なのか
グラウンドにいる、ゴトウマキ。

「チッ 晴れちまった。」

私がこんなにも気にかけるなんて、今までに無かった事だ。
あなどれん。
かなりの実力者だ。
やはりあれは使者ではないのか?
どのくらい電波が強いかというと・・・

「授業中にもかかわらず、非常識にも
 窓際の他人の席を陣取ってしまうほどだ・・・!!
 すまん、新垣君。私のせいではないんだよ。」
「あんたの非常識が、今に始まったことかい!!」

ナカザワ教諭が、こっちを見ている。

「何を言うか!!私が世界を手に入れた暁には
 貴様を最初に葬ってやる!!バカ!!」
「そんな日が来たらウチは真っ先に首をくくるわ!
 この大馬鹿野郎が!!」

33 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月07日(金)00時30分22秒
「ナウボウアキャシャギャラバヤン
 アリキャリマリボリソワカナボフアキ・・・。」
「・・・あのねぇ、そんなに睨んでも
 何にもならないよ。しかも、なんで後ろの席なの?」

何故か後ろにいる、矢口がずっと睨んでくる。
なんでだか、背中にはお札が貼られてるし・・・。
ブツブツ呪文はうるさいし。

「ダメだよ、よっすぃ〜。 
 君はあの悪魔にだまされている。」

悪魔って・・・ごっちんのことか・・・。

「ぃよしっ!!はらったまきよったまはらったま!!!」
「祓うな―――――っ!!」

思わず席を立ってしまう。
何よ、その呪文っ!!いろいろ混じってるし!!

「吉澤さん、悪いけど外出てくれる・・・?(涙」
34 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月07日(金)00時40分53秒
  

なんか緊張する・・・
あ、来たみたい。
深呼吸して・・・・・・。

「いっ・・・」
「・・・。」

  情報の渦は無限大

「一緒に帰ろう!!」

  増幅する君への電気信号

「・・・。」

うっ・・・やっぱ怖い・・・
うえ――――ん
ドキドキするよぉ〜・・・

「なぁ、市井に巻きをあてがっちゃえばさ
 学校平和になると思わない?」
「・・・・・・うん。」

合掌

「「「いけにえに決定!!」」」

そうして運命の輪は 無理矢理に廻り始めたのであった

「ふっふざけんな、お前らぁ―――っ!!」
「ど−どー、吉澤、落ち着いて。」


  情熱はエレキテル 
         ココロ
       僕の電波を受け止めて


35 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月07日(金)00時42分14秒
第1話終了です。
明日、明後日あたりに、第2話更新します。

では、また。。
36 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月07日(金)12時53分48秒
>>34
「市井に巻きをあてがっちゃえば〜」
 巻き→真希です。

 すいません。
37 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月08日(土)04時42分54秒
変わった話ですけど、面白いですね。
梨華ちゃんの登場は何時だろう?
続きを期待してます。頑張って下さい。
38 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月09日(日)14時48分48秒
沙耶香→紗耶香
39 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月09日(日)17時20分17秒
>>37
 声援(?)有難う御座いますw
 漫画から小説にするのって、難しいです。。
 元ネタの方が、絶対おもしろいのでオススメします(笑
 チャーミー石川は、第2話登場です。
 ちょっとイメージ狂うかも?!
>>38
 ご指摘どうもですw
 最初の方は、紗耶香になってるんだけど。。
 これから気を付けます。
40 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月09日(日)17時22分54秒
明日とか、明後日とか言いながら
全然更新できなくてすいません_(._.)_

今夜か、明日には必ず更新できると思います。
41 名前:頭の痛いナルシス 投稿日:2001年09月10日(月)08時49分04秒
誰かが操作してる
特別な信号で


それはとても簡単な事
人間は
本能が壊れてるから


逆らわなければ


自分の意志で
動けなくなるよ


あぁ


なのに
君の信号だけは
どうして
無視できないんだろう?
42 名前:頭の痛いナルシス 投稿日:2001年09月10日(月)08時53分10秒
「・・・さてと 困った。どうしても無視できない。」

出会って通り過ぎようとしても
電波が『見ろ』ろ指令するので、見ると目が合う
目が合うと、『話し掛けろ』と君の電波が言う

なのに、君ときたら
『でんぱ?なにそれ。おいしい?』
知らないふりをする

どうも、私には君がわからない
私に君の事ばかり見させて
君の事ばかり考えさせて――それで?

「さて どうするかな。」

君は一体どうしたいんだい?
43 名前:頭の痛いナルシス 投稿日:2001年09月10日(月)08時58分35秒
《やぁ》

「やぁ」

《遊ぼうか》

「遊ぼうか」

《手をつなごう》

「手をつなごう」

やあ 君は

全部 誰かの 言うとおり

自分で 何も しないのかい?

みんな 誰かの せいなのかい?

困ったね 本当はもう 誰も

命令なんて してくれないのに

壊れて るんだよ 



・・・夢かぁ。
「ぐすっ・・・あえ、カゼひいたかな。」
44 名前:頭の痛いナルシス 投稿日:2001年09月10日(月)09時15分32秒


外はいいお天気。
大好きなお花を見ながら、優雅な朝を過ごす・・・
これぞ至福の時よね

「可愛らしいお花・・・だけど可憐な花さえも
この石川梨華の前では、かすんでしまう。
あぁ、わたしは自分の美しさが恐ろし―――ぶっ!!」
「朝っぱらからうるさいで、梨華ちゃん!!!
まったく・・・なんでこんなんと同室やねん。ゆっくり寝てられへんわ。」
「・・・ちょっと、あいぼんっ!!
よりにもよって頭叩かないでよ!!
この美貌が歪みでもしたらどうするつもりっ?!」

わたしの優雅な朝を邪魔する、同室の加護亜依に
思いっきり文句を、浴びせた。
だって、よりによって頭なんて・・・!!

「顔くずれてんで。」
「いやねぇ、気のせいよ。おはようあいぼん。いい朝ね。」


病み上がりだから、どうも頭がボケてるの、きっと。わたし、今何か言った?」
45 名前:頭の痛いナルシス 投稿日:2001年09月10日(月)09時16分25秒
「病み上がりだから、どうも頭がボケてるの、きっと。わたし今何か言った?」
「あれが地やろうが。―――なぁ知ってるかぁ?
梨華ちゃんが、寝込んでる間に市井の奴
1年坊主を追っかけ回してる、ってウワサやで。」

・・・ぴくっ

「相手の後藤っちゅうのが
また強力にかわいっくてなぁ、もうほとんど見せ物って感じやで。」

・・・ぴくぴく

「い、いやねぇ。わたしはただ紗耶香様に憧れてるだけの身だし
そんな子ちぃ―――――っとも気にならないけどぉ?うふふふふふ・・・」
「はいはい。さぁて、朝ご飯食べに行こぉ〜と。」

思わず、持ってたお花を握り締めてしまう。
あ。折れちゃった。

「・・・・・・。」

おのれ、許すまじ 後藤!!!(とかいう奴)

46 名前:頭の痛いナルシス 投稿日:2001年09月10日(月)09時26分38秒

「へぷしっ」

「今の破裂音は何、ごっちん。赤ちゃんか、アンタは・・・。」
「・・・・・・くしゃみ。」

ご飯を食べる手を止めて、思わず赤面してしまう。
そんなに呆れた顔で見ることないでしょ、ヨッスィ〜・・・。

「誰かあたしの事うわさしてんのかも。」
「そんな展開は、サ○エさんでしか許してもらえないよ、今時。」
「ウワサで、いちいちくしゃみしてたら、今頃あんた呼吸困難だよ。」

圭ちゃんが、ご飯をつつきながら言う。

「え?ムズカシー事わかんない。」
「―――なんで今の会話がわからないんだ?」
「自覚が無い上にバカだからでしょ。そんな目であたしを見ないで・・・」

2人の会話は無視して
あたしは、前々から疑問に思ってたことを聞いてみる。

「――ねぇねぇ、そういえばさぁ
市井センパイ食堂でご飯食べてるとこ、見ないねぇ。
ダイエットかなぁそれとも、他で1人で食べてんのかなぁー。」

「やーっ!!頼むから、今アイツの話はしないでっ!!」
「何で?」
「来そうな気がするでしょ・・・。」
「ふはははははは・・・紗耶香様は、旧館の食堂で食事をなさっておられるのだ。」

47 名前:頭の痛いナルシス 投稿日:2001年09月10日(月)09時35分40秒

「なんだ、矢口かぁ、おどかすんじゃねーっ。」
「あ〜びびった〜!!」

見ると、懐かしの給食係みたいな格好した
やぐっちゃんが、しゃもじを振り回してる。

「なんでやぐっちゃんそんな事知ってんの〜?」
「なれなれしいぞ、悪魔め!
 たった今、給仕させていただいてきたところだからだ。うらやましかろう!!」

       (((((ちっともうらやましかねーよ!!)))))
 ↑皆様のご意見。

「えーずるーい!!あたしもご飯、市井センパイと一緒したいー!!」

       (((((嫌だ・・・・・・っっ!!)))))
 ↑皆様のご意見。

「バカめ、そんな恐れ多いマネが出来るか!あたしの朝食はこれからだ。」
「えーっ、ダメだよそんなの!センパイさみしーじゃん!
 うさぎは寂しいと死んじゃうんだよぉ〜!?」
48 名前:頭の痛いナルシス 投稿日:2001年09月10日(月)09時43分47秒
「けっこー同レベルなんじゃない?」

圭ちゃんが、ポソッと呟いた。
なんでよぉ〜・・・あ、そうだ

今日のお昼誘おうかな〜学食でラブラブ〜(ハート

「ごっちん、また恐ろしい事考えてるでしょ。」
「何だとキサマ、許さんぞ――っ!!」
「矢口にまで思考読まれんなよっ!!!」


     ((あ、あいつが後藤ね・・・))

物陰から、紗耶香様をつけ回す後藤とかいう奴を
偵察してみた。
・・・かわいいかしら?

「ねぇ、わたしとあの子、どっちが可愛らしい?」

ギャラリーに聞いてみる。

「「「後藤。」」」

おのれ後藤・・・・・・っ目にもの見せてくれるわっ!!!

「あー大丈夫大丈夫、梨華ちゃんもかわいーってば。」
49 名前:頭の痛いナルシス 投稿日:2001年09月10日(月)09時53分22秒

そして、今日も元気に登校。
市井センパイ探して、お昼誘わないとっ!!

「―――やぁ、おはよう後藤君。」

と思ったら、下駄箱のとこに、センパイがいた。ラッキー☆

「お、おはよーございます、センパイ。」

あいさつしただけで、この動機 息切れ 悪寒 眩暈 ひきつけ etc.・・・
これぞ恋・・・っ!!!

「だーからそれは、怯えてるんだって言ってるでしょ!!
 頼むから目ぇ覚まして、ごっちん!!」
「・・・カゼひいてるんじゃないの?」

「どうも、お久しぶりですね。
 後藤さんってその子?すごく気に入ってるらしいですね。
 わたしにも見せてくれます?」

ちょっと色黒の、清楚なお嬢様みたいな子が
背中に花しょって、やって来た。
誰?



「こう晴天だと、外からの電波が多くて困るね。」
「無視しないで下さいっ!!
 あなたはだまされてるんです、紗耶香様。
 大体このわたしを差し置いて、こんな黄色いぴよぴよの
 どこがいいんですかっ!!ス○ーピーの横にいる
 ひよこもどきの変な生き物みたいじゃないですかっ!!」

きっ・・・黄色いピヨピヨ?!
お嬢様は、独特のアニメ声で涙ながらに語ってる。
50 名前:頭の痛いナルシス 投稿日:2001年09月10日(月)10時07分12秒
「「「どこがって、可愛いとこ(ハート」」」

「あなた達、全員バカよーっ!!わたしを見ろ―っ!!」
「「「うははははは・・・」」」

「・・・何なの、アレ。」
「あぁ、石川先輩はさほど実害はないから平気。
 顔いいから、あの性格でも好かれるトコがすごいけど。」

あ、そうだ!
センパイにお願いしないと・・・

「あ・・・あのさ、センパイ。ちょっとお願いがあるんだけど・・・。」
「宇宙基地は作るのに時間がかかりすぎるからダメだぞ?」
「―――や、そうじゃなくて。」

じゃぁ、時間があったら作ってくれんのかな・・・

「今日のお昼、学食一緒しないかなーって思って。」
「2人っきりで?」

センパイが、ずいっと近付いてきた。
う、やっぱ後ずさりしてしまう・・・
「2人っきりで(ハート」

「「何を言い出すか貴様――っっ!!」」

いつの間にやら来てたやぐっちゃんと
石川センパイ(?)の声がハモッった。

「・・・何よっあんた!誰の許可を得て高等部に上がってきたのよっ!!」
「お前こそずっと姿を見せなかったじゃないかぁ!まだ生きてたかっ!!」
「うっ、うるさい!」
 
「気ィ合いそうじゃん・・・。」

2人の言い合いを見て、ヨッスィ〜が呟いた。
51 名前:頭の痛いナルシス 投稿日:2001年09月10日(月)10時16分25秒

キーンコーン カーンコーン

「うーん・・・真希ちゃん生贄にすれば、平和になると思ったんだけど
 あの2人は計算に入れてなかったなぁ・・・さーご飯ご飯。」
「イジメられちゃうかなぁ・・・」
「んー大丈夫、1番怖いのは、市井だから。」

4時間目が終わって、クラスの子と圭ちゃんと
食堂に向かう。
センパイとラブラブご飯〜☆

「でも真希ちゃん、市井のどこがそんなにいーの?」
「え!?何で、かっこいーじゃん!」
「――――――――ま、いいや。
 それより学食早く行かないと、混んじゃうよ。」
「あ、ホントだ。席とんなくちゃなんないのに。」

・・・間が気になるけど、そんなことより食堂食堂!!

「・・・あれ、何か異常に人だかりが出来てないか?」
「あ、おーいごっちん!保田さん!」

人ごみの中から、ヨッスィ〜の姿が見えた。
こっちに向かってくる。

「吉澤。一体何?中に入れないの?」
「ふーっ・・・。それが―――」
「みなの者、よぉく聞けぇい!!」

「「「「げ!!!」」」」
「あ。」
52 名前:頭の痛いナルシス 投稿日:2001年09月10日(月)10時32分20秒
みんなよりちょっと高い所に、石川センパイが立っていた。

「憎き後藤真希の野望を打ち砕くべく
 このわたし、石川梨華は今――この食堂を占拠した!
 どうだ、まいったか後藤真希!!はははははは・・・!!!」
 
     アッタマ痛てェ―――――
         ↑皆様の心の叫び

「これでも学食ラブラブが出来るというなら、やってみなさい!!」
「あんなこと言ってるよぉわ〜んっ!!」
「こんな事で本気で泣くなよっ!!
 ちょっと保田さん!アイツは実害なかったんじゃないのっ!!」
「うん、ホントにさほど無いのよ。ちょっと見ててみなさい。」

「石川。」
「紗耶香様(ハート 
 食堂占拠しましたっ!これで後藤の野望はおしまいよっ!!」
「そうか。でかしたな石川。―――では・・・」

「後藤、おいで。」
「・・・ほい? 
 え、で、でも食堂占拠してんだよね?」

センパイは、すたすたと歩いて行ってしまう。

「あっ、あたしカラアゲ定食がいいな。」
「そうか、利口な洗濯だな。
 では私は形の無いマーボー豆腐にチャレンジしよう。 
 異常に固い、ゴムのようなハンバーグ定食も捨てがたいな。」

      パタン


53 名前:頭の痛いナルシス 投稿日:2001年09月10日(月)10時38分14秒
「・・・・・・・・・え?」

「―――ハイ梨華ちゃん、残念でしたーっ。」
「やーおなか空いたー。」
「何食べようかなー。」

関西弁の、小柄な少女の掛け声とともに
みんな食堂へと入って行った。

「――ね、さほど実害はないでしょ。
 奴がどんなバカな事をしようとしても、絶対成功しない。
 なぜなら、それがあまりにもバカな事だから。」
「あたし紗耶香様にお茶入れてこよーっ。
 ついでにあの悪魔も監視しなきゃ。」
「さーあたしもご飯ご飯。」
「・・・・・・。」

あ、やば。
イシカワセンパイと目合っちゃったよ・・・
なんかウルウルした目で見てくるし・・・

「・・・一緒にご飯食べる?」
「くぅ――ん(ハート」

      ((あたして、バカフェチかも知れない・・・))
54 名前:頭の痛いナルシス 投稿日:2001年09月10日(月)10時46分32秒
結局、みんな無事に食堂でご飯食べてる。
あたしも、市井センパイと学食ラブラブ〜☆
・・・のつもりなんだけど・・・なんか・・・

「・・・ところで聞こうと思ってたんだが
 君は一体どういうつもりなんだい?」

「・・・へ?何が?」
あれ?
何か食欲ないな
テーブルの上には、たくさんの定食。

「私をここにいるように仕向けて。」
「あ、ひょっとしてやっぱ1人で食べたかった?」
「そうじゃなくて、私に君の事ばかり見せて
 君の事ばかり考えさせて―――それで?」

あれ?

「君は一体どうしたいんだい?
 君が見せようとするから見る。」

何か頭がボーッとしてる

「――ちょっと、何さっきから言いがかりつけてんの?」
「「んだと、紗耶香様に失礼だぞ、よっすぃ〜!!」」

「君が話させようとするから話す。」

あぁそういえば

壊れて るんだよ

昨夜何か、変な夢みたよなぁ

「ほら、今も君は私に」
「え。」

55 名前:頭の痛いナルシス 投稿日:2001年09月10日(月)10時50分44秒
でも

「キスしたいと思わせてる。」

何かあったかいものが、唇に重なった。


「「「「「「あぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁ―――っっ!!!!!!」」」」」」

「―――――――――っっ!!―――!!」
「何でもいいから罵倒したいって気持ちはわかるよ、吉澤・・・。」

「!?」
「あ。」

頭が・・・フラフラしてる

もしかしたら
操作してくれる
運命がないと不安なのかも

「・・・ちょっと、ごっちん!?」

だって人間は
本能が壊れてるから・・・
―――何言ってんだろ、あたし?
56 名前:頭の痛いナルシス 投稿日:2001年09月10日(月)10時55分00秒

「ほーら、やっぱあったよ。38度2分!
 ハイになっててわかんなかったんだな。 
 ――ねぇ、市井の奴ってさぁ結局ごっちんの事好きなんでしょ?
 なのに変な言い訳くっつけてさぁ―。」
「一種の保身じゃないかな。どっかブッ壊れてる部分の。」
「つまりアレって何なワケ?」

誰かが操作してる
特別の電気信号

「だからやっぱり
 神秘主義被害妄想型・・・その実ナルシスト。」
「アッタマ痛ェ――!!」

あぁ

どうして無視できないんだろう?

57 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月10日(月)10時56分36秒
第2話終了です。
第3話は、早ければ今夜、遅ければ明後日くらいに
UPします。
58 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月10日(月)10時58分03秒
>>52 
 「利口な洗濯〜」
 洗濯→選択 です。
洗濯してどうすんだ、市井。

度重なる間違い、すいません。
59 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月10日(月)10時58分36秒
それでは、また後ほど。。
60 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月10日(月)21時55分17秒
市井ちゃんモテモテですね。
梨華ちゃんはよっすぃーに乗り換えるのかな?
61 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月11日(火)16時10分12秒
>>60
 モテモテってゆうか、一部の方々に。。
 ですね(笑
 今回よっすぃ〜主役なんで、そこらへんに
 ついては乞うご期待!!ってとこです(^_^;

では、第3話はじまりです。
62 名前:磁力の運命 投稿日:2001年09月11日(火)16時12分49秒
「運命」なんてのは

コンパスで測る

方位みたいなもんでさ


信念しかり

宗教しかり


とりあえず

それがありゃ

進路を決められる


たとえその針が

狂ってたとしてもさ
63 名前:磁力の運命 投稿日:2001年09月11日(火)16時19分58秒
「なんだ。まだ治らないの?ごっちん。」

ベットの上には、今だカゼで寝込んでるごっちん。
あぁあ、苦しそうに咳しちゃってるよ。

「今日で3日目でしょ。ホントにカゼかぁ?
 知恵熱とかじゃないの?」

どー考えても、あれはファーストキスだ・・・
ごっちんの『はじめてのチュウ』は、あたしの予定だったのにっ!!
あいつ、市井紗耶香め〜っ!!!

「せっかくの土曜にかわいそうにね。
 まぁどっちにしたって・・・・・・。」

圭ちゃんが、ベットの方に目をやる。
64 名前:磁力の運命 投稿日:2001年09月11日(火)16時29分08秒
「これじゃ治るもんも治らないでしょ。」

ごっちんの上には、石川梨華。
ごっちんの横には、矢口真里。
2人そろって、怪しげな呪文を唱えてる。
しかも、矢口にいたっては、イタコさんみたいな格好。

「いーかげんにしとけ、お前らっっ!!!
 おーい、ごっちん。起きてるか?」
「あぁ、何するつもりだ、よっすぃ〜っっ!!」
「あぇ、ヨッスィ〜?」
「大丈夫?全然ご飯食べてないでしょ?
 何かおなかに入れたほうがいいよ。
 プリンくらいなら食べれるでしょ?ほら、差し入れ。」
「うん、食べれる。うまうま。」
「って、石川先輩が食べてどーすんのっっ!!」

いつの間にやら、あたしの手にあったプリンを獲って
挙句の果てに食べちゃってるよ、この人・・・。

「そっそんなに怒らなくてもいいじゃない・・・っ。」

泣き始めるし・・・あぁ・・・(涙

「あーもういい!泣きたいのはこっちだよ。
 ごっちん、オレンジジュース飲んどきなよ。」
「待った―――っっ!!」
65 名前:磁力の運命 投稿日:2001年09月11日(火)16時38分15秒
「ダメだよよっすぃ〜、そんなもの飲ませちゃ!!
 ドゥナッシングノゥ!!!」

いきなり矢口が叫びだす。
何がドゥナッシングノゥだよ・・・。

「え?オレンジってカゼに悪かったっけ?」
「ビタミンCなんか与えたら、カゼが治っちゃうじゃないか!!
 ふぅ〜あぶないあぶない。」
「鬼かアンタはっっ!!!」

とりあえず、ごっちんにジュースをなんとか飲ませた。
ホント、こいつらのせいじゃないか・・・?

「・・・全く。あんたたちね、いくら何でもちょっと考えてよ。
 病人相手にバカなマネしないのっ。」

2人とも無視。
シカトかよっ・・・。

「ごっちん、もういいか?」
「ん。」
「熱は?まだだるいか?」

熱がどのくらいかと、おでこをくっつける。

「んーまだ熱いなぁ。大人しく寝てるんだぞ。」
「「あ――――っっ!!!」」

・・・今度は何っ?!

「「ふ、2人は愛し合ってる―――っっ
 愛し合ってしてる―――っっ!!!うわぁぁぁんっ!!!」」

「あんたたち、一体どうしたいの・・・?」

してるって何、してるって・・・。
矢口はお札を振り回し、石川先輩はひたすら泣いてる。
あぁ・・・。

66 名前:磁力の運命 投稿日:2001年09月11日(火)16時45分23秒
「よっすぃ〜、君は騙されてる。
 今からでも遅くはない。目を覚ますんだ。」
「夢見てるのは、あんたでしょ。」

変な宗教に騙されてるのも、あんたでしょ、確実に。
目がウツロになってるよ、矢口さん・・・。

「何で・・・どう見たってあたしの方がかわいいじゃない・・・。」
「却下。」
「あなたに聞いてないわよ、このチビ太がっ!!」
「だまれっ、お前なんか宇宙人に手術されて
 NASAの研究材料になってしまえっ!!!」

あぁあぁ・・・ごっちんの病気が・・・ごっちんが・・・。

「おーい、矢口ぃ〜。
 今週は家帰るんじゃなかったっけ?」
「あっ本当だ。もうすぐバスの時間だ。着替えて来なきゃ。
 じゃーね、圭ちゃん。悪魔の監視よろしく〜!!」
「はいはい。」

パタン

やっと1人でてった・・・。
「一体何しにきたんだ、アイツは。」
「時間つぶしのイヤガラセでしょ。」
「全く・・・ん?」

石川先輩が、服を引っ張ってる。
まだ1人残ってたか・・・。

「これどこに捨てるの?」
67 名前:磁力の運命 投稿日:2001年09月11日(火)16時53分59秒
「〜〜〜〜はいはい。おいしかったかなぁ?」
「おいしくなかったです。 
 あたし、もっとちゃんとしたカスタードプリンの方が好きだもん。」
「・・・・・・今度からは学食じゃなく、外で買ってくるよ。」
「うん、そうして下さい。」

なんて心が広いんだ、あたしは。

「ねぇ、ヨッスィ〜。」
「あっ、何?ごっちん。
 眠れない?うるさくしてごめんね。」
「市井センパイどうしてるかなぁ?」
「・・・頼むからこの部屋でその話はやめてぇ・・・。

圭ちゃんが、混乱気味に呟く。
というか、錯乱状態?

「あいつ、見舞いにもこないの?
 ごっちんのこと好きなんじゃなかったの。」
「そんなわけないですっ!!」
「だから、その話やめてってば・・・。」
「こんなのこんなの、どこがいいのよっ!!!」
「いやーん。」


68 名前:磁力の運命 投稿日:2001年09月11日(火)16時55分40秒
石川先輩が、クッションでごっちんの頭叩いてる。
なんてことをぉっ!!

「やめんか!!
 どーでもいいから静かにしてやってよ。」
「あぁっひとみちゃんまで、こんなのの肩もつのっ!?
 あたしの方がかわいらしいのに〜・・・。」
「いくら顔よくても、性格がね・・・。」

コンコン

「お。誰か来た。見舞いかな?」
「え?でもわざわざ来るような人って―――。」
69 名前:磁力の運命 投稿日:2001年09月11日(火)17時03分34秒
ドアの向こうには、異次元が広がってる。
そこから現れた主は・・・

「紗耶香様(ハート」
「いっ・・・市井っっ!!!」

思わず後ずさりしてしまう・・・
こいつ、どっから現れたの、どっから!!!

「あぇ、市井センパイ!?」
「やぁ、元気そうだね。」
「・・・何で休日まで、制服に白衣なの?」
「奴の場合、たんなるコスプレじゃない?」
「お、お見舞いに来てくれたの?あれ、急に寒気が・・・。」

ごっちん、ベットからでない!!
いそいそと支度しない!!!

「そう、ちょっとこれを作るのに手間取ってね。」
「え?何―――」

ボトボト―――

奴のポケットから出て来たのは、大量のねずみの死骸!!!

「ι♂□×っっ!!!!」
「どうだい。血流が速くなったろう? 
 するとそれによって、新陳代謝が活発になる。
 汗で老廃物を排出して、体を正常な状態に戻すのだ。
 そして香りは心安らぐラベンダー。」
「安らぐかっっ!!!」
70 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月11日(火)17時04分33秒
すいません、一旦切ります。
また今夜、続き更新します。
71 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月11日(火)19時19分22秒
個性的な人ばかりで、面白い!
更新楽しみにしてます。
72 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月11日(火)21時01分36秒
>>71
 個性的というか、個性的すぎるのも
 ちょっと困りものかも知れませんね。
 よっすぃ〜見てて、つくづく思います(^_^;

では、第3話残り更新です。
73 名前:磁力の運命 投稿日:2001年09月11日(火)21時09分46秒
「ふむ、これだけではダメか・・・。
 ではやはり、アレを使うよりほかないようだな。」

そう言うと、市井はどこから取り出したのか
フラスコをごっちんの方に向けた。
どっから出したんだよっ!!
あいつ自体、四次元ポケットか?!そうなのか??!

「な・・・何?何?」
《ウキェェェッェェ》
「飲みなさい。カゼなんかすぐよくなるよ。」
「あやしげなもん、ごっちんに飲ませんなバカやろうっ!!」

なんか声出してるじゃないっ!!
あんなもん、どこで売ってるのよっ・・・!!

「大丈夫だよ、私の手造りだから。」
「それがあやしいんだってばっっ!!!」
「紗耶香様に失礼でしょ、ひとみちゃんっ!!」

ゴンッ

「でっ!!」
・・・なんかイスが飛んできたよ・・・石川先輩〜っっ

「・・・・・・外野が、ちょっとさわがしいね。」
74 名前:磁力の運命 投稿日:2001年09月11日(火)21時17分17秒

パタン

「「「・・・ど・・・どうしよう・・・・・・。」」

部屋から追い出されてしまった・・・。
ごっちん・・・・・。

「2人っきりにして大丈夫かな・・・。」
「後藤の事好きなんだから、危害を加える事ないでしょ。」
「でもアイツ、ストーカー系だし・・・。」
「そう思うなら、中入って止めてくればいいじゃない。」
「もし今ドア開けて、異空間とかにつながってたら
 どーすんのよっ!!アイツは四次元ポケット持ってるんだからねっ!!!」

思わず圭ちゃんを、締め上げてしまう。
あぁ〜ごっちんが・・・ごっちんの貞操が・・・!!!

「物音1つしないしね。ありうる事だわ・・・。」
「ま・・・何ていうかさ、ごっちんももう高1なんだし
 いつもでもあたしは、保護者ぶって何だかんだ口出しするってのも・・・。」
「つまり、怖いんでしょ。」
「悪いっ!?」

当たり前じゃ〜!!
なんてったて、敵はドラ○もんよ?!
75 名前:磁力の運命 投稿日:2001年09月11日(火)21時28分17秒
「まぁそう大した事には、ならないと思うよ。
 あたしもけっこう、後藤が市井をどうにかしてくれるのに
 期待してるし。さてと・・・あたしヒマだから図書館にでも
 行って来るわ。後よろしく。」

そう言って、圭ちゃんは図書館へと、向かって行く。

「よろしくって・・・ちょっと・・・。」

後に残されたのは、あたしと・・・
泣いてる石川先輩・・・。
またこのシチュエーション??

「う・・・う――ん。」
「うわ〜ん・・・えっく・・・。」

     ((・・・何かヤバイ気がするなー・・・))

「ねぇ。」
座り込んで泣いてる、石川先輩の
サラサラストレートの、髪の毛を引っ張る。

「今日ヒマ?」
「へ?」
一緒に座り込んで、目線を同じ高さにした。

「ヒマなら映画とか行かない?あたしおごるから。」
「・・・ヒマじゃないです。」
「ふーん、じゃぁいいや。他の人誘おう。」
「もうちょっとねばってよっ!!!」

石川先輩が、腕にしがみついてきた。
「ん?」
「行く。」

泣き顔で、あたしを見上げる。
・・・かわいいじゃん。
あ、マジヤバ
道間違えたかも
   
   ((ハマるんだよねぇあたし。こういうめんどくさいタイプ・・・))

「はぁ――っ・・・。」
「?」
76 名前:磁力の運命 投稿日:2001年09月11日(火)21時30分58秒
「・・・・・・さて。やっと2人きりになれたね。」

市井センパイが、そう言って近付いてくる。
う・・・やっぱ後ずさりしちゃう・・・。

「さぁ、どうしようか。」
77 名前:磁力の運命 投稿日:2001年09月11日(火)21時40分42秒
 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「う――ん・・・熱は下がったみたい。顔色も悪くないし・・・。」
「でしょ?でしょ?センパイのお薬効いたみたい。
 なんかすごい変な味だったけど。動いてたし・・・。」
「単なるショック療法じゃないの?」
「・・・まぁそれはいいとして。」
 
映画から帰ってきて、ごっちんの様子を覗いてみると
既にヤツは、退却していた後。
そして、熱を測って見ると、下がってた。
すっかり元通り。
・・・たった一つを除いては。

「なんだって縛る必要があるのっ!!しかもコードで!!!」
「あ、やっぱ変だよねぇ〜。」

ごっちんは、手足を後ろ手に縛られてた。
あいつ・・・やっぱおかしいって・・・。

「・・・趣味なんじゃない?やっぱ。それより、後藤ブジだったの?」
圭ちゃんが、心の距離を表すように、後ずさりしてる。
「・・・ごっちん、やっぱりあんた考え直そう。」
「え―?何を?」
「何でもいいからこれ以上、もう市井と付き合うなっ!!
 お父さんは許しませんよっ!!!」
78 名前:磁力の運命 投稿日:2001年09月11日(火)22時06分09秒
「運命」なんてのは

「えぇ―っなんでぇ――?!」
「ダメったらダメ!!」

コンパスで測る方位みたいなもんでさ
とりあえずそれがありゃ進路を決められる

「へぷしっ!
 あ〜っくそぅ、悪魔のカゼうつってしまった・・・。」
「・・・あんたがアホなんやろ。あたしにうつさんといてよ。」

外で買った、カスタードプリンを持って
石川先輩の部屋に向かう。

「あーふみ外したな――・・・。」

たとえその針が 狂ってたとしてもさ

79 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月11日(火)22時08分58秒
第3話終了です。
第4話は、いつもの通り、明日明後日です。
もう今のうち更新しようかしら。。
80 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月11日(火)22時12分43秒
第4話、途中まで更新しようと思います。
81 名前:エキセントリック・ハート ―保田さんの考察― 投稿日:2001年09月11日(火)22時18分22秒
夢でも
理想でも


恋愛でも
信念でも
宗教でも


強すぎるそれは
形をゆがめてゆくものだ


そのベクトルが
何処へ向かっていても


思いもしない形に変化する

「ごっちん、いい加減にしなさい。」
「やだやだやだやだっ、ぜ――ったい行くもんねっっ!!」

あいにく今自分には

夢中になれるものがなくて分からないけど

「ダメだって言ってるでしょ!」
82 名前:エキセントリック・ハート ―保田さんの考察― 投稿日:2001年09月11日(火)22時30分58秒
まぁ 言ってみればつまりそれは

「とにかくっあたしはセンパイんトコお泊りしてくるからっ!」

心の軌道が狂うって事なんだと思う

「ダメ。」
「何で何でっせっかくセンパイが誘ってくれたのにっっ!!」
「ダメなもんはダメなの!大体、意味わかってんの?」
「一緒のお布団で、ラブラブ仲良し――っ。」
「却下。やっぱりごっちん、分かってない!」
「ヨッスィ〜ともしたじゃ―んっ。」
「一緒に寝ただけでしょう!誤解を招く言い方するなっ!」
「どう違うの?」
「・・・ごっちんのソレが単なるカマトトなら
 あたしだって何にも言えないんだってば。」

83 名前:エキセントリック・ハート ―保田さんの考察― 投稿日:2001年09月11日(火)22時31分49秒
さっきから、同室の後藤真希と、その幼なじみの吉澤ひとみが
ずっと騒いでる。
後藤が市井紗耶香の実家に、お泊りしに行きたいと
言い出し、そしてそれを阻止しようと、吉澤は必死なのだ。
しかし、後藤・・・この子は・・・ホントに高校生なのか?

「後藤、赤ちゃんはね
 こうのとりが運んでくるワケじゃないの。」
「知ってるよ。エチしたらできんでしょ。」

    ((保体程度の知識はあるか)) 

ちょっと安心。
「それ、市井とできる?」
「何言ってんの。女同士だもん。できないよ。」

     ((保体程度の知識しかないか))

・・・う――ん
「いや、それが出来るんだよね。」
「マジ!?じゃぁセンパイとHしたら、こうのとり来るのっ!?」
「・・・保体程度の知識も無いよ。」

お手上げだわ・・・。
吉澤の方を見ると、沈んだ顔してた。
「・・・すまん。」
84 名前:エキセントリック・ハート ―保田さんの考察― 投稿日:2001年09月11日(火)22時37分26秒
「そうと決まったら、もうやるっきゃないよねっっ!!
 今行くわっ、いちーちゃん(ハート」
「待ていっ!!『いちーちゃん』って何だ、『いちーちゃん』って!!!
 しかも、そんな目を輝かすなっ!!大体ダメって言ってるでしょ!」
「――なんで!?ずるいよヨッスィ〜。
 自分は梨華ちゃんとデートしてるくせにっ!!」

そりゃぁ、新事実。
後藤も納得いかないよなぁ・・・。

「がっ・・・べ、別に何もしてないよ。
 単に映画見に行ったりしただけじゃん。」
「・・・ホントに?」

ふっふっふっ・・・その焦り様、あやしいなぁ・・・。

「い・・・いや、ちょーっと
 ちょーっとだけ、手ぇ出したけど別にィ――。」
「?」

後藤は、わけがわからないといった顔で
吉澤を見てる。
ふっふっふ・・・大人の会話ですなぁ・・・
85 名前:エキセントリック・ハート ―保田さんの考察― 投稿日:2001年09月11日(火)22時41分46秒
「だっだてさ、あんだけ態度でかいくせに
 手ェ握っただけで、飛び上がんだよ。」

なんだ、吉澤もやる事やってんじゃ〜ん。

「ほーマジ?そりゃちょっと意外かな〜。」
「でしょ!?もーかわゆーてかわゆーて!
 ――・・・!!う、うえっぐおっごほんっ!!」
「?」

にやり。
顔が崩れてたよ、吉澤。

「とにかくダメだ!いいなっ!?」

うわ〜全然説得力ないなぁ・・・。
ノロケ話聞かされた後だし、とくに説得力ゼロね。
ふっふっふ・・・って・・・!!

「ごきげんよう。」


86 名前:エキセントリック・ハート ―保田さんの考察― 投稿日:2001年09月11日(火)22時50分02秒
「――――で?何がダメだって?」
「・・・・・・いいえ、何も。」
「・・・そう。ならいいけど。」

でっ・・・でた!!市井紗耶香!!!!
吉澤、顎触られてるよ・・・人差し指で!!!

「け・・・気配しなかったよな?」
「一体どっから入って来たんだあの人は・・・。」
ぼそぼそと、小声で言い合う。
やっぱ、どこでもドアか?

「いちーちゃんっ!お迎えに来てくれたの?」
「用意はいいかい?では行こうか。」
「!」
「・・・どうしたんだい?」
「あ・・・あえ?や・・・やっぱ心臓バクバクいう。
 ・・・カゼまだちゃんと治ってないのかな。」
「ほう。」
「でも、いちーちゃんの前だといつもこうだし
 眩暈するし、息切れするし、汗出てくるし、震えてくるし・・・
 病気かなぁ・・・。」

後藤・・・だからそれは・・・。

「あぁ病気だね。」
「うそ!」
「すぐ死ぬね。」
「うそぉっ!」

「バカごっちん。それは単なる拒否反応だって・・・。」
みると、市井が後藤を、抱きしめてる。
「よしよし、治してあげますねー。」
「えーん・・・。」

「言ってもムダかあははっ。もうムダかあははははっ。」
「しっかりしろ、吉澤。」
87 名前:エキセントリック・ハート ―保田さんの考察― 投稿日:2001年09月11日(火)23時00分58秒
 
 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「まぁ言ってみればつまり
 心の軌道が狂うって事――なんだと思うけど。」

学食で、紅茶を飲みながら、吉澤とまったりしてる時
前々から考えてたことを、言ってみた。

「何それ。市井の話なんか聞かないよ。」
「違うよ。それもあるけど、恋愛の話。」
「ん?」

市井の話となると、吉澤はすぐに不機嫌になる。
結局後藤は、アイツに連れられてったしなぁ。

「吉澤が、後藤の事止めるのは、彼女が勘違いしてるからでしょ?」
「まぁね。」
「でも、恋愛なんて最初っから勘違いなんじゃないかって事。」
「んー分かるけど、ちょっとそういう考え方って冷めてない?」
「圭ちゃんっ!よっすぃ〜っっ!!」

あちゃー・・・これから話を深めてくって時に・・・。

「矢口に、石川?どうしたの?!」
おいおい、肩で息してんじゃん。

「さっ紗耶香様は・・・っっ?!」
「さ、さぁ知らないけど。」
「そ、そんな・・・っ学校も寮もくまなく探したのに・・・っ!!」

せっかく久々に静かだったのに・・・

「そ・・・そう。大変だな。」


88 名前:エキセントリック・ハート ―保田さんの考察― 投稿日:2001年09月11日(火)23時09分53秒
「ご・・・後藤のヤツもいない・・・
 ふ・・・ふたりで、ふたりで愛のランデブーね!!
 いやぁぁぁぁっ!!うっ吐き気が・・・!」
「はいはい。ジュース飲もうねぇ〜。」

出たな、ラブラブカップル。
「・・・でも2人ともいないって?
 てっきり旧館だと思ってたけど。」
「圭ちゃん、何か知ってるの!?」
「あぁ、いちーちゃんとお泊りーとかさっき後藤が言ってたよ。」
「・・・言わないほうがいいんじゃない?」

もう遅い。言ってしまった。

「「!!!!!!!」」

うわっ、矢口が混乱状態になってるよ・・・
ブツブツ独り言言ってるし・・・

「ど・・・っ何処に・・・!?」
石川は、必死だし〜・・・
「うん、だから旧館ぁなーって思ったんだけど。」
「オイ、梨華ちゃんっ!何さわいでんねんアンタはっっ!!」

関西弁で喋る、小柄な女の子(多分先輩)が
石川を蹴った。
ちょっと同情・・・。

「アイツ何あばれてんの?」
「例によって、市井ネタですよ。」
89 名前:エキセントリック・ハート ―保田さんの考察― 投稿日:2001年09月11日(火)23時17分06秒
「何すんのよ、あいぼん!」
「何やぁ、まだ市井おっかけてんの?
 うちてっきり、よっすぃ〜に乗り換えたんかと思ってた。」
「バカ言わないで!あたしは紗耶香様一筋よっ!!」

そう言いながら、しっかり吉澤にひっついてる。

「じゃぁ、よっすぃ〜から離れてみてや。」
「だ・・・だってだって・・・っ
 だってひとみちゃん、もったいない――っ!!」

そう言って、吉澤に泣きつく。
「う―ん、喜んでいーのか悲しんでいーのか。」
それでいいのか吉澤・・・!!!

「――ま、それはいいとして
 マジでごっちんたちは、何処行ったんだ?」
「――あ、カオリ、紗耶香が外泊許可取ってるの見たよ。」

通りかかった人が、教えてくれる。
やっぱり有名人だな、市井。

「え!?何で!?」
「明日から連休でしょ?だからじゃないかなぁ?」
「・・・・・・じゃぁごっちんも・・・外泊決定!!」
90 名前:エキセントリック・ハート ―保田さんの考察― 投稿日:2001年09月11日(火)23時23分08秒
「いちーちゃん、いちーちゃん。どこ行くのか教えてよ〜」
「ふっふっふ―――秘密だ。」

夢で
憧れでも

恋愛でも
信念でも
宗教でも

「外泊理由?あぁ〜実家に帰るとか言うてたな。」
「「「「「実家・・・・・・」」」」」

      (((((あのひと、家族いたのか・・・?)))))

強すぎるそれは
形をゆがめてゆくものだ

―――だけど

「歪もうが狂おうが
 楽しそうだよな、何だかんだ言っても。」

 案の定、吉澤は文句を言い始める。
 石川は泣き始め、矢口は遠くの世界に旅立ってる。
 おー、みんな燃えてるわ。

だけどひそかに憧れてる

いつか心の軌道が

狂うほどの
何かに会えればいいのに
91 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月11日(火)23時24分46秒
結局、第4話更新です。
今週で、完結するかも知れません。
それまでお付き合い、宜しくお願いします_(._.)_
92 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月12日(水)20時55分30秒
なんだかキャラがピッタリな感じですね〜
執筆頑張って〜
93 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月13日(木)11時09分06秒
>>92
 ピッタリですか?よかった。。(^。^)-3
 梨華ちゃんが、どうしても心配だったんです(笑
 頑張るので、最後までお付き合い下さい☆

では、第5話更新です。
94 名前:戦慄のHide and Seek 投稿日:2001年09月13日(木)12時54分12秒
休日だからだろうか、人が多い。

「何故だ・・・何故4丁目に出ないんだ・・・。」
人込みの中、あたし達は道に迷ってた。

「地図と通りに来たんだけどね。」
「どっかで間違えたんじゃないの?」

圭ちゃんが持ってた地図を、もう1回見てみる。

「朝比奈駅の2番出口から、西に出て
 朝日筋1丁目、2丁目・・・と、ここで曲がったでしょ?
 んで真っ直ぐ行くと、4丁目・・・のはずだけど
 なんでこんな大通りに出ちゃうんだよ。
 マップにゃ載ってないじゃん。」
「うーん?」

圭ちゃんが、地図をパラパラめくる。
「あ、これだ。『てらだ通り』。」
「おっ、見つけたの?」
「ほら、『寺田9丁目』の駅前通りだよ。」
「そんな駅、この辺にあったっけ?」
「・・・朝比奈駅から、五つ先の駅みたい。」

五つ先?は?

「え?ちょっと待ってよ。
 あたし達が朝比奈駅出てから・・・。」
「何度も戻ったけど、それでも1時間経ってないね。」
95 名前:戦慄のHide and Seek 投稿日:2001年09月13日(木)12時55分26秒
そう、あたし達は、何度も道に迷って
何回も、朝比奈駅に戻ったりしてた。
普通に考えて、2時間くらいは経ってるだろう。
それに・・・

「・・・迷いながら、短時間で五つも、駅越えちゃうなんて事―――」
「絶対ムリ。しかも、あんな大荷物かかえてちゃ・・・。」
「あぁ、絶対ムリだね。」

あたし達の視線の先には、苦しそうに道端にへばる梨華ちゃんと
クレープやら、アイスやら持って、走り回ってる矢口。
なんて大荷物なんだ・・・。

「じゃぁ、なんでこんなトコにいるのさ。」
「・・・昔こんな事があったな。」

「親戚のおじさんの、納骨の時だけど車で20分ほどの近くのお寺なのに
 何時間走っても着かなかった。どの道を曲がっても、景色が変わらないのよ。
 同じ所を、ぐーるぐるぐーるぐる!!!」
「やめんかっ!!」

疲れのせいか、圭ちゃんまでおかしくなっちゃってるよ・・・。

「つまり、誰かが行く手をはばんでるんじゃないかって事。」
「誰かって・・・・・・?」
「言わずもながでしょ。」
「・・・あいつしかいないね。」

あぁ、ごっちん・・・あなたは一体どこにいるの?

「こぉらっ、市井っ!!お前ん家どこだぁ―――っっ!!」
96 名前:戦慄のHide and Seek 投稿日:2001年09月13日(木)12時58分39秒

   ((ふ・・・っ普通の家だ・・・悪魔城みたいなんかと思ってた。))

いちーちゃんに連れられて、やって来たのは
なんと、いちーちゃんの実家!!
しかも、純和風のでっかい家。

「ただいま戻りました。」
「あら、お帰りなさいお姉様。
 お友達もご一緒ですね。どうぞお入りになって。」

誰の姿も見えないんだけど、声だけ聞こえる。
いちーちゃんの家族と、初対面!
あぁ、ドキドキ。

「お、おじゃましまぁーっす。」
「お待ちしてましたのよ。これお履きになってね。」
スリッパを、横に置いてくれる。
う、靴がなかなか脱げない〜っ!

「あ、どーも。」
「私、妹の明日香と申します。どうぞよろしく。」
「あっあたし後藤真希。どーぞよろしく〜☆」

と言って振り向くと、もう明日香ちゃんは
部屋に入っていってた。

「早く荷物を置いていらしてね。
 父様たちも、待っていますわ。」

「き、嫌われてるっ嫌われてるっ!!」
なんで顔見せないのっ?!
あたしの事、嫌いなの―っ!?
えっえっ・・・(涙

「はいはい、しょんなコトありませしぇんよー。
泣いてないで来なさい。こっちだよ。」
「うえ――ん。」
97 名前:戦慄のHide and Seek 投稿日:2001年09月13日(木)12時59分50秒

「嫌われてないなら、なんでご飯みんなと別々なの?」

夜ご飯の時間。
あたしといちーちゃんの分だけ、部屋に運ばれてきた。
ねぇ、なんで別々なのぉ〜っ(涙

「・フッ。別になんでもないよ。」
「その間よ、『フッ』がやだ―――っ!!!」

はっ!も・・・もしかして・・・っ
いちーちゃんは、おうちの中でも、孤高の人なのでは・・・!?
そうだ、そうに違いないっ!

「?」

きっと美しい本当のお母さんは死んじゃって
今のお母さんは、いじわるなママハハなんだ。
んでもって、明日香ちゃんは、ママハハの子で
ぶっさいくで、2人はいちーちゃんに嫌がらせを・・・っ

カッコイイいちーちゃんにシットして
家事やらせたり、台所で寝かせたり
パーティーに連れてってあげなかったり

あまつさえ、カボチャの中に詰め込んで
ネズミにひきずり回させたり
リンゴかじって、歯茎から血が出たり・・・!!!

ふと見ると、いちーちゃんがリンゴむいてる。
「いちーちゃん、リンゴはっリンゴはうさぎちゃんにしてっっ!!!」
うわーん、丸かじりはダメ――ッ!!!
「はいはい、うさぎちゃんね。」
98 名前:戦慄のHide and Seek 投稿日:2001年09月13日(木)13時01分47秒

うさぎちゃんの形のリンゴ。
日本の国旗まで立ってる。
見事なまでの、彫刻!!!

あぁいちーちゃん・・・
よくわかんないけど、カッコイイ!!
「フッ。」

「紗耶香さん、お友達のお着替え
 ここに置きますわね。」
い・・・いじわるなママハハ・・・!!

「はい、有難う御座います。」
「後藤さんでした?ゆっくりしてらしてね。
 これからも、紗耶香の事よろしくお願いします。」

『よろしくお願いします』・・・
いじわるじゃない・・・!?
「はいっまかせといてくださ・・・い・・・。」

目の前には、誰もいない。
着替えが置かれてるだけ。

「お風呂の用意できてますから、ごゆっくり。」
「・・・・・・・・・・・・!」
既に、階段を下りてる・・・。

「いちーちゃんっ、何かみんな変じゃない!?」
じゃない!Ah−Haだよ、アァハァー!!
「何がだい?さぁ先に風呂に入りなさい。案内しよう。」
「おフロあたし先?
 いちーちゃん一緒に入らないの?」
「・。」
99 名前:戦慄のHide 投稿日:2001年09月13日(木)13時02分36秒

   〜10分経過〜

「いちーちゃん?」
「ふっふっふっふ―――いや、やめておこう。」
「そっか?」
んーつまんなーい。
いちーちゃんと、お風呂でラブラブしたかったー。

湯気で、視界が悪い。
あぁ〜やっぱお風呂はいいねぇ。

カラカラ・・・
外のドアを開ける音がする。
ドアのとこに、人影が写った。

「後藤さん。タオルここに置いときますね。」
「はぁい、ありがとう。」

今のは、いじわるなママハハの子の
ぶっさいくな明日香ちゃん・・・
「あれ?でも、いっぺんも顔見てないよねぇ・・・
 ・・・ってゆうか、この家で、いちーちゃん以外の
 人の顔、一度も見てない。」

・・・・・・。

「後藤。背中でも流してあげよう―――か。」
お風呂場の側にいた、いちーちゃんを通り越して
一目散に、居間(と思われる場所)に向かう。

「チッ、アナコンダくんおフロセット(手作り)力作なのに。」
100 名前:戦慄のHide and Seek 投稿日:2001年09月13日(木)13時03分49秒

   〜10分経過〜

「いちーちゃん?」
「ふっふっふっふ―――いや、やめておこう。」
「そっか?」
んーつまんなーい。
いちーちゃんと、お風呂でラブラブしたかったー。

湯気で、視界が悪い。
あぁ〜やっぱお風呂はいいねぇ。

カラカラ・・・
外のドアを開ける音がする。
ドアのとこに、人影が写った。

「後藤さん。タオルここに置いときますね。」
「はぁい、ありがとう。」

今のは、いじわるなママハハの子の
ぶっさいくな明日香ちゃん・・・
「あれ?でも、いっぺんも顔見てないよねぇ・・・
 ・・・ってゆうか、この家で、いちーちゃん以外の
 人の顔、一度も見てない。」

・・・・・・。

「後藤。背中でも流してあげよう―――か。」
お風呂場の側にいた、いちーちゃんを通り越して
一目散に、居間(と思われる場所)に向かう。

「チッ、アナコンダくんおフロセット(手作り)力作なのに。」
101 名前:戦慄のHide and Seek 投稿日:2001年09月13日(木)13時05分07秒
キシッ――
足音たてないように・・抜き足で・・・差し足で・・・忍び足!!

「―――ね。」
「あら、そんな事ありませんわ。」
「母さん、もう一本。」
「あなた飲み過ぎですよ。これで最後ですからね。」

声がする方へと、近付いてく。
笑い声がする。
絶対、この部屋にいる!!
よし!
あたしは、勢い良くドアを開けた。

「すみませーん、お手洗いどこですかーっ?」

・・・?!誰もいない!!?

「お手洗いは、お風呂場のむかいですよ。」
後ろから声が聞こえた。
え?え?!

「あ、ど、どーも。」
「おや、今のが後藤さんかい?
 紗耶香が友達を連れてくるなんて、珍しいな。」

やっぱ、今の部屋から声が聞こえてくる。
「・・・なんで、なんで見れないの?」

ものすごく早く動いてるとか?
もしや・・・もしや彼らは忍者!?
「きっと、正体を暴いたら、お銀さんみたいに
 『あたいはただの小娘だいっ』とか言っちゃうんだっ!」

あぁ、ドキドキ・・・。見たい!!!
「精神を集中させて、気配を探るんだ。
 あたしは獣・・・。」
102 名前:戦慄のHide and Seek 投稿日:2001年09月13日(木)13時06分25秒
「そこだっ!!」
横のふすまを、蹴破る。

「ここかっ!!」
やかんの中を、覗いてみる。

「そこか――っ!!」
勢い良く、奥のふすまを開けた。

「い・・・いちーちゃん!?」

畳に、刀が刺さってる。
血がふすまに飛び散ってる。
手術台みたいなのに、人が寝かされてる。
死体が、そこら中に転がってた。

その丁度中心に、いちーちゃんが立ってた。

「この部屋何?なんで人いっぱい死んでんの?」
「拷問部屋。」

・・・なんか聞いた事ある声。
見たことあるような顔。
と思ったら

「「きゃ――っっ!!」」

あたし!!あたしがもう1人いる!!!

「かわいいだろう。後藤2号だよ。
 まぁ試作品であるが、大変精密なので
 本体と見分ける方法はただひとつ・・・
 大きさだ。」
「・・・。」

もう1人のあたしは、いちーちゃんの手のひらにのってる。
・・・ちっちゃい。

「次回作、後藤3号は、等身大だ。
 着せ替えOK!水中でも、安心してお使いいただけます。」

首と、胴体が別々の状態の、あたしの人形・・・
えーん、なんかヤダー(涙
103 名前:戦慄のHide and Seek 投稿日:2001年09月13日(木)13時07分32秒

「ここって・・・ひょっとして、いちーちゃんのお部屋?
 それより、いちーちゃん。いちーちゃんのおうちの人って・・・。」
「え?何を言ってるんだい。ずっと2人きりじゃないか。」
「・・・い、いちーちゃんのおうちの人って、もしかして・・・。」

『ウフフ』
『クスクス』
最初っから誰も、いなかったりして・・・
『クスクス』

あれがユーレーさんだったりしても、怖いケド
全部いちーちゃんの1人芝居だったら
もっと怖い!!!

「怖いので、一緒のお布団で寝て下さい。」
うっっ・・・足がガクガクしてる・・・。
「いーよ。」

 ―何が本当に怖いのか、気付かない真希であった。―
104 名前:戦慄のHide and Seek 投稿日:2001年09月13日(木)13時08分21秒
あ〜・・・すっかり日も暮れて、夜だよ・・・
今日は三日月だなぁ・・・

「ダメだ・・・見つからない、もうおしまいだ・・・。」
「ま、もう帰った方がよさそうだね。
 もはや、後藤の貞操はなかった事として――
 もぅいーじゃん、減るもんでもないし。」
「うわ―っ言うな―っ嫌だ―っっ!!!」

ごっちん・・・本当に、どこにいるの―――っっ??!

「市井のバカやろう―――っっ!!!」
105 名前:戦慄のHide and Seek 投稿日:2001年09月13日(木)13時09分10秒
―市井家

「本気で怯えてらしたわね。かわいらしいこと。ホホホ・・・」
お母様が、楽しそうに言った。

「お姉様がお気に召すのも、分かりますわ。」
明日香も、くったくのない笑顔で言う。

「しばらくは、この手で楽しめそうね。ホホホ・・・。」
「紗耶香も、人が悪いな。はっはっは・・・。」

ふっふっふ・・・。

―しかし真希ちゃんは、ひとみちゃんの心配をよそに、
 ホントに寝るだけでした。―

「かーぴるるるるるる、すぴっピ―――・・・。」
「・・・・・・。」
106 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月13日(木)13時11分05秒
第5話終了です。
今日明日あたり、完結になります。

二重投稿、本当にすいません_(._.)_
ついでに、市井家は美形一家です(笑
107 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月13日(木)21時51分02秒
天然のごっつぁんが可愛いですね。
もうすぐ完結だそうで、頑張って下さい。
108 名前:電撃ハート・アタック 投稿日:2001年09月15日(土)13時54分05秒
そいつは

いきなり君を襲う


たとえば

電気みたいなもの


勘違いでも


ほら

こんなに目覚めてく


非日常の奇跡

――――――ハート・アタック!

109 名前:電撃ハート・アタック 投稿日:2001年09月15日(土)13時58分50秒
「たっだいま―っ真希ちゃんだよ――ん!!」

ごっちんが、勢い良く入ってくる。
「ごっちん!!」
「お〜お帰り。大丈夫だったかい。」
「体、大丈夫か!?何もされなかった!?」
「ええ―?!」

あぁごっちん・・・生きて会えるなんて・・・!!
思わず肩をつかんで、ゆさぶってしまう。

「後藤腰痛い?」
「ううん。」
「じゃ平気平気。」
「平気じゃないっ!!」

圭ちゃん、なんでそんなに普通なのっ!?
「いいじゃんか。別に減るもんでもないし。」
「減る!!思いっきり減る!!!
 二晩もあんなのと一緒だったなんて、怖かったでしょ?」
「うん、すっごい怖かった。」
110 名前:電撃ハート・アタック 投稿日:2001年09月15日(土)22時37分33秒
ほんと、同情するよ・・・
存在自体放送禁止みたいな、電波女(確かにあたしよりカッコイイけど)
の実家で、二泊もするなんて!
怖かっただろうな・・・うんうん。

「でもいちーちゃんにおふとん
 一緒にしてもらったから、平気(ハート」
「ばか―――っっ!!!」

なに、その『ポッ』は!!
なんで顔赤らめてるのっ!!?
「そうか、やっぱりやられてしまったのか。
 今夜はお赤飯かな。でもそのわりには元気そうじゃん。
 そっちの才能あったんじゃない?あはは。」
「何?おいわい?」
「圭ちゃんっ、真面目な顔してて、本当は悪人だな!?」

何2人で拍手してんの!!
なんで普通なのっ!!

「もう、2人とも何の話してんの?
 あたし仲間ハズレ?む――っ。」
「そ・・・そうだね、単刀直入に聞こう。」
111 名前:電撃ハート・アタック 投稿日:2001年09月15日(土)22時44分46秒
「市井とエッチした?」
「あ、忘れてた―。してない。」

父さん母さんありがとう!!
あつぃは、勝利を勝ち取りました!!
勝訴です!ウイング ア ケイス!!
「はいはい。じゃぁ市井の奴、きっと手ェ出そうとして
 失敗―――。」
「君の好物は何だい?」

!!!

「ひ・・・っ!!」
「君はそれを先に食べる?最後に食べる?」
「あ・・・あの」
「私はというとね、好物は最後までとっておく主義なんだ。」

いつの間にか部屋に市井がいた。
ほんとに、こいつドラ○もんじゃん!!
圭ちゃん、半泣き半狂乱。
なんつったって、市井に後ろから抱きかかえられ
あごまでさすられてる。
さらに、耳元でささやかれてるし・・・。アーメン。

「Do you understand?」
    ((やっぱりだ・・・))
「ア・・・I See.」
    ((やっぱり単に失敗したんだ))



112 名前:電撃ハート・アタック 投稿日:2001年09月15日(土)22時50分46秒
「市井、あんたまた人の部屋入り込んで!」
「フッ。君にではなく後藤に用があるのだ。」
「さっきまで一緒にいたんでしょ!!?」

あぁ・・・後ろの方で、圭ちゃんがご乱心。

「あたしに会いに来てくれたの!?いちーちゃんッ!」
「だからさっきまで―――いいよもう。」
ごっちんの嬉しそうな顔見てたら、反論する気も失せた。

「わぁすごいやぁ〜できたてアツアツカップルみたいだねぇ〜。」
ひっ!
圭ちゃんの顔がめちゃうつろ!!
拍手しすぎ!

「?それに相違ないと思うが?」
「「!?」」

「じ・・・自覚症状が・・・自覚症状が出て来たよ。」
「末期だ・・・もう手遅れだ・・・。」
ラブラブビームとか、出しちゃってるよ、おいおい。

ごっちんが、チラッと市井の方を見た。
「へへ〜☆」

市井、笑おうと努力しているらしい。
大変力いっぱい努力しているらしい。
こめかみと、頬のあたりが、ピクピクしている。

「ニヤリ」

・・・怖い。
でもラブラブ。
113 名前:電撃ハート・アタック 投稿日:2001年09月15日(土)23時01分09秒
「やめんか――っ!!
 脳ミソとろけて、耳からでるわ―――っっ!!!」
「照れ屋さんだね、吉澤。」
ひぃ―はずかし―っ!!

「きえぇぇぇぇぇぇぇっっ!!!」
うわっ!
矢口が、ドアを蹴破って入ってきた。

「矢口、人の部屋のドア壊すなよ。ヤレヤレ。」
「後藤真希!貴様という奴は・・・っっ!!
 よりにもよってよりにもよって、紗耶香様とお泊りなんて・・・っ!
 あぁ――っ紗耶香様っ私めに何か一言・・・!」
「ア○パンマンの顔は、やはり最初から防水コーティングしておくべき・・・。」
「ご立派なお考えです!!!」

・・・なんかヤダな・・・。
ごっちんの前に、立ちはだかる市井。
その前にひれ伏す矢口。
・・・。

「今すぐテレビ局に、意見の電話を・・・!!」
「今から走って行きなさい。
 直接訴えてこそ、正当の抗議だ。」
「あぁ、ごもっともです!ラジャー!!」

そう言うなり、矢口は外へと走り去ってく。
「あっ、カオリ!ア○パンマンって何チャンネル?!」
「え〜??」

「すげ―・・・手懐けてるな―。」
何でアイツ友達いるんだろ・・・。
「・・・・・・・。」
「あーあ、また1人めんどくさいのが、残ってるよ・・・。」

114 名前:電撃ハート・アタック 投稿日:2001年09月15日(土)23時06分51秒
矢口が壊したドアの向こうから、梨華ちゃんが覗いてる。
しかも、目に涙を浮かべて。
ハイ、お約束。
「さ・・・紗耶香様・・・あたしは・・・あたしは・・・っっ。」

お2人とも、世界に逝ってらっしゃいます。
「・・・・・・さ・・・っ!!
 紗耶香様のバカ―――っっ!!」
とか言って、なんでごっちんを殴るの!!?

「うわ――ん痛い――っ!!ぶったーぶったーっ!!
 ・・・・・・あれ?」
ごっちんのほっぺたに、何か張り付いてる。

『スーパー なっち  198円』

「やーい、198円!!」
「お前らほんとに高校生か!?
 ごっちんも、そんな事で泣くなー―っ!!」
「うえっ・・・(涙」
「あたし、泣くかも・・・。」
「あーはっはっはっはっは・・・!!」
「うわ〜ん、ひぃっくひぃっく・・・(涙」
「はいはい、気がすんだら静かにしてね。」

まったく・・・
「梨華ちゃんも、いーかげんにしなよ。
 そうやって、二人の間にわりこんでばっかで・・・。」
「吉澤もでしょ?」
115 名前:電撃ハート・アタック 投稿日:2001年09月15日(土)23時10分48秒
圭ちゃんが、するどいツッコミを入れる。
「・・・へ?」

「吉澤こそ、ずっとジャマしてるでしょ。
 いいじゃない。2人が好きだって言ってんだから。 
 市井センパイも、旧館でデートすればいいんですよ。
 怖がって誰も近付かないんだから。」

おお、市井に説教か、圭ちゃん。

「・・・・・・そうか。
 世界征服の暁には、君を大臣に任命しよう。」
「間に合ってます。」
間に合ってんのかい!!

「さぁ行こうか、後藤。」
「はーい。」
「あっ、おいコラ!ごっちん―っ!!」

市井とごっちんは、仲良く部屋を出て行った。
・・・マジっすか?

「圭ちゃんっ一体どういうつもりっ?!」
「どーもこーも・・・。」
116 名前:電撃ハート・アタック 投稿日:2001年09月15日(土)23時23分53秒
「さっきも言ったけど、当人同士の問題でしょ?」
「なんでよ、ごっちんは絶対勘違いしてんだって!
 圭ちゃんだって、分かってるじゃない。」
「それはわかるけど、でも恋愛ってそんなもんじゃない?
 ぜぇ――――んぶ勘違い!!」
「・・・何かヤな事あったの?」

おそるおそる、聞いてみる。

「違うってば。別に悲観してるワケじゃないよ。
 ただやっぱりさ、あたしはこう思うわけ。
 宗教とかに走る奴いるでしょ?
 市井みたな電波系でも、オカルト系でもいいけど。
 恋愛ってさ、ある意味ああいうのと同じなんだよ。
 別に恋愛にかぎんなくってもさ、信じるって事は
 自分を測る、定規のメモリを決めるって事なんだと思う。」
「それはわかる。
 どのコンパスで、進行方向を決めるかって事でしょ?」
「うん、そんな感じ。」

117 名前:電撃ハート・アタック 投稿日:2001年09月15日(土)23時33分36秒
「それが正しくても間違っててもさ
 運命って呼んじゃえば、こっちのもんでしょ。
 力いっぱい信じ込んじゃえば
 歪んでたって、それなりの形は出来るんだから。
 それでいいんじゃないかなぁ。誰にも迷惑かけてないし。」

う〜ん・・・。
「うーそりゃわかるけどさぁ・・・。
理屈では分かっても、頭がついてかない。

「――ねぇ、吉澤。こんな話知ってる?
 恋愛感情の発生と、心拍数の増加の関係。」
「?何だそりゃ。」
「前にどっかの学者が話してるのを、聞いたんだけど
 ――恋愛すると、ドキドキするでしょ?」
「うん。」
「でも、逆に考えると人間は、ドキドキしてる時に
 恋に落ちるとも考えられる。」
「―――何か、それってこじつけじゃないの?」
「そうでもないよ。
 ――例えば、今にも落ちそうな吊り橋の上で
 男女が出会ったとする。すると、普通に出会うより
 恋に落ちる確率が高くなるという統計が―――
 あるとかないとか。」





118 名前:電撃ハート・アタック 投稿日:2001年09月15日(土)23時37分25秒
なんか、あやしい。

「映画なんかでも、お約束じゃない。
 男女が一緒に危険を乗り越えたりすると
 絶対できあがるでしょ?つまり、そういう非日常に
 恋に落ちやすいって事―――。
 後藤もしかり。」
「ごっちん?」
「後藤、市井の事すっげ怖がってたじゃん。
 さぞかし心臓も、バクバクいってたろ。」

そう言われて、あたしははっとなる。
あの2人の出会い。
「そ・・・そういえば、あいつらが会ったのって
 旧館でごっちんが、迷子になった時。
 ごっちんの事だ、めちゃくちゃビビッってたろうし・・・。」

はぁそうかぁ〜。
「だけど、不整脈が原因?心臓発作みたいだね。」
「あはは。『ハート』違いだけどね。
 でも、突然の衝撃には違いないか。そうさ、恋愛なんて・・・
 
     ハートアタック 
    『心臓発作』みたいなもんね。」


119 名前:電撃ハート・アタック 投稿日:2001年09月15日(土)23時38分35秒
 
「―――ところで吉澤。
 それ、一緒に連れて帰ってくれる?」

圭ちゃんが指差した先には、うずくまってる梨華ちゃんが・・・。
まだ泣いてんのか、この人は。
120 名前:電撃ハート・アタック 投稿日:2001年09月15日(土)23時44分01秒
ゴロゴロ・・・ピカッ・・・

「いやーん、また光った。怖いよぉっっ。
 ねぇーいちーちゃん何で平気なの?」
「綺麗じゃないか。」
「えーっ、だってこの部屋真っ暗だし。」

旧館のいちーちゃんのお部屋。
ベットに座って、ずっといちーちゃんを眺めてる。
いちーちゃんは、雷を眺めてる。
こっちきてよ〜う・・・。

「・・・・・・。」
う―――っ。
「あ、あのね、あたしいちーちゃんにお願いあるんだけどさぁ。」
また空が光る。
「何だい?」

「あのね、えっちしよ?」

2人でお茶を飲む。優雅なティータイム。
その後、2人でお部屋のお掃除。
それから、いちーちゃんは読書・・・ってこら。

「ね―いちーちゃんてば!」

また、空が輝いた。

ガラゴロドッシャンドーン・・・

「・・・え?」

121 名前:電撃ハート・アタック 投稿日:2001年09月15日(土)23時49分59秒

「まーったくもぉ〜。
 いい加減に泣き止めってば。な?」

あたしの腕の中には、さっきから泣き続ける梨華ちゃん。

「だって、だって、だって――っ!!うわんうわんぁん〜!!」
「あーはいはい。かわいそうかわいそう。」

   ((――ま、この人との事も、非日常と言えば言えるかな。
    ま、事故にでも遭ったと思って・・・))

「・・・りーかちゃん。
 ちょっと上みてあたしのこと見て。」
涙を目にためて、あたしの方を見上げる。
唇が、ちょっと震えてる。
そんなに、市井が好きだったのか?!

「はい。いーこだねー。」
「!?」

その震えてる唇に、自分の唇を重ねた。
はい、梨華ちゃんと、はじめてのチュウ。

「――なっ、何すんのよ、エロ―――っっ!!!」
「あははははははは・・・。」
「笑わないで―っ!!」

122 名前:電撃ハート・アタック 投稿日:2001年09月15日(土)23時52分41秒

「ね〜いちーちゃん。赤ちゃんつくれる?」
「―――――――――は?」
「えっちしたら、赤ちゃんつくれる!?
 あたしね、猫の赤ちゃんがほしい(ハート」


ニヤリ

「・・・善処しよう。」


123 名前:電撃ハート・アタック 投稿日:2001年09月15日(土)23時55分46秒

「ふーやっと静かになった。
 全く、プライバシーも何もあったもんじゃないね。」

市井と後藤を旧館に追いやり
吉澤と石川を部屋かた追い出し
やっと、1人の空間を持てた・・・。
読みかけの本でも読もうかね。

ドンドンドンドン
「圭ちゃん、圭ちゃんっ!!!」
「!!」
「ア○パンマンってどこのチャンネルでやってるか知らない!?」

・・・息を切らした矢口が、部屋に飛び込んできた。
「・・・・・・。」

まだこいつが残ってたのか・・・。

124 名前:電撃ハート・アタック 投稿日:2001年09月16日(日)00時03分20秒

さっきから、ごっちんが妙に変だ。
うかれてるって言うか、なんと言うか・・・。

「ごっちん、どうしたの?具合悪いんじゃない?」
「えー?そんなことないよ。全然平気ー。」
お箸を振り回しながら、答える。

「何か妙にハイだね。いー事でもあった?」
「えへへーもうすぐねー、にゃんこの赤ちゃんもらえるんだー(ハート」



「にゃんこ?どっか猫の子でも生まれたの?」
「あっ、いちーちゃんっ!!」

でたっ市井!!
食堂にまで、姿をあらわしたか!!

「ごきげよう、後藤。これは、君へのプレゼントだ。」
市井がポケットから、何か取り出す。
「あーっいちーちゃんそれってー!
 やったーっあたしたちの赤ちゃん、出来たんだっ!?」
「――へ?『あたしたちの』って一体・・・。」

なんかやな予感・・・。

「一応これが約束の、ハネムーンベビーだ。」

そう言って、市井は子猫をごっちんに、渡した。

「「「「「・・・・・・・」」」」」
「わーい、ねこにゃん!」
125 名前:電撃ハート・アタック 投稿日:2001年09月16日(日)00時06分18秒
「―――おばちゃーんっお赤飯たいて下さ―い!」
圭ちゃんが、半笑いでおばちゃんに注文する。

「とうとう・・・」
「とうとうか・・・」

生徒達の、ヒソヒソ声が聞こえてきた。
「うわぁぁぁぁぁぁっっ!!!!うそだ―――っ!!!」
「おめでとーっ!!」
「あはははははは・・・!!」


そいつは
いきなり君を襲う


たとえば
電波みたいなもの


アンテナを
立ててみて



――――ホラ
体の芯がピリピリしてる




126 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月16日(日)00時11分14秒
純情えれきてる、終了です。
これまで読んでくださった皆さん、ありがとうございました。
また、感想等ありましたら、お聞かせ下さい。

>>107
自分の中では、ごっちんは天然なんです(笑
 誰が何と言おうと、天然少女!!

次回作ですが、某版にて、HNも変えて
ひっそり連載しております。
興味のある方(←いるのかしら・・・(笑)は、探してみて下さい。

では、またの機会にお会いしましょう。
どうも、ありがとうございました。

   
127 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)16時03分54秒
めっちゃ面白い!原作も読んでみたいなぁ。

某板ってどこですか?なにせ板が多いもんで・・・。
絶対に探しますっ・・・・・・でも、もしよかったらおしえてほしいなぁ(ボソッ
128 名前:名無し作者 投稿日:2001年09月18日(火)15時48分15秒
>>127
レス有難う御座います!
 原作の方が面白いと思うので(^_^;
 ぜひ読んでみて下さい☆

Converted by dat2html.pl 1.0