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TMC 投稿日:2002/08/23(金) 12:24

シングルベッド

俺は眠れなかった。
このごろはあれだけ続いた熱帯夜もなくなり、
少しずつだけど過ごしやすくなってきた。
しかし、その分だけあいつと出逢った頃と同じ匂いがして
不意にあいつが隣で寝ていた時のことを思い出す。
どんなくだらないことも2人で笑えたあの時を、、、

無謀とも言える夢を追って出てきた東京
流行の歌やファッションなんかも全然知らない
俺は周りの奴らから見たら、ただの田舎者だったろう。
でも、そんな俺にあいつは普通に接してくれた。

「出身は田舎でも今は東京に住んでるんだから
 同じ都会人だよ。そんなこと気にしてたの!?
 そんなの気にしない、気にしない!キャハハ!!」

あの出逢い人生の寄り道だったのかもしれない
でも、俺はあいつと過ごした2年間を無駄だとは思わない。
寄り道だとしても、もうあんな出逢いをすることは
ダイアモンドを見つけるよりも難しいだろう。

「ねぇ、うちらが別れる時ってさ、
 どっちから別れ話するか賭けない?」

狭いシングルベッドで2人がくっつく様に寝ていると
小さいあいつはこんなどうでもいい事を良く聞いてきた。
結局その賭けには俺が負けてしまった。
「きっと俺からだろうな。」

あいつと離れてから一年が過ぎ、
俺は車を買った、オシャレもするようになった。
それでも心は何の変化もないまま
あんなありふれた別れを忘れられずにいる。

次の恋でもしてりゃ、辛くはないだろう
だけど、もしあの頃に戻れるならお前を離さない

今夜も思い出してしまう。
シングルベッドで夢とお前を抱いていた頃を、、、