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1/2 投稿日:2003/03/20(木) 00:36

「はいもしもし、藤本です」
「あ、美貴?」
「あれ、どしたの?
 携帯にかけてくればよかったのに」
「久しぶりに家の電話にかけてみるのも面白いかなーって」
「えー、何それ」
「別にいいじゃん。今日卒業式だったんだろ?」
「うん」
「天気予報でやってたんだけど、そっちってまだ雪降ってんだな」
「そうだよ。当たり前じゃん」
「あ、そう。壇上で卒業証書とか受け取ったの」
「まあ、受け取ったけど。
 壇の上から名前呼ばれるのって恥ずかしいね」
「こっちは一人づつ渡してもらえるんじゃなくて、代表が一人だけ受け取ってたんだけど。
 それ以外は教室で配られたよ。
 って言うか喉掠れてない?」

「さっきまで友達とカラオケ行ってた」
「卒業祝い?」
「まあね」
「男と行ってないだろな」
「行ってるわけないじゃん。
 大体、ちょっと距離離れてるからって心配しすぎなんだって」
「だって相手が何やってるか、わかんないだよ?」
「それは私だって一緒じゃん」
「俺が他に女作るわけないだろ」
「そんなのわからないんじゃない、結構」
「そんなにもててたわけじゃないんだから、できるわけないだろ」
「またまたあ。いやらしいなあ」
「本当にもててなかったじゃん」
「きゃははは。なにムキになってんの?」
「そんなことばっかり言ってると電話切るぞ」
「あ、待って待って。
 卒業式の後で紅白まんじゅうもらったんだけど、それがまずくてさあ……」