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ケロ 投稿日:2003/09/09(火) 01:00

「君といた夏」

長くて短かった夏休みも終わりにさしかかってきた。
そんな中俺、小林剛志は特にする事もなく夏休みを過ごしていた。
そして今日も俺はいつも通り平凡な生活をしていた。
俺は朝食をとった後自分の部屋に戻って寝ようとしていた。
部屋に戻るとお気に入りのCDをかけた。
そして俺はそのまま瞼を閉じた。

  約1時間後・・

俺の眠りから覚めさせる一本の電話が掛かってきた。
俺は眠ていたせいか少し不機嫌ぎみに電話にでた。

 『・・もしもし』

 『ねぇ剛志〜!今日暇〜??』

電話の主は俺の幼馴染の矢口真里からの電話だった。

 『何だ真里かよ・・』

 『どうしたの??テンション低いよ〜!!』

 『さっきまで寝てたんだよ・・』

 『あ〜ゴメンゴメン!!』

 『まあいいけどさ・・っで何か用か??』

俺はとっとと話しを済まそうと用事を聞いた。

 『今日ある花火大会一緒に行かない??』

ちょっといきなりの誘いに俺はびっくりした。
何せ俺は真里とは中学校以来遊んでないからだ。
まあ今日は暇だったし真里とも夏休みに一度も会ってなかったので俺は行く事にした。

 『ああいいぜ。じゃあ何処で待ち合わせる?』

 『じゃあ7時に神社に来てね〜』

そういうと電話が切れた。

時計を見てみるとまだ3時前ぐらいだったので俺は少し残っていた学校の宿題を済まそうとした。
いざ宿題をしようとしたが久々の勉強に俺は少しの間ペンが動かなかった。
宿題が最後らへんになるころには時間も6時過ぎになっていた。

 『よし終わり!!』

時間を見るとちょうど6時半ぐらいだった。
俺はすぐに私服に着替え家を出た。
俺の家から神社までは20分ぐらいで着く距離だった。
神社に行く途中いくらか友達に会ったりした。
神社に着くと人気があまりなかった。
時間をみると7時まで後5分といった時間だった。
ちょっと早く着いたなと思い石段に座って待っていた。
「カタカタ」っという音を聞くとすぐに来たという事がわかった。

 『おまたせ〜!!』

そこには久しぶりに会う真里の笑顔があった。

 『じゃあ行くか』

二人並んで歩いていると・・

 『ねぇ、手つないでいい??』

 『ああ、いいぜ』

そういうと夜空の下、俺と真里は手をつないだ。
ちょっと最初は抵抗があったが後は普通だった。
花火が見える所に来てみるとそこにはすごい人だかりができていた。

 『人多いね』

 『まあ年に一回しかないからな』

そして花火が始まった。
俺は花火を見ながら横にいる真里の顔をふと見た。
真里の顔は花火の光が反射して俺の目に映っていた。

 『(こうやって見るとかわいいな・・・)』

俺がじっとみていると真里が気がついた。

 『ちょっと〜、人の顔ジロジロ見ないでよ』

真里は少し恥ずかしそうに言った。
それからは俺の視線は花火ではなく真里に釘付だった。

花火が終わり俺達は帰り道を歩いていた。

 『花火きれいだったね〜』

 『ああ、きれいだったな』

俺は最初しか見てなかったのでビミョーな答えしか出来なかった。

 『・・ねぇ』

 『どうした??』

といきなり真里が抱きついてきた。

 『えっ!!』

俺は真里の思わぬ行動に唖然とするだけだった。

 『・・寂しかった』

 『・・何でだ?』

 『・・だって夏休み一回も会えなかった』

 『(まあそう言えばそうだけど・・)』

 『私のこと嫌いになったの??』

真里は少し泣きそうな声で言った。

 『なわけないだろ』

そういうと俺は真里を抱きしめた。

 『・・じゃあキスして』

 『えっ!!』

俺は戸惑って真里の方をみてみると真里は瞼を閉じていた。

 『(ったく、しょうがないか)』

俺は静かに真里の唇に自分の唇を重ねた。

唇を離すとしばしの間沈黙が流れた。

 『なあ真里』

 『何??』

俺は思いきって真里に気持ちを伝えた。

 『俺と付き合ってくれないか?』

俺の突然の告白に真里は最初驚いた表情をみせた、

 『えっ!私なんかでいいの?』

 『俺は真里がいいんだ』

  真里は笑顔で、

 『うん!こちらこそお願いします』

俺と真里はその場で抱き合った。
この夏は俺にとって永遠の夏の思い出になった