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我犬。 ◆N0E.Nono 投稿日:2002/07/25(木) 17:13
【真夜中の電話】
あの人と出逢った頃、私の前髪は真っ直ぐで、色も黒かった。
そんな髪をあなたは優しく触れてくれる。
でも喧嘩した時、髪型を変えた。
また喧嘩した時、黒髪を辞めた。
でもその後、後悔する。
あの人は淋しそうな目をするから。
それからは髪型を変える時は相談するようになった。
そしていつしか喧嘩することも無くなった。
付き合ってから時間が経って色々2人の間で変わっていった。
でも、変わらないのが寝る前のおやすみなさいの電話
私はどんなに忙しくても、疲れていても電話する。
一緒に過す夜以外の日課と言ってもいい。もう何年こんな生活をしているのだろう?
私は事あるごとに一緒に暮らすことを提案した。
でも彼の答えはNO。
一緒に暮らすとマスコミ対策など色々と大変だからと。
私はその理由に納得するしかない。
私には、私の─
彼には、彼の生活があるから。
わかっているのだけれど・・・
人は、秋や冬は人恋しい季節とか、よく言うけどそんなことは関係ない。
そう私は最近物凄く寂しくなる。
それは行楽シーズンで楽しそうな人を見る機会が多いからなのかな。
私ももっと楽しみたい。
一緒に出かけるんじゃなくて一緒に時を過したい。
それが私の楽しみだから。
そんな言葉をある日の電話で口にした時に
彼は少し困ったような感じがしていたので、私は話題を変える。
そんないつものパターン。少ない休みに会う事で寂しさは埋められない。
次に会うまでの期間が余計に寂しさを増やしてしまう。
そして、電話では満たされない。
電話中なのに気が付くと涙が頬を伝う。
嗚咽が漏れそうなのを堪えながら、それでも明るく振舞って電話に話し掛ける。
その時、彼が一言つぶやいた。『ごめんな。オレがいけないんだな。』
私は言葉にならず見えないのに首を横に大きく振る。
そして、その後の彼の言葉に大きく頷く。
そんな彼の忘れることの出来ない不器用な言葉─『もう電話でさ、おやすみって言う辞めるか?』