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関西人Z 投稿日:2002/03/19(火) 21:01

短編小説第8弾 「よっすぃーのお料理頑張るぞ!」

「・・・」

「・・・」

「なあ」

「なに?」

「背中から降りてくれよ」

「いいじゃん。あなたの背中って座り心地がいいんだもん」

「重いんだよ。降りてくれよ」

「こら、女の子に向かって重いとはなんだ!」

「イテッ、頭を叩くなよ」

「あなたが重いって言ったからでしょ!」

「イテッ、イテッ」

「もう言わない?」

「イテッ。もう言いません。だから叩かないで下さい」

「よろしい。許してあげましょう」

「有り難き幸せ(さすが元バレー部。叩く威力が半端じゃなく強いわ。男以上だな)」

「(ピク)何か言った?」

「い、いや。何も・・・」

「ならいいけど」

「・・・」

「・・・」

「腹減ったな」

「何か作ってあげようか?」

「マジで?」

「うん」

「じゃあお願いします」

「OK。台所借りるね」

ドタドタドタ・・・

「・・・」

「・・・」

「何か不安になってきたな」

「ちょっと様子を見に行こう」

ドタドタドタ

「どうですか・・・?・・・なあ」

「なに?」

「フライパンに水入れて何してるの?」

「何って、スパゲティを作んだけど」

「あっそう・・・」

「?何か間違ってる?」

「いや、別に。あなたの好きなように作って下さい」

「うん」

「(今のうちに正露丸を用意しておこう)」

「何か言った?」

「いや、何も・・・」

「そう?」

「・・・」

「・・・」

(よし、これで何食っても怖くないぞ。ポケットに入れておこう)

「ねえ、もうすぐ出来るからそこに座ってて」

「・・・はい(でもやっぱり怖いなぁ)」

「・・・」

「・・・」

「はい、ミートスパゲティの出来上がり」

(・・・見た目は普通だな)

「早く食べてみてよ。結構自信作だからさ」

「あ、うん」

「・・・」

「・・・あの」

「?」

「ジッと見つめられると食べづらいんだけど」

「だって、あなたのおいしく食べてる顔が見たいんだもん」

「さよですか」

「・・・」

(うーん、少しでも不味いって顔したら泣くかキレるだろうな)

「・・・」

(よし、覚悟を決めて)

パクッ もぐもぐもぐ ゴクン

「・・・どう?」

「・・・美味い」

「本当に?」

「ああ、マジで美味いよこれ」

「よかった〜」

「いや〜、心配して損したな」

「(ピク)心配?どういう事?」

「(あ、やば!)い、いや。別に意味はないから・・・、はは」

「ん?ちょっと、そのポケットに入ってるのは何?」

「い、いやこれは」

「出しなさい!」

「お、おい。やめろよ」

「素直に言うことを聞かないと、こうだ!」

「く、首を絞めるな」

「今だ、えい!」

「あ!!」

「・・・正露丸」

「(しまった)」

「どういうことよ!!」

「わー!ごめんなさーい!!」

「もう許さないから!!」

「ちょ、フライパン持って暴れないでくれ!」

「どすーん!」

「ぐわっ!」