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名無し募集中。。。 投稿日:2002/09/04(水) 16:37

【半分っこ】

流れる雲の切れ間から見える青空と太陽が眩しかったあの日
久々のデートで浮かれていて、天気予報も見ないで2人で晴天の空の下、
笑いながら家を飛び出して出掛けたね。
日焼けする事も気にしないで私は近所の公園ではしゃいだ。
バトミントンにバレーボールにフリスビー
ずっと2人で外に出ることなんて無かったから。

途中で近くのオープンスペースの喫茶店で流した汗を押さえながら
レモンティーを飲んでいる時・・・
お互いにつまらない意地を張って意見がぶつかった。
対した事じゃないのに─
私達の心と共に天気も急激に曇り始める。

楽しいはずに一日が台無しになってしまって、泣きたくなったけれど
原因はお互いの意地のせい。
半分は私の責任。
でも─

店を出て沈黙のままコンビニに2人で寄って行った。
帰る所は一緒なんだけど少し時間を空けたくて

「立ち読みしていく。」

そう言ってそこで別れた。
立ち読みしたって本の内容なんか頭に入らない。
そればかりか、凄く寂しくなっていく。
どれくらいの時間立ち読みのふりをしたのだろう。
コンビニを出たら、外は物凄い雨だった。

家までは歩いて7分の距離。
傘を買うのは馬鹿馬鹿しい。
だから走って帰ろうとした時、後ろから腕を捕まれた。

「風邪ひくぞ」

その一言だけで言うと傘を差し出してくれた。
彼の手に荷物は無い。
わざわざ私のために迎えに来てくれたんだ。
そう思うと、謝らなくては。って思うけど・・・
なかなか言い出せなくて家についた。

玄関で見た彼の右肩は雨で濡れていた。
私の左肩は濡れていないのに─
「ごめんなさい」って言う前に「ありがとう」の言葉が溢れてくる。

そして、私の「ありがとう」と彼の「ごめんな」の言葉が同時に重なった。

そう責任は2人で半分っこ。
でも、彼の方が一枚上手(うわて)だった。
ちょっと悔しいけれど、大好きだぁ!

終わり