イイダさん観察記
ver.1 イイダさんのヒミツ
飯田さんは、とってもすごい人なのれす。
辻は、昨日、飯田さんのヒミツを知ってしまいました。
あれを他のメンバーが知ったらいけないような気がします。
だから、辻は黙ってますよ、飯田さん。
「つじー」
あっ、飯田さんが呼んでるのれす。
あの顔は、交信後、約43秒ってところれすね。
「なんれすか〜?」
飯田さんは、メンバーのみんなからは離れた暗がりに立って、辻に向かって手招きをしてる。
いつもなら来てくれるのに…なんか様子がおかしいのれす。
「カオには、なんでも分かるんだよ」
「??」
辻が飯田さんの元に行くと、突然、そんなことを言われた。
意味が分からないのれす。もっと、細かく言ってほしいのれす。
そう目で訴えてみる。
「辻、昨日、見たよね」
時折、怖いと言われる飯田さんの大きな瞳は、少し悲しげだ。
「な、なにをですか?辻、なんにも見てないれす」
「ふ〜」
飯田さんは、深くため息をつく。
「辻、昨日、なにを見たか言ってごらん?」
その瞳には、催眠術のような作用があるみたいなのれす。
辻の口は、勝手に昨日見たことを言っていました。
「辻は〜、昨日―――――」
――昨夜 ダンスレッスン終了後 某スタジオ
「のの、一緒かえろー」
加護が、タオルで汗を拭きながら言う。
その肩には帰り支度の終わったバッグをすでにかけている。
「ちょっとまって〜」
亜依ちゃんは、ちょっとせっかちれす。
中澤さんもそうらったけど……かんさいの人は、みんなせっかちなのかな?
ののは、そのスピードについていけないのれす。
辻は、そんなことを思いながら、帰り支度をはじめる。
「加護〜、ちょっと来て〜」
シャワー室の方から、気怠げな声が聞こえる。
あのこえは、後藤さんれすね。
さいきん、亜依ちゃんと仲がいいんれすよね〜。
「はいな〜、師匠っ!!」
加護は、嬉しそうにシャワー室の方へ走っていった。
――あっ!!亜依ちゃん、のののそんざいわすれてる……ひどいのれす。
…しょうがないれす。ほかにいっしょに帰ってくれそうな人さがすのれす。
辻は、チラッと周りを見回す。
少し大きな体が、あくびをしながらドアにもたれかかっている。
あっ、よっすぃーだ。よっすぃーといっしょに帰ろっかなー。
「よっす……あっ」
辻が言いかけてやめたのは、吉澤にまとわりついている黒い物体…
もとい、石川の存在に気づいたからだ。
ののは、気がきくんれすよ。2人のこいじのじゃまはしません。
……とおもったら、よっすぃーは、梨華ちゃんをていねいにことわって矢口さんのほうに行ってしまったのれす。
しかも、矢口さんにヘコヘコしているのれす。
ん〜、おとなのせかいはよく分からないのれす。
…んっ!?
あれは、いいらさんれすね〜。1人でどこへ行くんれしょう??
よし、めいたんていのののかつやくのばめんれすね。
辻は、フラフラと歩く飯田の後を追うのであった。
いいらさんを、追っていたらおくじょうに来てしまいました。
いったい、なにをするつもりなんれしょう?
辻が、じっと目をこらして見ていると、飯田は、いきなり例のちょっとおかしなダンスを踊り始めた。月明かりの下で見るそれは……やっぱり、おかしかった。
……って、あれはなんれすかっ!!??
いいらさんのあたまのうえに大きな○。
UFOっ!!!!!?????
あっ、なかから人が出てきたのれす。
なんかあの人、平家さんにそっくりれすね〜。
平家さんのそっくりさんは、いいらさんと、おしゃべりしはじめました。
「――だからっ、カオリはまだ星には帰りたくないの」
「やけどっ王女、……が……して…み…ですよ」
飯田の声はハッキリと聞こえるが、平家もどきの声は聞こえにくい。
でも、星って?
王女って??
「ともかく、カオはまだ星に帰る気はないからね」
――現在 収録後 辻 小一時間問いつめられ中
「…ってところを、見たのれす」
「やっぱりねー、誰かいたと思ったんだ、カオ」
いいらさんは、おだやかにほほえむ。
おこってないみたいれすね。でも、それよりもきのうのこと聞きたいのれす。
「――いいらさんは、宇宙人なんれすか?」
辻の言葉に、一瞬イイダが固まった気がした。
でも、次の瞬間にはまたいつもの柔らかな雰囲気を醸し出す。
「辻、ヒミツは守れるよね」
「へいっ」
「じゃぁ、辻には特別に教えてあげるね」
それから、いいらさんが教えてくれたことは、
ののにはむずかしくてちょっと分からなかったけど、
目の前のいいらさんは、ホントのいいらさんじゃなくて、
ホントのいいらさんは、目の前のいいらさんのいた星にいることが分かりました。
このイイラ(外人さんはカタカナにするのれす)さんは、
ハロー星の王女で、いいらさんのこうしんでんぱをじゅしんして2人は、知り合いになったみたいれす。それで2人は、同じ顔、同じようなたちばなのれ、
少しのあいだ、おたがいの世界をこうかんしてみたらしいれす。
でも、イイラさんは、もうすぐじぶんの星に帰らなきゃいけないと、少し悲しげにつぶやきました。
そうしないと、いろいろ星どうしのあいだでごたごたするからって……
ののは、イイラさんにちきゅうでのいろいろなおもいでをつくってほしいれす。
だって、ののは、いいらさんもイイラさんも大好きれすから。
ver.2 安倍さんとあさ美ちゃん
ひょんなことからイイラさんが、宇宙人らと知ってしまった今日このごろ……
ののは、イイラさんのこうどうをチェックしていました。
それはもう、となりにぴったりです。
れも、イイラさんは、いつものいいらさんと
こうどうパターンが変わりないみたいれす。
だから、みんなにばれなかったんれすね。
「――カオね、思うんだ」
イイラさんが、いいらさんのように
こうしんちゅうのしゃべり方にきりかわりました。
そんなとこもいいらさんといっしょなんれすね。
はなしあいては、安倍さん。
・・・と、その横にざしきワラシのようにひっそりと新メンのあさ美ちゃんもいます。
安倍さんといいらさんは、たんじょうびが1日ちがい(?)で、
なんと生まれたびょーいんもいっしょのくされえんらしいのれす。
それでも、目の前にいるいいらさんが、べつじんだと気づかないもんなのれすね〜。
ののも気づきませんれしたけど…けふん
それにしても、いつ聞いてもイイラさんのこうしんちゅうのおしゃべりは
ののにはりかいできないのれす。
でも、安倍さんは、うんうんとときどき、相づちを打ちながら聞いています。
あれっ!?安倍さんのとなりであさ美ちゃんもうなずいてるっ!!
うなづいてるってことは、安倍さんと同じように
イイダさんのはなしをりかいしてるのかな?
「――――だから、鳥はもとの場所へと帰っていくんだよね、きっと」
ののが、おどろいてるあいだにイイラさんのはなしが終わっちゃったのれす。
「あー、分かるべ、その気持ちー」
「……すごくために、なります」
えっ!!
安倍さんは、ともかく、ホントにあさみちゃんも分かったの?
ホントにタメになる話だったの?
ののには、ぜんぜん分かんなかったれすよ……
ん〜、今のは,ほっかいどーの人にしかつうじない
たとえばなしなのかもしれないのれす……
でも、そんなドサンコ2人組も、ののは大好きれすよ。
ver.3 矢口さんとよっすぃー
今日のイイラさんは、なにやら矢口さんのそうだんにのっているようれす。
ののも、イイラさんのとなりの席キープなので、
矢口さんのはなしもちゃーんと聞いてます。
「…でさー、よっすぃーをあたしが尻にしいてるとか、石川に言われちゃったわけ。
ひどくない?矢口、尻になんてしいてないよねー」
そうだんと言うよりは、グチれすね。
でも、ホントにじかくがないんれしょうか、矢口さんは。
ののは、このあいだ、2人のかんけいをもくげきしたばかりだからなんとも言えないれすけど、チラッと見たかんじだけど、
思いっきりよっすぃーは、矢口さんのシリにしかれてる気がします。
――イイラさんは、なんて言うんれしょう??
「矢口の相談ってそれだけ?」
イイダは、自分よりも目線がしたにある矢口を覗き込むようにみる。
「それだけ?…って、そうだよ、ワルイかよーっ」
矢口さんは、イイラさんに見つめられてちょっと照れてるみたいれす。
「それなら、カオに任せてよ」
「えっ!?」
「吉澤を、もっと頼れるオットコ前キャラにしたらいいんでしょ?」
イイラさん、ちょっとにんげんにはふかのうなことを言ってるような……
あっでも、にんげんじゃないんれしたね。
なら、だいじょーぶれすね。のの、なっとくしました。
「そうそう、よっすぃーはかっこいいんだけど、ちょっと頼りないんだよねー。
カオリもよく見てるじゃん」
矢口が、イイダに笑いかける。
「じゃ、さっそく、吉澤をもっと頼れるオットコ前でいこう作戦開始するから楽しみにしててね」
「へ?…うん」
そう言って、さっそうと立ち去っていくイイだを呆然と見上げる矢口。
だが、突飛なイイダの言動にはもう慣れてしまったのか、
なにごともなかったかのように雑誌を読み出した。
ののは、もちろん、イイラさんのあとを追いましたよ。
イイラさんが、いちばんに向かったのはもちろんよっすぃーのところ。
そのとき、ちょうどよっすぃーは、後藤さんとじゃれ合っていました。
それを、まんなかからムリヤリわりこむようにして、
すれちがいざまよっすぃーのかたひじをつかんでよっすぃーごとひきずっていく。
そのスピード、さすがなのれす。
とりのこされた後藤さんは、キョトンとしたかおで
ずるずると引きずられていくよっすぃーと、イイラさんのうしろすがたを見つめていました。でも、すぐにソファに横になってねむりの世界へ――って、いいんれすか、後藤さん?かりにもともだちをラチされたのに……
亜依ちゃんならきっと「そこが師匠のすごいところやねん」とか言うんれしょうね〜
ハッ!!
それよりも、イイラさんたちのあと、ついていかなきゃ――
イイダが、吉澤をひきずってたどりついたところはトイレ。
「ちょっと、なんなんですか〜」
さすがの吉澤も、ちょっと不機嫌そうな声をあげる。
「吉澤、これから聞く質問に答えてね」
しかし、イイダは、そんなのお構いなしにきっぱりと言った。
「は?はぁ…」
やや押され気味に吉澤はうなづく。
「第1問!吉澤は、矢口の尻にしかれている、○か×か?」
って、イイラさん、それまんまじゃないれすかーっ!?
よっすぃーも、かたまってるし――
「さぁ、答えて」
さぁって…こたえられないれすよ、ふつう。
たとえ、そうでも、そんななさけないこと……
「あ、あの、それは飯田さんにどうゆう関係があるんですか?」
あー、よっすぃー、せいろん言っちゃいました。
これは、ぜったいヤバイれすよ、イイラさん…
んっ、イイラさん、よゆうのひょうじょうれすね。
「吉澤の未来に関係あることなの」
「えっ!?」
もしかして、このさくせんは……ののもかけられた『大きな瞳はさいみんじゅつ!?』れすか?
そうなんれすか、イイラさん。
イイラさんは、よっすぃーの瞳をじーっと見ている。
あっ、よっすぃーのかおがだんだん、うつろになってきてる。
やっぱり、『大きな(以下略)』さくせんらったのれすね。
さすが、イイラさんれす。
「……しかれてるっていうか、まぁ、主導権は矢口さんですね〜」
吉澤、破れたり!という感じで、吉澤は虚ろな顔をしたまま訥々と喋り出す。
ないようは、あまりにもよっすぃーがかわいそうなんでののには言えないのれす。
にしても、なんれよっすぃーはそれでも矢口さんと付き合ってるんれすかね〜。
ののには、そっちの方がナゾなのれす。それが大人なのかもしれません。
「――分かった」
よっすぃーのはなしを聞いたあと、
少しかんがえこんだ(こうしんした)イイラさんがニコッとわらう。
「カオに任せてね、吉澤」
「は、はぁ…」
こんどは、なにするんれすか?
ののは、イイラさんのうごきみててドッキドキれすよ。
「吉澤、背中向けて」
「…こうですか」
吉澤は、案外、素直にイイダに背中を向ける。
まら、さいみんこうかがのこってるのかもしれません。
「いっくよー!!」
そう言って、イイダは片手を振り上げる。
「行くってどこにです、ぐぁ――っ!!」
その手は、台詞の途中でよしざわの首筋にクリーンヒットした。
吉澤は、そのまま顔面から前のめりに倒れる。
……ここ、トイレなのに、ちょっとかわいそうなのれす。
ふこうちゅうのさいわいは、そうじしたあとやく3じかんけいかごの
かわきかけのゆからったことれすね。
これが、そうじまえやそうじしたあとやく1じかんけいかのゆからったら、
もうたまったもんじゃねーのれす。
「…イイラさん、いまのはなにしたんれすか?」
「ん?見たら分かるよー」
たった今、よっすぃーを倒したイイラさんは、ニコッとキレイに笑うのれした。
ver.4 矢口さんとよっすぃー
「辻、隠れるよ」
「へっ?」
イイラさんが、がばっとののをかかえてトイレのこしつに入る。
「なんれれすか?」
こごえでイイラさんに聞いてみる。
「こっそり、吉澤のあと、つけるよ」
「…へい」
「んっふ〜ん…」
すうふんご、むくっと起きあがったヨッスィーは、
なんかみょうにへんなオーラをまとっていました。
そして、キョロキョロとまわりをみまわして、
くちぶえを吹きながらトイレから出ていきました。
「行くよっ」
イイラさんが、ののの手をひっぱってくれます。
ののは、それだけでまんぞくなのれす……イタッ!!
イイラさん、いきなり止まらないでほしいのれす。
んっ?その目は、見てみろってことれすか?
よいしょっと…あれは、よっすぃーと、梨華ちゃんれすね〜
んっ!えっ!!えーーーーっ!!!
よっすぃー、梨華ちゃんをかべに押しつけてなにしてるんれすか??
「梨華ちゃん、なんてキレイなんだ、君は」
「…え?ヤダ、なに言ってるの、よっすぃー」
「君の瞳に、カンパハァイ!!」
よっすぃーが、梨華ちゃんをくどいてる??
カンパハァイって……でも、梨華ちゃんもまんざらじゃなさそうなのれす。
……イイラさんのもっとたよれるオットコ前キャラさくせんってコレだったんれすか?
これじゃ、ただのタラシなジゴロキャラなのれす。
「ちょっと、吉澤っ!!あんた、石川になにしてんのよっ!」
向こうからすごいいきおいで来たのはおばちゃんれすね。
おばちゃんの梨華ちゃん好きにもこまったものれす。
「おぉぅっ!!保田さんじゃないですか〜」
よっすぃーが、りょうてを広げながらターンをきめて、梨華ちゃんからはなれる。
……えーっ!!こんどは、おばちゃんねらってるんれすか〜!?
「保田さん、怒った顔もビューチフォーですよ〜。
…おやっ、顔が赤くなってますね〜。んー、そんなところもキューティクルだ」
およそ、よっすぃーらしくないのれす……
さすがの保田さんもタジタジれすね。
やっぱり、このさくせんしっぱいらったんじゃないれすか??
「……間違えちゃった」
ポツリと辻の頭上でつぶやく声が聞こえた。
辻はイイダを見上げる。
イイダは、辻を見てぺろっと舌を出した。
やっぱり、まちがえたんれすね……
と、辻たちがそんな目と目で会話してる間に
吉澤は新たなターゲットの方へ消えてしまう。
「イイラさん、よっすぃーになにしたんれすか??」
「んー、人のさー、ここにスイッチがあるんだよね」
「スイッチ?」
「そう、それを押したら性格がちょっと変わるんだけど……
それを押し間違えちゃったみたい」
スイッチ?そんなの聞いたこともないけど…宇宙人のイイダさんには見えるんれしょうか。
「ののにもあるんれすか!?」
「うん、あるよー。頭よくなるように押してあげよっか」
「え……えんりょします」
「そう……それよりも、吉澤追わなきゃね」
「へいっ!」
よっすぃーのあとを追うのはかんたんれした。
だって、ろうかで顔が赤くなっているメンバーをたどっていけばいいかられす。
でも、メンバーぜんいんをくどくなんて……
よっすぃーのがんぼうもまざってるんじゃないれしょうか?
「どうやら、楽屋にいるみたいね」
「そうれすね」
さいごのぎせいしゃ、愛ちゃんをチラッと見る。
これはもう、よっすぃーにメロメロになってますね。
このあとが、たいへんれすよ、よっすぃーは……
「ちょ…、ちょっと、よっすぃー、なにすんのよっ!!」
中から、矢口さんのあせった声が聞こえてきます。
と、とつにゅうれすねっ!!
辻が、イイダを見上げると、イイダは、こっそり覗き見を開始していた。
……イイラさん
「矢口さ……いや、真里」
「ハァっ!!」
「真里の素直じゃないところがあたしは好きだよ。
そうその小柄なバディもセクスィービームもタッタカターノウァチャーも、
真里の全てをうぁい(愛)してるっ!」
「……」
矢口さんは、ソファにくみしかれてますね。
ホントに見てるだけでいいんれすか?イイラさん。
あっ、イイラさんこうしんモードとつにゅうしてる…
このじょうきょうでなにとこうしんするのれすか??
「さっ真里、あたしの胸に飛び込んでこいっ!!」
れも、さっきからよっすぃーのセリフってなーんか古くさいれすね〜。
矢口さんはだまってうつむいたまんま……もしかして、泣いてるんれしょうか?
たしかに、じぶんの好きな人が
こんなに古くさいセリフ言うようになったら、ののれも泣いちゃいますけど…
「どうした?真里??カッケすぎるのか、あたしが?」
「っていうか、キショっ!!」
「えっ?」
「よっすぃー、マジキショすぎっ!!!」
矢口さん、目がこわいれす。
き、キレてたんれすね……
――ドーンッ
よっすぃーをつきとばす矢口さん。
そして、そのままがくやのドアをあけようと…って、あけられたら
あぅっ!!
のののおでこにドアがクリーンヒットしたのれす。
あー、星がまわってる。ののもこうしんちゅうれすかね〜。
「よし、辻、行くよっ」
イイダが、サッと辻の腕をつかんで楽屋に入り鍵をかける。
えっ?いつのまにこうしんからもどったんれすか?
っていうか、ちゃっかりイイラさん、ドアよけてたんれすね……
「ま〜り〜………」
おきざりにされたよっすぃーは、なみだめでじぶんの世界にはいっちゃってますね。
「いっくよーーーーっ!!」
イ、イイラさん、てんかい早いれす。
――バッコーン!!
よっすぃーは、ものも言わずにたおれる
だんだん、かわいそうになってきました。
「…今度は、成功したはず」
イイダは、満足げに腕を回すのでした。
それから、すうじつご
まえと同じように、矢口さんのシリにしかれたよっすぃーのすがたをみんながもくげきしました。
うわさによると、まえよりももっとヘタレよっすぃーになったらしいれす。
ののは、そんなラブラブ(?)な2人も…だいすきれす…よ
ver.5 亜依ちゃんと後藤さん
今日は、ちょっとしゅこうがチガウのれす。
ののは、亜依ちゃんによびだされてイイラさんとははなれたところにいます。
いっつもえがおでげんきな亜依ちゃんが、
ちょっとまじめな顔をしてののの前に立っています。
いったい、どうしたんれしょう?
「どうしたの、亜依ちゃん?」
「…んっ」
さっきから亜依ちゃんは、ずっとこんなちょうしれす。
ののは、イイラさんじゃないから話してくれないと
亜依ちゃんのきもちが分からないのれす。
(…ごっちんのことだよ、辻)
えっ!?
あたまの中でイイラさんのこえがしました。
あたりをキョロキョロ見ると、
よっすぃーと後藤さんのそばにいるイイラさんがほほえんでいます。
てだすけしてくれるんれすね。
ののが、あたまで聞くとイイラさんはゆっくりとうなづいてくれました。
よしっ!!のの、がんばるぞっ!!!
「亜依ちゃん、もしかして、後藤さんのことれすか?」
ののが、そう言うと亜依ちゃんはおどろいたかおをして
ポリポリと照れたようにあたまをかきます。
「やっぱり、ののには分かるんやな〜」
「そうれすよっ、ののは亜依ちゃんのことなんでも分かるのれすっ!!」
ホントは、イイラさんのおかげれすけど、
ののは、えっへんとむねをそらして見せました。
亜依ちゃんは、ニコッとわらいます。
今日、やっとえがおが見れたのれす。
「それで、後藤さんがどうしたんれすか?」
「うん、あんなー、師匠って大人やんかー」
後藤さんが、おとな……そうれすね、ののたちにくらべたらすごくおとなれす。
辻は、うなづく。
「せやから、うちが好きゆうても、相手にされてへん気がするねん」
「へ〜…えっ!!」
亜依ちゃん、後藤さんにコクハクしたんれすか!?
いつのまにっ!!ののはそんなこといっかいも聞いてないのれす。
「それでな、後藤さんのホンマの気持ちってどこにあるんやろうなーって」
亜依ちゃんだけ、さきにすすんでーーー!!
(辻っ、加護の話、聞いてるっ?)
イイダの声が飛んでくる。
あっ!!
…ちょっと、どうようして聞いてなかったれす。
そう答えると、イイラさんが、亜依ちゃんの言ったことをおしえてくれる。
ん〜後藤さんのきもちなんて、ののに聞かれても分かんないのれす。
「ののは、大人な飯田さんと仲えーやんか。
やから、どうやったら2人みたいな空気つくれるんか教えてほしいねん」
「えっ!!」
の、ののとイイラさん、れすか!?
イ、 イイラさん、なんてこたえたらいいんれすか??
辻は救いを求めるように聞いたのに、イイダからはなにも返ってこない。
イイラさん、もしかして照れてますか?
辻は、横目でチラッとイイダの方を見る。
イイダは、かすかに首を振りながらも顔がちょっと赤い。
やっぱり、照れてる……テヘテヘ♪ののも照れてますよー
「…やっぱ、そんなん教えられへんよなー。後藤さんと飯田さんはちゃうし」
加護が、ちょっと残念そうに言う。
んー、こうなったら後藤さんのホンネをさぐるしかないれすね。
「ご、後藤さんの気持ちが分かったらいいんだよね」
「へっ、そうやけど…後藤さんは、気持ち隠すのうまいからな〜」
「ののに、任せるのれすっ!」
(つじ、つじ)
…なんれすか?
(ごっちんは、加護のこと好きだよ)
…ホントれすか?
(うん、さっき交信した)
「亜依ちゃん、後藤さんは、亜依ちゃんのことぜったい、好きだよ」
「どうしたん、急に?」
「ののは、後藤さんのことも分かっちゃうのれす」
「……でも、それやったらなんで相手にしてくれへんのやろ?」
「…うっ」
なんでれすか、イイラさん?
(ごっちんはね、不器用だからあれでも気持ち伝えてるつもりなんだよ。
よく観察したら分かるから――)
「後藤さんは、ぶきようなんだよ」
「後藤さんがー!?」
「そ、そうらしいよ…」
「…らしいって、ののー」
「まだ、つづきがあるの。ちゃんと、聞いてよ、亜依ちゃん」
ののにだって後藤さんがぶきようとか分かんないのに、
はっきりいうなんてできるわけないじゃないれすかー。
「それでね、あれでもきもちつたえてるつもりなんだって」
「あれでもって?」
「そ…それは…」
うーんとっ……あっ!!あの時とか
「ホラ、このあいだだっていっしょにシャワー浴びにいったじゃないれすか。
ののを置いて」
「あっ!!」
亜依ちゃんが、いま思い出したようにいう。
「それだよ。だから、後藤さんをよくかんさつしたら
きっと後藤さんのきもちが分かるのれす」
「観察…」
「うん。ののもイイラさんのこといっつもかんさつしてるもん」
「そうなんか」
加護は、感心したように辻を見る。
「分かった、ありがとなー、ののっ」
「どーいたましてー」
辻に手を振りながら加護は、後藤の方へ走っていく。
後藤は、フニャッとした笑顔で加護を受け止めている。
んー、あんなえがお、ののにはしてくれないれすね〜
(辻は、カオリがいるからいいじゃん)
そうれすね。
ののは、好きになるのにおとなもこどももないと思うのれす。
だから、後藤さんも亜依ちゃんも大好きなのれす
ver.6 梨華ちゃんとおばちゃん
「よっすぃーっ!!」
「な、なに、梨華ちゃん?」
梨華ちゃんが、よっすっぃーにだきついてます。
よっすぃーは、ちょっとこまりぎみ。
それは、そうれすね。
あんなところ矢口さんに見られたらこわいれすもんね。
でも……
ねぇ、イイラさん。
のの、おもうんれすけど梨華ちゃんってよっすぃーが好きなんれすか?
(んー、石川はねー、まだ微妙なんだよ)
び・みょ・う?
(そ、微妙)
は〜、びみょうれすか…
(そ、微妙)
びみょう…
(微妙)
びみょう…
(微妙)
……いつまでつづけるんれすか?
(いつまででも)
…………
あっ、梨華ちゃんがよっすぃーからはなれた。
うしろからのさっきに気づいたんれすね。
あ〜あ、よっすぃーおこられてる。
このあいだのこともあるから、矢口さんのチェックもきびしくなってるみたいれすね。あのあと、たいへんだったらしいれすし……
よっすぃーからはなれて、梨華ちゃん、こんどは後藤さんのところにすりよってる。
あっ!でも、亜依ちゃんが後藤さんをでぃふぇんす。
いいれすね〜、亜依ちゃん!ガンバルのれすよ!!
後藤さんもてれわらいをうかべながら
梨華ちゃんになにかつぶやいて、亜依ちゃんとどこかに行っちゃいました。
こんどは、どこ行くんれしょう、梨華ちゃん
…ん?こっちにくる気れすか??
まさか、のののこと……
(カオだよ、絶対)
…………ちょっと言ってみたかったらけれす。
「飯田さーんっ!!」
梨華ちゃん、おっきなむねでタックル!!
……のののことアウトオブがんちゅうれすね〜
イイラさんは、のののなのれすっ。
辻は、イイダの上着の袖を掴む。
イイダは、そんな辻にチョコッとだけ笑いかけた。
石川は、そんなのおかまいなしにイイダにぐだぐだと話しだす。
「聞いてくださいよー」
「はいはい」
「よっすぃーも、ごっちんも、私のこと邪魔にするんですー」
「邪魔だもん、石川…」
「ひ、ひどい…飯田さんまで……」
「冗談だよ」
イイラさん、すこしもわらわずにそんなこと言うとほんきかとおもうじゃないれすか。
ののも、ちょっとびっくりしました。
「石川さー、もっと近くにいる人、見たほうがいいよ」
「近くにいる人?」
「そっ」
「誰のことですかー?」
「カオに言えるのは、ここまで。じゃーね、辻、行くよ」
「へいっ」
イイラさん、さりぎわがかっこいいれす。
それに、こんかいはちゃんとアドバイスらしいアドバイスできましたね。
(カオも、やるときゃやるよー)
それで、ちかくにいる人ってだれれすか?
(辻も観察眼、鍛えなきゃね)
へいっ!
「…近くにいる人って、誰だろう?」
2人に残されたいしかわは1人、呟く。
「石川―、ちょっと来なさいよ」
「えー、なんですかー?」
あーっ!!
トテトテとおばちゃんのもとへはしりよる梨華ちゃんに、
ののは、じぶんのすがたを見たような気がしたのれすっ。
「これ、この間貸すって言ってたやつ」
「あーっ、ありがとーございます」
顔いっぱいによろこびをあらわす梨華ちゃん。
イイラさんっ!
これだったんれすね、梨華ちゃんのちかくにいる人!
(そっ、でも、まだ石川は気づいてないわね)
なにをれすか?
(圭ちゃんの傍にいる時だけ、石川はあんな顔するの)
ほ〜。そうなんれすか。
(ね、微妙でしょ?)
びみょうれすね〜
でも、ののはそんなびみょうなかんけいの2人も大好きなのれす。
ver.7 さよなら、イイダさん
今日は、朝からイヤなよかんがして、いつもより早くイイラさんに会いたくて、
しゅうごうじかんの30分も前にがくやに行った。
そしたら、イイラさんが1人ソファにすわってパラパラとざっしをめくってました。
「あれ?辻、今日は早いね〜」
いつもみたいにイイラさんはののに笑ってくれるけど、その顔は少しかなしそう…
いったい、どうしたんれすか?
「…大丈夫だよ、辻」
イイラさんがつぶやきます。
「なにがれすか?」
「大丈夫」
いみが分かんないのれす……
でも、ののは、イイラさんがだいじょうぶじゃなさそうなのは分かるんれす
その時、バタンと扉が開く音がした。
「王女―、もうギリギリですわ」
平家さんっ!??
ちがうっ、このあいだのうちゅうじんだっ!!
ギリギリって?
ギリギリってどういうことれすか?
イイラさんの方を見ると、イイラさんはすこしだけほほえんでくれた。
「分かってるよ、ヘケー、でも、ちょっとだけ辻と二人きりにさせて」
「ちょっとだけ?」
「うん」
「分かりました、ほな、屋上でお待ちしています」
ヘケーさん(って言うんれすね)は、それだけ言うとさっきみたいにとびらを開けて出ていった。
ののは、なみだがポロポロこぼれてしゃべれないから
あたまでイイラさんに話しかけました。
イイラさんは、いつもとぎゃくにこえを出してしゃべってくれます。
…イイラさん、帰っちゃうんれすか?
「うん、そうだよ」
イヤれす、ののはイイラさん帰っちゃったらイヤれすっ!!
「……辻」
らって、らって…
「カオは、消えるワケじゃないよ」
…え?
「明日から、また辻の飯田さんが戻ってくる」
……
「だから、辻は大丈夫だよ」
ふわっとイイラさんがののをだきしめてくれました。
そのうではあったかくて、のののこころの中まであったかくなりました。
だから、ののは――
「見送ってくれる?」
……へいっ
ってこたえるしかないのれす。
2人が屋上に行くと、辻がこのあいだ見たUFOとさっきのヘケーと、
変わった形のベッドらしきものに眠っている本物の飯田の姿があった。。
「それじゃ、カオもう行くね」
「……」
イイラさんのかおがなみだでぼやけてよく見えません。
イイラさんが、ののにせなかを向けてヘケーさんの方へあるいていきます。
「王女、その少女にこの薬を――」
ヘケーさんが、へんなおかしみたいなのをイイラさんにわたすのが見えました。
でも、イイラさんはくびをふってそれをおくじょうからなげすてました。
…もったいないのれす
「王女っ!?」
「辻には、こんなのいらないよ。こんなことしなくても誰にも言わない」
「規則です」
「こっちは、王女命令っ!!」
イイラさんは、きっぱりとヘケーさんに言って、またののの方にもどってきてくれました。
ヘケーさんは、大きくためいきをついています。
「ねぇ、辻、カオね〜、圭織に教えてもらった言葉が一つあるの」
そう言いながら、イイラさんはののにめせんをあわせてくれるように
しゃがんでくれます。
「きっとこういう時に使う言葉だよね」
イイラさんがいいらさんにおしえてもらったことば?
なんれすか?
それから、ゆっくりとイイダは辻の瞳を見つめながら言いました。
「――ねぇ、笑って」
イイラさんが、大まじめにそんなことを言ったのでののはわらってしまいました。
イイラさんも、のののかおを見て嬉しそうにニッコリとわらってくれます。
それは、やっぱりイイラさんとのおわかれがホントのことだって、
ののに分からせるものだったけど、イイラさんのためにも
ののはこのままわらってみおくろうと思いました。
「それじゃーね、辻」
「へいっ、さよなられす」
イイラさんは、UFOのひかりにつつまれていきます。
「……イイラさんっ、また会えますよねーっ!」
「会えるよ、絶対!!」
イイラさんが、そうこたえるとどうじにUFOは消えました。
「約束れすよ、イイラさん…」
辻は、1人、星空を見上げるのだった。
ver.0 いいらさんとイイラさん
いいらさんがもどってきてから1しゅうかん。
いつもと変わりないじかんがすぎています。
れも、ののの中にはまだイイラさんはいるのれす。
「つじーっ!!」
あっ、いいらさんが呼んでるのれす。
あのかおは、こうしんご、やく43びょうってところれすね。
「なんれすか〜?」
いいだは、メンバーのみんなから離れた暗がりに立って辻に向かって手招きをしている。
いつもなら来てくれるのに…なんかようすがおかしいのれす。
なんか、このフレーズ、まえも言ったような気がするのれす。
「ちょっとついてきて」
「へい?」
いいだは、そう言うと辻の手をしっかり握って歩き出した。
どこへ行くんでしょう??
って、あれ?このみちは……
飯田が、ドアを開ける。
屋上には、冬特有の冷たい風が吹いてた。
このおもいでのおくじょうでいいらさんはなにをしたいんれしょう?
んっ??
あれはっUFO!!!???
まさか、イイラさんっ!!!
「来た来た」
いいらさんは、へいぜんとUFOに近づきます。
UFOがチカッと輝いたと思うと、屋上に、ヘケーとイイダが立っていた。
「イイラさんっ!?」
「辻―っ!!」
イイラさんが、おもいっきりかけよってののをだきしめてくれます。
うれしいれすけど、どうしたんれすか、いったい??
「実はね、辻」
イイラさんのうしろでいいらさんがはなしだします。
「娘。っていい加減、休みないじゃん」
「へ、へい」
「だから、カオに頼んでたの」
な、なにをれすか?
「私たちがいるくらいだから、他にもこの星の人と同じ顔の人がいてもおかしくないでしょ、辻」
イイラさんが、こたえる。
ど、どーゆーことれすか????
「「こーゆーことっ!!」」
イイラさんといいらさんが、ハモルとどうじにUFOからたくさんの人が出てきました。
「あー、疲れたー、ねぇ、ヨッスィー」
「そうだね、リカちゃん…って、あんまりくっつかないでよ」
「コラッー、イシカーワ!!なにヤグッチのヨッスィーにくっついてんだよっ!!」
「よしざーっ、私のリカになにくっついてのよーっ!!」
「あはっ、カゴおいでー」
「ししょーっ!!」
「あの…その…」
「あさ美ん、緊張しないほうがいいって」
「そーそー」
「ラブラブっ」
「みんな、ナッチーの荷物おろすの手伝うべっ」
こ、これって……
「今日から、1週間ぐらいみんなで入れ替わろうと思って」
「そうそう、カオもこっちの生活けっこう気に入ってたし」
ふたりの飯らさんは、のんびり言ってます。
ん?でも、1.2.3………11人。
イイダさんを入れて12人。1人たりないのれす。
「あー、辻は探さなかったから」
イイラが、辻の思考をよんだのかひょいっと答える。
へ?どーゆーことれすか??
「だって、カオは辻がいいもん」
え??
「そーゆワケだって、辻、よかったね〜、カオに好かれて。
さっ、圭織はみんな呼んでこよっと」
「じゃ、へけー、あとまかせたね」
「はぁっ」
あの?
ののは、やすみなしなんれすか??
「辻、カオと一緒じゃイヤ??」
イヤじゃないれすけど……
「よかった」
またイイラさんに会えてよかった…れすけど、なんかそんしたきぶんなのれす。
ぞろぞろと行進するイイダ国モーニング娘。のメンバーの後ろから、
イイダと手をつないで歩きながら、辻はそう思った。
でも、そんなイイラさんも……大好き…れす??
〜fin〜