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運命のいたずら

1 名前:TONBA 投稿日:2001年09月04日(火)20時30分56秒
タイトルにセンスを感じない・・・。
でもやります!
2 名前:石川梨華 投稿日:2001年09月04日(火)20時36分20秒

私はマネージャーと一緒にベンチに座っていた。
「今日は、事務所の車が全部修理中と言う、珍事のため、バスで行くから。」
といわれたので、今はバスを待っているんです。
野球帽(ピンク色)を深くかぶり、サングラスをかけて、さっき買ったばかりの
雑誌を読んですます。
その雑誌は、かなり阿呆な妄想が混じっているんです。
「・・・最近、新人死神がデビューしたため、本来なら長生きする人が早死にする
 ・・・って、こんなことありますか!もっとマシな雑誌はなかったんですか〜?」
「・・・あの本屋は、こんな本しかなかったんだ。あとはもっとオカルトティック
 な雑誌しかなかった・・・。」
「・・・今度からは、本屋を選びましょう。」
「そうだな。」
3 名前:石川梨華 投稿日:2001年09月04日(火)20時37分19秒

と、そこに黒い猫が歩いてきました。
気にとめず、その本でまわりに見えないように顔を隠す私。
しかし、なんとなく気になり、ちらちらとその猫を見る。
気になってしまうので、本を閉まっては開けて、の繰り返し。
「どうしたんだ、石川?」
「え、いや別に・・・・・。」
私はそっけなく答えると、再び雑誌に目を戻した。
(でも、この内容、馬鹿みたいだよね〜。)
馬鹿らしくなり、携帯電話を取り出し、メールを打ち、送信する。
「石川!もうすぐ電車がくるぞ。」
肩を叩かれ、私は立ち上がりました。
4 名前:訂正 投稿日:2001年09月04日(火)20時38分01秒
電車ではなくバスです。
申し訳ありません。
5 名前:石川梨華 投稿日:2001年09月05日(水)18時14分20秒
そのとき、先ほどの黒猫が近くにいた不良っぽい男子高校生グループに
いじめられているのに気付いきました。
「け!先公のやろう!俺らを目の敵にしやがって!」
「ピアスしたらいけね-のか!あ〜はら立つぜ。」
「しかしこれは面白いな。」
彼らは、笑いながら猫を蹴っており、その表情に、悪意は全く感じられない。
「マネージャーさん・・・。」
私はマネージャーの肩を叩き、その光景を指差す。
「・・・ったく、最近の高校生は・・・。ちょっと注意してくるよ。」
私のマネージャーはそう言って、彼らのもとへ歩いていった。
私はそれを少しはなれたところで傍観。
口頭で注意しているマネージャー。
が、突然その高校生に殴られる。
驚いた私は、急いでそこに向かいました。
6 名前:石川梨華 投稿日:2001年09月05日(水)18時15分18秒
「ちょっと、やめてください!」
「んだよテメー!」
うわー!メンチ切られました!
その視線に少しビビって、後ずさりする。
足元には倒れたマネージャーがいる。
「文句あんのかよ?」
「こ・・・・・この猫ちゃんがかわいそうじゃないですか。」
「はぁ、けんかうってんのか?」
「・・・・・・・・・。」
「何とかいえよ。」
ドンと押される。
私は転がっているマネージャーに躓き、道路に転がる。
「け!気分悪いぜ!おい!行こうぜ!」
そう言って、高校生グループはその場をすぐに立ち去った。
7 名前:TONBA 投稿日:2001年09月05日(水)18時15分56秒
石川は頭をうった衝撃で意識がもうろうとしている。
そこにトラックが通った。
「石川!逃げろ!おい!立て!」
マネージャーがそう叫ぶが、石川の耳には届かない。
道路に大音量でクラクションが響く。
寝返りをうつ石川。
道路のど真ん中に寝転んでしまった。
トラックは止まらない。
8 名前:吉澤ひとみ 投稿日:2001年09月06日(木)18時03分51秒
「はい!もう一回今のところいくよ。」
夏先生が号令をかける。
私たちプッチモニ。(ごっちんを除く)は、既に練習を終えている。
たんぽぽ(無断遅刻の梨華ちゃんを除く)は、今練習している。
普段ならすぐに終わるのだが、今日は体にキレがない。
それは見てる私にもわかる。
保田さんは、少し上の空でどこか飯田さんがはいってるし・・・。
まぁ、梨華ちゃんとごっちんの2人がいないんだから
本腰入れて練習できなくて、気が抜けるのはわかるけど。
それにしても、なんか、だれすぎだろう。私も含めて。
9 名前:吉澤ひとみ 投稿日:2001年09月06日(木)18時07分37秒
「保田さん、どうしたんでしょうか?」
ボーっとしていた所に急に声をかけられたものだから
ビクッと体を震わせて、こちらを向いた。
「はぁ?何よ。どうしたの、急に?」
「・・・なんか今日、みんな元気ないような気がするんですけど・・・。」
「そうだね・・・。なんかさぁ、さっきから石川の事が頭から離れないんだよね。」
「弟子思いですね。」
「そんなんじゃないわよ。」
そう言って、保田は寝ている安倍のほうを向きながら話す。
「そうですか・・・それにしても、梨華ちゃん、どうしたんでしょう?」
「さぁ?マネージャーさんがついてるのに、どうしたんでしょうね。」
10 名前:吉澤ひとみ 投稿日:2001年09月06日(木)18時08分15秒
そのとき、練習場の扉が、バーンと開けられた。
「なんですか?今、練習中なんで・・・。」
夏先生が、入ってきたマネージャーを怒る。
「それどころじゃなくなりました・・・。」
部屋にいるみんながマネージャーに注目する。
「石川さんが5分ほど前・・・・・・。」
隣にいる保田さんは、絶句。
飯田さんや加護ちゃん、辻ちゃん、矢口さんは汗を拭く手が止まっていた。
安部さんは、その異様な空気を察して、起きたらしい。
新メンバーは、ただうろたえているだけ。
多分、私がこのなかで1番ショックだったんだと思う。
11 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月06日(木)23時41分54秒
なんとも先が気になる展開・・
期待してます。
12 名前:通りすがり 投稿日:2001年09月07日(金)02時10分08秒
ペラペーラきでもナターノカ?
13 名前:TONBA 投稿日:2001年09月07日(金)23時59分47秒
>11
サンキュー
>12
簡単な日本語でお願いします。

今から更新です。
14 名前:TONBA 投稿日:2001年09月08日(土)00時00分27秒

「仕事を休んでまで行くほどの事なのか?」
私は携帯でマネージャーに連絡をいれた。
今日は体の調子が悪い。
それだけの理由で休めない事はわかっている。
でも無理を言って、休みにしてもらった。
これがテレビ番組ならともかく、今は合同レッスンの最中。
何とかすればスケジュールの変更はできるだろう。
新メンバーが入って初めての合同レッスンだったのに
先輩がこれじゃ示しがつかないよ〜。
15 名前:後藤真希 投稿日:2001年09月08日(土)00時01分19秒
でも、今日の体調では満足に歌う事も出来ないし
何より、練習中、倒れてしまうかもしれない。
現に病院に行く電車内でも、何度かめまいが来た。
このだるさはただだるいだけじゃない気がするし
疲れてるだけかもしれない気もするし・・・。
こんな不安な気持ちで上手に歌を歌う事や、満足に踊る事は出来ない。
不安な気持ちを払拭したいがために休むのだ。
病院についた私は早速診断してもらった。
「・・・・・とりあえず、今日は入院しましょう。」
といわれた。
とりあえず点滴をうった。
少しからだが楽になった気がした。
病室に連れて行かれた。
着替えは家に電話して、1番暇そうなユウキに持ってきてもらうことにした。
着替えといっても一泊なのでそんなたいした量ではないから
すぐにくるだろう。
16 名前:TONBA 投稿日:2001年09月08日(土)00時01分49秒
わかってくれると思いますが、14は後藤真希です。
17 名前:後藤真希 投稿日:2001年09月08日(土)22時54分54秒
そう思って、寝ようとしたとき、気付いた。
携帯電話の電源が入ってることを。
慌てて消そうとしたけど、見たらメールが入ってる。
「誰からだろう?」
そう思った私は、そのメールを見た。
『( ´ Д `)へ 今日、お休みなんだってね!体調悪いの?
 病院行って、お医者さんに見てもらって、早く治すように! ( ^▽^)より』
すぐに携帯の電源を切った。
(ったく・・・毎日、すんごく冷たく振舞ってんのに
 どうして石川は私にメールを出すんだろう?馬鹿じゃない?返
 事返ってきてないのわかってるくせに。)
とりあえず喉が渇いたので、ジュースを買おうと1階まで降りた。
自動販売機の前で、財布を取り出し、100円玉と、10円玉を2枚、入れる。
飲茶楼を買った。
それを、取ろうとしたときだった。
ふと、横を見ると、たくさんの女の子が車から降りてきた。
(あれ?あれって娘。じゃん!もしかして、私の見舞いに・・・!)
と思って、飲茶楼を取ると、とりあえず圭ちゃんに手を振った。
18 名前:後藤真希 投稿日:2001年09月08日(土)22時55分30秒
「圭ちゃん!」
なんだか様子がおかしい。
両わきを小川と新垣に支えられ、なきながら歩いている。
「あ、よっすぃー!」
よっすぃーのも声をかけたけど、やぐっつぁんに、なんか励まされている。
しかも、2人とも私に気付いていない。
不審に思った私は、車から出遅れていた加護を捕まえた。
「加護、ねぇ、なんで今日ここに来たの?」
加護も、目は潤んでいる。
「後藤しゃんは・・・ヒグッ・・知らないんですか・・・ウグッ・・・・。」
「何?私の見舞いじゃないの?」
「梨華ちゃんが・・・・梨華ちゃんが・・・・。」
私は手に持っていた飲茶楼を落としていた。
19 名前:一読者 投稿日:2001年09月09日(日)00時21分50秒
続きが気になります。
焦らず、ゆっくりと進めていってくだされ。
20 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月09日(日)02時02分11秒
先が気になる良い展開。
ガンバレ!
21 名前:後藤真希 投稿日:2001年09月10日(月)21時41分58秒
葬式会場の玄関、来てもらう人に挨拶をするメンバーがいた。
石川の両親の計らいで、親戚の列に入れてもらった。
式場の前には、たくさんの報道陣がいて、来る人たちにインタビューしている。
それも、先ほどの両親へのインタビューと比べれば、まだましだ。
両親は、明らかに動揺していたのに、マスコミはインタビューをして
精神的に追い詰める。
そのせいか、石川の両親は、玄関には出てこない。
それよりも、メンバー達には、もっと心配な事があった。
「ごっちんがきてないよ。」
「よっすぃ〜もきてないよ!」
大慌てのメンバー。表情には出さないものの
目線がうろうろしているのが、あわてっぷりを表している。
「どうする電話する?」
「それがいいよ。じゃあ、圭織、電話してくる。」
そんな会話の後、飯田は列から姿を消し、少しはなれたところで
携帯電話を取り出し、電話をした。
22 名前:TONBA 投稿日:2001年09月10日(月)21時42分32秒
10分後になって二人は一緒にやってきた。
吉澤のほうは、よほど泣いたらしく、目は真っ赤になっている。
病院での入院を取り消してもらった後藤のほうは、目が赤くない。
・・・目薬かなんかであろう。目から液体がこぼれている。
TVを意識してだろう。
メンバーは、表の報道陣から二人を守ってあげると、2人を式場の中へ。
式場の中では、著名人が顔をそろえている。
ハロプロメンバーにつんくなどなど・・・・・。
後藤のほうを見てみると、後藤はほかのメンバー達と違い、涙1つ見せない。
悲しくないのかと思ったが、それは違ったようだ。
ほかのメンバーと違い、現実が受け入れられないようだ。
彼女の遺体をこの目で確かめるまでは・・・・。
23 名前:TONBA 投稿日:2001年09月10日(月)21時43分38秒
ゴメン。
21は俺、TONBA。

>>19,>>20
ありがとう!
がんばるよ。
24 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月11日(火)00時41分49秒
石川さん・・・(涙
切ないっすね。
25 名前:TONBA 投稿日:2001年09月12日(水)23時55分22秒
通夜も終わり、娘。は帰ったり、控え室で寝てたりと、ばらばらになった。
後藤は残り組み。
他にも何人かいるようだが、もう暗いので、眠ってしまったようだ。
後藤は起き上がると、石川の棺の前に立ち
何か思いつめたような顔をしていた。
26 名前:TONBA 投稿日:2001年09月12日(水)23時55分59秒
そして、覚悟した様子で、棺の顔の蓋を開ける。
強く閉じていた目をゆっくりとあけて、石川の顔を見る後藤。
死因は全身打撲の出血多量と聞いていたので、酷い顔を予想していただろう。
後藤の予想に反して、石川の顔は綺麗に化粧されていた。
顔の色から見て、本当に死んでしまったんだと
後藤はこのとき始めてわかったらしく、蓋を閉めると
その場に崩れて、泣き始めた。
そのとき、控え室から音がした。
後藤は横を向き、その姿を確認すると、その胸に飛び込んだ。
「ううっ・・・梨華ちゃん・・・。」
「・・・・ごっちん・・・。」
自分も泣きたいのを必死にこらえ、頭をなでる吉澤。
「・・・もっと優しくしてあげれば良かった!
 もっと遊んであげれば良かった!もっと・・・・。」
「もういいよ、ごっちん・・・。」
吉澤の胸でなく後藤の頭をなでる吉澤。
その後、後藤は泣き疲れて眠ってしまった。
「・・・梨華ちゃん・・・。」
後藤を布団にねかせ、吉澤は1人、石川を思いながら屋上で泣いた。
辛いのは、後藤だけではないのだ。
27 名前:通りすがり 投稿日:2001年09月13日(木)18時32分22秒
そ・そんな殺生な!!
うわーん!!
28 名前:TONBA 投稿日:2001年09月14日(金)23時23分28秒
告別式の日、後藤が起きた時には、既にみんな集まっていた。
後藤は急いで喪服に着替え、数珠を持ち、外に出た。
式場の人と打ち合わせしてる石川の両親を横目で確認して、みんなの所へ。
娘。の新メンは式場の入り口で受付をしていた。
残りは、親族の席で挨拶。
後藤もその列に急いで加わり、挨拶をする。
その姿を、横から吉澤が見ていた。
その視線を感じた後藤が、吉澤のほうを向いたが
吉澤は既に前を向いて、来た人に挨拶していた。
(よっすぃ〜・・・昨日はありがとう。)
心の中で感謝して、再び正面を向いた。
29 名前:吉澤ひとみ 投稿日:2001年09月14日(金)23時24分11秒
出棺、火葬が終わり、二日ぶりに家に帰った私は、いろいろ考えていた。
明日、りかちゃんの追悼番組の生放送があり、娘。は休む暇がないな〜。
本当は、梨華ちゃんが死んだ事で、娘。本体を活動停止にしてもいいらしいんだけど、不幸な事に梨華ちゃんの死が、写真集の売上を伸ばし、ザ☆ピースをもう1度TOP10に戻した。
だから、稼げる時に稼いでおこうと言う社長の方針で、活動停止は無しになったそうだ。
まぁ、芸能人だから仕方ないけど。心配なのはごっちん。
梨華ちゃんが死んじゃった事で、かなり参ってるっぽいし、なんでか罪悪感を感じてるみたいだし・・・。
あんな女の子のごっちんを見ると、ちょっと心配だなぁ〜・・・・。
・・・・・・よし!決めた!ごっちんは私が守る!
30 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月15日(土)05時04分55秒
お?よしごまかな?
31 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月15日(土)11時09分42秒
おお、石川が初っぱなで死亡!なかなか見ない展開ですね。
タイトルの「いたずら」がどんな「いたずら」なのか期待してます。
32 名前:TONBA 投稿日:2001年09月17日(月)00時02分00秒
次の日の、石川梨華哀悼番組の本番前の楽屋で、吉澤は後藤に話し掛けた。
「ごっちん、昨日眠れた?」
「う〜ん・・・それがあんまり・・・・。」
少し笑って返事をする後藤。
吉澤にはそれが作り笑いのように思えた。
それは、あの日の出来事が、心の中でものすごい割合を占めているからである。
「・・・あのさぁ、ごっちん。大切な話があるんだ・・・。」
「・・・なに?」
また作り笑いを浮かべる後藤。
「・・・放送が終わったらさ、ちょっと一緒にきてよ。」
「?」
そう告げると、吉澤は矢口の元へと行ってしまった。
一人になった後藤の元には、小川と保田が寄ってきた。
3人で話をしている間も、後藤の頭の中には、吉澤のことでいっぱいだった。
(よっすぃ〜、どうしたんだろう?大切な話って・・・・。)
後藤はその疑問を持ったまま、生放送に向かった。
33 名前:追悼番組の内容 投稿日:2001年09月17日(月)00時04分02秒
追悼番組ということで、いつも飯田が率先してやっている掛け声は無しだった。
当然といえば当然の判断である。
まず、石川の歴史から始まり、オーディションの時の印象をつんくに
ビデオで言ってもらったり、芸能界で親交のあった著名人のビデオを流した。
石川の最初で最後の写真集を撮影した田川さんからもビデオレターが届いていた。
みんな言う事は「いい子でした。」と、統一されている。
この番組は、本当に石川を追悼する気があるのか?
と一瞬思ってしまう内容のものまであった。
でも、ラストの場面、つんくがこの番組のために編曲した
「I WISH〜dedicate to RIKA ISHIKAWA〜」を歌った場面で
みんな泣き出すという、ハプニングもあった。
そして、石川梨華追悼番組は、一応終わった。
34 名前:TONBA 投稿日:2001年09月17日(月)23時40分13秒
追悼番組終了後、後藤は先に楽屋を出て行った吉澤の待つ地下駐車場へ。
後藤は吉澤に言われた大切な話の内容がとても気になり、急ぐ。
駐車場には天井を見上げ、ため息をつく吉澤がいた。
「よっすぃ〜!」
駐車場に後藤の声が響く。
「ねぇ、大切な話って何?」
「あのさぁ、今、タクシーよんでるから、ちょっと待ってて。」
そう言うと、うつむき、再びため息をする。
後藤は吉澤の行動の意味がわからない。
とりあえず、静かなのが嫌なんで話し掛ける。
「今日の曲、どうだった?」
「つんくさん頑張ったと思う。」
話が続かなくなり、再び嫌なムードが流れる。
そこにタクシーがやってきた。
35 名前:TONBA 投稿日:2001年09月19日(水)23時52分53秒
「すいません。この住所まで行ってくれますか?」
そう言ってメモを渡す吉澤。
「わかりました。」
そう言って、車を発進させる運転手。
後藤はどこに行くのかわからず、吉澤に質問する。
「ねぇ、よっすぃ〜。いったいどこに行くの?」
「ついてからの秘密だよ。」
そう微笑んで返事する吉澤。
後藤は走る車の景色を見ながら、今日のことを思い出していた。
(どうしてだろう・・・生放送中になきたくなるなんて・・・。
 24時間TV以来だよ・・・・収録中に本気で泣くの。)
特に悲しかったわけではない。
悲しくても、いつもの自分なら我慢できたはず。
そのときの感情を思い出し、再現しようとするが
そのとき降りてきた不思議な感情を再現する事は出来なかった。
36 名前:TONBA 投稿日:2001年09月19日(水)23時53分34秒
タクシーが止まった場所は、まだ新しいマンションの前だった。
「お客さん、料金は1190円になります。」
料金を払い、二人は降りる。
「ねぇ、よっすぃ〜、どこに行くの?」
「ちょっとだけついてきて。」
そう言って、そのマンションの中に入っていく吉澤を
後藤は慌てて追いかける。
エレベーターで上の階に上がる2人。
その中で、吉澤はため息ばかりついている。
後藤は何が行われるのか心配になってきた。
(変なこと・・・されないよね?)
後藤の脳裏にいろんな悪い事が浮かぶ。
37 名前:TONBA 投稿日:2001年09月20日(木)23時51分55秒
部屋の扉の前で立ち止まり、ポケットから鍵を取り出す吉澤。
鍵を開け「はいって」と一言いい、自分も入る。
後藤も玄関で靴を脱ぎ、吉澤に続く。
吉澤が電気をつける。
部屋の全貌が明らかになる。
リビングには、何もない。あるのは蛍光灯だけ。
「ねぇ、話を聞いて欲しい・・・・。」
今までまともに話をしてなかった吉澤が
マジメな顔になって、後藤のほうを向く。
後藤も吉澤に影響されて、背筋を伸ばす。
「ごっちん・・・あのね・・・。」
そこまで言うと、吉澤は一度大きく深呼吸をする。
「一緒に住もう。」
驚きの発言に、後藤は「え?」と答えるだけだった。
後藤には吉澤の意図が全く理解不能だった
38 名前:後藤真希 投稿日:2001年09月20日(木)23時52分33秒
はぁ?何言い出すの?
一緒に住む?誰と?
・・・よっすぃ〜とだよね。
え?どう言うこと?
よっすぃ〜、もしかして私の事・・・。
きゃ〜!もしそうだったら、ちゃんと断らないと・・・。
私にはそんな趣味はないって。
39 名前:吉澤ひとみ 投稿日:2001年09月20日(木)23時53分08秒
うわ〜!混乱した顔してるよ〜!
・・・やっぱり混乱するよね。
・・・ちゃんと説明したほうがいいかな?
誤解されちゃやだもんね。
ごっちんのこの顔は、完全に私を疑ってるし・・・・。
あ〜あ!
やっぱり、だめかな〜?私じゃ・・・ごっちん守れないかな・・・。
40 名前:TONBA 投稿日:2001年09月21日(金)23時01分32秒
2、3日休むかもしれません。
41 名前:TONBA 投稿日:2001年09月23日(日)21時35分25秒
「あのね・・・。」「えっと・・・。」
後藤と吉澤は同時に声を出した。
「あ、よっすぃ〜から言ってよ。」
「いや、やっぱりごっちんから・・・。」
そういわれて、後藤は仕方なく先に答えた。
「あのね、私・・・よっすぃ〜の事、好きだけど・・・
 その・・・そんな関係にはなれないって言うか・・・。」
「え?何言ってるの?」
「だからその・・・よっすぃ〜は私の・・・体が目的なんでしょ?」
吉澤はビックリして否定する。
「なにいってるの!私にはそんな趣味はないです!」
少し怒った表情を顔に出す。
「あのねぇ、私はごっちんが心配だから・・・・。」
「・・・私が心配?・・・私のどこに心配する要素があるの?」
後藤が吉澤に詰め寄る。
42 名前:TONBA 投稿日:2001年09月23日(日)21時36分24秒
吉澤は詰め寄る後藤に言った。
「ごっちん・・・梨華ちゃんが亡くなってからおかしいよ。
 梨華ちゃんが生きてる時は、梨華ちゃんのことなんてどこ吹く風?
 って感じだったジャン!」
「・・・そうかもしんない。」
そう言って、後藤はうつむいた。
でも、すぐに微笑みながら顔を上げた。
「ストレスのはけ口がなくなったっちゃからね!」
「・・・そうなの?」
「多分そうだよ。同棲の件ね、いいよ。」
「ほんと!」
吉澤はとても嬉しそうだ。
「じゃあ、明日からここに住もう!ここはね
 私の伯父さんのマンションだから、優先的に貸してあげるって!」
そう言う吉澤は満面の笑みを浮かべている。
「じゃあ、日程が決まり次第、とりあえず生活用品とか持ってくる。」
後藤は微笑みながらそう言った。
家具は吉澤が持ってくるらしい。
それで、その日は2人、今住んでる家へと帰っていった。
43 名前:後藤真希 投稿日:2001年09月24日(月)21時57分33秒
オフなので引越しの準備をするぞ!
よっすぃ〜からはメールで契約をしたからすぐにもいっしょにすもうよ!
って言う知らせが着てたから、荷造りしてる。
お母さんからは、吉澤さんならって許しを得てるけど、ユウキは少しすねてるみたいだ。
まぁ、私と何の関係もないんだけどね。
あ、これは・・・・持ってこうかな・・・。
・・・・・・・一応入れとくか・・・・。
・・・・思い出だし・・・。
44 名前:TONBA 投稿日:2001年09月30日(日)21時59分38秒
トラックが後藤の家の前に止まる。
助手席からは、吉澤が飛び出してきた。
「ごっち〜ん!ここに荷物入れてね〜!」
後ろのシートの入り口をめくり、先導する。
「よっすぃ〜も手伝ってよ〜!」
ダンボールを持ちながら、後藤が頬を膨らます。
「わかったよ。で、何をもってきたらいいの?」
「私の部屋にあるダンボール箱。」
「うん。わかった。」
吉澤は後藤の家の中に入っていく。
(ふ〜・・このままサボっちゃうか。)
吉澤ならこのままここで座っていてもやってくれると思っている。
案の定、吉澤は文句を言いながらも、残りのダンボール箱を全て運んだ。
「後ろに乗る?」
「うん。1度乗ってみたかったし・・・。」
二人は、後ろの荷物入れに乗り込んだ。
45 名前:TONBA 投稿日:2001年09月30日(日)22時00分14秒
中は暗いので、懐中電灯をつける。
「思ったより、狭いね・・・。」
「うん・・・。」
荷物を入れたせいか、ちょっと狭い。
「・・・こう暗いとさ、あの時思い出すよね・・・。」
吉澤が天井を身ながら言う。
「そうだね・・・。」
「あの時はさぁ、マジ、ビビッたよね」
「そうだね。」
「でもさぁ、あれが梨華ちゃんといった最後の場所なんだよねぇ・・・。」
「星がさぁ・・・綺麗だったね。」
「・・・雨降ってたけどね。」
「・・・梨華ちゃん、恐怖で震えてたもんね。」
「・・・やめよう。・・なんか悲しい気持ちになってきた・・・。」
下を向く吉澤。
おそらくその目には、光るものがたまっているのだろう。
後藤の目にも、少したまっている。
46 名前:TONBA 投稿日:2001年09月30日(日)22時00分53秒
その後、二人は部屋に荷物を入れ、引越しそばを食べた。
テレビも周波数を合わせ、冷蔵庫に近くのスーパーで買った物を詰める。
そして、料理当番を決めた。
そのほとんどが吉澤で、後藤は吉澤がいないときだけ。
そして、その夜、奇跡のようなことがおこった。
でも、それは必然的に起こった現象かもしれない。
それでも、そのときの二人には奇跡としか思いようが無かった。
47 名前:TONBA 投稿日:2001年10月03日(水)22時49分29秒
読んでる人がいるかどうか不明だがとりあえず報告。

日曜、または土曜のみの更新と言う方針をちょっとの間、とります。
でも、今日は、おまけ更新。
48 名前:TONBA 投稿日:2001年10月03日(水)22時50分24秒
共同生活4日目のよる。
それは起こった。
その日は共同生活実施後、始めての料理当番だった。
と言っても、吉澤の帰りが遅い日なので、必然的にそうなったのだが・・・。
料理が一通り終わり、台所から出て、テーブルの椅子に座る後藤。
脳裏には、石川のことが。
49 名前:TONBA 投稿日:2001年10月03日(水)22時50分59秒
(・・・・・まったく・・・かっこいい死にかたしちゃって・・・。)
石川の死は、芸能界にある程度の衝撃を与えた。
しかし、それ以上にファン、芸能関係者に大きな印象を与えた。
大半の大人が躊躇する、非行少年達への注意。
そんなことのできる人物が娘。に存在したと言う事。
それが、ここ最近、注意する大人が増えた事に関連しているのは言うまでも無い。
そんな事を考えながら、ボーっと遠くを見ていると、人の気配がした。
反射的に玄関を見る。
そこには、今まで全く見なかった人物がいた。
「・・・い・・・し・・・か・・・わ・・・・?」
後藤は一言ずつ確かめるように言った。
50 名前:もち 投稿日:2001年10月04日(木)00時29分46秒
読んでますよ〜
がんばってください
51 名前:一読者 投稿日:2001年10月04日(木)14時10分34秒
楽しみに読んでいますよ。週末の更新、期待しています。
52 名前:TONBA 投稿日:2001年10月07日(日)00時07分24秒
石川の姿は、後藤が想像していた幽霊像と異なっていた。
後藤の想像では足が無いが、石川には足がある。
そして、白装束と言うイメージだが、そんな事は無い。
死んだ時にきていた服である。
「ごっちん・・・久しぶりだね。」
石川は後藤に微笑みながら言った。
そして一歩ずつ近づいて行く。
「ちょ・・・まって!来ないで!」
後藤も一歩ずつ下がる。
「どうして?どうして?」
石川が立ち止まる。
「私と話したがってたじゃない。遊びたがってたじゃない。あれはウソ?」
首を振る後藤。
「違う!・・・ウソじゃないよ・・・。」
少し視線をそらす。
「・・・ただ、急すぎて、心の準備が・・・。」
「私が怖いの?私は石川梨華よ。」
「そうじゃない!ただ・・・ビックリしてるだけ!」
そう言った時だった。
いきなり玄関が開いた。
「ごっちん!外にまで声が聞こえるから急いできたんだけど・・・。」
ドアを開けて、吉澤が目にしたものは、後藤ではなく・・・。
「うわぁ!ゆ、幽霊?」
「幽霊なんて・・・よっすぃ〜ひどいよ〜!」
石川は泣き出してしまった。
53 名前:TONBA 投稿日:2001年10月07日(日)00時08分01秒
「・・・というわけなんです・・・。」
その後、落着いた石川が二人に説明する。
「そんなの、信じられないよ。」
「そんな馬鹿な話、本当にあるの?」
二人がお互いに口をそろえて言う。
「はい。だからこうして、幽霊で出てきたんですよ。」
石川が信じられないと言った表情の二人を目の前にして言う。
「でも、どうしてこっちの世界に来れたかがわからないの。」
石川は思いつきで話したように口から出す。
「確かに、向こうの世界で遊んでたはずなの。
でも、気が付いたらここの玄関にいて・・・。」
「私たちと会ったんだね?」
吉澤が石川に言う。
「そう。」
「それはさ、梨華ちゃんに私たちと逢いたいって気持ちが
あったからじゃないかな?」
「へ?」
石川も、黙って聞いていた後藤も少し首をかしげる。
「いや、ほら。思いって、奇跡をおこすこともあるじゃん。
それと同じかなって・・・。」
少し頬を赤らめる吉澤。
54 名前:TONBA 投稿日:2001年10月07日(日)00時09分24秒
その前で、真剣な顔をして、石川が言う。
「そうかもしれない。確かに、あっちでは、逢いたいって気持ちがあったから・・・。」
「でもさぁ、死ぬべきじゃなかったんでしょ?」
今まで黙っていた後藤が急に口を開く。
「なんかその、犬の耳をしたガキが間違ってあんたを死なせちゃったんでしょ?」
「うん・・・。」
「そしたらさ、生き返らせてもらえるのが当然じゃん?
 でも、肉体がこの世に既に無かったら・・・。」
「幽霊になる?」
吉澤が最後をしめる。
「そう。だから、これは奇跡でも、なんでもない。あたりまえの事なんだよ。」
少しイライラしているのだろうか。
爪を噛んでいる。
55 名前:TONBA 投稿日:2001年10月07日(日)00時10分17秒
「ごっちん・・・どうしてそんなにイライラしてるの?」
「そうだよ。せっかく梨華ちゃんが・・こんな姿でも・・帰ってきたのに・・・。」
二人の言葉を聞き終わるとバンとテーブルを叩き、立ち上がる。
「うるさいよ!だいたい、今ごろになって帰ってくるなよ!」
「え・・・でも、さっきお話したいって・・・。」
「あれは、あんたをだますためのウソだよ!間違えて死神に殺されたぁ?
 そんな事ある分けない!馬鹿じゃない!」
そう言うと、後藤は自分の部屋に閉じこもった。
「私・・・なんか寒い事言ったかな?」
石川が吉澤を見る。
「・・・・今日は普通だったんじゃないかな?」
吉澤と石川は見合ったままで、後藤のもとへといけなかった。
56 名前:TONBA 投稿日:2001年10月07日(日)00時13分18秒
以上。
明日の更新予定は、無いです。

>>31(レス遅れました)
どうぞお楽しみに。

>>50,51
ありがとうございます。
頑張らせていただきます。
57 名前:TONBA 投稿日:2001年10月13日(土)23時50分51秒
・・・はぁ〜。
いきなり出てくるなっての!
こっちに事前連絡してから出てこいよ!
・・・それにしても、かわいそうだな。
死んだから死神に連れられて天界に行ったら、間違いだったって・・・。
だから、残りの年数、ここで過ごしてもらうと言われて
入れられた「余生の部屋」。
そこで、3日すごして、気がついたら、こっちにきてた。
・・・信じられないよ。
・・・・・・・・・・・・・これからどうしよう・・・・・・・。
58 名前:TONBA 投稿日:2001年10月13日(土)23時51分24秒
部屋から後藤が出てきたのは、それから4時間後、午前4時だった。
「おはよう・・・・。」
寝ぼけて部屋から出てきた後藤が見たのは、椅子に座っている石川だった。
「なにしてんの?」
その問いかけで、石川は後藤に気がついた。
「ああ、おはよう・・・・。」
「あのさぁ、なにしてんの?」
「え・・・幽霊だとさ、眠たくなんないの。」
そういいながら、頭を掻く石川。
「へぇ・・・。お腹すいたりもしないんだ。」
「うん。」
「それじゃ・・・。」
言いかけて後藤は思い出した。
「どうしたの?」
「うるさい。」
そう言って、後藤は冷蔵庫に手を掛ける。
「ねえ、どうして急にそんな態度するの?」
「はぁ?うるさい。黙ってて。」
そう言って、二人の会話は終了した。
それは、その後、同時に吉澤が起きたからだ。
「うるさいよ〜。何時だと思ってんの?」
59 名前:TONBA 投稿日:2001年10月13日(土)23時52分16秒
吉澤が作った朝食を軽く食べる後藤。
吉澤がご飯を作るのはいつもの事だが、いつもと違う事が1つある。
目の前に石川がいる事だ。
その石川は、頬杖をつきながら、吉澤を見ている。
「ん?何?」
その視線に気付き、台所で自分の朝食を作っていた吉澤が振り返る。
「ふふふ・・・なんかよっすぃ〜、かっこいいなぁ〜と思って・・・。」
「な、なんだよ〜。」
「かこいいなぁ〜。」
顔を赤らめる吉澤。
すると後藤が、吉澤を睨んで、言った。
「よっすぃ〜、私、先行くから。」
椅子においてあったカバンを取り、早足で玄関まで行く。
「ちょっと待ってよ。私まだ御飯食べてないよ。」
「別にいいよ。ゆっくりお二人で食べな。」
ばたんと大きな音を立てて、ドアが閉まる。
残された二人は顔を見合わせる。
「私が悪かったのかな・・・。」
石川がうつむいて言った。
「いや、そうじゃないと思うよ。」
「でも・・・。」
「私のせいだよ・・・。」
吉澤はうつむき加減で、つくった朝食を食べた。
60 名前:TONBA 投稿日:2001年10月13日(土)23時53分03秒
いつもより早く出たので、何もする事の無い後藤。
楽屋についても、先にいたメンバーが騒いでいる。
後藤の周りには、今朝の、吉澤との一件で怖いオーラを
かもし出している後藤に近づくものはいなかった。
その結果、後藤はなんだかいづらくなり、外に出て
ぶらぶらと散歩しようと思った。
ドアに手を掛けた時、それに気づいた飯田が声をかけた。
「あのさぁ〜。後藤、圭ちゃんがトイレ行ってから帰ってこないの。」
「ふ〜ん。」
「だからさぁ、探してきて。」
「いたら、声かけるよ。」
そう言って、ドアを閉めて外に出て行った。
きっと後で、態度が悪いと飯田に怒られるだろうと、思いながら
とりあえず、どこかへ歩いてみた。
61 名前:TONBA 投稿日:2001年10月13日(土)23時56分01秒
更新は以上です。

ようやくここか・・・と思いつつ、進んでいる事に感動する俺・・・。
62 名前:TONBA 投稿日:2001年10月21日(日)22時55分33秒
今週はテストのため、更新できなかった・・・。
来週、更新します。
63 名前:TONBA 投稿日:2001年10月28日(日)20時46分23秒
ふと、視界の先に、窓の前で何かしている人がいた。
(何してるんだろ?)
その人は、何か決心したような表情で、窓をあける。
(うん?あれは、圭ちゃんじゃない?)
「圭ちゃん!」
声をかける後藤。
その声を聞いて、ビクッと体を震わす保田。
「近寄らないで!」
大きな声で、後藤に言う。
その声で、周りの人もそれに気付く。
「な、なに?何してるの?こんなところで。」
「来ないで!」
少し近づいた後藤にそう叫ぶ。
「私は・・・今から石川のところに行くのよ・・・。」
そう言って、窓枠に足をかける。
64 名前:TONBA 投稿日:2001年10月28日(日)20時49分12秒
「ちょっと圭ちゃん!」
後藤が数歩駆け寄る。
「動かないで。それ以上近づいたら、飛び降りるよ!」
「どうせ飛び降りるでしょ!」
そう言って、さらに近寄る。
「近寄るなって!」
そう言った時だった。
保田は足を滑らせて、落下しそうになる。
(落ちる・・・。)
そう思った保田が、無意識に手を伸ばす。
その先には、後藤の手があった。
「圭ちゃ・・・・。」
後藤が窓から、上半身を乗り出して保田の手を握った形になった。
保田は後藤のおかげでなんとか、落ちないでいる。
「・・・はなしてよ。」
保田はそう言って、後藤を睨む。
「ダメだよ・・向こうに行っても・・・石川には・・・会えないよ。」
「どうして!石川は死んだのよ!」
「後で会わしてあげるから、上がってきて!」
「ウソよ!石川は死んだのよ!」
「信じられないかも・・・しれないけど・・・いるのよ。すぐ近くに・・・。」
そう会話してるうちのも、後藤の体は、徐々に保田の重みによって
引っ張られていく。
65 名前:TONBA 投稿日:2001年10月28日(日)20時50分26秒
「だから・・・死ぬなんていわないで。」
そう言われて、うつむく保田。
「今・・・手を離さないでって、思ったでしょ?」
後藤が少し微笑みながら、そう言う。
「・・・うん。」
と、保田が上を向いた時だった。
ものすごい風が吹き、保田の体が、揺れる。
その衝撃で、踏ん張っていた後藤の足は浮き上がった。
「きゃーーー!」
後藤の足が、窓枠をこえようとしたそのときだった。
後藤の足を、誰かがつかむ。
「大丈夫かーー!」
近くにいた男達が、やっと助けてくれた。
66 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
( `.∀´)ダメよ
67 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月29日(月)21時37分42秒
展開が読めない・・・
いや面白いっすよ!!
68 名前:TONBA 投稿日:2001年11月03日(土)23時05分21秒
人気のないところにある椅子に座り、下を向く保田。
ブーンと言う音がする自動販売機が目の前にある。
「はい、これ。」
と言って、自動販売機で買ったコーヒーを渡す。
助かったとはいえ、まだ少し動揺しているようだ。
それもそのはず。
死んだはずの石川に会えるというのだから。
後藤は保田をそこに座らせたまま、少し離れた所から携帯で電話した。
「もしもし…。」
『もしもし?ごっちん?』
「あ、あのさぁ、石川いる?」
『…いるけど…何?』
「圭ちゃんがさぁ、石川に会いたいって…。だから連れてきて。」
『わかった。』
「ありがとう。」
『あ、そうだ。ごっちん…。』
「なに?」
少し、間があく。
『…朝はゴメンね。』
そう言って、吉澤は電話を切った。
後藤は、携帯をゆっくりとおろした。
69 名前:TONBA 投稿日:2001年11月03日(土)23時06分07秒
よし。
朝の失態の事は謝って、ごっちんとの仲、修復したな。
えっと…用件は、梨華ちゃんを連れてこいだったっけ?
…保田さんが会いたがるのもわかるけど、見れるかな?
ま、いっか。
とりあえず、連れて行くか。
「梨華ちゃ〜ん!」
70 名前:TONBA 投稿日:2001年11月03日(土)23時08分24秒
楽屋で、吉澤の到着を待つ後藤。
ちゃんと、石川を連れてきてくれるかどうか、とても心配だった。
「(本当に来るんでしょうね?)」
小声でヒソヒソと保田が後藤に言う。
「(大丈夫です。私に任せてください。)」
そう言って、時計を見た。
集合時間はまで、後10分。
いつもの吉澤ならもう来る頃だが、まだ来ない。
「(ちょっと!石川は?)」
「(もうちょっと待ってください。)」
そう言って、保田をなだめる。
(それにしても遅いなぁ…。)
時計を見る後藤。
集合時間まで、後5分を切っていた。
71 名前:TONBA 投稿日:2001年11月03日(土)23時10分59秒
>>67
ありがとうございます。
褒め言葉として受け取らせていただきます。

〜訂正〜
69の投稿者欄がTONBAとなっております。
それは、吉澤ひとみの間違いです。
72 名前:TONBA 投稿日:2001年11月12日(月)00時01分16秒
とうとう集合時間をまわってしまった。
「(ちょっと、吉澤こないよ?)」
保田の声が再び後藤の耳に入る。
「(もうちょっと!よっすぃ〜がおくれるわけ無い!)」
保田に耳打ちしながらも、内心、すごいドキドキしている後藤。
(どうしよう。石川がこなかったら……。)
心配する後藤。
そのまま10分が過ぎた。
すると、すくっと保田が立ち上がった。
「後藤のうそつき!」
そう言うと、保田は楽屋の外へ飛び出して言った。
「まって!」
後藤が保田を追いかける。
何かわからないが、ただならぬ予感がして、慌てたメンバーは
新メンを残し、二人を追いかけた。
73 名前:TONBA 投稿日:2001年11月12日(月)00時06分26秒
後藤は扉を開けた。
保田が行ったのは屋上だった。
「圭ちゃん!」
「うるさい!よくも私をだましたね!」
保田が手をぶんぶん振り回す。
とても精神的に乱れているようである。
「ちょっと……圭ちゃん何してるの!」
飯田がその光景を見て驚きの表情を上げる。
保田は後ろにじりじりと下がりながら、屋上の端までせまっていた。
その背中の下には、このビルのトラック搬入口がある。
74 名前:TONBA 投稿日:2001年11月12日(月)00時07分00秒
「私は、石川が死んで、いなくなったこの娘。が好きじゃなかった!」
保田が、皆に向かって言う。
「でも、仕方ないってはじめのうちは思ってた。
 でも、石川に会いたいって気持ちが、日に日に強くなってきて
 ……自分で抑えられなくなって!」
「そんな……でも、死ぬ事ないべ!?」
安倍がみんなの一番後ろから叫ぶ。
「……ごめんね……でも、死んででも石川に会いたいの。」
目から涙を流す保田。
「じゃあね……みんな……今までありがとう……さようなら……。」
保田は目をつむり後ろに倒れた。
目から、涙が数滴落ち、コンクリを濡らした。
みんなよりちょっと前にいた後藤は走り、前のように手を伸ばしたが
靴先にかすれるだけで、つかめなかった。
「圭ちゃーん!」
涙とともに、保田の体は落下する。
75 名前:TONBA 投稿日:2001年11月25日(日)22時14分10秒
保田は落ちていった。
(これで……石川と会える……。)
そう思ったときだった。
急に眼前が暗くなり、その闇の中に保田が一人ぼっちになる。
「ここが死後の世界かな……。石川はここにいるのかな……。」
周りを見るが、暗黒の世界が広がるだけで、何も見えない。
「いや……一人にしないで……こわい……。」
保田は頭を抱えてその場にしゃがみこんだ。
そのとき、一筋の光が見えた。
「なに?」
しゃがんだまま視線だけ光の方を見る。
「石……かわ?」
保田は呟いた。
「お久しぶりです……保田さん。」
保田はその言葉を聞いて立ち上がった。
76 名前:TONBA 投稿日:2001年11月25日(日)22時15分42秒

あたりはシーンとしている。
そして、石川の周り以外は全て暗黒で、石川だけが光って見える。
「保田さん……会いたかったです。」
石川が保田に近寄る。
「石川……。」
保田も石川に歩み寄る。
「よかった……石川にあえて……。」
抱きながら、保田が石川の耳元で囁く。
「保田さん……どうしてここにいるんですか。」
「へ?」
石川に耳元で囁かれて、さっと身を引く保田。
「私……保田さんが自殺してここに来ても……全く嬉しくありません。」
そう言う石川の目に、涙を発見した保田。
その反応が以外だったのか、保田も泣きそうになる。
「どうして?私……石川に会いたく……。」
「保田さん……石川は、ここまでしてでも、保田さんに会いたいとは
 思わなかったです。」
その言葉に驚き、何も言わずに石川を見つめる保田。
その目は、今まで石川を見ていた時のような鋭さがなかった。
77 名前:TONBA 投稿日:2001年11月25日(日)22時16分26秒
「……あなたは死んだ事を後悔してます。」
石川は保田の目を見てしゃべる。
保田はその視線から逃げた。
「そんな事……。」
「ほら。視線をそらしたってことは、ちょっとは後悔してるんじゃないですか。」
「……。」
何も言い返さない保田。
うつむき、涙を流す。
「私……。」
「いいです。言わないで結構です。」
石川が笑顔で保田に言う。
「……取り返しのつかないことをしたわ……。ゴメン。石川。」
「分かってくれればいいんです。」
しばらくして、保田がポツリと言った。
「娘。に戻りたい……。」
保田はいきなり、涙を流した。
今までの、楽しかった時、苦しかったときの光景が頭に浮かんでいるのだろう。
石川の事など気にとめる様子も泣く、泣き出した。
「いつも泣かないように気を張ってるから、今は泣いていいんです。
 そして、涙がかれたら、また全て元に戻りますよ。」
そう言うと、石川は消えていった。
保田はそのことに気付かず、ひたすら下を向いて泣いた。
そのうち、暗闇にも光が満ちていく……。
78 名前:TONBA 投稿日:2001年11月25日(日)22時30分56秒
ってわけで、感想が書きたくなった人は、sageでよろしくお願いします。
・……って言っても読んでる人いな(略。
79 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月25日(日)22時58分48秒
密やかにいますよ。
安心してください、作者さん(w
80 名前:TONBA 投稿日:2001年12月08日(土)19時51分07秒
「圭ちゃん!」
飯田の声で保田は目が覚めた。
「ここは……。」
保田が周りを見渡す。
保田はベッドに寝ており、周りには娘。のメンバー全員が揃っている。
「病院だよ。圭ちゃん、布団を運んでたトラックの上に落ちたんだよ。」
目に涙を浮かべながら、安倍が言った。
メンバー全員、安心したのか泣き出した。
「ごめんね……心配かけて・……。」
そう言った後、すこしためて保田が言った。
「後藤と二人きりにして欲しい。」
それを聞いた飯田は、メンバーに病室を出るように言った。
そして、最後に部屋を出ようと後藤とすれ違ったとき、飯田が囁いた。
「……あとよろしく。」
後藤が首を縦に振るのを見て、飯田は病室の外に出た。
81 名前:TONBA 投稿日:2001年12月08日(土)19時52分20秒
後藤は椅子を保田のベットに近づけ、座った。
「……石川に会った。」
そう言うと、後藤が頬を緩める。
「そう……で、なんて言ってた?」
「……自殺でこっちくんなって……偉そうに……。」
保田は笑いながら言った。
「後藤は本当に石川を呼んだんだね。ありがとう……。」
「いえ……。」
後藤が首を振る。
「……もうねるよ。ゴメンね。いろいろ騒がせちゃって。」
「いいよ……お休み、圭ちゃん。」
後藤は立ち上がり、椅子をたたんで壁に立てかけ、病室を出た。
「ふぅ……泣き疲れちゃったなぁ……。」
そう呟くと、保田は、目を閉じた。
その下には、白い羽が落ちていたのだが、誰も気付かなかった。
82 名前:TONBA 投稿日:2001年12月08日(土)19時53分00秒
またミスった……。
すまんのう。
83 名前:TONBA 投稿日:2001年12月16日(日)22時12分12秒
保田事件と娘。内で呼ばれるその事件の後、保田はすぐに復帰した。
もともと、軽い打撲だったので、早かっただけだけど。
それよりビックリした事は、保田が事件の前より、怖くなった事だ。
保田曰く、「怒るの遠慮してたら、ストレスがたまる」らしい。
まあ、圭ちゃんらしいと思う後藤と吉澤。
あの後、石川をこっぴどく怒った後藤。
どうしてきてくれなかったんだ、と。
それを吉澤は止めた。
「違うよ、ごっちん。悪いのはあたしなんだよ。」
吉澤が言う事には、吉澤の乗ったタクシーがエンストしたため、遅刻したそうだ。
それでも、石川、飛んでこいよと思う。
結局、石川は後藤に嫌われた。
生前よりも少し嫌われる事になった。
84 名前:TONBA 投稿日:2001年12月16日(日)22時13分29秒
「ホントの事、言わないでいいのか?」
夜、マンションのベランダの手すりから、すこしはなれて
宙に浮かぶ石川と、もうひとり。
「だって、間にあってたじゃないか。」
「いいんです。趣味ですから……。」
「本当に?……まぁ、君の勝手だから止めないけどね。」
石川の横で浮かんでいるもうひとりの人物は、見かけない顔だ。
「とりあえず、今日は帰るから。早く仕事にかかるように。」
「すいません。」
そう言うと、もうひとりの人は、すうっと消えてしまった。
(……満月が綺麗だなぁ……。)
空を見上げて、石川が呟いた。
85 名前:さるさる。 投稿日:2001年12月21日(金)23時34分01秒
続きが気になる。
にしてもごっつぁん冷たいねぇ笑
86 名前:TONBA 投稿日:2001年12月28日(金)00時00分12秒
右手痛いんで、ちょっとの間休ませてもらいます。
87 名前:TONBA 投稿日:2001年12月28日(金)00時00分49秒
ゴメン……。
またageてもうた……。
88 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月01日(火)23時22分06秒
あけましておめでとうございます。
後藤と石川の微妙な関係が気になります(石川はすでにアレだけど)
頑張ってください。楽しみにしています。
89 名前:TONBA 投稿日:2002年01月07日(月)00時01分18秒
放棄じゃないよ。
続きができてないだけ。

ってことを、報告。
90 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月10日(木)23時50分11秒
>89
サンクス
91 名前:TONBA 投稿日:2002年01月12日(土)18時20分38秒
数日後、後藤は1人での収録があった。
そのため、めずらしく吉澤よりも早く起き、前日、吉澤が作ったカレーを頂く。
食い終わると、すぐに荷物を持ってマンションを出た。
現場までマネージャーの車と言う手段もあったが
吉澤との同居がなんとなく、ばれたくないので断った。
そこで、早朝の、ほとんど乗客のいない電車に乗ろうと思い、駅に向かった。
92 名前:TONBA 投稿日:2002年01月12日(土)18時22分22秒
駅前のロータリーの近くを通りかかった時、頭の中に声が響いた。
「電車に乗っちゃダメ!タクシーに乗ったほうがいいよ。」
驚いてまわりを見渡すが、人影は無い。
タクシー乗り場を見てみる。
窓を開けている車は無い。
後藤は、タクシーの運転手が言ったんだと思っていたが、どうも違うらしい。
それに、車の中にいるのはおじさん。
頭の中に響いた声は女の人だったので、この人ではない。
もう1度まわりを見ると、頭上から声がした。
「ごっちん、ここだよ。」
93 名前:TONBA 投稿日:2002年01月12日(土)18時23分33秒
頭上を見てみると、手を振りながら、微笑んでいる石川がいた。
「何の用?」
「いや、電車に乗られたら困るから……。」
石川が後藤の目の前に降りてくる。
後藤は石川を睨む。
「私の勝手でしょ。何に乗ってもいいじゃない。」
「まあ、いいからいいから。ほら、タクシーに乗って。」
押されて、無理やりタクシーに押し込まれる。
「嬢ちゃん、どこまでかな?」
「……。」
運転手に行き場所を聞かれて、仕方なくタクシーに乗ることに決めた。
外には、笑顔で手を振る石川。
「いってらっしゃ〜い♪」
その笑顔に、後藤は腹が立った。
94 名前:TONBA 投稿日:2002年01月20日(日)18時57分03秒
出来てる所まで、書き込みますね
95 名前:TONBA 投稿日:2002年01月20日(日)18時58分54秒

朝御飯を食いながら、朝のニュース番組を見ているときだった。
「ニュースです。本日午前5時、○○線の電車がタンクローリーと激突
 タンクローリーは爆発、炎上。死者15名を出しております。」
水を飲みながら、そのニュースを見る。
グラスから口を離すと、正面にいる石川に話し掛けた。
「そういえば、ごっちんも電車に乗っていくって言ってたねぇ……。
 大丈夫かなぁ……。」
心配そうな吉澤に、石川は微笑みながら返事をする。
「大丈夫だよ。ほら、被害者リストに、名前出てないでしょ?」
画面上をスクロールする被害者リストを指さす。
確かに後藤の名前はなかった。
「あ、そろそろ時間だ。」
石川は時計を見て、そう言った。
「どこいくの?」
「ちょっと、行くとこがあるの。」
吉澤に手を振り、ベランダから外に飛び出していった。
96 名前:TONBA 投稿日:2002年01月20日(日)18時59分51秒

「おぃ〜っす!」
加護亜依と辻希美が、たまたま収録現場の近くで雑誌の取材を受けていた。
取材が済み、午後は予定が入ってないので、二人は撮影の現場に来ていた。
「見学するの?」
「うん!今日かなり暇なんで、ごとうさんの演技でも見とこうと思って。」
「ののも、後藤さん見たいに、一人でドラマに出たいです。」
「そうか。二人とも、可愛いねぇ……。」
そう言うと二人は見合って、エヘへと、恥ずかしそうに笑った。

その二人を見て(かわいい〜!)と、後藤は抱きしめたくなったが
(いかん、いかん。これじゃ、裕ちゃんと変わんないよ……。)
と、思いとどまった。
97 名前:加護の証言 投稿日:2002年01月20日(日)19時01分37秒

そうですね〜。
このときは、あんな事が起こるなんて、思ってませんでしたわ。
予想外の事でしたし……。
スタッフも大慌てでした。
ののも、その現場見てさけんどったな。
ま、うちも叫んだけど……。
だって、すごいビックリしたもん……。
98 名前:辻の証言 投稿日:2002年01月20日(日)19時03分10秒
……こわかったれす。
ののの目の前で、あんなことがおきちゃったから……。
ちょっとだけ泣いちゃいました……。
で、倒れてる後藤さんを見たら、気が遠くなりました……。
のの、こわかったのれす……。
99 名前:TONBA 投稿日:2002年01月20日(日)19時04分52秒
後藤は、ロケ現場の端の方で、1人で缶コーンスープを飲んでいた。
ベンチコートを着て、缶を握っている。
(12月だもんね。寒いなぁ……。)
貧乏ゆすりをしながらふと上を向くと、見慣れた人物が……。
「やっほ〜!元気?」
またも石川だった。
石川の鼻と、後藤の鼻にくっつくぐらいの至近距離だった。
「うわぁ!」
驚いて、椅子から落ちた。
そして、周りのスタッフに気付かれないように、話し始めた。
「なに〜?」
「あのね、埼玉のよっすぃーの実家にいまから行くんだけど
 一緒に行かない?」
「はぁ?あのね、私は、今から仕事……。」
「わかってる。でも、今じゃないとダメなの……。」
石川の哀願する視線を感じ、すこし考えるふりをする。
こけている椅子を立てて、椅子に座り答えを出した。
100 名前:TONBA 投稿日:2002年01月20日(日)19時05分33秒
「無理。」
あたりまえじゃん、と言いたそうなその目を、石川に向ける。
石川は、手を合わせてお願いする。
「お願い!ごっちん!今じゃないとダメなの……。」
「しつこいなぁ!ダメだったら、ダメ!」
「……いいよ。わかった。ごめんね。」
そう言うと、石川は後藤に背中を向けた。
「(でも……そう言うわけにはいかないの。)」
「え?なに?」
石川の呟きが後藤に聞こえたようだが、後藤の問いかけに答えず
石川はどこかへ行ってしまった。
101 名前:TONBA 投稿日:2002年01月20日(日)19時06分39秒
以上です。
また来週、更新します。
102 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月20日(日)20時23分13秒
石が守護霊に?!!
期待してます
103 名前:TONBA 投稿日:2002年01月27日(日)10時04分00秒
「梨華ちゃんどこに行ったのかな〜?」
そんな事を呟きながら、吉澤はテレビのチャンネルをまわす。
「今日、ごっちん仕事だし、矢口さんは安部さんとどこか行くし……
 ひまだなぁ……。」
と、ある番組でチャンネルが止まる。
「……なんですよ!霊は、この世にくるには意味があるんです!」
ブラウン管の中では、おじさんたちが霊がいる、いないについて言い争っている。
「いるよ。だって、梨華ちゃんがそうだもん。」
と、思いながら、テレビを見る。
「霊は、この世の中に影響する程の力を持っています。
そして、それを使うために……。」
うんぬんとぬかしている。
(そういえば、梨華ちゃんはなんでこっちにきたんだろ?)
そう思いながら、音量を上げる。
石川がきてから、こんな番組が好きになってしまった吉澤だった。
104 名前:TONBA 投稿日:2002年01月27日(日)10時04分54秒
後藤は自転車に乗っている。
それは、これからの撮影シーンで自転車を使うからだ。
港を通り抜けるシーンを撮るだけのために、今日、後藤はここにきているのだ。
他の出演者がきているのは、港のシーンを一気に取るため。
「このシーン撮ったら、一緒にご飯食べに行きません?」
加護が、後藤に話し掛ける。
にこっと笑って、後藤が答えた。
「いいよ。辻ちゃんも一緒だよね?」
辻は、コクンとうなずいた。
「それじゃ、いきま〜す!」
スタッフの声が聞こえた。
「じゃ、後藤さん、頑張ってください!」
二人は手を振りながら、その場を離れた。
105 名前:後藤真希 投稿日:2002年01月27日(日)10時05分26秒
このあとの事は、よく覚えてないんですよ。
始まりますよ〜って言われて、自転車こいだ事ぐらいですか?
で、気がついたら救急車に乗ってたんですよ。
薬品の臭いは覚えてます。
ぼーっとしてて、そのときのこともあまりよく覚えてないんですけど、確かに覚えてる事があるんです。
……言っても信じてもらえないと思いますけど……。
106 名前:TONBA 投稿日:2002年01月27日(日)10時07分27秒
>102
期待しててください(w

とりあえず、ここまでです。
また、来週更新する
107 名前:TONBA 投稿日:2002年01月27日(日)10時08分10秒
あぁ……。
sage忘れ……。
108 名前:TONBA 投稿日:2002年02月11日(月)14時11分22秒
救急車で運ばれる後藤。
薬品のにおいが鼻をつく。
それで目を覚ました。
目の前には、必死の顔のマネージャー。
(あぁ、そういえば、体中が痛いな……何があったんだろう……。)
視界が少しだけはっきりしてくる。
「い、石川……。」
マネージャの後ろに、はっきりと見えた。
変わらず、いつもの笑顔。
「な、何行ってるんだ?後藤!」
マネージャーが、驚く。
突然、氏んだ石川の名を言ったのだから、相当驚いたに違いない。
(そういえば、あの時、石川を見たような……。)
薄れゆく意識の中、後藤は石川の笑顔だけは忘れる事は出来なかった。
109 名前:TONBA 投稿日:2002年02月11日(月)14時14分23秒

「……ん!……さん!後藤さん!」
加護の呼びかけで、気がついた。
見た事のない天井が見えた。
横を向くと、心配している様子の辻と加護がいた。
「……ん?どうした?加護?」
体を起こそうとしたが、少し体が痛い。
「血がどば〜っとでてたから心配しましたけど
 全治3週間って聞いて、安心しました。」
何のことかさっぱりわからないが、後頭部や足が痛い。
思い出そうとしても、何も思い出せない。
「加護、なにがあったか、教えてくれるかな?」
「おぼえてないんですか!」
加護が驚いた表情を見せる。
(そんな子と言われても、覚えてない物は覚えてないよ。)
「じつはれすね……。」
後藤がそう思っていると、いきなり辻が説明しだした。
110 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月11日(月)14時50分01秒
別の人の小説に間違ってうpしたんなら削除依頼ぐらい出したら?
111 名前:TONBA 投稿日:2002年02月11日(月)17時29分14秒
>>110
気付かなかった……
ごめんなさい。>迷惑かけた人
112 名前:名無し読者 投稿日:2002年02月23日(土)14時11分12秒
続き期待
113 名前:TONBA 投稿日:2002年02月24日(日)17時31分43秒
後藤はスタッフの合図で自転車をこぎ出した。
これだけの仕事なので、後藤も含めて誰もがハプニングなく
すぐに終わると思っていた。
しかし、そのとき、事件はおきた。
自転車をこいでいるとガラガラと言う音が聞こえた。
「ん?」
右前方を向くと、音と共に積んであった鉄骨が崩れ始めていた。
「うわ〜!」
後藤が慌ててブレーキをかけるが、どうやらブレーキは壊れてるらしく
スピードは落ちない。
「このボロ自転車ー!」
ブレーキがきかないことがわかり、はしっている自転車から何とか降りようとするが
今度はハンドルに服が引っかかっていて、逃げる事は出来なかった
「きゃ〜!」
ガラガラ……。
その事故に驚いたスタッフは、後藤の所に駆け寄る。
数個の鉄骨の下敷きになっており、頭から血が出ている。
「救急車だ!110だっけ?115?」
「119です。」
「言いから早くしろ!」
慌てるスタッフ。
114 名前:TONBA 投稿日:2002年02月24日(日)17時33分48秒
「……それから、救急車が来たのは、それから5分後れす。
 それで、運ばれてここに来たのれす。」
「説明、ありがとう。」
後藤は、ベッドの横の椅子に座っている辻の頭をなでてやった。
辻はとても嬉しそうだ。
加護は、そんな辻を見ながら後藤に言った。
「あと、マネージャーに聞いたんですけど、運ばれてる途中
 石川って呟いてたらしいんですけど、何か見えたんですか?」
その一言で、救急車の場面が頭に浮かんできた。
石川がマネ−ジャーの後ろにいた。
それしか思い出せないが、後藤的にこの出来事を解釈するのにそれで十分であった。
「別に何にもなかったよ。」
笑顔の後藤に、笑顔を返す加護。
「じゃあ、二人ともありがとう。みんなに言っといて。心配ないって。」
「は〜い。」
辻と加護は、後藤に手を振った。後藤は手を振り返した。
115 名前:TONBA 投稿日:2002年02月24日(日)17時36分48秒
ええ、更新が1週遅れたのは、怠慢ですが何か?

>112
更新しないので、心配なさったのでしょうか?
大丈夫です。
続き、期待していてください
116 名前:TONBA 投稿日:2002年03月10日(日)21時23分50秒
今週は無理

保全
117 名前:TONBA 投稿日:2002年03月17日(日)20時34分13秒
「でてきなよ。わかってるよ。いる事は。」
部屋に一人になった後藤が、険しい表情を浮かべている。
「事情を説明してよ。ねえ、石川!」
大声で叫び、枕元にあった花瓶を壁に投げつける。
パリーンと言う音とともに、花瓶が砕け散る。
差してあった、加護たちのお見舞いの時にもらった、花が床に落ちる。
「こんなことして……許されると思ってる?石川は知ってるでしょ?
この仕事に成功しないと……私は独立できないの!」
「独立……どうして……。」
声のした方を見た。
手に花を持った吉澤が、病室に立っていた。
「……一緒に……これからも一緒に……仕事しようって言ったじゃん……。」
後藤は何も答えず、吉澤から視線をそらし、背を向けた。
「……帰って。今日は、一人になりたい……。」
パサと言う音と、バタバタバタ……という音が、病室から聞こえた。
そしてその後、その部屋からは泣き声が聞こえた。
118 名前:TONBA 投稿日:2002年03月17日(日)20時35分41秒
1週間して、後藤は退院した。
とはいえ、右足にはギブス、額には包帯が巻かれている。
松葉杖をつきながら、楽屋に入る。
「後藤!」
うつむき加減で入ってきた後藤に、最初に声をかけたのは保田だった。
そして中に入って座った後藤を、11人が囲む。
「大丈夫だった?」
「うん……。」
「怪我は、どうなんですか?」
「あと2週間したら治るって。」
「ごめんね。お見舞い行けなくて。」
「いいよ。スケジュール、詰まってたんでしょ?」
みんなの様子を見ると、吉澤は独立の事を誰にも話していないようだ。
後藤がそう思い、そのことを黙っていた吉澤の姿を探す。
しかし、吉澤の姿を見つけることは出来なかった。
「ねえ、よっすぃーは?」
「最近ねぇ、遅いんだよ。おいらは教育の時、集合は30分前って教えたのに……。」
すぐ横にいた矢口に最近の吉澤の行動についてを聞いた。
最近、表情が優れてなかった事。時々、ボーっとしてた事。
119 名前:TONBA 投稿日:2002年03月17日(日)20時36分28秒
中途半端でスマソ

来週こそは……?
120 名前:名無し読者 投稿日:2002年03月21日(木)18時34分22秒
むむむ・・・
どうなってくのか・・・気になります(w
121 名前:ゴナゴトファン野郎 投稿日:2002年03月25日(月)12時10分56秒

おもしろいっ!!
続きまってま〜す!
122 名前:TONBA 投稿日:2002年03月27日(水)13時03分56秒
その日、吉澤は収録開始時間ギリギリにやってきた。
飯田に集合時間についての注意を受けて、衣装に着替え始める。
「あ、あのさぁ……。」
後藤が吉澤に近寄り、声をかけたが吉澤は無視する。
顔もあわせようとしないで、後藤の横を通り過ぎ、他のメンバーと話し始めた。
その吉澤の姿を、目で追いかける後藤。
吉澤は、高橋の訛りで笑っている。
(よっすぃー……。)
悲しみを持った視線に、吉澤は気付かなかった。
気付いても、振り返ることはなかったが……。
123 名前:TONBA 投稿日:2002年03月27日(水)13時04分52秒
後藤は一人でマンションに帰った。
吉澤は収録が終わるとあっという間に帰ってしまった。
後藤が声をかける暇などなかった。
(そんなに怒らなくてもいいじゃん!)
吉澤が居なくなった楽屋の中で安倍としゃべりながら思っていた。
124 名前:TONBA 投稿日:2002年03月28日(木)10時15分46秒
>>120
あんまり期待しないように(w

>>121
上に同じ(w
125 名前:後藤真希 投稿日:2002年04月04日(木)01時18分37秒
家に帰ったら、よっすぃーに話そう。
そしたら、よっすぃーもわかってくれるはず。
でも……もしわかってくれなかったら……。
ううん、そんな事ない。
だって、私とよっすぃーの仲だもん。
面と向かって話し合えば分かるはず……。
……そういえば、最近石川見てないなぁ……。
あのやろう……今度会ったら念仏を唱えてやる!
126 名前:TONBA 投稿日:2002年04月04日(木)01時19分27秒
後藤はドアの鍵穴に鍵を差しこみ、鍵穴を回した。
中に入ろうとドアを開けてから、自分の考えが甘い事に気づいた。
「……そうか……そんな手があったか……」
後藤が見たものは、廊下に積まれているダンボールの山。
そこに書いてある住所は……
「よっすぃーのもとの家じゃん……」
後藤は全部のダンボールの宛先をみた。
すべて同じだった。
「……よっすぃー……」
127 名前:TONBA 投稿日:2002年04月04日(木)01時20分36秒
できればこれからは週2回更新の方向で逝きます
読んでる人、喜んでやってください(w
128 名前:TONBA 投稿日:2002年04月06日(土)22時47分52秒
保田が家に帰ったとき、吉澤が玄関でうずくまって座っているのを見た。
驚いて声をかけた。
吉澤は「ああ、どうも……」と、保田を見ながら答えた。
その元気のなさに、驚いた。
収録中はかなり元気が会った吉澤が今、自分の前に居る吉澤と同一人物とは
思えないほど元気が無かった。

吉澤がここまで落ち込むのを、保田は初めてみた。
「とりあえず、入んなよ。」
保田は吉澤の体を起こし、部屋の中に入れた。
129 名前:吉澤ひとみ 投稿日:2002年04月06日(土)22時48分48秒
あれ?何でここにきたんだっけ……。
あぁそうだ……ごっちんと喧嘩した……
ちがう……喧嘩じゃない……そうだ……ごっちん卒業しちゃうって……
卒業だ……それで、顔があわせ辛くって……
そうだ……ごっちんの事、保田さんに相談しよう。
保田さんなら何かできるかもしれない……
130 名前:保田圭 投稿日:2002年04月06日(土)22時49分23秒
なんで吉澤がここにいるのよ。
家に帰ったんじゃないの?
……しかし、どうしてこんなに落ち込んでいるのだろうか……
聞いてみたいけど、聞いちゃダメなのかな……
いや、ここは聞いとくべきだな。
プッチのリーダーとして、娘。のサブリーダーとして、メンバーの悩みを聞くのは当然。
吉澤、覚悟しなさい!!
131 名前:TONBA 投稿日:2002年04月12日(金)22時38分31秒
テーブルを挟んで、何を喋っていいか、分からない二人。
会話の糸口を見つけられず、吉澤が来てからすでに5分が経過していた。
その間に、二人はいろんなことを考えているのであろう。
二人ともうつむいて、顔を見ようとしない。
「「あのさ。」」
同時に顔を上げ、同時に発した二人の声が重なった。
「先に言いなさいよ」
「保田さん、先にどうぞ。」
発言権を譲り合う二人。
30秒間の間をいて、保田が喋り始めた。
「あんたさぁ、どうしてそんなに落ちこんでるの?」
ストレートな質問だった。
132 名前:保田圭 投稿日:2002年04月12日(金)22時40分03秒
うわぁ!かなりストレートな質問だよ。
いきなり核心ついちゃったよ。
もうちょっと遠回しで喋れないのかね、ちみは!
吉澤も答えにくそうな顔してるし。
「私、脱退します。」とか言われたら、あたしはどうすればいい訳?
こんな暗いんだから、ありえる話よ。
きっと社長かつんくさんに何か言われて、ここまですねてるのね。
それとも、恋の事かしら。
もしかしたら、告白する前にけんかでもしちゃたとか……。
133 名前:TONBA 投稿日:2002年04月12日(金)22時41分03秒
普通はちょびちょび更新
たまにガーッと更新
134 名前:TONBA 投稿日:2002年04月14日(日)20時17分02秒
昨日、更新しようと思ってたら寝てしまいました……
135 名前:TONBA 投稿日:2002年04月19日(金)21時36分27秒
ゴメンナサイ
普通に忘れてました……

来週!来週は更新します
多分……
136 名前:TONBA 投稿日:2002年04月24日(水)23時34分00秒
「あ、あの……。」
口をポカーンとあけて、どこか遠くを見ている保田の肩を、吉澤はテーブルに体をのせ、手を伸ばして叩いた。
「は!あぁ、吉澤。あ、あんた、いつ娘。辞めるの?」
「は?いきなりなにを……。」
その言葉で、保田は5秒前のことを思い出し、正気に戻った。
「な、なんでもないわよ。それより、あんたが落ち込んでる理由を言いなさい!」
テーブルに身を乗り出し、吉澤を睨みつけた。
吉澤は、体を後ろに反らした。
137 名前:TONBA 投稿日:2002年04月24日(水)23時35分04秒
傷心の心にこの顔はきついよ。
あのおっきい眼で迫られると、何でも言いたくらなるんだよね。
……保田さんの顔見たら、ちょっと元気でた気がする。
……とりあえず、全部喋ったほうがいいんだろうか?
市井さんが脱退する時、保田さんはどう思ってたんだろう……。
……もし、そうとうショックを受けてたとしたら、言わないほうがいいよね。
でも……後で知ったほうがショック受けると思うし……
……え〜い!言っちゃえ!どうにでもなれ!
ごっちんなんか嫌いなんだ!
言ってしまえばいいんだ!
138 名前:TONBA 投稿日:2002年04月27日(土)22時40分59秒
「保田さん実はごっちん脱退するかもしれないんですよ。」
吉澤はものすごい早口で言った。
早口のせいで、保田は所々しか聞き取れなかった。
「吉澤、もう一回言って。後藤がどうした?」
「ごちっちんが脱退するかも知れないんですよ。」
「ふ〜ん……そうかぁ……」
保田はそれを聞いても、別に表情はかわらず、驚きの表情も浮かべない。
吉澤はその保田の反応に少しむかついた。
「保田さん……悲しくないんですか?」
「……まぁ、かなしいっちゃぁ悲しいけど
139 名前:TONBA 投稿日:2002年04月27日(土)22時41分35秒
「保田さん実はごっちん脱退するかもしれないんですよ。」
吉澤はものすごい早口で言った。
早口のせいで、保田は所々しか聞き取れなかった。
「吉澤、もう一回言って。後藤がどうした?」
「ごちっちんが脱退するかも知れないんですよ。」
「ふ〜ん……そうかぁ……」
保田はそれを聞いても、別に表情はかわらず、驚きの表情も浮かべない。
吉澤はその保田の反応に少しむかついた。
「保田さん……悲しくないんですか?」
「……まぁ、かなしいっちゃぁ悲しいけど……本人から何にも聞いてないしなぁ……。」
「でも確かに!」
「わかった。後藤に聞いとくって。」
興味が無いような様子の保田に、徐々に怒りがこみ上げてくる。
「保田さん……。」
「吉澤、あんたそれ言うために来たわけ?」
ブチ
吉澤の中で何かが切れた。
「もういいです!保田さんに話した私が馬鹿でした!」
突然立ち上がり、玄関へ向かう吉澤。
それに驚き、急いで後を追いかける。
「な、なによアンタ……いきなりどうした……」
「お邪魔しました。さようなら。」
手短に言うと、吉澤は走ってその場を去った。
140 名前:吉澤ひとみ 投稿日:2002年04月27日(土)22時42分19秒
保田さんの馬鹿〜!
頼りにしてたのに……話せば何とかしてくれると思ったのに……
どうしてあんなに他人事のように話せるの?
仲間じゃないの?
それとも、脱退していく奴は仲間じゃない?
そうなんですか?
そうだとしたら……。
保田さん……もう、私は……
141 名前:TONBA 投稿日:2002年04月27日(土)22時42分54秒
その場に1人取り残された保田は、頭をかきながら呟いた。
「石川……これでオッケーか?」
「オッケーですよ。」
部屋の奥から、石川が出てきた。
石川も頭をかいている。
「保田さん、石川はこれで失礼しますね。」
「……どうしていきなり姿が見えるようになったの?」
保田は以前の事を思い出した。
以前は、石川の姿を肉眼で確認できなかったのだ。
「……私が姿を見せてるだけです……もう、保田さんの目に映る事はありませんよ……。」
「……そう。私に汚れ役させといて、それか……バイバイ、石川。」
「保田さん……今までありがとうございました。」
石川は部屋に戻っていく保田の背中にお辞儀した。
ドアが閉じた後、その日、その部屋に明かりがつくことは無かった。
142 名前:TONBA 投稿日:2002年04月27日(土)22時44分28秒
携帯に電話するべきなの……
でも、よっすぃーは絶対着信拒否してるだろうし……
圭ちゃんに相談すべきなのかなぁ……
圭ちゃんならわかってくれるかも……
……でも、こんな私の声聞いちゃったら、心配するよ。
……やっぱり、私は1人じゃダメなのかなぁ……
143 名前:TONBA 投稿日:2002年04月27日(土)22時45分31秒
後藤の家……
二人の家だったそこの部屋。
涙で目が真っ赤になっている後藤がいた。
テーブルに顔を伏せ、20分ずっと泣いていた。
何が悲しくなって泣いてたなんか、後藤にはわからない。
自然と涙が出ていたのだ。
144 名前:TONBA 投稿日:2002年05月04日(土)16時04分04秒
今週はPCバグってたんで、更新できませんでした……
145 名前:TONBA 投稿日:2002年05月10日(金)23時56分00秒
♪♪♪
後藤の携帯の着メロが鳴った。
「……よっすぃー!?」
後藤は急いで椅子に置いたカバンから携帯を取り出し、通話ボタンを押した。
もしもし……
「もしもし?よっすぃー!?」
後藤は相手がもしもしといい終わる前に、大声で相手が吉澤かどうか確認した。
この電話が吉澤からのものだと思い込んでいた後藤は、そのまま話を続けた。
「あのね、ちゃんと話しようよ。だから……」
「えっと……ごっちんだよね?私、吉澤じゃないよ。安倍。なっちだよ。」
そう言われて、後藤は我を取り返した。
146 名前:TONBA 投稿日:2002年05月10日(金)23時57分33秒
そして、頬を真っ赤にしながら言った。
「えっと……ゴメンね……。ちょっとよっすぃーと喧嘩しちゃってさ……。」
「ちょっと声枯れてるね。……泣いてた?」
「そんな事無いよ。」
そういいながら、ほっぺたの涙の筋をハンカチで拭く。
「そう……なっちも泣いた後、ちょっと声が枯れるから、そうかなぁと思って……。」
「で、何の用?」
「あ、そうだそうだ。圭ちゃんからの伝言。」
「圭ちゃんから?」
一体なんだろう?と頭の中で考えてみた。
いろいろ保田には迷惑をかけているから、呼び出しの理由に思い当たる事がたくさんある。
「うん。えっと……『あした、私の家まで来るように。』だって。」
「ありがとう……でも、どうして直接言わないんだろう?」
「さぁ?なんか、電話したくないみたい。伝言してって、なっちにメールできたし……。」
「……よくわかんないけど、まぁいいや。ありがとう。」
147 名前:TONBA 投稿日:2002年05月10日(金)23時58分03秒
「ごっちん……。」

「ん?」
電話を切ろうとしたときに、声が聞こえてきたので、もう1度携帯に耳を当てる。

「何で喧嘩したかわかんないけど……自分が悪いと思ったら、ちゃんと謝ったほうがいいよ。」

「うん……そうだね。」

そう言って、電話を切った。
そして、携帯をテーブルの上に置くと、自分の部屋に戻り、ベッドに飛び込んだ。
枕に顔をつっこみ、また泣いた。
そしてそのまま、泣き疲れて寝た。
148 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月15日(水)01時26分23秒
どうなるんだろう(ドキドキ
149 名前:石川梨華 投稿日:2002年05月26日(日)17時42分42秒
久しぶりに、家に帰りました。
そこで、両親の夢枕に立って、お別れの挨拶をすませました。
そして家にかえってみると、ごっちん、泣いてたんです……。
ちょっとひどいことしたかなぁと……。

でも、あーしないと、ごっちんはもっとひどい怪我を負うところだったんです。
言い訳じゃありません。
本当なんです。
頭の怪我だけで、本当にラッキーなんですよ。
150 名前:TONBA 投稿日:2002年05月26日(日)17時44分53秒
「本当にすみません……」

電話を切ったばかりの安倍に、吉澤は謝った。
吉澤は安倍の家に来ていた。
あのあと、行く所のなかった吉澤は、メンバーの家に泊めてもらう事を考えた。
安倍に真っ先にかけたところ、OKが出たのでここにきたのである。

「よっすぃーさぁ、喧嘩ならちゃんと謝ったほうがいいと思うよ、なっちは」

「そうですけど……まぁ喧嘩じゃないって言うか……」

吉澤はその後に続く言葉を言わなかった。
言わなかったというより、言えなかった。

「何があったかわかんないけど……まぁ、仲良くするにこしたことはないべ。」

「えぇ、そうですね。」

吉澤はいつのまにか出されていたお茶を飲む。
安倍はテレビを見始めた。

「あ、よっすぃー今日泊まってくんでしょ?」

「はい……」

「じゃあ、プレステしよう!」

「いいですよ……」
151 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月01日(土)21時41分20秒
待ってるぜよ
152 名前:TONBA 投稿日:2002年06月08日(土)23時05分31秒
ごめんなさい……
ちょっと、ショッキングなことがありましたので、もう少し休みます……
153 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月15日(土)20時41分24秒
まだかな?
154 名前:TONBA 投稿日:2002年06月20日(木)18時43分27秒

朝、1人きりの部屋
冷蔵庫に置いてある、吉澤が作ったゆで卵をほおばる。
そして、着替えて出勤。
今日はそれ以外に何も食べる気がしなかった。
ていうか本当は何も食べたくなかったが、何か飲もうと思って
冷蔵庫を開けてみると、ゆで卵が一つ、ぽつんと冷蔵庫の中の棚においてあった。
なんだか、かわいそうになって食べた。
155 名前:TONBA 投稿日:2002年06月20日(木)18時44分21秒

「暇すぎる……」

あまりにも早くマネージャーとの集合場所にきた後藤は
携帯電話を取り出しながらそう呟いた。
周りに人の気配はなく、シーンとしている。

『今日の夜、うちでまってるから』

保田からのメールを読んで、昨日安倍に言われた事を思い出した。

「自分が悪いと思ったら、謝ったほうがいいよ」

頭からその言葉が離れなかった。
156 名前:TONBA 投稿日:2002年06月20日(木)18時47分24秒
楽屋に入ってから、後藤はボーっとしていた。
誰かが入ってくると機械的におはようと言っては、またボーっとして
また誰か来たらおはようの繰り返し……。
吉澤の事で、頭が一杯だったのだ。

(どうしよう……よっすぃーに何て話せばいいのかなぁ……)

会社に脱退の話をしようかどうか、本当は決めてなかった。
と言うよりも、吉澤の反応を見て、ほんとうに自分は辞めるべきなのか
どうか迷っていた。

(とりあえず、よっすぃーが来たら謝ろう……)

そう決心をして、ドアの方を向いた時、安倍と共に吉澤がやってきた。

「おはよ〜」

安倍がそういいながら入っていく。
安倍の後ろを歩いていた吉澤はドアのところで立ち止まり、後藤に目線を向けた。
後藤が覚悟を決めて、話し掛けようとしたときだった。

「ごっちん、ちょっと来てよ」

そういい、吉澤は部屋を出て行った。
はじめは驚いた後藤だったが、吉澤が外に出て行くのを見て
急いで後をおった。
157 名前:TONBA 投稿日:2002年07月02日(火)00時12分10秒
保全

もうちっとまって
158 名前:TONBA 投稿日:2002年07月08日(月)23時17分24秒

人気のない自販機の前のベンチに2人は隣り合うように座った。
気まずい雰囲気の中、まず、後藤が口を割った。

「よっすぃー……ごめんね、脱退の事、黙ってて……」

「ううん……いいんだよ……私だってそんなことになったら
 ごっちんに言えないもん……」
それからしばらく、二人は黙ったままだった。
言いいたいことはあるが、それを上手く表現できない二人。
そして今度は、吉澤が口を開いた。

「ねぇ……ごっちんはさぁ、脱退して何がやりたかったの?」

「……さぁ?」

「え?」

「……とりあえず、よっすぃーと離れたかったんだ。嫌いとかじゃないけどね……」

そういい終わると立ち上がり、自販機にお金を入れた。
そしてゴトンと言う音を出して落ちたジュースの缶を手にとり
もう一回お金を入れた。

「梨華ちゃんと仲いいじゃん……それ見てるの、面白くなくて……」

次に出てきた缶を吉澤に渡し、再びベンチに座った。
159 名前:TONBA 投稿日:2002年07月08日(月)23時19分11秒
「アハハ」

後藤が座った瞬間、突然、吉澤が笑い出した。

「な、なんで笑ってるのよ〜」

後藤はちょっと怒った口調で、笑っている吉澤に言った。
口を尖らせている後藤に吉澤が笑いをこらえながら言った。

「あのね……ごっちんがそんな事でやきもちをやくとはおもわなかったんだよ」

「え〜……私ってそう見られるのかなぁ?」

「違う違う。ごっちんも、梨華ちゃんと仲いいでしょ?」

その言葉を聞いて、後藤は首を激しく横に振った。

「それは、ありえない。」

「なんで?」

「なんでって……」

後藤は答えに困った。

(そういえば、どうして梨華ちゃんが嫌いなんだろう?)
160 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月18日(木)15時16分57秒
期待!
161 名前:豚馬牛 投稿日:2002年07月25日(木)19時10分20秒

ハゲシクキタイ!
162 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年08月20日(火)02時07分56秒
マターリ待ってます。がんばってください!!
163 名前:後藤真希 投稿日:2002年09月23日(月)01時00分52秒

「ごっち〜ん!」
向こうから走ってくるのは幻想の梨華ちゃん。
そう、氏んじゃうちょっと前まで、全然仲良かったんだよね。
なんでだっけ?
なんで梨華ちゃんがあんなに嫌いになったんだっけ……
ん?……そうだ、葬式だ。
あれだ、あれだよ
私、梨華ちゃんが氏んじゃったから嫌いになったんだよ
164 名前:TONBA 投稿日:2002年09月23日(月)01時01分50秒

「……ちん、ごっちん……!」
吉澤の声で、現実に戻された。
どうやら寝ていたようだ。
「ひどいよ、ごっちん。私が喋ってる時にねちゃうなんてさぁ」
「ごめん……きのう、あんまり寝てないんだよね……で、何の話?」
「えっとねぇ……そうそう、最近、梨華ちゃんがどこに行ったのかな〜って話」
後藤は、持っていた缶ジュースを飲んだ。
寝ていたのに、よく落とさなかったものだと、自分で感心したりしてみた。
「私ねぇ、梨華ちゃんは、家に帰ってると思うんだ」
後藤は缶ジュースから唇を離す。
今度は吉澤が缶ジュースに唇をつけた。
「どうしてそう思うの?」
吉澤も、後藤も缶ジュースから口を離し、顔を見合った。
「……家が1番落ち着くから……」
後藤がそう言うと、吉澤は首を縦に振った。
165 名前:TONBA 投稿日:2002年09月23日(月)01時02分35秒
微妙にストーリーの雰囲気を忘れてしまった……

保全、ありがとうです
166 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年09月24日(火)17時19分41秒
おお更新されてる。楽しみにしてましたよ!!
がんがってください!!
167 名前:通りすがり 投稿日:2002年10月06日(日)20時41分14秒
面白い、この設定!

私は「よしりか」が一番ですが「よしごま」も嫌じゃ有りません。

「よしりか」なのだけれど微妙に「よしごま」が希望で〜す。
168 名前:TONBA 投稿日:2002年11月03日(日)00時00分48秒
二人で楽屋に帰ると、楽屋の前でドラマスタッフがマネージャーに謝っていた。
マネージャーは怒っているようで、顔を真っ赤にしている。
ドラマのスタッフは頭をかなり低くして、ハンカチで冷や汗を拭いている。
「先日はすいませんでした!」
「すいませんじゃないですよ!もしもっと大きな事故になったらどうなってたと思ってるんですか!」
「どうしたんですか〜?」
二人はすーっとマネージャーとスタッフの所に近寄っていった。
マネージャーは荒々しい口調で、後藤に言った。
「この間の事故、あれ、スタッフの設計ミスだったらしい」
「え?」
後藤はビックリした。
自分の怪我は、全て石川のせいだと思っていたからだ。
マネージャー、スタッフの話によると、あの場所には鉄筋を置く予定は無かったようだ。
しかし、突然、あるスタッフが置いたらしい。
そして、紐が弱っていたらしく、切れて、崩れた。
後藤は怪我をしたそうだ。
169 名前:TONBA 投稿日:2002年11月03日(日)00時01分22秒
なんだよそれ
後藤はそういいそうになったが、喉の所で止めた。
まだこのスタッフ達ち付き合わないといけないのだ。
関係を悪化させるわけにはいかない。
後藤はへらへら笑って彼らを許し、謝罪にきたスタッフを帰した。
「ま、許せないんだけどね」
楽屋に入ろうとした時、後藤が吉澤に言った。
170 名前:TONBA 投稿日:2002年11月03日(日)00時02分19秒
仕事が終わり、家へ向かう2人。
タクシーに乗る。
「よっすぃー、家に帰るの、久しぶりだね」
「うん。なんかちょっと楽しみ」
吉澤は笑いながらいった。
……ん?
「どうしたの、ごっちん?」
後藤が何か思い出した顔をした。
「すいません、タクシー止めてもらえますか」
「どうしたんだよ、ごっちん」
吉澤が不思議そうに尋ねる。
「えっと……ちょっと買い物してくるから、待っててね」
そう言うと、後藤は急いでタクシーを出て、コンビニに駆け込んだ。
171 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月06日(金)23時04分59秒
マターリ待ってます
172 名前:TONBA 投稿日:2003年01月10日(金)00時02分00秒

久しぶりに2人で帰宅。
部屋の鍵を開ける。
ただいま〜
二人して、言った。
二人は顔を見合わせて、笑った。
靴を脱ぎ、家に上がった時、声が聞こえた。
おかえり〜!
その瞬間、後藤の顔が変わった。
持っていた袋に手を突っ込む。
取り出したのは、さっき買った塩。
「なにするんですかーー!イタイイタイ!」
袋を破って、塩を投げる後藤。
「ごっちん!痛いよー!やめてください!あいた!」
次の日に、部屋を掃除しなければならない事など、考える暇はなかった。
「ごっちん!お願いだから塩はやめて!」
顔に傷の出来ていた石川に、容赦なく塩をまく後藤だった。

「……なんで後藤こないのよ!」
1人、マジギレする保田さんでした。
173 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月22日(水)22時49分17秒
期待保全
ずっと読んでますよ

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