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白川転西 ◆0XO59HHyNQ 投稿日:2003/11/06(木) 19:49
「おはようございます!7時半です。起床の時間です。
今朝はあなたの好きなワカメのおみそ汁です。俊一さん!」
今朝もあの子がおれをおこしにきた。まだ眠たいからもう少し寝かせて欲しいのに。
「俊一さん、起きてください」
「ん・・・あと5分・・・」
「遅刻しますよ!俊一さん!」
彼女はおれの布団をひっぺがした。
「うわっ、なにすん・・・」
「キャー」
あ〜あ、俺は寝るときは上は何も着ていないのに・・・。
彼女は奪ったおれの布団で真っ赤になった顔を隠している。「ど、どうして何も着てないんですか」
「このほうがよく眠れるの。真っ裸じゃないんだしそんなにビックリしなくても
いいだろ」
「お、おみそ汁冷めないうちに降りてきてください」
彼女は慌てて部屋を勢いよく飛び出していった。
裸の上半身をチラと見ただけなのにあれほど騒ぐなんて・・・。
ドダダダダーン
「キャー」
あー、やっちゃた。
あんな急いで飛び出していったから・・・うちの階段は滑るのに。
彼女がうちに来てもう2週間、毎日こんな調子だ。おれは服を着て下へ降りていった。
「あら、おはよ」
「かあさん、あの子を起こしに来させるのはやめてよ」
「どうして?」
「どうしてって、他人だし、まずいよやっぱり」
「私は台所でいそがしいのよ。目覚ましで起きられない人が悪いんです」
「しっかしねー」
彼女が足や腕に絆創膏を貼ってキッチンに入ってきた。
「まあ、愛ちゃんどうしたの」
「ちょ、ちょっと階段から・・・」おれは服を着て下へ降りていった。
「あら、おはよ」
「かあさん、あの子を起こしに来させるのはやめてよ」
「どうして?」
「どうしてって、他人だし、まずいよやっぱり」
「私は台所でいそがしいのよ。目覚ましで起きられない人が悪いんです」
「しっかしねー」
彼女が足や腕に絆創膏を貼ってキッチンに入ってきた。
「まあ、愛ちゃんどうしたの」
「ちょ、ちょっと階段から・・・」姉さんが結婚してベトナムに行ったのが2週間前。
姉さんの結婚相手、つまり彼女の兄さんと彼女は福井県で二人暮らしを
していたんだけど(両親は早くに亡くなったそうだ)、義兄さんと姉さんは
なぜかベトナムで新婚生活を送るのが夢だったらしく、一人残った彼女は
大きなスーツケースを一つひきずってうちにやって来た。
娘が遠い外国に行ってしまった父さんと母さんは喜んでるけど・・・。