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Realise
- 1 名前:晴姫 投稿日:2001年09月06日(木)21時32分34秒
- 新しくできてたので書き込みしました。
もちろん作風は私の得意な感じで。
マターリやって逝きます。
- 2 名前:マインドトラベル 投稿日:2001年09月06日(木)21時41分47秒
- 数え切れない これからをずっと 上っては 下りてゆく。
はっきり言って、ひとみは随分退屈していた。
こういう、芸能界の仕事にも、人生にも。
娘。にだって、人生の暇つぶしのつもりで入ったようなものだ。
でも、慣れてきたらまた、虚しさがどっと押し寄せてきた。
- 3 名前:R 投稿日:2001年09月07日(金)00時23分09秒
- よしこ主役ですね!楽しみにしています。頑張ってください
- 4 名前:晴姫 投稿日:2001年09月07日(金)16時49分45秒
- >>3
サソークレスついとるとわ…ありがたきしやわせです♪
- 5 名前:マインドトラベル 投稿日:2001年09月07日(金)16時57分21秒
- 人との馴れ合いにもうんざりして、
だれとも会わなくてすむオフの日を待ち遠しく思う気持ちばかりだ。
「吉澤さん、おねがいしま〜す!!」
今日は雑誌の写真撮影をしている。
我ながら、作り笑いがうまくなったと思った。
幼い頃の友達と撮った写真みたいな笑顔にはもう戻れはしない。
それでも、「君を見てると励みになる」とかって言った
ファンレターはたくさん来る。
みんな騙されてる。
馬鹿じゃないの?
あたしなんかより、頑張ってる人なんていくらでもいる。
- 6 名前:読む人 投稿日:2001年09月07日(金)19時01分36秒
- お、タイトルはアレですね?
よっすぃ〜主役ですか。期待してますです。
- 7 名前:晴姫 投稿日:2001年09月08日(土)09時27分57秒
- もちろんアレです(w
こんどはまぜこぜになってるかもです。
途中で「life」入ってきたりしますよ(w
あれはかなりスキですねー♪(toor2000+1ver.がヨイです)
もちろん、新曲も、、、(w
タバトモつながりでスマソ(w
- 8 名前:マインドトラベル 投稿日:2001年09月08日(土)18時21分24秒
- 「吉澤さん!!どこ行くんですか!?」
あたしは仕事すら嫌になって逃げ出した。
そして、繁華街をぶらついていた。
「ヒトミ様!!」
突然、誰かに呼ばれた。
振り返ると、ギャルとギャル男が微笑んでいた。
「・・・何?あんたたち?」
- 9 名前:マインドトラベル 投稿日:2001年09月09日(日)17時19分56秒
- 「アタシですよ〜!!あ・た・しっ!!」
「…だから、誰?」
「そんなことはどーでもいいんですっ!こっち来てください!」
あたしは2人に強引にいかがわしいクラブまで連れて行かれた。
新手のぼったくりかな、とは思ったけど、
お金は十分持ってたし、こういうヤツはきっと、クスリを持ってるはずだ。
ヤツらについていくと、vipルームらしき部屋に通された。
中に入っても誰もいなくて、そして古い本がたくさんつまれてあった。
- 10 名前:パズル 投稿日:2001年09月09日(日)21時38分39秒
- 「じゃあ、ここで待っててくださいね!」
2人は部屋を出て行った。
あたしはなんとなくそこにあったソファーに腰掛けた。
キィ…っと静かにドアが開いた。
あたしの前に今立ってるのは、それは…
- 11 名前:パズル 投稿日:2001年09月09日(日)21時41分10秒
- 「こんにちは。」
そいつがあたしに声を掛けた。
そいつは、あたしそのものだった。
声も、姿も、顔も、身長でさえ。
ただ、七色に光るカラーコンタクトが特異な印象を与えた。
- 12 名前:パズル 投稿日:2001年09月09日(日)22時01分32秒
- 「あんたは、誰?」
そいつは、一息おいてからこう言った。
「ナナイロとでもしておいて下さい。」
「あなたは、退屈なんでしょ?私とゲームをしませんか?」
「いい度胸ね。」
ゲームそのものには興味はなかった。
今、退屈しのぎになりそうなのはコイツの存在。
「ナナイロ」は手を差し出し、あたしに灰色の羽根を一つ渡した。
「これは、新しいドラッグです。あなたにあげます。」
「いくらなの?」
「タダでよろしいです。でも、誰も使ったことがないので、あなたは実験台です。」
「いいわ。飲む。」
そう言うと、ナナイロは水をくれた。
ナナイロは羽根をもう一回自分の手につかむと、水に落とした。
羽根は跡形もなく溶けて消えた。
- 13 名前:パズル 投稿日:2001年09月10日(月)18時24分29秒
- あたしは、クスリを一気に飲みほした。
グラグラという嫌な感じの眩暈が押し寄せて来た。
わずかにひまわりの匂いがした。
ナナイロの顔が、昔見た母親の歪んでいく笑顔に重なっていき、消えてゆく。
「いかないで…あと少しだけ…!!」
あたしはナナイロに消えて欲しくないと思った。
「…もうすぐ君のおとぎ話にたどり着く…」
これが最後の言葉だった。
- 14 名前:空の瞳 投稿日:2001年09月10日(月)18時38分46秒
- 「ど〜しよ〜、この人起きないよ〜?」
「じゃあ、棒か何かでつつきましょうか?」
「じゃあ、そ〜しよ〜♪」
「ウチが何か取りに行きますわ。」
「頼んだぞ〜、あいぼん!!」
- 15 名前:空の瞳 投稿日:2001年09月10日(月)21時04分32秒
- まず、目に映ったのは人間の顔。
離れ気味の目が可愛らしい、あたしと同年代の少女。
「ごっちん…?」
「あれぇ、起きちゃったぁ〜?」
でも、何かが違う。
あたりを見回すと、一面の樹海の緑と空の青。
「ごとーさーん!取ってきたで〜!!」
「あいぼん、ありがと〜! でもこの人起きちゃったみたい。」
「なんや、つまらんな〜…。」
「でも、変なの。あたしの名前知ってたの!」
あたしはぽかんとして2人を見ている。
- 16 名前:空の瞳 投稿日:2001年09月11日(火)21時04分05秒
- 「って、あいぼん、それ…何?」
「何…?って、落ちてましたけど。」
「そうじゃなくて、それって…ユグドラシルの枝じゃん!!」
「え……?もしかして、ウチ、やってもうた?!」
なんか、この人たち、勝手に騒いでるし…
…なんか、あたし、無視されてるような気がするんですけど〜…
- 17 名前:空の瞳 投稿日:2001年09月11日(火)21時09分08秒
- 「お〜い!」
半ばコントのような状態で、あたしは叫んだ。
「ど〜しよ〜!絶対しかられちゃうよ〜!」
「なんかええ方法ないんですか!?」
「おお〜〜〜いっ!!!」
「もとはと言えば、あいぼんが悪いんだからぁ〜!!」
「ウチじゃない!ごとうさんだって、賛成したやないけ!!」
「おお〜〜〜〜〜〜いっっ!!!!!!!」
「なんだと〜!やる気!?」
「痛い目みても知りませんよ!!」
だめだ、完璧に聞いてない。バカみたい…。
- 18 名前:空の瞳 投稿日:2001年09月13日(木)21時48分54秒
- 声は届かないみたいだったから、
ひとまず危険承知で二人の間に割って入ってみる。
そして、肺活量の限界まで息を吸いこみ、叫ぶ。
「ちょっと!!人の話を聞け〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!」
やっと気づいた二人はきょとんとしている。
まるでさっきまでのあたしみたいに。
「あ、せや、この人忘れとったわ…。」
「まるっきり無視してたね…。」
「っったく、アンタらは人の話は聞けない、
他人に責任押し付けあって、騒いで、一体何様のつもりよ!!!」
「「やばい…完全にブチ切れてる…」」
あたしは完全ブチ切れモードに入ってしまっていた。
- 19 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月16日(日)00時37分24秒
- まだどんな話かわかりませんが、惹かれました。
応援させていただきます。
- 20 名前:晴姫 投稿日:2001年09月16日(日)22時35分17秒
- ありがとうです。
そう逝っていただけると、本当にうれしいです。
ガムバルので、応援よろしく!です。
- 21 名前:空の瞳 投稿日:2001年09月16日(日)22時47分38秒
- 「ぐす、ぐすり…」
「うぁあ〜〜〜ん!!」
二人は、あたしが怒るとすぐに泣き出した。
「ちょ…ちょっとぉ…泣かれても困るんだけど…。」
「ぐず…これが泣かずにいられますかっての!ひっく…」
「ああ〜ん、私たちのおうちはもうすぐ無くなっちゃうし、
ただでさえ壊れそうなおうちの一部を壊しちゃったし…ひっく」
「ずず…これから、強制的に家さがさなアカンってのに、
家の者にもこっぴどく叱られて、アンタにも説教されて、
ず…これが泣かずにいられますか?!ぐすっ…」
叱られるのがかなり嫌らしい。
「おうちが無くなる…って、どういうこと?」
- 22 名前:空の瞳 投稿日:2001年09月17日(月)14時09分19秒
- 「これねー、あたしたちのおうちなの。」
ごっちんが下を指差す。
今、あたしが立ってるのは、とてつもなく大きな木の枝だった。
「これ、ユグドラシルっていうんやで!」
「でも、湖が枯れちゃって、もうすぐこの木もかれちゃうの。」
「それで、枝を折ったらそのぶんの水が早く無くなるんやな。」
なんとなくわかったような気がしたが、
余りにもゲームみたいな話だ。
「ところで姉ちゃん、アンタなにもんや?」
「あ〜、すっかり忘れてたね〜。」
さっきまで泣いてたのが嘘みたいにケロリとしている。
それより、なんで不信人物が目の前にいるのに、
正体を確かめないまま忘れてしまっていたんだろう?
…一体こいつら何なんだ…?
「あ〜っ、今、一体こいつら何なんだ、って思ったでしょ〜?」
- 23 名前:空の瞳 投稿日:2001年09月18日(火)21時32分11秒
- 「思ったでしょ!?」
「あ、バレた?」
でも、なんでバレたんだろ?
口にはしてないし、最近は表情を隠すのも上手くなってたはずなのに。
「これがごとうの能力だよ〜♪」
能力?って何のことだろう?話が飛びすぎている。
「なあ、姉ちゃんの能力ってどんなんや?」
「その前に、名前聞かなきゃ。」
「せや、しっかり忘れとったわ。」
「あたしはひとみ。」
…本当に一体こいつら何なんだろう…?
また、勘繰られるのが嫌だったので、名前を言ってから考えた。
「ウチは加護 亜依や。」
「あいぼん、この人あたしたちの名前知ってるっぽいから大丈夫。
あと、もう一回『こいつら何なんだ』って思ったでしょ?」
- 24 名前:名無し読者 投稿日:2001年09月21日(金)09時32分49秒
- 初めて感想書きます。
まだ三人しか登場してないのに、すごく面白いです。
設定とかも面白そう。がんばって更新してください
- 25 名前:JAM 投稿日:2001年09月29日(土)17時06分11秒
- 晴姫さんずっとまってますよ〜。
ガンバッテ下さい♪
- 26 名前:晴姫 投稿日:2001年10月11日(木)21時56分02秒
- とりあえず再開いたします。
- 27 名前:空の瞳 投稿日:2001年10月11日(木)22時06分09秒
- 「でも、あいぼん、多分この人、違う次元の人だよ。」
「違う次元?なんや、それ?」
「この人、『よっすい〜』は、
ここと世界観が随分違うとこから来たんだろうと思うの。」
「なんで後藤さん、そんなことわかるんや?」
「じゃあ、聞くけど、」
ごっちんはあたしのほうに向き直った。
少し、ドキッとしてしまった。
「三日月の双子、って何のことかわかる?」
当然、あたしにわかるわけもなく、首を横に振った。
「そりゃあ、三日月の双子を知らんヤツは、この世界のモンじゃないな。」
さっきから、何かひっかかる。
「ひとみちゃん、って呼ばれるよりはいいでしょ?」
そうだ、このごっちんはあたしの心が読めるらしかったんだ。
だから、すぐにあたしがここの人間じゃないことがわかったんだろう。
- 28 名前:空の瞳 投稿日:2001年10月11日(木)22時17分02秒
- 「ごっちんの能力って、心を読むことなの?」
ずっと聞きたかったことがやっと口から出た。
「ううん、違うよ。正確には、『未来を見る』の。」
「でも、それだけじゃ答えられない言動もあった。」
「それは、慣れ、かな?」
慣れでいちいち心を読まれては、たまらない。
「大丈夫、さっきまでは不信に思ってたけど、いい人みたいだし。
やろうと思わなければできないから。心配しないで。」
すかさずごっちんが答えた。
「加護にも、能力とかあるの?」
「まあな、人を笑わす能力や。」
…あんまり役に立ちそうもない。
「主に、旅のお供に、宴会に、戦闘に大活躍やで!」
余りに自信ありげに言うので、ちょっと信じてしまった。
「それで、姉ちゃんは?」
加護が聞く。
あたしにはまだ、いい答えが見つからない。
嘘をつく気になれない。
何年ぶりだろう、嘘をつきたくない、なんて思ったのは。
- 29 名前:空の瞳 投稿日:2001年10月11日(木)22時23分55秒
- 「よっすい〜の世界には、能力そのものがなかったんじゃないかな?」
「…もしかして、また心読んだ?」
「困ってたみたいだし。」
加護が訝しげにこちらを見る。
「本当に、そんな世界もあったんやなあ。」
「あたしの世界にも、2人と似てる子がいたんだ。」
「へえ、ちょっと会ってみたいかもな。」
「それで、能力に名前とかって無いの?」
「名前…?なんのことや?」
加護は少し悩んでいたようだ。
確かに、この世界ではあたしの常識は通用しない。
「歌(カメナ)のことを言ってるんじゃない?」
「あ、そやったわ。」
カメナ、って何?
考えたらきりが無いけど、日本語が通じる世界でよかった、と今更ながら思った。
- 30 名前:空の瞳 投稿日:2001年10月12日(金)17時21分07秒
- 「えっと、カメナ、っていうのは『歌』のことなの。」
「人によっては『カルメン』ってなまったりもするんや。」
自分の世界では、それは踊りって意味だったから、
意外とこの世界の言語と似ているのかもしれない。
「それ以上の意味はもたないし、普通に呼んだりもしない。」
「そう、大抵の人間は普通の能力しか持ってないし。」
普通、といわれると、能力にも良し悪しがある風に聞こえる。
「カメナは歌の女神たちが与える力。」
「それで、カメナを持っとるやつを三日月の双子って呼ぶんや。」
「なんか、昔のおとぎ話みたいだね。」
「「だって、そうだもん。」」
二人の声が見事にハモった。
- 31 名前:空の瞳 投稿日:2001年10月23日(火)15時11分34秒
- 「それで、その力を持ってる人は世界を救わなきゃいけないっていう伝説。」
「でも、ただのおとぎ話のハズなのに、うちらにその兆候があるらしくて。」
「そう、そう。それで竜退治になんか駆り出されちゃってさぁ…。」
完璧に現実の世界では考えられない話だ。
「竜って?」
とりあえず、気になる言葉を選ぶ。
「ファーブニルっていう名前で〜、この木の根っこが大好物で〜…」
「10年くらい前から現れて、みんな困ってたんや。」
「それを2人で倒すの?」
「まぁ、そういうことになってるらしいけどね〜?」
ごっちんはやはり現実世界と同様、やる気がない感じが否めない。
「倒せるの?」
「「無理。」」
もう一度、声が重なった。
強気な加護まで否定した。
「まぁ、命と引き換えでやっと、ってとこか?」
ごっちんの表情が少し曇る。加護は顔をしかめる。
- 32 名前:晴姫 投稿日:2001年10月23日(火)15時13分48秒
- ちょっと交信。
次回はいつになることやら…?ですが、
気長にマターリ、マターリ。
- 33 名前:名無し 投稿日:2001年10月23日(火)18時05分23秒
- しっかり読ませてもらってますよ〜、向こうのも♪
上手いし、面白いですね〜。
気長にお待ちしています。
- 34 名前:晴姫 投稿日:2001年10月24日(水)09時16分37秒
- うぅ、レスついてた!
最近ネガ気味なんで、こういうレスみるとやる気出てきます!
本当にありがたいです。
- 35 名前:空の瞳 投稿日:2001年10月24日(水)09時25分57秒
- 「…あたしたちが生きてても、死んでも、結果は同じだもん。」
「どっちにしろ、ここを守りたいと思っても到底無理やねん。」
「2人で逃げることだってできるけど、そんなことはしたくない。」
2人の決意は固く決まっていたようだ。
あたしは、どうしたらいいのか、よくわからなくなってきていた。
何をやればいいか、迷ってるのは自分だけ。
したいことを、見つけられないのは自分だけ。
だったら、死んだって構わない。
2人の代わりに。
「ごっちん、加護、あたしも連れてって。」
「え…よっすい〜、何する気?」
「あたしが囮になる。」
- 36 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月24日(水)11時12分08秒
- 面白い展開になってきましたな。
できれば長く続いてほしい小説です。
- 37 名前:空の瞳 投稿日:2001年10月24日(水)19時49分49秒
- 「それは賛成できんな。ちょっとこっち来てみ…」
加護にひっぱられて、ごっちんとは少し離れた位置に来た。
「よう、見てみい、あの後藤さんの顔。」
ごっちんには、いつもみたいにへらへらしているようなところのあいだで、
何か、深く思いつめたような表情を一瞬だけすることがしばしば見受けられた。
「…あの人は、愛したこの世界を歪ませたくないと思ってる。
ただそれだけや。」
「歪ませたくない、って?」
「この木が無くなると、食物連鎖云々がおかしくなって、
世界全体に影響が出るんや。だから守らなきゃならんのや。
でも正直、相手も悪い…。」
「だから、あたしも手伝うよ…?」
「そんな生半可な気持ちで挑んで欲しくないんや!!」
加護は、少し黙ったあと、言葉を選ぶようにして言った。
「あんたには普通に元の世界に帰って欲しい。
帰り方がわからんなら、あんたを帰せるやつを紹介する。
だから、うちらのことには手ぇださんといて…な?」
- 38 名前:晴姫 投稿日:2001年10月24日(水)19時51分47秒
- ちょっと文法おかしくなったかも知れませんが、
ご了承願います。。。
なるべくなら長く続けたいので、よろしくです。。。
- 39 名前:晴姫 投稿日:2001年10月25日(木)18時10分20秒
- 「わかった…じゃあ、あなたたちが生きて帰ることを祈ってる。」
そう言った自分に対して、悔しさがこみあげてきた。
干渉するのも、されるのも嫌いだったはずだ。
こんなの、あたしじゃない。
ふっと、そんな考えが頭の中をよぎった。
「本当に、すまんかったな…変な話に巻き込んでしもて。」
そう、加護が言ったか否かの時だった。
「あいぼん、よっすい〜、来るよ!!」
「え、予定より早いやんけ!!」
あたしには何が起こったかさっぱり分からない。
「よっすい〜、なにやってんの!そっちに行くよ!!」
その瞬間、あたしを目に見えない衝撃が襲った。
あたしは大きく吹き飛ばされた。
…痛い。なにがどうなってるのかわからない。
現実は、体に感じるこの痛みだけ。
- 40 名前:空の瞳 投稿日:2001年10月25日(木)21時04分45秒
- 姿の見えない、透明な獣。
なびいている風の向こうに、空気が渦を巻く。
そして、あたしの意識はそのまま薄らいでゆく。
「大丈夫?」
その言葉だけを耳に残して、あたしは眠った。
- 41 名前:晴姫。 投稿日:2001年10月25日(木)21時07分05秒
- とりあえず、イキオイで第2部逝っときますね。。。。
チャット仲間を一人こっちの世界に引きずり込んだ記念(ヲイ に。
- 42 名前:オアシス 投稿日:2001年10月25日(木)21時33分30秒
- 目が覚める。
あ、そうか、あたし、死んだんだっけ?
なんで、死んだんだろ?
目に映るのは、砂。
そして、オアシスと、目の前にたたずむ梨華ちゃん…?
- 43 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月25日(木)23時33分53秒
- ああ、どうなったんだろう、どうなるんだろう。
目が離せませんね。
第2部も頑張ってくださいな。
- 44 名前:晴姫。 投稿日:2001年10月29日(月)20時25分05秒
- なんだか、最近はちょこちょことレスがつきはじめて、
うれしいかぎりです。。。。
あたしもできるかぎりがんばりますので、見てやってください。
- 45 名前:オアシス 投稿日:2001年10月29日(月)20時37分32秒
- 「…きて……い…」
「おきて……くださ…い」
誰かがあたしを呼ぶ。
今度ははっきりと視界に入る。
「…あ、やっと起きましたね!よかった。」
梨華ちゃんだ。
だとすれば、さっきのは夢じゃなくて、
ごっちんと加護が夢だったのかもしれない。
でも、今瞳に映している景色も、相当非現実的な部類に入る。
「あなた、さっき、夢は見ましたか?」
梨華ちゃんがそう聞いてきた。
「さっきまで、夢なのかわからないけど、変な世界に居ました。」
「では、あなたは日が沈むまでに逃げなければいけない。」
そういって、彼女はすっと手をのばした。
その先には、大きな街が見えた。
「夜にこの砂漠にいるのは、とても危ないのです。」
とはいえ、今はまだ真昼だ。
どうしていいかよくわからない。
- 46 名前:オアシス 投稿日:2001年11月03日(土)14時49分21秒
- 「あと少しだけここにいてもいいですか?」
「…少しだけなら。」
彼女はちょっと困ったように言う。
少し、言葉を選ぶ。
「どうして、夜ここにいたら危ないの?」
「夢喰いという魔物が出るからです。」
彼女はすぐさま答えた。
「それって何なの?」
「夢喰いは、夢を見る人の夢を喰らい…」
彼女は続けた。
「そして、夢を一度喰われた人間は、魂までも喰らう。」
「…それって、本当の話?」
「信じる、信じないもあなた次第。
あなたはまだ夢を喰われていないから、一度だけなら大丈夫。」
彼女は、実にさらりとした口調で言ったので、余計に現実味が薄れた。
「私はもう夢を見れなくなりました。」
「私はもう表情がなくなってしまいました。」
「私にはもう生きる意味がわからなくなりました。」
淡々と続ける。…怖い。寒気がする。
いつもの梨華ちゃんとはまるで正反対だ。
「だから、私はここで、夢喰いが私を殺してくれるのを静かに待っています。」
「忘れないで、命まで取られないからって、それでは済まされないことを。」
彼女の言葉が、いつになく重く感じた。
- 47 名前:オアシス 投稿日:2001年11月12日(月)15時33分35秒
- 「ごめんなさい、初対面なのに重い話なんかして。」
彼女は済まなさそうに笑った。
なんか、ぎこちない。
あたしの知ってる彼女だったら、もっと何気なく笑うはずだ。
梨華ちゃん 砂漠 オアシス 太陽。
全部、無味無色な印象を受ける。
「あ、そうだ、私、暇つぶしに楽器持ってきたんです。あなたも聞きます?」
その「暇」っていうのも、自分が死ぬまでのものなんだろう。
もてあましているらしく、でも、何かが違う。
昔のあたしなら、そんなの気にしなかったのに、何かおかしい。
いつから……?
自分もわからない違和感に襲われる。
- 48 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月13日(火)02時06分42秒
- 更新されてますね〜。
毎日確認にきてます。ゆくりでいいので、よろしくお願いしますね〜。
少しずつ、少しずつ登場人物が増えてきていますね。
まだ、先が全然わからないので楽しみです。
- 49 名前:オアシス 投稿日:2001年11月13日(火)17時09分56秒
- 彼女は、異国情緒漂う琴のような楽器を弾きながら言った。
「昔は、この辺も平和でした。」
視線が、空に注がれる。
「子供も、大人も戦うすべを知らず…」
一瞬、彼女が見せたことのないような微笑みを浮かべた。
「このオアシスも私だけの秘密の場所でした。」
そう彼女がつぶやいた瞬間、とても懐かしい感覚に襲われた。
「秘密、ってどういうこと?」
「こんな砂漠の真ん中で、しかも町同士のルートから外れているから、
誰もわざわざ来ようなんて思いませんよ。」
今、ここで笑った彼女は、紛れもなく、あたしの知っている梨華ちゃんだった。
- 50 名前:晴姫 投稿日:2001年11月13日(火)17時13分51秒
- 毎日確認に来ていただいて、感謝です!
こんな素人のヘボ文でも、がんばってマターリ交信して逝きます。
- 51 名前:オアシス 投稿日:2001年11月14日(水)18時56分02秒
- 「真夜中に夢が乾くことはありますか?」
「へっ?」
唐突な質問に、少しびっくりした。
「夢が途切れて、目覚めたら真夜中だった、ってことです。」
「もともと、夢なんて見てないほうだったからわかんないや。」
そういえば、ずっと、夢なんて見ていない。
夢を見たいなんて、意識もしてなかった。
「私はよくあるんです。そういうとき、ここへ来てぼーっとして過ごします。」
やっぱり、梨華ちゃんだから、星の数とか数えたりするのかな、
なんて想像したら、ちょっと笑いがこみ上げてきた。
「ぷふっ!!」
「あっ、なんで笑ってるんですか!?人が折角話をしているというのに!!」
- 52 名前:オアシス 投稿日:2001年11月19日(月)20時41分48秒
- 「いや、どんな夢みてるのかなって。」
あたしは笑いながら答える。
「…ちょっと、失礼ですよ? 初対面の人に向かって!」
彼女は怒る。
「ほら、まだ大丈夫。」
「えっ、何のことですか?」
「あなたはまだ笑えてる、怒れてる。あなたが思うよりも。」
そう、何故か、梨華ちゃんがちょっと前のあたしとダブる。
「だから、一緒に安全なところまでいこう、ね?」
だからこそ、放って置けないのかもしれない。
- 53 名前:オアシス 投稿日:2001年12月03日(月)17時30分06秒
彼女は、少し考え込んだ。
「生き長らえることは簡単でも、充実した毎日を生きるのは、難しいのです。」
「でも、生きなきゃ、何にも始まらないよ?」
「例え、生き延びても、あなたのような人にまた出会えるかわからないですもの。」
彼女は笑った。
「夢の無い人間にとって、待つことはとてもつらいことなんです。」
振り返って、あたしを見た。
「さぁ、私にお別れを言ってください。」
- 54 名前:晴姫。 投稿日:2001年12月03日(月)17時31分31秒
- ちょこっと交信。
最近意欲が停滞気味&隠密行動が多忙です(w
- 55 名前:オアシス 投稿日:2001年12月04日(火)20時03分49秒
- 「さようなら。」
「旅立ちの時を教えてる…君のそばで…」
うわごとのように、彼女が口ずさむ。
あたしは後ろを向いて歩き出す。
「ありがとう」と手を振って。
- 56 名前:GAME 投稿日:2001年12月04日(火)20時11分16秒
- その瞬間、また視界が変わる。
もう3回目だから、なれたことは慣れたけれど。
めまぐるしく変わる、風景。
覚えているのは最初に飲んだクスリの味。
ふいに、「ぱぁん」という物騒な物音が響く。
目の前に真っ赤な景色が広がる。
雑多な路地。
赤く染まった人。
銃を構える美しい女性。
- 57 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月07日(金)02時20分49秒
- 最近、ネットできなかったので今日覗いてみると更新されてるじゃないですか〜。
次に登場する人物は誰なんでしょうね〜。
そこらへんもたのしみです。
出来るペースで更新してくださいね。
- 58 名前:名無しさん 投稿日:2001年12月09日(日)16時24分47秒
- 今日初めて読みました。
不思議な雰囲気の世界ですね。次の展開が楽しみです。
- 59 名前:晴姫。 投稿日:2001年12月09日(日)17時15分46秒
- >>57
必死に交信してます。とりあえず、一週間ほどに一回?
テスト、終わりましたが、レポート×2で今にも氏にそうです。
>>58
不思議、っていうよりかは、キティ飼いが書く文章です(w
怖いものみたさでお付き合いお願いします(w
- 60 名前:GAME 投稿日:2001年12月09日(日)18時04分39秒
- 「ね、誰かそこにいるでしょ?」
気づかれた、と表情に出した瞬間、
ふふん、と得意げな顔する。
「どう?カオリ、カッコいいでしょ?」
見下したように笑う。陶酔にも似た、甘いときめきが彼女を覆う。
目をあわせていられなくなる、狂った目線。
「…殺すんなら、殺せば?」
あたしは飯田さんの顔をしたこの女性に向かってそういう。
殺されても、殺されなくても、どっちでも構わない。
とりあえず、今の悪夢と狂気が終わってくれればそれでいいと感じ取れた。
- 61 名前:晴姫。 投稿日:2001年12月09日(日)19時44分59秒
- ちょっと文章がおかしくて鬱です。
訂正
誤 とりあえず、今の悪夢と狂気が終わってくれればそれでいいと感じ取れた。
正 あたしは、今の悪夢と狂気が終わってくれればそれでいいと感じ取った。
- 62 名前:GAME 投稿日:2001年12月11日(火)15時37分04秒
- 地面にへたりこんだあたしの前で飯田さんの顔をした彼女は笑う。
彼女の手は血まみれ。
彼女の周りには屍の山。
この惨状を見て、発狂しない方がおかしい。
あたしもいっそ、発狂でもして何もかも忘れてしまいたくなった。
あたしのなかで、訳のわからない感情がグルグル回る。
彼女の右手の中にある拳銃の銃口を自分の額に当てた。
「早く殺して。」
あたしはそうせがんだ。
さっき、梨華ちゃんに「生きなさい」って言ったばっかりなのに。
「お願い、早く殺して。」
- 63 名前:GAME 投稿日:2001年12月17日(月)18時04分50秒
- 惨劇があったばっかりの路地を、人ごみが覆う。
信じられない。
死体はいつのまにか、どこかへいった。
気が触れそうだ。
あと一秒でもここにいたら、確実にアタマが汚染される。
あと一秒でも目の前の彼女と目を合わせていたら、
確実に自分が自分でいられなくなってしまう。
目の前で嘲笑う彼女は残酷で、あたしに手をかけようともしない。
「あなた、カオリと同じ匂いがする。」
そして、彼女は自信に満ちた笑みを浮かべた。
「…あなたも、人を殺すことができたなら、きっとその楽しみがわかるハズよ。」
彼女は、自分の拳銃を差し出した。
無言の圧力がかかってくるのがわかる。
もう、この人には逆らえない。そう本能で感じ取る。
あたしの手の中には、彼女から差し出された拳銃が収まっていた。
- 64 名前:GAME 投稿日:2002年01月15日(火)11時31分54秒
ゲーム感覚の人殺し。
麻薬の匂い、強大な力、歪んだ愛。
全部昔のあたしが求めたもの。
今は、その真っ只中に巻き込まれている。
車に乗り込む。真っ黒な高級車。
あたしはあなたのペルシャ猫で。
「ヒトミはカオリを裏切れないよ。」
麗しいあなたの呪縛。
あなたが不要なものを排除してゆく度に、
あたしはあなたの心のなかで大きくなっていく。
「あたしだけがあなたの味方ですから。」
そう一言つぶやくだけで、力と、甘い愛撫があたしに与えられる。
- 65 名前:GAME 投稿日:2002年01月24日(木)17時11分35秒
- あたしが彼女に出会って拾われてから1ヶ月。
好きなものは何でも手に入る。
そのかわり、心が無くなっていく生活にも慣れてきていた。
慣れてきていた、というより、マヒしていた。
あたしはもはや、すでに彼女の操り人形になっていた。
感情がなくなったような、なくなってないような、不思議な感覚。
人を殺す仕事は生臭くていやだけれど、
夢がみたくなったら、クスリを使えばいい。
慣れた毒の味と、最高のカタルシス。
そして愛してくれる人。
もう、他にはなにも要らないと思った。
これから現実に戻ろうなんて、思わなかった。
あたしはこのまま堕落しきって、そのまま人生が終わってもいいと思っていた。
- 66 名前:名無しさん 投稿日:2002年03月10日(日)22時18分32秒
- 作者さんゆっくりでええんで
続き書いてください。待ってます。
- 67 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月04日(木)17時50分22秒
- やっぱりもう続きないんですか?
それやったらかなり残念です。
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