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関西人Z 投稿日:2002/10/11(金) 20:34

俺は今、逃げてる途中だ。

脚は痛いし眠いし腹も減っている。
疲労もピークに達している状態。

でも止まって休んでる暇はない。
でないと奴が…

「ゼーッゼーッ」

酸素不足の状態でフラフラになりながら、建物の裏に隠れ周りを見渡した。
人通りは全くなく、気配もない。

「に、逃げ切れたか…?」

ホッと一息つき、後ろを向いた。
そこには!

「か、圭織!!?」

確かに人はいなかったはずのそこに、圭織は立っていた。

「ふふ、逃がさないよ」

不適な笑みを漏らし、一歩ずつ近づいてくる。

「う、うわああああ!!」

俺はあまりの恐ろしさに、大声を上げその場から逃げ出した。

「はあ!はあ!はあ!」

砂利道に足を取られ、もつれ転けそうになりながら、それでも全力で走る。

(ふ、振り切ったか!?)

そう思い、走りながら振り返った。
そこで見たものは!

「ふふふ」

もの凄いスピードで、宙を浮いてやってくる圭織の姿。
あまりの怖さに一瞬気を取られ、石につまずき転けてしまった。

「いってぇ」

起きあがろうと顔を上げた目の前に、立ちふさがっていた圭織。

「ふふ、だから言ったでしょ。私から逃げることはできないんだから…」

そう言って俺に手を伸ばしてくる。
それからの記憶は、無い…。