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ちっくり 投稿日: 01/10/02 00:23

・・・チュンチュン。
とある日の朝だった。スズメの鳴き声が心地よい。

?「・・・こ・・と・・・。」

( ´ Д `)<ん〜?なんだよ?誰だよ???朝からウゼェなぁ。
母<「こら〜!!早よ起き!!!初日から遅刻してどないすんの!」
( ´ Д `)<「しょにち〜?なに言ってんの?ハイハイ。」
              
              「ん?」
       
(;´ Д `)<あっ!今日から俺高校生じゃんYO!ヤベ〜YO!!!」

そう。今日から俺「安久津 真」(あくつ まこと)は高校生なのだ。
それにしても遅刻しそう・・・。ヤバイよなぁ〜。初日から遅刻なんて。

真<「お母さん!なんで起こしてくれへんかったの?」
母<「あんたが起きんからアカンやで。ホレ弁当!!!」

おっと、母の紹介がしてなかった。ウチのオカンは「安久津 裕子」
旧姓は中澤だったらしい。友達からもよく言われるがすっごい美人だ。
元気もあり、若さもあり、ボケもありと。とにかく楽しいのだ。

母・裕子<行ってらっしゃ〜い!気いつけてなぁ!
真<行ってきま〜す。

弁当も持ったことだし、これから俺の高校生活を楽しんでやるYO!
なんていう期待と不安となんか(?)が入り交ざった気持ちだった。

そして、俺の高校生活1日目が始まる。

とりあえず遅刻しそうなので学校へ急ぐことに。
時間はわからなかったが家の中からN〇Kの朝の連ドラの音楽が聞こえていた。

『とりあえず遅刻じゃ洒落なんないよなぁ。急ぐべし。』

な〜んて思いつつも歩いている俺がいる(笑)
学校までは徒歩15〜20分ぐらいの距離だ。近いのか遠いのか微妙な距離だ。
ちなみに学校の名前は『私立 朝比奈学園』(しりつ あさひながくえん)だ。
創立してから間もない学校だ。生徒数は1200人ぐらいのマンモス校でもある。

『人数がたくさんいれば、カワイイ子がいるよなぁ〜。楽しみだYO!』

俺はよく言えば想像力豊富。悪く言えば妄想癖があるらしい。
・・・っと、そんなこんな事を考えてる内に学校に着いた。

?<「きゃ〜!あぶないですぅ〜!!!どいて下さい〜!!!」

後ろからヘリウムガスを吸ったような声が聞こえてきた。
俺が後ろを向いて何事か?っと確認しようとした時にはすでに遅く。

            キィー!ドンッ!!!

真<「痛タタタ〜。一体なんだよ?どこの誰だよ?」
?<「すみません、すみません、すみません!」

ヘリウムガスを吸ったような女の子はあやまってバッカリだ。
米付きバッタのように熱心に謝ってる。
俺はとりあえず、朝比奈の制服を着ていたので何年の誰か聞くこうと思った時

ヘリウムガスの声<「すみません。あっ、朝比奈の生徒ですか?私も今日から生徒なんですよ。
          私の名前は・・・。」

ヘリウムガスの声<「石川 梨華(いしかわ りか)って言います。あなたも新入生ですか?
真<「俺の名前は安久津 真。俺も今日から新入生よろしくな!それと真でいいよ。
梨華<「こ、こちらこそよろしくお願いしますぅ。私も梨華って呼んでくださいね!」
真<それより遅刻しちゃうよ。早くクラス発表見に行って教室に行こうよ。」
梨華<「はい!いきま〜しょいっ!」

彼女の名前は石川 梨華っていうのか。ヘリウムガスを吸ったようなすごいアニメ声だ。
さっきから、声にばかり気を取られていて気が付かなかったけど・・・カワイイ!
ちょっと色黒だけどそんな事は気にするほどのことではナイ。とりあえずカワイイのだ。
ちなみに梨華ちゃんは( ^▽^)ってな感じの女の子だ。
最初はブリッ子かと思っていたがそれは間違いのようだ。
梨華ちゃんはこれが『素』なんだろうと思った。いや、絶対間違いないだろう。
・・・じゃなきゃ人にチャリでぶつかる人なんてそうそういないだろう。

( @´ Д `@)<『初日からいいことあるなぁ〜。遅刻したけど大ラッキーだYO!』

俺は、心の中でそんな事を叫び喜んでいた。

梨華<「真くぅ〜ん!クラスが発表なってるよぉ〜!」
真<あっ、うん。今行く。待ってて。」

俺はそんな自分の考えを一旦中断して自分のクラスを見に行くことにした。
他の人の名前はわからないがとりあえず、面白い人、カワイイ人がたくさんいるクラスがイイと思った。
そうすれば、高校三年間は友達もでき退屈しないですむと思うからだ。

真<「どれどれ?・・・。

俺は、学校に祈った。神頼みじゃないけど祈った。

( ´ Д `)<『クラス発表、おねがひ!』

梨華<「私と真君一緒のクラスですよぉ〜。」
真<「ウッソ?マジ???」
梨華<「本当ですよ!真君も見てくださいよぉ。」
真<「あっ、本当だ。・・・ビックリだね。」
\( ^▽^)/<「ワーイ、ワーイ!」

俺と梨華ちゃんは偶然にも同じクラスになった。もしくは必然なのだろうか?
運命は誰にもわからない。ただ一つ言える事は俺ははてしなくついている事だ。
それにしても、梨華ちゃんは子供のようによろこんでいたな。
もしかして、梨華ちゃんも一緒のクラスで嬉しいのかな?たぶんそうだろう。うんうん。
とりあえず、高校最初の友達が同じクラスでよかった。

・・・この後数分間梨華ちゃんと俺は自分たちのクラス発表を眺めていた。
一通りの名簿を眺め終わった後、俺はそろそろ教室に行こうと思った。

真<「梨華ちゃん、そろそろ行こうか?クラスもわかったことだし。」
梨華<「はぃ〜。いきましょい!同じクラスになったんで改めてよろしくお願いしますぅ。」
真<「俺もよろしく。最初の友達が梨華ちゃんで嬉しいよ。」
(///▽//)<「は、はぃ〜。わ、わ、私も嬉しいですぅ。」

梨華ちゃんは教室に向かうまでの廊下の道のりでずっと顔を赤らめていた。
なんかあったのかな?っと思っていたが今日会ったばかりでわかるはずもない。
これから、ゆっくり梨華ちゃんの事をわかっていきたいと思った。

???先生<「そこの新入生2人!校則20条第8項。知ってるわよね?」

後ろから先生の声が聞こえた。俺と梨華ちゃんには鬼のような声に聞こえた。
梨華ちゃんはさっきの温度計の顔とうってかわりキョロちゃんのように目を丸めて止まってしまった。

(;´ Д `)<『ヤバイっす。やっぱり遅刻はよくなかったYO!』

俺と梨華ちゃんはおそるおそる後ろを振り返った。

梨華<「・・・地蔵?子泣き爺?」
真<「へっ?」

梨華ちゃんは先生を見た後『ボソッ』っとなにか言ったが、俺にはよく聞こえなかった。

???先生<「あなた達。今何時だと思ってるの?」
真&梨華<「・・・8時53分です。」
???先生<じゃあ、今はどこで何をしている時間なの?」
真&梨華<「・・・教室に入っている時間です。」

俺と梨華ちゃんは先生の問いに静かに一言二言答えることしかできなかった。
むしろ、先生の眼が怖かった。ギラギラ光っていって獲物を見つめるような眼だった。
俺と梨華ちゃんは蛇に睨まれた蛙のように凍りついていた。
梨華ちゃんは怯えているのか俺の腕をつかんだまま離れようとしない。

(;´ Д `)<『ウゥゥ〜。なんか寒いな。これも先生の眼の効力なのかYO!』

梨華ちゃんの体温で少し温かいが先生の眼には耐えられなかった。
この絶対零度並みの先生の視線ビームが永遠に続くかと思ったその時。

???先生<「初日から遅刻なんて困るわね。罰として1週間花壇の掃除ね。」
真&梨華<「・・・。」
???先生<「な〜んて、野暮なことは言わないわ。私も1人の教師ですもの。」
真&梨華<「・・・(ハァ?)」
???先生<「さ、早く教室にいきましょう!」

俺と梨華ちゃんはあっけにとられたような顔をしていた。
嵐のように過ぎ去った先生との会話。厳密には先生のただの暴走話。
先生は眼鏡をかけてるものの眼鏡を取ってしまえば、顔が地蔵や子泣き爺に似ていた。
だから、梨華ちゃんは最初にボソッっとつぶやいたのだろうと今わかった。

???先生<「あなた達なにしてるの?早く教室行かなきゃダメでしょ?何組なの?
真&梨華<「1年E組です。」
???先生<「あら、私のクラスじゃない。担任は私よ。」

やはり遅刻はラッキーじゃなかった。梨華ちゃんと同じクラスになるまではラッキーだった。
しかし、こんなキャラが濃い先生じゃ・・・。

???先生<「ここが私の受け持つクラスか。いっちょやりますか!」
真&梨華<「・・・。」

先生はそう言って気合の入った表情で教室のドアを開けた。

(;´ Д `)(;^▽^)<『キャラ濃いのは十分です。変な人がいませんように〜!』

俺と梨華ちゃんはそう思った。いや、そう思いたかった。

ガラガラガラ・・・ピシャッ!

3人は教室に入った。少し騒がしい気もしたが、皆緊張しているせいか先生が入ったら静まりかえった。
たぶん、この先生の特殊効果が8割をしめていると思うが。
俺と梨華ちゃんは苗字が『あ』と『い』なので隣同士になれると思ったがそうはいかなかった。
もう一人梨華ちゃんの前に女の子がいるようだ。
っと、なにやら考え事をしているうちに先生が深呼吸をしクラスに語りかけて来た。

???先生「え〜、私は本日より皆さんの担任になる・・・。」

先生はなにやら黒板に自分の名前を書き始めた。

???先生<「カタカタ。『保田 圭』は〜い。これ読める人?」
クラス内<「ホッタだろ?んな苗字あるかヴォゲ!ホダでしょ?知るかゴルァ!」

などなど、教室内は早くも騒がしくなっている。みんな先生の苗字に興味深々っといったところだ。
それにしても、本当になんて読むんだろ?俺自身の考えはホッタ派である。

保田先生<「え〜、みなさんわからないようですね。私の名前は『やすだ けい』といいます。」
クラス内<「あ〜、やっぱり。そんな気がしたんだ。嘘つくな!お前逝ってよし!」
保田先生<「担任を持つのは初めてですがよろしくお願いします。ちなみに美術をやっています。」
クラス内<「美術だってよ?どんな絵描くと思う?・・・(言えねぇよ。)」
保田先生<「とりあえず、入学おめでトンカツ!!!」
クラス内<「−−−−−−−−−−−−−−終了−−−−−−−−−−−−−−」

・・・。
寒い寒い寒い。

(;´ Д `)<『またやっちゃったよ、みんな引いてるしセルシウス温度まで下がっちゃったYO!』

保田先生は固まっている。本人の予想じゃここで大爆笑の予定だったと思われる。
しかし、クラス内はさっきまでの雰囲気はどこかにいってしまったようだ。

(`.∀´ )( `.∀´)<「(キョロキョロ・・・。ヤバイはこれはもしかして滑ったの?」
クラス内<「・・・。(新手の荒らしかなぁ〜。)

(;`.∀´)<「とっ、とりあえず今日はもう終わりだから、みなさん休んで明日また元気に会いましょうね。」

苦しい。苦しすぎる。見てて恥ずかしかった。

キン〜コン〜カン〜コン〜♪

この殺るか殺られるかという張り詰めた緊張感が永遠に続くかと思われた時の助け舟だった。
これであの、キラーマシンから開放されるという安心感からみんなは笑顔に戻っていた。

保田先生<「はい。じゃあ今日はこれでおわり。みなさんお疲レタス!!!」

( `.∀´)三三三(;´ Д `)<『オイラはもうダメだYO!』

梨華ちゃんに助けを求めようとしたが梨華ちゃんは(;^▽^)のまま固まっていた。

とりあえず学校が終わったので俺は帰りの準備をはじめた。
今日入学したてなので準備なんて程の事でもなかった。帰り支度はスグ終わった。

梨華<「真くぅ〜ん!もう、帰るんですか?」
真<「あっ、うん。なんにもやることないしね。帰ろうと思ってるよ。」
梨華<「そうですかぁ。(もじもじ)」
真<「梨華ちゃんはなんかあるの?」
梨華<「別になんにもないんですぅ。・・・よかったら一緒に帰りませんか?」
真<「へっ?俺と?別にいいよ。」
\( ^▽^)/<「やったぁ!じゃあ、帰りましょ!」

こうして、俺と梨華ちゃんは一緒に帰ることになった。
俺と梨華ちゃんは帰り道今日クラスであった事俺たちが初めてあった時のことなどを話して帰った。
途中喫茶店に入ってお茶をすることになった。

真<「いや〜、今日はいろいろあって疲れたね。
梨華<「そうですねぇ。自転車で真君にぶつかったし。」
真<「あの時はマジでビックリしたよ!」
梨華<「アハハ。ゴメンなさい!」
真<「今度からは気をつけてね。ぶつかったのが俺でよかったよ。」

梨華ちゃんの謝った姿が、片目を閉じて舌をペロっと出したのが妙にかわいかった。
それから、俺たちはまた家路につくことにした。
俺は男なので梨華ちゃんを家まで送って行くことにした。
しかし、梨華ちゃんは俺の家の方角に向かっていく。梨華ちゃんの家ってそんなに俺の家から近いんだっと思っていた。

梨華<「つきました。送って頂いてありがとうございますぅ。」
真<「梨華ちゃんの家ってここ?」
梨華<「はい!そうなんです!正確には下宿させてもらうんですけど。」
真<「・・・。」
梨華<「どうしたんですかぁ?」
真<「ここ、俺の家なんだけど。」
梨華<「ほ、本当ですかぁ!?下宿させてもらう家って真君の家だったなんて。」
真<「とりあえず、家はいろ。」

俺と梨華ちゃんは家の中に入っていった。
とりあえず、お母さんに詳しく聞いてみよう。

真&梨華<「ただいま〜!」
从#~∀~#从<「お!お帰り〜!2人そろって帰ってきたんや。」
真<「お母さん!なんで梨華ちゃんが家に下宿すんの?」
母<「それはなぁ、ウチと梨華ちゃんの家が親戚でなぁ高高3年間下宿することになったんや。」
梨華<「よろしくお願いしますぅ!
母<「わかったん?そーいうことや。2人とも仲良くしいや。」

俺は動揺を隠せなかった。今お母さんに言われた事がよく理解できないでいた。
とりあえず、高校3年間は梨華ちゃんと一つ屋根の下で暮らすということだ。
こうして、俺と梨華ちゃんの摩訶不思議な共同生活が始まった。

(;´ Д `)<『なんかスゴイ事になってきたYO!』

とりあえず梨華ちゃんが家に住むことになった。
しかし、親戚の女の子が下宿に来るなんて聞いてなかったな。
その日の夕御飯は梨華ちゃんの歓迎会も含めささやかなパーティーをすることになった。

从#~∀~#从<「真〜!真〜!御飯できたで〜!はよおりといで!」
真<「・・・。」
母・裕子<「アカン。あいつ部屋で寝とるわ。すまんけど梨華ちゃん起こしに行って来てくれへんか?」
梨華<「はい!いいですよ!まかせて下さい!」
母・裕子<「おおきに。じゃあ、たのむわ。」

梨華ちゃんはそう言われると俺を起こし二階へあがってきた。
一応ノックはしてみるものの、俺が寝ていたため梨華ちゃんは部屋に入ってきた。
俺は学校から帰ってきてチェックのパジャマに着替えていた。
そして、梨華ちゃんは俺に静かに話し掛けてきた。

梨華<「真君。真君。」
真<「・・・ん。梨華ちゃんか。なんか用?」
梨華<「御飯が出来たんでお母さんが降りて来いですって。」
真<「あ、もうそんな時間か。うん。今行くよ。」
梨華<「じゃあ、下で待ってますね。」

そう言うと梨華ちゃんは下まで降りていった。
俺を起こしに来た梨華ちゃんは母と一緒に御飯を作ったのかエプロンをかけていた。
なんだか、その格好が俺にとっては妙に可愛かった。
俺は、まだ半分寝ている頭と体を起こしつつ下に降りていった。

母・裕子<「おっ、やっときおったな。遅いで。さ、はよ食べようや。」
真<「うわ〜!なんか今日の御飯むっちゃおいしそうじゃん!」
母・裕子<「そうやろ〜!今日は梨華ちゃんの歓迎会もかねとるからな。」
真<「あ、俺の大好きなペペロンもあるじゃん!どれどれ・・・。ウマイ!じゃん!」
梨華<「本当ですかぁ!?それ私が作ったんですよ!嬉しいです!」
母・裕子<「そやろ、だって梨華ちゃん一生懸命作ってたもんな。」

この後も和やかな雰囲気で話が進み梨華ちゃんはスゴクなじむことが出来た。
梨華ちゃんが作ったペペロンはとてもおいしかった。
なんか、梨華ちゃんが嬉しそうに喜んでいるのを見ていると家に家族が一人増えたみたいで楽しかった。
高校三年間は学校のほかに家での楽しみが増えたのでよかったと思っている。
これからは、梨華ちゃんと学校でも家でも一緒にいられると思うと胸がワクワクしてきた。

そうしていくうちに梨華ちゃんの部屋が決まり、夜が更けていった。
明日も早いそろそろ寝よう。っと思った時

梨華<「おやすみなさい。明日も一緒に学校行こうね♪」
真<「うん。おやすみ。」

風呂上りの梨華ちゃんからそう声をかけられた。
なんだか、魅力ある梨華ちゃんを見たせいで刺激がつよくて今夜はなかなか眠れそうにない。
そう思ったが疲れてるせいもあり、スグ眠ってしまった。
そうして、俺の高校生活初日が終わっていく。

( ´ Д `)<『ペペロンチーノにチーズかけたっていいじゃんYO!』

梨華<「真君。真君。」
真<「・・・ん?・・・!り、梨華ちゃん!」
梨華<「どうしたんですか?そんなに驚いて。」
真<「あ、い、いや、なんでもないよ。」
梨華<「そうですか?あ、ゆっくりしてると学校に遅刻してしましますよ。」
真<「うん。わかったよ。起こしてくれてありがとう。スグ下に行くよ。」

朝起きたとき女の子の顔が目の前にあって俺はビックリしてしまった。
今までは母の顔しか見てこなかった俺に、いきなり違う女の子の顔があったからだ。
俺は朝からドキドキしてしまった。なんだか、体が少し火照っている。
自分の心臓の鼓動を抑えようとしながら俺は制服に着替え下に降りていった。

真<「おはよ〜。」
母・裕子<「このネボスケめ〜!おはよ!御飯出来とるで食べや。ホラ、梨華ちゃんも食べ。」
真&梨華<「いただきま〜す!」

朝御飯の時梨華ちゃんの顔がまともに見れなかった。
なんだか、見てしまうと鼓動が早くなって御飯も喉に通らなくなるからだ。
こんなに緊張して御飯食べるなんて生まれて初めてだった。

朝御飯を食べた俺たちは今日は遅刻せずべし!っと思い早々に学校に向かった。
家を早く出たおかげで学校には遅刻せずにすんだ。
今日も保田先生とあてしまったら魂がいくらあっても足りない。
だけど、担任だから嫌でも顔をあわすが(悲)

教室に着いてみるとみんなもう馴染んでいるのか話し声があちこちから聞こえていた。
そうこうしていると朝のHRが始まる時間に近くなってきたので自分の席に座ることにした。

( ´ Д `)<『今日は平和でいいな。もうすぐ保田先生が来るけど。ギャグは勘弁して欲しいYO!』

そんな誰しもこのクラスの人が思ってることを考えていたら隣の女の子が話し掛けてきた。

隣の女の子<「あの〜?保田先生ってどう思うべさ?」

真<「保田先生はえっと、なんか今までの先生と違う感じだね。」
隣の女の子<「なっちは、おもしろいと思うべさ。」
真<「えっ?あのギャグとか?」
隣の女の子<「あはは!それは別物だべさ〜。」

俺にそう言って話し掛けて来た隣の子はなんだかまったりしてる。
そういえば、隣の子の名前がわからない。
俺は失礼を承知で隣の子に確認してみることにした。

真<「たしか、名前は安倍さんだよね?」
安倍<「んだべさ!安倍 なつみ(あべ なつみ)なっちって読んでね♪」
真<「俺は安久津 真。俺も真でいいよ。」
安倍<「真君の名前は知ってるべさ。」
真<「へっ?なんで知ってるの?何処かであったことあるっけ?」
安倍<「真君は知らないと思うけど中学の時にね・・・」

ガラララ。ピシャッ。
なっちが俺を知っている理由を聞こうとした時運悪く先生が入ってきた。
今日の保田先生はなんだか自信が顔中にみなぎっている。

保田先生<「みなさん。おはようございマッスル!」
クラス<「おはようございます。」
保田先生<「え〜今日は(くっ、こいつ等流しやがった。)
      昨日も言ったとおり(どうすればみんな笑ってくれるんだろう?)
      放課後に部活動見学があるので(もしかしてレヴェル高い?)
      興味がある人は(それでこそやりがいがあるってものだわ!)
      見学や体験に行って下さい。(見てなさいよ!私の実力を!)」
クラス<「ハーイ!」

やっぱり保田先生はギャグを言ってきた。
だけど、みんなもう免疫力が出来たのか反応さえしない。
こうなると逆に保田先生が可愛そうになってきた。
だが、保田先生はこれぐらいでは引き下がんないだろうと思った。いや、確信できた。

それから、学校のオリエンテーションなどが終わり放課後となった。
後ろから梨華ちゃんの声が聞こえてくる。

梨華<「真く〜ん!部活見学に行きますかぁ?」
真<「俺はどっちだっていいよ。」
梨華<「じゃあ、いきましょう!梨華は見たいですから。」
安倍<「あ〜、真君!なっちも一緒に行っていいべか?知り合い少ないからさ。お願い!」
真<「3人で一緒に行こうよ。それの方がいいと思うし。」
安倍<「決まりだべさ。よろしくね石川さん。」
梨華<「こ、こちらこそ。それと梨華でいいです。」
安倍<「じゃあ、梨華ちゃん行くべさ!」

こうして俺たちは3人で見学に行くことになった。
なっちが来たとき梨華ちゃんが少しふくれっつらになっていたのは気のせいだろうか?
俺たちは不思議なグループで部活の場所に向かった。

( @´ Д `@)<『梨華ちゃんとなっちなんて最高に可愛いじゃん!両手に華だYO!』

廊下を歩く多くの生徒の足音。
そして、上級生による新入生の部活勧誘。
どこにでもあるような4月初めの光景だ。
俺は改めて高校に入学したことを実感させられた。

梨華<「真君はどこの部活見学に行くんですかぁ?」
真<「どこにしよっかな〜。俺どこでもいいんだよなぁ。」

梨華ちゃんは俺がどの部活に興味があるか首をひねりながら聞いてきた。
実際を俺はどこの部活でもよかった。
正確には嫌味かもしれないが俺はほとんどのスポーツはこなせる。運動神経もイイ。
だから、一応どんな部活に入ってもそれなりに活躍は出来る。

安倍<「真君はあの部活だべさ!」

俺がどこの部活を見学に行こうか迷っていた時だった。
梨華ちゃんの反対側からなっちの元気な声が聞こえてきた。

梨華<「安倍さ〜ん。あの部活ってなんですか?」
安倍<「梨華ちゃんアレだべよ!アレアレ!」

梨華ちゃんがさっきよりも不思議そうな顔つきで尋ねると
なっちはおもむろに前の方にある部活を指差した。

(  ´ Д `)<『どれどれ?・・・そうきたかYO!』

真<「陸上部か・・・。」

俺は正直驚いた。
俺はなっちがてっきりバスケとかサッカーとか野球とかいう
今はやりのスポーツを勧めてくると思ったからだ。
それが、今時ただ走るだけの地味な陸上競技なんてはやらないだろう。

真<「ねぇ、なんで陸上部なの?今更はやんないよ。地味だし。」
安倍<「えへへ〜。なっちは知ってるんだべさ。」
梨華<「な、なにを知ってるんですか!真くんのなにを!」

なっちの奇妙なにやけた笑い声共に梨華ちゃんのすこし怒ったような声が聞こえる。

安倍<「なっちはね〜、中学のとき陸上部に入ってたんだべさ。」
真&梨華<「ふ〜ん。」
安倍<「そいでね、なっちは長距離の選手をやってたんだけど遅くてね。」
    (  ´ Д `)( ^▽^)ウンウン
安倍<「で、なんだかんだで中学最後の大会でさ、そりゃなっち緊張したよ。」
    (  ´ Д `)( ^▽^)ソリャキンチョウスルワ
安倍<「そん時にある男の子に声かけられたんだ。『顔色悪いよ?大丈夫』ってね。」
    (  ´ Д `)( ^▽^)ヘェ〜イイヤツダネ

安倍<「なっちはその男の子に自分が緊張して失敗したらどうしよう?って言ったんだべさ。」
   ( ^▽^)マコトクンネテナイヨネ?
安倍<「そしたら男の子は『やってみなきゃわからない。精一杯頑張って納得できればいいじゃん。』って言ったんだべさ。」
   (  ´ Д `)オキテルヨ〜ネムイケド
安倍<「なっちはそれが嬉しくてさ一生懸命頑張ったよ。結果はダメだったけど。」
   ( ^▽^)カンドウスルヨネ(  ´ Д `)ウンウン
真<「結果なんていいじゃん!自分なりに頑張ったんだから!」
安倍<「あの時もそう言ってくれたよね?」
   (  ´ Д `)ヘ?アノトキッテナンデスカ?
安倍<「まだ、気づいてない?そう言ってくれたの真くんだよ。」
梨華<「そうなんですか?真くん!?」

かんぱついれず梨華ちゃんのツッコミが俺の耳に響く。
梨華ちゃんはそ〜と〜興奮しているようだ。
梨華ちゃんの質問に答えるべく俺は自分の記憶を辿っていた。
そういえば、俺はよく中学の頃特定の部活に入ってなかったからよく助っ人になっていた。
春頃の大会だっただろうか。一応陸上も経験したことがある。初めてだったけど。
その大会で俺は3種目とも1位になりレコードも書き換えたんだった。
・・・そうだ。俺は女の子に声をかけた。
あまりにも元気がなかったので元気を出すために声をかけたんだった。
その女の子がなっちだったなんて驚きである(回想終了)

真<「うん。声をかけたよ。あの時の女の子がなっちだなんて気づかなかったよ。」
安倍<「真くんは速かったからなっちは憧れてたべ〜。」
梨華<「真くんが速いなんて私知りませんでしたよ〜。すごいですねぇ〜」

(  ´ Д `)<『そりゃそうだ。だって言ってなかたもん。
          っというと、だからなっちは陸上部に行きたいのか。
          どうせ暇だし見るだけ行ってみるか。』

俺は心の中でそう決めるとなっちの方を振り向いた。
なっちのセリフは容易に予想できたけど。

安倍<「じゃあ、陸上部見学に行きましょう♪」

(  ´ Д `)<『あ〜い。陸上部に行くYO!』

梨華<「陸上部ってどんなところなんでしょうね?」
真<「わかんないよ〜。とりあえず汗臭いかもね(笑」
安倍<「部室ってちゃんとあるべが?なかったら嫌だべさ。」
真<「そういえばさ、梨華ちゃんって中学の時部活何してたの?」

部活動トークで盛り上がってる俺たちだった。
俺は助っ人、なっちは陸上部、梨華ちゃんは?
そう思った俺は梨華ちゃんに聞いてみた。
たぶん、梨華ちゃんのことだから『卓球部』とか『吹奏楽部』
なんていういかにも体を動かさなくてすみそうな部活動
いわゆる『文化部』なんかに入ってそうだ(卓球は運動部)

梨華<「私、中学の時テニス部で部長をやってたんですよ。」
( ´ Д `)( ● ´ ー ` ● )リカチャンイマナントオッシャイマシタ?
梨華<「だから、私、テニス部で部長でした!」
( ´ Д `)( ● ´ ー ` ● )エエ〜マジデデスカ?
梨華<「そうですよ!これでも県ベスト4の実力ですから♪」
( ● ´ ー ` ● )ヒトハミカケニヨラナイネ( ´ Д `)ウンウン

いやいや。あの梨華ちゃんがテニス部で部長だったなんて驚きである。
入学式早々チャリで俺にぶつかった人間がテニス部部長である。
運動音痴だと思ったのに意外だ。
なっちはまだビックリしている。当たり前だけど。

梨華<「ここですね。陸上部って。」
真<「あ、うん!ここだね。」

そんなこんなで俺たちは陸上部部室前まで来てしまっていた。
一体どんな雰囲気でどんな人がいるのだろう?
俺は結構そういう事を気にしてしまうタイプだから気にしてしまう。
2人はメチャ楽しそうだけど。・・・まぁ、いいか。

真<「っで、誰が最初に開ける?」
梨華<「私、無理ですよぉ。」
安倍<「いいだしっぺのなっちが開けるべさ!いくよー!」

梨華ちゃんが開けるのは最初から期待というか思ってもいなかったから別にいい。
俺はこういうことが苦手なので出来ればなっちにして欲しかったので良かった。

( ´ Д `)<『陸上部の中にはいるYO!』

ガラララ〜。

真&梨華&安倍<「失礼しま〜す。」
真<「って、誰もいないじゃ〜ん。」
安倍<「あれ〜?なんでだべ?誰もいないべ。」
梨華<「もしかして、グランドじゃないんですか?」
安部<「あっ、そっか、そうだべさ。」
梨華<「それにさっき、書きおき見つけたんですよ。」

よく考えてみれば、部室に部活見学に来る奴なんていない。
初めからグランドに行ってれば良かったんだ。
それにしても梨華ちゃん以外と目ざといなぁ。
やっぱ人は見かけによらないのかなぁ?

安倍<「ほい!じゃあ、早くいくべさ。」

俺たちはちょっと時間をロスしてしまったので急ぐことにした。
生徒玄関は他の生徒たちでかなり混みあっていた。
少し出るのに苦戦したが俺となっちはすぐ出て来た。

真<「あれ?梨華ちゃんは?
安倍<「なっちは知らないべさ。」
梨華<「ごめんなさ〜い。混んでて遅れましたぁ。」

そう言って出て来た梨華ちゃんは少し息を切らしている。
紙は少し乱れてるし制服のリボンは曲がっている。
よほどすごかったらしいことを物語っている。
それに比べ俺となっちはいたって普通である。
やっぱり梨華ちゃんはトロイのかなぁ?と思わせられた。

安倍<「あっ!あれだべ!今度こそ発見したべ。」
梨華<「そうですね〜。ちゃんとやってますし。」

今度こそやっとついたようだ。なんか長かったような気がする。
そんなわけあって3人の顔には安心感と達成感が浮かんでいる。
一息ついたかつかないかの時に陸上部から上級生らしき人がこちらに向かって来た。
よく見るとすごい整ってる感じの人だ。次第にこちらに近づいてくる。
カワイイというより美人系でスラッとしてスタイルがいい人だ。

スタイルがいい人<「あの〜?見学の方ですか?」

( ´ Д `)<『まじかで見るともっと綺麗な人だYO!』